JP4397484B2 - ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン - Google Patents

ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン Download PDF

Info

Publication number
JP4397484B2
JP4397484B2 JP34287799A JP34287799A JP4397484B2 JP 4397484 B2 JP4397484 B2 JP 4397484B2 JP 34287799 A JP34287799 A JP 34287799A JP 34287799 A JP34287799 A JP 34287799A JP 4397484 B2 JP4397484 B2 JP 4397484B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink composition
granules
eraser
water
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34287799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001019888A (ja
Inventor
勤 鬼頭
宏幸 林
浩之 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Ink Co Ltd filed Critical Pilot Ink Co Ltd
Priority to JP34287799A priority Critical patent/JP4397484B2/ja
Publication of JP2001019888A publication Critical patent/JP2001019888A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4397484B2 publication Critical patent/JP4397484B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Pens And Brushes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンに関する。更に詳細には、紙に筆記して得られる筆跡が消しゴムで容易に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を有するボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、消しゴムにより消去できる筆跡をもたらすインキ組成物について多くの提案が開示されている。前記インキ組成物は主に着色剤と樹脂を含むビヒクルとからなり、前記ビヒクルとしては有機溶剤を主溶剤とした油性インキ及び水を主溶剤とした水性インキの2種類に大別できる。油性インキの典型的な例としては特公平2−47512号公報に記載されている、顔料と、特定の有機溶剤と、ゴム弾性を有するエラストマー樹脂とからなるボールペン筆記用消去性油性インキ組成物が挙げられる。前記インキ組成物は分子量の大きい樹脂を用いたインキ粘度の高いものであり、顔料が溶剤と共に紙内部へ深く浸透することを防止して、顔料により形成された紙面上の筆跡を消しゴムで消去しようとする試みである。しかしながら、筆記後のわずかな期間は実用的な消しゴム消去性を示すものの、時間の経過と共に徐々に消しゴム消去性が低下する欠点を有する。
更に別の問題点として、溶剤が難揮発性であることから一般的に筆跡が遅乾性であり、筆記直後において指や手などの軽い摩擦により、筆跡上の未乾燥部分のインキが空白部分(筆跡周辺部)に移行して紙面を顕著に汚染すると共に、筆跡に触れた指や手、更には衣類までも汚染する欠点を有する。
概して、有機溶剤を主溶剤とした油性の消去性インキ組成物は前記した従来のボールペン筆記用消去性油性インキ組成物と共通する問題点を有しており、未だ消しゴム消去性と筆跡保持性のバランスに優れたものは得られていない。
【0003】
一方、水を主溶剤とした筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物としては、近年多くの提案がなされている。その一例として特開平4−332776号公報には、インキ全重量に占める顔料が1〜50%、40℃以上の造膜温度を有する樹脂が3〜50%、有機溶剤が0.5〜50%、及び、水が7〜60%の割合である消しゴムにより消去し得るインキ組成物が開示されている。前記インキ組成物は汎用の顔料を使用しているため、前記顔料が紙の内部に浸透し易く、消しゴムでの良好な消去性が得られない。又、室温で造膜性を有さないため、皮膜(筆跡)の保存性が悪い。
更に別の例として、溶解された着色剤を含む少なくとも一種の乳化重合性モノマーを乳化重合条件下で重合させることにより得られる水不溶性ポリマー・カプセル化着色剤を用いた消去性インキ組成物が開示されている(米国特許第5,661,197号)。当該インキ組成物は乳化重合条件下で水不溶性ポリマーに内包したカプセル化着色剤を調製するため、得られるカプセル化着色剤の粒子は1μm以下の微細粒子となる。その結果、筆記時においては紙の内部に微細な着色剤が浸透してトラップされるため、消しゴム消去性に乏しい。さらに、カプセル化着色剤に用いられる水不溶性の染料は水性ビヒクル中の水溶性極性溶剤や界面活性剤によってビヒクル中に抽出され易く、前記抽出された染料が紙面を染着して消しゴム消去時に筆跡の痕跡が残る問題があった。
更に別の例として、0℃以下の造膜温度もしくは0℃以下のガラス転移温度を有する樹脂と、粒子径1μm〜20μmの着色樹脂粒子及び水を含有し、インキ粘度が5〜35mPa・sである消去性インキが提案されている(特開平5−279614号公報)。当該技術においては、着色樹脂粒子の粒径を大きくすることにより紙内部への浸透を低減させて消去後に筆跡の痕跡を残さないようにする試みがなされているものの、適用される樹脂は粒子径が小さいため紙面内部に浸透し易く、よって、紙面と紙面上の着色樹脂粒子間の接着性が強固になり、紙質によって消しゴム消去性が大きく異なる問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前記した従来の消しゴム消去性インキ組成物の不具合を解消できる、即ち、消しゴム消去性と筆跡の保持性を同時に満足できるインキ組成物について鋭意検討した結果、従来のインキ組成物においては、着色要素と接着要素に関わる粒子の粒子径に関して、少なくとも1つの要素について粒子径が概略1μm以下の微粒子を適用していることが消しゴム消去性に悪影響を及ぼしている点に着目した。
