JP4401288B2 - ヨモギ花粉由来のアレルゲン - Google Patents

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Description

雑草、特に、極めて広範な植物の系統であるキク科(CompositaeまたはAsteraceae)に属する雑草に由来する花粉の粒子は、世界中で一般的なアレルゲンの供給源である。この系統における3つの最も重要な風媒受粉の属は、ブタクサ属(Ambrosia)(ブタクサ)、パルテニウム属(Parthenium)(ナツシロギク)、およびヨモギ属(学名:Artemisiavulgaris)(ヨモギ)である。晩夏および秋には、ヨモギの花粉は、中央ヨーロッパおよびアジアの一部においてアレルギー反応を引き起こす主な原因の1つである(J.Charpin,R.Surinyach、およびA.W.Frankland(1974)Atlas of European Allergenic Pollens(Paris:Sandoz))。花粉症に罹患している患者の約10%が、ヨモギ花粉に感作されている。ブタクサ花粉は、米国およびカナダにおいてアレルギー性タンパク質の主な供給源であり、アトピー性の個体において約50%の蔓延率である(L.P.Boulet,H.Turcotte,C.Laprise,C.Lavertu,P.M.Bedard,A.Lavoie、およびJ.Hebert(1997)Comparative degree and type of sensitization to common indoor and outdoor allergens in subjects with allergic rhinitis and/or asthma.Clin Exp Allergy 27,52)。欧州では、ブタクサアレルギーは、花粉症の主な原因ではないが、急速に増大している。ブタクサは、前世紀の初めに欧州に最初に広がり、ハンガリーに限られていた。第二次世界大戦中、ブタクサはフランスに広がり、その後徐々に拡大して現在ではフランスのローヌ渓谷、北イタリア、オーストリア東部、ハンガリーおよびブルガリアにおいて繁茂している(G.D’Amato、F.T.Spieksma、G.Liccardi、S.Jager、M.Russo、K.Kontou−Fili、H.Nikkels、B.Wuthrich、およびS.Bonini(1998)Pollen−related allergy in Europe.Allergy 53,567)。
今日では、組み換えアレルゲンが、I型アレルギーの診断および治療のための有望なツールであると広く認められている。診断のためのこれら分子の価値が詳細に評価されており、組み換えアレルゲンのパネルは、樹木(カバノキ)の花粉および草の花粉のアレルギーを含み、特定の吸入アレルギーの慣用的な診断に既に利用可能である(R.Valentaら(1992)Int Arch Allergy Immunol 97,287;O.ScheinerおよびD.Kraft(1995)Allergy 50,384;D.Kraftら(1998)Allergy 53,62;D.Kraftら(1999)Int Arch Allergy Immunol 118,171)が、雑草の花粉のアレルギーについてはまだ利用可能でない。抗原E(Amb a 1)および抗原K(Amb a 2)として公知のブタクサ花粉の2つの主なアレルギー性化合物が特徴づけられ、約38,000Daの酸性タンパク質であることが示された(T.P.King(1980)Allergy 35,187)。Amb a 1およびAmb a 2のcDNAクローニングによって、これらのアレルゲンは互いに高度に相同であり、ペクチン酸リアーゼタンパク質のファミリーに属することが明らかになった(T.Rafnarら(1991)J.Biol.Chem 266,1229;B.L.Rogersら(1991)J Immunol.147,2547)。現在、いずれのヨモギ花粉アレルゲンに関しても、完全な構造についての情報も、分子クローニングのデータも公表されていない。Art v 1と命名されたヨモギ花粉アレルゲンが唯一の例外であり、これはWO99/49045に開示されている。Art v 1は、Amb a 1にも、他のいずれの特徴付けが行われたブタクサアレルゲンにも関係しない。いくつかの報告では、ブタクサおよびヨモギの花粉が共通のアレルゲン構造を共有する、すなわち、異なるアレルゲン供給源において交差反応性IgE抗体によって認識される抗原を共有するということが実証されている(C.Fernandezら(1993)J Allergy Clin Immunol 92,660;R.Hirschwehrら(1998)J Allergy Clin Immunol 101,196;H.S.Parkら(1994)J Korean Med Sci 9,213)。このような共通の抗原のIgE認識は、異なるアレルゲン供給源との接触後に感作された患者においてアレルギー反応を誘発する。従って、ヨモギ花粉アレルゲンの特徴付けおよびブタクサ花粉における共通のアレルゲン構造を同定することにより、雑草の花粉アレルギーの診断および治療に十分な組み換えアレルゲンの選択および生成のための基本的な情報が得られるであろう。
従って、本発明の目的は、I型アレルギーを誘発するヨモギ花粉由来のアレルゲンを同定することである。
本発明者らは、40.9kDaのヨモギ(Artemisia vulgaris)の花粉アレルゲンに相当する4つの真の(bona fide)かつ完全なcDNAクローンを単離することに成功した。新規な40.9kDaのヨモギ花粉アレルゲンのアミノ酸配列を配列番号1に示す。
従って、本発明は、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。好ましくは、このポリペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%の同一性、より好ましくは少なくとも80%の同一性、なおさらに好ましくは少なくとも85%の同一性、さらになお好ましくは少なくとも90%の同一性、最も好ましくは少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施形態では、該ポリペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む。本明細書において用いる場合、ポリペプチドという用語は、少なくとも7個のアミノ酸長を有するタンパク質および/またはペプチドをいう。
配列番号1に対するアミノ酸配列の同一性の程度は、BLAST 2 SEQUENCES(blastp)(Tatusovaら(1999)FEMS Microbial Lett.174,247〜250)というプログラムを用いて、該アミノ酸配列と配列番号1を比較することによって決定される。ここで用いられるパラメーターは次のとおりである:マトリックス(Matrix)BLOSUM62;オープンギャップ(Open gap) 11およびエクステンションギャップ(extension gap)1ペナルティー(penalties);ギャップ(gap)x_ドロップオフ(dropoff)50;期待値 10.0 ワードサイズ(word size)3;フィルター(Filter):なし。本発明によれば、この配列比較は少なくとも100アミノ酸、好ましくは少なくとも200アミノ酸、より好ましくは少なくとも300アミノ酸、最も好ましくは少なくとも350アミノ酸をカバーする。
