JP4405722B2 - 消毒ガス分解除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばホルムアルデヒド等の消毒ガスによる室内の燻蒸殺菌処理後に、室内に充満しているホルムアルデヒドガス等の消毒ガスを分解除去する消毒ガス分解除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製薬工場等のクリーンルームや研究室、実験室等において、実験後や各種処理の終了後あるいは定期的に室内の殺菌消毒が必要になる。医療器具等の殺菌消毒方法として、EOG(エチレンオキサイドガス)を用いた方法、ホルマリン(ホルムアルデヒド[HCHO]37%以上の防腐・消毒薬の商品名[Schering Corp.] 第六改正日本薬局方収載の医薬品)を用いた方法、低温プラズマを用いた方法等が知られている。EOGによる方法及び低温プラズマによる方法は、小型殺菌庫内その他比較的小空間の殺菌に適した処理方法であって、主として殺菌処理対象物の表面のみが殺菌される方法であり、室内全体の殺菌あるいは処理対象物の隙間を通した狭い空間部や細かい部分の殺菌には適さない。
【0003】
したがって、クリーンルームや実験室等の室内全体の殺菌消毒処理として、ホルマリンを用いた燻蒸処理が行われる。この燻蒸処理は、ホルマリン水溶液を加熱してホルムアルデヒドガスを発生させる方法、固体のパラホルムアルデヒドを加熱してホルムアルデヒドガスを発生させる方法、メタノールを触媒により酸化させてホルムアルデヒドガスを発生させる方法等により室内をホルムアルデヒドガスで充満させて殺菌消毒するものである。この場合、室内のホルムアルデヒドの濃度は1000〜2000ppmあるいはそれ以上になる。
【0004】
このような燻蒸処理後に、室内に人間が入って再利用する前に、ホルムアルデヒドガスを室内から除去しなければならない。この場合、ホルムアルデヒド濃度は、0.08ppm以下とすることが好ましい(室内環境基準値による30分平均の濃度)。
【0005】
従来、ホルマリン燻蒸により部屋(ホルマリン殺菌室)を殺菌した後、ホルムアルデヒドガスを室内から除去する方法として、換気により希釈する方法又は室内にホルムアルデヒドの除去装置を設置してホルムアルデヒド濃度を下げる方法が行われていた。
【0006】
ホルムアルデヒド除去装置を用いた除去方法としては、▲1▼化学反応によるもの(例えばアンモニアとの中和反応)、▲2▼スクラバーにより水に吸収させるもの、▲3▼触媒により分解させるもの、▲4▼高温で燃焼させるもの等の方法がある。このうち、▲3▼の触媒による方法が他の方法に比べ除去効率が高いため、近年では最も多く使用されている。この触媒は、一般的には200〜300°C程度の高温で使用されるものが最も分解能力が大きく効率よくホルムアルデヒドガスを除去できる。最近では100°C以下の温度で使用できる触媒もある。また、常温での使用も可能であるが、分解能力は低く、ホルムアルデヒドガスの除去効率は低い。
【0007】
このような触媒を使用したホルムアルデヒド除去装置を長時間運転すると、室内の温度が徐々に上昇し、これに伴い室内の圧力が上昇し、ホルムアルデヒドガスが室外に漏出し、周囲の環境や人間に対し悪影響を与える。この場合、ホルマリン殺菌室の気密を高めても完全密閉はできないため、ホルムアルデヒドガスの周囲への漏出は防止できない。
【0008】
一方、ホルマリン燻蒸を行った後、部屋に充満しているホルムアルデヒドガスを分解除去するホルムアルデヒドの分解除去装置が特許文献1に記載されている。このホルムアルデヒド分解除去装置は、縦長に配置された四角柱状の形状を有する装置本体の下部側面に、処理対象となるガスを装置内に導入する吸込口を設け、前記装置本体の上面に、処理後のガスを排出する吹出口を設け、前記装置本体内の下部に、前記処理対象となるガスを前記吸込口を介して装置内に吸引するとともに、処理後のガスを前記吹出口から装置外へ排出するファンを配設し、前記装置本体内の上部に、常温でホルムアルデヒドを分解する触媒とフィルタを配設したことを特徴とするホルムアルデヒドの分解除去装置である。
【0009】
