JP4402238B2 - 蓄熱式冷凍サイクルの運転方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、蓄熱式冷凍サイクル及びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は、例えば特開平8−61795号公報に示された従来の蓄熱システムの多段圧縮運転方法の装置図である。
【0003】
図14において、20は低圧側圧縮機、21は高圧側圧縮機、22は凝縮器、23は中間冷却器、24、28、32は膨張弁、25は蒸発器、27、31、35は切替弁、30は第2凝縮器、33は蓄冷材冷却器、36は蓄冷材、39は蓄冷ポンプ、40、41、42は温感筒である。
【0004】
次に動作を図14を用いて説明する。
夜間等の低負荷時は、図14中実線矢印で示すように、凝縮器22によって冷却された冷媒を、中間冷却器23に送るとともに、その一部を切替弁27を介して冷却管29に送り、膨張弁28で減圧して中間冷却器23の冷却用媒体として中間冷却器23内に送り、冷媒を冷却する。そして、中間冷却器23において冷却に使用された冷媒は、高圧側圧縮機21入口側の冷媒と合流してこれを冷却する。
【0005】
他方、中間冷却器23において冷却された冷媒の一部は、冷凍負荷に対応した開度だけ開かれた切替弁35から膨張弁24を介して蒸発器25に送られ、ここで気化して所要の冷凍を行う。これと並行して冷媒の大部分は、ほぼ全開された切替弁31から蓄冷材用管34に送られ、膨張弁32で減圧されて蓄冷材冷却器33において内部の蓄冷材36を冷却する。
【0006】
次いで、昼間等の通常負荷運転時には、図中点線矢印で示すように、切替弁31を閉じるとともに、蓄冷材ポンプ39を駆動して、夜間時等に蓄冷された蓄冷材冷却器33の蓄冷材36を第2凝縮器30に供給する。これにより、凝縮器22から送られてきた冷媒は、第2凝縮器30においてさらに冷却され、ほぼ全開とされた切替弁35を介して膨張弁24から蒸発器25に送られ、ここで気化して昼間等の通常負荷に対応した冷凍を行う。
【0007】
このように構成された多段冷凍装置及び多段冷凍方法によれば、低負荷時に中間冷却器23を経た冷媒の一部またはそのほぼ全部によって蓄冷材36を冷却し、通常負荷運転時に、蓄冷しておいた蓄冷材36を第2凝縮器30に供給して凝縮器22出口の冷媒を冷却することにより、中間冷却器23への冷却用冷媒の流量を減少させて、蒸発器25に供給する冷媒の流量を増大させることができるため、通常負荷運転時に、蒸発器25において実質的に冷凍に寄与する冷媒の流量を大幅に増加させることができ、よって通常負荷運転時における消費電力を大幅に削減することができるとともに、昼夜間等における消費電力の平準化と、消費電力の削減とを共に図ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の蓄熱システムの多段圧縮運転方法は、蒸発温度が−30℃以下である冷凍装置を前提としており、常時多段圧縮運転することは性能的にも圧縮機の信頼性的にも良い。しかし例えば空調時等蒸発温度が0℃〜10℃を想定すると、圧縮機の吐出側の冷媒圧力と吸入側の冷媒圧力との比である圧縮比は冷凍装置よりも小さくなり、多段圧縮運転にくらべて単段圧縮運転の方が実運転上のCOPがよくなり、圧縮機信頼性もほとんど変わらない場合がある。
【0009】
また、多段圧縮運転時の冷凍能力は単段圧縮運転と比較して約半分くらいになってしまう。例えば、10HP室外機に圧縮機を2台搭載する場合、二段圧縮運転する場合は10HP圧縮機を2台用意する必要があるが、単段圧縮運転する場合は5HP圧縮機を2台用意すればよく、常時多段圧縮運転することは設備コストの増大につながる。
【0010】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたもので、蓄熱式冷凍サイクルにおいて、圧縮比が大きくなる場合の性能及び信頼性を確保するとともに、圧縮比が小さくなる場合も想定して、低設備コストで高性能な蓄熱式冷凍サイクル及びその運転方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る蓄熱式冷凍サイクルは、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、複数の気液分離器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、状況に応じ、複数の圧縮機を用いて多段圧縮運転と単段圧縮運転とを選択して実行するものである。
【0012】
また、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、複数の中間冷却器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、有する負荷ユニットと、を備え、状況に応じ、複数の圧縮機を用いて多段圧縮運転と単段圧縮運転とを選択して実行するものである。
【0013】
また、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、エコノマイザと、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、状況に応じ、複数の圧縮機を用いて多段圧縮運転と単段圧縮運転とを選択して実行するものである。
【0014】
また、多段圧縮運転する場合は使用する複数の圧縮機を直列に接続し、単段圧縮運転する場合は使用する複数の圧縮機を並列に接続するものである。
【0015】
また、多段圧縮運転する場合に使用する各圧縮機の容量は、蓄冷時に多段圧縮運転する場合の各圧縮機の流量比に基づいて設定するものである。
【0016】
また、所定の圧縮機は容量可変形の圧縮機であり、残りは容量一定形の圧縮機としたものである。
【0017】
この発明に係る蓄熱式冷凍サイクルの運転方法は、蓄冷時は多段圧縮運転、蓄冷時以外の時は単段圧縮運転するものである。
【0018】
また、複数の圧縮機の中で冷媒流れの最下流にある圧縮機の吐出部の冷媒圧力と、最上流にある圧縮機の吸入部の冷媒圧力を検出し、前記吐出冷媒圧力と前記吸入冷媒圧力の比である圧縮比が予め定めた閾値より小さい場合は、単段圧縮運転を選択し、圧縮比が前記所定値より大きい場合は、多段圧縮運転を選択し、現行運転と異なる圧縮方法を選択した場合は予め定めた制御時間経過後に圧縮方法を変更し、その後、予め定めた保護制御時間中は圧縮方法の変更を認めないものである。
【0019】
この発明に係る蓄熱式冷凍サイクルは、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、膨張動力回収装置と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、蓄冷時に膨張動力回収装置を使用するものである。
【0020】