本発明はさらに、配列番号1に示されるアミノ酸配列の少なくとも18個のアミノ酸のフラグメントを含むポリペプチドに関する。このようなポリペプチドは、配列番号1に示される配列の少なくとも18個が連続するアミノ酸を含む。好ましくは、このフラグメントの長さは、配列番号1に示されるアミノ酸配列の少なくとも21個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも25個のアミノ酸、なおさらに好ましくは少なくとも35個のアミノ酸、最も好ましくは少なくとも50個のアミノ酸である。
本発明の別の実施形態は、配列番号1に示されるアミノ酸配列の少なくとも7個のアミノ酸のフラグメントからなるポリペプチドである。好ましくは、このポリペプチドの長さは、少なくとも10個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも15個のアミノ酸、なおさらに好ましくは少なくとも25個のアミノ酸、最も好ましくは少なくとも35個のアミノ酸である。さらなる実施形態では、本発明のポリペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列由来の少なくとも8個または少なくとも9個または少なくとも11個または少なくとも12個または少なくとも13個または少なくとも14個または少なくとも18個または少なくとも21個または少なくとも30個連続するアミノ酸からなる。さらなる実施形態では、このポリペプチドの長さは、100または50または30個のアミノ酸以下である。少なくとも7個のアミノ酸からなるポリペプチドは、T細胞(T細胞エピトープ)によって認識され得る。
本発明のなお別の実施形態は、配列番号1に示されるアミノ酸配列のフラグメントであってヨモギ花粉に対してアレルギー性である個体由来のIgE抗体に結合し得るフラグメントを含むポリペプチオdであるが、「IgE抗体」という用語は、それ自体公知のプロセスによって獲得可能である抗体調製物を意味する。感受性のヒトにおいては、アレルゲンに対する曝露は、以下のような二段階の即時型(IgE媒介性)のアレルギー性応答をもたらす:
(1)第一の曝露の際、アレルゲン性のタンパク質は、B細胞によるIgE合成を誘導する(VercelliおよびGeha,1989,J.Allergy Clin.Immunol.9:75〜83)。次いで、これらの特異的IgE抗体が、高親和性Fcεレセプター(FcεRI)を介して肥満細胞および好塩基球の表面に結合する。
(2)その後の曝露の際、アレルゲンは、これらの特異的IgE抗体に結合し架橋して、これが、予め形成された、そして新規に合成された炎症性メディエーター(例えば、ヒスタミン)および走化性物質(例えば、血小板活性化因子)の放出をもたらす。
(1)の段階では、Bリンパ球によるアレルゲン特異的IgEの産生には、アレルゲンの直鎖状ペプチドフラグメントによって活性化される、Tリンパ球の「補助(help)」が必要である(Vercelli and Geha,1989,J.Allergy Clin.Immunol.9:75〜83)。これらのペプチドは、抗原のプロセシングを通じて抗原提示細胞によって作製されて、主要組織適合複合体(MHC)の分子とともに細胞表面に提示されて、ここでT細胞レセプターに対する認識および結合が可能になる(Schwartz,1985,Annu Rev.Immunol.3:237〜255;Rothbartら,1989.Int.Immunol.1:479〜486)。(2)の段階では、B細胞によって生成されたアレルゲン特異的IgE抗体は循環して、肥満細胞および好塩基球上のFcεRIレセプターに結合し、それによって、このアレルゲンについてのレセプターとして働く。これらの細胞表面結合したIgE抗体のアレルゲンによる架橋は、予め形成された、そして新規に合成された炎症性メディエーターおよび走化性物質の放出のためのシグナルであって、代表的なアレルギー性の炎症反応をもたらす。
ヨモギ花粉に対してアレルギー性である個体とは、ヨモギ花粉タンパク質を認識する特異的IgE抗体を示し、かつヨモギ花粉に暴露された場合、代表的なアレルギー性症状(IgE媒介性)を有する個体である。このようなアレルギー性反応はまた、他のアレルゲン供給源に存在する相同な抗原に対する曝露によっても誘発され得る。この現象は、交差反応性として定義される。ヨモギ花粉に対してアレルギー性の患者の選択は、代表的な病歴、皮膚プリック試験陽性、および放射性アレルギー吸着試験「RAST」の数値が3.5を上回ることに従って行なった。
ポリペプチドは、抗体に対するその親和性が、その抗体に結合しない対照組成物の親和性よりも有意に高い場合、その抗体に結合し得る。特定のポリペプチドまたはアレルゲンに対する特定のIgE抗体の結合は、アレルゲン特異的IgG抗体を示さない健常な非アレルギー性の個体(病歴、皮膚プリック試験陰性、RAST陰性による)由来の血清を対照として用いて、種々の方法、例えば、RAST、イムノブロット、ELISAによって決定され得る。
本発明の1つの実施形態において、このポリペプチドは、ブタクサ花粉に対してアレルギー性である個体由来のIgE抗体に結合し得る。本発明によって、ヨモギ花粉およびブタクサ花粉に共通なアレルゲン構造を同定することが可能になる。この情報は、雑草の花粉のアレルギーの診断および治療に十分である組み換えアレルゲンの選択および作成のために有用である。このような共通のアレルゲン構造を含むペプチドおよびポリペプチドは、本発明に包含される。
天然のAmb a 1の精製の間、トリプシン様花粉プロテアーゼがこのアレルゲンを切断する。従って、精製によってしばしば、全長の38kDaアレルゲンに加えて、それぞれα(アミノ酸187〜396であって、番号付けにはシグナルペプチドを含む)およびβ(アミノ酸43〜180であって、番号付けにはシグナルペプチドを含む)と命名された26kDaおよび12kDaの分子量の2つのフラグメントの単離が生じる。全ての鎖はやはり、ポリクローナルのウサギ抗体およびアレルギー患者由来のヒトIgEと高度に反応性を有する。これらの鎖に相当する天然の40.9kDaのヨモギアレルゲンのタンパク質分解性フラグメントはまた、アレルギー患者由来のIgE抗体に結合することが予測される。β鎖に相当する最初の方は、アミノ酸21〜180にまたがり、そしてα鎖に相当する二番目のものは、アミノ酸181〜396にまたがる。なおこの番号付けは両方とも配列番号1を参照のこと。両方の鎖ともAmb a 1鎖にも存在するエピトープを有することが予測され、結果同じIgE反応性が生じる。本発明は、配列番号1に示されるような配列のフラグメントで、配列番号1に示される配列のアミノ酸21〜180または181〜396からなるフラグメントを含むポリペプチドに関する。
1つの実施形態において、本発明のポリペプチドは、アミノ酸配列LENGAIFVASG(配列番号10)からなるポリペプチドではない。
好ましい実施形態によれば、本発明のポリペプチドは、単離されたポリペプチドであり、すなわち、それらは、実質的に純粋な形態である。「実質的に純粋(essentially pure)」とは、他の化合物からのポリペプチドの分離によって、このポリペプチドが少なくとも75%純粋、好ましくは少なくとも90%純粋、さらに好ましくは少なくとも95%純粋であることを意味する。ポリペプチドの純度は、当該分野で公知の技術、例えば、SDS−PAGE、その後のタンパク質染色により、当業者によって求めることができる。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および質量分析法は、ポリペプチドおよび同様に短いペプチドを解析するために適切な方法である。
