JP4406727B2 - 磁場印加式単結晶製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明の磁場印加式単結晶製造装置は、強磁場を印加した状態でフローティング・ゾーン法により大口径の酸化物、金属、半導体等の単結晶を育成する装置であり、特に、高融点材料や白金などの一般に用いられるルツボ材と反応しやすい材料の単結晶を製造するのに適している。
さらに、強磁場印加により強制撹拌効果、磁気浮上効果などの強磁場効果により高品質単結晶を安定にしかも高速に製造することが期待される。
特にこの発明の適用可能な単結晶製造の分野として、光学材料、超伝導体、強誘電体、半導体などの情報通信産業の要となる材料の高品質単結晶を製造するために有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来の単結晶製造装置としては引き上げ法単結晶製造装置が知られており、シリコン単結晶の製造において石英ルツボ内のシリコン原料の対流を抑えるために磁場印加が有効であることが知られている。しかし、引き上げ法単結晶育成装置は、高融点材料やルツボ材と反応しやすい材料には適せず、さらに、育成雰囲気が自由に選択できないという問題がある。
【0003】
フローティング・ゾーン法は、原料の一部を溶融させて原料と種結晶の間に溶融帯を形成させた後、その溶融帯を移動させたり、あるいは原料と種結晶を同時に下方に移動させることで溶融帯を相対的に移動させることにより原料の溶融→凝固を経て単結晶を育成する方法として知られており、ルツボを用いないために高融点材料やルツボ材と反応しやすい材料などの単結晶育成にも適している。
【0004】
上記フローティング・ゾーン法のための単結晶育成装置には、加熱源として一般に高周波加熱式と赤外線集光加熱式が知られており、高周波加熱式は金属や半導体などの導電性の良い材料の単結晶育成に限定される。一方、赤外線加熱式は金属や半導体の他に絶縁性酸化物など適用範囲が幅広い。従来の赤外線加熱式単結晶育成装置の一例を図5に示す。図5に示すように、従来の赤外線加熱式単結晶育成装置では、直径150mm以上の楕円面鏡を1つあるいは複数個組み合わせて一つの焦点位置にあるランプからの赤外線をもう一方の焦点に集光させている。そのため、電磁石のボアのような直径150mm以下の狭い円筒状空間内に赤外線加熱装置を組み込むことができない。また、ハロゲンランプやキセノンランプは70ガウス以上の磁場では加熱が不安定になってしまう。
【0005】
また、電磁石のボアのような直径150m以下の狭い円筒状空間の一部を局部的に加熱して単結晶を製造する方法としては、レーザー加熱ペデスタル法が知られている。レーザー加熱ペデスタル装置の一例を図6に示す。同方法は、炭酸ガスレーザーやNd3+:YAG固体レーザーを加熱源として用い円錐鏡、円錐面鏡、平面鏡、放物面鏡を組み合わせてレーザー光を1点に集光させることにより、原料を溶融させて種結晶と原料の間に溶融帯を形成させて単結晶を育成する方法であり、これまでサファイア、YAG、LiNbO3などの直径3mm以下の単結晶が育成されている(例:M.M.Fejer他、Proc.SPIE、Advances in Infrared Fibers II、VOL.32、PP.50(1982))。また、レーザー光を熱源とした同様な光学系を超伝導マグネットに組み込んだ単結晶育成装置が報告されている(特開2001−261478号公報参照)。
【0006】
これらのレーザー加熱法は、レーザー光の高指向性により集光効率が良いのでファイバー結晶を育成するには適しているが、結晶径が増大するにしたがって集光密度が極端に低下するために、結晶育成に必要な十分な大きさの溶融帯を形成することが困難になるという問題があり、さらに、大出力のレーザーを用いるとレーザーの高指向性のため溶融帯の温度勾配が大きすぎて溶融帯成分の蒸発が激しくなるという問題が生じる。
【0007】
なお、上記従来の単結晶育成装置では、種々の育成雰囲気ガスを流せるように透明石英管で結晶育成部を外気から遮断しており、結晶育成部周辺には広い空間があるために上回転軸を上げて下回転軸を下げることで透明石英管を設置できたが、磁場印加のための電磁石のボア内に結晶育成部を設置すると、従来の方法では透明石英管を挿入できないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
