JP4403197B2 - 加熱スラブ転回装置の制御方法およびその制御システム - Google Patents
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Description
前記後行スラブを前記圧延ライン上の、スラブ転回装置の前面の予め設定した位置に停止させる第1のステップと、
前記把持部材の左右の把持爪をスラブの幅よりも開いた状態で巻き下げて、前記スラブの側面を前記把持爪が把持可能な位置で宙に浮いた状態で停止させる第2のステップと、
前記把持部材が取り付けられている前記基台が旋回可能な状態で、前記把持爪を閉じて前記スラブの側面に全ての把持爪を当接させて、該スラブに前記把持部材を倣わせる第3のステップと、
前記把持爪を前記スラブの側面から開く第4のステップと、
前記把持部材がスラブ上面に乗るまで巻き下げて、該把持爪をスラブ側面の側方に位置させる第5のステップと、
前記把持爪をスラブ側面に当接するまで閉じる第6のステップと、
前記把持部材を吊り上げてトング機構により前記把持爪でスラブ側面を把持しながら前記スラブを吊り上げる第7のステップと、
前記把持爪でスラブ側面を把持した状態で前記スラブ転回装置によりスラブが予め設定された角度になるように前記基台の転回を行う第8のステップと、
前記把持部材を降下してスラブを前記圧延ライン上に載置し、トング機構を解除して前記スラブの側面から前記把持爪を開放し、該把持部材を吊り上げる第9のステップと
を含むことを特徴とするものである。
前記圧延ラインにおける前記スラブ転回装置の上流側に設けられ、前記加熱炉側から搬送されてきたスラブの先端位置を検出するスラブ検知手段と、
前記スラブ検知手段の検出信号と予め製造計画で入力されていた当該スラブ長とに基づき、前記スラブ転回装置の前面の予め設定した位置に前記後行スラブを停止させるテーブル制御手段と、
前記スラブ転回装置の位置に搬送されてきたスラブの位置と搬送方向に対する角度とを検出するスラブ位置検出手段と、
前記スラブ位置検出手段で検出されたスラブの角度に基づき、前記スラブ転回装置で当該スラブを吊り上げた後の転回角度を設定する手段と、
前記スラブ転回装置の前面の予め設定した位置に停止されたスラブの側面を前記把持爪が把持可能な位置で宙に浮いた状態で停止させるステップ、前記把持部材が取り付けられている前記基台が旋回可能な状態で、前記把持爪を閉じて前記スラブの側面に全ての把持爪を当接させて、該スラブに前記把持部材を倣わせるステップ、前記把持爪を前記スラブの側面から開くステップ、前記把持部材がスラブ上面に乗るまで巻き下げて、該把持爪をスラブ側面の側方に位置させるステップ、前記把持爪をスラブ側面に当接するまで閉じるステップ、前記把持部材を吊り上げてトング機構により前記把持爪でスラブ側面を把持しながら前記スラブを吊り上げるステップ、および、前記把持爪でスラブ側面を把持した状態で前記スラブ転回装置により前記設定された転回角度で転回を行うステップを実行するスラブ転回装置制御手段と
を含むことを特徴とするものである。
図1は、本発明の実施の形態に係る制御方法を実施すべきスラブ転回装置の例を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態に係る制御方法によるスラブ転回装置の動作を示す説明図、図3は本発明の実施の形態に係る制御方法によるスラブ把持部の動作を示す概略平面図である。また、図4は本発明の実施の形態に係るスラブ転回装置の制御システムの構成を示すブロック図、図5は本発明の実施の形態に係るスラブ転回装置の制御システムの手順を示すフローチャートである。
水平フレーム17の中央部下部には、スラブSの上面に着床する防熱板からなる着床台27(図2参照)が取り付けられている。