本発明のポリペプチドは、種々の方法において調製され得る。ポリペプチドは、化学合成によって、好ましくは固相法を適用することによって調製され得る。化学的ペプチド合成の方法は、当業者に公知である(例えば、Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149,1963;Stewartら.,「Solid Phase Peptide Synthesis」(第二版),Pearce Chemical Co.Rockford,IL,1984、ならびにBayerおよびRapp Chem.Pept.Prot.3:3(1986);ならびにAthertonら、Solid Phase Peptide Synthesis;A Practical Approach,IRL Press,Oxford,1989を参照のこと)。これらの方法は、7〜50個のアミノ酸長を有する短いポリペプチドの調製に特に適切である。さらに長いポリペプチドは、化学合成によって調製されたペプチドフラグメントを、化学的にまたは酵素的に連結することによって調製され得る。本発明のポリペプチドはまた、宿主細胞におけるDNA配列の発現によって調製され得る。これらの方法は、以下にさらに詳細に記載される。
本発明はまた、種々のポリヌクレオチドに関する。ポリヌクレオチドは、一本鎖もしくは二本鎖のDNA分子であっても、RNA分子であっても、またはそれに由来する核酸であってもよい。第一の実施形態によれば、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1に示されるようなアミノ酸をコードする。遺伝子コードの縮重に起因して、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列をコードする多くの異なるポリヌクレオチドが、予想され得る。
第二の実施形態によれば、本発明のポリヌクレオチドは、上記の本発明によるポリペプチドをコードする。
本明細書に記載されるポリヌクレオチドを用いて、任意の種々のタイプのヨモギにおいて同様な配列を同定し、例えば、ヨモギ花粉由来のDNAにハイブリダイズするのに十分な相同性を有する配列を同定または単離することができる。これは、例えば、低ストリンジェントの条件下で実行できる;十分な相同性(ホモロジー)(一般には40%を上回る)を有するそれらの配列を、さらなる評価のために選択し得る。あるいは、高ストリンジェントな条件を用いることができる。概して高ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHで、特定の配列についての融点(T)よりも約5℃〜約10℃低いように選択される。Tとは、標的配列の50%が、完全にマッチしたプローブに(規定のイオン強度およびpHのもとで)ハイブリダイズする温度である。代表的な高ストリンジェントな条件とは、塩濃度がpH7で約15mMのNa(0.1×SSC)までであり、かつ温度が少なくとも約60℃という条件である。
この様式では、本発明のDNAを用いて、他のタイプの雑草花粉において、本明細書に記載の40.9kDaのタンパク質のアミノ酸配列と同様のアミノ酸配列を有するペプチドをコードする配列を同定すること、そして、このような他のタイプの雑草花粉においてアレルゲンを同定することが可能である。従って、本発明は、40.9kDaのタンパク質および本発明のDNA配列によってコードされる他のヨモギアレルゲンを含むだけでなく、本発明のDNAにハイブリダイズするDNAによってコードされる他の雑草花粉のアレルゲンも包含する。
従って、第三の実施形態によれば、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号2に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも75%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。好ましくは、この同一性は、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%である。配列番号2に対するポリヌクレオチド配列の同一性の程度は、「BLAST 2 SEQUENCES(blastn)」(Tatusovaら(1999)FEMS Microbial Lett.174,247〜250)というプログラムを用いて、このポリヌクレオチド配列および配列番号2を比較することによって決定されたが、これには以下のパラメーターを用いた:マッチのリワード(Reward)1;ミスマッチのペナルティー(Penalty)−2;オープンギャップ(Open gap)5およびエクステンションギャップ(extension gap)2ペナルティー(penalties);ギャップ(gap)x_ドロップオフ(dropoff)50;期待値 10.0 ワードサイズ(word size)11;フィルター(Filter):なし。本発明によれば、この配列比較は少なくとも、300ヌクレオチド、好ましくは少なくとも600ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも900ヌクレオチド、最も好ましくは少なくとも1100ヌクレオチドをカバーする。
1つの実施形態において、このポリヌクレオチドは、配列番号2に示されるヌクレオチド配列または配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む。別の実施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号2または配列番号3に示される配列の少なくとも100、好ましくは少なくとも300、より好ましくは少なくとも600、最も好ましくは少なくとも1000の連続するヌクレオチドを含む。
本発明はまた、上記のポリヌクレオチドに縮重されるポリヌクレオチドを包含する。開示されたポリヌクレオチドのそれぞれの相補鎖は、本発明に包含される。
本発明のポリヌクレオチドは好ましくは単離されたポリヌクレオチドである。このポリヌクレオチドは好ましくは、実質的に純粋であり、すなわち、それらは、少なくとも80%純粋、より好ましくは少なくとも90%純粋、最も好ましくは少なくとも95%純粋である。本発明によるポリヌクレオチドは、種々の方法で調製できる(例えば、GlickおよびPasternack、Molecular Biotechnology,Principles and Applications of recombinant DNA,ASM Press,Washington D.C.1994;Itakuraら、Annu.Rev.Biochem.53:323〜56,1984およびClimieら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:633〜7,1990を参照のこと)。それらは、オリゴヌクレオチド合成に通常使用される化学的方法によって合成され得る。PCRに基づく方法が、ポリヌクレオチド、詳細には長いポリヌクレオチドを合成するために用い得ることができる(例えば、Leeら、Nucleic Acid Amplification Technologies,Eaton Publishing,Natick,MA 1997;McPherson,M.J.ら.PCR−A Practical Approach,第1巻および2巻,IRL Press,Oxford 1996を参照のこと)。また、化学的方法を用いて合成されたフラグメントを化学的にまたは酵素的に連結することによって、さらに長いポリヌクレオチドを調製してもよい。
