JP4412863B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関し、詳しくは、1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生し得るスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスロットマシンとして従来から知られているものに、たとえば、1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生し得るスロットマシンがある。
【0003】
この種の従来のスロットマシンでは、たとえば、可変表示装置の表示結果が特定のボーナス図柄のぞろ目となった場合に、ビッグボーナス入賞となり、それ以降、遊技状態がビッグボーナス状態に制御される。ビッグボーナス状態では、小役の当選率が高く向上されたいわゆる“小役ゲーム”が複数回提供される。
【0004】
また、その小役ゲームにおいて可変表示装置の表示結果が予め定められたレギュラーボーナス図柄の組合わせになった場合には、さらに遊技状態がレギュラーボーナス状態に制御される。レギュラーボーナス状態では、入賞役の種類が特有の入賞役に限定された1枚賭けのレギュラーボーナスゲームが複数回提供される。そして、レギュラーボーナス状態が終了すると、再度、小役ゲームが提供され、ビッグボーナス状態が継続される。このビッグボーナス状態は、たとえば、レギュラーボーナス状態へ3回制御されたこと、小役ゲームが30ゲーム消化されたこと、のうちのいずれか早い方の条件が成立した場合に終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこの種のスロットマシンでは、ビッグボーナス状態中に提供されるゲームが、小役ゲームとレギュラーボーナスゲームという性質が異なる2種類のゲームから組み立てられていたために、ゲーム内容が複雑で、初心者にはゲーム状態が把握し難いという問題点があった。
【0006】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技者にゲーム内容が理解し易く、親しみ易いスロットマシンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置(4)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生し得るスロットマシン(1)であって、
有価価値の付与を伴う付与入賞役(たとえば、小役)と遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞役(たとえば、BB)とを含む複数の所定の入賞役(たとえば、小役、BB、リプレイ役)について所定の当選率(たとえば、1/15、図5)で入賞の発生が許容されるように定められた通常遊技状態(たとえば、通常ゲームが提供される状態)において前記特別入賞役について入賞の発生が許容された後、前記可変表示装置の表示結果が前記特別入賞役の入賞を発生させる特別の表示態様(たとえば、白7、白7、白7)となったことを条件として、前記特別遊技状態(たとえば、BB1状態)に制御し、該特別遊技状態への制御を開始してから遊技者に付与された有価価値(たとえば、メダル、クレジット)の大きさが所定の大きさ(たとえば、メダル500枚相当)に達したときに前記特別遊技状態への制御を終了させる(たとえば、図6参照)遊技制御手段(たとえば、S10)と、
入賞の発生を許容するか否かについての抽選を、前記複数の所定の入賞役の種類別に行なう抽選手段(たとえば、S3)と、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための操作が可能な導出表示操作手段(たとえば、ストップボタン41L,41C,41R)と、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段(たとえば、S7)とを含み、
前記抽選手段は、
前記遊技制御手段により前記通常遊技状態に制御されているときには、ゲームを開始する毎に、前記特別入賞役について抽選を行ない(たとえば、図5)、
前記遊技制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときに、前記通常遊技状態であるときに抽選する付与入賞役のうち最も当選率(たとえば、1/15)が高い特定付与入賞役(たとえば、小役1)について、前記通常遊技状態であるときよりも高くかつ前記特別遊技状態であるときに抽選する付与入賞役のうち最も高い当選率(たとえば、3/3.1に向上)で抽選を行ない(たとえば、図5)、
前記可変表示制御手段は、
前記特別入賞役について入賞の発生が許容されているときには、前記導出表示操作手段の操作タイミングに応じて、前記特別の表示態様を前記可変表示装置に導出表示し、
前記遊技制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって前記特定付与入賞役について入賞の発生が許容されているときには、前記導出表示操作手段の操作タイミングに関わらず、当該特定付与入賞役の入賞を発生させる表示結果を前記可変表示装置に導出表示し、
前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態への制御を開始してから、該特別遊技状態に制御する間の各ゲームにおいて抽選の対象となる入賞役を前記通常遊技状態において抽選の対象となる付与入賞役とした(たとえば、図5に示されるように、BB1状態では小役1〜3が有効)。
【0008】
上記の構成によれば、特別遊技状態への制御が開始されてから、該特別遊技状態に制御されている間の各ゲームにおいて抽選の対象となる入賞役を通常遊技状態において抽選の対象となる付与入賞役としたために、特別遊技状態中のゲーム内容を遊技者が理解し易くなり、たとえば、初心者にも親しみ易いスロットマシンを提供できる。また、特別遊技状態中に遊技者に付与された有価価値の大きさが所定の大きさになったときに特別遊技状態が終了するために、特別遊技状態中に遊技者が獲得できる有価価値の大きさを適度に抑えることができる。
【0009】
(2) 前記特定付与入賞役(たとえば、小役1)により入賞が発生したとき、前記特別遊技状態においては、1ゲームの結果として付与できる予め定められた上限数(たとえば、15枚)の有価価値が遊技者に付与される(たとえば、図5参照)。
【0010】
上記の構成によれば、特別遊技状態において、遊技者所有の有価価値総数を速やかに増加させることができる。
【0011】
(3) 前記特定付与入賞役(たとえば、小役1)の当選率(たとえば、3/3.1)は、前記特別遊技状態においては、はずれが決定される率よりも高い(たとえば、図5参照)。
【0012】
上記の構成によれば、特別遊技状態において、遊技者所有の有価価値総数を速やかに増加させることができる。
【0025】
(4) 前記可変表示装置には複数種類の識別情報(たとえば、図柄)が予め定められた順序でスクロール表示される複数の可変表示部(たとえば、左、中、右可変表示部)が設けられ、該複数の可変表示部の表示結果が予め定められた入賞態様となったときに入賞が発生し、
前記可変表示部においてスクロール表示される識別情報の配列が可変表示部毎に予め定められており(たとえば、図4参照)、
前記導出表示操作手段が操作されたとき(たとえば、左ストップボタン41L,中ストップボタン41C,右ストップボタン41Rの操作の検出)に前記可変表示部にスクロール表示されている識別情報を基準にして所定の引込み可能範囲内(たとえば、リール配列において、ある任意の図柄を基準とした場合に少なくともその図柄を含んで5図柄以内)に位置する識別情報が当該可変表示部の表示結果として導出表示されるように構成されており、
前記複数の可変表示部に対応する識別情報の配列においては、各々、前記特定付与入賞役に対応する識別情報が、必ず前記引込み可能範囲に配列されている(たとえば、小役1に対応するスイカは、図4に示されるように、全リールにおいて、引込み制御可能な範囲に配列されている。)。
【0026】
上記の構成によれば、特別遊技状態中、遊技者の利益を速やかに増加させることができる。
【0027】
(5) 前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態への制御を開始してから所定回数(たとえば、50回)のゲームが進行したときに、前記特別遊技状態への制御を終了させる(たとえば、図6参照)。
【0028】
上記の構成によれば、所定回数のゲームが進行すれば前記特別遊技状態が終了するというわかりやすい終了条件により、ゲーム内容をより一層単純化できる。
【0031】
(6) 前記遊技制御手段は、複数種類(たとえば、3種類)の終了条件のうちのいずれかが成立したときに、前記特別遊技状態への制御を終了させる(たとえば、図6参照)。
【0032】
上記の構成によれば、複数種類の終了条件のうちのいずれかが成立したときに特別遊技状態が終了するために、緊張感のあるゲームを提供できる。
