JP4400670B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射弁に関する。
従来から、図7に示すように、噴孔130を開閉する弁部材(ニードル)140を収容するノズル孔120を、噴孔130から噴射する高圧燃料を蓄積する燃料溜り室180と、ニードル140の開閉動作を制御する高圧燃料を蓄積する圧力制御室190とに区画するシリンダ200を有する燃料噴射弁100が知られている(特許文献1参照)。
この燃料噴射弁100に備えられているシリンダ200は、略円筒状に形成されており、このシリンダ200の一端部をノズル孔120の反噴孔側壁面340に当接させるとともに、内周壁にニードル140を摺動可能に挿入させることにより、シリンダ200の内周側に圧力制御室190を形成し、シリンダ200の外側に燃料溜り室180を形成する。圧力制御室190の圧力を制御することにより、ニードル140の開閉動作を制御して、噴孔130からの燃料噴射の断続を制御する。シリンダ200の他端部には、シリンダ200を上記壁面340に当接させるためのスプリング160を支持するスプリング座250が形成されている。
また、ノズル孔120の壁面340には、燃料溜り室180に高圧燃料を供給するための燃料通路310が開口している。ニードル140が噴孔を開閉する度に、燃料通路310から高圧燃料が燃料溜り室180に供給される。
特表2003−506622号公報
上記シリンダ200は、上述したように燃料溜り室180と圧力制御室190とを区画する必要があるため、上記壁面340にシリンダ200の一端部をスプリング160などで押し付けて置く必要がある。この一端部は、面圧を高めるために面積が小さくなっている。シリンダ200の他端部には、上記スプリング160を支持するスプリング座250が形成されている。
このため、シリンダ200の一端部の外径は、他端部の外径よりも小さくなっている。シリンダ200の内径は、一端部から他端部にかけて一定である。シリンダ200の外周壁には、図7に示すように、外径のみが変化している部位(段差部)230が形成される。
従来技術では、この段差部230は、図7に示すように、ノズル孔120の壁面340の真下に位置している。このため、壁面340に開口している燃料通路310から高圧燃料が供給されると、この燃料流がシリンダ200の上記段差部230に衝突し、シリンダ200が下方(シリンダ200の一端部が壁面340から離れる方向)に移動する可能性がある。
シリンダ200が壁面340から離れると、燃料溜り室180と圧力制御室190とが連通し、圧力制御室190の圧力を所望の圧力に調整できなくなる。その結果、ニードル140の開閉動作を精度良く制御できなくなる。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ノズル孔に収容されるシリンダの不安定な動作を抑制し、精度良く燃料噴射を制御できる燃料噴射弁を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、先端に噴孔(13)が形成され、内部に噴孔(13)と連通するノズル孔(12)が形成され、さらにノズル孔(12)の反噴孔側壁面(34)に開口する燃料通路(31)により噴孔(13)から噴射される高圧燃料をノズル孔(12)に供給するハウジング(11、30)と、ノズル孔(12)に収容され、噴孔(13)を開閉する弁部材(14)と、ノズル孔(12)の反噴孔側壁面(34)に一端部を当接させるとともに、弁部材(14)の一端部が摺動可能に挿入される内周壁を有するシリンダ(20)とを、備え、シリンダ(20)は、ノズル孔(12)を、燃料通路(31)から供給される高圧燃料を蓄積する燃料溜り室(18)と、弁部材(14)の開閉動作を制御する高圧燃料を蓄積する圧力制御室(19)とに区画する燃料噴射弁において、シリンダ(20)の外周壁には、燃料通路(31)から供給される高圧燃料の燃料流をシリンダ(20)の外周側へ逃がす逃がし面(27)が形成されており、さらに、シリンダ(20)は、小径部(21)と大径部(22)とを有し、小径部(21)は