これにより、被処理ガス又は触媒を加熱する必要がなく、小型で簡単に移動することができ、経済性に優れたホルムアルデヒドの分解除去装置を実現しようとしている。
【0010】
しかしながら、この特許文献1のホルムアルデヒド分解除去装置では、低温(常温)での触媒作用によりホルムアルデヒドを処理するため、分解除去能力が小さく、除去処理に長時間を要し、また長時間かけて繰り返し循環させても十分に分解除去処理ができず、処理後にホルムアルデヒドが室内に残留しているおそれがある。
【0011】
ここで単に常温以上の高温触媒を用いて除去効率を高めると、前述のように、室内の温度が徐々に上昇し、これに伴い室内の圧力が上昇し、ホルムアルデヒドガスが室外に漏出し、周囲の環境や人間に対し悪影響を与える。この場合、ホルマリン殺菌室の気密を高めても完全密閉はできないため、ホルムアルデヒドガスの周囲への漏出は防止できない。
【0012】
【特許文献1】
実用新案登録第3075587号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、高温での触媒処理によりホルムアルデヒドガス等の消毒ガスの分解除去効率を高めるとともに、温度上昇に伴う室内圧力の上昇により室内の消毒ガスが室外に漏出することを防止した消毒ガス分解除去装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、室内空気循環用のファンと、該ファンの吐出側に設けた消毒ガス分解用の触媒とを備えた消毒ガス分解除去装置において、前記ファンの吐出側に消毒ガスの無害化手段を設け、この無害化手段を通して前記ファンの吐出側の空気の一部を室外に排出することを特徴とする消毒ガス分解除去装置を提供する。
【0015】
この構成によれば、ホルムアルデヒド等の消毒ガス分解用の触媒を通して室内空気を循環させるファンの吐出側に消毒ガスの無害化手段が備わり、この無害化手段を通して吐出空気の一部が室外に排出される。したがって、触媒反応により室内温度が上昇して圧力が上昇しても、圧力上昇分の空気を無害化した上で室外に排出でき、室内を常に陰圧(室外側よりも低い圧力)に維持することができ、消毒ガスの室外漏出が防止される。したがって、周囲環境に悪影響を及ぼすことなく、消毒ガス分解用の触媒として分解除去効率の高い高温触媒を用いて効率よく消毒ガスを分解除去することができる。
【0016】
好ましい構成例では、前記触媒を加熱するためのヒータを備えたことを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、ヒータにより触媒を加熱して高温で触媒反応が行われる場合に、本発明を適用することにより、消毒ガス漏出防止の効果が顕著になる。
【0018】
さらに好ましい構成例では、前記無害化手段は、消毒ガスを吸着する吸着剤からなることを特徴としている。
【0019】
この構成によれば、吸着剤を用いることにより、室内圧力上昇分のわずかな量の排出空気に対し吸着剤により消毒ガスを確実に除去して室外に排気できる。
【0020】
さらに好ましい構成例では、前記吸着剤を加熱して再生するヒータと、この吸着剤を通して前記ファンの吐出側の空気の一部を室外に排出する排気通路と、この排気通路から分岐して該吸着剤を通した空気を前記ファンの吸込み側に戻す戻り通路と、前記吸着剤を通過した空気を室外排出側又は戻り通路側のいずれかに切り換える切換手段とを備えたことを特徴としている。
【0021】
この構成によれば、長時間使用後に吸着剤のガス吸着能力が飽和に達する以前に、排気通路を戻り通路側に切り換えて、吸着剤を通過した空気がファンの吸込み側に戻る状態で、吸着剤を加熱してホルムアルデヒドを放出させ、このホルムアルデヒドを含む戻り空気を触媒を通してホルムアルデヒドを分解した後室内に戻す。これにより、室内のホルムアルデヒド濃度を上昇させることなく、吸着剤が再生される。この再生処理は、室内のホルムアルデヒド分解除去運転が終了して室内のホルムアルデヒドがほとんどない状態で行う。吸着剤の再生により放出されたホルムアルデヒドは、ファン吸込み側に戻されてファンから吐出され、吐出側のホルムアルデヒド分解用の触媒を加熱した状態でこの触媒を通過させることにより分解処理して室内に吹き出される。
