以下、図面とともに本発明に係る移動通信端末、通信装置、移動通信方法及び通信方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に、本実施形態に係る移動通信端末10及び固定通信装置20の構成を示す。移動通信端末10は、複数の通信網N1,N2に接続して、それぞれ方式が異なる複数の無線通信を行うことができる装置であり、具体的には携帯電話機等に相当する。移動通信端末10が接続できる通信網としては、例えば、電話網N1及びインターネットN2等がある。後述するように電話網N1には移動体通信(W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access))により、インターネットN2には無線LAN(LocalArea Network)を介して接続される。
移動通信端末10は、また、上記の無線通信のPPPによる通信リンクを通信相手との間に確立して、当該通信リンクを通じて通信相手との間でパケットの送受信を行うことができる。図1に示すように、具体的には例えば、移動通信端末10は、有線により通信網N1,N2に接続されている固定通信装置20との間で通信リンクを確立してパケットを送受信することができる。ここで、移動通信端末10と固定通信装置20との間には、より詳細には後述するようにそれぞれ方式が異なる無線通信のPPPによる通信リンクが確立されうる。即ち、本実施形態における通信システムは、マルチリンクPPP通信システムに準じた構成をとる。
固定通信装置20は、複数の通信網N1,N2に有線により接続されており、それらの通信網N1,N2に接続して、それぞれ方式が異なる複数の通信を行うことができる通信装置であり、具体的には例えば、PPPアクセスサーバに相当する。固定通信装置20は、上記のように、移動通信端末10との間で通信網N1,N2を経由したPPPによる通信リンク(PPP接続)を確立して、当該通信リンクを用いて通信を行う。
続いて、移動通信端末10及び固定通信装置20のより詳細な機能構成を説明する。図1に示すように、移動通信端末10は、W−CDMA通信モデム11と、無線LANアダプタ12と、L2TP(レイヤ2トンネリングプロトコル)仮想デバイス13と、PPPデバイス14と、IP層15と、有効無線LAN探索部16と、無線LAN電波強度測定部17とを備える。なお、移動通信端末10は、通常、上記の機能的な構成要素以外にも、携帯電話機等としての構成要素等も有している。固定通信装置20は、ISDNモデム21と、Ethernet(登録商標)アダプタ22と、L2TP仮想デバイス23と、PPPデバイス24と、IP層25とを備える。
W−CDMA通信モデム11は、W−CDMA方式による無線通信を行い、当該無線通信のPPPによる通信リンクを固定通信装置20との間に確立する無線アクセス手段である。具体的には、W−CDMA通信モデム11は、W−CDMA方式による無線通信により電話網N1に接続して電話網N1を通じて、電話網N1に接続された固定通信装置20にPPP接続要求を送信してPPPによる通信リンク(PPP接続)を確立する。固定通信装置20では、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム21が、電話網N1に接続する機能を有しており、W−CDMA通信モデム11からのPPP接続要求を受け付けて、W−CDMA通信モデム11との間で通信リンクを確立する処理を行う。即ち、固定通信装置20が備えるISDBモデム21は、ISDN方式による通信のPPPによる通信リンクを、移動通信端末との間に確立する通信手段である。ISDBモデム21には、固定通信装置20に係るIPアドレスが設定されている。なお、通信リンクの確立の際、W−CDMA通信モデム11は、所定のIPアドレスを取得する。W−CDMA通信モデム11により確立された通信リンクは、PPPデバイス14により集約されて管理される。
無線LANアダプタ12は、無線LANの方式により無線通信を行い、(無線LANを通じて)インターネットN2に接続する無線アクセス手段の一機能である。無線LANアダプタ12は、インターネットN2からIPアドレスを取得する。IPアドレスの取得は、IP層15からのDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)等のプロトコルが用いられた制御により行われる。このIPアドレスは、後述するようにPPPによる通信リンクを確立するために取得される。
L2TP仮想デバイス13は、無線LANアダプタ12により取得されたIPアドレスを用いて固定通信装置20との間にL2TPトンネリング(L2トンネリング)を確立して、当該L2TPトンネリングを経由したPPPによる通信リンクを確立する無線アクセス手段の一機能である。具体的には、L2TP仮想デバイス13は、無線LANアダプタを介して、インターネットN2を通じて、インターネットN2に接続された固定通信装置20にL2TP接続要求を送信してL2TPトンネリングを確立する。固定通信装置20では、L2TP仮想デバイス23が、インターネットN2と接続するEthernetアダプタ22を介して、移動通信端末10からのL2TP接続要求を受け付けて、L2TP仮想デバイス13との間でL2TPトンネリングを確立する処理を行う。