端部に反噴孔側壁面(34)に当接する当接部(24)を有し、大径部(22)は端部にシリンダ(20)を反噴孔側壁面(34)に押付けるスプリング(16)を支持するスプリング座(25)を有し、逃がし面(27)は、小径部(21)の外周壁であり、小径部(21)と大径部(22)との間には、段差部(23)が形成され、逃がし面(27)の長さは、ノズル孔(12)の反噴孔側壁面(34)に開口する燃料通路(31)の開口部(37)の開口径をdとし、燃料通路(31)の開口部(37)から、段差部(23)における開口部(37)からノズル孔(12)に供給される高圧燃料のうち、流速が最も速い高圧燃料が衝突する位置までの距離をxとした場合、x≧3dを満たす長さとなっていることを特徴としている。
この構成によれば、シリンダの外周壁には、ノズル孔の反噴孔側壁面に形成された燃料通路から供給される高圧燃料の燃料流をシリンダの外周側へ逃がす逃がし面が形成されているので、高圧燃料の燃料流がシリンダの外周壁に衝突しても、この燃料流を受け流すことができる。その結果、シリンダの一端部がノズル孔の反噴孔側壁面から離れることを抑制でき、弁部材の開閉動作を精度良く制御できる。また、シリンダは、端部にノズル孔の反噴孔側壁面と当接する当接部を有する小径部と、端部にシリンダを反噴孔側壁面に押し付けるスプリングを支持するスプリング座を有する大径部とを有しているので、スプリングを支持できるとともに、当接部とノズル孔の反噴孔側壁面との面圧を高め、シリンダと反噴孔側壁面との密着度を高めることができる。加えて、逃がし面は、上記小径部の外周壁面であるため、小径部と大径部との間の外径が変化する部位、すなわち、燃料通路から供給される高圧燃料の燃料流を受けやすい部位(段差部)を反噴孔側壁面に形成された燃料通路の開口から遠ざけることができ、シリンダの当接部がノズル孔の反噴孔側壁面から離れることを抑制できる。さらに、逃がし面の長さは、反噴孔側壁に開口する燃料通路の開口部から、段差部における燃料通路の開口部からノズル孔に供給される高圧燃料のうち、流速が最も速い高圧燃料が衝突する位置までの距離xをノズル孔の反噴孔側壁面に開口する燃料通路の開口部の開口径dの3倍以上となるような長さとなっているので、段差部が開口部からの高圧燃料の燃料流を受けてもシリンダの一端部がノズル孔の反噴孔側壁面から離れてしまうのを効果的に抑制することができる。ここで、請求項に記載の開口径dは、ノズル孔の反噴孔側壁面に開口する燃料通路の開口部と等価な円管の直径、水力等価直径を意味している。
請求項2に記載の発明によれば、逃がし面は、シリンダの外周壁全周に渡って形成されていることを特徴としている。この構成によれば、シリンダをノズル孔に収容させる際、燃料通路と、シリンダに形成された逃がし面との位置を合わせる作業を省略でき、組み付け作業が容易になる。
請求項に記載の発明によれば、前記小径部(21)と前記大径部(22)との間に形成される前記段差部(23)は、前記小径部(21)から前記大径部(22)に向かって外径が徐々に大きくなるように形成されていることを特徴としている。この構成によれば、小径部と大径部との間に形成される段差部は、小径部から大径部に向かって外径が徐々に大きくなるようになっているので、燃料通路から供給される高圧燃料の燃料流を受けても、その燃料流を受け流すことができる。
本発明が適用された燃料噴射弁の第1実施形態を図1および図2を参照して説明する。本実施形態の燃料噴射弁の全体構成を図1に示す。この燃料噴射弁1は、例えば、ディーゼルエンジン用の蓄圧式燃料噴射装置に用いられるものであり、図示しない蓄圧装置(コモンレール)から供給される高圧燃料をエンジン燃焼室に噴射するものである。燃料噴射弁1は、図1に示すように、噴射ノズル10、オリフィスプレート30、バルブボデー40、制御弁43、ロアボデー50、ピエゾアクチュエータ52、駆動力伝達部53などから構成されている。燃料噴射弁1は、下方から噴射ノズル10、オリフィスプレート30、バルブボデー40、ロアボデー50の順で積層され、互いにリテーニングナット60により締結されている。