【0022】
これにより、吸着剤が再生可能になり交換の必要がなくなるため、メインテナンスが大幅に軽減される。
さらに好ましい構成例では、前記排気通路が、前記ファンの吐出側であって、前記消毒ガス分解用の触媒を通した空気の一部を、前記ファンの吸い込み側の、前記ファンと前記戻り通路との間の吸引通路に設けた冷却部を通して前記吸着剤に導入する構成としたことを特徴としている。
ホルマリンガス分解処理の初期ではホルマリンガス濃度が高濃度であるので、これを吸着剤に通すと吸着熱が発生し、吸着力が低下するが、この構成によれば、ファンから吐出された空気を触媒を通して分解し、低濃度になったホルマリンガスを冷却部に導入し、ここで、吸引通路の吸引空気による空気冷却により冷却してから吸着剤に導入して吸着させるため、十分な吸着作用が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態では、ホルマリンによる燻蒸処理について説明するが、本発明はホルマリンに限定されず、触媒により分解可能で吸着剤により吸着される消毒ガスに対し適用可能である。
図1は、本発明の実施形態に係るホルマリン殺菌室の構成図である。
密閉されたホルマリン殺菌室1内に本発明に係るホルムアルデヒド分解除去装置2が設置される。この分解除去装置2は、筐体状の本体2aの下部前面側(図の右側)に吸込口3が設けられ、上面に吹出口4が設けられ、下部背面側に排気通路5が接続されている。排気通路5は、シール材6を介して気密的にホルマリン殺菌室1の側壁を貫通する。分解除去装置2は、吸込口3から矢印Aのように室内空気を取り入れ、後述のように、内部で触媒によりホルムアルデヒドを分解して吹出口4から矢印Bのように室内に戻し、矢印Cのように、室内を循環させる。本発明では、吸込口3から矢印Aのように取り入れられた室内空気の一部が、後述のように無害化されてから排気通路5を通して排気口5aから室外に排出される。排気口5aは、ダクト(不図示)を通して建物外部その他離れた場所に設けてもよい。
【0024】
図2は、図1のホルムアルデヒド分解除去装置の内部構成図である。
装置本体2a内に室内空気循環用のファン7が備わる。ファン7の吸込側に、吸込口3と連通する吸引通路8が接続され、吐出側に、吹出口4と連通する吐出通路9が接続される。吐出通路9には、ホルムアルデヒド分解用の酸化触媒11(例えば白金触媒)及びこの酸化触媒11を加熱するための電気ヒータ10が備わる。吐出通路9にはさらに、サーモスタット等の温度調節器12が備わり、電気ヒータ10への通電を制御して酸化触媒11を最適温度に維持する。
【0025】
吐出通路9上の電気ヒータ10の上流側(ファンに近い側)から分岐して、排気通路5が設けられる。この排気通路5に、流量調節弁14及びホルムアルデヒドを吸着する吸着剤15が備わる。吸着剤15は、排気口5aから排出される空気を無害化するためのもの(請求項でいう無害化手段)であり、例えば活性炭やゼオライトなどが用いられる。他の無害化手段として、スクラバー等の冷水洗浄器や触媒を用いることもできる。
【0026】
上記構成のホルムアルデヒド分解除去装置2の運転動作は以下のとおりである。ホルマリン殺菌室1をホルマリン燻蒸により殺菌消毒した後、室内に高濃度のホルムアルデヒドガス(HCHO)が充満している状態で、ファン7を駆動し、室内空気を矢印Aのように取り入れ、吐出通路9内を矢印Eのように流通させ、電気ヒータ10で触媒反応に最適な温度に加熱した状態で、酸化触媒11によりホルムアルデヒドを炭酸ガス(CO2)と水(H2O)に分解する。酸化触媒11を通した空気は、矢印Bのように室内に吹き出され、室内を循環する。これにより、室内のホルムアルデヒド濃度は徐々に低下する。
【0027】
このような室内空気循環によるホルムアルデヒドの分解処理中に、吐出通路9から分岐する排気通路5の流量調節弁14を開き、矢印Fのように吐出空気の一部を流通させ吸着剤15を通して無害化し、排気口5aから矢印Dのように室外に排出する。
【0028】
これにより、電気ヒータ10及び酸化触媒11を通した室内空気循環により室内温度が上昇することに伴う室内圧力の上昇を防止して室内圧力が陽圧(室外圧力より高い圧力)になることを防止し、高濃度のホルムアルデヒドを含む室内空気が室外に漏出することを防止する。