【0033】
(7) 前記特別遊技状態は、前記スロットマシンの遊技状態のうちで最も遊技者にとって有利な遊技状態である(たとえば、図5参照)。
【0034】
上記の構成によれば、遊技者がゲーム内容を理解し易いように構成された特別遊技状態が、前記スロットマシンの遊技状態のうちで最も遊技者にとって有利な遊技状態であるため、有利な遊技状態を遊技者が活用し易くなる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0036】
図1は、スロットマシン1の全体正面図である。スロットマシン1の前面扉2は、施錠装置53の鍵穴に挿入した所定のキーを時計回り方向に回動操作することにより開放させることが可能になる。また、鍵穴に挿入したキーを反時計回り方向に回動すると、その操作が第1リセットスイッチ531(図2参照)により検出され、スロットマシン1がリセットされる。このため、たとえば、後述するビッグボーナスが終了して打止状態になった場合、鍵穴に挿入したキーの反時計回り方向の回動操作によって、再びゲームを提供できる状態になる。なお、ビッグボーナスが終了し、打止状態になってから所定の打止時間が経過した後に、自動的にスロットマシン1がリセットされるように設定することも可能である。
【0037】
前面扉2下部の左右には、略三角形状の右下部遊技効果ランプ部37、左下部遊技効果ランプ部38が設けられている。また、前面扉2上部の左右にはスピーカカバー58が設けられ、スロットマシン1の下方には下部スピーカ部59が設けられている。スピーカカバー58および下部スピーカ部59の内部には、スピーカ581(図2参照)が設けられている。なお、スロットマシン1には、その背面側から効果音を出力するスピーカも内蔵されている。
【0038】
スピーカカバー58、右下部遊技効果ランプ部37、および左下部遊技効果ランプ部38によって囲まれる領域部分には、上部前面飾り枠8が設けられており、上部前面飾り枠8の下方には、下部前面飾り枠9が設けられている。
【0039】
上部前面飾り枠8は、遊技効果ランプ部30a〜30eおよび入賞図柄説明表示パネル5が設けられた上段部分と、遊技パネル6や各種表示部が設けられた略楕円型の中段部分と、遊技パネル6の下部から前面側に突出して形成され、メダル投入部51や各種操作ボタン43〜46、41L,41C,41R、スタートレバー42等が設けられた下段部分とからなる。下部前面飾り枠9には、スロットマシンの機種名称等が描かれたタイトルパネル7が設けられている。入賞図柄説明表示パネル5の略中央部分には演出用の液晶表示器50が設けられている。
【0040】
下部前面飾り枠9の下方には、遊技媒体の一例となるメダルが払出されるメダル払出穴54と前述した下部スピーカ部59とが形成されている。メダル払出穴54の下方には、灰皿56が形成されたメダル受け皿55が取付けられている。
【0041】
上部前面飾り枠8の遊技パネル6の周囲には、右斜め上部遊技効果ランプ部33と、左斜め上部遊技効果ランプ部34と、右中部遊技効果ランプ部31a,31bと、左中部遊技効果ランプ部32a,32bとが設けられている。また、スタートレバー42の左斜め下には左斜め下部遊技効果ランプ部36が設けられ、メダル詰まり解除ボタン46の右斜め下には右斜め下部遊技効果ランプ部35が設けられている。
【0042】
遊技パネル6には、スロットマシン1の本体側に設けられた左リール4L,中リール4C,右リール4Rを透視可能な透視窓40と、透視窓40の左側に位置する1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22a,22b、および3枚賭け表示部23a,23bと、透視窓40の右側に位置するゲームオーバー表示部14、リプレイ表示部15、ウエイト表示部16、スタート表示部17、および投入指示表示部(インサートメダル表示部ともいう。)18と、透視窓40の下側に位置するクレジット表示部11、ゲーム回数表示部12、およびペイアウト表示部13とが設けられている。
【0043】
クレジット表示部11、ゲーム回数表示部12、およびペイアウト表示部13は、LED(Light Emitting Diode)が内蔵された7セグメント表示器により構成されている。
【0044】
1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22a,22b、および3枚賭け表示部23a,23bは、遊技者がゲームに賭けた賭数を表示する。各賭け表示部は、図示のように透視窓40に描かれた5つの入賞ラインのいずれかと対応しており、賭数に応じた有効な入賞ラインを識別可能に報知する有効ライン表示部と兼用されている。
【0045】
ゲームオーバー表示部14は、ビッグボーナスが終了することにより打止状態となった場合、および何らかのエラーが発生して遊技を進行させることができない状態となった場合に点灯する。リプレイ表示部15は、リプレイ入賞が発生した場合に点灯する。スタート表示部17は、賭数が設定されることによりスタート操作をすることが可能な状態となった場合に点灯し、有効なスタート操作が検出されることにより消灯する。投入指示表示部18は、メダルを受付可能な状態である場合に点滅し、最大の賭数が設定され、かつ、クレジット数が上限数に至った場合、ゲームが開始された場合等に消灯する。
【0046】
ウエイト表示部16は、ウエイトタイム中にスタート操作が検出された場合に点灯し、ウエイトタイムが経過した後に消灯する。ウエイトタイムは、ゲームがあまりに早く進行し過ぎてしまうことを規制するためにスロットマシンに設定された、ゲーム進行規制期間である。このウエイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウエイトタイムが経過した後に、リールが始動するように設計されている。
【0047】
クレジット表示部11は、クレジット数を表示する。クレジットとは、遊技者所有の有価価値としてスロットマシン1側で記憶されているメダル数である。このクレジットは、スロットマシン1へのメダルの投入、および払出しのある入賞の発生によって加算更新され、賭数を設定したり、精算操作に基づいてメダルを払出したりすることによって減算更新される。スロットマシン1は、最大、メダル50枚分の価値をクレジットとして記憶可能である。クレジット数が上限数(=50)に達した場合には、投入指示表示部18が消灯する。そして、記憶の上限を超えるクレジットの加算更新の要求が発生した場合には、その上限を超えるメダルがメダル払出穴54から払出される。
【0048】
ゲーム回数表示部12は、ビッグボーナス中の入賞回数等を表示する。また、ビッグボーナスが終了して打止状態となった際には、ゲーム回数表示部12は、「END」という文字を表示して、遊技者に打止状態である旨を報知する。
【0049】
ペイアウト表示部13は、1ゲーム中に発生した入賞に基づいて遊技者に付与されるクレジット数を1ゲーム毎に表示する。
【0050】
遊技パネル6の下部から前面側に突出して形成された部分の上面には、メダル投入口52が形成されたメダル投入部51と、精算ボタン45と、1枚BETボタン43と、MAXBETボタン44とが設けられている。
【0051】
1枚BETボタン43は、1クレジットを賭ける際に押圧するボタンである。MAXBETボタン44は、1ゲームにおいて許容される賭数の最大数(たとえばメダル3枚分)をクレジットに記憶されている範囲内でゲームに賭ける際に押圧するボタンである。精算ボタン45は、スロットマシン1に記憶されているクレジットに基づいて、メダル払出穴54からメダルの払出しを受ける際に押圧するボタンである。この精算ボタン45を押圧することに伴って、クレジット表示部11に表示されているクレジット数が0になるまで減算更新されるとともに、クレジット相当数のメダルが払出される。
【0052】
遊技パネル6の下部から前面側に突出して形成された部分の側面には、スタートレバー42と、左ストップボタン41L,中ストップボタン41C,右ストップボタン41Rと、メダル詰まり解除ボタン46とが設けられている。
【0053】
スタートレバー42は、ゲームを開始する際に操作するレバーである。賭数を設定した後、このスタートレバー42を操作することにより各リール4L,4C,4Rが一斉に変動し始める。なお、各リール4L,4C,4Rの間のリール手前側には、各リール間の隙間を塞ぐためのリール間塞ぎ部材57が設けられている。
【0054】
各ストップボタン41L,41C,41Rは、ゲームが開始した後、変動しているリールを停止させる際に操作するボタンである。ストップボタン41Lには操作有効ランプ410L(図2参照)が、ストップボタン41Cには操作有効ランプ410C(図2参照)が、ストップボタン41Rには操作有効ランプ410R(図2参照)が、各々内蔵されている。これら、操作有効ランプ410L,410C,410Rは、対応するストップボタン41L,41C,41Rの操作が有効である場合に点灯し、操作が無効である場合に消灯する。また、ストップボタン41L,41C,41Rが配列されたストップボタンユニット19には、ビッグボーナス入賞の当選フラグが設定されている場合に点灯するボーナス告知ランプ190(図2参照)が内蔵されている。このため、ストップボタンユニット19は、ボーナス告知表示部19として機能する。メダル詰まり解除ボタン46は、メダル投入口52に投入したメダルがスロットマシン1の内部で詰まった場合、メダル詰まりを解消させる際に操作するボタンである。