噴射ノズル10は、ノズルボデー11とニードル14とシリンダ20とコイルスプリング16とから構成されている。ノズルボデー11には、上端から下端近傍にかけてノズル孔12が形成されている。ノズルボデー11の上端にオリフィスプレート30を配置させることにより、ノズル孔12は閉ざされた空間となる。ノズルボデー11の下端部には、ノズル孔12とノズルボデー11の外壁とが貫通する噴孔13が形成されている。ノズル孔12には、ニードル14、コイルスプリング16、およびシリンダ20が収容される。
ニードル14は、請求項に記載の弁部材に相当するものであり、略棒状に形成されている。その先端には、上記ノズル孔12の下端部に離着座することにより噴孔13からの燃料噴射を制御する弁体部15が形成されている。弁体部15の反対側の端部には、ニードル14を軸方向に摺動可能に支持する略円筒状に形成されたシリンダ20が設けられる。シリンダ20の構造については後ほど説明する。
ニードル14の、上端部と下端部(弁体部15)との間には、段差が形成されており、その段差には、コイルスプリング16の下端部を支持する支持リング17が設けられる。コイルスプリング16の上端部は、シリンダ20に支持される。コイルスプリング16は、支持リング17とシリンダ20との間に、ある程度軸方向に圧縮された状態で配置される。これにより、シリンダ20は、オリフィスプレート30の下端面34(請求項に記載のノズル孔の反噴孔側壁面に相当)に押し付けられ、ニードル14は、下方(閉弁方向)に押し付けられる。
ノズル孔12にニードル14、コイルスプリング16、およびシリンダ20を収容することにより、ノズル孔12の内壁とニードル14およびシリンダ20の外周壁との間に燃料溜り室18が形成され、ニードル14の上端部、シリンダ20の内周壁、およびオリフィスプレート30の下端面34によって圧力制御室19が形成される。
燃料溜り室18は、噴孔13から噴射される高圧燃料を蓄積する空間であり、噴孔13と連通している。ニードル14がノズル孔12の下端部に着座することにより、燃料溜り室18と噴孔13との連通が遮断され、噴孔13からの燃料噴射が停止する。ニードル14が下端部から離座すると燃料溜り室18と噴孔13とが連通し、噴孔13から燃料噴射が行われる。
圧力制御室19は、ニードル14の軸方向の移動を制御する高圧燃料を蓄積する空間である。圧力制御室19に供給された燃料は、ニードル14の上端部に作用することにより、ニードル14を下方に押し付ける。ニードル14の軸方向の移動を制御する方法については後ほど説明する。
オリフィスプレート30は、略円盤状に形成され、ノズルボデー11とバルブボデー40との間に配置される。オリフィスプレート30には、燃料通路31(請求項に記載の燃料通路に相当)、第1連通路32、および第2連通路33が、このプレート30の両端面を貫通するように形成されている。
燃料通路31は、蓄圧装置内の高圧燃料を燃料溜り室18に供給するための通路であり、バルブボデー40およびロアボデー50を軸方向に貫くようにして形成されている。ロアボデー50に形成された燃料通路31の開口は、蓄圧装置に接続される。
第1連通路32は、燃料溜り室18と後述するバルブボデー40に形成された弁室41とを接続する通路である。オリフィスプレート30の下端面34には、略円環状の溝が形成されており、その溝の底部に燃料通路31と第1連通路32とが接続されている。第2連通路33は、圧力制御室19と上記弁室41とを接続する通路である。
バルブボデー40は、略円盤状に形成され、オリフィスプレート30とロアボデー50との間に配置される。バルブボデー40には、オリフィスプレート30と接する下端面に開口する弁室41が形成されている。弁室41の下端面には、上述の第1、第2連通路32、33が開口している。弁室41の上端面には、後述するロアボデー50に形成された縦孔51と接続する第3連通路42が開口している。
弁室41には、第1、第2、第3連通路32、33、42の燃料の流れを制御する制御弁43とコイルスプリング46が収容されている。制御弁43は、上側に低圧側シート44が形成され、下側に高圧側シート45が形成されている。