【0029】
室内圧力を陰圧に維持する方法として、
▲1▼ 部屋の密閉性、容積及び室温の上がり方などを予測して、流量調節弁14により必要な排気量を調節する簡易な方法、及び
▲2▼ 室内圧力をモニタリングして常に室圧を陰圧に保つ精密な制御方法(例えば特開2001−349586号公報参照)がある。
【0030】
一例を示すと、室内温度が10°C上昇した場合、室内の体積は、10/273≒3.7%増加する。ホルマリン殺菌室1の体積が1003 の場合、室内空気は3.7m3 増加する。この増加した高濃度ホルムアルデヒドを含む室内空気は、従来であれば殺菌室を完全に気密にすることが難しいため室外に漏出してしまう。本発明ではこの室内空気を無害化(例えばホルムアルデヒド濃度0.08ppm以下)にして室外に排出する。
【0031】
吸着剤を用いた場合、室内容積100m3 で初期ホルムアルデヒド濃度2000ppmの場合、吸着ホルムアルデヒド量は、
100m3 *1.2kg*3.7%*2000ppm=8.9g
となる。
【0032】
吸着剤を活性炭とし、自重の10%まで吸着できるとすると、上記演算量(8.9g)は、90gの活性炭で吸着できる量である。実際の吸着剤の量を10倍に見込んでも900gの僅かな量で無害化できる。
【0033】
図3は本発明の別の実施形態の構成図である。この実施形態は吸着剤の再生手段を備えた実施形態であり、(A)はホルムアルデヒドの分解除去処理の空気の流れを示し、(B)は再生時の空気の流れを示す。
【0034】
この実施形態では、前述の図2の実施形態の吸着剤15に再生用の電気ヒータ13を一体的に組み込んでいる。また、吸着剤15の出口側の排気通路5から分岐してファン7の吸込み側に接続される戻り通路18を設けている。この戻り通路18の分岐部より下流側の排気通路5上及び戻り通路18上にそれぞれ、流路切換弁16,17を設けている。
【0035】
通常のホルムアルデヒド分解除去処理時には、図3(A)に示すように、排気通路5の流路切換弁16を開き、戻り通路18の流路切換弁17を閉じる。電気ヒータ13には通電しない。したがって、戻り通路18は閉じられるため、空気の流れは前述の図2の例と同じであり、室内空気が酸化触媒11で分解されるとともに、吸引した空気の一部が吸着剤15で無害化され矢印Dのように室外に排出される。
【0036】
吸着剤を再生する場合には、室内ホルムアルデヒドの分解除去処理が終了し、室内ホルムアルデヒド濃度が低下し温度が常温まで低下した状態で、吸着剤15を加熱して再生処理を行う。
なお、再生時以外の上記通常のホルムアルデヒド分解処理時には、吸着剤温度及びこれを通過するガス温度ともに低い方が吸着効率が高い。
【0037】
この再生時には、図3(B)に示すように、ファン7を駆動するとともに、排気通路5の流路切換弁16を閉じ、戻り通路18の流路切換弁17を開く。この状態で電気ヒータ13に通電して吸着剤15を加熱する。これにより、吸着剤15からホルムアルデヒドが放出され、吸着剤15が再生される。放出されたホルムアルデヒドは、矢印Gのように、戻り通路18を通してファン7の吸込側に戻り、吐出通路9を通して室内に戻される。
このとき、吐出通路9の電気ヒータ10に通電して酸化触媒11の温度を高めた状態で再生空気を室内に戻す。これにより、吸着剤15の再生により放出されたホルムアルデヒドが酸化触媒11で分解された状態で再生空気が室内に戻される。
これにより、再生により放出されたホルムアルデヒドを室外に漏出させることなく、また、室内にそのまま戻すことなく、吸着剤15の再生処理ができる。
【0038】
なお、2個の流路切換弁16,17に代えて、三方弁あるいは切換ダンパーを用いてもよい。
図4は、本発明の別の実施形態の構成説明図である。
この実施形態は、ファン7の吐出通路9上で前記図3(B)の排気通路5に代えて、酸化触媒11の出口側から冷却通路20を分岐させ、この冷却通路20を吸引通路8上に設けた冷却部19を通して吸着剤15に接続したものである。
