JP4405045B2 - 情報処理方法、情報処理システム及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク上に存在する所望のサイトやそのコンテンツへユーザを誘導する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、インターネットなどのネットワーク環境が広く普及しており、ネットワーク上には種々のコンテンツを提供する膨大な数のサイトが存在している。そのため、特定のサイト群にユーザを導き、各々のサイトに掲載された情報にアクセスしてもらうことは、重要な意味を持つ。
【0003】
従来、この種のユーザの誘導手段として用いられている手段としては、バナー広告や検索サイトへの登録などがあげられる。
バナー広告は、所定のサイトへのリンクを持つ広告オブジェクトである。このバナー広告を訪問者の多い知名度の高いサイト(媒体サイト)などに置いておく。これにより、バナー広告にて示された広告内容に興味を持ったユーザに当該バナー広告がクリックされれば、当該ユーザを当該バナー広告がリンクするサイトへ誘導することができる。
【0004】
検索サイトは、ユーザからの検索要求に応じてネットワーク上の情報の中から検索条件に合致するものを検索し、提示するサービスを提供するサイトである。所定のサイトをこの検索サイトに登録しておくことにより、当該サイトにて提供される内容に興味を持つユーザが、検索サイトに対して検索要求を行えば、検索結果として当該サイトが提示され、当該ユーザを当該サイトへ誘導することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のユーザ誘導手段は、ユーザを誘導しようとするサイトの内容に対して知識や興味を持つユーザしか集めることができなかった。すなわち、当該サイトの内容に対して興味を持たないユーザは、通常、バナー広告を見ても当該サイトへ移動することはない。また、検索サイトで当該サイトを検索するような検索要求をすることもない。
【0006】
そこで本発明は、ユーザの興味の有無に関わらず、当該ユーザを特定のサイト群へ誘導する手段を提供することを目的とする。
【0007】
また本発明は、ユーザを特定のサイト群へ誘導するために当該サイト群の間を移動する移動オブジェクトを提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、次のように構成されたことを特徴とするユーザ誘導方法を提供する。すなわち、ユーザにより取得されるように定義づけられたオブジェクトを所定のサイトにおける所定の位置に出現させるステップと、このオブジェクトを移動させるステップとを含み、このオブジェクトを取得しようとするユーザをこのサイト上の所定のコンテンツへ誘導する。
【0009】
ここで、さらに詳しくは、このオブジェクトを移動させるステップは、このオブジェクトを所定の位置に出現させた後、ユーザによってこのオブジェクトが取得されるのを待つステップと、このオブジェクトがいずれかのユーザに取得された後、このサイト上の他の位置にこのオブジェクトを出現させるステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
また、このユーザ誘導方法において、さらに、オブジェクトを出現させた後、当該オブジェクトの位置に関する情報を、当該オブジェクトを取得しようとするユーザに提供するステップを含む構成とすることができる。
【0011】
また、このオブジェクトを移動させるステップにおいて、このオブジェクトを所定の経路に沿って移動させ、このオブジェクトを取得しようとするユーザをこの経路に基づく特定の順序で所定のコンテンツへ誘導することができる。
【0012】
さらに、このユーザ誘導方法をネットワークに拡張すれば、このオブジェクトを出現させるステップにおいて、ネットワークにて接続された複数のサイトにおける所定の位置にこのオブジェクトを出現させ、このオブジェクトを移動させるステップにおいて、このオブジェクトをこのネットワーク上で移動させることを特徴とする。
【0013】
ここで、このオブジェクトを移動させるステップにおいて、このオブジェクトをこのネットワーク上の複数のサイトに亙る所定の経路に沿って移動させ、このオブジェクトを取得しようとするユーザをこの経路に基づく特定の順序で所定のコンテンツへ誘導する構成とすることができる。
【0014】
また、本発明は、次のように構成されたことを特徴とするコンテンツの広告方法を提供する。すなわち、ユーザにより取得されるように定義づけられたオブジェクトをネットワーク上の多くのユーザに閲覧されることを望むコンテンツ上に出現させるステップと、所定のユーザによってこのコンテンツが閲覧された場合に、多くのユーザに閲覧されることを望む他のコンテンツにこのオブジェクトを移動させるステップとを含み、このオブジェクトを取得しようとするユーザをこれらのコンテンツへ誘導することにより、これらのコンテンツを閲覧させる。
【0015】
ここで、このオブジェクトを移動させるステップにおいて、多くのユーザに閲覧されることを望むこれらのコンテンツを含む経路に沿ってこのオブジェクトを移動させることができる。
このような構成とすれば、広告対象であるコンテンツを、所望の順番でユーザに閲覧させることができる点で好ましい。
【0016】
さらにまた、本発明は、次のように構成されたことを特徴とするユーザ誘導システムを提供することができる。すなわち、ネットワーク上におけるオブジェクトの位置を管理するオブジェクト管理部と、このオブジェクトの位置に関する情報を生成し、このネットワークにアクセスしているユーザに提供する位置情報生成部と、所定のユーザによりこのオブジェクトが選択された場合に、予め設定されたオブジェクトの選択に伴う処理を実行する処理部とを備える。そして、オブジェクト管理部において所望の位置にこのオブジェクトを配置することにより、ユーザを前記ネットワーク上の所望のコンテンツへ誘導する。
このシステムは、オブジェクト管理部、位置情報生成部及び処理部の機能を備えた所定のサーバ単体で実現することが可能である。したがって、ネットワーク上にそのようなサーバを設けることにより、このオブジェクトを用いたユーザの誘導を実現できる点で優れている。
【0017】
ここで、この処理部は、さらに詳しくは、このオブジェクトが選択された場合にその旨をオブジェクト管理部に通知し、このオブジェクト管理部は、この処理部からの通知を受け付けると、ユーザに選択されたこのオブジェクトを消去し、他のオブジェクトをネットワーク上の他の位置に配置することを特徴とする。
【0018】
さらに、処理部は、このオブジェクトが所定のユーザにより選択された場合に、このオブジェクトを選択したユーザに関する情報(名前やID情報など)と共にこのオブジェクトが選択されたことをオブジェクト管理部に通知し、オブジェクト管理部は、この処理部からの通知を受け付けた場合に、このオブジェクトの取得者としてこのオブジェクトを選択したユーザに関する情報を管理する。また、このオブジェクトが複数のユーザにより選択された場合には、特定のユーザのみをこのオブジェクトの取得者とすることを特徴とする。
ここで、オブジェクトを選択した複数のユーザのうち、いずれのユーザをオブジェクトの取得者とするかは、任意の規則に基づいて決定することができる。例えば、処理部からオブジェクト管理部への最初の通知におけるユーザを取得者とすることができる。
【0019】
また、本発明は、次のように構成されたオブジェクト制御システムを提供することができる。すなわち、ウェブページを格納したウェブサーバと、所定のウェブサーバと通信するメインサーバとを備え、このメインサーバは、このウェブサーバに格納された所定のウェブページに、所定のオブジェクトを出現させまたは消去する。
【0020】
ここで、ユーザが閲覧しているウェブページにこのオブジェクトが存在する場合に、このオブジェクトを選択することができるものとする。そして、メインサーバは、ユーザによりこのオブジェクトが選択された場合に、このオブジェクトを消去して他のウェブページに出現させることを特徴とする。
【0021】
またメインサーバは、所定のウェブサーバにアクセスしているユーザに対して、出現させているオブジェクトの位置に関する情報を与えることを特徴とする。
【0022】
ここで、ユーザに与えられるオブジェクトの位置に関する情報は、このユーザに閲覧されているウェブページからこのオブジェクトへ到達するための容易さを示す情報である。
かかる情報は、例えば、ウェブページのファイルが格納された場所の階層構造(この階層構造はURLの構造から抽出できる)、検索エンジンで用いられるカテゴリー別の分類、ハイパーリンクの接続関係など、種々の関係に基づいて定義することができる。
【0023】
また、本発明は、次のように構成されたことを特徴とするオブジェクト制御システムを提供する。すなわち、ネットワーク上のウェブサイトに格納されているウェブページに埋め込まれるオブジェクトと、ネットワーク上におけるこのオブジェクトの位置を管理するオブジェクト管理手段とを備え、このオブジェクト管理手段がこのオブジェクトのネットワーク上における位置を変更することにより、このオブジェクトにネットワーク上を移動させる。
このシステムは、このオブジェクトを提供し、かつオブジェクト管理手段の機能を備えた所定のサーバ単体で実現することが可能である。
【0024】
ここで、このオブジェクト管理手段による制御の一態様として、所定のユーザが閲覧しているウェブページを、オブジェクトの位置に対応付け、このユーザによる閲覧ウェブページの移動に伴って、このオブジェクトの位置を変更する構成とすることができる。
【0025】
また、上記のようにオブジェクト自体にネットワーク上を移動させるのではなく、オブジェクト本体を所定のサーバに格納しておき、ネットワーク上のウェブサイトに格納されているウェブページにこのオブジェクト本体へ移動するためのリンクを張るリンク設定手段と、このリンクを張るべきウェブページを決定するオブジェクト位置管理手段とを備え、このオブジェクト位置管理手段による制御に基づいて、リンク設定手段がリンクを張る対象であるウェブページを変更する構成とすることができる。
【0026】
この場合においても、オブジェクト位置管理手段において、所定のユーザが閲覧しているウェブページを、オブジェクト本体へのリンクを張る対象のウェブページとし、このユーザによる閲覧ウェブページの移動に伴って、このオブジェクト本体へのリンクを張る対象のウェブページを変更し、リンク設定手段において、このオブジェクト位置管理手段の制御にしたがって、このオブジェクト本体へのリンクを張り替える構成とすることができる。
【0027】
また、本発明は、ネットワーク上のウェブサイトに格納されているウェブページに埋め込まれるオブジェクトにおいて、このネットワーク上における位置を所定の管理手段により管理され、この管理手段の制御にしたがって所定のウェブページから他のウェブページへネットワーク上を移動することを特徴とする。
【0028】
さらにまた、本発明は、所定のウェブサーバに格納された所定のウェブページに、所定のオブジェクトを出現させる処理と、ユーザがこのウェブページを閲覧してこのオブジェクトを選択した場合に、このオブジェクトを他のウェブページに移動させる処理とをコンピュータに実行させるプログラムとして作成し、このプログラムをこのコンピュータの入力手段が入力可能な形式で記憶した記憶媒体として提供することができる。
さらにまた、本発明は、かかるプログラムを記憶する記憶手段と、この記憶手段からこのプログラムを読み出して送信する送信手段とを備えたプログラム伝送装置として提供することもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
まず、本発明の概要を説明する。本発明は、特定のサイト群中に移動するオブジェクト(以下、移動オブジェクトと称す)を設定する。そして、ユーザが当該移動オブジェクトを探索することにより、サイトの内容に対する興味の有無に関わらずに、当該サイト群中の多くのサイトを訪問するように仕向ける。移動オブジェクトを発見したユーザに対して特典を与えることにより、移動オブジェクトを探索しようとする動機付けを行うことができる。