最近、小型のヘリウムフリー超伝導磁石が開発され比較的容易に強磁場を発生させることができるようになったことから、強磁場効果を利用した材料開発や新強磁場効果の探索に関する研究が盛んに行われている。単結晶育成の分野では、これまでシリコンなどの半導体に強磁場印加が行われてきたが、酸化物のような非電導性材料の融液においても磁場印加によって強制対流が起こることがわかってから、酸化物の単結晶育成においても何らかの磁場効果が期待されるようになり、強磁場印加における単結晶育成に関する研究が注目されるようになってきた(Y.Miyazawa他、Journal of Crystal Growth、Vol.166、pp.286(1996))。
【0009】
上記単結晶育成法のうちフローティング・ゾーン法は溶融帯を原料棒と種結晶に挟んだ状態で表面張力により維持されていることから、特に強磁場の影響を受けやすいことが予想され、強磁場効果を研究するのに適していると考えられており、磁場印加式フローティング・ゾーン単結晶育成装置の開発が望まれた。
【0010】
上記従来の技術の利点を生かしつつ前記の問題点を克服し、強磁場印加下で大口径の単結晶を育成する装置を開発するためには、ハロゲンランプやキセノンランプを加熱光源として用い、その光源から放射された赤外線を平行光として効率よく取り出して平面鏡で電磁石のボア内に導入し放物面鏡で集光させる必要がある。そこで、従来の技術を応用した磁場印加式単結晶製造装置が考えられている。図7はこの原理図であり、この構造・原理は次のとおりである。ランプ1は電磁石のボア外に配置され、このランプ1から放射状に発された赤外線の一部が放物面鏡3で反射して平行光となり、平面鏡6に反射して電磁石のボア内に導入され放物面鏡7に反射して集光される。ところが、この加熱方式においては集光効率が低く、たとえ放物面鏡7の直径を電磁石のボア径より大きくしても集光効率は向上しないため、1500℃以上の高温が得られない。
【0011】
ここで、回転楕円面鏡は一方の焦点位置にランプを置くとそのランプから放射された光がもう一方の焦点位置に集光する性質があり、放物面鏡の場合には、焦点位置から放出された光が放物面鏡に反射されると平行光となる性質がある。そこで、回転楕円面鏡の集光する焦点位置を放物面鏡の焦点位置と一致させることにより回転楕円面鏡の焦点位置のランプから放射された光は放物面鏡に反射されてより指向性の高い平行光が得られることに着目し、磁場印加式フローティング・ゾーン単結晶育成装置を発明するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわちこの発明の磁場印加式単結晶製造装置は、
鉛直方向に設置された透明石英管内で加熱溶融するフローティング・ゾーン方式の単結晶製造装置であって、
フローティング・ゾーンの周囲に配置した磁気印加手段の漏れ磁場から影響を受けない位置に配置した赤外線の光源と、
赤外線の光源の周囲に配置した回転楕円面鏡と、回転楕円面鏡からの反射光を平行光とする放物面鏡と、これを透明石英管に向けて導光する円筒面鏡とを備えることにより、赤外線からなる光を指向性を持たせて平行光とする第1の光学系と、
その平行光を前記透明石英管に沿う中空円筒状の光として反射させ、反射した中空円筒状の光を前記フローティング・ゾーンの周囲から照射する第2の光学系と、
フローティング・ゾーンの周囲に配置した磁気印加手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
この発明の磁場印加式単結晶製造装置は、上記磁気印加手段が、超伝導磁石であることをも特徴としている。
【0014】
この発明の磁場印加式単結晶製造装置は、上記単結晶製造装置が駆動系として下回転軸と石英管支持管を横方向にスライドさせる下回転軸移動機構を備え、下回転軸移動機構を最低位置に移動させた後、下回転軸移動機構とともに石英管支持管を横にスライドさせ、透明石英管をフローティング・ゾーンに挿入してから石英管支持管を元の位置にもどし、透明石英管を石英管支持管に載せて固定するようにしたことをも特徴としている。