前記着色要素と接着要素に関わる粒子は、粒子径が大きければ紙内部への浸透を低減又は防止し易く、粒子を製造する際の粒子の正規分布を考慮した場合、2μm〜20μmの範囲に粒子が分布していれば、概ね紙内部への浸透が防止できる。かかる条件の設定は着色粒子と接着粒子の両方に適用されなければならないと本発明者らは考えた。即ち、着色剤の粒子径が2〜20μmであっても、同時に使用する接着剤粒子の粒子径が汎用の樹脂ディスパージョンの如く0.1μm〜1μmである場合には、接着剤粒子が紙内部に浸透し背後から紙面上にある着色剤粒子を強く固着するため良好な消しゴム消去性は得られない。一方、着色剤の粒子が0.1μm〜1μmであれば、接着剤粒子の粒子径に関わらず、着色剤自体が紙の内部に浸透するため、良好な消しゴム消去性は得られない。要するに、微細な着色剤及び/又は接着剤が紙の内部に浸透するために、従来のインキ組成物はいずれも良好な消しゴム消去性と耐擦過性を満足させていないと本発明者らは推察する。よって、紙内部への粒子の浸透性と粒子径との関係について、着色要素と接着要素に関わる粒子の粒子径が概略2μm以上であれば、紙の内部への浸透を低減又は防止できることを見出して本発明を完成させた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、顔料を含む着色樹脂粒状体と、粘着性樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤と、剪断減粘性付与剤を含んでなり、前記着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の粒子分布がいずれも2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれ、100rpmでの粘度が25〜160mPa・s(EMD型粘度計25℃の値)であり、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7を示し、前記粘着性樹脂粒状体は、紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で粒子相互間及び粒子と紙面との間で点接着状態で存在するボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を要件とする。更には、着色樹脂粒状体は、顔料とラジカル重合性モノマーとから少なくともなる重合性組成物を懸濁重合条件下において重合した粒状体であること、着色樹脂粒状体は、樹脂と顔料を溶融混合し、粉砕法によって粉砕した粒状体であること、粘着性樹脂粒状体は、懸濁重合法、分散重合法、シード重合法から選ばれる重合法により調製された粒状体であること、着色樹脂粒状体を5〜30重量%、粘着性樹脂粒状体を0.5〜15重量%含んでなり、且つ、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の重量比率が100:2〜200であること等を要件とする。
【0007】
更に、前記ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物中に含まれる全粒状体の粒子分布が2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含まれること、粘着性樹脂粒状体の安定化剤を含んでなること、前記ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を内蔵してボールペンを得ること等を要件とする。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
顔料を含む着色樹脂粒状体と、粘着性樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤とから少なくともなり、前記着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の粒子分布がいずれも2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物について説明する。
【0024】
前記着色樹脂粒状体は目視可能な筆跡を与えるための着色された粒状体であり、且つ、紙への浸透を防ぐためにその粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれることを必要とする。
前記着色樹脂粒状体は、樹脂粒子中に顔料が均質に分散された着色樹脂粒状体、樹脂粒子の表面が顔料で被覆されている着色樹脂粒状体が挙げられる。
【0025】
前記着色樹脂粒状体を構成する樹脂類としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド、ウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−ウレタン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
前記樹脂を着色する顔料としては、前述の顔料が挙げられる。
前記着色樹脂粒状体は、従来より公知の粉砕法、重合法及びスプレードライ法等の製造方法を利用して得ることができる。前記重合法として具体的には、懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法、乳化重合法等が挙げられ、マイクロカプセル化法を用いることもできる。
本発明に用いられる大部分が2〜20μmの粒子径を有する着色粒状体を得るためには粉砕法、懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法が好適に用いられ、更に好適には、懸濁重合法、粉砕法が用いられる。
乳化重合法は粒子径分布のほとんどが1μm以下の微細粒子として得られるため着色樹脂粒状体の調製には適さない。
【0026】
前記着色樹脂粒状体を粉砕法によって微粒子状に調製する方法について説明すると、粉砕法とは粉砕機を用いて被粉砕物に衝撃、圧縮、摩擦、剪断などの力を及ぼして固体を破壊に導く方法をいう。本発明においては、着色剤と樹脂を熱ロールやエクストルーダー等を用いて溶融混合し、更にチップ状に粗く加工した後、粉砕機によって微粒子化する方法が挙げられる。
【0027】
前記着色樹脂粒状体は市販品を適用することもでき、例えば、積水化成品(株)製の商品名:テクポリマーMBX−5系、根上工業製のアートパールC−800等を例示できる。
【0028】
なお、前記着色樹脂粒状体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法により樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶体化させたマイクロカプセル顔料を用いることもできる。
前記殻体を形成する壁膜形成物質としては、ゼラチン、シェラック、アラビアガム、ロジン、ロジンエステル、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、パラフィン、トリステアリン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリイソブテン、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン、メラミン樹脂等を単独又は混合して使用することができる。
適用できるマイクロカプセル化法としては、コアセルベーション法、インサイチュー重合法、界面重合法、液中硬化被膜法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライイング法等が挙げられる。
【0029】
次に、前記着色樹脂粒状体と併用してインキ組成物中に添加される粘着性樹脂粒状体について説明する。