【0030】
移動オブジェクトの探索は、移動オブジェクトが存在する位置(所定のサイトにおける所定のウェブページ)に関する情報を取得するツールであるレーダーを用いて行う。レーダーは、移動オブジェクトの位置そのものではなく、移動オブジェクトが存在するサイトやウェブページとユーザが閲覧中のサイトとの間の距離に基づいて、移動オブジェクトの位置を暗示する情報(ヒント)をユーザに提示する。これにより、ユーザは移動オブジェクトが存在しそうなサイトを巡ることとなる。
【0031】
図1は、本発明によるユーザの誘導システムを実現するためのネットワーク構成を説明する図である。図2は、本発明の概念をその代表的な実施例を基に説明する図である。
図1において、符号110はメインサーバであり、システム全体を管理する。符号111は移動オブジェクト管理データベース(DB)であり、メインサーバ110の制御下で、移動オブジェクトの位置や移動オブジェクトが所定のユーザに発見されたかどうかといった情報を管理する。符号120はサイトサーバであり、種々のウェブページを格納したウェブサイトを管理する。符号130はユーザ端末である。図示のように、メインサーバ110、サイトサーバ120及びユーザ端末130は、インターネットなどのウェブベースのネットワークを介して接続されている。
【0032】
図2に示すように、本発明においては、移動オブジェクトを利用する契約を結んだサイトサーバ120に管理されるウェブサイトにより契約サイト群210が形成される。そして、メインサーバ110に管理された契約サイト群210中のウェブサイトに移動オブジェクト220を出現させる。
ユーザは、ユーザ端末130に実装されたレーダー230を用いて移動オブジェクト220を探索する。所定のユーザにより移動オブジェクト220が発見されると、発見者に関する情報などが移動オブジェクト管理データベース111に格納され、当該ユーザに予め設定された特典が付与される。発見された移動オブジェクト220は、契約サイト群210中の他のウェブサイトに移動する。
【0033】
次に、本発明によるユーザの誘導システムを機能ブロックで示した実施の形態について説明する。大きく分けて3種類の実施の形態を提示するが、各実施の形態は、所定の機能ブロックを上述したメインサーバ110、サイトサーバ120またはユーザ端末130のいずれに設定するかにより、さらに多様に変形することができる。
【0034】
〔第1の実施の形態〕
図3は、第1の実施の形態におけるユーザ誘導システムの構成を説明する図である。
図3において、符号10は移動オブジェクト管理部であり、移動オブジェクト220の位置や探索状況といった情報を管理する。符号20はレーダー情報生成部であり、レーダー230にてユーザに提示する移動オブジェクト220に関する情報(以下、レーダー情報と称す)を生成する。符号30は零距離処理部であり、移動オブジェクト220が存在するウェブページにユーザが到達した場合、すなわち当該ウェブページをユーザが閲覧している場合に、移動オブジェクト220を当該ウェブページに表示し、ユーザが移動オブジェクト220を発見した場合の処理を行う。符号40はレーダー表示部であり、レーダー情報生成部20により生成されたレーダー情報を持つレーダー230をユーザ端末130に表示する。符号50は表示ページURL管理部であり、ユーザが閲覧しているウェブページのURLを管理する。符号60はページ表示部であり、ユーザ端末130においてウェブページを表示する。
【0035】
上記構成において、移動オブジェクト管理部10は、メインサーバ110に設けられる。また、レーダー表示部40、表示ページURL管理部50及びページ表示部60は、ユーザ端末130に設けられる。実際には、ページ表示部60はウェブブラウザにて実現され、レーダー表示部40及び表示ページURL管理部50はプラグインなどの手段により当該ウェブブラウザの機能として実装される。レーダー情報生成部20及び零距離処理部30は、メインサーバ110、サイトサーバ120及びユーザ端末130のいずれかに設けることができる。
以下では、レーダー情報生成部20及び零距離処理部30を設ける場所を特定せずに説明を行い、その後、本実施の形態を実現するネットワークシステムの態様を示して、各態様についての説明を補足的に行うこととする。
【0036】
図4は、図3のユーザ誘導システムによる全体的な処理の流れを説明するフローチャートである。
図4を参照すると、まず、ユーザがユーザ端末130のページ表示部60にウェブページを表示する(ステップ401)。このウェブページは、図2に示した契約サイト群210に含まれるウェブサイトのウェブページである。ページ表示部60にウェブページが表示されると、ページ表示部60から表示ページURL管理部50へ、表示されたウェブページのURLが通知される。この処理は、ページ表示部60におけるウェブページの表示が更新される度に行われる。
【0037】
ここで、ページ表示部60と契約サイト群210中のサイトサーバ120とは、零距離処理部30を介して接続される。
図5は、ページ表示部60とサイトサーバ120との接続関係を説明する図である。
図5を参照すると、ページ表示部60から発行されたページ要求イベントは零距離処理部30を経てサイトサーバ120へ送られ、サイトサーバ120から返送されたウェブページは零距離処理部30を経てページ表示部60に送られる。そこで、ページ表示部60が表示する(すなわちユーザが閲覧する)ウェブページに移動オブジェクト220が存在する場合には、サイトサーバ120から送られたウェブページが零距離処理部30にて中継される際に移動オブジェクト220が付加されることとなる。ページ表示部60が表示するウェブページに移動オブジェクト220が存在しない場合は、零距離処理部30は何ら処理を行わず、当該ウェブページは零距離処理部30を素通りすることとなる。
また、ページ表示部60にて表示されたウェブページに移動オブジェクト220が存在する場合、ユーザが当該移動オブジェクト220を発見し、当該移動オブジェクト220のクリックがなされたならば、当該イベントは零距離処理部30に受け付けられることとなる。
【0038】
次に、表示ページURL管理部50が、ページ表示部60にて表示されている閲覧中のウェブページのURLと共に、現在の移動オブジェクト220の位置に関するレーダー情報の生成命令を、レーダー情報生成部20に送る(ステップ402)。
【0039】
次に、レーダー情報生成部20が、レーダー情報の生成命令と共に受信したURLに基づいてレーダー情報を生成する(ステップ403)。生成されたレーダー情報はユーザ端末130に送られ、レーダー表示部40が表示するレーダー230に反映される。
また、レーダー情報生成部20は、レーダー情報を生成する際に算出される、ユーザが閲覧中のウェブページと、移動オブジェクト220が存在するウェブページとの間の距離に応じて、零距離処理部30に処理を渡す(ステップ404)。
【0040】
零距離処理部30の処理は、閲覧中のウェブページが移動オブジェクト220の存在するウェブページと同一である場合(ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページに到達した場合)の処理と、及び移動オブジェクト220の存在するウェブページから他のウェブページへ移動した場合(離脱した場合)の処理とに分かれる。
【0041】
ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページに到達した場合、後述するように、レーダー情報生成部20において、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページに到達したことが認識されるので、レーダー情報生成部20から零距離処理部30に対してユーザが到達したことを示す到達通知が行われる(ステップ405)。これに応じて、零距離処理部30は、ユーザ端末130のページ表示部60に移動オブジェクト220を表示する(ステップ406)。
ユーザは、表示された移動オブジェクト220を発見すると、所定の操作により移動オブジェクト220を発見したことを示す入力を行う。これに応じて、移動オブジェクト220の発見後の処理として、零距離処理部30が所定のダイアログをユーザ端末130に表示し、当該ユーザに関する情報の入力を促す。ダイアログに応じて入力された情報は、零距離処理部30から移動オブジェクト管理部10に送られ、管理される(ステップ407、408)。
【0042】
一方、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページを閲覧していながら、当該移動オブジェクト220を発見できず、他のウェブページに移動した場合、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページから離脱することとなる(ステップ407、401〜404)。この場合、後述するように、レーダー情報生成部20において、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページから離脱したことが認識されるので、レーダー情報生成部20から零距離処理部30に対してユーザが離脱したことを示す離脱通知が行われる(ステップ409)。これに応じて、零距離処理部30は、ステップ406によりウェブページ中に表示されていた移動オブジェクト220を消去する(ステップ410)。
【0043】
なお、本実施の形態では、移動オブジェクト220の内容などに関するデータ(以下、内容データと称す)は移動オブジェクト管理部10の存在するメインサーバ110に格納するものとする。そして、契約サイト群210に含まれるウェブサイトのウェブページには、当該移動オブジェクト220の内容データにアクセスするためのリンクオブジェクトを表示する。すなわち、契約サイト群210中に出現したリンクオブジェクトをユーザがクリックすることによって、移動オブジェクト管理部10に格納されている移動オブジェクト220が起動することとなる。したがって、以下の説明では、所定のウェブページに当該リンクオブジェクトが存在する場合、すなわち、当該ウェブページに移動オブジェクト220の内容データへのリンクが張られている場合に、当該ウェブページに移動オブジェクト220が存在すると表現する。
当然ながら、本実施の形態のように移動オブジェクト220の内容データへのリンクオブジェクトのみを移動させるのではなく、内容データを含む移動オブジェクト220の実体を移動させるようにしても良い。この場合、移動オブジェクト220の内容データ自体が契約サイト群210に含まれるウェブサイトのサイトサーバ120の間を転送されて移動することとなる。そのため、常にメインサーバ110の移動オブジェクト管理部10とサイトサーバ120との間で通信を行い、移動オブジェクト220の位置やユーザによる探索状況を移動オブジェクト管理部10に通知する処理が必要となる。
【0044】
次に、機能ブロックによる個々の処理について詳細に説明する。
図6は、図4のステップ402に示した表示ページURL管理部50の動作を説明するフローチャートである。
図6を参照すると、表示ページURL管理部50は、まず、ページ表示部60から閲覧しているウェブページの変更通知を受信し(ステップ601、602)、当該通知から新しい閲覧中のウェブページのURLを取得する(ステップ603)。そして、レーダー情報生成部20に対してレーダー情報の生成命令を発行する(ステップ604)。
【0045】
図7は、図4のステップ403、404に示したレーダー情報生成部20の動作を説明するフローチャートである。
図7を参照すると、レーダー情報生成部20は、まず、表示ページURL管理部50からレーダー情報の生成命令を受信し(ステップ701、702)、当該命令から新しい閲覧中のウェブページのURLを抽出する(ステップ703)。
【0046】
