JP4398486B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents
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Description
そこで、例えば電動モータによって操舵トルクを補助し、車両の安定化制御を行うために、外乱の発生を正確に検出する必要がある。
しかしながら、操舵トルクには、ステアリング系に発生する摩擦トルクが含まれているので、操舵トルクが小さい領域では、外乱の発生を正確に検出することができないという問題点があった。
しかしながら、外乱の発生によって車両挙動が乱れる車両には、ホイルベースの短い軽自動車や小型車が多いので、コスト面でセンサを追加することが困難であるという問題点があった。また、センサを追加することにより、装置の構成が複雑になるという問題点もあった。
そのため、操舵トルクが小さい領域においても、安価かつ簡素な構成で外乱の発生を正確に検出することができるとともに、外乱を抑制して車両の安定化制御を行うことができる。
なお、以下の実施の形態では、この車両用操舵装置が自動車に搭載されている場合について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る車両用操舵制御装置のステアリング機構1を示す構成図である。
図1において、ステアリング機構1は、ハンドル2と、ステアリング軸3と、ステアリングギアボックス4と、ハンドル角検出器5(ハンドル角検出手段)と、トルクセンサ6と、アシストモータ7(モータ)と、ラックアンドピニオン機構8と、タイヤ9(車輪)と、EPS(Electric Power Steering)制御ユニット100(以下、「制御ユニット100」と略称する)と、車速検出器10(車速検出手段)と、モータ速度検出器11(モータ速度検出手段)と、路面反力トルク検出器12(路面反力トルク検出手段)とを備えている。
また、ハンドル角検出器5、トルクセンサ6、アシストモータ7、車速検出器10、モータ速度検出器11および路面反力トルク検出器12は、それぞれケーブルを介して制御ユニット100に電気的に接続されている。
ステアリング軸3には、運転者の操舵による操舵トルクThdlを検出して制御ユニット100に出力するトルクセンサ6が取り付けられている。また、ステアリング軸3には、操舵トルクThdlを補助するためのアシストトルクTassistを発生する電動のアシストモータ7が、減速ギア(図示せず)を介して取り付けられている。
また、ステアリングギアボックス4には、回転運動を往復運動に変換するラックアンドピニオン機構8を介して、タイヤ9が取り付けられている。
制御ユニット100には、ハンドル角Theta、操舵トルクThdl、車速V、モータ速度Smtr、実路面反力トルクTalign、アシストモータ7のモータ検出電流Imtr、およびアシストモータ7のモータ検出電圧Vmtrが入力される。
また、制御ユニット100は、上記の入力に基づいてアシストモータ7にアシストトルクTassistを発生させるための目標電流値を演算し、アシストモータ7にモータ駆動電流Idriveを出力する。
なお、全体摩擦トルクTfricは、アシストモータ7を含むステアリング機構1全体に発生する摩擦トルクである。
すなわち、ステアリング軸反力トルクTtranは、次式(1)で表される。
なお、モータ摩擦トルクTmfricは、アシストモータ7のみに発生する摩擦トルクであり、軸摩擦トルクTfrpは、アシストモータ7を考慮しない状態でステアリング機構1に発生する摩擦トルクである。
これらの摩擦トルクの関係は、次式(2)で表される。
そのため、アシストモータ7の慣性トルクをJ・dω/dtとすると、ステアリング軸反力トルクTtranは、次式(3)で表される。
アシストモータ7は、モータ駆動電流Idriveにトルク定数Ktと減速ギアのギア比Ggearとを乗じたトルクを発生し、運転者による操舵トルクThdlを補助する。
図2において、制御ユニット100は、車速検出部13と、操舵トルク検出部14と、モータ速度検出部15と、モータ加速度検出部16と、ハンドル角検出部17と、路面反力トルク検出部18と、目標路面反力トルク演算部19(目標路面反力トルク演算手段)と、外乱発生検出部20(外乱発生検出手段)と、アシストトルク演算部21(アシストトルク演算手段)と、モータ電流演算部22と、モータ電流検出部23と、比較部24と、モータ駆動部25とを有している。
ここで、制御ユニット100は、CPUとプログラムを格納したメモリとを有するマイクロプロセッサ(図示せず)で構成されており、制御ユニット100を構成する各ブロックは、メモリ内にソフトウェアとして記憶されている。
モータ速度検出部15は、モータ速度検出器11が出力したモータ速度Smtrを受けてモータ速度信号Smtr(s)を出力する。モータ加速度検出部16は、モータ速度信号Smtr(s)を微分してモータ加速度信号Amtr(s)を出力する。
なお、モータ速度検出部15は、モータ電流検出部23が出力したモータ検出電流信号Imtr(s)と、モータ電圧検出部(図示せず)が出力したモータ検出電圧信号Vmtr(s)とに基づいて、モータ速度信号Smtr(s)を出力してもよい。
