JP4402994B2 - 画像処理方法および装置並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明はデジタル画像、特にスナップ写真画像のような自然画像中のエッジとノイズとを判別するための閾値を求める画像処理方法および装置並びにそのためのプログラムに関するものである。
近年、デジタルスチルカメラ(以下デジタルカメラという)は急速に普及している。デジタルカメラは、光の情報を銀塩フィルムに結像させる代わりに、デジタルデバイス(CCDや光電子倍増管など)に結像させ、画像をデジタルデータ(以下デジタル画像という)として記録媒体に保存したり、直接コンピュータで利用したりすることができるので、画像処理を施したり保存するのに便利である。
また、従来の撮像方法により銀塩フィルムに光の情報を結像させて得た画像や、写真用紙や、紙などの印刷媒体に印刷して得た画像を、スキャナなどの読取装置で光電変換により読み取ってデジタルデータを、デジタルカメラにより取得されたデジタル画像と同じように保存したり、画像処理を施したりするなどのことも行われている。
このようなデジタル画像(以下略して画像という)は、モニタなどの表示装置に表示されたり、写真用紙にプリントされたりするなどで再生されるが、再生された画像に対して高品位な画質が期待されるので、デジタル画像に対して様々な画像処理を施す必要がある。
これらの画像処理のうち、画像の鮮鋭度を向上させたり、ノイズを抑制したりするなどの像構造変換処理は、処理後の画像の画質に対して大きな影響を与えるものであり、様々な方法が提案されている。また、単純にノイズを抑制するだけでは、画像中のエッジも抑制され、処理後の画像がぼけてしまうという問題があり、単純に鮮鋭度を向上させるだけでは、ノイズも強調され、処理後の画像の画質が良くないという問題があるため、画像に対して鮮鋭度を向上させると共に、ノイズを抑制することが望まれる。
特許文献1には、エッジを失わずにノイズの抑制を図る方法として、画像から高周波数成分の信号を抽出し、抽出した信号の絶対値が所定の閾値以下であればこの信号をノイズと判断して除去(コアリング処理)する一方、抽出した信号の絶対値が所定の閾値より大きければこの信号をエッジと判断して除去しないようにする方法が提案されている。
また、特許文献2にも、画像を鮮鋭化すると共に、ノイズを抑制する方法が提案されている。この方法は、まず、画像に対してローパスフィルタなどの平滑化フィルタによる平滑化処理を行って、ノイズが抑制された(エッジも抑制された)平滑画像を得、注目する画素を中心画素とし、中心画素から周囲画素の方向の微分値を求め、その値が所定の閾値以下である場合はノイズと見なしてコアリング処理により除去する一方、閾値より大きい値である場合はエッジとみなしてそれらの和をとり、1.0以上の定数を乗算することによって強調し、最後に強調された部分を平滑画像に加算するものである。
これらの方法は、画像中のエッジは大きな振幅を有することに対し、ノイズは小さな振幅のゆらぎとして現れることを利用し、画像中におけるノイズが取り得る振幅の大きさ(以下ノイズレベルという)を閾値として設定し、この閾値によりエッジとノイズとを判別、分離し、分離されたエッジを強調して鮮鋭度を向上させたり、ノイズを平滑化してノイズを抑制したりするなどの処理を行うものである。
特開2000−175078 特表昭57−500311号公報
しかしながら、上述した像構造変換処理の方法は、エッジとノイズとを判別する際に、画像に対して一意な閾値を用いている。一方、画像、特にスナップ写真のような自然画像は、広範囲に亘る明るさを有するものであり、このような画像において、傾向的に明るい部分ほどノイズレベルが小さいことが知られている。そのため、画像に対してエッジとノイズとを判別するための閾値が画像の明るさに関係なく一意な値を用いると、エッジとノイズとの判別が適切にならず、この閾値によりエッジとノイズとを分離して像構造変換処理を行っても高品質な画質を有する処理済みの画像を得ることができないという問題がある。
そこで、画像中の明るさのレベル毎にノイズレベルを取得して明るさのレベル毎に閾値を設定する方法も考えられるが、自然画像の場合は、ノイズレベルを取得するための情報量の少ない明るさがあったり、異なる絵柄によってノイズレベルの取得が影響されたりするなどの場合があるため、直接に明るさのレベル毎に求められたノイズレベルの信頼性が低く、画像全体の整合性も取りにくいという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像の明るさのレベル毎に、エッジとノイズとを判別するための閾値を適切に求めることができる画像処理方法および装置並びにそのためのプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の第1の画像処理方法は、デジタル画像から、該デジタル画像におけるエッジとノイズとを判別するための閾値を求める画像処理方法において、
前記デジタル画像から該デジタル画像全体のノイズレベルを算出し、
該デジタル画像全体のノイズレベルに基づいて前記デジタル画像全体に対する前記閾値を求め、
前記デジタル画像の明るさのレベル毎に、該明るさのレベルに応じて前記デジタル画像全体に対する閾値を調整することによって前記デジタル画像の明るさのレベル毎の閾値を取得することを特徴とするものである。
本発明の第2の画像処理方法は、デジタル画像から、該デジタル画像におけるエッジとノイズとを判別するための閾値を求める画像処理方法において、
前記デジタル画像から該デジタル画像全体のノイズレベルを算出し、
前記デジタル画像の明るさのレベル毎に、該明るさのレベルに応じて前記デジタル画像全体のノイズレベルを調整することによって前記デジタル画像の明るさのレベル毎のノイズレベルを取得し、
該明るさのレベル毎のノイズレベルに基づいて、前記デジタル画像の明るさのレベル毎の前記閾値を求めることを特徴とするものである。
ここで、「デジタル画像」とは、デジタルカメラなどで被写体を撮像して得たデジタル画像は勿論、スキャナなどの読取装置で銀塩写真フィルムや、印刷物(例えばプリント)などにある画像を読み取って得たデジタル画像も含むものである。以下、説明上の便宜のため、単に画像というものも、デジタル画像を意味するものとする。
前述したように、画像において、明るさのレベルが異なると、該レベルの明るさを有する部位のノイズレベルも異なることが知られており、画像中の明るさのレベル毎にエッジとノイズとを判別するための閾値が望まれるが、明るさのレベル毎に直接ノイズレベルを算出するのでは、絵柄の影響などで適切なノイズレベルを得ることが難しいという問題がある。そこで、本発明の第1の画像処理方法は、まず、画像全体のノイズレベルを算出し、この全体のノイズレベルに基づいて画像全体に対する閾値を求める。そして、この画像全体に対する閾値に対して、明るさのレベルに応じた調整を加えることによって、明るさのレベル毎の閾値を得る。本発明の第2の画像処理方法は、まず、画像全体のノイズレベルを算出し、この画像全体のノイズレベルに対して、明るさのレベルに応じた調整を加えることによって明るさのレベル毎のノイズレベルを取得する。そして、この明るさのレベル毎のノイズレベルに基づいて、明るさのレベル毎の閾値を求める。
ここで、「ノイズレベル」とは、ノイズの振幅の大きさを表すことができるものであればよく、例えば、ノイズ分散値(RMS粒状度ともいう)を用いることができる。
また、画像は、それを表す空間(RGB、YCrCb、LC1C2など)によって異なるチャンネルを有するものである。例えば、画像は、RGB空間においてはR、G、Bの3チャネルの夫々の成分により表され、輝度色差空間(YCrCb、LC1C2など)においては輝度、色差の3チャンネルの夫々の成分により表される。本発明において、どのチャンネルについてノイズレベルを算出するか、いくつのチャンネルのノイズレベルを算出するかについては、画像を表す空間の種類や、エッジとノイズを判別してから行う像構造変換処理の対象チャンネルなどによって、ノイズレベルを算出するチャンネルを決めるようにすればよい。例えば、デジタルカメラや、スキャナなどの画像を取得する装置において、光電変換素子の夫々のカラー画素で生じるノイズ量が大きく異なることは考えにくく、すなわち、R、G、B各色におけるノイズレベルがほぼ同じであるため、RGB空間においては1つのチャンネルのみについてノイズレベルを算出すればよく、輝度色差空間においては、チャンネル毎にノイズレベルを算出するようにすることができる。
または、例えば輝度色差空間の各チャンネルのうち、輝度成分が人間の視覚への寄与が大きく、輝度成分に対して像構造変換処理(鮮鋭度を向上させる処理すなわち鮮鋭化処理および/またはノイズ抑制処理)を行うことによって大きな画質改善効果を得ることができる。そのため、輝度色空間において像構造変換処理を行う際に、輝度成分のみを処理対象とする場合、輝度成分に対してのみノイズレベルを算出すればよい。
また、画像全体のノイズレベルを求める際の手法としては、従来種々の方法を適用することができ、例えば、画像から濃淡変化の少ない(すなわちエッジが少ない)平坦部を抽出し、この平坦部のノイズ分散値を求めて画像全体のノイズレベルとしてもよい。この方法により求められた画像全体のノイズレベルは、あくまでも平坦部のノイズレベルであり、絵柄のある部分など平坦部以外の部分のノイズレベルを正しく評価するのには不足であるため、画像全体から画像のノイズレベルを求めることが好ましい。画像全体からノイズレベルを求める手法としては、例えば、画像全体から色差ノイズレベルを求め、輝度ノイズレベルについては、色差ノイズレベルから推定する方法を用いることができる。画像の輝度成分には、エッジとノイズとが混在し、エッジとノイズとの区別が難しく、輝度成分から直接輝度ノイズレベルを求めることが難しい。一方、画像、特にスナップ写真画像のような自然画像は、色差成分においてはノイズが存在するものの、エッジが少ないという特性を有する。本発明の画像処理方法は、下記のようにして輝度色差空間においてノイズレベルを算出することが好ましい。まず、画像中の色差成分におけるノイズレベル、すなわち色差ノイズレベルを算出する。そして、デジタルカメラなどの撮像装置や、スキャナなどの読取装置により取得された画像は、原理的に輝度と色差のノイズの発生原因が同じであるため、輝度と色差との関係を利用して、色差ノイズレベルから輝度ノイズレベルを推定する。具体的には、例えば、輝度と色差の空間としてのYCrCb空間は下記の式(1)により定義される。

Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B
Cr=0.500×R−0.419×G−0.081×B (1)
Cb=−0.169×R−0.331×G+0.500×B
但し,Y:輝度
Cr,Cb:色差
R,G,B:R値,G値,B値

ここで、例えば各成分のノイズレベルをRMS値、すなわちその成分の標準偏差σとすると、下記の式(2)に示す関係が成立する。

(σY)=(0.299×σR)+(0.587×σG)
+(0.114×σB)
(σCr)=(0.500×σR)+(0.419×σG) (2)
+(0.081×σB)
(σCb)=(0.169×σR)+(0.331×σG)
+(0.500×σB)
但し,σ:標準偏差

一方、前述したように、画像を取得する装置においては、光電変換素子の夫々のカラー画素で生じるノイズ量が大きく異なることは考えにくく、すなわち、R、G、B各色におけるノイズレベルをσR、σG、σBとすると、下記の式(3)に示すように、各色のノイズ量がほぼ同じであると考えられる。

σR≒σG≒σB (3)
但し,σR,σG,σB:ノイズ量

式(2)と式(3)から、さらに下記の式(4)を推出することができる。

σY≒1.02σCr≒1.07σCb (4)
但し,σY:輝度ノイズレベル
σCr,σCb:色差ノイズレベル

すなわち、色差ノイズレベルσCrまたはσCbが分かれば、輝度ノイズレベルσYを式(4)に従って推定することができる。
また、例えば、輝度色差空間として、下記の式(5)により定義されるLC1C2空間を用いれば、上記推定と同じように、式(6)のような、輝度ノイズレベルと色差ノイズレベルとの関係を得ることができる。