また、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、高低圧熱交換器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、蓄冷時に高低圧熱交換器を使用するものである。
【0021】
また、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、組成調整装置と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、冷媒が非共沸の混合冷媒の場合、蓄冷時に組成調整装置を用いて組成調整を行うものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図面を参照して説明する。
図1〜4は実施の形態1を示す図で、図1は蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図、図2は単段圧縮運転のP−h線図、図3は多段圧縮運転のP−h線図、図4は、圧縮比と、多段圧縮と単段圧縮の理論冷凍サイクル上のCOP比を示した図である。
図1において、1a,1bは圧縮機、2は四方弁、3は熱源側熱交換器(送風ファンを含む)、4aは気液分離器、5a,5c,5dは減圧装置、6は蓄熱槽、7は蓄熱槽伝熱管、8は蓄冷媒体、9は負荷側熱交換器(送風ファンを含む)、10a〜10kは開閉弁、11はアキュムレータ、Xは熱源ユニット、Yは負荷ユニット、Zは蓄熱ユニットで、熱源ユニットXと負荷ユニットYと蓄熱ユニットZとは冷凍サイクルを構成する。
【0023】
単段圧縮を行う場合は、開閉弁10a,10bを開けて、開閉弁10cを閉じ、圧縮機1a、1bの吸入側は開閉弁10aを介して連通し、また圧縮機1a、1bの吐出側は開閉弁10bを介して連通する。この回路構成を並列接続構成と呼ぶことにする。一方、二段圧縮を行う場合は、開閉弁10a,10bを閉じ、開閉弁10cを開けて、圧縮機1aの吐出側は開閉弁10cを介して圧縮機1bの吸入側に連通する。この圧縮機回路構成を直列接続構成と呼ぶことにする。
【0024】
次に蓄冷時の単段圧縮運転、及び二段圧縮運転の動作について図1を用いて説明する。蓄冷時は開閉弁10hを開、開閉弁10j、10k、10iを閉にして、熱源ユニットXと蓄熱ユニットZで冷凍サイクルを構成する。
【0025】
蓄冷時の単段圧縮運転の動作を説明する。
開閉弁10a、10b、10gを開、開閉弁10c、10d、10fを閉にして、さらに減圧装置5aを全閉にする。
【0026】
そして、圧縮機1aで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、開閉弁10bを介して、圧縮機1bで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒と合流して、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、開閉弁10gを介し、減圧装置5cで減圧されて低圧2相状態になって蓄熱槽伝熱管7へと流入する。蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10h、四方弁2、アキュムレータ11を介して、圧縮機1aの吸入側へ流入し、圧縮機1bの吸入側には開閉弁10aを介して流入する。一方、蓄熱槽6では蓄熱槽伝熱管7を流通する冷媒の吸熱作用により蓄冷媒体8の温度が低下し、さらに凝固温度に到達すると蓄熱槽伝熱管7のまわりに凝固しはじめる。
【0027】
蓄冷時の二段圧縮運転の動作を説明する。
開閉弁10c、10d、10fを開、開閉弁10a、10b、10gを閉にする。
【0028】
そして、圧縮機1aで圧縮されて吐出したガス冷媒は、開閉弁10cを介した後、気液分離器4aから流入する中圧飽和ガス冷媒が開閉弁10dを介して合流して、圧縮機1bの吸入側に流入する。圧縮機1bで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、減圧装置5aで減圧された後、中圧二相冷媒となって気液分離器4aに流入する。
【0029】
気液分離器4aで分離された中圧飽和ガス冷媒は開閉弁10dを介して圧縮機1bの吸入側へ流入する一方、中圧飽和液冷媒は開閉弁10fを介して減圧装置5cで減圧された後、低圧2相状態になって蓄熱槽伝熱管7へと流入する。蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10h、四方弁2、アキュムレータ11を介して、圧縮機1aの吸入側へと流入する。一方、蓄熱槽6では蓄熱槽伝熱管7を流通する冷媒の吸熱作用により蓄冷媒体8の温度が低下し、さらに凝固温度に到達すると蓄熱槽伝熱管7のまわりに凝固しはじめる。
【0030】
蓄冷利用冷房時の単段圧縮運転の動作を説明する。蓄冷利用冷房運転時は開閉弁10i、10j、10kを開、開閉弁10hを閉にして、熱源ユニットX、負荷ユニットY、蓄熱ユニットZで冷凍サイクルを構成する。
【0031】
開閉弁10a、10b、10gを開、開閉弁10c、10d、10fを閉にして、さらに減圧装置5aを全閉にする。
【0032】
そして、圧縮機1aで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、開閉弁10bを介して、圧縮機1bで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒と合流して、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、開閉弁10gを介し、減圧装置5cを流通するが、ここでは減圧されずに蓄熱槽伝熱管7へと流入する。
【0033】
蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より低温の蓄冷媒体8との熱交換により凝縮されて、蓄熱槽伝熱管7出口では過冷却した高圧液冷媒となって流出し、開閉弁10i、開閉弁10kを介して、減圧装置5dへ流通し、ここで減圧されて低圧二相冷媒状態で負荷側熱交換器9へ流入する。負荷側熱交換器9では管内を流通する冷媒温度より高温の周囲空気との熱交換により蒸発されて、負荷側熱交換器9出口では低圧ガス冷媒となって流出し、四方弁2、アキュムレータ11を介して、圧縮機1aの吸入側へ流入し、圧縮機1bの吸入側には開閉弁10aを介して流入する。
【0034】
二段圧縮に使用する圧縮機1a、1bの容量は蓄冷時の二段圧縮運転を想定して決定するが、その具体的な決定方法の手順の一例を以下に示す。
対象冷媒は混合冷媒R407Cとし、説明を簡単にするために、組成はR32:R125:R134a=23%:25%:52%一定とし、冷凍サイクルにおいて凝縮器出口は飽和液状態、蒸発器出口は飽和ガス状態とし、圧力損失は減圧装置以外の箇所では無いとする。また、圧縮は断熱圧縮とし、膨張は等エントロピ変化とする。
【0035】
次に計算条件として、蓄冷時の冷凍サイクルにおける高圧を1.6[MPa]、低圧を0.4[MPa]として、中圧は高段側の圧縮比と低段側の圧縮比を一定とする値とし、0.8[MPa]とする。また物性計算にはRefProp Ver.6を使用する。