本発明の別の実施形態は、本発明によるポリヌクレオチドを含むプラスミドまたはベクターである。このプラスミドは、プラスミドの複製、またはコードされた配列の転写および/もしくは翻訳を容易にする調節配列を含んでもよい。そのような配列としては、プロモーター、ターミネーター配列などが挙げられる。このプラスミドはまた、宿主細胞における発現の際にコードされたポリペプチドの精製を容易にするアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。このような配列の例は、6×Hisタグ、FLAGタグ、およびGSTのような細菌タンパク質をコードする配列である。精製は、それぞれのタグ配列または細菌の配列に対する抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって達成され得る。このようなタグ配列または細菌配列を含むプラスミドおよびベクターは、当業者に公知である。
本発明はさらに、本発明によるプラスミドまたはベクターおよび/またはポリヌクレオチドを含む細胞に関する。この細胞は、植物細胞、細菌細胞、酵母細胞および他の細胞から選択され得る。本発明のポリヌクレオチドによってコードされる遺伝子の発現を可能にする細胞が好ましい。最も好ましくは、E.coli細胞である。本発明によるプラスミド、ベクターおよび/またはポリヌクレオチドは、それ自体公知の技術、例えば、形質転換、トランスフェクションなどによって細胞に導入されてもよい。この細胞は、それらのゲノムに単に一過性にまたは安定に組み込まれる核酸分子を含んでもよい。詳細には後者の場合、核酸分子は、ゲノムへの取り込みのプロセスに起因して短縮されても、または断片化されてもよい。核酸分子のこのような短縮されるかまたは断片化されたバージョンを含む細胞は、本発明の範囲内である。
この細胞は、本発明のポリペプチドの発現および精製のために用いることができる。従って、本発明は、本発明によるポリペプチドの調製のためのプロセスに関しており、このプロセスは、ポリペプチドの発現に適切な条件下で本発明に記載された細胞を培養する工程と、必要に応じてこのポリペプチドを引き続いて回収する工程とを包含する。細胞は好ましくは、撹拌しながら液体培地中で培養される。必要に応じて、遺伝子発現は、誘導剤、例えばIPTGによって誘導される。クローニングされたDNA分子を操作して、種々の宿主細胞に外因性のDNAを導入するための技術、これらの宿主を形質転換するための技術、およびその中にクローニングされた外来のDNA配列を発現するための技術は、当該分野で周知であって、例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第二版、Cold Spring Harbour Laboratory Press,Cold Spring Harbour,New York 1989;ならびにAusubelら編、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.New York 1987に開示されている。
培養後、細胞は、確立された方法を用いて開口されてもよく、そしてこのポリペプチドは、アフィニティークロマトグラフィーによって回収され得る。タンパク質精製の他の公知の方法を使用してもよい。例示的な精製工程としては、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除クロマトグラフィー、FPLCおよび逆相高速液体クロマトグラフィーを挙げることができる。適切なクロマトグラフィー媒体としては、デキストラン誘導体、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特殊シリカなどが挙げられる。好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、アフィニティークロマトグラフィー工程を包含する方法によって単離される。この実施形態によれば、本発明のポリペプチドに対する1つ以上の抗体は、固体支持体に固定されてもよい。好ましくは、この抗体は、本発明のポリペプチドを特異的に認識する。抗体分子を支持媒体に結合するための方法は当該分野で周知である。特定の方法の選択は、慣用的な設計の問題であって、部分的には、選択された支持体の特性によって決定される。
別の方法として、固定された金属イオン吸着クロマトグラフィーは、高ヒスチジンタンパク質(ポリヒスチジンタグ含有タンパク質を含む)を精製するために用いられ得る。要するに、ゲルは、キレートを形成するよう二価の金属イオンで最初に荷電される。高ヒスチジンタンパク質は、用いられた金属イオンに依存して、異なる親和性を有するこのマトリックスに吸着されて、競合的溶出、pHを低下すること、または強力なキレート剤の使用によって溶出される。本発明のさらなる実施形態内で、目的のポリペプチドおよびアフィニティータグの融合を構築して、精製を容易にしてもよい。融合タンパク質は、その融合タンパク質の各々の成分を調製することおよびそれらを化学的に結合させることによって、当業者に公知の方法によって調製され得る。あるいは、融合タンパク質の両方の成分を適切な読み枠でコードするポリヌクレオチドは、公知の技術を用いて生成することができ、本明細書に記載の方法によって発現されてもよい。タンパク質精製の方法は、例えば、Deutscher,M.P.Protein Purification,Academic Press,New York 1990;Scopes,R.K.Protein Purification,Springer Verlag,Heidelberg 1994;Doonan,S.Protein Purification Protocols.Humana Press,1996に記載されている。
本発明のポリペプチドは、例えば、「精製された」アレルゲンとして用い得ることができる。このような精製されたアレルゲンは、ブタクサアレルギーの診断および治療のための重要な試薬である、アレルゲン抽出物の標準化において有用である。さらに、配列番号1に示されるアミノ酸配列のフラグメントに基づくペプチドを用いることによって、標準的な方法を用いて抗ペプチド抗血清またはモノクローナル抗体を作製することができる。本発明の40.9kDaのタンパク質に対するこれらの血清またはモノクローナル抗体は、アレルゲン抽出物を標準化するために用いることができる。
本発明の別の実施形態は、本発明によるポリペプチドに結合し得る抗体である。この抗体は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、モノクローナル抗体が好ましい。本発明のポリペプチドに対する抗体は、公知の方法で調製できる。例えば、HarlowおよびLane 1988「Antibodies:A Laboratory Manual」;Cold Spring Harbour Laboratoryを参照のこと。特定の実施形態では、抗体は、実質的に純粋な形態、すなわち、少なくとも80%純粋、好ましくは少なくとも90%純粋である。ポリクローナル抗体の場合、この抗体組成物は、多くの異なる種の抗体分子を含む。
抗体は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的であってもよい。この実施形態では、この抗体は、ブタクサ花粉由来のポリペプチドAmb aI.1、Amb a I.2、Amb a I.3およびAmb a 2のいずれにも結合しない。