L=0.299×R+0.587×G+0.114×B
C1=−0.299×R−0.587×G+0.886×B (5)
C2=0.701×R−0.587×G−0.114×B
但し,L:輝度
C1,C2:色差

σL≒σC1/1.65≒σC2/1.38 (6)
但し,σL:輝度ノイズレベル
σC1,σC2:色差ノイズレベル

また、色差ノイズレベルから輝度ノイズレベルを推定する上記の式(4)および式(6)は、R、G、Bの各色の成分がゲインを受けることがなく、または同じゲインを受けることを前提とした式(3)に基づいたものであり、画像を取得する装置において、ホワイトバランス処理がなされたり、各色の画素の感度設定が異なったりするなどの場合において、R、G、Bが異なったゲインを受ける可能性があるため、色差ノイズレベルから輝度ノイズレベルを推定する際に、1つの色差ノイズレベルから輝度ノイズレベルを推定するよりも、式(7)、式(8)に示すように、2つの色差ノイズレベルの平均値を用いて輝度ノイズレベルを推定することが好ましい。

σY≒(1.02×σCr+1.07×σCb)/2 (7)
但し,σY:輝度ノイズレベル
σCr,σCb:色差ノイズレベル


σL≒(σC1/1.65+σC2/1.38)/2 (8)
但し,σL:輝度ノイズレベル
σC1,σC2:色差ノイズレベル

さらに、例えば画像を取得する装置のカラーフィルタの透過率比や、ホワイトバランス処理などの画像処理条件から画像のR、G、B各色の受けるゲインが式(9)に示すように分かれば、そのゲインに応じて、下記の式(10)、式(11)に示すように色差ノイズレベルから輝度ノイズレベルを推定することがさらに好ましい。