実路面反力トルクTalignを検出する路面反力トルク検出器12は、例えばタイヤ9に取り付けられたロードセル(図示せず)であり、ロードセルに設けられた歪みゲージの変形を実路面反力トルクTalignとして出力する。
目標路面反力トルク演算部19は、車速検出部13からの車速信号V(s)と、ハンドル角検出部17からのハンドル角信号Theta(s)とに基づいて、この車速・ハンドル角−目標路面反力トルクマップから目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)を演算する。
外乱発生検出部20は、符号比較部26と、比率演算部27と、補正部28(補正手段)とを含んでいる。
補正部28は、車速Vと、外乱トルク比率信号Dist_ratio(s)を補正するための比率補正ゲインとの関係が記された車速−比率補正ゲインマップを有している。この車速−比率補正ゲインマップは、車両の種類に応じて設定されている。また、比率補正ゲインは、車速Vに応じて上下限値が設定されてもよい。
補正部28は、車速検出部13からの車速信号V(s)に基づいて、この車速−比率補正ゲインマップから比率補正ゲインを演算し、比率演算部27からの外乱トルク比率信号Dist_ratio(s)に比率補正ゲインを乗算して、外乱状態信号Dist(s)を出力する。
アシストトルク演算部21は、上記の入力に基づいて、操舵トルクThdlを補助するためのアシストトルクTassistを演算し、アシストモータ7にアシストトルクTassistを発生させるためのアシストトルク信号Tassist(s)を出力する。
モータ電流検出部23は、アシストモータ7に流れるモータ検出電流Imtrを受けて、モータ検出電流信号Imtr(s)を出力する。比較部24は、目標電流信号Idrive(s)とモータ検出電流信号Imtr(s)との偏差を出力する。
モータ駆動部25は、目標電流信号Idrive(s)とモータ検出電流信号Imtr(s)との偏差を零とするように、モータ駆動電流Idriveを出力する。
図3において、アシストトルク演算部21は、外乱種類検出部29(外乱種類検出手段)と、アシストマップ補償部30と、慣性補償部31と、粘性補償部32(粘性補償手段)と、反力補償部33(反力補償手段)と、加算部34とを有している。
ここで、高周波外乱とは、時間的変化の大きな外乱であり、HPF35に外乱状態信号Dist(s)を通した結果出力される信号が、高周波外乱状態信号Dist_high(s)となる。
アシストマップ補償部30は、車速検出部13がからの車速信号V(s)と操舵トルク検出部14からの操舵トルク信号Thdl(s)とに基づいて、アシストマップ補償トルク信号map(s)を出力する。
慣性補償部31は、車速検出部13からの車速信号V(s)とモータ加速度検出部16からのモータ加速度信号Amtr(s)とに基づいて、慣性補償トルク信号iner(s)を出力する。
粘性補償部32は、車速検出部13からの車速信号V(s)、モータ速度検出部15からのモータ速度信号Smtr(s)および外乱種類検出部29からの高周波外乱状態信号Dist_high(s)に基づいて、粘性補償トルク信号damp(s)を出力する。
反力補償部33は、車速検出部13からの車速信号V(s)と路面反力トルク検出部18からの実路面反力トルク信号Talign_act(s)とに基づいて、反力補償トルク信号ret(s)を出力する。
まず、アシストトルク演算部21は、外乱発生検出部20が出力した外乱状態信号Dist(s)を読み込んで、メモリに記憶する(ステップS51)。
次に、アシストトルク演算部21は、車速検出部13が出力した車速信号V(s)を読み込んでメモリに記憶する(ステップS53)とともに、モータ速度検出部15が出力したモータ速度信号Smtr(s)を読み込んでメモリに記憶する(ステップS54)。
次に、加算部34は、粘性補償トルク信号damp(s)と、他の補償部(アシストマップ補償部30、慣性補償部31、反力補償部33)からの補償トルク信号を加算して、アシストトルク信号Tassist(s)を出力し(ステップS56)、図4の処理を終了する。
また、例えば轍路面等からの高周波外乱は、あらかじめ設定された所定周波数よりも高い周波数成分からなる外乱トルクであり、モータ速度Smtrに対して影響を与える。
そのため、外乱種類検出部29によって高周波外乱が検出された場合に、高周波外乱状態信号Dist_high(s)に応じて、粘性補償トルクdampが大きくなるように補正されることにより、高周波外乱による影響を抑制することができる。
図5は、直進走行をしている車両に高周波外乱(例えば、轍路面からの外乱)が発生した際に、粘性補償動作を実行した場合(外乱抑制制御)、および粘性補償動作を実行しない場合(通常制御)における時間とハンドル角および粘性補償トルクdampとの関係をそれぞれ示す説明図である。
このとき、粘性補償部32は、ハンドル2の振動を止めるために、粘性補償トルクdampを増加させる。
これにより、粘性補償動作を実行しない場合と比較して、高周波外乱によるハンドル取られ角を低減し、ハンドル2の振動を抑制することができる。
そのため、操舵トルクThdlが小さい領域においても、安価かつ簡素な構成で外乱の発生を正確に検出することができるとともに、外乱を抑制して車両の安定化制御を行うことができる。