次に、レーダー情報生成部20は、移動オブジェクト管理部10に対して移動オブジェクト220のURLの取得要求を送信し(ステップ704)、移動オブジェクト220のURLを取得する(ステップ705)。そして、ステップ703で取得した閲覧中のウェブページのURLとステップ705で取得した移動オブジェクト220のURLとを比較し、その間の距離を調べる(ステップ706)。本実施の形態では、上述したように移動オブジェクト220の内容データはメインサーバ110に格納されており、当該移動オブジェクト220の内容データへのリンクオブジェクトが契約サイト群210中を移動するので、当該リンクが張られるウェブページのURLが移動オブジェクト220のURLとして扱われることとなる。なお、二つのURLの間における距離をどのように定義するかについては後述する。
【0047】
ステップ706において比較された二つのURLの間における距離が0であったならば、レーダー情報生成部20は、移動オブジェクト220が閲覧中のウェブページに存在するかどうかを識別するために設けられた内部フラグである零距離フラグをオンにセットする(ステップ707、708)。そして、零距離処理部30に対し、閲覧中のウェブページに移動オブジェクト220が存在することを示す到達通知を行う(ステップ709)。到達通知を発行した後、レーダー情報生成部20は、閲覧中のウェブページに移動オブジェクト220が存在することを示すレーダー情報を生成し、ユーザ端末130に送信する(ステップ710)。
【0048】
一方、二つのURLの間における距離が0でなかったならば、零距離フラグがオンかどうかを調べ、オンであればオフにセットし直す(ステップ711、712)。そして、零距離フラグがオンであったことから、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページから他のウェブページに移動したことがわかるので、零距離処理部30に対し、移動オブジェクト220の存在するウェブページから離脱したことを示す離脱通知を行う(ステップ713)。
零距離フラグがオフだった場合、または離脱通知を発行した後、レーダー情報生成部20は、閲覧中のウェブページのURLと移動オブジェクト220のURLとの間の距離に基づいてレーダー情報を生成し、ユーザ端末130に送信する(ステップ714)。
【0049】
図8は、図4のステップ405、406、409、410に示した零距離処理部30の動作を説明するフローチャートである。
図8を参照すると、零距離処理部30は、レーダー情報生成部20から到達通知を受信することにより(ステップ801、802)、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページに到達したことがわかるので、当該ウェブページに移動オブジェクト220へのリンクを付加してユーザ端末130のページ表示部60に送る。これにより、当該移動オブジェクト220へのリンクを含むウェブページをページ表示部60に表示させる(ステップ803)。具体的には、例えば当該ウェブページに移動オブジェクト220へリンクするアイコンを表示することができる。
以上の処理が図4におけるステップ405の到達通知処理及びステップ406の表示処理に該当する。
【0050】
零距離処理部30は、移動オブジェクト220の表示処理を行った後、さらにレーダー情報生成部20から離脱通知を受信すると(ステップ804)、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページから離脱したことがわかるので、ステップ803で表示した移動オブジェクト220へのリンクを当該ウェブページから削除する(ステップ805、806)。
以上の処理が図4におけるステップ409の離脱通知処理及びステップ410の消去処理に該当する。
【0051】
また、移動オブジェクト220の表示処理を行った後、レーダー情報生成部20から離脱通知を受信することなく、ページ表示部60から移動オブジェクト220へのリンクをクリックしたというイベントを受け付けると(ステップ807、808)、零距離処理部30は、移動オブジェクト管理部10に対して、移動オブジェクト220の内容データの取得要求を行う(ステップ809)。これに応じて、移動オブジェクト管理部10から移動オブジェクト220の内容データが返送される(ステップ810)。
【0052】
移動オブジェクト220の取得が確認されたならば、零距離処理部30は、次に、ユーザ端末130に対して移動オブジェクト220の発見後の処理を実行するためのダイアログの表示を要求する(ステップ811、812)。
これに応じて、ユーザ端末130が所定のダイアログを表示し、ユーザからの入力を受け付ける。具体的にどのような入力を行うかは、本実施の形態による移動オブジェクト220を用いたユーザ誘導システムをどのような目的で用いるかによって異なるが、例えば移動オブジェクト220を取得したユーザを識別するためのID情報などが入力されることとなる。ダイアログへの入力により入力された入力データは、零距離処理部30を介して移動オブジェクト管理部10に送られ、管理される。
【0053】
図9は、移動オブジェクト管理部10の動作を説明するフローチャートである。
図9を参照すると、移動オブジェクト管理部10は、レーダー情報生成部20から移動オブジェクト220のURLの取得要求を、また零距離処理部30から移動オブジェクト220の取得要求を受信する。そして、レーダー情報生成部20から、移動オブジェクト220のURLの取得要求を受信した場合は(ステップ901、902)、当該移動オブジェクト220のURLを、当該要求の送信元であるレーダー情報生成部20に返送する(ステップ903)。
【0054】
一方、零距離処理部30から移動オブジェクト220の取得要求を受信した場合は(ステップ904、905)、その取得要求に対する応答を行うと共に、当該移動オブジェクト220の内容データなどを当該要求の送信元である零距離処理部30に返送する(ステップ906)。
【0055】
ここで、移動オブジェクト220の取得要求の受け入れは契約サイト群210中のウェブページにアクセスしているユーザ端末130に対して並行に行われる。したがって、移動オブジェクト220へのリンククリックにより、移動オブジェクト220の取得要求が、同時に複数発生する場合がある。
この場合、移動オブジェクト管理部10は、特定のユーザのみを当該移動オブジェクト220の取得者として他のユーザを排除する排他制御を行うことが必要である。具体的には、移動オブジェクト220を最初に発見したユーザを検出し、そのユーザに対して、「移動オブジェクトを取得できた」という返答を行う(取得応答)。この取得応答の中には、当該移動オブジェクトに関する情報(IDや内容など)が含まれる。また、他のユーザに対しては「移動オブジェクトは他のユーザに取られてしまった」という返答を行う(取得不可応答)。なお、ここでは、最初に移動オブジェクト220を発見したユーザを取得者としたが、その他の任意の基準で決定した特定のユーザを取得者とするようにしても良い。
【0056】
図10は、二つの移動オブジェクト220に対して四つの取得要求が同時になされた場合における移動オブジェクト管理部10の処理を説明する図である。
図10の例では、図10(a)、(b)に示すように、四つの取得要求(要求1〜4)のうち、要求1、2は移動オブジェクト220を取得できた。そこで、図10(c)に示すように、要求1、2を送信したユーザ端末130に対して取得応答を返送し、要求3、4を送信したユーザ端末130に対して取得不可応答を返送している。
【0057】
また、図示しないが、移動オブジェクト管理部10は、零距離処理部30による移動オブジェクト220の発見後の処理において所定のダイアログを用いて入力された入力データを、零距離処理部30から受け付け、移動オブジェクト220を取得したユーザに関する情報を管理する。
【0058】
次に、レーダー表示部40によりユーザ端末130に表示されるレーダー230について説明する。
レーダー230は、閲覧中のウェブページから目標である移動オブジェクト220までの距離を、ユーザが目視できる表現形式で提示する。ここで、閲覧中のウェブページから移動オブジェクト220までの距離(すなわち、ユーザが閲覧しているウェブページのURLと移動オブジェクト220の存在するURLとの間の距離)とは、物理的な距離ではなく、閲覧中のウェブページから移動オブジェクト220に到達するための容易さを数値的に示す概念である。この距離は種々の方法で定義することができる。以下、いくつかの距離の定義を例示し、その算出方法を説明する。
【0059】
まず、URLの構造を利用したURL間の距離の定義について説明する。URLは、ファイルの格納場所の階層構造に従って、サイト名やファイル名を列記するため、このURLにて示される階層構造に基づいて距離を定義することができる。
図11は、URLの構造を利用して定義されたURL間の距離を説明する図である。
図11を参照すると、URLにて示されるファイルの格納場所の階層構造が木構造図で表現されている。同図において、アスタリスク(*)の付されたURLが移動オブジェクト220の存在するURLである。また、各ノードに付された数字は移動オブジェクト220からの距離を示す数値である。
例えば、「com.ibm.www/products/index.html」に対して、枝を一つ辿ることによって到達できる「com.ibm.www/products」は、距離1である。同様に、枝を二つ辿ることによって到達できる「com.ibm.www」は、距離2である。また、「com.ibm.www/products」と同じ階層に位置する「com.ibm.www/news」や「com.ibm.www/services」は、枝を三つ辿ることによって到達できるので、距離3である。
【0060】
次に、ウェブサイトの意味的な階層構造を利用したURL間の距離の定義について説明する。検索エンジンなどで用いられるウェブサイトのカテゴリー別の分類を用いて距離を定義することができる。
図12は、ウェブサイトのカテゴリー別の分類を示す意味的な階層構造を利用して定義されたURL間の距離を説明する図である。
図12を参照すると、カテゴリー別の分類による階層構造が木構造図で表現されている。同図において、アスタリスク(*)の付されたURLが移動オブジェクト220の存在するURLである。また、各ノードに付された数字は移動オブジェクト220からの距離を示す数値である。
例えば、「企業」の「コンピュータ」に分類される「IBM」に対して、枝を一つ辿ることによって到達できる分類項目「コンピュータ」は距離1である。同様に、「IBM」と同じ階層に位置する「○○電気」や「××コンピュータ」は、枝を二つ辿ることによって到達できるので、距離2である。また、分類項目「印刷」の「△△印刷」は、枝を四つ辿ることによって到達できるので、距離4である。
【0061】
次に、ウェブページのハイパーリンクの接続関係に基づくURL間の距離の定義について説明する。所定のウェブページを閲覧しているユーザ端末130は、ページ中に設定されたハイパーリンクにより他のウェブページへジャンプ(移動)することができる。したがって、閲覧中のウェブページから移動オブジェクト220の存在するウェブページへ到達するために必要なジャンプの回数を、当該ウェブページ間の距離とすることができる。
図13は、所定のサイトにおけるウェブページのハイパーリンク利用して定義されたURL間の距離を説明する図である。
図13を参照すると、複数のウェブページの間のハイパーリンクによる接続関係が示されている。同図において、アスタリスク(*)の付されたURLが移動オブジェクト220の存在するURLである。また、各ノードに付された数字は移動オブジェクト220からの距離を示す数値である。
例えば、「採用情報」のウェブページに対して、1回のジャンプで到達する「この企業について」というウェブページは、距離1である。同様に、3回のジャンプで到達できる「新製品News」や「製品一覧」は、距離3である。また、他の関連サイトへ移動するには3回のジャンプが必要であるので、当該他の関連サイトから図示のサイトへ移動するのに要するジャンプの回数に3を加えた値が「採用情報」のウェブページまでの距離となる。