【0015】
本発明の二次的な特徴は、次のとおりである。
(1)回転楕円面鏡の大きさを大きくすることによって集光効率が高まること。
(2)溶融帯周辺を均一に加熱できること。
(3)平行光を平板鏡で反射させることによりランプを電磁石から150cm以上離すことができるので、10Tの強磁場でも単結晶育成ができること。
(4)ボア内の放物面鏡の位置を上下移動させることができるので、磁場分布や磁場強度の異なった磁場条件で結晶育成ができること。
(5)透明石英管で結晶育成領域を外気と遮断できるので、いろいろな雰囲気ガスを流すことができ、磁気アルキメデス効果の実験を行うことができること。
(6)集光領域が5mm以上あるので直径5mm以上の大口径の単結晶育成ができること。
(7)円筒鏡を取り付けたことにより、平行光以外の赤外線もボア内に導入して結晶周辺の保温効果をもたらすとともに赤外線照射による目へのダメージに対して安全保護の役割を果たすこと。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の磁場印加式単結晶製造装置の実施の形態を図面および実施例に基いて詳細に説明する。
【0017】
この発明に係る単結晶製造装置の1実施例を図1に示す。加熱光源1にはキセノンランプあるいはハロゲンランプを用いる。光学系は、赤外線からなる光を指向性を持たせて平行光とする第1の光学系と、その平行光を前記透明石英管に沿う中空円筒状の光として反射させる第2の光学系と、第2の光学系で反射した中空円筒状の光をフローティング・ゾーンの周囲から照射する第3の光学系とを備えている。
第1の光学系は回転楕円面鏡2、放物面鏡3、平面鏡4、円筒面鏡5で構成され、第2の光学系は透明石英管の周囲に配置した平面鏡6と、フローティング・ゾーンの周囲に配置された放物面鏡7とでそれぞれ構成されている。
第1の光学系においては、加熱光源1を回転楕円面鏡2の一つの焦点位置に配置し、回転楕円面鏡2のもう一つの焦点位置と放物面鏡3の焦点位置が一致するように放物面鏡3が配置されている。加熱光源1から放射された赤外線は回転楕円面鏡2のもう一つの焦点を通過して放物面鏡3で反射されて輪状の平行光となる。その平行光は45ーに傾斜した平面鏡4と平面鏡6に反射して電磁石13のボア内に導入される。なお、加熱光源2から放物面鏡3に直接反射される赤外線は、平面鏡4から円筒面鏡5内を通過し、平面鏡6に送られる。
円筒面鏡5内を通過してきた赤外線の光は、第2の光学系を構成する平面鏡6で反射して電磁石13のボア内に導入される。そして、ボア内に導入された赤外線は放物面鏡7に反射して集光される。
【0018】
ここで、円筒面鏡5を挟んだ平面鏡4と平面鏡6の距離は、用いる電磁石13の容量に応じて電磁石からの漏れ磁場が加熱光源に影響を与えないように変えることができる。具体的には次の通りである。10テスラ超伝導磁石の場合の漏れ磁場を図2に示す。5kWキセノンランプの場合、70ガウスの漏れ磁場で点灯しなくなるので、この図にしたがってキセノンランプあるいはハロゲンランプの加熱光源1を電磁石13の磁場中心から150cm以上離す必要があり、装置の省スペース化も考慮すると加熱光源1と電磁石13の磁場中心の距離が150cmから200cmとなるように円筒面鏡5を挟んだ平面鏡4と平面鏡6の距離を調節する。
【0019】
また、回転楕円面鏡2の直径は電磁石13のボア径より大きくすることができ、回転楕円面鏡2を大きくすることにより赤外線の反射効率を増大させることができる。さらに、平面鏡4を用いずにランプ1、回転楕円面鏡2、放物面鏡3を垂直に配置してもよい。
【0020】
次に、この発明に係る単結晶製造装置の実施例の結晶育成周辺の拡大図を図3に示す。放物面鏡7は放物面鏡支持管8で固定されており、さらに、その放物面鏡支持管8には小型CCDカメラ17と平面鏡18が固定されている。放物面鏡支持管8は、上回転軸9や下回転軸10とは独立して上下に駆動する構造になっているので、放物面鏡支持管8を上下に移動させて電磁石13の磁場分布や磁場強度を変化させて結晶育成を行うことができる。14は上回転軸9の下端に取り付けた原料棒、16は種結晶、15は集光加熱される溶融帯である。なお、結晶育成の様子は平面鏡18に反射されて小型CCDカメラ17を通して観察できる。