前記粘着樹脂粒状体は、紙面に対し接着又は粘着性を示さない前記着色樹脂粒状体を紙面に接着させ、耐軽擦過性を付与すると共に消しゴムでの消去性を付与する役割を有する。粘着樹脂粒状体自体の粘着力とインキ組成中における配合量は消しゴム消去性と耐軽擦過性を満たす良好な範囲で決定される。粘着性樹脂粒状体についても紙面への浸透を防止、低減させるためにその粒子分布は2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれることを必要とする。
前記粘着性樹脂粒状体は、少なくとも表層部が粘着性を有していれば特に製造方法に制約を受けるものではなく、従来公知の樹脂粒子合成方法を用いることができる。
【0030】
粘着性樹脂粒状体の具体的な形態としては、粘着性樹脂粒状体を形成する樹脂の全体が粘着性を有する均質ポリマー組成物であるもの、粘着性樹脂粒状体の全表面が粘着性を有するポリマー組成物で被覆されたもの、粘着性樹脂粒状体が多層構造状のもので、少なくとも表面の一部が粘着性を有するもの、粘着性樹脂粒状体の少なくとも表面の一部が連続又は非連続状態の粘着性を有するポリマー組成物で構成されたものが挙げられる。
【0031】
前記の粘着性樹脂粒状体を得る方法としては、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法等が適用できる。粒状体を形成する樹脂の全部が粘着性を有する均質ポリマー組成のものを得るには、主として懸濁重合法、分散重合法、シード重合法、液中溶媒蒸発法が適用でき、一方、粒状体が多層構造状であるものを得るには、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法を適宜組み合わせたり、二次処理的な表面改質の手段を適用することができる。前記多層構造の例としては、中心部が硬質で表層部が粘着性を有するものが挙げられる。
粘着性付与のための二次処理とは、粘着性の有無に関わらず得られた一次粒子に対して、更に前記一次粒子を改質して粘着性を付与する処理をいう。
【0032】
なお、粘着性樹脂粒状体を調製する方法としては懸濁重合法、分散重合法、シード重合法から選ばれる少なくとも1つの重合法より調製されることが好ましく、より好ましくはシード重合法、分散重合法が挙げられ、鋭敏(鋭角的)な粒子分布曲線を示す粒状体(粒子分布の狭い粒状体)を得ることができるため、反応後の分級処理を実質上省略することもできる。
【0033】
前記粘着性樹脂粒状体が示す粘着性とは、それ自体が消しゴムでの摩擦により除去可能であり、且つ、軽擦過に対して必要最低限の粘着力を示す程度を意味する。即ち、粘着力が強すぎれば消しゴムでの消去性が低下したり、あるいは消去時に消しゴムでの強い摩擦力を要する。逆に、粘着力が弱すぎれば軽擦過により粘着性樹脂粒状体は容易に剥離するため、良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性を満たすように粘着力を調整することが必要である。
粘着性樹脂粒状体に好適な粘着性を付与する指標として、得られた粘着性樹脂粒状体のガラス転移点が40℃未満であることが好ましく、より好ましくは20℃未満である。ガラス転移点が40℃を越える粘着性樹脂を用いると概して室温条件下において粘着性の程度が弱く、耐軽擦過性を伴ない難くなる。
【0034】
粘着性樹脂粒状体の調製に用いられるポリマー類としては粘着性を有していれば特に限定されないが、具体的なポリマーを例示すると、アクリル酸エステル樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エチレンアクリル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
【0035】
粘着性樹脂粒状体を懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等のラジカル重合を利用して調製する場合の反応性モノマー類やラジカル開始剤としては前述した着色樹脂粒状体を調製する材料から選択することができる。
【0036】
次に懸濁重縮合法、懸濁付加反応法によって粘着性樹脂粒状体を調製する方法について説明する。前記方法には反応性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーが適用可能であり、かかる化合物としては、アクリル樹脂、アクリルポリオール、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂から選ばれた樹脂であって、反応後に粘着性を有する樹脂が適用できる。前記反応性樹脂を含む溶液中に、必要に応じて架橋剤を添加した後、分散剤を含む分散媒中に所望の粒子径に乳化し、その後、昇温操作によって反応を促進し粘着性樹脂粒状体が得られる。
【0037】
次に液中溶媒蒸発法によって粘着性樹脂粒状体を得る方法について説明すると、液中溶媒蒸発法は予め粘着性を有するポリマーを水不溶性の溶剤に溶解し、親水性の分散剤を含む分散媒体中に添加して所望の粒子径に成るように乳化した後、昇温や減圧等の手段によって溶剤を蒸発留去することによって、粘着性樹脂粒状体を得ることができる。
なお、必要に応じて、乳化の前後に架橋剤を添加して、元のポリマーの物性を改質してもよい。液中溶媒蒸発法に適用できるポリマー類としては前述のポリマー類を挙げることができる。
【0038】
本発明の粘着性樹脂粒状体の粘着性の調整方法としては、(1)粘着性を有するモノマー類の種類を変えたり、二種以上のモノマーを混合したり、(2)多官能性モノマー(架橋性モノマー)の量を調整することによって所望の粘着性を有する樹脂を得ることができるが、更に、粘着性を調節するためにロジン、ロジン誘導体、クマロン・インデン樹脂、ポリテルペン樹脂、非反応性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂等の粘着性付与剤を添加することもできる。また、ミネラルオイル、液状ポリブテン、ラノリン、二塩基酸エステル等の可塑剤、顔料や体質顔料等を適宜加えてもよい。
【0039】
次に前記着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体を前述した粒子分布に調整する方法について説明する。
着色樹脂粒状体は湿式分級法や乾式分級法によって所望の粒子分布に調整することができる。
湿式分級法としては、水等の媒体中に前記粒状体を分散した後、遠心沈降法、又は、自然沈降法により粒子を分級する方法が適用できる。又、粗大粒子の除去には、ろ紙、フィルター等によるろ過処理も効果的である。
一方、乾式分級法は、乾燥状態にした粒状体をバリアブルインパクター、サイクロン、クラシクロン、ターボクラシファイアー、ミクロンセパレーター等の機具を用いて分級する方法が適用できる。所望の粒度分布が得られるように分級を複数回繰り返し行ってもよい。なお、乾式分級法は電子写真用のコピー用トナーの分級方法にも用いられている。
かかる分級方法から単一或いは複数の方法を用いて粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上が含まれる粒状体が得られる。更に、狭い粒径範囲内に粒子の量を集中させた、粒子径がより均一な粒状体を得るためには、上記分級をくり返したり、不要な粒子範囲部分を拡大する方法が挙げられる。
【0040】
一方、粘着性樹脂粒状体は室温下で粘着性を有するため、乾式分級は概して適用が困難である。そのためできるかぎり粒子調製段階で2μm〜20μmの範囲に70重量%以上が含まれるように前記粒状体を調製することが好ましい。仮に分級が必要な場合は、湿式分級法が適用でき、ろ紙、フィルター等によるろ過処理、及び遠心沈降法などが適している。