ここで、タイヤ9が路面から受ける実路面反力トルクTalignは、ステアリング軸反力トルクTtranとは異なり摩擦トルクを含んでいない。
そのため、操舵トルクThdlが小さい領域においても、外乱の発生を正確に検出することができる。また、外乱の発生度合いが小さい領域から車両の安定化制御を行うことができるので、運転者に制御介入時の違和感を与えることを防止することができる。
また、ヨーレートセンサや横加速度センサを必要としないので、安価かつ簡素な構成を実現することができる。
また、タイヤ9に発生する実路面反力トルクTalignに基づいて外乱の発生を検出するので、雪道等の滑りやすい路面を走行している場合であっても、外乱の発生を正確に検出することができる。
そのため、外乱の発生度合いを正確に演算することができ、その結果、車両の安定化制御を適切に行うことができる。
そのため、車速Vに応じて車両の安定化制御をより適切に行うことができる。
また、アシストトルク演算部21の粘性補償部32は、車速信号V(s)、モータ速度信号Smtr(s)および高周波外乱状態信号Dist_high(s)に基づいて、ハンドル2の振動を抑制するための粘性補償トルクdampを演算し、粘性補償トルク信号damp(s)を出力する。
そのため、安価かつ簡素な構成で外乱の種類を検出することができるとともに、外乱の発生周波数に応じて、車両の安定化制御をより適切に行うことができる。
しかしながら、これに限定されず、粘性補償部32は、車速Vおよびモータ速度Smtrと、粘性補償トルクdampとの関係が記された車速・モータ速度−粘性補償トルクマップ、並びに、高周波外乱と粘性補償トルクdampを補正するためのトルク補正ゲインとの関係が記された高周波外乱−トルク補正ゲインマップを有していてもよい。
このとき、粘性補償部32は、まず、車速信号V(s)とモータ速度信号Smtr(s)とに基づいて、粘性補償トルクdampを演算する。続いて、粘性補償部32は、高周波外乱状態信号Dist_high(s)に基づいて、トルク補正ゲインを演算する。次に、粘性補償部32は、粘性補償トルクdampにトルク補正ゲインを乗算して、粘性補償トルク信号damp(s)として出力する。
この場合も、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
しかしながら、実際のアシストトルク演算部21は、これらの信号以外にも様々な信号を用いてアシストトルクTassistを演算している。本実施の形態に係る車両用操舵装置は、何れの車両用操舵装置にも適用することができる。
上記実施の形態1では、外乱状態信号Dist(s)から高周波外乱を検出し、高周波外乱による影響を低減したが、これに限定されず、外乱状態信号Dist(s)から低周波外乱を検出し、低周波外乱による影響を低減してもよい。
図6において、アシストトルク演算部21Aは、図3に示した外乱種類検出部29、粘性補償部32および反力補償部33に代えて、外乱種類検出部29A、粘性補償部32Aおよび反力補償部33Aを有している。
ここで、低周波外乱とは、時間的変化の小さな外乱であり、LPF36に外乱状態信号Dist(s)を通した結果出力される信号が、低周波外乱状態信号Dist_low(s)となる。
粘性補償部32Aは、車速検出部13からの車速信号V(s)とモータ速度検出部15からのモータ速度信号Smtr(s)とに基づいて、粘性補償トルク信号damp(s)を出力する。
反力補償部33Aは、車速検出部13からの車速信号V(s)、路面反力トルク検出部18からの実路面反力トルク信号Talign_act(s)および外乱種類検出部29Aからの低周波外乱状態信号Dist_low(s)に基づいて、反力補償トルク信号ret(s)を出力する。
その他の構成については、前述の実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
まず、アシストトルク演算部21Aは、外乱発生検出部20が出力した外乱状態信号Dist(s)を読み込んで、メモリに記憶する(ステップS61)。
次に、アシストトルク演算部21Aは、車速検出部13が出力した車速信号V(s)を読み込んでメモリに記憶する(ステップS63)とともに、路面反力トルク検出部18が出力した実路面反力トルク信号Talign_act(s)を読み込んでメモリに記憶する(ステップS64)。
次に、加算部34は、反力補償トルク信号ret(s)と、他の補償部(アシストマップ補償部30、慣性補償部31、粘性補償部32A)からの補償トルク信号を加算して、アシストトルク信号Tassist(s)を出力し(ステップS66)、図7の処理を終了する。
また、例えばカント路面等からの低周波外乱は、あらかじめ設定された所定周波数よりも低い周波数成分からなる外乱トルクであり、実路面反力トルクTalignに対して影響を与える。
そのため、外乱種類検出部29Aによって低周波外乱が検出された場合に、低周波外乱状態信号Dist_low(s)に応じて、反力補償トルクretが大きくなるように補正されることにより、低周波外乱による影響を抑制することができる。