まず、スクリュー軸23を駆動モータ14によって回転させることにより、水平フレーム17に対してスライダー26を外側に移動させ、把持部材21を開いた状態でワイヤ38を操作して、スラブ把持部11をスラブSの上方から下降させる。そして、図2(a)に示すように、着床台27がスラブSの上面に乗る前の宙に浮いた状態で水平基台13の下降を止める。この状態で、旋回部15を駆動するクラッチ付きモータ(図示せず)および台車30を駆動するクラッチ付き走行用モータ33のクラッチをニュートラルにして、旋回部15および台車30が旋回および走行可能な状態にしておく。次いで、スクリュー軸23を回転させてスライダー26を内側に移動させると、把持部材21が閉じていき、図2(b)に示すように、把持爪21aがスラブSの側面に当たる。
図4において、スラブセンター位置演算器102は、スラブ検知センサ101でスラブS11の先端が到達したことを検出すると、予め記憶しているスラブ検知センサ101設置位置とスラブ転回装置10の中心位置までの距離Rと、上位計算機(図示せず)から入力した対象スラブの長さLを基にして、該スラブの長手方向のセンター位置がスラブ転回装置10の中心位置に到達するまでの移動距離X(R+L/2)を演算して、テーブル制御演算器100に出力するものである。
スラブ位置演算器104は、前記テーブル制御演算器100からスラブ停止情報を入力すると、スラブ搬送方向に間隔(例えば、800mm)をもって設けたレーザ距離計105、106で計測した、スラブS12の側面の2箇所の距離を取り込み、搬送テーブルの搬送方向に対するスラブS12の傾き(斜行量)θを演算し、更に、上位計算機から入力した対象スラブの幅Wを基にして、スラブS12の幅方向中心位置を演算して転回装置移動・回転量演算器103に出力する。
S200
スラブ位置演算器104では、2台のレーザ距離計105,106からの2箇所の距離データから得られたスラブS12の位置と圧延ラインの搬送方向に対する角度θ、および上位計算機から通知されたスラブの幅W、長さLに基づいて、スラブ転回装置10の把持部材21の位置と角度を粗設定する。スラブ転回装置制御器107では、これらの角度θ、スラブの幅W、長さLに基づいて、スラブ転回装置10の台車30のクラッチ付き走行用モータ33と旋回部15のクラッチ付きモータ(図示せず)を駆動し、台車30を搬送テーブル2の側部上部の退避位置からスラブ幅方向中心位置にスラブ把持部11の中心位置が一致するまで移動し、また旋回部15を、4つの把持爪21aの角度がスラブS12の角度θに一致するように回転させる。
ただし、スラブ転回装置10と加熱炉の距離が短く、該スラブ転回装置10の前面に到達するスラブの斜行が殆ど無く、スラブ幅方向中心位置と斜行が所定の許容範囲内に収まっていれば、このステップS200の実行を省略することができる。
スクリュー軸23を操作して把持部材21をスラブSの幅よりも開いた状態で巻き下げ、着床台27がスラブSの上面に接触しない、宙に浮いた状態で停止させる。このとき、把持爪21aは、スラブSの側面の位置にある(図2(a)参照)。例えば、スラブSの厚みが例えば200mmのときは、把持爪21aの中心位置はスラブSの上面から50mm程度の位置が好ましい。
なお、圧延するスラブ間の板厚差が小さいラインの場合は巻き下量を一定として予めスラブ転回装置制御器107に設定しておき、スラブ間の板厚差が大きいラインの場合は、スラブ厚に応じて巻き下量を調整するようにすることが好ましい。