続いて、L2TP仮想デバイス13とEthernetアダプタ22との間で、確立されたL2TPトンネリングを経由したPPPによる通信リンクを確立する処理が行われる。なお、通信リンクの確立の際、L2TP仮想デバイス23は、W−CDMA通信モデム11により取得されるIPアドレスと同じIPアドレスを取得する(無線LANアダプタ12により取得されるIPアドレスとは異なる)。これは、複数の通信リンクを1つのPPPデバイス14にて集約するためである。L2TP仮想デバイス13により確立された通信リンクは、PPPデバイス14により集約されて管理される。
即ち、固定通信装置20が備えるEthernetアダプタ22は、Ethernetの方式により通信を行い、インターネットN2に接続する通信手段の一機能である。Ethernetアダプタ22には、固定通信装置20に係るIPアドレスが設定されている。また、固定通信装置20が備えるL2TP仮想デバイス23は、Ethernetアダプタ22に接続されており、上述したように、Ethernetアダプタ22に設定されたIPアドレスを用いて移動通信端末10との間にL2TPトンネリング(L2トンネリング)を確立して、当該L2TPトンネリングを経由したPPPによる通信リンクを確立する通信手段の一機能である。
上記のように、移動通信端末10では、W−CDMA通信モデム11により確立される通信リンクと、無線LANアダプタ12及びL2TP仮想デバイス13により確立される通信リンクとの2つのPPPによる通信リンクが確立されうる。
なお、W−CDMA通信モデム11によりPPPによる通信リンク(第1の通信リンク)が確立されている際に、L2TP仮想デバイス13が通信リンク(第2の通信リンク)を確立する場合には、通常のPPP接続とは異なり、LCP(Link Control Protocol)のステップだけを行い、認証及びNCP(Network Control Protocol)は省略する。
PPPデバイス14は、複数の無線アクセス手段により確立された通信リンクを集約する集約手段である。これにより、PPPによる複数の通信リンクで、同じIPアドレスを供給できる。なお、複数の通信リンクの集約については、マルチリンクPPPと同様に行われる。
PPPデバイス14は、IP層15から入力されたパケットを、確立されている何れかの通信リンクを通じて固定通信装置20に送信すると共に、確立されている何れかの通信リンクを通じて固定通信装置20から受信したパケットを受け付けてIP層15に出力する。PPPデバイス14は、各無線アクセス手段(シリアル通信デバイス)11,12,13を介してパケットを送受信する。従って、PPPデバイス14が、複数のシリアル通信デバイスへのポインタを保持することで複数の通信経路を利用できる。また、シリアル通信デバイスの全てが共通のPPPデバイス14へのポイントを保持しており、何れの通信リンクから来たパケットも一つのPPPデバイス14で受信できる。PPPデバイス14は、複数の通信リンクが確立されている場合には、その中からパケットの送信に用いる通信リンクを設定する。
また、PPPデバイス14は、後述するように、無効無線LAN探索部16から、無線LANアダプタ12が通信を行うことができる無線LANのアクセスポイントが検出された旨の通知を受けると、無線LANアダプタ12及びL2TP仮想デバイス13に対して、通信リンクを確立させるように制御する制御手段でもある(IPアドレス取得のためIP層15への制御も行う)。
また、PPPデバイス14は、後述するように無線LAN電波強度測定部17から、無線LANアダプタ12及びL2TP仮想デバイス13により確立された通信リンクの電波強度の通知を受けて、当該電波強度に基づいた制御を行う。PPPデバイス14は、電波強度に基づいて当該通信リンクが無効になったことを検出する。具体的には、PPPデバイス14は、電波強度が予め定められた閾値よりも低かった場合、又は電波を受信できない状態となっていた場合に、当該通信リンクが無効になったことを検出する。即ち、PPPデバイス14は、通信リンクが無効になったことを検出する検出手段の一機能である。
PPPデバイス14は、通信リンクが無効となったことを検出した場合、パケットの送信に用いる通信リンクをW−CDMA通信モデム11による通信リンクに切り替える。即ち、PPPデバイス14は、測定された電波強度に基づいて、パケットを送信する通信リンクを切り替える切替手段である。また、PPPデバイス14は、パケットを送信する通信リンクが切り替えられた際に、固定通信装置20にその旨を通知する通知手段でもある。当該通知は、通信リンクの変更要求を切替前又は切替後の通信リンクを通じて、固定通信装置20に送信することにより行われる。更に、PPPデバイス14は、無効になったことが検出された通信リンクを除外する。
なお、上記の通信リンクの切替は、必ずしも通信リンクが無効になった場合だけでなく、測定された電波強度が予め定められた(第1の)切替用の閾値よりも高かった場合に行われてもよい。また、測定された電波強度が予め定められた(第2の)切替用の閾値よりも高く、かつその時点でW−CDMA通信モデム11による通信リンクによるパケットの送信が行われていた場合に、無線LANアダプタ12及びL2TP仮想デバイス13により確立された通信リンクに切り替えることとしてもよい。