低圧側シート44が弁室41の上端面に着座すると、第3連通路42の開口が塞がれ、燃料溜り室18、第1連通路32、弁室41、第2連通路33、圧力制御室19を結ぶ第1の経路が形成され、燃料溜り室18の高圧燃料が、圧力制御室19に供給される。
一方、高圧側シート45が弁室41の下端面に着座すると、第1連通路32の開口が塞がれるとともに、第3連通路42の開口が開放される。これにより、圧力制御室19、第2連通路33、弁室41、第3連通路42、ロアボデー50の縦孔51を結ぶ第2の経路が形成され、圧力制御室19内の高圧燃料が低圧である縦孔51に排出される。その結果、圧力制御室19の圧力が低下する。このように制御弁43が操作されることにより、圧力制御室19の圧力を調整することができる。
ロアボデー50は、軸方向に形成された縦孔51内にピエゾアクチュエータ52および駆動力伝達部53を収容して、下端面にバルブボデー40を支持する。ピエゾアクチュエータ52は、PZTなどの圧電セラミック層と電極層とを交互に積層したものであり、図示しない駆動回路により充放電することにより、積層方向(上下方向)に伸縮する。なお、縦孔51は、図示しない通路を介して、燃料タンクなどの低圧側に接続されている。
駆動力伝達部53は、ピエゾアクチュエータ52の下側に配置され、ピエゾアクチュエータ52の変位を第3連通路42内に収容されるピン54を介して制御弁43に伝達するものである。
ピエゾアクチュエータ52が充電されると、ピエゾアクチュエータ52は伸長する。駆動力伝達部53は、ピエゾアクチュエータ52の変位を、ピン54を介して制御弁43に伝達する。制御弁43は、ピン54によって下方に押され、低圧側シート44が弁室41の上端面から離座するとともに、高圧側シート45が弁室41の下端面に着座し、第1連通路32の開口が塞がれる。これにより、圧力制御室19の高圧燃料が第2の経路を介して低圧側に排出される。
ピエゾアクチュエータ52が放電されると、ピエゾアクチュエータ52は収縮する。制御弁43およびピン54は、ピエゾアクチュエータ52が収縮すると、コイルスプリング46の付勢力により上方に移動する。制御弁43が上方に移動することにより、高圧側シート45が弁室41の下端面から離座するとともに、低圧側シート44が弁室41の上端面に着座し、第3連通路42の開口が塞がれる。これにより、圧力制御室19に第1の経路を介して燃料溜り室18の高圧燃料が供給される。
次に、上記構成を有する燃料噴射弁1の作動を説明する。ピエゾアクチュエータ52が放電され、制御弁43が第3連通路42の開口を塞いでいるときに、蓄圧装置から燃料噴射弁1に高圧燃料が供給されると、その高圧燃料は、燃料通路31を介して燃料溜り室18に供給されるとともに、第1連通路32、弁室41、第2連通路33を介して圧力制御室19にも供給される。
このとき、ニードル14には、圧力制御室19の高圧燃料がニードル14の上端面に作用してニードル14を下方(閉弁方向)へ押し付ける力、コイルスプリング16の付勢力によってニードル14を下方へ押し付ける力、および燃料溜り室18の高圧燃料が弁体部15近傍に作用してニードル14を上方(開弁方向)へ押し上げる力が働いているが、ニードル14を下方へ押し付ける力が上回っているので、弁体部15は、ノズル孔12の下端部に着座し、噴孔13から燃料は噴射されない。
ピエゾアクチュエータ52が充電されると、制御弁43は、ピン54によって下方に押され、高圧側シート45が第1連通路32の開口を塞ぐとともに、低圧側シート44が第3連通路42の開口を開放する。すると、圧力制御室19の高圧燃料は、上記第2の経路を介して低圧側に排出され、圧力制御室19の圧力が低下し始める。
圧力制御室19の圧力が開弁圧力まで低下すると、ニードル14を上方へ押し上げる力が上回り、ニードル14が上方にリフトして弁体部15がノズル孔12の下端部から離座し、噴孔13から燃料が噴射される。
ピエゾアクチュエータ52が再び放電されると、制御弁43は、第3連通路42の開口を塞ぐとともに、第1連通路32の開口を開放する。すると、燃料溜り室18の高圧燃料が、上記第1の経路を介して再び圧力制御室19に供給され、圧力制御室19の圧力が上昇する。