【0055】
次に、スロットマシン1により提供されるゲームの概要について説明する。
ゲームを開始するためには、最初に賭数を設定する。賭数は、1枚BETボタン43またはMAXBETボタン44を押圧することにより、1〜3のいずれかに設定できる。ただし、クレジット表示部11に表示されるクレジット数が3に満たない場合、設定可能な賭数の範囲は、そのクレジット数の範囲内に限られる。また、後述のJACゲームを行なう場合には、賭数が1に限定される。1枚BETボタン43、MAXBETボタン44の操作が有効であるか否かは、1枚BETボタン43、MAXBETボタン44に内蔵されたBETランプ430b,440bの点灯状況によって示される。
【0056】
1枚BETボタン43を1回押圧すると、賭数が1に設定され、1枚賭け表示部21が点灯してその旨が示される。続けて1枚BETボタン43を1回押圧すると、賭数が2に設定され、1枚賭け表示部21に加えて1枚賭け表示部21を挟む位置に設けられた2つの2枚賭け表示部22a,22bが点灯してその旨が示される。続けて1枚BETボタン43を1回押圧すると、賭数が3に設定され、1枚賭け表示部21および2枚賭け表示部22a,22bに加えて、2枚賭け表示部22a,22bを挟む位置に設けられた2つの3枚賭け表示部23a,23bが点灯してその旨が示される。なお、MAXBETボタン44を1回押圧すると、賭数が最大数の3に設定され、1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22a,22b、および3枚賭け表示部23a,23bが点灯する。賭数が最大数の3に設定された場合には、それを超える賭数を設定することができないために、BETランプ430b,440bは消灯する。
【0057】
また、直接、メダルをメダル投入口52に投入することによって賭数を設定することも可能であり、メダルを1枚投入する毎に、所定の上限数の範囲内で賭数が1ずつ加算される。なお、賭数の上限数を超えてメダルが投入された場合、クレジット数が上限値に達するまではクレジットが加算更新され、クレジット数が上限値に達した時点でメダルがメダル払出穴54から返却される。
【0058】
賭数が設定された場合にはスタート表示部17が点灯する。これにより、スタートレバー42の操作が有効に受付けられる状態になった旨が遊技者に報知される。スタート表示部17が点灯している際にスタートレバー42を操作すれば、各リール4L,4C,4Rが一斉に変動(スクロール)し始める。ただし、スタートレバー42を操作した時点がウエイトタイム期間内にあれば、リールがスクロールすることなく、ウエイト表示部16が点灯する。その後、ウエイトタイム期間が経過してウエイト表示部16が消灯するのと同時にリールがスクロールし始める。各リール4L,4C,4Rには、複数種類の図柄が描かれており、リールの変動に伴って透視窓40に現れる図柄の種類が次々と変動される。また、スタートレバー42を操作したタイミングで、ビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、ボーナス告知表示部19が点灯し、その旨が遊技者に報知される。
【0059】
透視窓40からは、リール間塞ぎ部材57によって仕切られた3つのリール4L,4C,4Rの一部分が視認される。リール間塞ぎ部材57はリール側に設けられているが、透視窓40のうち、リール間塞ぎ部材57によって視界が仕切られることによって分割される3つの領域、すなわち、各リール4L,4C,4Rが視認できる3つの領域部分を各リール4L,4C,4Rに対応させて左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部と呼ぶ。
【0060】
透視窓40の各可変表示部からは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示されるとともに、上段の上方部分には間もなく上段の位置に現れる図柄の一部が、下段の下方部分には間もなく可変表示部の下に隠れて見えなくなる図柄の一部が、それぞれ表示される。
【0061】
リールの変動が開始されてから所定時間が経過すれば、各ストップボタン41L,41C,41Rに設けられた操作有効ランプが点灯する。これにより、各ストップボタン41L,41C,41Rの押圧操作が有効な操作有効状態になったことが遊技者に報知される。各ストップボタン41L,41C,41Rは、各リール4L,4C,4Rに対応して設けられている。遊技者は自らの操作によって各リール4L,4C,4Rを停止させる順序を決定できる。遊技者がストップボタン41L,41C,41Rのうち、いずれかを押圧操作すれば、対応するストップボタンに設けられた操作有効ランプが消灯する。その後、操作されたストップボタンに対応するリールが停止する。
【0062】
一方、遊技者がストップボタン41L,41C,41Rを操作しない場合には、所定の変動時間が経過した後に各リール4L,4C,4Rが、たとえば4L,4C,4Rの優先順序で自動的に順次停止し、各ストップボタン41L,41C,41Rに設けられた操作有効ランプが410L,410C,410Rの順序で消灯する。
【0063】
すべてのリール4L,4C,4Rが停止した時点で、透視窓40から視認される各リール4L,4C,4Rの上段、中段、下段の3段の図柄のうち、賭数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定される。賭数が1の場合には、可変表示部における中段の横1列の入賞ラインのみが有効ラインとなる。賭数が2の場合には、可変表示部における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効ラインとなる。賭数が3の場合には、可変表示部における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0064】
有効ライン上における図柄の組合わせが予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、各種遊技効果ランプ部が所定の態様で点滅するとともにスピーカ581から効果音が出力され、効果的な演出がなされる。また、賭け表示部21,22a,22b,23a,23bのうち入賞ラインに対応する表示部、およびバックライト(各リール4L,4C,4R内に設けられたリールランプ401(図2参照))が点滅する。そして、入賞に応じた数のメダルがクレジットとして払出されてクレジット表示部11のクレジット数が加算更新される。また、ペイアウト表示部13には、その払出数が表示される。なお、クレジット数が上限(=50)に達した場合には、直接、メダルがメダル払出穴54から払出される。
【0065】
なお、このスロットマシン1では、1ゲームの結果に対して遊技者に付与されるメダル数(クレジット数)の最大数が15に制限されている。このため、たとえ、複数の入賞役が揃って、入賞役ごとに定められた払出数の総数が15を超える場合であっても、メダルは15枚以上払出されることはない。
【0066】
また、可変表示装置の表示結果が特に予め定められた特別の表示態様となった場合には、ビッグボーナス入賞となり、クレジットが付与されるとともに、遊技状態がビッグボーナスゲームを行なうことが可能なビッグボーナス状態となる。以下、必要に応じて、「ビッグボーナス」を「BB」と略す。
【0067】
たとえば、ビッグボーナス入賞が発生すると、ゲーム回数表示部12にはBBゲームを行なうことができる最大回数(たとえば、50ゲーム)、BBゲーム中に獲得可能な最大入賞回数(たとえば、40回)、BBゲーム中に獲得可能な最大メダル数(たとえば、500枚)が表示され、ビッグボーナスゲームが消化される毎に、そのゲーム結果に応じて、それらの数値がカウントダウンされて表示される。
【0068】
図2は、スロットマシン1に設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。また、図3は、遊技制御基板100に設けられた制御部111の構成を説明するためのブロック図である。
【0069】
スロットマシン1に設けられた各種基板のうち、遊技制御基板100によって遊技の進行が制御され、演出制御基板101によって遊技の進行に応じた演出制御がなされる。また、電源基板102にはスロットマシン1の外部から電源が供給される。この電源基板102にはAC100Vの電源の供給を受けるための電源コード625と、メインスイッチ624とが接続されている。
【0070】
遊技制御基板100は、演出制御基板101および電源基板102と配線接続されている。さらに、遊技制御基板100は、リール中継基板103aを介して、外部出力基板104と接続されている。