この実施形態の目的とするところは、ホルマリンガス分解処理の初期にホルマリンガス濃度が1000〜2000ppmあるいはそれ以上さらには数万ppmのように高濃度の状態において、吸着剤15に吸着熱が発生し吸着力が低下することを防止することである。
この例においては、ファン9から吐出された室内空気を酸化触媒11を通してホルマリンを分解し、低濃度になったホルマリンガスを矢印Hのように冷却通路20を通して冷却部19に導入し、この冷却部19で冷却された低濃度ホルマリンガスを矢印Fのように吸着剤15に導入して吸着させる。この場合、ホルマリンガスは触媒11での触媒反応により高温になってそのままでは吸着剤で吸着することができないが、本例では、吸引通路8の吸引空気による空気冷却により冷却してから吸着剤15に吸着させるため、十分な吸着作用が得られる。この場合、矢印Aの吸込み風量に対し、矢印H,Fの風量を十分大きくすることにより、大きな冷却効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ホルムアルデヒド等の消毒ガス分解用の触媒を通して室内空気を循環させるファンの吐出側に消毒ガスの無害化手段が備わり、この無害化手段を通して吐出空気の一部が室外に排出される。したがって、触媒反応により室内温度が上昇して圧力が上昇しても、圧力上昇分の空気を無害化した上で室外に排出でき、室内を常に陰圧に維持することができ、消毒ガスの室外漏出が防止される。したがって、周囲環境に悪影響を及ぼすことなく、ホルムアルデヒド等の消毒ガス分解用の触媒として分解除去効率の高い高温触媒を用いて効率よく消毒ガスを分解除去することができる。
また、無害化手段の吸着剤を再生可能にすることにより、吸着剤の交換が必要なくなるため、メンテナンスが大幅に軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるホルマリン殺菌室の構成図。
【図2】 図1の分解除去装置の内部構成図。
【図3】 吸着剤の再生手段を備えた実施形態の説明図。
【図4】 本発明の別の実施形態の構成説明図。
【符号の説明】
1:ホルマリン殺菌室、2:ホルムアルデヒド分解除去装置、2a:装置本体、
3:吸込口、4:吹出口、5:排気通路、5a:排気口、6:シール材、
7:ファン、8:吸引通路、9:吐出通路、10:電気ヒータ、
11:酸化触媒、12:温度調節器、13:電気ヒータ、14:流量調節弁、
15:吸着剤、16:流路切換弁、17:流路切換弁、18:戻り通路、
19:冷却部、20:冷却通路。
Claims (5)
- 室内空気循環用のファンと、当該ファンの吐出側に設けた消毒ガス分解用の触媒と、当該触媒を加熱するためのヒータとを備え、殺菌室に設置する消毒ガス分解除去装置において、
前記ファンの吐出側に、前記触媒とは別に、消毒ガスの無害化手段を設け、前記殺菌室の空気を前記ファンにより取り込んで、前記触媒に接触させて前記空気に含まれている消毒ガスを分解させると同時に、前記殺菌室の圧力の上昇を防止するためにこの無害化手段を通して前記ファンの吐出側の空気の一部を前記殺菌室外に排出する排気通路を設けたことを特徴とする、消毒ガス分解除去装置。 - 前記無害化手段は、消毒ガスを吸着する吸着剤からなることを特徴とする、請求項1に記載の消毒ガス分解除去装置。
- 前記吸着剤を加熱して再生するヒータと、
この吸着剤を通して前記ファンの吐出側の空気の一部を前記室外に排出する排気通路と、この排気通路から分岐して当該吸着剤を通した空気を前記ファンの吸い込み側に戻す戻り通路と、
前記吸着剤を通過した空気を前記排出通路側又は戻り通路側のいずれかに切換える切換手段とを備えたことを特徴とする、請求項2に記載の消毒ガス分解装置。 - 前記排気通路が、前記ファンの吐出側であって、前記消毒ガス分解用の触媒を通した空気の一部を、前記ファンの吸い込み側の、前記ファンと前記戻り通路との間の吸引通路に設けた冷却部を通して前記吸着剤に導入する構成としたことを特徴とする、請求項3に記載の消毒ガス分解装置。
- 前記消毒ガスはホルマリンガスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の消毒ガス分解除去装置。
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