【0036】
以上の条件下における単段圧縮、二段圧縮の計算結果を図2、図3のP−h線図に示す。
図2の蒸発器の入口と出口の比エンタルピ差Δhe1=152.4[kJ/kg]
図3の蒸発器の入口と出口の比エンタルピ差Δhe2=191.1[kJ/kg]
図3の気液分離比=Δhg:Δhl=19.3%:80.7%
単段圧縮運転時と同等冷凍能力を二段圧縮運転時でも確保するには、単段圧縮機の容量1に対して、下段圧縮機の容量はΔhe1/Δhe2の式で求めることができる。計算すると0.797となる。一方、上段圧縮機の容量は下段圧縮機容量と気液分離比を用いて求めることができる。計算すると上段圧縮機の容量は0.988となる。あとは、冷凍サイクルの負荷上限値を考慮して、上段と下段の圧縮機容量比を保持しながら比例設計する。
【0037】
尚、圧縮機容量は圧縮機内のストロークボリュームの容積で調整してもいいし、インバータを搭載して、圧縮機の回転数で調整してもいい。尚、この場合、一方の圧縮機をインバータを搭載した運転容量可変の圧縮機とし、もう片方を運転容量一定の圧縮機にして運転すれば、インバータを1つ減らすことができて設備コスト低減につながる。
【0038】
また、冷媒種類がR407C以外のものを使用する場合も、単段圧縮運転、二段圧縮運転の動作方法は同じである。
【0039】
二段圧縮と単段圧縮の長所を示す。
二段圧縮の長所はCOPが良く、また1台当たりの圧縮比が小さいので、軸受け等にかかる力が小さいため、圧縮機の信頼性が高いことであり、冷凍サイクル全体の圧縮比が大きいほど、この特徴は顕著になる。例を以下に示す。
図2、図3において、二段圧縮と単段圧縮における同一冷凍能力下での理論冷凍サイクル上のCOPを計算する。COP=冷凍能力量[kJ/h]/圧縮機入力[kJ/h]で求まる。
単段圧縮の場合の冷媒流量G=1[kg/h]とすると、
・冷凍能力Qr=G×Δhe1=152.4[kJ/h]
・ 圧縮機入力W=G×Δhw1=34.0[kJ/h]
・ COP=Qr/W=4.48
となる。
【0040】
一方、多段圧縮の場合、単段圧縮時と同等冷凍能力を確保するための冷媒流量はG下段=0.797[kg/h]、G上段=0.988[kg/h]なので、
・ 圧縮機上段入力W上段=G上段×Δhw2=16.3[kJ/kg]
・ 圧縮機下段入力W下段=G下段×Δhw3=13.5[kJ/kg]
・ COP=Qr/(W上段+W下段)=5.11
となり、単段圧縮のCOPと比較して約14%向上する。
【0041】
また、圧縮比が大きいと、圧縮機吐出ガス冷媒温度が上昇して、冷凍機油の劣化が促進されて、圧縮機が故障したり冷媒が熱分解する可能性があり、圧縮機の信頼性が低下する。二段圧縮にして圧縮比を小さくすることは信頼性の向上につながる。
【0042】
一方、単段圧縮の長所は冷凍能力量が大きいことである。例を以下に示す。
図2、図3において、2台の圧縮機の容量を0.797、0.988とすると、単段圧縮と二段圧縮を行った場合の冷凍能力は、
・単段圧縮の冷凍能力Qr=(0.797+0.988)・Δhe1=272.0[kJ/h]
・二段圧縮の冷凍能力Qr=0.988・Δhe2=152.4[kJ/h]
となり、単段圧縮時は、二段圧縮時に対して179%能力増加を図ることができる。
同一容量の2台の圧縮機を用いて単段圧縮した場合の全冷凍能力は各圧縮機容量×台数で表すことができるが、二段圧縮した場合の全冷凍能力は約1台分の圧縮機容量となり、単段圧縮と比較して概ね半分の冷凍能力になる。例えば、定格10HPの室外機に5HP用の圧縮機が2台搭載されている場合、2台圧縮機を単段圧縮運転した場合は全冷凍能力として10HPを確保できるが、二段圧縮した場合は全冷凍能力として約5HPで10HP容量を確保することはできない。
【0043】
また、圧縮比が小さい場合は、二段圧縮と単段圧縮との理論冷凍サイクル上のCOPの差が小さくなる。図4に低圧を0.4[MPa]一定とした時の圧縮比と、理論冷凍サイクル上の二段圧縮の単段圧縮に対するCOPの向上比率の関係について示す。圧縮比が小さくなると、実サイクル上では配管圧力損失や、気液分離器での熱ロス、圧縮機のインバータの発熱ロス、圧縮機単体の特性などを考慮すると、図4のように単段圧縮の方がCOPが良くなる運転条件がある。
【0044】
次に蓄冷運転時の必要圧縮機容量について説明する。昼間の蓄冷利用冷房運転において、蓄冷熱を利用する割合は、昼間の全負荷量の約20%〜40%分であり、残りは圧縮機を運転して賄う方式が一般的である。仮に昼間の全負荷量を定格冷房能力×運転時間と想定する。さらに、昼間の冷房時間と夜間の蓄冷時間を同じとすると、蓄冷時に必要な冷凍能力は、定格冷房時の20%〜40%である。また、冷房時と蓄冷時の蒸発温度の違いや熱源側熱交換器3の周囲空気温度の違い、すなわち昼間と夜間の外気温の違いを考慮すると蓄冷時に必要な圧縮機容量は、冷房時の半分以下である。
【0045】
昼間の蓄冷利用冷房時と、蓄冷時において、必要な圧縮機容量が2倍以上違うことを考慮すると、蓄冷利用冷房時は要求される冷凍能力が大きく、かつ圧縮比が小さいので、冷凍能力量確保を重視した単段圧縮運転を行ない、蓄冷時は要求される冷凍能力が小さく、かつ蒸発温度が低いため圧縮比が大きくなる傾向があるので、COPが良く、圧縮機の信頼性が高い多段圧縮運転を行うようにすれば、低設備コストで低運転コストなシステムを実現できる。
【0046】
また、蓄冷など要求される冷凍能力量が小さい時に圧縮比が小さくなって、実冷凍サイクル上で単段圧縮運転のCOPが二段圧縮運転のCOPよりよくなる場合は、二段圧縮運転から1台単段運転にすれば、低コストで高COP運転を実現することができる。
【0047】
常時二段圧縮運転すると、例えば定格10HPの機種に10HP用圧縮機を2台搭載する必要があり、設備コストが高くなる。蒸発温度が−30℃になる例えば冷凍用機器ではなく、蒸発温度が−10℃以上を想定している機器であれば、単段圧縮運転と二段圧縮運転を切替えれるようにして、5HP圧縮機を2台搭載する方が設備コスト上有効である。
【0048】
以上より、二段圧縮と単段圧縮の長所を考慮して切替え運転することは設備コスト、COP向上による運転コストを低減する上で大いに有効である。
【0049】
二段圧縮と単段圧縮の運転切替方法の一例として、昼間の冷房運転時は単段圧縮運転して、夜間の蓄冷時は多段圧縮運転する。
【0050】
二段圧縮と単段圧縮の運転切替方法の別の一例として、一番高圧となる圧縮機の吐出側の圧力と、一番低圧になる圧縮機の吸入側の圧力を何らかの手段で検知して、その圧縮比が予め定めた閾値を超える場合は、二段圧縮を選択し、閾値を超えない場合は単段圧縮を選択する。
【0051】
二段圧縮と単段圧縮の運転切替方法の別の一例として、凝縮器の凝縮温度と蒸発器の蒸発温度を何らかの方法で検知して、それらの値から高圧、低圧を算出し、その圧力比が予め定めた閾値を超える場合は、二段圧縮を選択し、閾値を超えない場合は単段圧縮を選択する。
【0052】