【0062】
また、上記のようにURLの構造やウェブページの分類や接続関係といった構造的な情報を用いるほかに、URLの表記をマッチングすることにより、所定のウェブページのURLと移動オブジェクト220の存在するURLとの間の距離を定義することができる。
例えば、二つのURLを比較し、異なっている文字数を二つのURLの間の距離とすることができる。すなわち、
(1)http://www.ibm.com/news/index.htmlと
(2)http://www.ibm.co.jp/news/index.html
とでは、(1)の「com」の部分と(2)の「co.jp」の部分とにおいて3文字異なっている。そこで、これらのURLの間の距離を3と定義することができる。
また、URLの中に特定のキーワード(文字列)をいくつ含むかに応じて距離を設定することもできる。
さらにまた、ネットワークにおける物理的な接続関係を利用し、目的サイトに対するネットワークの応答時間や、目的サイトまでに経由するコンピュータ数などを利用しても良い。
【0063】
これらの手法により定義されたURL間の距離に基づいて生成されるレーダー230の表現形式について説明する。
図14は、レーダー230の構成例を示す図である。同図に示すレーダー230は、極座標系を用いて閲覧中のウェブページに対する移動オブジェクト220の位置を概略的に表示する。すなわち、閲覧中のウェブページを中心とし、移動オブジェクト220の位置を、パラメータ(r,θ)で示す。ここで、パラメータrは閲覧中のウェブページと移動オブジェクト220との間の距離を示し、パラメータθはユーザの好みや移動オブジェクト220が存在するウェブサイトの種類などに応じて設定される。実際に使用する際には、パラメータθを厳密に設定する必要はない。例えば、座標系をいくつかの扇形の領域に分け、例えばユーザの趣味などに応じて領域を割り当てておき、移動オブジェクト220が存在するウェブサイトやウェブページの種類に応じて適当な領域に移動オブジェクト220を示す印を表示するといった用い方ができる。
【0064】
また、上記のような極座標系を用いたレーダーチャートで示す代わりに、単に閲覧中のウェブページと移動オブジェクト220との間の距離を示す数字を表示したり、ウェブページの閲覧履歴に基づいて移動オブジェクト220に対する距離の変化の軌跡を示すグラフを表示したりすることもできる。
さらに、移動オブジェクト220の存在するウェブページを格納したウェブサイトを羅列したリストを表示することもできる。このリストにおいて、閲覧中のウェブページとリストの要素であるウェブサイトとの距離に応じて当該要素の表示色を変えることにより、当該距離をユーザに知らせるようにしても良い。
ユーザが移動オブジェクト220の出現する可能性のある契約サイト群210以外のウェブサイトのウェブページを閲覧している場合、距離の定義方法によっては、閲覧中のウェブページと移動オブジェクト220との間の距離が膨大になってしまう場合がある。そこで、そのような場合にはリスト形式でレーダー表示を行い、契約サイト群210またはその中の実際に移動オブジェクト220が存在するウェブサイトへ移動した後に、図14に示したレーダーチャートや数値表示、グラフなどの形式でレーダー表示を行うようにしても良い。
【0065】
次に、本実施の形態を実現するネットワークシステムの態様について説明する。
図15は、上述したネットワークシステムの態様の一覧を示す図である。上述したように、本実施の形態において、移動オブジェクト管理部10はメインサーバ110に設けられ、レーダー表示部40、表示ページURL管理部50及びページ表示部60はユーザ端末130に設けられる。したがって、レーダー情報生成部20及び零距離処理部30をどこに設けるかによって、いくつかの態様に分類することができる。
図15を参照すると、本実施の形態を実現するネットワークシステムの態様としては、レーダー情報生成部20及び零距離処理部30の両方がユーザ端末130に設けられたS−C−C型、レーダー情報生成部20がユーザ端末130に設けられ零距離処理部30がメインサーバ110またはサイトサーバ120に設けられたS−C−S型、レーダー情報生成部20がメインサーバ110に設けられ零距離処理部30がユーザ端末130に設けられたS−S−C型、レーダー情報生成部20がメインサーバ110に設けられ零距離処理部30がメインサーバ110またはサイトサーバ120に設けられたS−S−S型、レーダー情報生成部20及び零距離処理部30の両方がサイトサーバ120に設けられたS−Ss−Ss型の5種類の態様が示されている。
【0066】
図15におけるS−C−C型の態様によれば、上述した本実施の形態の動作において、▲1▼表示ページURL管理部50からレーダー情報生成部20へレーダー情報の生成命令を送る動作、▲2▼レーダー情報生成部20からレーダー表示部40へレーダー情報を送る動作、▲3▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部30との間でのデータの送受信、▲4▼レーダー情報生成部20から零距離処理部30への到達通知及び離脱通知の各動作は、ユーザ端末130の内部で処理される。また、▲5▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部30と移動オブジェクト管理部10との間でのデータの送受信は、零距離処理部30を備えたユーザ端末130と移動オブジェクト管理部10を備えたメインサーバ110との間におけるデータ通信により実行される。
なお、この態様において、レーダー情報生成部20及び零距離処理部30は、ユーザ端末130において、プラグインなどの手段によりウェブブラウザの機能として設けても良いし、アプリケーションプログラムとして提供しても良い。
【0067】
次に、S−C−S型のうち、零距離処理部30がメインサーバ110に設けられる態様によれば、上記の動作において、▲1▼表示ページURL管理部50からレーダー情報生成部20へレーダー情報の生成命令を送る動作、▲2▼レーダー情報生成部20からレーダー表示部40へレーダー情報を送る動作は、ユーザ端末130の内部で処理される。また、▲3▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部30との間でのデータの送受信、▲4▼レーダー情報生成部20から零距離処理部30への到達通知及び離脱通知の各動作は、ページ表示部60及びレーダー情報生成部20を備えたユーザ端末130と零距離処理部30を備えたメインサーバ110との間におけるデータ通信により実行される。また、▲5▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部30と移動オブジェクト管理部10との間でのデータの送受信は、メインサーバ110の内部で処理される。
なお、この態様において、レーダー情報生成部20は、ユーザ端末130において、プラグインなどの手段によりウェブブラウザの機能として設けても良いし、アプリケーションプログラムとして提供しても良い。
【0068】
次に、S−C−S型のうち、零距離処理部30がサイトサーバ120に設けられる態様によれば、上記零距離処理部30がメインサーバ110に設けられる場合と比べて次の点が異なる。すなわち、▲3▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部30との間でのデータの送受信、▲4▼レーダー情報生成部20から零距離処理部30への到達通知及び離脱通知の各動作が、ユーザ端末130とサイトサーバ120との間におけるデータ通信により実行される。また、▲5▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部30と移動オブジェクト管理部10との間でのデータの送受信は、サイトサーバ120とメインサーバ110との間におけるデータ通信により実行される。
【0069】
次に、S−S−C型の態様によれば、上記の動作のうち、▲1▼表示ページURL管理部50からレーダー情報生成部20へレーダー情報の生成命令を送る動作、▲2▼レーダー情報生成部20からレーダー表示部40へレーダー情報を送る動作、▲4▼レーダー情報生成部20から零距離処理部30への到達通知及び離脱通知、▲5▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部30と移動オブジェクト管理部10との間でのデータの送受信の各動作は、移動オブジェクト管理部10及びレーダー情報生成部20を備えたメインサーバ110と零距離処理部30を備えたユーザ端末130との間におけるデータ通信により実行される。また、▲3▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部30との間でのデータの送受信は、ユーザ端末130の内部で処理される。
なお、この態様において、零距離処理部30は、ユーザ端末130において、プラグインなどの手段によりウェブブラウザの機能として設けても良いし、アプリケーションプログラムとして提供しても良い。
【0070】
次に、S−S−S型のうち、零距離処理部30がメインサーバ110に設けられる態様によれば、上記の動作において、▲1▼表示ページURL管理部50からレーダー情報生成部20へレーダー情報の生成命令を送る動作、▲2▼レーダー情報生成部20からレーダー表示部40へレーダー情報を送る動作、▲3▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部30との間でのデータの送受信の各動作は、レーザー情報生成部20及び零距離処理部30を備えたメインサーバ110とユーザ端末130との間におけるデータ通信で実行される。また、▲4▼レーダー情報生成部20から零距離処理部30への到達通知及び離脱通知、▲5▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部30と移動オブジェクト管理部10との間でのデータの送受信の各動作は、メインサーバ110の内部で処理される。
【0071】
次に、S−S−S型のうち、零距離処理部30がサイトサーバ120に設けられる態様によれば、上記零距離処理部30がメインサーバ110に設けられる場合と比べて次の点が異なる。すなわち、▲3▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部30との間でのデータの送受信が、ユーザ端末130とサイトサーバ120との間におけるデータ通信により実行される。また、▲4▼レーダー情報生成部20から零距離処理部30への到達通知及び離脱通知、▲5▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部30と移動オブジェクト管理部10との間でのデータの送受信の各動作が、サイトサーバ120とメインサーバ110との間におけるデータ通信により実行される。
【0072】
次に、S−Ss−Ss型の態様によれば、上記の動作に置いて、▲1▼表示ページURL管理部50からレーダー情報生成部20へレーダー情報の生成命令を送る動作、▲2▼レーダー情報生成部20からレーダー表示部40へレーダー情報を送る動作、▲3▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部30との間でのデータの送受信の各動作は、レーダー情報生成部20及び零距離処理部30を備えたサイトサーバ120とユーザ端末130との間におけるデータ通信により実行される。また、▲4▼レーダー情報生成部20から零距離処理部30への到達通知及び離脱通知、▲5▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部30と移動オブジェクト管理部10との間でのデータの送受信は、サイトサーバ120の内部で処理される。
【0073】
上述したように、S−C−S型及びS−S−S型の二つの態様では、零距離処理部30をメインサーバ110に設ける場合とサイトサーバ120に設ける場合とがあるが、これらの相違点について説明する。