【0071】
遊技制御基板100の制御部111は、遊技状態が後述するBB1状態であることを示すBB1中信号や、遊技状態が後述するBB2状態であることを示すBB2中信号、各リール4L,4C,4Rに対応するリールモータ402を制御するためのリール制御信号(モータ位相信号)、入賞の発生により遊技者に払出されたメダル(クレジット)数を示すメダルOUT信号、賭数を設定するために用いられたメダル数を示すメダルIN信号などを、リール中継基板103aを介して外部出力基板104からスロットマシン1の外部に出力する制御を行なう。
【0072】
遊技制御基板100には、各種のスイッチ、センサ、ランプ、および表示器からの配線が接続されている。
【0073】
たとえば、電源基板102に配線接続された設定スイッチ621、設定キースイッチ622、第2リセットスイッチ623、払出センサ601、およびホッパーモータ602は、電源基板102によって中継されて遊技制御基板100と配線接続されており、それぞれのスイッチおよびセンサの検出信号は、遊技制御基板100の制御部111に入力される。また、制御部111は、メダルの払出条件(メダルを払出す必要のある入賞の発生、精算スイッチ450からの検出信号の入力)が成立すると、ホッパーモータ602に制御信号を出力して所定数のメダルを払出す払出制御を実行する。電源基板102を介して遊技制御基板100に配線接続されたスイッチのうち、設定スイッチ621は当選率の設定を行なうためのスイッチであり、設定キースイッチ622は設定スイッチ621の操作を有効化するためのスイッチである。設定スイッチ621の操作により、当選率を「設定値1」〜「設定値6」(図5参照)のいずれかに設定できる。また、第2リセットスイッチ623は、スロットマシン1をリセットするためのスイッチであり、払出センサ601は払出されたメダルを検出するスイッチである。
【0074】
リール中継基板103aに配線接続されたリールモータ402、およびリールセンサ403は、リール中継基板103aによって中継されて遊技制御基板100に配線接続されており、リールセンサ403の検出信号は、遊技制御基板100の制御部111に入力される。ただし、リールランプ401は、リールランプ中継基板103bによって中継されて演出制御基板101に配線接続されている。リールセンサ403は、各リール4L,4C,4Rの基準位置を検出するためのセンサであり、満タンセンサ611は、ホッパー60からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク(図示省略)内のメダル貯留量が所定量以上となっていることを検出するためのセンサである。遊技制御基板100の制御部111は、始動条件(スタートスイッチ420の検出信号の入力)が成立すると、リールモータ402に制御信号を出力してリールの変動を開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御を実行する。
【0075】
遊技制御基板100に配線接続されたスイッチのうち、1枚BETスイッチ430aは、1枚BETボタン43の操作を検出し、MAXBETスイッチ440aは、MAXBETボタン44の操作を検出するスイッチである。
【0076】
スタートスイッチ420は、スタートレバー42の操作を検出するスイッチであり、左、中、右ストップスイッチ411L,411C,411Rは、左、中、右ストップボタン41L,41C,41Rの操作を検出するスイッチである。流路切替ソレノイド511は、メダル投入口52に投入されたメダルの流路をホッパー60側とメダル払出穴54側とに切替えるためのソレノイドである。
【0077】
精算スイッチ450は、精算ボタン45の操作を検出するスイッチであり、第1リセットスイッチ531は、施錠装置53の鍵穴に挿入したキーによるスロットマシンのリセット操作を検出するスイッチである。投入メダルセンサ510は、メダル投入部51に投入されたメダルを検出するセンサである。
【0078】
クレジット表示器110はクレジット表示部11を構成する表示器であり、ゲーム回数表示器120はゲーム回数表示部12を構成する表示器であり、ペイアウト表示器130はペイアウト表示部13を構成する表示器である。投入指示ランプ180は、投入指示表示部18に内蔵されるランプであり、1枚賭けランプ210、2枚賭けランプ220a,220b、3枚賭けランプ230a,230bは、1枚賭け表示部21、2枚賭け表示部22a,22b、3枚賭け表示部23a,23bに内蔵されるランプである。
【0079】
ゲームオーバーランプ140は、ゲームオーバー表示部14に内蔵されるランプであり、スタートランプ170はスタート表示部17に内蔵されるランプであり、リプレイランプ150はリプレイ表示部15に内蔵されるランプであり、ボーナス告知ランプ190はボーナス告知表示部19に内蔵されるランプである。
【0080】
BETボタンランプ430bは1枚BETボタン43に内蔵されるランプであり、BETボタンランプ440bはMAXBETボタン44に内蔵されるランプである。左操作有効ランプ410Lは、左ストップボタン41Lに内蔵されるランプであり、中操作有効ランプ410Cは、中ストップボタン41Cに内蔵されるランプであり、右操作有効ランプ410Rは、右ストップボタン41Rに内蔵されるランプである。
【0081】
電源基板102あるいはリール中継基板103aを介して、あるいは、これらの基板を介することなく遊技制御基板100に配線接続された各種ランプおよび表示器は、遊技制御基板100に搭載された制御部111によって制御される。また、制御部111は、遊技制御基板100に接続され、または、電源基板102あるいはリール中継基板103aを介して遊技制御基板100に接続された各種スイッチおよびセンサの検出信号を受け、遊技状態を制御する。
【0082】
図3を参照して、遊技制御基板100に設けられた制御部111は、制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU(Central Processing Unit)112と、CPU112の制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)114と、必要なデータの書込みおよび読出しができるRAM(Random Access Memory)113と、CPU112と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート115とを含む。
【0083】
また、遊技制御基板100には、電源投入時にCPU112にリセットパルスを与える初期リセット回路118と、CPU112にクロック信号を与えるクロック発生回路119と、クロック発生回路119からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU112に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)121と、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生している乱数発生回路123と、乱数発生回路123から乱数をサンプリングするサンプリング回路124と、バッファ回路122とが設けられる。
【0084】
さらに、遊技制御基板100には、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路116や、モータ回路117、その他、図示しないソレノイド回路等が設けられている。また、遊技制御基板100には、停電時にRAM113の記憶を保持させるためのバックアップ電源125が設けられている。
【0085】
遊技制御基板100の制御部111から演出制御基板101へは、バッファ回路122を介して、各種のコマンドが出力される。バッファ回路122は、遊技制御基板100の内部から外部への信号の出力を許容するが遊技制御基板100の外部から内部へ信号が入力されることを阻止する不可逆性出力手段として機能する。このため、遊技制御基板100と演出制御基板101との間において、遊技制御基板100から演出制御基板101への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板100に信号を入力させて不正な制御動作を行なわせる不正行為を防止できる。
【0086】
演出制御基板101には、遊技効果ランプ部30a〜30e,31a,31b,32a,32b,33〜38に内蔵される各遊技効果ランプ301と、液晶表示器50と、スピーカカバー58および下部スピーカ部59内に各々設けられるとともにスロットマシン1の背面側に向けて設けられるスピーカ581と、各蛍光灯302と、ウエイトランプ160とが接続され、さらに、リールランプ中継基板103bを介してリールランプ401が接続される。
【0087】
ここで、蛍光灯302は、入賞図柄説明表示パネル5、タイトルパネル7、および遊技パネル6を内側から照らすとともに、各リール4L,4C,4Rを照らすためのものである。ウエイトランプ160はウエイト表示部16に内蔵されるランプである。