しかし、別の実施形態では、この抗体は、ブタクサ花粉由来のポリペプチドAmb aI.1、Amb a I.2、Amb a I.3およびAmb a 2の1つまたは数個(例えば、2個、3個または4個)に結合し得る。
本発明による抗体は、ヨモギアレルゲンのさらなる成分を単離するために用いることができ、このファミリーのアレルゲンの特徴をさらに定義するために使用することができる。さらに、本発明のポリペプチドに対する抗ペプチド血清またはモノクローナル抗体を用いて、皮膚試験試薬の内容物を標準化および規定することができる。
本発明はさらに、本発明によるポリペプチド、および/またはポリヌクレオチド、および/または抗体を含む医薬組成物に関する。
本明細書において記載される物質、およびこれらの物質を含む組成物は、ヨモギアレルギーを診断、治療および予防するための方法において用いることができ得る。従って、本発明の別の実施形態は、アレルギー障害の治療または予防または診断のための医薬調製のための、本発明によるポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドおよび/または抗体の使用である。
この医薬は好ましくは、脱感作されるべき個体に投与される。
本発明のポリペプチドを使用することによって、一貫した、明確に定義された組成物および生物学的活性のアレルゲン調製物を、作製することができ、治療目的で投与することができる(例えば、ヨモギ花粉に対するヨモギ感受性個体のアレルギー応答を緩和するため)。このようなポリペプチドまたはその改変バージョンは、例えば、ヨモギアレルゲンに対するB細胞応答、ヨモギアレルゲンに対するT細胞応答、またはその両方の応答を緩和することができる。また、精製されたアレルゲンを用いて、未改変の天然に存在するペプチドよりも免疫療法に有用である改変誘導体またはアナログを設計することもできる。
高用量のアレルゲンは一般に、最大の症状緩和をもたらす。しかし、このアレルゲンに対するアレルギー反応のせいで、多くの人は高用量のアレルゲンには耐えられない。天然に存在するアレルゲンの改変は、改変ポリペプチドが生成され、対応する天然に存在するアレルゲンと同じかまたは増強した治療特性を有するが、副作用が低下した、特にアナフィラキシー反応の低下が生じ得るような様式で設計され得る。これらは、例えば、本発明のポリペプチドまたは改変アナログであってもよい(例えば、ポリペプチドであって、そのアミノ酸配列が変更されて免疫原性が改変されているか、および/またはアレルゲン性が減少されるか、または同じ目的で、ある成分が添加されている、ポリペプチド)。例えば、ポリペプチドは、A.Sehonおよび共同研究者らによるポリエチレングリコール法を用いて改変されてもよい。ポリペプチド配列の短いセグメントの欠失またはアミノ酸の置換によって、弱体化した(さらに弱いかまたは全くない)抗体結合が生じる。この改変によって、低いIgE結合がもたらされ、またこの改変は副作用がさらに弱いために免疫治療に極めて有用である。
脱感作されるべき個体への本発明のペプチドの投与は、公知の技術を用いて実施できる。ペプチドまたは異なるペプチドの組み合わせを、例えば適切な緩衝液、担体および/またはアジュバントを含む組成物中で、個体に投与してもよい。このような組成物は一般に、注射、経口投与、吸入、経皮塗布または直腸投与によって投与される。十分な量でヨモギ感受性の個体に投与された場合、ヨモギアレルゲンに対するその個体のアレルギー性応答を改変するヨモギ花粉ポリペプチドを、現在利用可能な構造的情報を用いて設計することができる。これは、例えば、ヨモギタンパク質の構造を調べること、ヨモギ感受性個体においてB細胞および/またはT細胞の応答に影響する能力について試験されるべきペプチドを生成すること、および該細胞によって認識される適切なエピトープを選択することによって行なうことができる。このエピトープのアミノ酸配列を模倣し、ヨモギアレルゲンに対するアレルギー性応答を下方制御し得る合成アミノ酸配列もまた用いることができる。
本発明のポリペプチドまたは抗体は、ヨモギアレルギーを検出および診断するためにも用いることもできる。例えば、ヨモギアレルゲンに対する感受性について評価されるべき個体から得られた血液または血液産物と、ヨモギ花粉の単離されたアレルギー性ペプチドとを、血液中の成分(例えば、抗体、T細胞、B細胞)と該ポリペプチドとの結合について適切な条件下で混合すること、およびこのような結合が生じる程度を決定することによってである。
ヨモギ感受性個体においてヨモギアレルゲンがアレルギー反応を誘導する能力をブロックまたは阻害することができる試薬または薬物を設計することもいまや可能である。このような試薬は、例えば、抗ヨモギIgEに対して結合し、これによってIgEアレルゲン結合とそれに続く肥満細胞の脱顆粒を防止するに設計することができる。あるいは、このような試薬は、免疫系の細胞成分に結合して、ヨモギアレルゲンに対するアレルギー性応答の抑制または脱感作をもたらす。これの非限定的な例は、ヨモギアレルゲンに対するアレルギー応答を抑制するための本発明のcDNA/ポリペプチド構造に基づく、適切なB細胞およびT細胞エピトープペプチド、またはその改変物の使用である。これは、ヨモギ感受性個体由来の血液細胞を用いたインビトロ研究において、B細胞およびT細胞の機能に影響するB細胞およびT細胞のエピトープペプチドの構造を規定することによって実行できる。
最後に、本発明は、本発明によるポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドおよび/または抗体を含む、アレルギー疾患の診断、治療および/または予防のために有用であるキットに関する。本明細書に記載の物質、ならびにこれらの物質を含む組成物およびキットは、ヨモギアレルギーを診断、治療および予防する方法において用いることができる。
本発明は、ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)花粉の主なアレルゲンであるAmb a 1に対して配列相同性を示す40.9kDaのヨモギ(Artemisia vulgaris)花粉アレルゲンをコードする組み換えDNA分子およびそのフラグメントに、またArt v1分子またはそのフラグメントの単離のための方法に、ならびに本発明の核酸配列を発現するように形質転換された発現ベクターおよび宿主細胞に基づく。本発明はさらに、雑草花粉のアレルギー患者の診断および治療の方法に関する。上記40.9kDaのヨモギアレルゲンは、Amb a 1に対する配列相同性を示すので、このヨモギタンパク質は、交差反応性アレルゲンであり得、ヨモギ花粉アレルギーだけでなく雑草花粉アレルギー一般の診断および治療のために使用できる可能性がある。
本出願は、40.9kDaのヨモギ(Artemisia vulgaris)花粉アレルゲンに相当する4つの真の(bona fide)かつ完全なcDNAクローンの単離を記載している。このcDNAヌクレオチド配列、ならびに派生するクローンM4、M6およびM15のアミノ酸配列は同一であった(図1および2を参照のこと)。クローンM8は、他のクローンとは8ヌクレオチド置換、異なるが、これはアミノ酸交換をもたらさなかった(図3を参照のこと)。該クローンは、代表的な真核生物の場合の開始AUGコドンおよびこの開始コドンの上流のいくつかの配列を含んでいるので、その5’末端で完了する。該クローンは、終止コドンの後ろに90〜120ヌクレオチド、引き続いてポリAテールを含んでいるので、3’領域で完了する。オープンリーディングフレームの外側の配列は、図2および3には示していない。クローンM4、M6、M8およびM15のヌクレオチド配列のアラインメントを、図1.A〜Dに示す。クローンM4、M6、およびM15のコード領域のヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を図2に示す。クローンM8のコード領域のヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を図3に示す。