上述したように、一つの移動オブジェクト220が複数のユーザにより発見された場合は、特定のユーザを移動オブジェクト220の取得者とし、他のユーザによる移動オブジェクト220の発見のイベント(移動オブジェクト220へのリンクのクリックイベントなど)を無効とする排他制御を行うことが必要である。メインサーバ110に零距離処理部30が存在する場合は、同一の移動オブジェクト220に対する発見のイベントを、メインサーバ110が複数受け付けることとなる。したがって、メインサーバ110の内部で取得者以外のユーザによる発見のイベントに対する排他制御を行い、その結果をユーザ端末130に通知する。このため、メインサーバ110の負担が大きく、また通信トラフィックが増加する。
【0074】
これに対し、サイトサーバ120に零距離処理部30が存在する場合は、移動オブジェクト220が発見されると直ちに当該サイトサーバ120上で他のユーザによる発見のイベントを無効とすることができる。その結果、移動オブジェクト220がいずれかのユーザに発見された際の処理は、サイトサーバ120からメインサーバ110へ移動オブジェクト220を取得したという結果を通知するのみとなる。したがって、メインサーバ110の負担が軽減され、通信トラフィックも減少する。ただし、サイトサーバ120において零距離処理部30を実現するためのプログラムをインストールすることが必要となり、当該ウェブサイトの管理者にも負担がかかる。
【0075】
以上のように、零距離処理部30をメインサーバ110に設けてもサイトサーバ120に設けても、それぞれ長所と短所とがある。したがって、システムの運用形態などに応じて使い分けることが望ましい。
【0076】
図16乃至図19は、上記のようなネットワークシステムの態様を実現するネットワーク構成を例示する図である。
図16に示す構成例は、S−C−S型やS−S−S型における零距離処理部30をメインサーバ110に設けた態様の構成例である。図示のように、ユーザ端末130がメインサーバ110を介してネットワークに接続される。したがって、ユーザ端末130からサイトサーバ120に対して行う種々の操作がメインサーバ110において管理され、上述した移動オブジェクト220の出現や消去、ユーザによる移動オブジェクト220の取得などの処理を制御することができる。
【0077】
図17に示す構成例は、同じくS−C−S型やS−S−S型における零距離処理部30をメインサーバ110に設けた態様の他の構成例である。図示のように、ユーザ端末130がプロキシサーバ140を介してネットワークに接続される。そして、ユーザ端末130からサイトサーバ120に対して行う種々の操作に関して、必要に応じてメインサーバ110による処理が施されることとなる。
【0078】
図18に示す構成例は、S−C−S型やS−S−S型、S−Ss−Ss型などにおける零距離処理部30をサイトサーバ120に設けた態様の構成例である。図示のように、サイトサーバ120に、零距離処理部30の機能を実現するためのプラグイン121が付加されている。したがって、移動オブジェクト220の出現や消去、ユーザによる移動オブジェクト220の取得などの処理をサイトサーバ120において制御することができる。
【0079】
図19に示す構成例は、S−C−C型やS−S−C型における零距離処理部30をユーザ端末130に設けた態様における構成例である。図示のように、ユーザ端末130のウェブブラウザ131に対して、レーダー情報生成部20や零距離処理部30の機能を実現するためのプラグイン132が付加されている。したがって、移動オブジェクト220の出現や消去、ユーザによる移動オブジェクト220の取得などの処理をユーザ端末130において制御し、結果のみをメインサーバ110に送信するといった実施ができる。
以上、図16乃至図19に示したネットワーク構成を適宜組み合わせることにより、本実施の形態におけるユーザ誘導システムを実現することができる。
【0080】
〔第2の実施の形態〕
図20は、第2の実施の形態におけるユーザ誘導システムの構成を説明する図である。
図20において、符号11は移動オブジェクト一括管理部であり、移動オブジェクト220の位置や探索状況といった情報を管理する。符号12はユーザ固有移動オブジェクト管理部であり、移動オブジェクト一括管理部11による移動オブジェクト220の管理をユーザ端末130ごとに支援する。符号31は零距離処理部であり、移動オブジェクト220が存在するウェブページにユーザが到達した場合、すなわち当該ウェブページをユーザが閲覧している場合に、移動オブジェクト220を当該ウェブページに表示し、ユーザが移動オブジェクト220を発見した場合の処理を行う。
レーダー情報生成部20、レーダー表示部40、表示ページURL管理部50及びページ表示部60は、図3に示した第1の実施の形態におけるレーダー情報生成部20、レーダー表示部40、表示ページURL管理部50及びページ表示部60と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施の形態においては、レーダー情報生成部20はユーザ端末130に設けられる。
【0081】
上記構成において、移動オブジェクト一括管理部11は、メインサーバ110に設けられる。また、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12は、移動オブジェクト220を取得するイベントに参加するユーザのユーザ端末130に設けられる。なお、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12は、プラグインなどの手段によりユーザ端末130のウェブブラウザの機能として設けても良いし、アプリケーションプログラムとして提供しても良い。
本実施の形態においては、メインサーバ110に設けられた移動オブジェクト一括管理部11は、移動オブジェクト220の位置や探索状況、取得状況などの情報を管理するのみである。そして、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12において、移動オブジェクト220の内容データの保管、レーダー情報生成部20との間で行う移動オブジェクト220の位置情報に関する処理、及び零距離処理部31との間で行う移動オブジェクト220の取得に関する処理を行う。
【0082】
上記のように、本実施の形態では、移動オブジェクト220の内容データ及び位置情報を各ユーザ端末130が保有する。そのため、当該移動オブジェクト220が所定のユーザに発見された場合、各ユーザ端末130におけるユーザ固有移動オブジェクト管理部12が保有する当該移動オブジェクト220に関する情報(以下、この情報を割り当て情報と称し、この情報をユーザ固有移動オブジェクト管理部12に与えることを移動オブジェクトの割り当てと称す)を更新する必要がある。そこで、移動オブジェクト220の割り当て情報の有効期限を定め、当該有効期限を超過したならば、当該割り当て情報を破棄して改めて移動オブジェクト220の割り当てを受ける。
【0083】
また、移動オブジェクト220が所定のユーザに発見された場合は、当該ユーザ端末130のユーザ固有移動オブジェクト管理部12から移動オブジェクト一括管理部11へその旨の通知が行われる。したがって、複数のユーザ端末130におけるユーザ固有移動オブジェクト管理部12から同一の移動オブジェクト220に対する発見の通知があった場合は、移動オブジェクト一括管理部11において排他制御を行う。
【0084】
図21は、図20のユーザ誘導システムによる全体的な処理の流れを説明するフローチャートである。
図21を参照すると、まず、初期設定として移動オブジェクト一括管理部11から各ユーザ端末130のユーザ固有移動オブジェクト管理部12に対して移動オブジェクト220の割り当てが行われる(ステップ2101)。これにより、各ユーザ端末130において、移動オブジェクト220に関する種々の情報(レーダー情報や内容データなど)を取得することが可能となる。
【0085】
次に、ユーザがユーザ端末130のページ表示部60にウェブページを表示する(ステップ2102)。このウェブページは、図2に示した契約サイト群210に含まれるウェブサイトのウェブページである。ページ表示部60にウェブページが表示されると、ページ表示部60から表示ページURL管理部50へ、表示されたウェブページのURLが通知される。
【0086】
次に、表示ページURL管理部50が、ページ表示部60にて表示されている閲覧中のウェブページのURLと共に、現在の移動オブジェクト220の位置に関するレーダー情報の生成命令を、レーダー情報生成部20に送る(ステップ2103)。
【0087】
次に、レーダー情報生成部20が、レーダー情報の生成命令と共に受信したURLに基づいてレーダー情報を生成する(ステップ2104)。生成されたレーダー情報はユーザ端末130に送られ、レーダー表示部40が表示するレーダー230に反映される。
また、レーダー情報生成部20は、レーダー情報を生成する際に算出される、ユーザが閲覧中のウェブページと、移動オブジェクト220が存在するウェブページとの間の距離に応じて、零距離処理部31に処理を渡す(ステップ2105)。
【0088】
ユーザがページ表示部60に表示するウェブページを移動し、移動オブジェクト220の存在するウェブページに到達した場合、レーダー情報生成部20から零距離処理部31に対してユーザが到達したことを示す到達通知が行われる(ステップ2106)。これに応じて、零距離処理部31は、ユーザ端末130のページ表示部60に移動オブジェクト220を表示する(ステップ2107)。
ユーザは、表示された移動オブジェクト220を発見すると、所定の操作により移動オブジェクト220を発見したことを示す入力を行う。これに応じて、零距離処理部31が所定のダイアログをユーザ端末130に表示し、当該ユーザに関する情報の入力を促す。ダイアログに応じて入力された情報は、零距離処理部31からユーザ固有移動オブジェクト管理部12に送られ、移動オブジェクト一括管理部11に通知される(ステップ2108、2109)。
【0089】
一方、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページから離脱した場合(ステップ2108、2101〜2105)、レーダー情報生成部20から零距離処理部31に対してユーザが離脱したことを示す離脱通知が行われる(ステップ2110)。これに応じて、零距離処理部31は、ステップ2107によりウェブページ中に表示されていた移動オブジェクト220を消去する(ステップ2111)。
【0090】
ユーザが移動オブジェクト220を発見した場合、移動オブジェクト220の存在するウェブページから離脱した場合、及びステップ2101で割り当てられた割り当て情報の有効期限が切れた場合は、改めて移動オブジェクト220の割り当てが行われる(ステップ2101)。
【0091】
次に、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12及び移動オブジェクト一括管理部11の処理について詳細に説明する。
図22は、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12の動作を説明するフローチャートである。
図22を参照すると、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12は、移動オブジェクト220のURLの取得に関する処理と、移動オブジェクト220の取得に関する処理と、移動オブジェクト220の割り当て情報の有効期限に関する処理と、移動オブジェクト220の再割り当てに関する処理とを行う。
すなわち、レーダー情報生成部20から、移動オブジェクト220のURLの取得要求を受信した場合は(ステップ2201、2202)、当該移動オブジェクト220のURLを、当該要求の送信元であるユーザ端末130のレーダー情報生成部20に返送する(ステップ2203)。