R:G:B=g:1.0:g (9)
但し,g,g:ゲイン

Figure 0004402994

Figure 0004402994

ここで、輝度色差空間としてYCrCb空間、LC1C2空間と例としたが、L*a*b空間などの輝度色差空間も同様に、色差ノイズレベルと輝度ノイズレベルとが所定の関係を有するため、他の輝度色差空間に対しても、色差ノイズレベルから輝度ノイズレベルを推定することができる。
また、通常、画像におけるノイズは、高周波数帯域ほどS/N比が低くなり、逆に低周波数帯域ほどS/N比が高くなるように周波数帯域によって異なる影響を与えるものである。S/N比が高いと、画像の元の信号とノイズとの混在程度が高くなり、ノイズレベルの評価が難しくなるため、高周波数帯域においてノイズレベルを算出することが望ましいが、画像を取得する装置において、画像がJPEG圧縮処理、シャープネス補正処理などの画像処理が施されて出力されることが殆どであるため、その最も高い周波数帯域においてはノイズレベルを取得するための情報が失われていることが多く、この周波数帯域において取得されるノイズレベルが必ずしも適切ではない。そこで、本発明の画像処理方法において、画像からノイズレベルを算出する際に、最も高い周波数帯域以外の高周波数帯域、望ましくは最も高い周波数帯域の次の周波数帯域においてノイズレベルを算出することが好ましい。
さらに、画像を取得する装置から出力される画像は、拡大縮小処理、すなわち変倍処理がなされる場合があり、変倍処理された画像では、ノイズレベルを求めるのに適した周波数帯域も変るので、本発明の画像処理方法は、画像の変倍率に応じて、ノイズレベルを求める周波数帯域を決定し、前記画像に基づいて、該画像の前記周波数帯域の成分を表す帯域制限画像を作成し、該帯域制限画像から前記ノイズレベルを求めることが好ましい。
また、本発明の第1の画像処理方法は、画像の明るさのレベルに応じて、画像全体のノイズレベルに基づいて求められた画像全体に対する閾値を調整して明るさのレベル毎の閾値を取得するものであるのに対して、本発明の第2の画像処理方法は、画像全体のノイズレベルに対して明るさのレベルに応じた調整を加えることによって明るさのレベル毎のノイズレベルを取得し、この明るさのレベル毎のノイズレベルから明るさのレベル毎の閾値を求めるものであるが、ノイズレベルそのものを閾値とする場合には、画像全体のノイズレベルを調整することと、画像全体に対する閾値を調整することとが同じことであるため、この場合の本発明の第1の画像処理方法と第2の画像処理方法とが同じものとなる。
また、画像の明るさのレベルに応じて調整(画像全体に対する閾値の調整または画像全体のノイズレベルの調整)することは、画像の明るさのレベルに対応したノイズレベルの分布に応じて調整することを意味する。例えば、画像中の明るい部位(すなわち明るさのレベルが大きい部位)ほどノイズレベルが低い傾向を利用し、明るさが大きいほど、画像全体に対する閾値または画像全体のノイズレベルを小さくするように調整して明るさのレベル毎の閾値または明るさのレベル毎のノイズレベルを得るようにすることができる。
また、本発明の処理対象となるデジタル画像は、本発明の画像処理方法による処理の前に、何らかの画像処理が施されていることが多い。これらの画像処理は、デジタルカメラなどの画像取得装置内部において施されることもあれば、画像を転送する過程、例えばネットワーク上のサーバを経由して送信される過程中に施されることもある。これらの画像処理のうち、前述した変倍処理や、ホワイトバランス処理以外に、明るさを変化させる明るさ変化処理もある。明るさ変化処理は、その処理によって画像の明るさが変る処理を意味し、露光補正(AE補正)や、ガンマ補正や、ハイパートーン処理などを例として挙げることができる。
原画像が明るさ変換処理を施された場合、この明るさ変化処理によって、処理後の画像(本発明の処理対象のデジタル画像に当たる)におけるノイズの振幅の大きさは、原画像におけるノイズの大きさと異なるものとなる。ここで、本発明のデジタル画像が、デジタルカメラにより取得された原画像に対して露光補正が施されてなるものである場合を例にして説明する。
通常、露光補正が濃度空間において行われ、図17は、濃度とデジタルカメラのQL値との関係を示している。なお、QL値は、デジタルカメラの撮像素子に入った光量に対応し、撮像素子が飽和になるまで、光量が大きければ大きくなるものであるため、QL値が大きいほど、デジタル画像における明るさのレベルも大きい。
濃度空間において露光補正を行う際に、原画像全体に対して同じ補正量で濃度を補正するものであり、この補正によってQL値が変化する。図16は、露光補正によりQL値にもたらした変化を示している。なお、図16(a)、図16(b)は、濃度に対して夫々0.5、0.7を引いたことによる露光補正の場合のQL値の変化を示している。露光補正によって、画像中のQL値がその大きさによって変化する程度が異なり、図4の右側のゲインカーブに示すように、QL値が大きいほど、変化の程度(図中ゲイン)が小さい。図16(a)の例では、補正前のQL値が50ならば、補正後のQL値が100に、補正前のQL値が100ならば補正後のQL値が180に変化しており、すなわちこの露光補正によって、QL値が受けたゲインは、補正後のQL値が50、100の場合において夫々2.5と2程度となっている。
一方、画像中のノイズの振幅の変化は、QL値の変化に対応するものであり、QL値が受けたゲインと同じゲインを、ノイズの振幅が受けることとなっている。例えば、図16(a)の例において、50である補正後のQL値が、2.5程度のゲインを受けているため、50である補正後のQL値に対してノイズの振幅も2.5倍に増幅されることとなる。
すなわち、本発明の処理対象となるデジタル画像(例えば、図16(a)に示す露光補正がなされた画像)におけるQL値の大きさ毎に、ノイズの振幅が受けるゲインが異なる。
ここで、露光補正を例にして説明したが、ガンマ補正などの、画像の明るさを変化させる他の処理がなされた場合においても、QL値が受けたゲインを示すゲインカーブが、図16に示すゲインカーブと異なるものの、QL値、およびノイズの振幅が受けたゲインは、QL値の大きさによって異なる。