なお、前述の粘着性着色樹脂粒状体も粘着性樹脂粒状体と同様の粒子分布を調整する方法を用いることができる。
【0041】
次にインキ組成中における、着色樹脂粒状体及び粘着性樹脂粒状体の配合重量及びこれらの重量比率について説明する。
インキ組成物中のそれぞれの粒状体の配合量は、着色樹脂粒状体が5〜30重量%、粘着性樹脂粒状体が0.5〜15重量%であり、且つ、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の重量比率が着色樹脂粒状体100に対して粘着性樹脂粒状体2〜200であることが好ましい。
着色樹脂粒状体が5重量%未満では良好な色濃度が得られず、30重量%を越えるとインキ組成物中での固形分比率が高くなり、円滑なインキの吐出を妨げ易くなる。
粘着性樹脂粒状体が0.5重量%未満では良好な耐軽擦過性が得られず、15重量%を越えると良好な消しゴム消去性が得られ難くなることがある。又、着色樹脂粒状体との配合比率が2未満では、良好な耐軽擦過性が得られず、200を越えると良好な消しゴム消去性が得られ難くなることがある。
前記ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を用いて筆記された紙面上の筆跡に関する形態的な特徴を説明すると、前記着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体を含むインキ組成物によって得られる紙面上に形成された乾燥後の筆跡はインキ組成中に含まれていた粒状体が粒子相互間及び紙面と粒子の間で点接着状態で接着している(図)。かかる作用により粘着性樹脂粒状体を核とする二次元的な網目構造が紙面に連続状又は不連続状に形成される。この形態的な特徴が良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性を同時に満足させている。
【0042】
インキ組成物の調製方法としては、水及び水溶性極性溶剤を含むビヒクル中に粘着性着色樹脂粒状体、又は、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体を均質に混合分散することによって調製することができる。
前記水溶性極性溶剤は、筆記先端でのインキの乾燥抑制、筆跡の耐水性の付与等の目的で用いられる。水溶性極性溶剤としては水に相溶性のある従来汎用の溶剤が全て有効であり、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジエチレングリコール、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等を一種又は二種以上併用して用いることができ、添加量はインキ組成物中2〜35重量%が好ましい。
【0043】
また、所望に応じて防腐剤、消泡剤、酸化防止剤、安定剤、PH調整剤、界面活性剤等の慣用の添加剤を添加することもできる。
前記添加剤は、PH調整剤として、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物が適用できる。 防錆剤としてベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が使用できる。
防腐剤、防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が使用できる。
湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等が使用できる。その他、インキの浸透性向上剤としてのフッ素系界面活性剤やシリコン系、ノニオン、アニオン、カチオン系の界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤、分散剤等を使用してもよい。
前記添加剤はいわゆる慣用的添加剤と呼ばれるもので、公知の化合物から適宜必要に応じて使用することができる。
更には、水性ビヒクル媒体にはインキの流動性の向上や分散安定化、粘着性の微調整の目的で従来公知の水溶性樹脂や、水性樹脂エマルジョンを添加することもできる。
【0044】
次に、筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物を内蔵する筆記具について説明する。
【0045】
発明のインキ組成物をボールペンに適用する場合には、比較的大きな粒状体を用いるために、インキ組成物中で粒状体が沈降しやすい性質がある。かかる理由からインキ組成物中に剪断減粘性付与剤を添加して、得られたインキ組成物の25℃におけるEMD型粘度計を用いた100rpmの粘度が25〜160mPa・sであり、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7であれば粒状体の沈降、分離もなく経時的に安定なボールペンを得ることができる。
前記100rpmにおけるインキ粘度が160mPa・sを越えるとインキ吐出性が低下して、筆記不能になったり、かすれを生じる。また、25mPa・s未満では粒状体の分散安定性が充分に保てない。即ち、剪断減粘指数が前記範囲外では剪断減粘性による効果が適正でなく、粘着性着色樹脂粒状体の分離防止、インキ吐出性及び筆跡性能に支障を来す。
なお、前記におけるインキの剪断減粘指数は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式(T=Kj:K及びnは計算された定数である)にあてはめることによって計算されるn値である。
【0046】
前記剪断減粘性付与剤としては、従来公知の化合物を用いることが可能であり、キサンタンガム、ウエランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
更に、剪断減粘性付与剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、脂肪酸アミド類等から選ばれるHLB値が8〜12の範囲のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の中和物、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
前記剪断減粘性付与剤はインキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0047】
次に、ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物に適用される粒状体の粒子径について説明すると、インキ組成物中に含まれる全粒状体の粒子分布が2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは、2μm〜10μmの範囲に90重量%以上含まれることである。
ボールペン用のインキ組成物中の粒子分布はボールペンチップ部におけるボール収容部近傍の狭い間隙を粒状体が円滑に通過するために、粒子サイズについて他の筆記具に比べてより大きな制約を必要とする。ボールペンチップの構造にもよるが、2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含まれるような粒状体を適用するのが好ましい。更に好ましくは、2μm〜10μmの範囲に90重量%以上含まれる粒子分布の粒状体が適用される。10μm以上の粒子の割合が多くなると、前記ボール収容部近傍で粗大な粒子が通過することなく累積し、筆記不良になる場合があるためである。