また、零距離処理部31から移動オブジェクト220の取得要求を受信した場合は(ステップ2204、2205)、移動オブジェクト220が所定のユーザにより発見されたことを移動オブジェクト一括管理部11に通知する(ステップ2206)。また、その取得要求に対する応答を行うと共に、当該移動オブジェクト220の内容データなどを当該要求の送信元である零距離処理部31に返送する(ステップ2207)。
さらに、移動オブジェクト220の割り当て情報の有効期限が切れたときは(ステップ2208、2209)、移動オブジェクト一括管理部11に対して割り当て情報の期限切れを示す通知(期限切れ通知)を発行する(ステップ2210)。
そして、移動オブジェクト一括管理部11から移動オブジェクト220の再割り当てが行われたならば(ステップ2211、2212)、保有している移動オブジェクト220の割り当て情報を更新する(ステップ2213)。
【0092】
図23は、移動オブジェクト一括管理部11の動作を説明するフローチャートである。
図23を参照すると、移動オブジェクト一括管理部11は、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12からの通知を受けて、移動オブジェクト220の割り当てを行う。ユーザ固有移動オブジェクト管理部12からの通知には、前回提供した割り当て情報の期限切れを知らせる期限切れ通知と、移動オブジェクト220がユーザにより発見されたことを知らせる通知の2種類がある。
【0093】
すなわち、移動オブジェクト一括管理部11は、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12から割り当て情報の期限切れ通知を受け取ると(ステップ2301、2302)、新たに移動オブジェクト220に関する割り当て情報を生成する(ステップ2303)。そして、生成した割り当て情報を、当該期限切れ通知を発行したユーザ端末130のユーザ固有移動オブジェクト管理部12へ送る(ステップ2304)。この場合、古くなった割り当て情報を更新することが目的であるため、当該期限切れ通知を発行したユーザ端末130以外のユーザ端末130に当該割り当て情報を送る必要はない。
また、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12から移動オブジェクト220を発見したことを知らせる通知を受け取った場合は(ステップ2305、2306)、新たに移動オブジェクト220に関する割り当て情報を生成する(ステップ2307)。そして、生成した割り当て情報を、移動オブジェクト220の割り当てを行っている全てのユーザ端末130のユーザ固有移動オブジェクト管理部12へ送る(ステップ2308)。この場合、発見された移動オブジェクト220は、この後、他のユーザが取得することはできないため、当該通知を発行したユーザ端末130以外のユーザ端末130に対しても当該割り当て情報を送って、当該移動オブジェクト220が発見されたことを知らせる。
【0094】
ページ表示部60、表示ページURL管理部50、レーダー情報生成部20、零距離処理部31及びレーダー表示部40の動作は第1の実施の形態におけるページ表示部60、表示ページURL管理部50、レーダー情報生成部20、零距離処理部30及びレーダー表示部40の動作とほぼ同一であるため、説明を省略する。
ただし、図20に示すように、零距離処理部31は、移動オブジェクト220が発見された場合の移動オブジェクト220の取得要求をユーザ固有移動オブジェクト管理部12に対して行い、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12から移動オブジェクト220の内容データなどを取得する。
【0095】
次に、本実施の形態を実現するネットワークシステムの態様について説明する。
図24は、上述したネットワークにおける態様の一覧を示す図である。上述したように、本実施の形態において、移動オブジェクト一括管理部11はメインサーバ110に設けられ、ユーザ固有移動オブジェクト管理部12、レーダー情報生成部20、レーダー表示部40、表示ページURL管理部50及びページ表示部60はユーザ端末130に設けられる。したがって、零距離処理部31をどこに設けるかによって、いくつかの態様に分類することができる。
図24を参照すると、本実施の形態を実現するネットワークシステムの態様としては、零距離処理部31がユーザ端末130に設けられたSC1−C−C型、零距離処理部31がメインサーバ110またはサイトサーバ120に設けられたSC1−C−S型の2種類の態様が示されている。
【0096】
図24におけるSC1−C−C型の態様によれば、▲1▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部31との間でのデータの送受信、▲2▼レーダー情報生成部20から零距離処理部31への到達通知及び離脱通知、▲3▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部31とユーザ固有移動オブジェクト管理部12との間でのデータの送受信の各動作は、いずれもユーザ端末130の内部で処理される。
【0097】
次に、SC1−C−S型のうち、零距離処理部31がメインサーバ110に設けられる態様によれば、上記の各動作(▲1▼、▲2▼、▲3▼)は、いずれもユーザ端末130と零距離処理部31を備えたメインサーバ110との間におけるデータ通信により実行される。
【0098】
次に、SC1−C−S型のうち、零距離処理部31がサイトサーバ120に設けられる態様によれば、上記の各動作(▲1▼、▲2▼、▲3▼)は、いずれもユーザ端末130と零距離処理部31を備えたサイトサーバ120との間におけるデータ通信により実行される。
【0099】
本実施の形態のように、移動オブジェクト220に関する情報の管理を各ユーザ端末130にて支援する構成とすれば、特定のユーザ用の特別な移動オブジェクト220を契約サイト群210の特別なサイトにのみ出現させるといった実施を行うことができる。
【0100】
〔第3の実施の形態〕
図25は、第3の実施の形態におけるユーザ誘導システムの構成を説明する図である。
図25において、符号13は移動オブジェクト一括管理部であり、移動オブジェクト220の位置や探索状況といった情報を管理する。符号14はユーザ固有移動オブジェクト管理部であり、移動オブジェクト一括管理部13による移動オブジェクト220の管理をユーザ端末130ごとに支援する。符号32は零距離処理部であり、移動オブジェクト220が存在するウェブページにユーザが到達した場合、すなわち当該ウェブページをユーザが閲覧している場合に、移動オブジェクト220を当該ウェブページに表示し、ユーザが移動オブジェクト220を発見した場合の処理を行う。
レーダー情報生成部20、レーダー表示部40、表示ページURL管理部50及びページ表示部60は、図3に示した第1の実施の形態におけるレーダー情報生成部20、レーダー表示部40、表示ページURL管理部50及びページ表示部60と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施の形態においては、レーダー情報生成部20はユーザ端末130に設けられる。
【0101】
上記構成において、移動オブジェクト一括管理部13は、メインサーバ110に設けられる。また、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14は、移動オブジェクト220を取得するイベントに参加するユーザのユーザ端末130に設けられる。なお、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14は、プラグインなどの手段によりユーザ端末130のウェブブラウザの機能として設けても良いし、アプリケーションプログラムとして提供しても良い。
本実施の形態においては、メインサーバ110に設けられた移動オブジェクト一括管理部13は、移動オブジェクト220の位置や探索状況、取得状況などの情報を管理すると共に、移動オブジェクト220の内容データを保管する。そして、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14において、レーダー情報生成部20との間で行う移動オブジェクト220の位置情報に関する処理を行う。
【0102】
上記のように、本実施の形態では、移動オブジェクト220の位置情報を各ユーザ端末130が保有する。そのため、当該移動オブジェクト220が所定のユーザに発見された場合、各ユーザ端末130におけるユーザ固有移動オブジェクト管理部14が保有する当該移動オブジェクト220に関する割り当て情報を更新する必要がある。そこで、移動オブジェクト220の割り当て情報の有効期限を定め、当該有効期限を超過したならば、当該割り当て情報を破棄して改めて移動オブジェクト220の割り当てを受ける。
なお、移動オブジェクト220の内容データは移動オブジェクト一括管理部13が保有するため、移動オブジェクト220が複数のユーザに発見された場合の移動オブジェクト220の取得に関する処理は、零距離制御部32と移動オブジェクト一括管理部13との間で行われる。したがって、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14から移動オブジェクト一括管理部13へ移動オブジェクト220の発見を知らせる通知が発行されることはない。
【0103】
図26は、図25のユーザ誘導システムによる全体的な処理の流れを説明するフローチャートである。
図26を参照すると、まず、初期設定として移動オブジェクト一括管理部13から各ユーザ端末130のユーザ固有移動オブジェクト管理部14に対して移動オブジェクト220の割り当てが行われる(ステップ2601)。これにより、各ユーザ端末130において、移動オブジェクト220に関する種々の情報(レーダー情報や内容データなど)を取得することが可能となる。
【0104】
次に、ユーザがユーザ端末130のページ表示部60にウェブページを表示する(ステップ2602)。このウェブページは、図2に示した契約サイト群210に含まれるウェブサイトのウェブページである。ページ表示部60にウェブページが表示されると、ページ表示部60から表示ページURL管理部50へ、表示されたウェブページのURLが通知される。
【0105】
次に、表示ページURL管理部50が、ページ表示部60にて表示されている閲覧中のウェブページのURLと共に、現在の移動オブジェクト220の位置に関するレーダー情報の生成命令を、レーダー情報生成部20に送る(ステップ2603)。
【0106】
次に、レーダー情報生成部20が、レーダー情報の生成命令と共に受信したURLに基づいてレーダー情報を生成する(ステップ2604)。生成されたレーダー情報はユーザ端末130に送られ、レーダー表示部40が表示するレーダー230に反映される。
また、レーダー情報生成部20は、レーダー情報を生成する際に算出される、ユーザが閲覧中のウェブページと、移動オブジェクト220が存在するウェブページとの間の距離に応じて、零距離処理部32に処理を渡す(ステップ2605)。
【0107】
ユーザがページ表示部60に表示するウェブページを移動し、移動オブジェクト220の存在するウェブページに到達した場合、レーダー情報生成部20から零距離処理部32に対してユーザが到達したことを示す到達通知が行われる(ステップ2606)。これに応じて、零距離処理部32は、ユーザ端末130のページ表示部60に移動オブジェクト220を表示する(ステップ2607)。
ユーザは、表示された移動オブジェクト220を発見すると、所定の操作により移動オブジェクト220を発見したことを示す入力を行う。これに応じて、零距離処理部32が所定のダイアログをユーザ端末130に表示し、当該ユーザに関する情報の入力を促す。ダイアログに応じて入力された情報は、零距離処理部32から移動オブジェクト一括管理部13に送られ、管理される(ステップ2608、2609)。
【0108】