圧力制御室19の圧力が閉弁圧力まで上昇すると、ニードル14を下方へ押し付ける力が上回り、ニードル14が下方に移動し、ノズル孔12の先端部に着座し、噴孔13からの燃料噴射が終了する。
次に、本実施形態における特徴部分を、図2を参照して詳細に説明する。図2は、シリンダ20近傍の燃料噴射弁1の要部断面図である。
図2に示すように、シリンダ20は、略円筒状に形成され、比較的外径の小さい小径部21と小径部21よりも外径が大きい大径部22から構成されている。
小径部21の端部には、オリフィスプレート30の下端面34(ノズル孔12の上端面)に当接する当接部24が形成されている。大径部22の端部には、コイルスプリング16の座となるスプリング座25が形成されている。スプリング座25部分の肉厚は、コイルスプリング16を支持する必要があるため、コイルスプリング16の素線径とほぼ同じかそれ以上となっている。これに対し、当接部24部分の肉厚は、スプリング座25部分の肉厚よりも薄くなっている。このため、当接部24を下端面34に当接させたときの面圧を高めることができ、シリンダ20とオリフィスプレート30との密着度を高めることができる。
シリンダ20の内周壁には、ニードル14の上端部を摺動可能に支持するガイド面26が形成されている。ガイド面26の直径は、当接部24からスプリング座25にかけてほぼ一定となっている。
シリンダ20の外周壁には、小径部21と大径部22との間に段差部23が形成される。この段差部23は、小径部21から大径部22に向かうに従い、シリンダ20の外径が徐々に大きくなるような傾斜面となっている。
また、小径部21の外周壁には、オリフィスプレート30の下端面34に開口した燃料通路31から供給される高圧燃料の燃料流をシリンダ20の外周側に逃がす逃がし面27が形成される。逃がし面27の作用効果については後ほど説明する。
次に、上記構成を有するシリンダ20の作用効果について説明する。上述したように、制御弁43を操作することにより圧力制御室19の圧力を閉弁圧力まで低下させ、ニードル14を上方に移動させると、弁体部15がノズル孔12の下端部から離座し、噴孔13から高圧燃料が噴射される。燃料溜り室18内の燃料量は、少なくとも噴孔13から噴射された燃料分は減少する。燃料溜り室18には、燃料通路31を介して新たな高圧燃料が図2中の矢印で示すように供給される。
燃料通路31から供給される燃料の燃料流は、小径部21の外周壁に形成されている逃がし面27に衝突し、その後、シリンダ20の外周側に逃げていく。図2に示すように、逃がし面27は、その面が、燃料流の流線とほぼ平行であるので、燃料流が逃がし面27に衝突したとしても、燃料流の流線と逃がし面27のなす角度は、非常に小さく、燃料流の運動エネルギーを受け流すことができる。逃がし面27は、燃料流が衝突することにより発生するシリンダ20を下方に移動させようとする力を抑制できる。
これにより、シリンダ20の当接部24をオリフィスプレート30の下端面34に安定して当接させておくことができる。その結果、圧力制御室19の圧力の制御性が向上するので、ニードル14の開閉動作を精度良く制御することができる。
また、逃がし面27は、軸方向に延びる面であるため、小径部21と大径部22との間に形成される段差部23を燃料通路31から遠ざけることができる。燃料通路31から噴出する燃料流の運動エネルギーは、段差部23に到達するまでに低減されるので、燃料流が段差部23に衝突することにより発生するシリンダ20を下方に移動させようとする力を抑制できる。
また、この段差部23は、小径部21から大径部22に向かって外径が大きくなるような傾斜面であるため、この部分自体でも燃料流の運動エネルギーを受け流すことができる。
また、上記逃がし面27は、シリンダ20の外周壁全周に渡って形成されているので、シリンダ20をノズル孔12に収容させる際、逃がし面27と燃料通路31との位置を合わせる作業を省略でき、組み付け作業が容易になる。
本実施形態では、制御弁43を操作する駆動機構として、ピエゾアクチュエータ52とピエゾアクチュエータ52の変位を伝達する駆動力伝達部53とを採用しているが、駆動機構として、電磁アクチュエータを採用しても良い。