図8は、直進走行をしている車両に低周波外乱(例えば、カント路面からの外乱)が発生した際に、反力補償動作を実行した場合(外乱抑制制御)、および反力補償動作を実行しない場合(通常制御)における時間とハンドルトルクおよび反力補償トルクretとの関係をそれぞれ示す説明図である。
このとき、反力補償部33Aは、ハンドルトルクを低減するために、反力補償トルクretを増加させる。
これにより、反力補償動作を実行しない場合と比較して、低周波外乱によるハンドルトルクを低減することができる。
また、アシストトルク演算部21Aの反力補償部33Aは、車速信号V(s)、実路面反力トルク信号Talign_act(s)および高周波外乱状態信号Dist_high(s)に基づいて、反力補償トルクretを演算し、反力補償トルク信号ret(s)を出力する。
そのため、安価かつ簡素な構成で外乱の種類を検出することができるとともに、外乱の発生周波数に応じて、車両の安定化制御をより適切に行うことができる。
これにより、高周波外乱と低周波外乱とが複合された外乱が発生した場合であっても、高周波外乱に応じて粘性補償部32が粘性補償トルクdampを演算し、低周波外乱に応じて反力補償部33Aが反力補償トルクretを演算することによって、車両の安定化制御をより適切に行うことができる。
しかしながら、これに限定されず、反力補償部33Aは、車速Vおよび実路面反力トルクTalignと、反力補償トルクretとの関係が記された車速・実路面反力トルク−反力補償トルクマップ、並びに、低周波外乱と反力補償トルクretを補正するためのトルク補正ゲインとの関係が記された低周波外乱−トルク補正ゲインマップを有していてもよい。
このとき、反力補償部33Aは、まず、車速信号V(s)と実路面反力トルク信号Talign_act(s)とに基づいて、反力補償トルクretを演算する。続いて、反力補償部33Aは、低周波外乱状態信号Dist_low(s)に基づいて、トルク補正ゲインを演算する。次に、反力補償部33Aは、反力補償トルクretにトルク補正ゲインを乗算して、反力補償トルク信号ret(s)として出力する。
この場合も、上記実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
しかしながら、実際のアシストトルク演算部21Aは、これらの信号以外にも様々な信号を用いてアシストトルクTassistを演算している。本実施の形態に係る車両用操舵装置は、何れの車両用操舵装置にも適用することができる。
しかしながら、これに限定されず、外乱発生検出部20は、比率演算部27の代わりに、偏差演算部を含んでいてもよい。偏差演算部は、実路面反力トルク信号Talign_act(s)と、目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)との偏差を演算し、外乱検出信号Dist_sgn(s)とともに、外乱の発生度合いを示す外乱トルク偏差信号Dist_dev(s)を出力する。
この場合も、上記実施の形態1および2と同様の効果を奏することができる。
また、外乱発生検出部20は、実路面反力トルク信号Talign_act(s)と、目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)との比率または偏差が、車両の種類に応じて設定される所定の閾値を超えた場合に、車両に対する外乱の発生を検出してもよい。
これらの場合、装置の構成をさらに簡素化することができる。
図9は、この発明の実施の形態3に係る車両用操舵制御装置の制御ユニット100Bをアシストモータ7とともに示すブロック図である。
図9において、制御ユニット100Bは、実路面反力トルクTalignの時間変化率である実路面反力トルク変化率dTalign_actを演算し、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)を出力する実路面反力トルク変化率演算部37(実路面反力トルク変化率演算手段)を備えている。
なお、アシストトルク演算部21の構成は、前述した実施の形態1と同様なので、詳述を省略する。
目標路面反力トルク変化率演算部38は、車速検出部13からの車速信号V(s)と、モータ速度検出部15からのモータ速度信号Smtr(s)とに基づいて、この車速・モータ速度−目標路面反力トルク変化率マップから目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)を演算する。
外乱発生検出部20Bは、符号比較部26Bと、比率演算部27Bと、補正部28(補正手段)とを含んでいる。
補正部28は、車速Vと、外乱トルク比率信号Dist_ratio(s)を補正するための比率補正ゲインとの関係が記された車速−比率補正ゲインマップを有している。この車速−比率補正ゲインマップは、車両の種類に応じて設定されている。また、比率補正ゲインは、車速Vに応じて上下限値が設定されてもよい。
補正部28は、車速検出部13からの車速信号V(s)に基づいて、この車速−比率補正ゲインマップから比率補正ゲインを演算し、比率演算部27Bからの外乱トルク比率信号Dist_ratio(s)に比率補正ゲインを乗算して、外乱状態信号Dist(s)を出力する。
アシストトルク演算部21は、上記の入力に基づいて、操舵トルクThdlを補助するためのアシストトルクTassistを演算し、アシストモータ7にアシストトルクTassistを発生させるためのアシストトルク信号Tassist(s)を出力する。