【0021】
駆動系は、上回転軸移動機構20、石英管支持管移動機構21、下回転軸移動機構22、放物面鏡支持棒移動機構23からなっており、それらの駆動系は独立して稼動させたり、上回転軸移動機構20、石英管固定軸移動機構21、下回転軸移動機構22の3つの移動機構を連動させて稼動させることができる。また、下回転軸10と石英管支持管12は、下回転軸移動機構22に取り付けてあり、横方向にスライドさせる機能がある。
【0022】
上記石英管支持管12を長くすることで透明石英管の長さを短くでき、例えば電磁石13のボア長さが60cmの場合には石英管支持管12の長さを20cm以上〜60cm以下、好ましくは40cmとすることで透明石英管11の長さが1m以下となり、市販されている標準規格の透明石英管を利用できるようになる。透明石英管11を取り付ける場合には、まず、下回転軸移動機構22を最低位置に移動させた後、石英管支持管12を横にスライドさせて透明石英管11を電磁石13のボア内に挿入してから石英管支持管12をもどし、透明石英管11を石英管支持管12に載せて固定する。次に、下回転軸移動機楕22を上昇させて透明石英管11をボア上部へ通し、さらに平面鏡6を通した後、石英管固定軸移動機構21を下降させて透明石英管11上端に固定する。それ以降の操作では石英管支持管移動機構21と下回転軸移動機構22を連動して上下に移動させる。
【0023】
電磁石13のボア内壁に沿って水冷ジャケットが取り付けてあり、赤外線導入による電磁石13の加熱を防ぎ、長時間にわたって安定な磁場が得られる構造になっている。
【0024】
この発明に係る単結晶製造装置の他の実施例を図4に示す。この実施例では、光学系が回転楕円面鏡2、放物面鏡3、円筒面鏡5、平面鏡6、放物面鏡7からなっており、実施例1から平面鏡4を取り除いた横造となっている。この実施例においては、加熱光源1から放射された赤外線は回転楕円面鏡2のもう一つの焦点を通過して放物面鏡3で反射されて輪状の平行光となる。その平行光は45ーに傾斜した平面鏡6に反射して電磁石のボア内に導入される。なお、加熱光源1から放物面鏡3に直接反射される赤外線は、円筒面鏡5を通過した上、平面鏡6に反射して電磁石13のボア内に導入される。そして、ボア内に導入された赤外線は放物面鏡7に反射して集光する。
【0025】
この場合には、放物面鏡3と平面鏡6の距離を、用いる電磁石13の容量に応じて電磁石13からの漏れ磁場が加熱光源1に影響を与えないように150cmから200cm離す。
【0026】
この発明に係る単結晶製造装置の各実施例では、キセノンランプやハロゲンランプ等の加熱光源1から放射された赤外線を回転楕円面鏡2と放物面鏡3に反射させることで輪状の平行光を形成させ、その平行光を45ーに傾斜した2枚の平面鏡4と6、もしくは平面鏡6のみに反射させて電磁石13のボア内に導入する。そして、ボア内に導入された赤外線は放物面鏡7に反射して集光することにより溶融帯の全周を均一に加熱することができる。
【0027】
また、第1実施例では2枚の平面鏡4、6間の距離、第2実施例では放物面鏡3と平面鏡6の距離を変えることで電磁石13からの漏れ磁場による加熱光源1への影響を防ぐことができる。さらに、回転楕円面鏡2の直径は電磁石13のボア径より大きくすることができ、回転楕円面鏡2を大きくすることにより赤外線の反射効率を増大させることができる。
【0028】
電磁石13のボア内の放物面鏡7は上下に移動できる構造となっているので、電磁石13の最大磁場位置や最大磁気力位置での結晶育成を行うことができる。また、結晶育成の様子は平面鏡18に反射されて小型CCDカメラ17を通して観察できる。
【0029】
各実施例において駆動系は上回転軸移動機構20、石英管支持管移動機構21、下回転軸移郵機構22、放物面鏡支持棒移動機構23からなっており、それらの駆動系は独立して上下させたり、上回転軸移動機構20、石英管支持管移動機構21、下回転軸移動機構22の3つの移動機構を連動させて上下する構造とすることができる。また、下回転軸10と石英管支持管12は、下回転軸移動機構22に取り付けてあり、横方向にスライドさせる機能を持っているので、石英管支持管12を横にスライドさせてから透明石英管11を電磁石13のボア内に挿入することができる。このような石英管支持管12を組み込むことにより、標準規格の長さ1m以下の透明石英管11を使うことができる。