【0088】
演出制御基板101には、マイクロコンピュータからなる制御部131と、各スピーカ581から音を出力させるためのスピーカ駆動回路136と、液晶表示器50を表示制御するための表示駆動回路137と、各種ランプを点灯あるいは点滅させるためのランプ駆動回路138と、バックアップ電源139とが搭載されている。
【0089】
制御部131は、CPU132と、制御プログラムを格納するROM134と、必要なデータの書込みおよび読出しができるRAM133と、I/Oポート135とを含む。このうち、RAM133の記憶データは、バックアップ電源139によりバックアップされている。このため、制御部131は、停電の回復後に、停電発生前に記憶されていたデータに基づいた演出制御を再開できる。
【0090】
制御部131のROM134には、遊技制御基板100から送信されたコマンドに対応した演出パターンを定めたデータテーブルが記憶されている。
【0091】
図3に示されるように、スタートスイッチ420の検出信号は、スイッチ回路116を介して制御部111に入力されるとともに、サンプリング回路124に入力される。制御部111は、スタートスイッチ420の検出信号を受け、モータ回路117を介してリール制御信号を出力する。このリール制御信号はリール中継基板103aを介して、各リール4L,4C,4R別に設けられたリールモータ402に入力される。また、リール制御信号は、リール中継基板103aおよび外部出力基板104を介してスロットマシン1の外部へ出力される。
【0092】
一方、サンプリング回路124は、スタートスイッチ420の検出信号が入力されたタイミングで、乱数発生回路123から1個の乱数をサンプリングし、その乱数をCPU112に引き渡す。CPU112は、そのサンプリングされた乱数と、ROM114内に格納されている入賞役別の入賞判定テーブルとを参照して、入賞の発生を許容するか否かを入賞役別に決定し、その決定結果をRAM114に記憶させる。これにより、スタート操作がされたタイミングで、入賞役の当選の有無が決定される。入賞の発生が許容されていることを、“内部当選している”という。いずれかの入賞役が内部当選した場合、その入賞役に対応する当選フラグがスロットマシン1の内部で設定される。
【0093】
制御部111は、その後、入賞役別の当選結果に応じてリールを制御する。たとえば、当選フラグが設定されたゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役の図柄を引込むようにリールが制御されるために、リールの目押し操作により、その当選フラグに対応する役の入賞を発生させることが可能である。しかしながら、当選フラグが設定されていないゲームでは、外れ図柄を引込むようにリールが制御されるために、リールの目押し操作をしても入賞を発生させることはできない。このように、当選フラグの設定状況に応じて入賞図柄または外れ図柄を引込む制御を“引込み制御”という。
【0094】
いずれの当選フラグも設定されておらず、ゲームの結果を外れとすることが決定されている場合には、この引込み制御により、いずれの入賞役による入賞も発生しないように調整される。
【0095】
一方、この引込み制御では、リールの停止位置を制限なく自由に制御して任意の入賞図柄が常に引込まれるものではなく、所定の引込み可能範囲内で入賞図柄が引込まれる。したがって、当選フラグが設定されていたとしても、遊技者の目押し位置が悪ければ入賞図柄が引込まれることなく外れの結果になる。このように、当選フラグが設定されたにもかかわらず、その当選フラグに対応する入賞を発生させることができなかった場合、その当選フラグはクリアされる。ただし、ビッグボーナス入賞の当選フラグについては、他の入賞役の当選フラグとは異なり、その当選フラグが設定されたゲームで入賞が発生しなかった場合であっても、その当選フラグに対応する入賞が発生するまで、次回以降のゲームにその当選フラグが持越される。
【0096】
さらに、制御部111は、スタートスイッチ420の検出信号が入力されたことに対応して、バッファ回路122を介して演出制御基板101にゲームの開始を特定可能なコマンドを出力する。演出制御基板101は、そのコマンドに基づいてゲーム状況を把握し、ゲーム開始時に対応して定められた演出パターンに従い、遊技効果ランプ301や液晶表示器50などを制御する。
【0097】
また、ストップスイッチ(左、中、右ストップスイッチ411L,411C,411R)から出力されたストップスイッチ信号は、遊技制御基板100、リール中継基板103a、および外部出力基板104を往復する信号経路を伝送された後、遊技制御基板100のスイッチ回路116に入力される。さらに、ストップスイッチから出力されたストップスイッチ信号は直接、外部出力基板104を介して外部に出力されるように構成されている。
【0098】
ストップスイッチ信号の入力を受けた制御部111は、モータ回路117を介して、ストップスイッチ信号に対応するリールモータ(リール4L,4C,4Rのいずれかのリールモータ)を停止させるためのリール制御信号を出力する。このリール制御信号は、リールモータ402に入力されるとともに、外部出力基板104を介してスロットマシンの外部へ出力される。
【0099】
さらに、制御部111は、ストップスイッチ信号が入力されたことに対応して、バッファ回路122を介して演出制御基板101にリールの停止時期を特定可能なコマンドを各リール4L,4C,4R別に出力する。演出制御基板101は、そのコマンドに基づいて、リールの停止時期に対応して定められた演出パターンに従い、遊技効果ランプ301や液晶表示器50などを制御する。
【0100】
図4は、スロットマシン1に用いられる図柄配列表である。また、図5は、入賞役の図柄の組合わせと入賞役の当選率とについて説明するための図である。なお、図4において、「左」は左リール4Lの外周に描かれた図柄を示した図であり、「中」は中リール4Cの外周に描かれた図柄を示した図であり、「右」は右リール4Rの外周に描かれた図柄を示した図である。また、図5に示された図柄の組合わせは、左から順に、左リール4L、中リール4C、および右リール4Rの入賞図柄を意味する。
【0101】
図4を参照して、たとえば、右リール4Rの場合には、「0」〜「6」の各図柄番号に対して、「スイカ」、「JAC」、「ベル」、「白7」、「スイカ」、「チェリー」の各図柄が対応してリールの外周に描かれている。これ以外の図柄としては、右リール4Rの「8」の図柄番号に対応する「模様付7」、右リール4Rの「16」の図柄番号に対応する「BAR」がある。左リール4Lおよび中リール4Cの場合も、その周囲に描かれている図柄の種類は同じであるが、その配列が異なっている。
【0102】
次に、図4および図5を参照して、スロットマシン1で発生する入賞役について説明する。入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、小役と、リプレイ役と、JAC役とがある。特に、ビッグボーナスについては、その入賞後に提供されるビッグボーナスの種類に応じて、ビッグボーナス1(BB1)と、ビッグボーナス2(BB2)とに分類される。
【0103】
図5には、上から順番に、ビッグボーナス(BB1およびBB2)当選率、小役1当選率、小役2当選率、小役3当選率、リプレイ役当選率、およびJAC役当選率が、設定値別に示されている。なお、図には「設定値1」および「設定値6」の当選率のみを示し、「設定値2」〜「設定値5」の当選率の図示を省略している。
【0104】
各当選率は、ビッグボーナスゲーム以外のゲーム(以下、通常ゲームという)で3枚賭けをした場合のものである。また、JAC役は、BB2入賞に応じて提供される、賭数が1に制限されたJACゲーム中にのみ有効になる特殊な入賞役として定められているため、図5に示されたJAC役当選率は、そのようなJACゲームにおけるものである。
【0105】
図示するように、各小役1〜3と入賞図柄の組合わせとは一対一で対応している。一方、ビッグボーナスに対しては、入賞図柄の組合わせが2種類用意されている。また、「JAC−JAC−JAC」はJACゲーム中はJAC役に対応した入賞図柄の組合わせとなり、通常ゲーム中はリプレイ役に対応した入賞図柄の組合わせとなる。
【0106】
(1) 「ビッグボーナス」は、ビッグボーナスゲームを複数回行なうことができる特典が付与される入賞役である。このビッグボーナスには、ビッグボーナス1(BB1)とビッグボーナス2(BB2)との2種類がある。ビッグボーナス入賞に対応する図柄の組合わせは、「白7、白7、白7」および「模様付7、模様付7、模様付7」である。
【0107】
「白7、白7、白7」は、BB1入賞に対応する入賞図柄の組合わせである。BB1入賞が発生した場合には、“小役当選率向上ゲーム”を複数ゲーム行なうことが可能なBB1状態になる。この“小役当選率向上ゲーム”では、図5の括弧書きで示されているように、1ゲームの結果に対して払出される最大数(=15)のメダルが払出される小役1の当選率が、1/15から3/3.1に飛躍的に向上される。このため、通常ゲームに比べて、極めて遊技者に有利となる。