なお、具体的な動作は、前述した実施の形態1と同様なので、詳述を省略する。
ここで、タイヤ9が路面から受ける実路面反力トルクTalignは、ステアリング軸反力トルクTtranとは異なり摩擦トルクを含んでいない。
そのため、操舵トルクThdlが小さい領域においても、外乱の発生を正確に検出することができる。また、外乱の発生度合いが小さい領域から車両の安定化制御を行うことができるので、運転者に制御介入時の違和感を与えることを防止することができる。
また、ハンドル角Thetaを検出して制御ユニット100Bに出力するハンドル角検出器5が不要になるので、装置の構成をさらに簡素化することができる。
また、路面反力トルクの変化率を用いることにより、より早期に外乱の発生を検出することができ、より早期に車両の安定化制御を行うことができる。
そのため、外乱の発生度合いを正確に演算することができ、その結果、車両の安定化制御を適切に行うことができる。
上記実施の形態3では、外乱状態信号Dist(s)から高周波外乱を検出し、高周波外乱による影響を低減したが、これに限定されず、外乱状態信号Dist(s)から低周波外乱を検出し、低周波外乱による影響を低減してもよい。
以下に、外乱状態信号Dist(s)から低周波外乱を検出し、低周波外乱による影響を低減する処理について説明する。
外乱発生検出部20Bは、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)とに基づいて、車両に対する外乱の発生の有無を検出し、外乱状態信号Dist(s)を出力する。
アシストトルク演算部21Aは、上記の入力に基づいて、操舵トルクThdlを補助するためのアシストトルクTassistを演算し、アシストモータ7にアシストトルクTassistを発生させるためのアシストトルク信号Tassist(s)を出力する。
なお、具体的な動作は、前述した実施の形態2と同様なので、詳述を省略する。
これにより、高周波外乱と低周波外乱とが複合された外乱が発生した場合であっても、高周波外乱に応じて粘性補償部32が粘性補償トルクdampを演算し、低周波外乱に応じて反力補償部33Aが反力補償トルクretを演算することによって、車両の安定化制御をより適切に行うことができる。
このとき、制御ユニット100Bは、上記実施の形態1で示したハンドル角検出部17および目標路面反力トルク演算部19を含んでいる。
この場合も、上記実施の形態3および4と同様の効果を奏することができる。
しかしながら、これに限定されず、外乱発生検出部20Bは、比率演算部27Bの代わりに、偏差演算部を含んでいてもよい。偏差演算部は、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と、目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)との偏差を演算し、外乱検出信号Dist_sgn(s)とともに、外乱の発生度合いを示す外乱トルク偏差信号Dist_dev(s)を出力する。
この場合も、上記実施の形態3および4と同様の効果を奏することができる。
また、外乱発生検出部20Bは、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と、目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)との比率または偏差が、車両の種類に応じて設定される所定の閾値を超えた場合に、車両に対する外乱の発生を検出してもよい。
これらの場合、装置の構成をさらに簡素化することができる。
しかしながら、これに限定されず、路面反力トルク検出器は、例えば特開2003−312521号公報に示された方法によって実路面反力トルクTalignを演算してもよい。
この場合、路面反力トルク検出器は、まず操舵トルクThdlおよびモータ検出電流Imtrからステアリング軸反力トルクTtranを演算する。続いて、このステアリング軸反力トルクTtranをローパスフィルタに通して実路面反力トルクTalignを演算する。ローパスフィルタの時定数は、車速Vおよびモータ速度Smtrに応じて演算される。
この場合も、上記実施の形態1〜4と同様の効果を奏することができる。
Claims (11)
- 車両の運転者による操舵トルクを補助するためのアシストトルクを演算するアシストトルク演算手段と、
前記車両の車輪が路面から受ける実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段と、
前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
前記車両のハンドルのハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、
前記車速および前記ハンドル角に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段と、
前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの符号を比較して、前記車両に対する外乱の発生を検出し、外乱状態信号を出力する外乱発生検出手段と、を備え、
前記アシストトルク演算手段は、
前記アシストトルクを補償するための補償トルクを演算する粘性補償手段および反力補償手段の少なくとも一方を含み、
前記粘性補償手段および前記反力補償手段の少なくとも一方は、前記外乱状態信号に基づいて、前記外乱を抑制するように前記補償トルクを演算することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 前記粘性補償手段または前記反力補償手段は、前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの偏差に応じて、前記補償トルクを演算することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵制御装置。
- 前記粘性補償手段または前記反力補償手段は、前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの比率に応じて、前記補償トルクを演算することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵制御装置。
- 前記車速に基づいて、前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの偏差または比率を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用操舵制御装置。
- 車両の運転者による操舵トルクを補助するためのアシストトルクを演算するアシストトルク演算手段と、
前記車両の車輪が路面から受ける実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段と、
前記実路面反力トルクの時間変化率である実路面反力トルク変化率を演算する実路面反力トルク変化率演算手段と、
前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
前記アシストトルクを発生するモータのモータ速度を検出するモータ速度検出手段と、
前記車速および前記モータ速度に基づいて目標路面反力トルク変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段と、
前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との符号を比較して、前記車両に対する外乱の発生を検出し、外乱状態信号を出力する外乱発生検出手段と、を備え、
前記アシストトルク演算手段は、
前記アシストトルクを補償するための補償トルクを演算する粘性補償手段および反力補償手段の少なくとも一方を含み、
前記粘性補償手段および前記反力補償手段の少なくとも一方は、前記外乱状態信号に基づいて、前記外乱を抑制するように前記補償トルクを演算することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 前記粘性補償手段または前記反力補償手段は、前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との偏差に応じて、前記補償トルクを演算することを特徴とする請求項5に記載の車両用操舵制御装置。
- 前記粘性補償手段または前記反力補償手段は、前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との比率に応じて、前記補償トルクを演算することを特徴とする請求項5に記載の車両用操舵制御装置。
- 前記車速に基づいて、前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との偏差または比率を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車両用操舵制御装置。
- 発生周波数に応じて前記外乱の種類を検出する外乱種類検出手段を備え、
前記外乱種類検出手段は、
前記外乱が、所定周波数よりも高い周波数成分からなる高周波外乱であることを検出する高周波外乱検出手段と、
前記外乱が、前記所定周波数よりも低い周波数成分からなる低周波外乱であることを検出する低周波外乱検出手段と、の少なくとも一方を含み、
前記粘性補償手段は、前記外乱種類検出手段により前記高周波外乱が検出された場合に、前記補償トルクを演算し、
前記反力補償手段は、前記外乱種類検出手段により前記低周波外乱が検出された場合に、前記補償トルクを演算することを特徴とする請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の車両用操舵制御装置。 - 前記高周波外乱検出手段は、ハイパスフィルタを用いて前記高周波外乱を検出することを特徴とする請求項9に記載の車両用操舵制御装置。
- 前記低周波外乱検出手段は、ローパスフィルタを用いて前記低周波外乱を検出することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の車両用操舵制御装置。
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