閾値は、圧縮比とCOPの関係で単段圧縮と二段圧縮の優位性が逆転する点を定める。尚COPは、理論冷凍サイクル上の理論COPではなく、実サイクル上の圧力損失や熱ロスや圧縮機単体の性能特性を考慮した実COPで検討する。この閾値が正しいことを計算だけではなく実機試験で確認できれば尚良いことは言うまでもない。
【0053】
前記の冷媒圧力を検知する一手段として、圧縮機1aの吸入配管に圧力センサを設ける一方、圧縮機1cの吐出配管に圧力センサを設けて各圧力を検知する例がある。また熱源側熱交換器3と負荷側熱交換器9の二相冷媒流通部にそれぞれ温度センサを設けて凝縮温度と蒸発温度を検知する冷がある。
【0054】
運転中は予め定めた検知時間毎に、冷凍サイクルの吐出圧と吸入圧、或いは凝縮温度と蒸発温度から算出する高圧と低圧を検知して圧縮比或いは圧力比を求め、前記閾値と比較して大きいか、小さいかを判断して単段圧縮か二段圧縮のどちらかを選択する。そして現行の圧縮方法と比較して、変更する必要がある場合は、変更する。
【0055】
検知時間間隔は、アクチュエータ変更後に冷凍サイクルが安定するまでの時間を考慮して設定するが、冷凍サイクルの規模、延長配管長により大きく異なるので、それぞれの条件に最も合う時間を見つけて設定する。
また過度な圧縮方法の変更は、圧力変化による圧縮機損傷や寿命の短縮化の可能性があることから、圧縮方法を変更後はある一定間隔の間は圧縮方法を変更しないと定めることや、1回の起動から停止までの間の圧縮方法の変更回数を制限することも冷凍サイクルの信頼性上有効である。
【0056】
多段圧縮運転と単段圧縮運転の切替については蓄熱時と蓄熱利用暖房運転時にも適用できる。ここでは説明を省略する。
【0057】
蓄熱ユニットの蓄熱槽は従来のアイスオンコイルのスタティック氷蓄熱槽であれば適用できるため、リニューアル時に従来の蓄熱槽を使用して冷媒回路を組むことは可能である。
【0058】
以上により、実施の形態1で示した蓄熱式冷凍サイクルを使用すれば、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、複数の気液分離器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットで構成する冷媒回路において、要求されている冷凍能力や圧縮比を検知して、複数の圧縮機で単段圧縮運転するか多段圧縮運転するかを選択できる回路構成、運転方法を採用することで、設備コストの低減とCOP向上による運転コストの低減を図ることができる。
【0059】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図面を参照して説明する。
図5は実施の形態2を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図である。図5において、1a,1bは圧縮機、2は四方弁、3は熱源側熱交換器(送風ファンを含む)、4bは中間冷却器、5a,5c,5dは減圧装置、6は蓄熱槽、7は蓄熱槽伝熱管、8は蓄冷媒体、9は負荷側熱交換器(送風ファンを含む)、10a〜10kは開閉弁、11はアキュムレータ、Xは熱源ユニット、Yは負荷ユニット、Zは蓄熱ユニットで、熱源ユニットXと負荷ユニットYと蓄熱ユニットZは冷凍サイクルを構成する。
【0060】
次に蓄冷時の単段圧縮運転、及び二段圧縮運転の動作について図5を用いて説明する。
蓄冷時は開閉弁10hを開、開閉弁10i、10j、10kを閉にして、熱源ユニットXと蓄熱ユニットZで冷凍サイクルを構成する。
【0061】
蓄冷時の単段圧縮運転の動作を説明する。
開閉弁10a、10b、10fを開、開閉弁10c、10d、10gを閉にして、さらに減圧装置5aを全閉にする。
【0062】
そして、圧縮機1aで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、開閉弁10bを介して、圧縮機1bで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒と合流して、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、及び高圧二相冷媒となって流出し、中間冷却器4bに流入するものの、ここでは熱交換をせず、開閉弁10fを介し、減圧装置5cにて減圧して蓄熱槽伝熱管7へと流入する。蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10h、四方弁2、アキュムレータ11を介して、圧縮機1aの吸入側へ流入し、圧縮機1bの吸入側には開閉弁10aを介して流入する。蓄熱槽6で起こる現象は実施の形態1の蓄冷時と同様なので説明は省略する。
【0063】
蓄冷時の二段圧縮運転の動作を説明する。
開閉弁10c、10d、10fを開、開閉弁10a、10b、10gを閉にする。
【0064】
そして、圧縮機1aで圧縮されて吐出したガス冷媒は、開閉弁10cを介して後、中間冷却器4bから流入する中圧ガス冷媒或いは中圧二相冷媒が開閉弁10dを介して合流して、圧縮機1bの吸入側に流入する。圧縮機1bで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、途中分岐して、一方はそのまま中間熱交換器4b内伝熱管へ流入し、他方は減圧装置5aで減圧された後、中圧二相冷媒となって中間冷却器4bに流入する。
【0065】
中間冷却器4b内伝熱管へ流入した高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒の冷媒温度に対して、中間冷却器4b内の中圧冷媒温度は低いため、高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒はここでさらに凝縮して高圧液冷媒として流出した後、開閉弁10fを介して、減圧装置5cで減圧して蓄熱槽伝熱管7へと流入する。
【0066】
一方、中間冷却器4bの容器内に流入した中圧二相冷媒は蒸発して中圧ガス冷媒、或いは中圧二相冷媒となり、開閉弁10dを介して、圧縮機1aの吐出ガス冷媒と合流して圧縮機1bの吸入側へと流入する。
【0067】
蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10h、四方弁2、アキュムレータ11を介して、圧縮機1aの吸入側へと流入する。蓄熱槽6で起こる現象は実施の形態1の蓄冷時と同様なので説明は省略する。
【0068】
二段圧縮に使用する圧縮機の容量は蓄冷運転を想定して決定するが、その具体的決定方法の手順は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
【0069】
また、冷媒種類がR407C以外のものを使用する場合も、単段圧縮運転、二段圧縮運転の動作方法は同じである。
【0070】
二段圧縮と単段圧縮の切替運転を行うことで冷凍サイクルの設備コストを低減し、COP向上による運転コストを低減できることは実施の形態1に説明したのでここでは省略し、また圧縮方法の切替方法についても実施の形態1と同様なので説明を省略する。
【0071】