一方、ユーザが移動オブジェクト220の存在するウェブページから離脱した場合(ステップ2608、2601〜2605)、レーダー情報生成部20から零距離処理部32に対してユーザが離脱したことを示す離脱通知が行われる(ステップ2610)。これに応じて、零距離処理部32は、ステップ2607によりウェブページ中に表示されていた移動オブジェクト220を消去する(ステップ2611)。
【0109】
移動オブジェクト220の存在するウェブページから離脱した場合、及びステップ2601で割り当てられた割り当て情報の有効期限が切れた場合は、改めて移動オブジェクト220の割り当てが行われる(ステップ2601)。
【0110】
次に、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14及び移動オブジェクト一括管理部13の処理について詳細に説明する。
図27は、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14の動作を説明するフローチャートである。
図27を参照すると、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14は、移動オブジェクト220のURLの取得に関する処理と、移動オブジェクト220の割り当て情報の有効期限に関する処理と、移動オブジェクト220の再割り当てに関する処理とを行う。
すなわち、レーダー情報生成部20から、移動オブジェクト220のURLの取得要求を受信した場合は(ステップ2701、2702)、当該移動オブジェクト220のURLを、当該要求の送信元であるユーザ端末130のレーダー情報生成部20に返送する(ステップ2703)。
また、移動オブジェクト220の割り当て情報の有効期限が切れたときは(ステップ2704、2705)、移動オブジェクト一括管理部13に対して割り当て情報の期限切れを示す期限切れ通知を発行する(ステップ2706)。
そして、移動オブジェクト一括管理部13から移動オブジェクト220の再割り当てが行われたならば(ステップ2707、2708)、保有している移動オブジェクト220の割り当て情報を更新する(ステップ2709)。
【0111】
図28は、移動オブジェクト一括管理部13の動作を説明するフローチャートである。
図28を参照すると、移動オブジェクト一括管理部13は、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14からの通知または零距離処理部32からの要求を受けて、移動オブジェクト220の割り当てを行う。
【0112】
すなわち、移動オブジェクト一括管理部13は、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14から割り当て情報の期限切れ通知を受け取ると(ステップ2801、2802)、新たに移動オブジェクト220に関する情報を生成する(ステップ2803)。そして、生成した割り当て情報を、当該期限切れ通知を発行したユーザ端末130のユーザ固有移動オブジェクト管理部14へ送る(ステップ2804)。この場合、古くなった割り当て情報を更新することが目的であるため、当該期限切れ通知を発行したユーザ端末130以外のユーザ端末130に当該割り当て情報を送る必要はない。
また、零距離処理部32から移動オブジェクト220の取得要求を受け取った場合は(ステップ2805、2806)、その取得要求に対する応答を行うと共に、当該移動オブジェクト220の内容データなどを当該要求の送信元である零距離処理部32に返送する(ステップ2807)。この場合、発見された移動オブジェクト220は、この後、他のユーザが取得することはできないため、当該移動オブジェクト220に対する他の取得要求に対しては取得不可応答を行う。
【0113】
ページ表示部60、表示ページURL管理部50、レーダー情報生成部20、零距離処理部32及びレーダー表示部40の動作は第1の実施の形態におけるページ表示部60、表示ページURL管理部50、レーダー情報生成部20、零距離処理部30及びレーダー表示部40の動作とほぼ同一であるため、説明を省略する。
ただし、図25に示すように、零距離処理部32は、移動オブジェクト220が発見された場合の移動オブジェクト220の取得要求を移動オブジェクト一括管理部13に対して行い、移動オブジェクト一括管理部13から移動オブジェクト220の内容データなどを取得する。
【0114】
次に、本実施の形態を実現するネットワークシステムの態様について説明する。
図29は、上述したネットワークにおける態様の一覧を示す図である。上述したように、本実施の形態において、移動オブジェクト一括管理部13はメインサーバ110に設けられ、ユーザ固有移動オブジェクト管理部14、レーダー情報生成部20、レーダー表示部40、表示ページURL管理部50及びページ表示部60はユーザ端末130に設けられる。したがって、零距離処理部32をどこに設けるかによって、いくつかの態様に分類することができる。
図29を参照すると、本実施の形態を実現するネットワークシステムの態様としては、零距離処理部32がユーザ端末130に設けられたSC2−C−C型、零距離処理部32がメインサーバ110またはサイトサーバ120に設けられたSC2−C−S型の2種類の態様が示されている。
【0115】
図29におけるSC2−C−C型の態様によれば、▲1▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部32との間でのデータの送受信、▲2▼レーダー情報生成部20から零距離処理部32への到達通知及び離脱通知の各動作は、ユーザ端末130の内部で処理される。また、▲3▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部32と移動オブジェクト一括管理部13との間でのデータの送受信は、零距離処理部32を備えたユーザ端末130とメインサーバ110との間におけるデータ通信により実行される。
【0116】
次に、SC2−C−S型のうち、零距離処理部32がメインサーバ110に設けられる態様によれば、上記の各動作において、▲1▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部32との間でのデータの送受信、▲2▼レーダー情報生成部20から零距離処理部32への到達通知及び離脱通知の各動作は、ユーザ端末130と零距離処理部32を備えたメインサーバ110との間におけるデータ通信により実行される。また、▲3▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部32と移動オブジェクト一括管理部13との間でのデータの送受信は、メインサーバ110の内部で処理される。
【0117】
次に、SC2−C−S型のうち、零距離処理部32がサイトサーバ120に設けられる態様によれば、上記の各動作において、▲1▼ページ表示部60がウェブページを取得したり当該ウェブページに対する操作によりイベントを発行したりする場合や、ダイアログの生成及びダイアログへのデータ入力を行う場合におけるページ表示部60と零距離処理部32との間でのデータの送受信、▲2▼レーダー情報生成部20から零距離処理部32への到達通知及び離脱通知の各動作は、ユーザ端末130と零距離処理部32を備えたサイトサーバ120との間におけるデータ通信により実行される。また、▲3▼移動オブジェクト220が発見された場合における零距離処理部32と移動オブジェクト一括管理部13との間でのデータの送受信は、メインサーバ110と零距離処理部32を備えたサイトサーバ120との間におけるデータ通信により実行される。
【0118】
本実施の形態のように、移動オブジェクト220に関する情報の管理を各ユーザ端末130にて支援する構成とすれば、特定のユーザ用の特別な移動オブジェクト220を契約サイト群210の特別なサイトにのみ出現させるといった実施を行うことができる。
【0119】
〔本発明の実施態様〕
上述したように、本発明における上記各実施の形態は、ユーザに移動オブジェクト220を探索させることにより、ネットワーク上に存在する所定のコンテンツ(ウェブページ)にユーザを誘導する。ユーザに探索させる移動オブジェクト220の数は、複数であっても良い。期間を限定して特別なオブジェクト(オブジェクト取得者に与える特典を特別なものにするなど)を出現させることも可能である。また、移動オブジェクト220を移動させる(出現させる)順序を特定することにより、ユーザを一定の順序で所望のコンテンツに誘導することも可能である。
【0120】
さらに、第2、第3の実施の形態に示したように、移動オブジェクト220の位置情報などを各ユーザ端末130にて管理及び制御することにより、ユーザ端末130ごとに出現させる移動オブジェクト220の種類を制御することができる。例えば、ユーザにユーザ固有移動オブジェクト管理部12、14を提供する際に、ユーザの趣味の分野などを登録しておき、当該趣味に合致する分野の内容を持つコンテンツに移動オブジェクト220を出現させた場合に、当該ユーザのユーザ端末130におけるレーダー表示部40に移動オブジェクト220の位置を表示させるといった個別的な使い方ができる。
【0121】
また、ユーザを特定のコンテンツに誘導することにより、当該コンテンツの広告を行うことができる。この場合、コンテンツの内容に関わらず、移動オブジェクト220を探索しているユーザを全て誘導できるので、バナー広告や検索サイトに登録する場合に比べて多くの(すなわち、当該コンテンツの内容に興味があるかどうかを問わず)ユーザに対して、当該コンテンツを訪問させることができる。この場合、当該コンテンツを訪れたユーザは当該コンテンツの内容に必ずしも興味がある訳ではないので、当該ユーザにとって有用な情報を提供できるとは限らない。しかしながら、当初は特に意識をしていないユーザであっても、当該コンテンツを訪れることにより当該コンテンツの内容に興味を持つ場合もあるので、バナー広告や検索サイトへの登録では得られない広告的な効果を得ることができる。
【0122】
ここで、本発明を所定のコンテンツの広告に用いる場合の課金形態について説明する。
本発明をコンテンツの広告に用いる場合、一定量のユーザを当該コンテンツに誘導することにより、広告主から対価としての広告料を受け取ることとなるが、この場合、ユーザの誘導に関し、広告主に対して何を保証できるかという点が問題となる。この場合、保証する項目としては、次のような項目が考えられる。
【0123】
(1)ユーザのサイト訪問回数の保証(回数保証)
サイトを訪れるユーザの数を保証する。そして、保証される訪問ユーザ数に応じて課金される。この場合、移動オブジェクト220を決められた回数だけ契約サイトに出現させ、当該移動オブジェクト220が発見された回数を訪問回数として数える。
(2)ユーザのサイト訪問確率の保証(確率保証)
一定期間内におけるユーザによるサイトの訪問確率を保証する。個々で、訪問確率とは、移動オブジェクト220の探索に参加している全ユーザ(母集団)の数に対する当該サイトに訪れるユーザの数の割合である。移動オブジェクト220の探索に人気があり、ユーザを集められる信用があれば、訪問確率が上がり、高値で契約することが可能となる。
(3)ユーザの特定サイト網羅率の保証(網羅率保証)
ユーザの訪問ページを監視し、契約サイト内のページのうち、ユーザが訪問するページの割合を保証する。所定のサイトの提供するサービスの認知度が低い場合に、当該サイト中のコンテンツに頻繁に移動オブジェクト220を出現させることにより、当該サイト内をユーザに巡回してもらうことができる。これにより、当該サイトのサービス内容を認知させる効果が期待できる。
【0124】
上述した各実施の形態においては、移動オブジェクト220が所定のユーザにより発見されたこと(移動オブジェクト220のアイコンやリンクのクリックなど)を条件に、移動オブジェクト220を移動させ、他のコンテンツ(ウェブページ)に移動させることとした。この他、ユーザが一定の範囲に近づいた(ユーザの閲覧しているウェブページと移動オブジェクト220との間の距離が一定以下となった)場合であって、発見前に移動オブジェクト220を移動させることも可能である。ユーザに対して一定の距離を保ったまま移動オブジェクト220を移動させればユーザを所望の経路で誘導することが可能である。
【0125】
また、ユーザが移動オブジェクト220のアイコンやリンクをクリックすることを待たずに、当該移動オブジェクト220の存在するコンテンツを閲覧した時点で移動オブジェクト220を発見したと判断しても良い。この場合、上述した各実施の形態における離脱に関する処理が不要となる。
【0126】
さらにまた、特定のユーザが閲覧しているコンテンツを移動オブジェクト220が存在するコンテンツとすることもできる。このような構成とすれば、移動オブジェクト220に対応付けられたユーザがコンテンツ間を移動することにより、移動オブジェクト220は人為的に移動することとなる。さらに、移動オブジェクト220に対応付けられたユーザのレーダー表示部40に、他のユーザが閲覧しているコンテンツの位置を表示することにより、移動オブジェクト220に対応付けられたユーザは、自分を追跡してくる他のユーザの存在を知って逃げることができるため、あたかも鬼ごっこのような遊戯性を持たせることができる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザの興味の有無に関わらず、当該ユーザを特定のサイト群へ誘導する手段を提供することができる。
【0128】
また、本発明によれば、ユーザを特定のサイト群へ誘導するために当該サイト群の間を移動する移動オブジェクトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるユーザの誘導システムを実現するためのネットワーク構成を説明する図である。
【図2】 本発明の概念を説明する図である。
【図3】 第1の実施の形態におけるユーザ誘導システムの構成を説明する図である。
【図4】 図3のユーザ誘導システムによる全体的な処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】 本実施の形態におけるページ表示部とサイトサーバとの接続関係を説明する図である。
【図6】 本実施の形態における表示ページURL管理部の動作を説明するフローチャートである。
【図7】 本実施の形態におけるレーダー情報生成部の動作を説明するフローチャートである。
【図8】 本実施の形態における零距離処理部の動作を説明するフローチャートである。
【図9】 本実施の形態における移動オブジェクト管理部の動作を説明するフローチャートである。
【図10】 本実施の形態において、二つの移動オブジェクトに対して四つの取得要求が同時になされた場合における移動オブジェクト管理部の処理を説明する図である。
【図11】 本実施の形態において、URLの構造を利用して定義されたURL間の距離を説明する図である。
【図12】 本実施の形態において、ウェブサイトのカテゴリー別の分類を示す意味的な階層構造を利用して定義されたURL間の距離を説明する図である。
【図13】 本実施の形態において、所定のサイトにおけるウェブページのハイパーリンク利用して定義されたURL間の距離を説明する図である。
【図14】 本実施の形態におけるレーダーの構成例を示す図である。
【図15】 本実施の形態にて用いられるネットワークシステムの態様の一覧を示す図である。
【図16】 図15に示したネットワークシステムの態様を実現するネットワーク構成の例を示す図である。
【図17】 図15に示したネットワークシステムの態様を実現するネットワーク構成の他の例を示す図である。
【図18】 図15に示したネットワークシステムの態様を実現するネットワーク構成のさらに他の例を示す図である。
【図19】 図15に示したネットワークシステムの態様を実現するネットワーク構成のさらに他の例を示す図である。
【図20】 第2の実施の形態におけるユーザ誘導システムの構成を説明する図である。
【図21】 図20のユーザ誘導システムによる全体的な処理の流れを説明するフローチャートである。
【図22】 本実施の形態におけるユーザ固有移動オブジェクト管理部の動作を説明するフローチャートである。
【図23】 本実施の形態における移動オブジェクト一括管理部の動作を説明するフローチャートである。
【図24】 本実施の形態にて用いられるネットワークシステムの態様の一覧を示す図である。
【図25】 第3の実施の形態におけるユーザ誘導システムの構成を説明する図である。
【図26】 図25のユーザ誘導システムによる全体的な処理の流れを説明するフローチャートである。
【図27】 本実施の形態におけるユーザ固有移動オブジェクト管理部の動作を説明するフローチャートである。
【図28】 本実施の形態における移動オブジェクト一括管理部の動作を説明するフローチャートである。
【図29】 本実施の形態にて用いられるネットワークシステムの態様の一覧を示す図である。
【符号の説明】
10…移動オブジェクト管理部、11、13…移動オブジェクト一括管理部、12、14…ユーザ固有移動オブジェクト管理部、20…レーダー情報生成部、30、31、32…零距離処理部、40…レーダー表示部、50…表示ページURL管理部、60…ページ表示部、110…メインサーバ、120…サイトサーバ、130…ユーザ端末、210…契約サイト群、220…移動オブジェクト、230…レーダー
Claims (7)
- ネットワークに接続されたコンピュータにより、当該ネットワークを介するユーザ端末から当該ネットワーク上のサイトへのアクセスを仲介する情報処理方法であって、
前記ユーザ端末が前記コンピュータを介して前記ネットワーク上のサイトにアクセスした場合に、当該コンピュータが、当該コンピュータに設けられた移動オブジェクト管理データベースに格納されたネットワーク上の位置情報にて指定される特定のサイトにおける当該位置情報と当該ユーザ端末がアクセスしているサイトの当該ネットワーク上の位置情報とを比較し、当該ネットワーク上の位置情報に基づいて定義される距離を用いて、当該サイト間の位置関係を示す情報を生成し、当該ユーザ端末に送信する第1のステップと、
前記サイト間の位置関係を示す情報において前記距離が0となった場合に、当該コンピュータが、当該ユーザ端末が当該特定のサイトから取得するコンテンツに対し、特定の操作が行われると当該コンピュータにアクセスするオブジェクトを付加し、当該オブジェクトの付加された当該コンテンツを当該ユーザ端末に送信する第2のステップと、
前記ユーザ端末において前記オブジェクトの付加されたコンテンツが取得され、当該オブジェクトに対する特定の操作が行われた場合に、前記コンピュータが、当該ユーザ端末からの当該オブジェクトによるアクセスを受け付ける第3のステップと、
前記ユーザ端末からの前記オブジェクトによるアクセスを受け付けた場合に、前記コンピュータが、予め定められた前記オブジェクトに関する処理を実行すると共に、当該オブジェクトが当該ユーザ端末において特定の操作が行われたことを示す情報を当該オブジェクトの属性情報として前記移動オブジェクト管理データベースに格納して管理する第4のステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。 - 前記サイト間の位置関係を示す情報において前記距離の値が一定以下となった場合に、前記コンピュータが、前記移動オブジェクト管理データベースに格納された前記オブジェクトを付加するべき前記コンテンツを保持する前記特定のサイトの当該ネットワーク上の位置情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
- ネットワークに接続されたユーザ端末と、
前記ネットワーク上に設けられたサイトであって、特定のオブジェクトが付加されるコンテンツを保持する特定のサイトの位置情報によって、当該特定のオブジェクトの位置を管理するオブジェクト管理部と、
前記ユーザ端末から前記ネットワーク上のサイトへのアクセスを仲介し、前記ユーザ端末がサイトにアクセスし、前記ユーザ端末がアクセスした前記サイトと前記オブジェクト管理部にて管理されている前記特定のサイトの間の位置関係を示す情報において、前記サイトと前記特定のサイトとのネットワーク上の位置情報に基づいて定義される距離が0となった場合に、当該ユーザ端末が当該特定のサイトから取得するコンテンツに対し、特定の操作が行われると当該コンピュータにアクセスする前記特定のオブジェクトを付加する零距離処理部と、
前記ユーザ端末が前記ネットワーク上のサイトにアクセスした場合に、前記サイトの当該ネットワーク上の位置情報と前記特定のサイトの当該ネットワーク上の位置情報とを比較し、当該ネットワーク上の位置情報に基づいて定義される距離を用いて、当該サイト間の位置関係を示す前記情報を生成し、前記零距離処理部及び前記ユーザ端末に提供するレーダー情報生成部と
を備えることを特徴とする情報処理システム。 - 前記オブジェクト管理部は、前記サイト間の位置関係を示す情報において前記距離の値が一定以下となった場合に、前記零距離処理部によって前記オブジェクトを付加するべき前記コンテンツを保持する前記特定のサイトの当該ネットワーク上の位置情報を変更することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
- 前記ユーザ端末は、前記レーダー情報生成部にて生成された前記サイト間の位置関係を示す情報を取得し、当該サイトの位置関係を示す情報に基づいて、当該サイト間の距離を視覚的なイメージで表現した画像を表示するレーダー表示部を備えることを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
- 前記オブジェクト管理部は、
前記ネットワーク上に設けられた所定のサーバの機能として実現され、前記零距離処理部によって前記オブジェクトを付加されるべき前記コンテンツを保持する前記特定のサイトの位置情報を保持するオブジェクト一括管理部と、
前記ユーザ端末の機能として実現され、前記オブジェクトの内容が記述された内容データを格納したユーザ固有オブジェクト管理部とを備えることを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。 - コンピュータに、
ユーザ端末が前記コンピュータを介してネットワーク上のサイトにアクセスした場合に、当該コンピュータが、当該コンピュータに設けられた移動オブジェクト管理データベースに格納されたネットワーク上の位置情報にて指定される特定のサイトにおける当該位置情報と当該ユーザ端末がアクセスしているサイトの当該ネットワーク上の位置情報とを比較し、当該ネットワーク上の位置情報に基づいて定義される距離を用いて、当該サイト間の位置関係を示す情報を生成し、当該ユーザ端末に送信する処理と、
ユーザ端末が前記コンピュータを介してネットワーク上のサイトにアクセスし、当該サイトの前記位置情報と当該コンピュータの移動オブジェクト管理データベースに格納されたネットワーク上の位置情報にて指定される特定のサイトの前記位置情報とを比較して得られる、当該サイト間の前記位置関係を示す情報において前記距離が0となった場合に、当該ユーザ端末が当該特定のサイトから取得するコンテンツに対し、特定の操作が行われると当該コンピュータにアクセスするオブジェクトを付加し、当該オブジェクトの付加された当該コンテンツを当該ユーザ端末に送信する処理と、
前記ユーザ端末において前記オブジェクトの付加されたコンテンツが取得され、当該オブジェクトに対する特定の操作が行われた場合に、当該ユーザ端末からの当該オブジェクトによるアクセスを受け付ける処理と、
前記ユーザ端末からの前記オブジェクトによるアクセスを受け付けた場合に、予め定められた前記オブジェクトに関する処理を実行すると共に、当該オブジェクトが当該ユーザ端末において特定の操作が行われたことを示す情報を当該オブジェクトの属性として管理する処理と
を実行させるプログラムを、前記コンピュータの入力手段が読取可能に記憶した記憶媒体。
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