本発明の画像処理方法は、このことに着目し、原画像に対して明るさを変化させる明るさ変化処理が施されてなるデジタル画像に対して、該明るさ変化処理に起因する前記原画像におけるノイズの振幅の変化の度合い(例えばノイズの振幅が受けたゲイン)を前記デジタル画像の明るさのレベル毎に求め、
前記度合いに応じて前記デジタル画像全体に対する前記閾値または前記デジタル画像全体のノイズレベルを調整することが好ましい。
本発明の第1の画像処理装置は、デジタル画像から、該デジタル画像におけるエッジとノイズとを判別するための閾値を求める画像処理装置であって、
前記デジタル画像から該デジタル画像全体のノイズレベルを算出する全体ノイズレベル算出手段と、
該デジタル画像全体のノイズレベルに基づいて前記デジタル画像全体に対する前記閾値を求める全体閾値取得手段と、
前記デジタル画像の明るさのレベル毎に、該明るさのレベルに応じて前記デジタル全体に対する閾値を調整することによって前記デジタル画像の明るさのレベル毎の前記閾値を取得する調整手段とを有してなることを特徴とするものである。
本発明の第2の画像処理装置は、デジタル画像から、該デジタル画像におけるエッジとノイズとを判別するための閾値を求める画像処理装置であって、
前記デジタル画像から該デジタル画像全体のノイズレベルを算出する全体ノイズレベル算出手段と、
前記デジタル画像の明るさのレベル毎に、該明るさのレベルに応じて前記デジタル画像全体のノイズレベルを調整することによって前記デジタル画像の明るさのレベル毎のノイズレベルを取得する調整手段と、
該明るさのレベル毎のノイズレベルに基づいて、前記デジタル画像の明るさのレベル毎の前記閾値を求める閾値取得手段とを有してなることを特徴とするものである。
本発明の画像処理装置における前記調整手段は、原画像に対して明るさを変化させる明るさ変化処理が施されてなるデジタル画像に対して、前記明るさ変化処理に起因する前記原画像におけるノイズの振幅の変化の度合いを前記デジタル画像の明るさのレベル毎に求め、
前記度合いに応じて前記デジタル画像全体に対する前記閾値または前記デジタル画像全体のノイズレベルを調整するものであることが好ましい。
また、本発明の画像処理方法を、コンピュータに実行させるプログラムとして提供してもよい。
本発明の第1の画像処理方法および装置によれば、画像におけるエッジとノイズとを判別するための閾値を画像の明るさのレベル毎に算出するのに当たり、まず、画像全体のノイズレベルを算出する。そして、該画像全体のノイズレベルに基づいて求められた画像全体に対する閾値を、画像の明るさのレベルに応じて調整することによって明るさのレベル毎の閾値を取得する。こうすることによって、画像の明るさのレベル毎に直接ノイズレベルを算出して閾値を求める方法より、ノイズレベルを算出するための情報量が画像の明るさによってばらついたり、画像の局部の絵柄に影響されたりするなどの要因により信頼性が低下されることを防ぐことができ、適切な閾値を取得することができる。
また、原画像に対して明るさ変化処理が施されたデジタル画像に対して、この明るさ変化処理に起因する前記原画像におけるノイズの振幅の変化の度合い、すなわち、原画像におけるノイズの振幅の大きさから、明るさ変化処理が施されて得た本発明のデジタル画像におけるノイズの振幅の大きさへの変化の度合いを明るさのレベル毎に求め、この度合いに応じて画像全体に対する閾値を調整するようにしてすれば、明るさのレベル毎の閾値をより正確に求めることができる。
本発明の第2の画像処理方法および装置についても同様である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態となる画像処理装置の構成を示すブロック図である。なお、本発明の画像処理装置は、画像に対して、画像中のノイズを補正するための補正処理を行うものであり、補助記憶装置に読み込まれた補正処理プログラムをコンピュータ(たとえばパーソナルコンピュータ等)上で実行することにより実現される。また、この補正処理プログラムは、CD−ROM等の情報記憶媒体に記憶され、もしくはインターネット等のネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされることになる。
また、画像データは画像を表すものであるため、以下、特に画像と画像データの区別をせずに説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の画像処理装置は、拡大縮小処理および明るさ変化処理(ここでは、例として露光補正処理)がなされた画像D0(R0,G0,B0)を入力する画像入力手段1と、画像D0に対してYCC変換を行って画像S0(Y0,Cb0,Cr0)を得るYCC変換手段5と、画像S0から、互いに周波数応答特性が異なる複数のボケ画像S1、S2、・・・Sn(n:3以上の整数)を輝度Y、色差Cb、色差Cr毎に作成するボケ画像作成手段10と、画像S0およびボケ画像S1、S2、・・・Snを用いて複数の帯域制限画像T1、T2、・・・Tnを輝度色差成分毎に作成する帯域制限画像作成手段20と、各帯域制限画像からノイズを解析するための、色差成分の帯域制限画像Tpb,Tprを決定し、決定された帯域制限画像Tpb,Tprを用いて画像S0におけるノイズレベルを解析すると共に、画像S0におけるエッジとノイズとを判別するための閾値λを設定する閾値設定手段30と、閾値設定手段30により得られた閾値λに基づいて、画像S0に対してノイズ補正を行ってノイズ補正済み画像S´0を得るノイズ補正手段40とを有してなる。以下、本実施形態の各構成の詳細について説明する。
画像入力手段1は、画像D0(R0,G0,B0)を入力すると共に、画像D0の付属情報などから、画像D0に対して施された拡大縮小処理の拡縮率αおよび露光補正処理の補正量Hも取得して閾値設定手段30に出力する。
YCC変換手段5は、上述した式(1)に従って、画像データD0のR、G、B値を輝度値Y、色差値Cb、Crに変換する。