また、本実施形態の制御弁43は、いわゆる2位置3方弁タイプの弁であるが、2位置2方弁タイプの弁であっても良い。
次に、ノズル孔12に開口する燃料通路31の開口部37の開口径と、この開口部37からシリンダ20の段差部23までの距離との関係を図3ないし図5に基づいて説明する。
本実施形態では、図3および図4に示すように、燃料通路31の通路径は、シリンダ20の小径部21の外周壁とノズル孔12の内壁との距離よりも大きい。このため、燃料通路31の開口端部36の一部がノズルボデー11と重なる。このため、ノズル孔12に開口する燃料通路31の開口部37の通路面積は、開口端部36の通路面積よりも小さくなる。開口部37の形状は、開口端部36の一部がノズルボデー11と重なるため、図4に示すように円形ではなく、円形の一部がノズル孔12の内壁によって切り取られた形状となる(シリンダ20とノズル孔12との間に図示される斜線で示す部分)。
図3に示すように、小径部21の軸方向長さを長くすることにより、逃がし面27を長くすることができる。また、小径部21の軸方向長さを長くすることにより段差部23を開口部37から遠ざけることができ、開口部37から噴出する燃料流の影響を小さくすることができる。その結果、シリンダ20の当接部24がオリフィスプレート30の下端面34から離れてしまうのを抑制することができる。
このことを図5のグラフに示す。図5は、開口部37の開口径dと開口部37から段差部23までの距離xとの比x/dと、シリンダ20の段差部23が受ける荷重Fと開口部37直下における燃料流の衝突荷重Fとの比との関係を示したグラフである。
ここで、開口径dは、開口部37と等価な円管の直径、つまり水力等価直径を意味している。具体的には、開口部37の開口面積をA、開口部37の濡れ縁長さをLとしたとき、下記の数式1により求められる。
Figure 0004400670
距離xは、開口部37から、段差部23における開口部37から噴出される燃料流のうち、流速が最も速い燃料流が衝突する位置までの距離となっている。本実施形態では、距離xは、図3に示すように開口部37から段差部23の大径部22側の端部までの距離となっている。また、燃料流の衝突荷重Fは、下記の数式2により求められる。この数式2において、ρは燃料の密度であり、uは開口部37における燃料の流速となっている。
Figure 0004400670
また、段差部23が受ける荷重Fは、段差部23における圧力分布を積算した値となっている。段差部23における圧力分布は、シミュレーション等により求められた値を利用している。
図5に示すように、x/dの値が大きくなるほど、F/Fの値が小さくなる。つまり、シリンダ20は、ある開口径dに対して距離xが大きくなるほど、開口部37から噴出される燃料流の影響が小さくなる。
また、図5に示すグラフによれば、x/dが2以上となると、F/Fの値が急激に低下する。そして、x/dが3を超えると、つまり、x≧3dを満たした範囲では、F/Fの値が低い値0.4未満で安定する。このため、距離xは、3d以上とすることが好ましい。
(第2実施形態)
図6に第2実施形態を示している。第1実施形態と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。
図6に示す第2実施形態では、燃料通路31aが第1実施形態のものと異なる。燃料通路31aの開口端部36aの直径は、シリンダ20の小径部21の外周壁とノズル孔12の内壁との距離とほぼ同じか、それよりも小さい。また、燃料通路31aの外周側内壁、およびノズル孔12の内壁のノズル孔12の中心軸からの距離がほぼ一致している。
このため、燃料通路31aの開口端部36aは、第1実施形態のように開口端部36aの一部がノズルボデー11と重ならない。このため、ノズル孔12に開口する燃料通路31aの開口部37aの開口面積Aは、開口端部36aの通路面積とほぼ同じとなる。その結果、請求項に記載の開口部の開口径dは、燃料通路31aの開口端部36aおよび開口部37aの直径とほぼ同じとなる。