【0108】
「模様付7、模様付7、模様付7」は、BB2入賞に対応する入賞図柄の組合わせである。BB2入賞が発生した場合には、“JACゲーム” を複数ゲーム行なうことが可能なBB2状態になる。この“JACゲーム”では、通常ゲームでは存在しないJAC役が有効になり、かつ、JAC役以外の入賞役では入賞が発生しないようになる。つまり、入賞役がJAC役のみに限定される。JAC役の当選率は、極めて高く(図示するように1/1.004)、かつ、JAC役入賞に対しては、1ゲームの結果に対して払出される最大数(=15)のメダルが払出される。しかも、JACゲーム中は、5つの入賞ラインのうちの中段の1ラインのみが有効となり、目押しもやり易く、1枚賭けでゲームを消化できる。このため、JACゲーム中は、通常ゲームに比べて、極めて遊技者に有利となる。
【0109】
(2) 「小役」は、ビッグボーナスゲームのような特別なゲームの発生、またはリプレイゲームの発生を伴わない、有価価値(たとえば、クレジットまたはメダル)の付与のみを伴う入賞役である。
【0110】
小役1〜小役3のうち、小役1は、メダルの払出数が1ゲームの結果として払出される上限数の15枚である“15枚小役”である。また、小役2は、メダルの払出し数が4枚である“4枚小役”であり、小役3は、メダルの払出し数が2枚である“2枚小役”である。小役1の図柄の組合わせは、「スイカ、スイカ、スイカ」である。小役2の図柄の組合わせは、「ベル、ベル、ベル」である。小役3の図柄の組合わせは、「チェリー、任意、任意」であり、左リール4Lに「チェリー」が停止すると他のリールの出目にかかわらず有効ライン毎に2枚のメダルが払出される。このように、「チェリー」は、中リールおよび右リールの出目とは無関係に入賞を発生させるので、単図柄と呼ばれる。
【0111】
これら小役のうち、BB1状態中の小役当選率向上ゲームで当選率が飛躍的に向上される小役1の入賞図柄は、「スイカ」である。この「スイカ」は、図4に示されるように、各リールにおいて、ある任意の図柄を基準とした場合に少なくともその図柄を含んで5図柄以内に配列されている。スロットマシン1では、前述したリールの引込み制御によって図柄を引込むことができる範囲が、リールのスクロール方向に沿って配列された図柄の数でいうと、ある図柄を基準とした場合にその図柄を含んで5図柄分に設定されている。このため、小役1については、当選フラグが設定されている限り、どのようなタイミングで遊技者がリールの停止操作を行なったとしても、常に、入賞が発生し、遊技者がその入賞を取りこぼすことがない。ゆえに、特に、小役1についての当選率が向上されるBB1ゲーム(小役当選率向上ゲーム)中、遊技者は、本人の遊技技量にあまり左右されることなく、入賞を発生させることができる。
【0112】
(3) JAC役は、JACゲーム専用の入賞役である。JAC役の図柄の組合わせは、「JAC、JAC、JAC」である。JAC役による入賞が発生すると、小役1と同様に、1ゲームの結果として払出される上限数である15枚のメダルが遊技者に付与される。
【0113】
図柄「JAC」は、図4に示されるように、中リールおよび右リールにおいて、ある任意の図柄を基準とした場合に少なくともその図柄を含んで5図柄以内に配列されている。このため、JAC役の当選フラグが設定されている場合、どのようなタイミングで遊技者が右リールおよび中リールの停止操作を行なったとしても、右リールおよび中リールについては、常に、有効ライン位置に入賞図柄「JAC」が引込まれる。また、左リールについては、図柄番号4から図柄番号8までの間を除いては、JAC図柄が5図柄以内に配列されている。このため、JACゲーム中、遊技者は、左リールにおける図柄番号4の位置で停止操作をしてしまうことがないように注意して目押し操作をしさえすれば、JAC入賞を取りこぼすことがない。ゆえに、JACゲーム中、遊技者は、本人の遊技技量にあまり左右されることなく、入賞を発生させることができる。
【0114】
(4) 「リプレイ」は、リプレイ入賞した際のゲームで賭けた賭数がそのまま次回のゲームに持越されるという特典が与えられる入賞役である。リプレイ入賞が発生した場合には所定時間の経過後、スタートレバー42の操作が有効となる。リプレイ入賞によって開始可能となるゲームを“リプレイゲーム”と呼ぶ。リプレイの図柄の組合わせは、「JAC、JAC、JAC」であり、前述したように、BB2状態中にのみ有効となるJAC役の図柄の組合わせと同一である。
【0115】
以上、入賞役について説明したが、ビッグボーナスおよび小役3については、「設定値1」から「設定値6」に設定数が増加するに従って当選率が高くなっている。一方、その他の入賞役の当選率は、設定値にかかわらず一定である。
【0116】
図5には、BB1中およびBB2中のはずれ抽選率が示されている。ここで、はずれ抽選率とは、1ゲームの開始時に行なわれる抽選において、いずれの入賞役についても当選しない率である。
【0117】
BB1の場合、入賞役としては小役1〜3が有効である。このため、BB1中のはずれ抽選率は、数値「1」から各小役1〜3の当選率の総和を差引いた値になり、図5に示される計算により求められる。このはずれ抽選率は、図示するように、BB1中の15枚小役(小役1)の当選率よりも低い。したがって、BB1中は、抽選結果がはずれになるよりも当りになる可能性が高い。
【0118】
BB2中におけるはずれ抽選率は、数値「1」からJAC役の当選率を差引いたものとなり、図5に示されるように、その値は、JAC役当選率よりも低い。したがって、BB2中も、抽選結果がはずれになるよりも当りになる可能性が高い。
【0119】
次に、図6を参照して、小役当選率向上ゲームが提供されるBB1状態と、BJACゲームが提供されるBB2状態とについて説明する。図6は、BB1状態およびBB2状態を説明するためのタイミングチャートである。
【0120】
図示のように、通常ゲームにおいてゲームの結果が白7のぞろ目「白7、白7、白7」となった場合に、小役当選率向上ゲームが提供されるBB1状態に制御される。一方、通常ゲームにおいてゲームの結果が模様付7のぞろ目「模様付7、模様付7、模様付7」となった場合に、JACゲームが提供されるBB2状態に制御される。
【0121】
BB1状態では、1ゲームに賭けることの賭数は、1〜3のうちで任意である。一方、BB2状態では、賭数が1に制限される。
【0122】
BB状態の終了条件は、BB1およびBB2で同一であり、BB中のメダル(クレジット)付与数が500に達したこと、BB中の入賞回数が40回に達したこと、BB中のゲーム数が50ゲームに達したこと、のうちのいずれかが成立した時点で成立する。そして、BB状態の終了条件が成立すると、通常ゲームが提供される状態に戻る。
【0123】
図7は、スロットマシン1の制御の概略を説明するためのフローチャートである。スロットマシン1の制御部111は、以下に説明する制御を行なう。
【0124】
まず、賭数が設定された状態になると、スタート操作が検出されるのを待ち(S1)、スタート操作が検出されると、その検出タイミングでサンプリング回路123(図3参照)によりサンプリングされた乱数値が抽出される(S2)。次に、遊技者が入力した賭数および遊技状態に応じた入賞判定用テーブルと、抽出された乱数値とが比較される(S3)。そしてこの比較の結果、当選があったか否かについての判定が入賞役別に行なわれる。(S4)
いずれの入賞役についても当選しなかった場合には、すべてのリールの変動を開始させる処理に移行する(S6)。いずれかの入賞役について当選した場合には、その当選があった入賞役に対応した当選フラグが設定される(S6)。
【0125】
次に、すべてのリールの変動が開始される(S6)。その後、所定時間の経過またはリールの停止操作に応じてリールの変動を停止させる処理が行なわれる(S7)。
【0126】
すべてのリールが停止すると、各リールの出目が確認されて入賞が発生しているか否かが判断される(S8)。入賞が発生していない場合には後述するS14に進む。入賞が発生した場合には、BB1入賞であるか否かが判断され(S9)、BB1入賞である場合にはBB1状態に制御される(S10)。これにより、以降、BB1状態の終了条件が成立するまでの間、小役当選率向上ゲームが提供される。
【0127】
S9でBB1入賞でないと判断された場合、BB2入賞であるか否かが判断される(S12)。BB2入賞である場合にはBB2状態に制御される(S12)。これにより、以降、BB2状態の終了条件が成立するまでの間、賭数が1に制限されたJACゲームが提供される。
【0128】
次に、払出処理が実行されて(S11)、クレジットまたはメダルが遊技者に付与される。次に、遊技状態がBB状態中(BB1またはBB2)であるか否かが判断される(S14)。BB状態ではない場合には処理が終了する。BB状態である場合には、BB状態の複数の終了条件のうちのいずれかが成立しているか否かが判断される(S15)。
【0129】