以上により、実施の形態2で示した蓄熱式冷凍サイクルを使用すれば、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、複数の中間冷却器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットで構成する冷媒回路において、要求されている冷凍能力や圧縮比を検知して、複数の圧縮機で単段圧縮運転するか多段圧縮運転するかを選択できる回路構成、運転方法を採用することで、設備コストの低減とCOP向上による運転コストの低減を図ることができる。
【0072】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図面を参照して説明する。
図6は実施の形態3を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図である。図6において、1a,1bは圧縮機、2は四方弁、3は熱源側熱交換器(送風ファンを含む)、4cはエコノマイザ、5c,5dは減圧装置、6は蓄熱槽、7は蓄熱槽伝熱管、8は蓄冷媒体、9は負荷側熱交換器(送風ファンを含む)、10a〜10kは開閉弁、11はアキュムレータ、Xは熱源ユニット、Yは負荷ユニット、Zは蓄熱ユニットで、熱源ユニットXと負荷ユニットYと蓄熱ユニットZは冷凍サイクルを構成する。
【0073】
次に蓄冷時の単段圧縮運転、及び二段圧縮運転の動作について図6を用いて説明する。蓄冷時は開閉弁10hを開、開閉弁10i、10j、10kを閉にして、熱源ユニットXと蓄熱ユニットZで冷凍サイクルを構成する。
【0074】
蓄冷時の単段圧縮運転の動作を説明する。
開閉弁10a、10b、10gを開、開閉弁10c、10d、10e、10fを閉にする。
【0075】
そして、圧縮機1aで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、開閉弁10bを介して、圧縮機1bで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒と合流して、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、開閉弁10gを介し、減圧装置5cにて減圧して蓄熱槽伝熱管7へと流入する。蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10h、四方弁2、アキュムレータ11を介して、圧縮機1aの吸入側へ流入し、圧縮機1bの吸入側には開閉弁10aを介して流入する。蓄熱槽6で起こる現象は実施の形態1の蓄冷時と同様なので説明は省略する。
【0076】
蓄冷時の二段圧縮運転の動作を説明する。
開閉弁10c、10d、10e、10fを開、開閉弁10a、10b、10gを閉にする。この時、圧縮機1aの吐出側は開閉弁10cを介して圧縮機1bの吸入側に連通する。
【0077】
そして、圧縮機1aで圧縮されて吐出したガス冷媒は、開閉弁10cを介して後、エコノマイザ4cから流入する中圧飽和ガス冷媒が開閉弁10dを介して合流して、圧縮機1bの吸入側に流入する。圧縮機1bで圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、開閉弁10eを介してエコノマイザ4cへ流入後、減圧した後気液分離した中圧飽和ガス冷媒は開閉弁10dを介して圧縮機1bの吸入側へ流入する一方、残った中圧飽和液冷媒はさらに減圧して低圧二相冷媒となり開閉弁10fを介して蓄熱槽伝熱管7へと流入する。
【0078】
蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10h、四方弁2、アキュムレータ11を介して、圧縮機1aの吸入側へと流入する。蓄熱槽6で起こる現象は実施の形態1の蓄冷時と同様なので説明は省略する。
【0079】
二段圧縮に使用する圧縮機の容量は蓄冷運転を想定して決定するが、その具体的決定方法の手順は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
【0080】
また、冷媒種類がR407C以外のものを使用する場合も、単段圧縮運転、二段圧縮運転の動作方法は同じである。
【0081】
二段圧縮と単段圧縮の切替運転を行うことで冷凍サイクルの設備コストを低減し、COP向上による運転コストを低減できることは実施の形態1に説明したのでここでは省略し、また圧縮方法の切替方法についても実施の形態1と同様なので説明を省略する。
【0082】
以上により、実施の形態3で示した蓄熱式冷凍サイクルを使用すれば、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、エコノマイザと、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットから構成する冷媒回路において、要求されている冷凍能力や圧縮比を検知して、複数の圧縮機で単段圧縮運転するかか多段圧縮運転するかを選択できる回路構成、運転方法を採用することで、設備コストの低減とCOP向上による運転コストの低減を図ることができる。
【0083】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図面を参照して説明する。
図7〜10は実施の形態4を示す図で、図7,8は蓄熱システムの冷凍サイクル概略図、図9はエジェクタ概略図、図10はP−h線図である。
図7において、1は圧縮機、2は四方弁、3は熱源側熱交換器(送風ファンを含む)、5c,5dは減圧装置、6は蓄熱槽、7は蓄熱槽伝熱管、8は蓄冷媒体、9は負荷側熱交換器(送風ファンを含む)、10a〜10kは開閉弁、12は気液分離器、13はエジェクタ、Xは熱源ユニット、Yは負荷ユニット、Zは蓄熱ユニットで、熱源ユニットXと負荷ユニットYと蓄熱ユニットZは冷凍サイクルを構成する。
【0084】
次に蓄冷時の動作について図7を用いて説明する。
蓄冷時は開閉弁10fを開、開閉弁10i、10j、10kを閉にして、熱源ユニットXと蓄熱ユニットZで冷凍サイクルを構成する。
【0085】
開閉弁10b、10d、10eを開、開閉弁10a、10cを閉にする。圧縮機1で圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、開閉弁10bを介し、エジェクタ13へと流入する。エジェクタ13では図9のノズル部で当エントロピ変化で減圧した低圧二相冷媒に吸入部から低圧ガス冷媒が流入し、デフューザ部で昇圧した後、中圧二相冷媒状態で気液分離器12へ流入する。本動作の圧力変化を図10に示す。
【0086】
ここで気液分離した中圧飽和ガス冷媒は開閉弁10dを介して圧縮機1吸入側へ流入し、中圧飽和液冷媒は開閉弁10eを介して減圧装置5cへ流入し、ここで減圧した後、低圧二相冷媒状態で蓄熱槽伝熱管7へと流入する。蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10fを介してエジェクタ吸入部18へと流入する。蓄熱槽6で起こる現象は実施の形態1の蓄冷時と同様なので説明は省略する。