IP層15は、IPに従った通信処理を行う手段である。具体的には、PPPデバイス14に送信するパケットを出力すると共に、受信されたパケットを入力する。また、上述したようにIPアドレスの取得等も行う。また、IP層15からPPPデバイス14へのAPI(Application Program Interface)は、パケットの送信における通信リンクの選択を選択できるものである。これにより上位の層(アプリケーション)からも送信する情報の価値及び特性に応じて、パケットの送信に用いる通信リンクが選択できる。
なお、固定通信装置20にも、PPPデバイス24及びIP層25が備えられており、移動通信端末10のPPPデバイス14及びIP層15に対応する機能を有している。即ち、PPPデバイス24は、ISDNモデム21とL2TP仮想デバイス23とに接続されており、ISDNモデム21とEthernetアダプタ22及びL2TP仮想デバイス23とにより確立された通信リンクを集約する集約手段である。
有効無線LAN探索部16は、無線LANアダプタ12が通信を行うことができる無線LANのアクセスポイント(有効な無線LANのアクセスポイント)を探索する手段である。即ち、有効無線LAN探索部16は、無線アクセス手段による無線通信が可能であることを検出する検出手段である。具体的には、有効無線LAN探索部16は、無線LANのアクセスポイントからの電波を受信しているか否かを、無線LANアダプタ12を監視しておき、上記の探索を行う。有効無線LAN探索部16は、無線LANアダプタ12が通信を行うことができる無線LANのアクセスポイントを検出するとその旨をPPPデバイス14に通知する。
なお、無線通信が可能であるかの検出は、複数の無線アクセス手段11,12のうちの少なくとも一つについて行われればよい。例えば、本実施形態では、無線LANによる無線通信が可能であるかを検出しているが、同様にW−CDMA通信モデム11による無線通信が可能であるかを検出する構成をとってもよい。
無線LAN電波強度測定部17は、無線LANアダプタ12及びL2TP仮想デバイス13により確立された通信リンクの電波強度を測定する測定手段である。無線LAN電波強度測定部17は、測定した電波強度をPPPデバイス14に通知する。電波強度の情報は、通信リンクが無効になったことの検出に用いられる。即ち、無線LAN電波強度測定部17は、確立された通信リンクが無効になったことを検出する検出手段の一機能である。また、電波強度の情報は、パケットの送信に用いられる通信リンクの切替の判断に用いられる。以上が、本実施形態に係る移動通信端末10の機能構成である。
図2に移動通信端末10のハードウェア構成を示す。図2に示すように、移動通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM103(ReadOnly Memory)、操作部104、無線通信部105、ディスプレイ106並びにアンテナ107等のハードウェアにより構成されている。なお、無線通信部105は、通常、無線通信の方式毎に設けられる。これらの構成要素が動作することにより、上述した、及び後述する移動通信端末10の各機能が発揮される。
図8に固定通信装置20のハードウェア構成を示す。図8に示すように、固定通信装置20は、CPU201、主記憶装置であるRAM202及びROM203、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール204、並びにハードディスク等の補助記憶装置205等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。これらの構成要素が、動作することにより、固定通信装置20の上述した、及び後述する機能が発揮される。
引き続いて、図3〜図5のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る移動通信端末10(及び固定通信装置20)において実行される処理(移動通信方法)について説明する。本処理は、ユーザの移動通信端末10に対する操作等をトリガとして、移動通信端末10が固定通信装置20との間でPPPによる通信リンクによりパケットの送受信を行う際に行われる。通信相手としての固定通信装置20もその際に指定される。
移動通信端末10では、W−CDMA通信モデム11によって、電話網N1を通じて固定通信装置20にPPP接続要求が送信される(S101)。固定通信装置20では、ISDNモデム21によって当該PPP接続要求が受け付けられて(S131)、移動通信端末10と固定通信装置20との間に第1のPPP接続が確立される。確立された第1のPPP接続は、PPPデバイス14によって管理される。また、この際にPPPデバイス14によって、パケットを送信する通信リンクとして第1のPPP接続が設定される。
この第1のPPP接続を利用して、移動通信端末10と固定通信装置20とは通信を開始する。しかし、W−CDMAの通信リンクの帯域は狭いため、無線LANが利用可能になったときには、帯域の広い無線LANの通信リンクに切り替えて通信をした方がよい。そのために、本実施形態では以下のような処理が行われる。