本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、これは限定する目的ではない。
実施例1:精製したウサギ抗Amb a 1抗体を用いたヨモギ花粉cDNAライブラリーの免疫スクリーニング
40.9kDaのヨモギ花粉アレルゲンをコードするcDNAクローンの単離を以下の方法で行なった。
40.9kDaのアレルゲンのcDNAクローニングのための第一工程は、ヨモギ花粉からのRNAの単離であったが、これは極めて困難な手順であることが判明した。RNA単離のためのいくつかの異なる標準的な手順を用いたところ、色素および他の有機物質が常にRNAと同時に精製され、これはcDNA合成のために用いられる酵素を阻害した。しかし、一連のトライアル後、cDNAライブラリーを構築するのに十分純粋なmRNAを単離することが可能であって、これをまた、発現ベクターλZAPにおいても行なった。
Amb a 1を用いて免疫したウサギ由来の血清は、Te Piano King博士(ロックフェラー大学,USA)から提供された。ヨモギcDNAライブラリーをスクリーニングするために、本発明者らはまず、アフィニティークロマトグラフィーによって、Amb a 1特異性抗体を精製した。その目的のために、ブタクサ花粉から精製した5mgのAmb a 1をCNBr活性化セファロース(ファルマシア)に結合させた。ウサギ血清の結合後、樹脂を洗浄してAmb a―1特異性抗体を0.2Mグリシン(pH2.8)で溶出した。この抗体を中和して、PBSに対して透析した。これらの精製されたウサギ抗Amb a 1抗体を用いて、λZAPIIファージ(ストラタジーン、カリフォルニア、アメリカ合衆国)中で構築したヨモギ花粉cDNAライブラリーの450,000個のプラークをスクリーニングした。全部で13個の陽性のクローンを単離して、Uni−ZAP XRベクターからのpBluescriptファージミドのインビボ切除において単一のクローンとして用いた。4つのクローン(M4,M6、M8およびM15)を、DNA配列解析のために選択した。この解析は、隣接するプライマーT7およびT3を含む5つのプライマーを用いる「プライマーウォーキング(Primer walking)」技術によって実行した。両方の鎖とも2回配列決定を行った。4つのクローンM4、M6、M8およびM15の整列されたヌクレオチド配列を図1.A〜1.Dに示す。クローンM4、M6およびM15のcDNA配列は同一であった(図2)。M8のコード領域におけるcDNA配列は、他の3つのクローンとは8塩基異なる(図3)。しかし、4つのクローン全てが、40.9kDaの計算上の分子量を有する同じタンパク質をもたらす(図2および3)。
最終的に、40.9kDaのタンパク質の配列を、データベースにおける類似性検索に用いた。ペクチン酸リアーゼ群に属する、ブタクサ花粉由来の主なアレルゲンであるAmb a 1に対して、有意な配列相同性が見出された(63.9%同一性)。
本発明のcDNAはここで、本明細書に記載の配列情報に基づいて得ることができる。cDNAは、プローブとして、化学的合成によって調製されたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを用いてcDNAライブラリーからクローニングされてもよい。あるいは、cDNAは、配列番号2由来のプライマーを用いるPCRによって得ることができる。このような方法は当業者に公知である。
(実施例2:発現プラスミドpHIS−パラレル−2への40.9kDaのヨモギアレルゲンのクローニング(クローンM4))
40.9kDaのヨモギアレルゲンcDNAを含む発現プラスミドをベクターpHis−パラレル2中で構築した(図4を参照のこと)。クローニング処置のために、2つの隣接するクローニングプライマーを構築した。完全なcDNA配列を、5’末端において、推定シグナルペプチドをコードする60ヌクレオチドまでに短縮した。この方法では、成熟型のタンパク質のみがE.coli中で生成した。
以下のプライマーを用いた:PCRのためのMug−Nco−fwd 5’GAG AGA GAC CAT GGC TCG GGC TGA CAT TGG TGA TGA GCT CG 3’(配列番号4)および、Mug−Xho−rev 5’GAGAGA GAC TCG AGT TAA CAA GGT TTT CCA GGA ACG CAT TTG 3’(配列番号5)、Nco IおよびXho I制限部位を5’末端および3’末端に導入した。PCR産物をNcoIおよびXhoI制限酵素を用いて消化して、ベクターpHis−パラレル−2の各々の部位に連結した。このクローンをDNA配列決定によって解析した。
実施例3:E.coliにおける組み換え40.9kDaヨモギアレルゲンの発現
40.9kDaのヨモギアレルゲンの組み換え作成のために、コンピテントなE.coli株であるBL21(DE3,ストラタジーン、カリフォルニア、アメリカ合衆国)を、発現プラスミドpHis−パラレル−2−M4で形質転換して、100mg/lのアンピシリンを含むLBプレート上で選択した。単一の形質転換コロニーを採集し、アンピシリン含有LB培地を用いて、25ml中で一晩前培養して、600nmで0.6の光学密度まで細菌を増殖した。LB−amp培地を250mlになるまで加えて、イソプロピル−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)を最終濃度1mMまで添加し、37℃で7時間培養を続けた。この細菌細胞を、遠心分離によって回収して、ペレットを、300mM NaClおよび10mM イミダゾールを含有する50mMのリン酸緩衝液(pH8)中に再懸濁した。次いで、液体窒素中での凍結とそれに続く37℃での解凍の3サイクルによって細胞を破壊した。5.500rpmでの25分間の遠心分離後、この上清を除去して(可溶性画分)、そして6M尿素をこのペレットに添加した。遠心分離後、この上清を除去して(不溶性画分)、可溶性画分および不溶性画分の両方をSDS−PAGEによって解析した。組み換えの40.9kDaヨモギタンパク質を不溶性画分において回収し、次にこれを抗Amb a 1抗体(図5B、レーン4)および雑草花粉のアレルギー性患者由来の血清IgE(図6、レーン3および4)を用いた免疫ブロット法に用いた。コントロールとして、インサートなしのpHis−パラレル−2を用いて形質転換したE.coli株BL21を上記のとおり処理して、不溶性画分を上記免疫ブロット実験に用いた(図6、レーン5および6)。
図5A、レーン1は、花粉から放出された全てのタンパク質(アレルゲンまたは非アレルゲン)を含むヨモギ花粉抽出物を示す。ヨモギ花粉抽出物の調製は以下のとおりである。
150mgのヨモギ花粉粒子(Allergon AB,Sweden)を1mlの水と混合した。花粉懸濁物を室温で10時間、穏やかに撹拌した。遠心分離後、ヨモギ花粉から放出されたタンパク質のパターンを、SDS−PAGEおよびクマシー(Coomassie)染色によって解析した。