前述したように、BB状態の終了条件は、BB1およびBB2で同一であり、BB中のメダル(クレジット)付与数が500に達したこと、BB中の入賞回数が40回に達したこと、BB中のゲーム数が50ゲームに達したこと、のうちのいずれかが成立した時点で成立する。
【0130】
BB状態の終了条件がまだ成立していない場合には処理が終了するが、終了条件が成立している場合には、BB状態への制御が終了される(S16)。
【0131】
以上、説明したように、本実施の形態に係るスロットマシン1では、BB状態において、小役当選率向上ゲームとJACゲームとのうちのいずれか一方のみが提供されるのであり、従来のようにBB状態において両ゲームが複合的に提供されるのではない。このため、従来のスロットマシンと比較して、BB状態におけるゲーム内容を単純化することができ、初心者にもわかりやすいゲームを提供できる。また、BB状態の種類が1つではなく、リールの出目に応じて複数種類のBBゲームが提供されるために、ゲーム性を高めることができる。
【0132】
次に、以上、説明した発明の実施の形態の変形例や特徴点について以下に列挙する。
【0133】
(1) 上記実施の形態では、複数種類(2種類)のBB状態(特別遊技状態)に制御されるスロットマシンを例示した。しかしながら、BB状態中に提供されるゲームが1種類に限定されたものであれば、BB状態の種類が1種類しかなくてもよい。
【0134】
図6のBB1状態に示されるように、遊技の進行を制御する遊技制御手段は、前記特別遊技状態(BB状態)中の可変表示装置の表示結果に応じて、遊技状態入賞役の種類が特有の入賞役に限定されるゲームを提供する制御は行なわない(たとえば、BB状態中のゲームの結果が所定の図柄の組合わせになると、小役当選率向上ゲームに代えて、JACゲームが所定期間だけ提供されるようになるといった制御は行なわれない)。
【0135】
(2) 前記スロットマシンは、遊技の進行を制御する遊技制御手段(たとえば、遊技制御基板100)と、該遊技制御手段とは別個に設けられ、前記遊技制御手段から制御情報(たとえば、コマンド)を受信し、遊技の進行状況に対応した演出をするための制御を行なう演出制御手段(たとえば、演出制御基板101)とを含む。上記実施の形態では、情報は遊技制御基板100から演出制御基板101の1方向にのみ送信され、逆方向へは情報が送信されない。しかしながら、演出制御基板101から遊技制御基板100へも情報が送信されるようにして、遊技制御基板100と演出制御基板101との間で情報が双方向に送受信されるように構成してもよい。
【0136】
(3) 遊技制御基板100および演出制御基板101の双方のRAM113,133は、ともにバックアップ電源によって記憶内容を所定期間保持可能に構成した。しかしながら、いずれか一方の基板のRAMのみをバックアップ電源によってバックアップしてもよく、双方の基板のRAMともにバックアップしないように構成してもよい。
【0137】
また、上記実施の形態では、遊技制御基板100および演出制御基板101の双方にバックアップ電源を設けた。しかしながら、両基板にバックアップ電源を設けないようにしてもよく、いずれか一方の基板にのみバックアップ電源を設けてもよい。また、両基板とは別の箇所に設けられたバックアップ電源によって、RAM113,133をバックアップしてもよく、いずれか一方の基板に設けられたバックアップ電源によって、RAM113,133をバックアップしてもよい。
【0138】
(4) 本実施の形態において、演出制御手段の一例となる演出制御基板101は、液晶表示器50、各種ランプ、各スピーカ581を制御する。しかしながら、演出制御基板101は、液晶表示器50、各種ランプ、各スピーカ581のすべてを制御するのではなく、そのうちの少なくとも1つを制御するものとして構成し、制御対象外のものについては、遊技制御基板100が直接制御するように構成してもよい。液晶表示器50、各種ランプ、各スピーカ581により、遊技状態を演出するために前記演出制御手段によって制御される演出手段が構成されている。
【0139】
(5) 画像表示装置の一例として、液晶表示器を例に挙げて説明した。しかしながら、液晶表示器に代えて、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)、蛍光表示管、またはLEDを用いた表示装置を採用してもよい。また、このような表示装置に限られるものでなく、ドットマトリクス表示器、7セグメント表示器であってもよい。さらに、ソレノイドやモータ等によって駆動する人形等の構造物をスロットマシン1の所定位置に配置し、入賞の発生等に応じてその人形に所定の動作を行なわせるようにしてもよい。これらの場合において、人形や画像表示装置などにより、前記演出制御手段によって制御される付帯手段(付帯装置)が構成されている。
【0140】
(6) 図3を用いて説明したように、前記遊技制御手段と前記演出制御手段との間では、前記遊技制御手段から前記演出制御手段への一方向通信による情報の伝送が行なわれる。遊技制御基板100側のCPU112は、入賞が発生した場合に、クレジットを付与する制御を実行可能であるとともに、直接、メダルを払出す制御を実行可能である。すなわち、前記遊技制御手段は、前記可変表示装置の表示結果に応じて価値物体(メダル)または価値物体と交換可能な価値情報(クレジット)を遊技者に付与する価値付与制御をさらに行なう。メダルにより、前記価値物体が構成されている。クレジットにより、前記価値物体と交換可能な価値情報が構成されている。なお、価値物体としては、メダルのような遊技媒体としてゲームに再利用できるようなものでなく、景品自体、あるいは、専ら景品交換にのみ利用できるような価値物体であってもよい。
【0141】
スピーカやランプあるいは画像表示装置により、前記演出制御手段により制御される演出手段が構成されている。前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記制御情報を受け、前記演出手段を制御して当該演出手段に所定の演出を行なわせる。
【0142】
(7) 液晶表示器50には、遊技制御基板100が制御する各種報知手段(クレジット表示部11、ゲーム回数表示部12、ペイアウト表示部13、投入指示ランプ180、1枚賭けランプ210、2枚賭けランプ220a,220b、3枚賭けランプ230a,230b、スタートランプ170、リプレイランプ150、ボーナス告知ランプ190、ゲームオーバーランプ140)によって報知される報知情報が、画像表示されるようにしてもよい。たとえば、ビッグボーナスゲーム中には、そのゲーム数が表示され、入賞が発生すれば、払出されるメダル数が表示されるように構成することなどが考えられる。ただし、その場合には、たとえば、遊技制御基板100により液晶表示器50を表示制御させる。
【0143】
(8) 遊技制御基板100により、可変表示装置(リールユニット4)を変動開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御手段が構成されている。リールユニット4により、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置が構成されている。また、遊技制御基板100により、所定の有価価値を付与する制御を行なう価値付与制御手段が構成されている。また、遊技制御基板100により、遊技状態を制御する遊技制御手段が構成されている。
【0144】
演出制御基板101により、画像表示装置(たとえば、液晶表示器50)を表示制御する画像表示制御手段が構成されている。外部出力基板104により、スロットマシンの遊技情報を出力する遊技情報出力基板(遊技情報出力手段)が構成されている。BB1中信号、BB2中信号により、遊技状態に関する遊技状態情報が構成されている。
【0145】
スタートレバー42により、ゲームを開始させる操作を行なうための開始操作手段が構成されている。そして、該開始操作手段の操作により前記可変表示装置が変動を開始する。前記スロットマシンには、複数種類の入賞役(たとえば、小役、リプレイ、ビッグボーナス等)が予め定められており、入賞の発生を許容するか否かを前記複数種類の入賞役別に決定する入賞許否決定手段(たとえば、制御部111)をさらに含み、前記複数種類の入賞役には、当該入賞役による入賞の発生が許容されたゲームで当該入賞役による入賞が発生しなかった場合に、次回のゲームでも当該入賞役による入賞の発生が許容されるボーナス役(たとえば、ビッグボーナス)が含まれている。遊技者所有の有価価値を記憶する価値記憶手段(たとえば、RAM113)と、該価値記憶手段に記憶された有価価値を使用して前記賭数を設定するための操作が可能な賭数設定操作手段(たとえば、1枚BETボタン43、MAXBETボタン44)とをさらに含む。
【0146】
スロットマシン1により、1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報(たとえば、図柄)を可変表示可能な複数の可変表示部(左、中、右可変表示部)を有する可変表示装置において前記複数の可変表示部の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、前記複数の可変表示部の表示結果に応じて入賞が発生し得るスロットマシンが構成されている。