【0030】
【発明の効果】
この発明の磁場印加式単結晶製造装置によれば、キセノンランプやハロゲンランプ等の加熱光源から放射された赤外線を輪状の平行光にした後、電磁石のボア内の結晶育成軸の外周に沿ってその輪状の平行光を導入し、ボア内の放物面鏡で集光することにより、溶融帯の全周を均一に加熱することができる。ここで、加熱光源からの放射状に発せられた赤外線を平行光に変えているので、加熱光源を電磁石から遠ざけても集光効率は下がらず、電磁石からの漏れ磁場による加熱光源への影響を防ぐことができる。そのため、強磁場下で安定した単結晶育成ができ、溶融→凝固における新規磁場効果を調べることができる。また、溶融帯の形成位置を電磁石の垂直方向に沿って変えることができるので、種々の磁場分布や磁場強さで単結晶育成ができ、特に、最大磁場下や最大磁気力下における単結晶育成を行うことができる。
【0031】
また、石英管支持管と回転軸を結晶育成軸上から横方向にスライドする機能を備えており、透明石英管を電磁石のボア内に挿入することができる。また、石英管支持管に透明石英管を固定することにより1m以下の透明石英管が使用できる。そのため、単結晶製造装置の高さを3m以下に下げることができ、研究用実験室でも設置が可能である。また、このように、透明石英管を装着することにより結晶育成部を外気から遮断して種々のガスを流すことができ、単結晶育成における雰囲気ガスによる磁場効果の違いを調べることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁場印加式単結晶製造装置の実施例1を示す平面図。
【図2】10テスラ超電導磁石からの距離と漏れ磁場の関係図。
【図3】本発明の磁場印加式単結晶製造装置の結晶育成領域の拡大図。
【図4】本発明の磁場印加式単結晶製造装置の実施例2を示す平面図。
【図5】従来の赤外線集中加熱フローティング・ゾーン単結晶育成装置の説明図。
【図6】従来のレーザー加熱ペデスタル装置の説明図。
【図7】従来の技術を応用した磁場印加式単結晶製造装置の原理図。
【符号の説明】
1 加熱光源
2 回転楕円面鏡
3 放物面鏡
4 平面鏡
5 円筒面鏡
6 平面鏡
7 放物面鏡
8 放物面鏡支持管
9 上回転軸
10 下回転軸
11 透明石英管
12 石英管支持管
13 電磁石
17 小型CCDカメラ
18 平面鏡
20 上回転軸移動機構
21 石英管支持管移動機構
22 下回転軸移動機構
23 放物面鏡支持棒移動機構

Claims (3)

  1. 鉛直方向に設置された透明石英管内で加熱溶融するフローティング・ゾーン方式の単結晶製造装置であって、
    フローティング・ゾーンの周囲に配置した磁気印加手段の漏れ磁場から影響を受けない位置に配置した赤外線の光源と、
    赤外線の光源の周囲に配置した回転楕円面鏡と、回転楕円面鏡からの反射光を平行光とする放物面鏡と、これを透明石英管に向けて導光する円筒面鏡とを備えることにより、赤外線からなる光を指向性を持たせて平行光とする第1の光学系と、
    その平行光を前記透明石英管に沿う中空円筒状の光として反射させ、反射した中空円筒状の光を前記フローティング・ゾーンの周囲から照射する第2の光学系と、
    フローティング・ゾーンの周囲に配置した磁気印加手段を備えたことを特徴とする磁場印加式単結晶製造装置。
  2. 磁気印加手段が、超伝導磁石からなる請求項1に記載の磁場印加式単結晶製造装置。
  3. 単結晶製造装置の駆動系が、下回転軸と石英管支持管を横方向にスライドさせる下回転軸移動機構を備え、下回転軸移動機構を最低位置に移動させた後、下回転軸移動機構とともに石英管支持管を横にスライドさせ、透明石英管をフローティング・ゾーンに挿入してから石英管支持管を元の位置にもどし、透明石英管を石英管支持管に載せて固定するようにしてなる請求項1または2に記載の磁場印加式単結晶製造装置。
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