Y=0.299×R+0.587×G+0.114×B
Cr=0.500×R−0.419×G−0.081×B (1)
Cb=−0.169×R−0.331×G+0.500×B
但し,Y:輝度
Cr,Cb:色差
R,G,B:R値,G値,B値

ボケ画像作成手段10は、YCC変換手段5により得られた画像S0を用いて画像S0の輝度色差成分毎に、複数のボケ画像を作成する。なお、ボケ画像作成手段10は、各成分に対して同じ手法でボケ画像を作成するものであり、ここでは、輝度成分を例にして、ボケ画像作成手段10の動作を説明する。図2は、ボケ画像作成手段10の構成を示すブロック図である。図示のように、ボケ画像作成手段10は、フィルタリング処理を行ってフィルタリング画像B1、B2、・・・Bnを得るフィルタリング手段12と、各フィルタリング画像に対して補間処理を行う補間手段14と、フィルタリング手段12および補間手段14を制御する制御手段16とを有してなるものである。フィルタリング手段12は、ローパスフィルタを用いてフィルタリング処理を行うものであり、このローパスフィルタとしては、例えば図3に示すような5×1のグリッド状の1次元ガウス分布に略対応したフィルタFを用いることができる。このフィルタFは下記の式(12)において、σ=1としたものである。

Figure 0004402994
フィルタリング手段12は、このようなフィルタFを用いて処理対象となる画像に対して画素のx方向およびy方向に対してフィルタリング処理を施すことにより処理対象の画像の全体のフィルタリング処理を行う。
図4は、ボケ画像作成手段10の制御手段16が、フィルタリング手段12と補間手段14に行わせる処理の詳細を示している。図示のように、フィルタリング手段12は、まず、画像S0の輝度成分Y0に対して、図3に示すフィルタFを用いて1画素おきにフィルタリング処理を行う。このフィルタリング処理によってフィルタリング画像B1(Y1)が得られる。フィルタリング画像B1のサイズは、画像S0のサイズの1/4(x方向、y方向に夫々1/2)となっている。次いで、フィルタリング手段12は、フィルタリング画像B1(Y1)に対しても1画素おきにフィルタFによるフィルタリング処理を施し、フィルタリング画像B2(Y2)を得る。フィルタリング手段12は、このようなフィルタFによるフィルタリング処理を繰り返し、n個のフィルタリング画像Bk(k=1〜n)を得る。フィルタリング画像Bkのサイズは、画像S0のサイズの1/22Kとなっている。図5は、例としてn=3としたときに、フィルタリング手段12により得られた各フィルタリング画像Bkの周波数特性を示している。図示のように、フィルタリング画像Bkのレスポンスはkが大きいほど高周波成分が除去されたものとなっている。
なお、本実施形態の画像処理装置において、フィルタリング手段12は、図3に示すフィルタFにより画像のx方向およびy方向に対してフィルタリング処理を施すようにしているが、図6に示すような5×5の2次元フィルタにより画像S0およびフィルタリング画像Bkに対して一度にフィルタリング処理を施すようにしてもよい。
補間手段14は、フィルタリング手段12により得られた各フィルタリング画像Bkに対して補間処理を行って、夫々のフィルタリング画像Bkのサイズを画像S0と同じようにする。補間処理の方法は、Bスプラインによる方法など種々挙げられるが、本実施形態においては、フィルタリング手段12は、ローパスフィルタとしてガウス信号に基づくフィルタFを用いているため、補間手段14は、補間処理の補間演算を行うための補間係数としてもガウス信号を用いるものであり、この補間係数は、下記の式(13)において、σ=2K−1と近似したものである。