【0147】
(9) 前記可変表示装置には複数種類の識別情報(たとえば、図柄)が予め定められた順序でスクロール表示される複数の可変表示部(たとえば、左、中、右可変表示部)が設けられ、該複数の可変表示部の表示結果が予め定められた入賞態様となった場合に入賞が発生し、前記可変表示部の表示結果を導出表示させるための操作が可能な導出表示操作手段(たとえば、ストップボタン41L,41C,41R)と、前記複数の可変表示部の表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段(たとえば、S7)とをさらに含み、該可変表示制御手段は、前記導出表示操作手段が操作された時点で前記可変表示部にスクロール表示されている識別情報を基準として所定の範囲内(たとえば、5図柄の範囲)に配列された識別情報のうちに、入賞の発生が許容されている入賞役に対応する識別情報が存在すれば、当該識別情報を表示結果として導出表示させる引込み制御を行なうことが可能であって、前記特別遊技状態において遊技者に付与される有価価値数が最大である入賞役(たとえば、小役1)に対応する識別情報(たとえば、スイカ)は、前記複数の可変表示部のうちの少なくともいずれか1つ(たとえば、全リール)において、前記可変表示制御手段が常に前記引込み制御を行なうことが可能な前記所定の範囲に配列されている(たとえば、図4参照)。前記特別遊技状態においては、1ゲームの結果として付与できる予め定められた上限数の有価価値が遊技者に付与される入賞役に対応する識別情報が、前記複数の可変表示部のうちの少なくともいずれか1つの表示結果として常に導出表示される(たとえば、小役1に対応するスイカは、図4に示されるように、全リールにおいて、引込み制御可能な範囲に配列されている。また、たとえば、JACは、図4に示されるように、中リールと右リールとにおいて、引込み制御可能な範囲に配列されている。)。
【0148】
(10) 「予め複数種類定められた前記所定の入賞役のうち最も当選率が高い入賞役により入賞が発生した場合、前記特別遊技状態においては、1ゲームの結果として付与できる予め定められた上限数の有価価値が遊技者に付与される」ことの具体例として、BB1状態中に小役1で入賞が発生すると、15枚のメダルが払出されることを例に挙げて説明した。
【0149】
しかしながら、最も当選率が高い小役1と、他の小役とが同時に入賞(複合入賞という)する場合があるように構成し、当該小役1単独で入賞が発生した場合には、15枚未満のメダルが払出され、前記複合入賞が発生した場合には1ゲームの結果として付与できる予め定められた上限数(たとえば、15枚)の有価価値が遊技者に付与されるように構成してもよい。
【0150】
(11) 今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スロットマシンの全体正面図である。
【図2】 スロットマシンに設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。
【図3】 遊技制御基板および演出制御基板の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】 図柄配列表を示す図である。
【図5】 入賞役の図柄の組合わせと入賞役の当選率とについて説明するための図である。
【図6】 BB1状態およびBB2状態を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】 制御の概略を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン、4 リールユニット、4L,4C,4R リール、41L,41C,41R ストップボタン、42 スタートレバー、43 1枚BETボタン、44 MAXBETボタン、100 遊技制御基板、101 演出制御基板、111 遊技制御基板側の制御部、131 演出制御基板側の制御部。
Claims (7)
- 1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生し得るスロットマシンであって、
有価価値の付与を伴う付与入賞役と遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別入賞役とを含む複数の所定の入賞役について所定の当選率で入賞の発生が許容されるように定められた通常遊技状態において前記特別入賞役について入賞の発生が許容された後、前記可変表示装置の表示結果が前記特別入賞役の入賞を発生させる特別の表示態様となったことを条件として、前記特別遊技状態に制御し、該特別遊技状態への制御を開始してから遊技者に付与された有価価値の大きさが所定の大きさに達したときに前記特別遊技状態への制御を終了させる遊技制御手段と、
入賞の発生を許容するか否かについての抽選を、前記複数の所定の入賞役の種類別に行なう抽選手段と、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させるための操作が可能な導出表示操作手段と、
前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる制御を行なう可変表示制御手段とを含み、
前記抽選手段は、
前記遊技制御手段により前記通常遊技状態に制御されているときには、ゲームを開始する毎に、前記特別入賞役について抽選を行ない、
前記遊技制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときに、前記通常遊技状態であるときに抽選する付与入賞役のうち最も当選率が高い特定付与入賞役について、前記通常遊技状態であるときよりも高くかつ前記特別遊技状態であるときに抽選する付与入賞役のうち最も高い当選率で抽選を行ない、
前記可変表示制御手段は、
前記特別入賞役について入賞の発生が許容されているときには、前記導出表示操作手段の操作タイミングに応じて、前記特別の表示態様を前記可変表示装置に導出表示し、
前記遊技制御手段により前記特別遊技状態に制御されているときであって前記特定付与入賞役について入賞の発生が許容されているときには、前記導出表示操作手段の操作タイミングに関わらず、当該特定付与入賞役の入賞を発生させる表示結果を前記可変表示装置に導出表示し、
前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態への制御を開始してから、該特別遊技状態に制御する間の各ゲームにおいて抽選の対象となる入賞役を前記通常遊技状態において抽選の対象となる付与入賞役としたことを特徴とする、スロットマシン。 - 前記特定付与入賞役により入賞が発生したとき、前記特別遊技状態においては、1ゲームの結果として付与できる予め定められた上限数の有価価値が遊技者に付与されることを特徴とする、請求項1に記載のスロットマシン。
- 前記特定付与入賞役の当選率は、前記特別遊技状態においては、はずれが決定される率よりも高いことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスロットマシン。
- 前記可変表示装置には複数種類の識別情報がスクロール表示される複数の可変表示部が設けられ、該複数の可変表示部の表示結果が予め定められた入賞態様となったときに入賞が発生し、
前記可変表示部においてスクロール表示される識別情報の配列が可変表示部毎に予め定められており、
前記導出表示操作手段が操作されたときに前記可変表示部にスクロール表示されている識別情報を基準にして所定の引込み可能範囲内に位置する識別情報が当該可変表示部の表示結果として導出表示されるように構成されており、
前記複数の可変表示部に対応する識別情報の配列においては、各々、前記特定付与入賞役に対応する識別情報が、必ず前記引込み可能範囲に配列されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスロットマシン。 - 前記遊技制御手段は、前記特別遊技状態への制御を開始してから所定回数のゲームが進行したときに、前記特別遊技状態への制御を終了させることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスロットマシン。
- 前記遊技制御手段は、複数種類の終了条件のうちのいずれかが成立したときに、前記特別遊技状態への制御を終了させることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスロットマシン。
- 前記特別遊技状態は、前記スロットマシンの遊技状態のうちで最も遊技者にとって有利な遊技状態であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスロットマシン。
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