移動通信端末10では、有効無線LAN探索部16によって、有効なアクセスポイントが探索される(S102、検出ステップ)。この探索は、常時行われる。移動通信端末10が無線LANのサービスエリア内に移動し、有効無線LAN探索部16によって、有効なアクセスポイントが検出された場合、その旨が有効無線LAN探索部16からPPPデバイス14に通知される(S103、制御ステップ)。有効なアクセスポイントが検出されない場合(S103)、アクセスポイントの探索が繰り返し行われる。
PPPデバイス14に有効なアクセスポイントが検出された場合、PPPデバイス14の制御によって、以下のように第2のPPP接続が確立される処理が行われる。まず、IP層15によってDHCP等のプロトコルが用いられて、無線LANアダプタ12にIPアドレスが取得される。続いて、L2TP仮想デバイス13から固定通信装置20に、上記のIPアドレスと固定通信装置20のEthernetアダプタ22に割り当てられているIPアドレスとの間にL2TPのトンネリングを確立するためのL2TP接続要求が送信される(S104、制御ステップ)。固定通信装置20では、L2TP仮想デバイス23によって、Ethernetアダプタ22を介してL2TP接続要求が受信されて、L2TPトンネリングが確立される(S132)。
続いて、移動通信端末10では、L2TP仮想デバイス13によって固定通信装置20にL2トンネリング経由で第2のPPP接続のPPP接続要求が送信される(S105、制御ステップ)。固定通信装置20では、L2TP仮想デバイス23によって、Ethernetアダプタ22を介してPPP接続要求が受信されて、移動通信端末10と固定通信装置20との間に第2のPPP接続が確立される(S133)。ここで、第2のPPP接続に係るIPアドレスは、第1のPPP接続に係るIPアドレスと同じものである。
続いて、移動通信端末10では、PPPデバイス14によって、第2のPPP接続と第1のPPP接続とが集約される(S106、集約ステップ)。また、PPPデバイス14によって、パケットを送信する通信リンクが第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)から第2のPPP接続(無線LANの通信リンク)に切り替えられる(S107、切替ステップ)。一方で、固定通信装置20においても、PPPデバイス24によって、第2のPPP接続と第1のPPP接続とが集約される(S134、集約ステップ)。
続いて、移動通信端末10では、PPPデバイス14によって、固定通信装置20に無線LANの通信リンクへのリンク変更要求が送信される(S108、通知ステップ)。固定通信装置20では、PPPデバイス24によって、当該リンク変更要求が受信されて、パケットを送信する通信リンクが第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)から第2のPPP接続(インターネットの通信リンク)に切り替えられる(S135)。
上述した一連の処理により、移動通信端末10は、無線LANのサービスエリアに入ったことをきっかけにPPPによる通信を無線LANに切り替えることができ広帯域の通信が可能になる。
次に、図4のシーケンス図を参照して、移動通信端末10が無線LANのサービスエリアの外に移動した場合の例を説明する。
移動通信端末10では、無線LAN電波強度測定部17によって、通信中に通信に使用している無線LANのアクセスポイントからの電波強度が定期的に測定される。測定された電波強度は、無線LAN電波強度測定部17からPPPデバイス14に通知される。続いて、通知を受けたPPPデバイス14によって、電波強度が予め定められた閾値よりも低いか、又は自端末10が電波を受信できない状態(無効)になっているかが判断される(S111、測定ステップ,検出ステップ)。電波強度が予め定められた閾値よりも低くなく、かつ自端末10が電波を受信できない状態でないと判断された場合には、無線LAN電波強度測定部17による電波強度の測定が継続される。
電波強度が予め定められた閾値よりも低く、又は自端末10が電波を受信できない状態でないと判断された場合には、PPPデバイス14によって、パケットを送信する通信リンクが第2のPPP接続(無線LANの通信リンク)から第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)に切り替えられる。また、この際にPPPデバイス14によって、第2のPPP接続が除外される(S112、切替ステップ,除外ステップ)。
これに伴い、移動通信端末10では、PPPデバイス14によって、固定通信装置20にW−CDMAの通信リンクへのリンク変更要求が送信される(S113、通知ステップ)。固定通信装置20では、PPPデバイス24によって、当該リンク変更要求が受信されて、パケットを送信する通信リンクが第2のPPP接続(インターネットの通信リンク)から第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)に切り替えられる(S141)。