Figure 0004402994

フィルタリング画像B1を補間する際に、k=1であるため、σ=1となる。上記式(13)においてσ=1としたときの補間を行うためのフィルタは、図7に示すような5×1の1次元フィルタF1となる。補間手段14は、まず、フィルタリング画像B1に対して1画素おきに値が0の画素を1ずつ補間することによりフィルタリング画像B1を画像S0と同じサイズに拡大し、次いで拡大された画像に対して図7に示すフィルタF1によりフィルタリング処理を施してボケ画像S1を得る。このボケ画像S1は、画像S0と同じ画素数、すなわち画像S0と同じサイズを有する。
ここで、図7に示すフィルタF1は5×1のフィルタであるが、フィルタF1を適用する前にフィルタリング画像B1に対して1画素おきに値が0である画素を補間しているので、補間手段14による補間処理は、実質的には2×1のフィルタ(0.5,0.5)および3×1のフィルタ(0.1,0.8,0.1)の2種類のフィルタによるフィルタ処理と等価である。
補間手段14は、フィルタリング画像B2に対して補間を行う際に、k=2であるため、σ=2である。上記の式(13)において、σ=2に対応するフィルタは、図8に示す11×1の1次元フィルタF2となる。補間手段14は、まず、フィルタリング画像B2に対して1画素おきに値が0である画素を3つずつ補間することによりフィルタリング画像B2を画像S0と同じサイズに拡大し、次いで拡大された画像に対して図8に示すフィルタF2によりフィルタリング処理を施してボケ画像S2を得る。ボケ画像S2は、画像S0と同じ画素数、すなわち画像S0と同じサイズを有する。
同じように、図8に示すフィルタF2は11×1のフィルタであるが、フィルタF2を適用する前にフィルタリング画像B2に対して1画素おきに値が0である画素を3つずつ補間しているので、補間手段14による補間処理は、実質的には2×1のフィルタ(0.5,0.5)および3×1のフィルタ(0.3,0.65,0.05)、(0.3,0.74,0.13)、(0.05,0.65,0.3)の4種類のフィルタによるフィルタ処理と等価である。
補間手段14は、このように各フィルタリング画像Bkに対して夫々、1画素おきに値が0である画素を(2−1)個ずつ補間することにより、フィルタリング画像Bkを画像S0と同じサイズに拡大し、そして値が0である画素が補間されたフィルタリング画像Bkに対して、上記の式(13)に基づいて作成された長さが(3×2−1)であるフィルタによるフィルタリング処理を施してボケ画像Skを得る。
図9は、例としてn=3としたときに、ボケ画像作成手段10により得られた各ボケ画像Skの周波数特性を示している。図示のように、ボケ画像Skは、kが大きいほど、画像S0の高周波成分が除去されたものとなっている。
帯域制限画像作成手段20は、ボケ画像作成手段10により得られた各ボケ画像S1,S2,・・・Snを用いて、下記の式(14)に従って画像S0の複数の周波数帯域毎の成分を表す帯域制限画像T1,T2,・・・Tnを作成する。

Tm=S(m−1)−Sm (14)
但し,m:1以上n以下の整数

図10は、例としてn=3としたときに、帯域制限画像作成手段20により得られた各帯域制限画像Tmの周波数特性を示している。図示のように、帯域制限画像Tmは、mが大きいほど、画像S0の低周波数領域における成分を表すものとなっている。
このようにして、ボケ画像作成手段10と帯域制限画像作成手段20は、画像S0から、輝度Y、色差Cr、色差Cb毎の帯域制限画像T1,T2,・・・Tnを作成する。
閾値設定手段30は、画像S0におけるエッジとノイズとを判別するための閾値λを求めるものである。なお、この閾値λは、画像S0の各成分に対して求めてもよいが、本実施形態において、輝度成分が人間の視覚への寄与が大きいことから、輝度成分のみに対してノイズ補正を行うため、閾値設定手段30は、輝度成分の閾値λを求めるものとなる。図11は、閾値設定手段30の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、閾値設定手段30は、画像入力手段1から得られた画像D0の拡縮率αに応じて、ノイズレベルを解析するための帯域制限画像(ここでは、色差成分の帯域制限画像)Tpb,Tprを決定する帯域決定手段31と、決定された帯域制限画像を用いて、色差ノイズレベルσCr,σCbを算出する色差ノイズレベル算出手段35と、色差ノイズレベル算出手段35により得られた色差ノイズレベルを用いて輝度ノイズレベルσYを推定する輝度ノイズレベル推定手段38と、輝度ノイズレベル推定手段38により得られた輝度ノイズレベルσYに対して調整を行って、輝度毎のノイズレベルλ(Y)を取得する調整手段39とを備えてなる。
帯域決定手段31は、できるだけ高周波数帯域、かつ拡縮率αが大きいほど選択する周波数領域の周波数帯域を低くするように、ノイズレベルを算出するための帯域制限画像を決定するものである。図12は、本実施形態における帯域決定手段31が帯域制限画像を決定する態様の例を示している。図示の例では、0.75以下、0.75〜1.25、1.25より大きいの各拡縮率αに対して、帯域決定手段31は、夫々T1、T2、T3を選択するようにノイズレベルを算出するための帯域制限画像Tpb,Tprを決定する。なお、帯域決定手段31は、帯域制限画像Tpb,Tprを色差ノイズレベル算出手段35に出力すると共に、帯域制限画像Tpb,Tprに対応する周波数帯域の輝度成分の帯域制限画像TpYも色差ノイズレベル算出手段35に出力する。
色差ノイズレベル算出手段35は、帯域決定手段31により決定された帯域制限画像TpbおよびTprを用いて、色差ノイズレベルσCb、σCrを求める。図13は、色差ノイズレベル算出手段35の構成を示すブロック図である。図示のように、色差ノイズレベル算出手段35は、輝度エッジ画素除去手段32と、色差エッジらしい成分除去手段34と、標準偏差算出手段36とを備えてなる。輝度エッジ画素除去手段32は、色差成分の帯域制限画像Tpb、Tprと共に出力されてきた輝度成分の帯域制限画像TpYの各画素の輝度値に基づいて、所定の閾値以上の輝度値を有する画素を輝度エッジ画素として、色差成分の帯域制限画像TpbおよびTprから、この輝度エッジらしい画素に対応する画素を除去する。なお、ここでの「閾値」は、ノイズの振幅として不可能なほどの大きさに対応し、エッジとしてしか考えられない画素を除去するために十分小さな値である。
次いで、色差エッジらしい成分除去手段34は、輝度エッジ画素が除去された後の帯域制限画像TpbおよびTprから色エッジらしい成分を除去する。なお、色差ノイズレベル算出手段35の各手段は、TpbとTprに対して同じ動作をするので、以下帯域制限画像Tpb、Tprを特に区別せず、Tpにして説明を行う。
色差エッジらしい成分除去手段34は、輝度エッジ画素が除去された帯域制限画像Tpに対して、色差の絶対値のヒストグラムを作成し、このヒストグラムにおいて所定のパーセンテージ(例えば80%や、90%など)より大きい頻度を有する色差値を、色差エッジらしい成分として除去する。
標準偏差算出手段36は、色差の絶対値のヒストグラムにおいて、色差エッジらしい成分除去手段34により色差エッジらしい成分を除去された後の色差値を用いて色差の標準偏差を算出して色差ノイズレベルσCr、σCbを得る。なお、ここで、算出された色差の標準偏差に対して、色差エッジらしい成分除去手段34に用いられたパーセンテージに応じて補正を行って得た値を色差ノイズレベルとするようにしてもよく、こうすることによって色差エッジらしい成分として除去された色差値がノイズの色差値であるとしても妥当なノイズレベルを得ることができる。具体的には、ヒストグラムが完全な正規分布であると仮定すると、0%〜90%の頻度を有する色差値を用いて算出した標準偏差は、全ての色差値を用いて算出した標準偏差の略0.79倍となるので、例えば、90%以上の頻度を有する色差値を色差エッジらしい成分として除去した場合、色差エッジらしい成分以外の色差値を用いて算出した標準偏差に対して、0.79の逆数となる1.27を乗算するように補正すればよい。同じように、閾値として80%または70%を用いた場合、標準偏差に対して夫々1.51または1.78を乗算するようにすればよい。
色差ノイズレベル算出手段35は、このようにして画像S0全体の色差ノイズレベルσCr、σCbを取得する。
輝度ノイズレベル推定手段38は、色差ノイズレベル算出手段35により得られた色差ノイズレベルσCr、σCbから画像S0全体の輝度ノイズレベルを推定する。本実施形態において、輝度色差空間としてYCrCbを用いるため、輝度ノイズレベル推定手段38は、上述した式(7)に従って、色差ノイズレベルσCr、σCbから輝度ノイズレベルσYを推定する。