図5Aのレーン2は、精製された天然の40.9kDaヨモギ花粉アレルゲンを示す。その精製は、イムノアフィニティークロマトグラフィー法によって行われた。精製されたウサギ抗Amb a 1抗体を臭化シアン活性化セファロースCL4B(Pharmacia Biotech)に結合して、濾過された10時間花粉抽出物からの天然の40.9kDaヨモギタンパク質の精製のために用いた。
図5Aのレーン3は、ブタクサ花粉における主なアレルゲンである、精製された天然のAmb a 1を示す。精製は、イムノアフィニティークロマトグラフィー法によって行なった。精製されたウサギ抗Amb a 1抗体を臭化シアン活性化セファロースCL4B(ファルマシア バイオテック)に結合して、濾過された10時間のブタクサ花粉抽出物(10mMプロテーアゼインヒビター、1,10フェナントロリンを含む)からの天然のAmb a 1の精製のために用いた。
(実施例4:ヨモギ花粉からの天然の40.9kDaアレルゲンの精製)
イムノアフィニティークロマトグラフィーによって、ヨモギ花粉の水性抽出物から天然の40.9kDaのアレルゲンを精製した。精製されたウサギ抗Amb a 1抗体をCNBr活性化セファロースCL4Bに結合して、40.9kDaのアレルゲンの精製のために用いた。次いで、精製された天然の40.9kDaアレルゲンを、抗Amb a 1抗体を用いて(図5A、レーン2)、およびアレルギー患者由来のIgE抗体を用いて(図6、レーン1および2)、免疫ブロット法で試験した。
ヨモギにおける精製された天然および組み換えの40.9kDaタンパク質と、ブタクサに感作した米国の患者との間では交差反応性が存在する。従って、図6Aおよび図6Bにおいて陽性のシグナルを観察することができる。さらに多くの患者がこれらの2つのアレルゲンの間で交差反応性を示すことが見込まれる。
(実施例5:組み換え40.9kDaヨモギ花粉タンパク質の発現および精製)
40.9kDaのヨモギ花粉タンパク質をコードするcDNAを挿入されたpHisパラレル2プラスミドを備えるE.coli BL21−DE3において、タンパク質発現を行なった。培養培地(1%ペプトン、0.5%酵母抽出液、0.5%NaCl、100gグリセリン/1L、2mM MgSO;20g(NHSO、10mM PO、pH7.4に調節)に、3%の飽和した一晩培養物を接種して、150μg/mLのペニシリンG(Biochemie,Kundl,Austria)を含む培養培地中で増殖させた。本培養は10L Bioflow 3000 Fermenter(New Bruswick Scientific Co.,Edison,NJ)中において37℃で行い、このとき7%酸素飽和、200〜400rpm撹拌を用い、光学密度0.8の時点で0.4mM IPTGで誘導した。
誘導後5時間の遠心分離によって細菌細胞を回収して(10Lの培養物から20gの細胞湿重量)、100mLの溶解緩衝液(50mM Trisベース、1mM EDTA、0.1% Triton X−100,pH非調節、細胞1gあたり5mL)中に再懸濁した。新しく溶解されたリゾチームの添加(細胞1gあたり100μg)および室温で1時間のインキュベーション後、−70℃と37℃の凍結解凍の3サイクルによって細胞を溶解した。DNAを、ウルトラウラックス(ultraurax)を用いて剪断した。遠心分離によって可溶性画分の分離を行なって、1%TritonX−100、20mM Tris−HCl pH8.0、1mM EDTAを用いて未処理の封入体を2回洗浄して、続いて50%エタノール、20mM Tris−HCl(pH8.0)を用いて2回洗浄した。精製された封入体を、500mL 8M尿素、0.5M NaCl、20mM Tris−HCl(pH8.0)に溶解して、同じ溶液で予め平衡化した150mLのChelating Cellufine Column(Millipore,Bedford,MA,USA)に製造業者の指示に従って0.1M NiClを充填した後に、その精製された封入体をこのカラムにロードした。Bioplot FPLCシステム(Amersham Biosciences,Uppsala,Sweden)において、全てのクロマトグラフィー工程を実行した。0〜500mMの範囲の直線イミダゾール勾配を用いて、結合されたタンパク質を溶出させた。通常のSDS−PAGEによって、この画分の純度を解析した。組み換え40.9kDaヨモギ花粉タンパク質を含む画分の不純(高いバックグラウンド)のため、変性条件下で陽イオン交換クロマトグラフィーを行なった。
CECマトリックス「Matrex Cellufine C−500」(Millipore)を含む180mLのカラムを200mLの100mM NaAc(pH5.5)で平衡化した。400mLの結合緩衝液(5M尿素、20mM NaAc、10mM β−メルカプトエタノール、2mM EDTA、pH5.5)を用いてこのカラムを洗浄した後、5.5のpHでそのタンパク質溶液を加えた。
再度、SDS−PAGEおよびクマシー染色によってこの画分を解析した。変性条件および塩基性pH下でのゲル濾過工程のために、目的のタンパク質を含有する画分をプールして、調製した。
Sephacryl S−200 HR(Amersham Biosciences,Uppsala,Sweden)カラム(寸法50×1000mm)において、6M尿素、0.3M NaCl、30mM TrisHCl(pH 8.0)、2mM EDTA、10mM β−メルカプトエタノール中でゲル濾過を行なった。純粋な40.9kDaのヨモギ花粉タンパク質画分を、遠心分離して、5mM NHHCOを添加しながら、Amicon限外濾過デバイス(ミリポア)を通した濾過によって再折り畳みした。
全体的収率は4〜6mgタンパク質であった。
図7、レーン3は、SDS−PAGEおよびクマシー染色後のHis−tag(最大3μg)を有する精製された組み換え40.9kDaヨモギ花粉アレルゲンを示す。
(実施例6:組み換え40.9kDaヨモギ花粉タンパク質を用いたIgEブロット)
異なるアレルギー性患者または感作された患者由来の血清を、新規な40.9kDaのヨモギ花粉アレルゲンに対する反応性について試験した。この試験は、以下のプロトコールに従って行なった:
・分取用15%SDSゲル
・最大80μgの精製された組み換え40.9kDaタンパク質(例えば、実施例5に従って得られる)をロードする。
・SDSゲル電気泳動100V,2.5時間
・ウエスタンブロット:PVDF膜上で2時間、300mA
・一次抗体とのインキュベーション:ヒト血清:ゴールド(gold)緩衝液中に1:10希釈、RT(室温)で少なくとも6時間。
・洗浄工程3×10’ゴールド緩衝液中
・二次抗体とのインキュベーション:放射性標識された[125I]−抗−ヒトIgE(RASTとも呼ばれる)、MedProから供給(カタログ番号VE39020、5.2ml、5μCi)−室温で、1:40(ゴールド緩衝液中)。
・洗浄工程3×10’ゴールド緩衝液中
・メンブレンストリップを率いる白色部位を備えるホスホルイメージャー(phosphor−imager)スクリーンを配置する
・ホスホルイメージャー(phosphoimager)カセット中にスクリーンを24〜48時間曝す。
・このホスホルイメージャー中でこのスクリーンを発色させる。
ブロッキング緩衝液=ゴールド緩衝液(1L):7.5g NaHPO
1.0g NaHPO
5.0g BSA
5.0ml Tween20