次に、ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を調製する際の粘着性樹脂粒状体の安定化剤について説明する。
前記粒状体は、筆記時のボールの回転に伴い、ボール収容部近傍における極圧作用により粘着性粒状体間で凝集、又は団塊化する傾向がある。このためインキ組成物中に粘着性粒状体の安定化剤を配合することが好ましい。
前記安定化剤としては、アニオン性界面活性剤や両性界面活性剤が挙げられ、好適には両性界面活性剤、或いは、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の併用であり、粘着粒状体表面に配向してボール収容部近傍で粘着性粒状体同士が凝集や団塊化することを防止する著しい効果を有する。
【0048】
前記アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、スルホン酸塩、タウリン誘導体、サルコシン誘導体、アマイドエーテルサルフェ−ト、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、脂肪酸塩、アルキルエーテル脂肪酸塩等が挙げられ、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリントリエタノールアミン塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンカリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ポリオキシヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、ラウリル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ジポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、トリポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等を例示できる。
【0049】
前記両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミノベタイン型、イミダゾリン型、グリシン型、エーテルアミンオキシド型の界面活性剤が挙げられ、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等を例示できる。
【0050】
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンが例示できる。
【0051】
前記インキ組成物を充填するボールペンについて更に詳しく説明すると、筆記先端部(チップ)の構造は、従来より汎用の機構が有効であり、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の0.3〜1.2mm径程度のものが適用できる。
【0052】
前記インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。
又、前記インキ収容管は、2.5〜10mmの内径を有するものが好適に用いられる。
更に、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管は、ボールペン用レフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記軸筒内に収容するレフィルの内径は、2.5〜5mmのものが好適に用いられ、インキを直接収容する軸筒の内径は、4〜10mmのものが好適に用いられる。
【0053】
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端にはインキ逆流防止体を充填することが好ましい。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を添加することもできる。
また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。
更に、前記液状及び固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明のボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物は、水と水溶性極性溶剤から媒体中に、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体を添加し、添加剤が配合される場合には適宜添加剤を投入して攪拌して分散することにより調製され、ボールペンに充填して使用される。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
又、実施例における粒子径分布の測定にはレーザー回折式粒度分布測定機〔(株)島津製作所製;SALD 1100〕を用い、ガラス転移温度の測定には示差走査熱量計〔理学電気(株)製:DSC 8230L〕を用いて測定した。
尚、実施例中の配合数字は重量部を示す。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
実施例
粘着性樹脂粒状体の調製
撹拌機付きセパラブルフラスコ(2リットル)に水600部を入れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100、信越化学(株)製)20部を溶解して分散媒とした。前記分散媒にブチルアクリレート78部、エチルメタクリレート52部、t−ブチルパーオキピバレート1部からなる油相溶液を加え、00rpmで平均粒子径がμmとなるよう撹拌を続けた。
ついで、窒素雰囲気下で懸濁液を70℃に昇温して撹拌を6時間続けて懸濁重合を行なった。その後室温まで冷却し、水1000部を加えて希釈した後、遠心分離法によって固液分離し、水で固形分を40%に調整して粘着性樹脂粒状体分散体を得た。
前記粘着性樹脂粒状体分散体中の粒状体の平均粒子径は4.8μmであり、粒子は2μm〜0μmの範囲に全粒状体の90重量%が含まれるものであった。
【0066】
【0067】
着色樹脂粒状体の調製
セパラブルフラスコ(2リットル)に水480部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕20部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒にカーボンブラック(商品名:Printex L、デグサ社製)10部、メチルメタクリレート60部、エチレングリコールジメタクリレート30部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる着色組成物を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、撹拌継続下で懸濁液を70℃に昇温して6時間懸濁重合を行った。
室温まで冷却し、水1000部を加えて希釈し、遠心分離法によって固液分離した後、水で固形分を50%に調整して黒色樹脂粒状体分散体Aを得た。
前記黒色樹脂粒状体分散液A中の粒状体の平均粒子径は5.8μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の88重量%が含まれるものであった。