σY≒(1.02×σCr+1.07×σCb)/2 (7)
但し,σY:輝度ノイズレベル
σCr,σCb:色差ノイズレベル

調整手段39は、輝度ノイズレベル推定手段38により得られた輝度ノイズレベルσY(画像全体の輝度ノイズレベル)に対して、画像入力手段1から得られた露光補正量Hおよび明るさのレベル(ここでは帯域制限画像TpYにおける輝度値)に応じた調整を行うことによって、輝度値毎のノイズレベルを取得して画像S0の明るさのレベル毎の閾値λ(Y)とする。
前述したように、露光補正によって画像中のノイズの振幅が受けたゲインは、QL値の大きさによって異なる。また、露光補正の補正量Hが異なると、ノイズの振幅が受けたゲインを示すゲインカーブも異なる。図14は、露光補正として濃度を0.5、0.7を引いた夫々の場合の、ノイズの振幅が受けるゲインを示すゲインカーブであり、図中点線は、濃度0.5を引いたときのゲインカーブであり、図中実線は、濃度0.7を引いたときのゲインカーブである。
調整手段39は、図14に示すような、補正量H毎に異なるゲインカーブから、画像入力手段1から得られた補正量Hに対応するゲインカーブを選択して、選択されたゲインカーブを用いて、輝度ノイズレベル推定手段38により得られた輝度ノイズレベルσYを調整して輝度値毎のノイズレベルλ(Y)を求め、この輝度毎のノイズレベルλ(Y)を画像S0におけるエッジとノイズとを判別するための閾値としてノイズ補正手段40に出力する。なお、図14は、QL値毎にノイズの振幅が受けたゲインを示しているが、QL値と輝度値との対応関係から、輝度値毎にノイズの振幅が受けたゲインを換算すればよい。
調整手段39は、図14に示すようなゲインカーブを用いて輝度ノイズレベルσYの調整を行うが、その具体的な手法としては、例えば、図15に示すように、ノイズレベルσYを画像中の代表QL値に対応させて調整しない(調整倍数が1である)ことにし、代表QL値以外のQL値が受けたゲインと、代表QL値が受けたゲインとの比を該当するQL値に対応した調整倍数とすることができる。図15に示すように、このような調整は、画像全体のノイズレベル(ここでは輝度ノイズレベルσY)から、明るい部位ほどその閾値(本実施形態の例ではノイズレベルと同じである)を下げ、暗い部位ほどその閾値を上げるものである。
また、代表QL値としては、画像の輝度Yのダイナミックレンジの中間値や、その累積ヒストグラムの50%点とすることができる。
閾値設定手段30は、このようにして得たλ(Y)を、画像S0の輝度成分におけるエッジとノイズとを判別するための輝度値毎の閾値としてノイズ補正手段40に出力する。
ノイズ補正手段40は、閾値設定手段30により得られた輝度値毎の閾値λ(Y)を用いて、画像S0の輝度成分に対してノイズ補正処理を行うものである。なお、ここのノイズ補正処理は、特許文献1、特許文献2に記載され方法は勿論、エッジとノイズとを判別する閾値を用い、閾値より小さい振幅を有する成分をノイズ成分として抑制し、および/または閾値以上の振幅を有する成分をエッジ成分として強調するいかなるノイズ補正処理の方法を用いてもよい。これらの方法でノイズ補正処理を行う際に、明るさのレベル毎(本実施形態においては輝度値毎)の閾値を適用すればよい。
以上、本発明の望ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない限り、様々な増減、変更を行うことができる。
例えば、本実施形態において、輝度成分が人間の視覚に最も大きく寄与することから、輝度成分のみに対してノイズ補正処理を行うようにしているが、輝度、色差の各チャンネル毎の閾値を求めて、各チャンネルに対してノイズ補正処理を行うようにしてもよい。
また、ボケ画像の作成方法、帯域制限画像の作成方法も、本実施形態に用いられた方法に限らず、従来の種々の方法を適用してもよい。
また、露光補正処理がなされた画像だけではなく、ガンマ補正、ハイパートーンなど画像の明るさを変化させる処理がなされた画像に対しても、その処理によって画像中のノイズの振幅が受けたゲインの態様に応じて画像全体のノイズレベルまたは画像全体に対する閾値を調整して明るさ毎の閾値を求めることができる。
また、画像が、明るさ変化処理が施されたものであるか、どのような明るさ変化処理が施されたか、明るさがどのぐらい変化したか(その明るさ変化処理の補正量)などが把握できない場合には、画像中のノイズレベルの分布傾向に応じて、画像全体に対する閾値または画像全体のノイズレベルに対して、明るい部位ほど小さくなるように調整して画像の明るさのレベル毎の閾値を得るようにしてもよい。
本発明の実施形態となる画像処理装置の構成を示すブロック図 図1に示す画像処理装置におけるボケ画像作成手段10の構成を示すブロック図 図2に示すボケ画像作成手段10におけるフィルタリング手段12が用いる1次元フィルタFの例を示す図 図2に示すボケ画像作成手段10において行われる処理を示す図 図2に示すボケ画像作成手段10におけるフィルタリング手段12により作成されたフィルタリング画像Bkの周波数特性を示す図 図2に示すボケ画像作成手段10におけるフィルタリング手段12が用いる2次元フィルタの例を示す図 図2に示すボケ画像作成手段10における補間手段14がフィルタリング画像B1の補間に用いるフィルタF1の例を示す図 図2に示すボケ画像作成手段10における補間手段14がフィルタリング画像B2の補間に用いるフィルタF2の例を示す図 図2に示すボケ画像作成手段10により作成されたボケ画像Skの周波数特性を示す図 図1に示す本発明の実施形態の画像処理装置における帯域制限画像作成手段20により作成された帯域制限画像Tkの周波数特性を示す図 図1に示す本発明の実施形態の画像処理装置における閾値設定手段30の構成を示すブロック図 図11に示す閾値設定手段30における帯域決定手段31を説明するための図 図11に示す閾値設定手段30における色差ノイズレベル算出手段35の構成を示すブロック図 濃度補正が施された画像におけるノイズの振幅が受けたゲインを示す図 図11に示す閾値設定手段30における調整手段39による処理を説明するための図 露光補正によりQL値が受けたゲインを示す図 濃度とQL値の関係を示す図
符号の説明
1 画像入力手段
5 YCC変換手段
10 ボケ画像作成手段
12 フィルタリング手段
14 補間手段
16 制御手段
20 帯域制限画像作成手段
30 閾値設定手段
31 帯域決定手段
32 輝度エッジ画素除去手段
34 色差エッジらしい成分除去手段
35 色差ノイズレベル算出手段
36 標準偏差算出手段
38 輝度ノイズレベル推定手段
39 調整手段

Claims (3)

  1. 原画像に対して明るさを変化させる露光補正処理が施されてなるデジタル画像から、該デジタル画像におけるエッジとノイズとを判別するための閾値を求める画像処理方法において、
    前記デジタル画像の周波数成分から該デジタル画像全体のノイズ分散値を算出し、
    前記デジタル画像の明るさのレベル毎に、該明るさのレベルに応じ前記デジタル画像全体の前記ノイズ分散値の調整と、露光補正処理における補正量毎に異なるゲインカーブを用いた前記デジタル画像全体の前記ノイズ分散値の調整とを行うことによって前記デジタル画像の明るさのレベル毎の前記ノイズ分散値を取得し、
    調整した明るさのレベル毎の前記ノイズ分散値を閾値として設定し、
    前記デジタル画像の周波数成分において前記閾値よりも小さい成分をノイズ成分として抑制する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 原画像に対して明るさを変化させる露光補正処理が施されてなるデジタル画像から、該デジタル画像におけるエッジとノイズとを判別するための閾値を求める画像処理装置であって、
    前記デジタル画像の周波数成分から該デジタル画像全体のノイズ分散値を算出する全体ノイズレベル算出手段と、
    前記デジタル画像の明るさのレベル毎に、該明るさのレベルに応じ前記デジタル画像全体の前記ノイズ分散値の調整と、露光補正処理における補正量毎に異なるゲインカーブを用いた前記デジタル画像全体の前記ノイズ分散値の調整とを行うことによって前記デジタル画像の明るさのレベル毎の前記ノイズ分散値を取得する調整手段と、
    該明るさのレベル毎に調整されたノイズ分散値を閾値として設定する閾値取得手段と
    該閾値取得手段により設定された前記閾値よりも小さい成分をノイズ成分として抑制するノイズ補正手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 原画像に対して明るさを変化させる露光補正処理が施されてなるデジタル画像から、該デジタル画像におけるエッジとノイズとを判別するための閾値を求める処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記デジタル画像の明るさのレベル毎に、該明るさのレベルに応じ前記デジタル画像全体の前記ノイズ分散値の調整と、露光補正処理における補正量毎に異なるゲインカーブを用いた前記デジタル画像全体の前記ノイズ分散値の調整とを行うことによって前記デジタル画像の明るさのレベル毎の前記ノイズ分散値を取得する処理と、
    調整した明るさのレベル毎の前記ノイズ分散値を閾値として設定する処理と、
    設定した前記閾値よりも小さい成分をノイズ成分として抑制する処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
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