【0087】
また図8のように、開閉弁10aを有する吸入配管の一端を気液分離器に接続すると、畜冷運転以外ではアキュムレータとして使用できて設備コストの低減を図ることができる。畜冷時は開閉弁10b、10lを開けて、開閉弁10aを閉じる。畜冷運転以外では、開閉弁10aを開いて、開閉弁10b、10lを閉じる。
【0088】
エジェクタ13は蓄冷時のみ使用し、その他の運転時はエジェクタ13及び気液分離器12を使用しない。
エジェクタ13の効果について簡単に示す。
高圧液冷媒を低圧二相冷媒にする膨張過程において、従来の減圧装置で減圧膨張すると、等エンタルピ変化のため、膨張エネルギーを冷凍サイクル外へ放出していることになり無駄である。一方、エジェクタ13は断熱膨張、即ち等エントロピ変化のためその分膨張エネルギーが低減しないため、冷凍サイクルの冷凍能力が向上する。
【0089】
エジェクタ13は蒸発器温度が低いほど膨張エネルギーの回収率が大きくなり有効なので、蓄冷時のみに適用する。
エジェクタ13は断熱熱落差をノズルにて運動エネルギーに変換し、エジェクタ吸引部18から吸引流を吸引して圧縮機1の吸入圧力を上昇させる圧縮仕事を行う。駆動流のエネルギーと吸引流の圧縮仕事の比ηをエジェクタ効率と定義している。例えばエジェクタ効率を0.5とすれば、蓄冷材に水を使用して蒸発温度が−10℃とした蓄冷時に、蓄熱槽伝熱管内冷媒圧力より吸入圧力を9.80665×104[Pa]高くすることは理論上は可能である。一方、蒸発温度が10℃くらいの場合は、吸入圧力はその半分以下の分しか上昇しないので、実サイクルでは他の圧力損失の影響を受けて、エジェクタ効果が消滅する。
【0090】
以上により、実施の形態4で示した蓄熱式冷凍サイクルを使用すれば、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、エジェクタと気液分離器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する熱源側ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷側ユニットで構成する冷媒回路において、蓄冷時に膨張動力回収装置を用いた運転することで、従来捨てていた膨張エネルギーを有効に活用して蓄冷運転COPを向上することができる。
【0091】
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を図面を参照して説明する。
図11,12は実施の形態5を示す図で、図11は蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図、図12は蒸発器入口、出口、高低差熱交換器出口の比エンタルピを示す図である。
図11において、1は圧縮機、2は四方弁、3は熱源側熱交換器(送風ファンを含む)、5c,5dは減圧装置、6は蓄熱槽、7は蓄熱槽伝熱管、8は蓄冷媒体、9は負荷側熱交換器(送風ファンを含む)、10e〜10kは開閉弁、11はアキュムレータ、15は高低圧熱交換器、Xは熱源ユニット、Yは負荷ユニット、Zは蓄熱ユニットで、熱源ユニットXと負荷ユニットYと蓄熱ユニットZは冷凍サイクルを構成する。
【0092】
次に蓄冷時における高低圧熱交換器15を組込んだ冷媒回路の動作について図11を用いて説明する。
蓄冷時は開閉弁10i、10j、10kを閉にして、熱源ユニットXと蓄熱ユニットZで冷凍サイクルを構成する。
【0093】
開閉弁10e、10fを開にする。圧縮機1で圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、高低圧熱交換器15へ流入する。ここで低圧冷媒と熱交換してさらに凝縮して過冷却した高圧液冷媒として流出し、開閉弁10eを介し、減圧装置5cへ流入し、ここで減圧した後、低圧二相冷媒状態で蓄熱槽伝熱管7へと流入する。
【0094】
蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10fを介して高低圧熱交換器15へ流入し、ここで高圧冷媒と熱交換して蒸発し、低圧過熱ガスとしてアキュムレータ11を介して圧縮機1の吸入側へ流入する。蓄熱槽6で起こる現象は実施の形態1の蓄冷時と同様なので説明は省略する。
【0095】
高低圧熱交換器15は蓄冷時のみ使用し、その他の運転時は使用しない。蓄冷時だけ使用する理由を説明する。
蒸発器出口の冷媒温度が周囲空気より低い温度の場合、冷媒は圧縮機1の吸入側へ至る経路の途中で周囲空気に放熱し、冷媒は過熱ガスとなる。蓄冷時は、特に蒸発器出口の冷媒温度が低く、周囲空気へ放出する熱量が無視できない。この周囲へ無駄に放出していた冷熱を冷凍サイクルの高圧液側で回収すれば、冷凍サイクルの冷凍能力が増加する。
【0096】
例えば、冷房時の蒸発器出口温度を10℃、蓄冷時の蒸発器出口温度を−10℃、いずれも飽和ガス状態として、周囲空気温度を25℃とする。また高低圧熱交換器出口温度は周囲空気温度−5[℃]、即ち20℃とする。
【0097】
対象冷媒をR407Cとし、循環組成を封入組成であるR32:R125:R134a=23%:25%:52%とする。尚物性計算はRefpropVer.6を用いることとする。
また蒸発器の入口乾き度を0.2として、蒸発器入口、出口、高低差熱交換器出口の比エンタルピの値を図12に示す。
【0098】
図12より、高低差熱交換器の部分の占める熱交換量割合ηを計算する。
・冷房η=(hhexout−heout)/(hhexout−hein)=4.1%
・蓄冷η=(hhexout−heout)/(hhexout−hein)=12.4%
となる。蒸発器で熱交換した全熱量にうち、前記計算結果分の熱は、従来は周囲空気に捨てていたものであるが、冷凍サイクルの高圧液側で回収すればその分、冷凍能力を増加することができる。
その回収熱量は、蒸発温度が低いほど大きくなり、高低差熱交換器における冷熱回収効果は冷房時より蓄冷時に顕著に効果があることが解る。
また、蓄熱槽伝熱管出口が低圧二相冷媒の場合は、冷媒の潜熱分、熱交換量が増加して、冷熱回収効果はさらに大きくなる。
【0099】
一方、冷熱を回収した高圧液冷媒側は、熱交換により液冷媒の過冷却度が大きくなり、その結果、蒸発器入口と出口の比エンタルピ差を大きくして冷凍能力を向上することができる。
【0100】
以上により、実施の形態5で示した蓄熱式冷凍サイクルを使用すれば、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、高低圧熱交換器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、を有する負荷ユニットで構成される冷媒回路において、蓄冷時に高低圧熱交換器を用いることで、従来蒸発器になる蓄熱槽伝熱管の出口から圧縮機吸入側への経路の途中で周囲空気に放出していた冷熱を冷凍サイクルの高圧液側で回収することで、冷凍能力を向上させることができる。
【0101】
実施の形態6.
以下、この発明の実施の形態5を図面を参照して説明する。
図13は実施の形態6を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクル概略図である。
図13において、1は圧縮機、2は四方弁、3は熱源側熱交換器(送風ファンを含む)、5a,5c,5dは減圧装置、6は蓄熱槽、7は蓄熱槽伝熱管、8は蓄冷媒体、9は負荷側熱交換器(送風ファンを含む)、10e,10h〜10kは開閉弁、11はアキュムレータ、15は高低圧熱交換器、17は気液分離器、Xは熱源ユニット、Yは負荷ユニット、Zは蓄熱ユニットで、熱源ユニットXと負荷ユニットYと蓄熱ユニットZは冷凍サイクルを構成する。
【0102】
次に蓄冷時において、組成調整器としての高低圧熱交換器15、及び気液分離器17を組込んだ冷媒回路の動作について図11を用いて説明する。
蓄冷時は開閉弁10hを開、開閉弁10i、10j、10kを閉にして、熱源ユニットXと蓄熱ユニットZで冷凍サイクルを構成する。
【0103】
開閉弁10eを開にする。圧縮機1で圧縮されて吐出した高圧ガス冷媒は、四方弁2を介して、熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3では熱交換器内を流通する冷媒温度に対して低温の周囲空気との熱交換により凝縮されて、熱源側熱交換器3出口では高圧液冷媒、或いは高圧二相冷媒となって流出し、気液分離器17へ流入し、ここで分離された高圧ガス冷媒は高低圧熱交換器15へ流入し、ここで低圧冷媒と熱交換して凝縮し、高圧液冷媒として流出し、開閉弁10eを介し、減圧装置5cで減圧した後、低圧二相冷媒状態で蓄熱槽伝熱管7へと流入する。
【0104】
蓄熱槽伝熱管7では管内を流通する冷媒温度より高温の蓄冷媒体8との熱交換により蒸発されて、蓄熱槽伝熱管7出口では低圧ガス冷媒となって流出し、開閉弁10h、四方弁2、アキュムレータ11を介して圧縮機1の吸入側へ流入する。
【0105】
一方、気液分離器17で分離された高圧飽和液冷媒は減圧装置5aで減圧して低圧二相冷媒となって高低圧熱交換器15へ流入する。ここで高圧冷媒と熱交換して蒸発して低圧ガス冷媒となり、アキュムレータ11へ流入する。
【0106】
組成調整は蓄冷時のみ行い、その他の運転時は行なわない。
組成調整の効果及びそのメカニズムについて説明する。
低沸点冷媒のR32成分が多い混合冷媒を蒸発器である負荷側熱交換器9に流せば、圧力上昇、冷媒密度増大による冷媒流速の低減を図ることができるので、圧力損失を低減させて冷凍サイクルのCOPを向上させることができる。
【0107】
そこで気液分離器17を用いて組成調整を行う。気液分離器17において、飽和ガスの組成はガス化しやすい低沸点のR32が多くなっており、逆に飽和液の組成はガス化しにくい高沸点のR134aが多くなっている。そこでR32成分が多い飽和ガス冷媒を蒸発器である負荷側熱交換器9へ流通させるために、高低圧熱交換器15で熱交換して液冷媒にした後減圧して負荷側熱交換器9入口へ流入させる。一方、R32が少ない飽和液冷媒は、蒸発器である負荷側熱交換器9をバイパスさせて圧縮機1の吸入側へと戻すために減圧して低圧二相冷媒にした後、高低圧熱交換器16で熱交換して低圧ガス冷媒として圧縮機1の吸入側へと流入する。
【0108】
以上により、実施の形態6で示した蓄熱式冷凍サイクルを使用すれば、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、組成調整装置としての高低圧熱交換器と気液分離器と、高低圧熱交換器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットで構成する冷媒回路において、蓄冷時に組成調整を行うことで吸入圧力を上昇させて、冷凍サイクルのCOPを向上させることができる。
【0109】
【発明の効果】
この発明に係る蓄熱式冷凍サイクルは、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、複数の気液分離器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、状況に応じ、複数の圧縮機を用いて多段圧縮運転と単段圧縮運転とを選択して実行することで、低設備コストでCOP向上による運転コストの低減を実現する効果が得られる。
【0110】
また、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、複数の中間冷却器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、有する負荷ユニットと、を備え、状況に応じ、複数の圧縮機を用いて多段圧縮運転と単段圧縮運転とを選択して実行することで、低設備コストでCOP向上による運転コストの低減を実現する効果が得られる。
【0111】
また、複数の圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、エコノマイザと、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、状況に応じ、複数の圧縮機を用いて多段圧縮運転と単段圧縮運転とを選択して実行することで、低設備コストでCOP向上による運転コストの低減を実現する効果が得られる。
【0112】
また、多段圧縮運転する場合は使用する複数の圧縮機を直列に接続し、単段圧縮運転する場合は使用する複数の圧縮機を並列に接続して、状況に応じ圧縮方法を選択することで、設備コスト、運転コストの低減を実現する効果が得られる。
【0113】
また、多段圧縮運転する場合に使用する各圧縮機の容量は、蓄冷時に多段圧縮運転する場合の各圧縮機の流量比に基づいて設定することで、蓄冷時のCOPを向上する効果が得られる。
【0114】
また、所定の圧縮機は容量可変形の圧縮機であり、残りは容量一定形の圧縮機とすることで、設備コストが低減する効果が得られる。
【0115】
この発明に係る蓄熱式冷凍サイクルの運転方法は、蓄冷時は多段圧縮運転、蓄冷時以外の時は単段圧縮運転することで、蓄冷時のCOPを向上する効果が得られる。
【0116】
また、複数の圧縮機の中で一番高い圧力となる圧縮機の吐出冷媒圧力と、一番低い圧力となる圧縮機の吸入冷媒圧力を検出し、前記吐出冷媒圧力と前記吸入冷媒圧力の比である圧縮比が予め定めた所定値より小さい場合は、単段圧縮運転を選択し、圧縮比が前記所定値より大きい場合は、多段圧縮運転を選択して、多段圧縮と単段圧縮という2つの圧縮方法において、現行運転と異なる圧縮方法を選択した場合、予め定めた制御時間経過後に圧縮方法を変更し、その後、予め定めた保護制御時間中は圧縮方法の変更を認めない運転方法により、低設備コストで低運転コストを実現する効果が得られる。
【0117】
この発明に係る蓄熱式冷凍サイクルは、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、膨張動力回収装置と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、蓄冷時に膨張動力回収装置を使用することで、蓄冷時のCOPを向上する効果が得られる。
【0118】
また、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、高低圧熱交換器と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、蓄冷時に高低圧熱交換器を使用することで、蓄冷時のCOPを向上する効果が得られる。
【0119】
また、圧縮機と、四方弁と、熱源側熱交換器と、組成調整装置と、複数の減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する熱源ユニットと、蓄熱槽と、蓄熱槽内伝熱管と、それらを接続する配管と、蓄冷媒体と、を有する蓄熱ユニットと、負荷側熱交換器と、減圧装置と、それらを接続する配管と、を有する負荷ユニットと、を備え、冷媒が非共沸の混合冷媒の場合、蓄冷時に組成調整装置を用いて組成調整を行うことで、蓄冷時のCOPを向上する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図である。
【図2】 実施の形態1を示す図で、単段圧縮運転のP−h線図である。
【図3】 実施の形態1を示す図で、多段圧縮運転のP−h線図である。
【図4】 実施の形態1を示す図で、圧縮比と多段圧縮COPと単段圧縮COPの比を示した図である。
【図5】 実施の形態2を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図である。
【図6】 実施の形態3を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図である。
【図7】 実施の形態4を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図である。
【図8】 実施の形態4を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの別の回路図である。
【図9】 実施の形態4を示す図で、エジェクタ概略図である。
【図10】 実施の形態4を示す図で、P−h線図である。
【図11】 実施の形態5を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図である。
【図12】 実施の形態5を示す図で、蒸発器入口、出口、高低差熱交換器出口の比エンタルピを示す図である。
【図13】 実施の形態6を示す図で、蓄熱システムの冷凍サイクルの回路図である。
【図14】 従来の蓄熱システムの冷媒回路図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 圧縮機、2 四方弁、3 熱源側熱交換器、4a 気液分離器、4b 中間冷却器、4c エコノマイザ、5a,5c,5d 減圧装置、6蓄熱槽、7 蓄熱槽伝熱管、8 蓄冷媒体、9 負荷側熱交換器、10a〜10k 開閉弁、11 アキュムレータ、12 気液分離器、13 エジェクタ、15 高低圧熱交換器、17 気液分離器、18 エジェクタ吸入部。

Claims (6)

  1. 複数の圧縮機を用いて多段圧縮運転と単段圧縮運転とのいずれかの圧縮方法を選択して実行可能な蓄熱式冷凍サイクルの運転方法であり、
    予め定めた検知時刻毎に冷媒の圧縮比又は圧力比を算出し、
    算出した圧縮比又は圧力比予め定めた閾値より小さい場合は単段圧縮運転を選択するとともに、前記閾値より大きい場合は多段圧縮運転を選択し、
    運転中の圧縮方法と異なる圧縮方法を選択した場合、圧縮方法を変更後、圧縮方法を変更した時刻から次の検知時刻までの時間よりも長い所定の保護制御時間が経過するまでは圧縮方法の変更を認めない
    ことを特徴とする蓄熱式冷凍サイクルの運転方法。
  2. 前記蓄熱式冷凍サイクルの運転方法では、さらに、
    前記蓄熱式冷凍サイクルが起動してから停止するまでの間に、所定の回数を越えた圧縮方法の変更を認めない
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱式冷凍サイクルの運転方法。
  3. 予め定めた検知時間毎に、前記複数の圧縮機の中で冷媒流れの最下流にある圧縮機の吐出部の冷媒圧力と、最上流にある圧縮機の吸入部の冷媒圧力を検出し、前記吐出冷媒圧力と前記吸入冷媒圧力の比である圧縮比を算出し、
    算出した圧縮比が、予め定めた閾値より小さい場合は単段圧縮運転を選択するとともに、前記閾値より大きい場合は多段圧縮運転を選択する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱式冷凍サイクルの運転方法。
  4. 前記蓄熱式冷凍サイクルは、複数の圧縮機と熱源側熱交換器と気液分離器と蓄熱槽と負荷側熱交換器とが配管によって接続された蓄熱式冷凍サイクルであって、
    多段圧縮運転時は、前記熱源側熱交換器で凝縮された冷媒を前記気液分離器で気液分離して、分離された気冷媒を前記複数の圧縮機を繋ぐ配管へ流入させるとともに、分離された液冷媒を前記蓄熱層へ流入させ、
    単段圧縮運転時は、前記熱源側熱交換器で凝縮された冷媒を前記気液分離器を通さず前記蓄熱層へ流入させる
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の蓄熱式冷凍サイクルの運転方法。
  5. 前記蓄熱式冷凍サイクルは、複数の圧縮機と熱源側熱交換器と中間冷却器と蓄熱槽と負荷側熱交換器とが配管によって接続された蓄熱式冷凍サイクルであって、
    多段圧縮運転時は、前記熱源側熱交換器で凝縮された冷媒を前記中間冷却器で冷却して前記蓄熱層へ流入させ、
    単段圧縮運転時は、前記熱源側熱交換器で凝縮された冷媒を前記中間冷却器で冷却せずに前記蓄熱層へ流入させる
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の蓄熱式冷凍サイクルの運転方法。
  6. 前記蓄熱式冷凍サイクルは、複数の圧縮機と熱源側熱交換器とエコノマイザと蓄熱槽と負荷側熱交換器とが配管によって接続された蓄熱式冷凍サイクルであって、
    多段圧縮運転時は、前記熱源側熱交換器で凝縮された冷媒を前記エコノマイザで気液分離して、分離された気冷媒を前記複数の圧縮機を繋ぐ配管へ流入させるとともに、分離された液冷媒を前記蓄熱層へ流入させ、
    単段圧縮運転時は、前記熱源側熱交換器で凝縮された冷媒を前記エコノマイザを通さず前記蓄熱層へ流入させることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の蓄熱式冷凍サイクルの運転方法。
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