【0068】
【0069】
インキ組成物の調製
黒色樹脂粒状体分散液A 40.0
粘着性樹脂粒状体分散液B 7.0
エチレングリコール 10.0
尿素 5.0
シリコーン変性消泡剤 0.1
防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 1.0
サクシノグリカン 0.2
(有機酸修飾ヘテロ多糖体、平均分子量約100万乃至800万)
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
〔商品名:プライサーフM208B、第一工業製薬(株)製〕
水 36.2
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による100rpmでの粘度)が53mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は0.251であった。
【0070】
実施例
着色樹脂粒状体の調製
ビーカー(2リットル)に水480部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕20部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒にフタロシアニン系青色有機顔料(商品名ファーストゲンブルー5007、大日本インキ(株)製)15部、エポキシ樹脂(ビスフェノールA/ジグリシジルエーテル系、エポキシ当量184〜194)85部、酢酸エチル60部からなる着色組成物を加えて高速撹拌により約5μmの液滴とした後、撹拌継続下で60℃まで昇温し、エポキシ樹脂硬化剤(脂肪族ポリアミン)21部を水200部中に溶解した溶液を約1時間かけて滴下した。ついで液温を80℃まで昇温度させて5時間撹拌を続けることにより酢酸エチルを揮散させた。
室温まで冷却し、水1000部を加えて洗浄して遠心分離によって固液分離した後、水で固形分を調整して固形分50%の青色樹脂粒状体分散液Bを得た。
前記青色樹脂粒状体分散液B中の粒状体の平均粒子径は6.7μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の91重量%が含まれるものであった。
【0071】
インキ組成物の調製
青色樹脂粒状体分散液B 36.0
粘着性樹脂粒状体分散液B 12.0
エチレングリコール 10.0
シリコーン変性消泡剤 0.1
防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.5
モノイソステアリン酸ヘキサグリセリル 9.0
〔商品名:SフェイスIS−601、阪本薬品工業(株)製、
HLB:10.8〕
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
〔商品名:プライサーフM208B、第一工業製薬(株)製〕
水 31.9
合計 100.0
前記配合物のうち、予め水とエチレングリコールを混合した混合液中にモノイソステアリン酸ヘキサグリセリルを加えた後、ディスパーにて撹拌しながら青色樹脂粒状体分散液B及び粘着性樹脂粒状体分散液Bを添加し、更に消泡剤、防腐剤、潤滑剤を加えて撹拌を続けてインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による100rpmでの粘度)が58mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は0.271であった。
【0072】
実施例
粘着性樹脂粒状体の調製
実施例の粘着性樹脂粒状体の油相溶液をブチルアクリレート92部、メタクリル酸メチル34部、エチレングリコールジメタクリレート6部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル2部とする以外は実施例と同様の手順で反応を行った。但し回転数を600rpmとして平均粒子径が3μmとなるように調整した。
得られた粘着性樹脂粒状体の固形分を水で40%に調整して粘着性樹脂粒状体分散液Cを得た。
前記粘着性樹脂粒状体分散液C中の粒状体の平均粒子径は3.2μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の85重量%が含まれるものであった。
【0073】
インキ組成物の調製
黒色樹脂粒状体分散液A 20.0
粘着性樹脂粒状体分散液C 25.0
グリセリン 6.0
シリコーン変性消泡剤 0.1
防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 1.0
サクシノグリカン 0.26
(有機酸修飾ヘテロ多糖体、平均分子量約100万乃至800万)
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
〔商品名:プライサーフM208B、第一工業製薬(株)製〕
トリエタノールアミン 0.5
水 46.64
合計 100.0
前記配合物を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌してインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による100rpmでの粘度)が49mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は0.280であった。
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
比較例
着色樹脂粒状体の調製
実施例で作成した着色樹脂粒状体分散体Aと同組成で、高速撹拌により約2μmの液滴とした以外は同様の方法により固形分50重量%の黒色樹脂粒状体分散体A’を得た。
前記黒色樹脂粒状体分散液A’中の粒状体の平均粒子径は2.8μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の58重量%が含まれるものであった。
【0083】
撹拌機付きセパラブルフラスコ(2リットル)に水600部を入れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100、信越化学(株)製)20部を溶解して分散媒とした。前記分散媒にブチルアクリレート120部、メタクリル酸メチル10部、エチレングリコールジメタクリレート2部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.0部からなる油相溶液を加え、高速攪拌で平均粒子径が約2μmとなるよう撹拌を続けた。
ついで、窒素雰囲気下で懸濁液を70℃に昇温して撹拌を6時間続けて懸濁重合を行なった。その後室温まで冷却し、水1000部を加えて希釈した後、遠心分離法によって固液分離し、水で固形分を40%に調整して粘着性樹脂粒状体分散体A’を得た。
前記粘着性樹脂粒状体分散体A’中の粒状体の平均粒子径は2.3μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の53重量%が含まれるものであった。
【0084】
インキ組成物の調製