続いて、移動通信端末10では、L2TP仮想デバイス13によって固定通信装置20に第2のPPP接続のPPP切断要求が送信されると共に、第2のPPP接続が切断される(S114、制御ステップ)。固定通信装置20では、L2TP仮想デバイス23によってPPP切断要求が受信されて、第2のPPP接続が切断される(S142)。
続いて、移動通信端末10では、L2TP仮想デバイス13から固定通信装置20に、L2TPトンネリングの切断要求が送信される(S115、制御ステップ)。固定通信装置20では、L2TP仮想デバイス23によってL2TPトンネリングの切断要求が受信されて、L2TPトンネリングが切断される(S143)。
上述した処理により、移動通信端末10は、第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)のみが確立された状態となる(図3に示すS102の前の状態)。移動通信端末10は、その後、図3に示すS102の処理に戻る。S102において、新しく有効になった無線LANのアクセスポイントが検出されれば、上述したS104以降の処理が行われる。
上述した一連の処理により、移動通信端末10は、移動中でも有効な無線LANのアクセスを更新していくことにより、PPPの通信を適切に継続することができる。
図4を用いて説明した処理では、無線LANの電波強度が弱くなったときに、第2のPPP接続とL2TPトンネリングを切断し、新しい有効な無線LANアクセスポイントの探索のステップに入る例を示しているが、S113までの処理を行い(S114及びS115の処理を行わず)、第2のPPP接続を保持しておくこともできる。その場合、図5のシーケンス図に示す処理が行われる。また、その場合、上述の無線LANの通信リンクの除外の処理は行われない。
図5に示すように、その後、移動通信端末10では、無線LAN電波強度測定部17によって、第2のPPP接続として保持している無線LANの通信リンクの電波強度が定期的に測定される。測定された電波強度は、無線LAN電波強度測定部17からPPPデバイス14に通知される。続いて、通知を受けたPPPデバイス14によって、電波強度が予め定められた(上述した第2の)切替用の閾値よりも高いかが判断される(S121、測定ステップ)。電波強度が予め定められた切替用の閾値よりも高くないと判断された場合には、無線LAN電波強度測定部17による電波強度の測定が継続される。
電波強度が予め定められた切替用の閾値よりも高いと判断された場合には、PPPデバイス14によって、パケットを送信する通信リンクが第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)から第2のPPP接続(無線LANの通信リンク)に切り替えられる(S122、切替ステップ)。
これに伴い、移動通信端末10では、PPPデバイス14によって、固定通信装置20にインターネットの通信リンクへのリンク変更要求が送信される(S123、通知ステップ)。固定通信装置20では、PPPデバイス24によって、当該リンク変更要求が受信されて、パケットを送信する通信リンクが第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)から第2のPPP接続(インターネットの通信リンク)に切り替えられる(S151)。その後は、上述したS111以降の処理が繰り返し行われる。
上述した一連の処理により、移動通信端末10は、無線LANによるPPP接続を切断することなしに望ましい通信リンクを随時切り替えていくことにより、PPPの通信を適切に継続することができる。
引き続いて、パケットを送信する通信リンクの切替を通知する際に用いられる、移動通信端末10と固定通信装置20との間で送受信される情報について説明する。当該通知には、PPPのLCP交渉メッセージを利用する。図6にリンク変更要求のメッセージM101及び応答メッセージM102の例を示す。リンク変更要求のメッセージM101は、命令コードを示すCodeフィールドにリンク変更要求を示す値を格納する。また、メッセージM101のデータフィールドにデバイス番号を指定する。この例では、“1”が第1のPPP接続であり、“2”が第2のPPP接続となる。リンク変更要求のメッセージM101に対する応答メッセージM102は、Codeフィールドにリンク変更要求の応答を示す値を格納する。そして、応答メッセージM102のデータフィールドにリンク変更が成功したか失敗したかを示す値を格納する。
引き続いて、本実施形態の移動通信端末10を実現するために、PPPデバイス14で管理されるPPPデバイスドライバのデータ構造を図7に示す。FreeBSD4.11Rでは、PPPデバイスドライバはppp_softcという構造体でデータが保持されている。ppp_softc構造体は、IPアドレス情報等を含むifnet構造体、通信リンクに用いるtty構造体へのポインタsc_devp、受信パケットキューのsc_rawq、PPP制御用の受信パケットキューのsc_inq、送信パケットキューのsc_fastq等を保持している。また、一つのppp_softc構造体で複数の通信リンクを保持し、任意に切り替えられるようにするため、本実施形態では、sc_master及びsc_slaveを追加し、それぞれが一つの通信リンク(tty構造体)へのポインタとなっている。sc_devpは、どちらの通信リンクを利用するかを選択するために、sc_master又はsc_slaveへのポインタとなる。本実施形態では2種類の通信リンクを利用するが、3種類以上の通信リンクになっても、同様に3種類目の通信リンクへのポインタを追加するだけで実現できる。各通信リンクのtty構造体は、その通信リンクを管理するppp_softc構造体へのバックポインタt_scを持っている。複数通信経路を実現するPPPマルチリンクの場合、複数のtty構造体のt_scが同一のppp_softc構造体へのポインタとなっている。従って、複数の通信リンクから受信したパケットを同一のppp_softc構造体の受信パケットキューsc_rawqに入れることができる。
パケットを送信する通信リンクの選択は、sc_devpのポインタをsc_masterにするかsc_slaveにするかで切り替えることができる。この切替は、以下に示す通信リンクデバイスへの制御システムコールioctlで行うことができる。
int ioctl(int d, PPPIOSCDEVICE, int dev_id)
ioctlの第2引数に、PPPIOCSDEVICEというIDを追加し、第1引数で指定した通信リンクデバイスが関連しているPPPデバイス14に対して、第3引数で指定した通信リンクの選択が可能になる。
また、複数の通信リンクを一つのPPPデバイスに集約するために、以下のようにPPPIOCMUNITという制御IDを追加し、第1引数で指定した通信リンクデバイスが関連しているPPPデバイス14に、第3引数で指定したユニット番号のPPPデバイス14が確立した通信リンクを集約させる。
int ioctl(int d, PPPIOCMUNIT, int unit)
これらのデバイス制御システムコールを追加することで、PPPの制御デーモンであるpppdや他のアプリケーション等からも通信リンクの集約及び選択が可能になり、アプリケーションレベルにおける情報の価値及び特性に応じた通信リンクの選択が可能になる。
上述したように、本実施形態によれば、W−CDMA通信モデム11並びに無線LANアダプタ12及びL2TP仮想デバイス13という複数の無線アクセス手段によって、それぞれ方式が異なる無線通信のPPPによる通信リンクが通信相手との間に確立され、確立された通信リンクが集約される。これにより、複数の通信リンクを一つの通信路とした通信が行われる。
また、本実施形態では、無線LANアダプタ12による通信が可能であることが検出されて、無線LANアダプタ12及びL2TP仮想デバイス13により通信リンクが確立される。これにより、本実施形態によれば、通信可能である随時有効な通信リンクを集約することができるため、端末が移動して通信環境が随時変化していく環境においてもPPPによる通信を適切に継続することが可能になる。
また、本実施形態のように、通信相手との間にL2トンネリングを確立して、当該L2トンネリングを経由した通信リンクを確立することとすれば、インターネット経由等の直接、PPPによる通信リンクが確立できない場合であっても、通信リンクを確立することができる。これにより、通信リンクの冗長性を高めることができ、更に適切に通信を継続することが可能になる。
また、本実施形態のように、通信リンクが無効であることを検出して集約から除外することとすれば、移動通信端末10における通信リンクの管理を適切に行うことができる。
また、本実施形態のように、電波強度に基づいてパケットの送信を行う通信リンクを切り替えることとすれば、電波強度の劣化によるパケットロスを防止できる等、効率的かつ適切に通信相手にパケットを送信することができる。
なお、本実施形態では、無線LANの通信リンクのみを制御の対象としているが、必ずしもその構成を取る必要はなく、W−CDMAの通信リンクを無線LANの通信リンクと同様に、あるいは、W−CDMAの通信リンクのみを制御の対象とすることとしてもよい。
また、本実施形態では、パケットの送信は1つの通信リンクを通じて行うこととしているが、必ずしも1つの通信リンクのみを通じて行う必要はなく、例えば、確立された複数の通信リンクの通信状態が何れも良好である場合等には、従来のマルチリンクPPPと同様に複数の通信リンクを通じてパケットの送信を行うこととしても良い。
引き続いて、本発明の第2の実施形態に係る固定通信装置20a及び移動通信端末10について説明する。
図9に、本実施形態に係る固定通信装置20a及び移動通信端末10の構成を示す。本実施形態に係る固定通信装置20a及び移動通信端末10の基本的な構成は、上述した実施形態の固定通信装置20及び移動通信端末10と同様である。図9に示すように、本実施形態に係る固定通信装置20aは、通信回線監視部26を更に備えている。通信回線監視部26は、PPPデバイス24と接続されており、PPPデバイス24との情報の送受信、並びに下記のPPPデバイス24を介してISDNモデム21の監視等を行うことができる。
通信回線監視部26は、ISDNモデム21によって確立される、電話網N1を介したPPP接続の数を監視する手段である。即ち、通信回線監視部26は、自装置20aにおける複数の通信手段のうちの少なくとも一つの通信の通信状況を監視する監視手段である。監視される通信状況は、例えば、上記のように通信回線の使用状況(確立されたPPP接続の数)が相当する。
通信回線監視部26は、監視された上記のPPP接続の数に基づいて、通信相手となる移動通信端末10に対して、パケットを送信する通信リンクの変更を要求する通信リンク変更要求手段である。具体的には、以下の機能である。通信回線監視部26は、予め、電話網N1を介したPPP接続数に関して、最大許容PPP接続数を記憶しておく。ここで、最大許容PPP接続数は、固定通信装置20a(のISDNモデム21)が電話網N1から同時にPPP接続を受け付けることができる数である。通信回線監視部26は、電話網N1を介したPPP接続が移動通信端末10と自装置20aとの間に確立されているときに、ISDNモデム21が電話網N1を通じて別の通信装置(別の移動通信端末10を含む)からのPPP接続要求を受け付けたときに、以下の処理を行う。なお、PPP接続要求が受け付けられた際にその旨がPPPデバイス24を介してISDNモデム21から通信回線監視部26に伝えられる。
通信回線監視部26は、監視された現在のPPP接続の数と最大許容PPP接続数とを比較し、電話網N1を介したPPP接続の空き容量が十分か否かを判定する。例えば、最大許容PPP接続数が2であり、現在のPPP接続の数が1である場合には、空き容量が1であり、空き容量は十分であると判定する。一方、現在のPPP接続の数が2である場合には、空き容量が0であり、空き容量は十分でないと判定する。PPP接続の空き容量が十分であると判定した場合は、通信回線監視部26は、通常通り、PPP接続要求を送信した通信装置との間にPPP接続を確立させるように、ISDNモデム21に対して指示する。
PPP接続の空き容量が十分でないと判定した場合は、通信回線監視部26は、電話網N1を介したPPP接続が確立されている移動通信端末10に、パケットを送信する通信リンクの変更を要求(リンク変更要求)する。具体的には、電話網N1から、例えばインターネットN2等の別の通信網に移行させる変更の要求である。上記の変更の要求は、当該要求に係る信号を、(通信回線監視部26の制御によるISDNモデム21によって)電話網N1を介して送信することによって行われる。
また、PPPデバイス24は、後述するように上記の要求に応じて移動通信端末10から送信されるリンク変更要求を受信して、パケットを送信する通信リンクを第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)から第2のPPP接続(インターネットの通信リンク)に切り替える。また、通信回線監視部26は、上記のように通信リンクの変更が行われた後、通常通り、PPP接続要求を送信した通信装置との間にPPP接続を確立させるように、ISDNモデム21に対して指示する。上記が本実施形態に係る固定通信装置20aの構成である。
上記の固定通信装置20aに対応して、本実施形態に係る移動通信端末10では、先の実施形態の移動通信端末10に加えて以下の機能を有している。W−CDMA通信モデム11は、固定通信装置20aから行われた通信の変更の要求を受け付ける通信リンク変更受付手段としても機能する。具体的には、W−CDMA通信モデム11は、上記のように、固定通信装置20aから送信される当該変更の要求の信号を受信する。W−CDMA通信モデム11は、通信の変更の要求を受け付けた旨をPPPデバイス14に通知する。
PPPデバイス14は、W−CDMA通信モデム11により受け付けられた通信リンクの変更の要求に基づいて、パケットを送信する通信リンクを切り替える切替手段としても機能する。PPPデバイス14は、インターネットN2を介したPPP接続(先の実施形態における第2のPPP接続)が自端末10と固定通信装置20aとの間に確立されている場合、当該PPP接続をパケットの送信に用いる通信リンクとして設定する。
インターネットN2を介したPPP接続が自端末10と固定通信装置20aとの間に確立されていない場合、PPPデバイス14は、インターネットN2を介したPPP接続を自端末10と固定通信装置20aとの間に確立させた上で、当該PPP接続をパケットの送信に用いる通信リンクとして設定する。続いて、PPPデバイス14は、先の実施形態と同様に、固定通信装置20aに無線LANの通信リンクへのリンク変更要求を送信する。上記が、本実施形態に係る移動通信端末10の構成である。
引き続いて、図10のシーケンス図を用いて、本実施形態に係る移動通信端末10及び固定通信装置20aにおいて実行される処理(移動通信方法及び通信方法)について説明する。ここでは、移動通信端末10と固定通信装置20aとの間で、電話網N1を介したPPP接続(第1のPPP接続)が確立されており、インターネットN2を介したPPP接続(第2のPPP接続)が確立されていない。
固定通信装置20aでは、通信回線監視部26によって、ISDNモデム21によって確立される、第1のPPP接続の数が監視されている(S170、監視ステップ)。なお、PPP接続の数の監視は、所定のタイミングで行われるものではなく、常時(例えば、一定間隔等で)行われている。
ここで、固定通信装置20aに対して、上記の移動通信端末10とは別の通信装置から、PPP接続要求が送信される。固定通信装置20aでは、ISDNモデム21によって当該PPP接続要求が受け付けられる(S171)。続いて、通信回線監視部26によって、監視された現在のPPP接続の数と最大許容PPP接続数とが比較されて、第1のPPP接続の空き容量が十分か否かが判定される(S172、通信リンク変更要求ステップ)。第1のPPP接続の空き容量が十分であると判定された場合、以下の処理は行われない。
第1のPPP接続の空き容量が十分でないと判定された場合、続いて、通信回線監視部26(の制御)によって、第1のPPP接続が確立されている移動通信端末10に、パケットを送信する通信リンクの変更の要求が行われる(S173、通信リンク変更要求ステップ)。なお、通信リンクの変更の要求が行われる(即ち、通信リンクの変更の対象となる)移動通信端末10は、固定通信装置20a(の通信回線監視部26において)記憶された所定のルールに基づいて決められる。例えば、最も早く第1の通信リンクが確立された(即ち、最も長く第1の通信リンクが確立されている)移動通信端末10に対して要求が行われる。
移動通信端末10では、W−CDMA通信モデム11によって、上記の要求が受け付けられる(S161、通信リンク変更受付)。続いて、移動通信端末10では、リンク変更要求に伴い、PPPデバイス14によって、リンク変更できる第2のPPP接続を確立できるか否かが可能か否かが判定される(S161、検出ステップ、切替ステップ)。本実施形態では、無線LANアダプタ12による無線LANによる無線通信が有効かどうかが判定される。第2のPPP接続を確立できないと判定された場合、移動通信端末10では、以下の処理は行われない。
第2のPPP接続を確立できると判定された場合、PPPデバイス14の制御のもと、先の実施形態と同様にL2TP仮想デバイス13によって固定通信装置20に第2のPPP接続のPPP接続要求が送信される(S162、制御ステップ、切替ステップ)。固定通信装置20aでは、L2TP仮想デバイス23によって、Ethernetアダプタ22を介してPPP接続要求が受信されて、移動通信端末10と固定通信装置20aとの間に第2のPPP接続が確立される(S174)。
続いて、移動通信端末10では、PPPデバイス14によって、第2のPPP接続と第1のPPP接続とが集約される(S163、集約ステップ、切替ステップ)。また、PPPデバイス14によって、パケットを送信する通信リンクが第1のPPP接続から第2のPPP接続に切り替えられる(S164、切替ステップ)。一方で、固定通信装置20においても、PPPデバイス24によって、第2のPPP接続と第1のPPP接続とが集約される(S175、集約ステップ)。
続いて、移動通信端末10では、PPPデバイス14によって、固定通信装置20aに無線LANの通信リンクへのリンク変更要求が送信される(S165、通知ステップ)。固定通信装置20aでは、PPPデバイス24によって、当該リンク変更要求が受信されて、パケットを送信する通信リンクが第1のPPP接続(W−CDMAの通信リンク)から第2のPPP接続(インターネットの通信リンク)に切り替えられる(S176)。
続いて、移動通信端末10及び固定通信装置20aでは、第1のPPP接続が切断される(S166,S177)。また、固定通信装置20aでは、その後、S171において受け付けられたPPP接続要求に係る通信装置との間のPPP接続を確立する処理が行われる(図示せず)。
上述した一連の処理により、移動通信端末10は、通信中の移動通信端末10と通信を継続しながら、移動通信端末10が使用する通信リンクを別の通信網を介したものに移行させることができる。上記の通信リンクの変更は、通信回線の利用状況等の通信状況に応じて行われる。従って、本実施形態によれば、通信回線の効率的な利用を可能とし、移動通信端末10に、効率的かつ適切に通信相手である固定通信装置20aにパケットを送信させることができる。
なお、上述した実施形態では、移動通信端末10からPPP接続要求を受け付けた場合に、通信リンクの変更の判断をしていたが、既に複数の通信リンクが確立されているときに、(PPP接続要求をトリガとしないで)上記の判断を行うこととしてもよい。また、確立されているPPP接続の数を、上記の判断に用いることとしているが、通信手段に係る、それ以外の通信状況を示す指標を上記の判断に用いてもよい。また、通信リンクの変更を、電話網N1を介したPPP接続からインターネットN2を介したPPP接続への変更としたが、通信状況によってはその逆の変更が行われてもよい。その場合、インターネットN2の通信状況を監視しておく。
10…移動通信端末、11…W−CDMA通信モデム、12…無線LANアダプタ、13…L2TP仮想デバイス、14…PPPデバイス、15…IP層、16…有効無線LAN探索部、17…無線LAN電波強度測定部、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…操作部、105…無線通信部、106…ディスプレイ、107…アンテナ、20,20a…固定通信装置、21…ISDNモデム、22…Ethernetアダプタ、23…L2TP仮想デバイス、24…PPPデバイス、25…IP層、26…通信回線監視部、201…CPU、202…RAM、203…ROM、204…通信モジュール、205…補助記憶装置。