旋回部15を駆動するクラッチ付きモータ(図示せず)および台車30を駆動するクラッチ付き走行用モータ33のクラッチをニュートラルにして、旋回部15および台車30が旋回および走行可能な状態で、スクリュー軸23を回転させ、把持部材21の先端の把持爪21aを閉じて、スラブSの側面に全ての把持爪21aを当接させる(図2(b)、図3の破線に示す状態参照)。把持爪21aがスラブSの側面に当接したかどうかは、スクリュー軸23に設けた回転検出エンコーダ(図示せず)の出力が0になったことで判定できる。このステップにより、スラブSの向きに対してスラブ把持部11が倣って、高精度に平行状態になる。また、台車30も移動して、水平基台13がスラブの幅方向中心に一致する。
S203
スクリュー軸23を回転させ、4つの把持爪21aをスラブSの側面から所定間隔、例えば20mm程度開く。これはトング機構を動作させる予備段階である(図2(c)参照)。
水平基台13を巻き下げて、スラブSの上面に着床台27が当接する位置まで巻き下げる。着床台27がスラブSの上面に当接したかどうかは、ワイヤ昇降用モータ36の負荷電流が一定値以下になったことで判定できる。これにより、開閉アーム19の基端を結合している横軸20が旋回部15下部の縦長穴18に対して相対的に上昇する(図2(d)参照)。これによりトング機構は動作可能となる。この状態で把持爪21aを開いても、スラブ把持部11が戻ることはない。
S205
スクリュー軸23を回転させて、把持爪21aがスラブS側面に当接するまで把持部材21を閉じる。把持爪21aの中心部がスラブSの側面に当接する位置は、例えば、スラブSの厚みが例えば200mmのときは、スラブSの上面から100mm程度の位置(ほぼ厚みの中間の位置)が好ましい。
S206
水平基台13を巻き上げると、開閉アーム19が開き、前述のようにトング機構により把持部材21が閉じ、把持爪21aでスラブS側面が把持され(図2(e)参照)、その把持力でスラブSが吊り上げられる。
把持爪21aでスラブSの側面を把持した状態でモータ14により旋回部15を中心軸Nの周りに、所定の角度、すなわちスラブSの長手方向が搬送テーブルの搬送方向と直角になる位置まで転回させる。その角度は、元のスラブの長手方向が搬送テーブルの搬送方向となす角度(斜行量θ)を90°から引いた角度である。
S208
転回後のスラブSを圧延ライン上の所定位置に巻き下げる。そうすると、着床台27がスラブSの上面に着床する。これによりトング機構が解除される。その後、スクリュー軸23を回転させて把持部材21を開くと、把持爪21aがスラブSの側面から開放される。その後、水平基台13を巻き上げる。
S209
所定位置まで水平基台13を巻き上げたら、台車30によりレール31上を走行させ、スラブ転回装置10を圧延ライン上から側部に退避させる。また、スラブSの長手方向を搬送テーブルの搬送方向に対して直角になるように回転させたスラブ把持部11を、次の転回工程のために90°逆回転させて戻しておく。
2 搬送テーブル
3 スケール除去装置
4 転回テーブル
5 圧延機
10 スラブ転回装置
11 スラブ把持部
12 支持部
13 水平基台
14 駆動モータ
15 旋回部
16 軸支持棒
17 水平フレーム
18 縦長穴
19 開閉アーム
20 横軸
21 把持部材
21a 把持爪
22 ピン
23 スクリュー軸
23a,23b 雄ねじ部
24,25 軸受け
26 スライダー
26a 凸軸
27 着床台
30 台車
31 レール
32 車輪
33 走行用モータ
35 可動式マスト
36 ワイヤ昇降用モータ
37 ワイヤドラム
38 ワイヤ
39 滑車
60 門型フレーム
100 テーブル制御演算器
101 スラブ検知センサ
102 スラブセンター位置演算器
103 転回装置移動・回転量演算器
104 レーザ位置演算器
105,106 レーザ距離計
107 スラブ転回装置制御器
Claims (3)
- 加熱炉で加熱されたスラブを圧延する圧延機を備えた圧延ラインにおいて、前記圧延機で先行スラブが圧延されている間に、前記圧延機の上流側で後行スラブを、スラブ把持用の把持爪を基台の前後左右に有するトング機構方式の把持部材で把持し、吊り上げて転回させる加熱スラブ転回装置の制御方法であって、
前記後行スラブを前記圧延ライン上の、スラブ転回装置の前面の予め設定した位置に停止させる第1のステップと、
前記把持部材の左右の把持爪をスラブの幅よりも開いた状態で巻き下げて、前記スラブの側面を前記把持爪が把持可能な位置で宙に浮いた状態で停止させる第2のステップと、
前記把持部材が取り付けられている前記基台が旋回可能な状態で、前記把持爪を閉じて前記スラブの側面に全ての把持爪を当接させて、該スラブに前記把持部材を倣わせる第3のステップと、
前記把持爪を前記スラブの側面から開く第4のステップと、
前記把持部材がスラブ上面に乗るまで巻き下げて、該把持爪をスラブ側面の側方に位置させる第5のステップと、
前記把持爪をスラブ側面に当接するまで閉じる第6のステップと、
前記把持部材を吊り上げてトング機構により前記把持爪でスラブ側面を把持しながら前記スラブを吊り上げる第7のステップと、
前記把持爪でスラブ側面を把持した状態で前記スラブ転回装置によりスラブが予め設定された角度になるように前記基台の転回を行う第8のステップと、
前記把持部材を降下してスラブを前記圧延ライン上に載置し、トング機構を解除して前記スラブの側面から前記把持爪を開放し、該把持部材を吊り上げる第9のステップと
を含むことを特徴とする、加熱スラブ転回装置の制御方法。 - 前記圧延ラインの側方又は上方に設けたセンサにより、スラブ転回装置の前面位置の前記圧延ライン上で停止しているスラブの斜行量と停止位置を検出し、その検出した斜行量と停止位置情報とに基づいて、前記スラブ転回装置の前記把持部材の位置と角度を粗調整するステップを前記第1のステップと第2のステップとの間に加入したことを特徴とする、請求項1記載の加熱スラブ転回装置の制御方法。
- 加熱炉で加熱されたスラブを圧延する圧延機を備えた圧延ラインにおいて、前記圧延機で先行スラブが圧延されている間に、前記圧延機の上流側で後行スラブを、スラブ把持用の把持爪を基台の前後左右に有するトング機構方式の把持部材で把持し、吊り上げて転回させる加熱スラブ転回装置の制御システムであって、
前記圧延ラインにおける前記スラブ転回装置の上流側に設けられ、前記加熱炉側から搬送されてきたスラブの先端位置を検出するスラブ検知手段と、
前記スラブ検知手段の検出信号と予め製造計画で入力されていた当該スラブ長とに基づき、前記スラブ転回装置の前面の予め設定した位置に前記後行スラブを停止させるテーブル制御手段と、
前記スラブ転回装置の位置に搬送されてきたスラブの位置と搬送方向に対する角度とを検出するスラブ位置検出手段と、
前記スラブ位置検出手段で検出されたスラブの角度に基づき、前記スラブ転回装置で当該スラブを吊り上げた後の転回角度を設定する手段と、
前記スラブ転回装置の前面の予め設定した位置に停止されたスラブの側面を前記把持爪が把持可能な位置で宙に浮いた状態で停止させるステップ、前記把持部材が取り付けられている前記基台が旋回可能な状態で、前記把持爪を閉じて前記スラブの側面に全ての把持爪を当接させて、該スラブに前記把持部材を倣わせるステップ、前記把持爪を前記スラブの側面から開くステップ、前記把持部材がスラブ上面に乗るまで巻き下げて、該把持爪をスラブ側面の側方に位置させるステップ、前記把持爪をスラブ側面に当接するまで閉じるステップ、前記把持部材を吊り上げてトング機構により前記把持爪でスラブ側面を把持しながら前記スラブを吊り上げるステップ、および、前記把持爪でスラブ側面を把持した状態で前記スラブ転回装置により前記設定された転回角度で転回を行うステップを実行するスラブ転回装置制御手段と
を含むことを特徴とする、加熱スラブ転回装置の制御システム。
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