実施例の黒色樹脂粒状体分散液A40.0部、粘着性樹脂粒状体分散液B7.0部を、黒色樹脂粒状体分散体A’40.0部、粘着性樹脂粒状体分散体A’7.0部とする以外は実施例と同様にしてインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による100rpmでの粘度)が57mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は0.269であった。
【0085】
比較例
粘着性樹脂粒状体分散液の調製
実施例で作成した粘着性樹脂粒状体分散体Bと同組成で、高速撹拌により約2μmの液滴とした以外は同様の方法により固形分40重量%の粘着性樹脂粒状体分散体B’を得た。
前記粘着性樹脂粒状体分散体B’中の粒状体の平均粒子径は3.2μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の61重量%が含まれるものであった。
【0086】
インキ組成物の調製
実施例の粘着性樹脂粒状体分散液B12.0部を粘着性樹脂粒状体分散体B’12.0部とする以外は実施例と同様にしてインキ組成物を得た。
得られたインキ組成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による100rpmでの粘度)が61mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は0.282であった。
【0087】
【0088】
試料ボールペンの作成
実施例1乃至、比較例1及び2のインキ組成物を、各々直径0.7mmの超硬合金ボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製軸筒一端に嵌着されたボールペンに充填し、更に、前記インキ後端面に密接させてインキ逆流防止体(シリコーングリース系)を充填して遠心処理を施した後、尾栓を嵌着するタイプのボールペンに充填して試料ボールペンとした。
【0089】
消去性試験及び耐軽擦過性試験
前記各試料ペンで、レポート用紙(コクヨ製、品番レ−116AN)の紙面に直径約2cmの円を連続して描き、得られた筆跡を消しゴム〔シードゴム工業(株)製、商品名:STAR Radar〕を用いて、筆記から5秒後及び1日後に擦過して消去性の難易度を判定した。
耐軽擦過性については、筆記して1時間後の筆跡上に、ろ紙(ADVANTEC製、No.2ろ紙)を平滑面が筆跡側になるように載置し、その上方から45.5g/平方センチメートルの荷重をかけて筆跡上を10回スライドさせて、耐軽擦過性を判定した。
【0090】
消去性及び耐軽擦過性試験結果、着色樹脂粒状体、粘着性樹脂粒状体の平均粒子径、筆記具の形態、筆跡の色調を以下の表に示す。
【0091】
【表1】
Figure 0004397484
【0092】
【表2】
Figure 0004397484
【0093】
【0094】
【0095】
表中の消去性及び耐軽擦過性の判定記号は以下のとおり。
消去性
○:容易に消去できる。
△:10回までの擦過で消去できるものの、若干筆跡が残る。
×:10回までの擦過では消去できない。
耐軽擦過性
○:殆ど筆跡が剥離しない。
【0096】
【発明の効果】
本発明は、粒子分布がいずれも2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる着色樹脂粒子及び粘着性樹脂粒子を媒体中に分散させたインキ組成物であって、適用する粒状体の紙内部への浸透性が極めて低く、しかも、消しゴム消去性と耐軽擦過性の両方の性質を満たすため、紙に筆記して得られる筆跡が消しゴムで容易に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を共に満足させるボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を用いて筆記した筆跡の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
2 着色樹脂粒状体
3 粘着性樹脂粒状体

Claims (8)

  1. 顔料を含む着色樹脂粒状体と、粘着性樹脂粒状体と、水と、水溶性極性溶剤と、剪断減粘性付与剤を含んでなり、前記着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の粒子分布がいずれも2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれ、100rpmでの粘度が25〜160mPa・s(EMD型粘度計25℃の値)であり、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7を示し、前記粘着性樹脂粒状体は、紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で粒子相互間及び粒子と紙面との間で点接着状態で存在するボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物。
  2. 着色樹脂粒状体は、顔料とラジカル重合性モノマーとから少なくともなる重合性組成物を懸濁重合条件下において重合した粒状体である請求項1記載のボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物。
  3. 着色樹脂粒状体は、樹脂と顔料を溶融混合し、粉砕法によって粉砕した粒状体である請求項1記載のボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物。
  4. 粘着性樹脂粒状体は、懸濁重合法、分散重合法、シード重合法から選ばれる重合法により調製された粒状体である請求項1記載のボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物。
  5. 着色樹脂粒状体を5〜30重量%、粘着性樹脂粒状体を0.5〜15重量%含んでなり、且つ、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の重量比率が100:2〜200である請求項1乃至4記載のいずれかのボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物。
  6. インキ組成物中に含まれる全粒状体の粒子分布が2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含まれる請求項1乃至5記載のいずれかのボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物。
  7. 粘着性樹脂粒状体の安定化剤を含んでなる請求項1乃至6記載のいずれかのボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物。
  8. 請求項1乃至7記載のいずれかのボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を内蔵してなるボールペン。
JP34287799A 1998-12-03 1999-12-02 ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン Expired - Fee Related JP4397484B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34287799A JP4397484B2 (ja) 1998-12-03 1999-12-02 ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36189798 1998-12-03