転写緩衝液(5Lあたり): 15.13g Trisベース
72.06g グリシン
1L 無水メタノール
dHOを添加する
40.9kDaのバンドに対応するシグナルがバックグラウンドシグナルを有意に上回った場合、血清は、「IgE−陽性(IgE−Positive)」と分類された。
以下の結果が得られた:
NIH/USA由来のブタクサ対照血清(レーン1〜3)およびオーストリアのヨモギアレルギー患者(レーン4〜22):ブロットI

オーストリアのヨモギアレルギー患者(レーン23〜44):ブロットII

USA(レーン45〜58)およびオーストリア(レーン59〜63)のヨモギ感受性患者:ブロットIII

ザルツブルグのヨモギアレルギー患者(レーン64〜68)およびArt v 1 T細胞患者(レーン69〜83):ブロットIV

カナダのブタクサアレルギー患者(レーン84〜107):ブロットV

カナダおよびオーストリアのブタクサアレルギー患者(レーン108〜117):ブロットVI

陰性コントロール:ブロットVII(二次抗体のみ)
試験された患者血清の結果:
オーストリアのヨモギアレルギー患者(試験された患者血清の総数=61)
IgE−陽性:36=59%
IgE−陰性:25=41%
USA、カナダおよびオーストリアのブタクサアレルギー患者(試験された患者血清の総数=56)
IgE−陽性:27=48%
IgE−陰性:29=52%
全体的結果:
ヨモギアレルギー患者由来の利用可能な血清の総数:73
IgE−陽性:36=49.4%
IgE−陰性:37=50.6%
ブタクサレルギー患者由来の利用可能な血清の総数:130
IgE−陽性:27=20.8%
IgE−陰性:103=79.2%
ヨモギ感受性患者のほぼ50%およびブタクサ感受性患者の約20%は、40.9kDaのアレルゲンに対するIgE抗体を有する。これは、このヨモギ花粉アレルゲンに対して感作された患者の比較的高い割合である。結果として、これらの患者のアレルギーの治療のためのワクチン調製物に対してこの分子を添加することは重要である。アレルギー治療のための新規なアプローチは、患者に仕立てたワクチン調製物という方向に向かっている。
図1.A、図1.B、図1.Cおよび図1.Dは、クローンM4、M6、M8およびM15のヌクレオチド配列(配列番号6、7、8および9)のアラインメントを示す。コンセンサス配列における大文字は、4つのクローンにおける同一のヌクレオチドを示す。 図2は、クローンM4、M6、およびM15のコード領域のヌクレオチド配列(配列番号2に加えて終止コドン)および推定アミノ酸配列(配列番号1)を示す。 図3は、クローンM8のコード領域のヌクレオチド配列(配列番号3に加えて終止コドン)および推定アミノ酸配列(配列番号1)を示す。 図4は、実施例2に用いられるプラスミド「pHis−パラレル2(pHis−Parallel2)」のマルチクローニング部位の構造を示す。また、6×Hisタグ、スペーサー領域およびプロテアーゼ切断部位をコードするアミノ酸を示す。 図5Aは、ゲル電気泳動で分離して、その後にクマシー染色したヨモギ花粉抽出物、精製されたヨモギ花粉アレルゲン、およびブタクサ花粉から精製されたAmb a 1を示す。図5Bは、ウサギ抗Amb a 1抗体を用いたイムノブロットを示す(実施例3および4を参照のこと)。 図6は、IgE抗体を用いたイムノブロットを示す(実施例3および4を参照のこと)。 図7は、SDS−PAGE後のクマシー染色したゲルを示す。レーン1(左):分子量マーカーRPN 756(Amersham Biosciences);レーン2(真ん中):ヨモギ花粉抽出物;レーン3(右):精製された組み換え40.9kDaヨモギ花粉タンパク質、最大3μg(実施例5を参照のこと)。

Claims (16)

  1. 配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつヨモギ花粉に対してアレルギー性である個体由来のIgE抗体に結合し得るポリペプチドからなるアレルゲン。
  2. ポリペプチドが配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のアレルゲン。
  3. ブタクサ花粉に対してアレルギー性である個体由来のIgE抗体に結合し得ることを特徴とする請求項1または2に記載のアレルゲン。
  4. a)配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
    b)請求項1に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    )配列番号2に示されるヌクレオチド配列または配列番号3に示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;および
    d)配列番号2に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつヨモギ花粉に対してアレルギー性である個体由来のIgE抗体に結合し得るポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    からなる群より選択されるポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドの相補鎖。
  5. 請求項に記載のポリヌクレオチドを含む、プラスミドまたはベクター。
  6. 請求項に記載のプラスミドもしくはベクター、および/または請求項に記載のポリヌクレオチドを含む細胞。
  7. 植物細胞、細菌細胞および酵母細胞からなる群より選択される、請求項に記載の細胞。
  8. ポリペプチドの発現に適切な条件下で請求項またはに記載の細胞を培養する工程と、該ポリペプチドを引き続いて回収する工程とを包含する、請求項1〜のいずれか1項に記載のアレルゲンの調製方法。
  9. 細胞が開口されて、かつ前記ポリペプチドがアフィニティークロマトグラフィーを用いて回収される、請求項に記載の方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のアレルゲンに結合し得る抗体。
  11. Amb a I.1、Amb a I.2、Amb a I.3、およびAmb a 2からなる群より選択されるポリペプチドのうちの1または数個に結合し得る、請求項1に記載の抗体。
  12. Amb a I.1、Amb a I.2、Amb a I.3、およびAmb a 2からなる群より選択されるポリペプチドのうちのいずれにも結合しない、請求項1に記載の抗体。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載のアレルゲン、および/または請求項に記載のポリヌクレオチド、および/または請求項1〜1のいずれか1項に記載の抗体を含む、医薬組成物。
  14. アレルギー疾患の治療または予防または診断のための医薬の調製のための、請求項1〜のいずれか1項に記載のアレルゲン、または請求項に記載のポリヌクレオチド、または請求項1〜1のいずれか1項に記載の抗体の使用。
  15. 前記医薬が脱感作されるべき個体に投与される、請求項1に記載の使用。
  16. 請求項1〜のいずれか1項に記載のアレルゲン、および/または請求項に記載のポリヌクレオチド、および/または請求項1〜1のいずれか1項に記載の抗体を含む、アレルギー疾患の診断、治療および/または予防のために有用なキット。
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