この場合においても、段差部23に作用する力は、図5と同様の傾向を示す。このため、x≧3dを満たす範囲で開口部37aから噴出される燃料流の影響を小さくなり、シリンダ20の当接部24がオリフィスプレート30の下端面34から離れてしまうのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態における燃料噴射弁の断面図である。 第1実施形態における燃料噴射弁の要部断面図である。 第1実施形態における燃料噴射弁の要部断面図である。 図3中のIV−IV線の断面図である。 燃料通路の開口部の開口径dと開口部からシリンダの段差部までの距離xとの比x/dと、段差部が受ける荷重Fと開口部直下における燃料流の衝突荷重Fとの比との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における燃料噴射弁の要部断面図である。 従来技術における燃料噴射弁の断面図である。
符号の説明
1 燃料噴射弁、10 噴射ノズル、11 ノズルボデー(ハウジング)、12 ノズル孔、13 噴孔、14 ニードル(弁部材)、16 コイルスプリング、18 燃料溜り室、19 圧力制御室、20 シリンダ、27 逃がし面、30 オリフィスプレート(ハウジング)、31 燃料通路、34 下端面(ノズル孔の反噴孔側壁面)、43 制御弁

Claims (3)

  1. 先端に噴孔(13)が形成され、内部に前記噴孔(13)と連通するノズル孔(12)が形成され、さらに前記ノズル孔(12)の反噴孔側壁面(34)に開口する燃料通路(31)により前記噴孔(13)から噴射される高圧燃料を前記ノズル孔(12)に供給するハウジング(11、30)と、
    前記ノズル孔(12)に収容され、前記噴孔(13)を開閉する弁部材(14)と、
    前記ノズル孔(12)の前記反噴孔側壁面(34)に一端部を当接させるとともに、前記弁部材(14)の一端部が摺動可能に挿入される内周壁を有するシリンダ(20)とを、備え、
    前記シリンダ(20)は、前記ノズル孔(12)を、前記燃料通路(31)から供給される前記高圧燃料を蓄積する燃料溜り室(18)と、前記弁部材(14)の開閉動作を制御する高圧燃料を蓄積する圧力制御室(19)とに区画する燃料噴射弁において、
    前記シリンダ(20)の外周壁には、前記燃料通路(31)から供給される高圧燃料の燃料流を前記シリンダ(20)の外周側へ逃がす逃がし面(27)が形成されており、
    さらに、前記シリンダ(20)は、小径部(21)と大径部(22)とを有し、前記小径部(21)は端部に前記反噴孔側壁面(34)に当接する当接部(24)を有し、前記大径部(22)は端部に前記シリンダ(20)を前記反噴孔側壁面(34)に押付けるスプリング(16)を支持するスプリング座(25)を有し、
    前記逃がし面(27)は、前記小径部(21)の外周壁であり、
    前記小径部(21)と前記大径部(22)との間には、段差部(23)が形成され、
    前記逃がし面(27)の長さは、前記ノズル孔(12)の前記反噴孔側壁面(34)に開口する前記燃料通路(31)の開口部(37)の開口径をdとし、前記燃料通路(31)の前記開口部(37)から、前記段差部(23)における前記開口部(37)から前記ノズル孔(12)に供給される高圧燃料のうち、流速が最も速い高圧燃料が衝突する位置までの距離をxとした場合、x≧3dを満たす長さとなっていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記逃がし面(27)は、前記シリンダ(20)の外周壁全周に渡って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記小径部(21)と前記大径部(22)との間に形成される前記段差部(23)は、前記小径部(21)から前記大径部(22)に向かって外径が徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁
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