JP10-361897 1998-12-03
JP11-126455 1999-05-06
JP12645599 1999-05-06
JP34287799A JP4397484B2 (ja) 1998-12-03 1999-12-02 ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001019888A JP2001019888A (ja) 2001-01-23
JP4397484B2 true JP4397484B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=27315329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34287799A Expired - Fee Related JP4397484B2 (ja) 1998-12-03 1999-12-02 ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4397484B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003155435A (ja) 2001-11-19 2003-05-30 Mitsubishi Pencil Co Ltd 水性ボールペン用インキ組成物
JP2003155433A (ja) 2001-11-19 2003-05-30 Mitsubishi Pencil Co Ltd 水性ボールペン用インキ組成物
JP4137530B2 (ja) * 2002-06-24 2008-08-20 株式会社サクラクレパス 消去性インキ組成物
WO2003068875A1 (fr) 2002-02-18 2003-08-21 Sakura Color Products Corporation Composition d'encre effaçable
US7914222B2 (en) 2003-05-27 2011-03-29 Sakura Color Products Corporation Tip unit for liquid applicator, method for producing the same, and liquid applicator having the tip unit
JP4966510B2 (ja) * 2005-04-12 2012-07-04 パイロットインキ株式会社 直液式筆記具
JP4961115B2 (ja) 2005-06-01 2012-06-27 パイロットインキ株式会社 可逆熱変色性筆記具用水性インキ組成物及びそれを収容した筆記具
JP2008115206A (ja) * 2006-10-31 2008-05-22 Pentel Corp ボールペン用水性インキ組成物
JP7039287B2 (ja) * 2017-12-27 2022-03-22 株式会社パイロットコーポレーション 水性ボールペン用インキ組成物、およびそれを用いたボールペン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001019888A (ja) 2001-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6498203B1 (en) Rubber-erasable aqueous ink for writing material composition and writing materials using the same
JP3454498B2 (ja) 消去性インキ組成物及びこれを用いた水性ボールペン
JP6626369B2 (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP4409718B2 (ja) 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
US6458192B1 (en) Erasable ink composition
JP4397484B2 (ja) ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP4275225B2 (ja) 消しゴム消去性ボールペン用水性インキ組成物
JP3927041B2 (ja) 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP2002265843A (ja) 筆記用変色性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP2003011574A (ja) 消しゴム消去性水性インキボールペン
JP3334435B2 (ja) ボールペン用水性顔料インキ
JP2003128974A (ja) 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP6626373B2 (ja) 筆記具用水性インク組成物
JP3108541B2 (ja) 筆記用具用水性インキ組成物
JP2002371220A (ja) ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2000256604A (ja) 消去性インキ組成物
JP2004149681A (ja) 消しゴム消去性筆記具用水性インキ組成物
JP2003231855A (ja) ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン
JP2004143381A (ja) 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びその製造方法
JP2005132884A (ja) インキ用着色樹脂粒状体及びそれを用いた筆記具用インキ組成物
JP4435292B2 (ja) ボールペン型接着具用水性接着組成物及びそれを内蔵したボールペン型接着具
JP2004026926A (ja) 消去性インキ組成物
JP2003138193A (ja) 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP2004149644A (ja) 筆記用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
JP2004204036A (ja) 消しゴム消去性水性インキ用樹脂粒子、その製造方法、消しゴム消去性水性インキ組成物、及びボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070717

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070912

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081027

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091021

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151030

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees