JP4392299B2 - 生カバー装着方法及びタイヤ加硫機 - Google Patents
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Description
また、生カバーを加硫金型が備えるビードリングに装着(着座)させる動作は、従来、生カバーのビード部を、金型(サイドプレート)に固定状態にあるビードリングに機械的に押し込んで着座させている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、完成品タイヤのユニフォーミティは、加硫工程前の、生カバー成形機のドラム上にて筒状に生カバーを成形する際に生じる成形要因と、成形機にて成形した生カバーを加硫機にて加硫を行う際に生じる加硫要因とがある。従来では、ユニフォーミティを改善するために、成形要因については、生カバー成形機の精度及び材料の組立方法の調整により制御可能とされているが、加硫要因については、有効な手段がなく、制御することが不可能であった。加硫要因により不良が生じた完成品タイヤはスクラップとしている。
また、成形機にて生カバーを成形する際に、成形機においても、偏芯、傾きを完全に無くすることは不可能であり、成形機にて成形される生カバーは、必ず一定の方向(部位)で周上不均一になるという性質がある。
なお、タイヤのユニフォーミティの半径方向の力の変動の最大値(1次成分)の影響度は、生カバーの偏芯量について考えると、10N/mm程度の影響があると考えられる。
また、上記生カバーが上記装着状態とされた上記ビードリングは、該ビードリングのリング軸芯が上記加硫金型の金型軸芯と一致する正規位置に、該生カバーと共に移動して該加硫金型内に配置され、該加硫金型が閉状態となる。
また、上記芯調整手段は、上記ビードリングに外嵌させると共に該ビードリングのリング軸芯と偏芯する第1回転軸芯を有する内円環部材と、該内円環部材に外嵌させると共に上記第1回転軸芯と偏芯する第2回転軸芯を有する外円環部材と、該内円環部材を該ビードリングと共に該第1回転軸芯廻りに回転させる第1駆動手段と、該外円環部材を該内円環部材と共に該第2回転軸芯廻りに回転させる第2駆動手段と、を有する。
また、上記センサは、上記生カバーの側面から該生カバーの外形状を検知するレーザ変位計とされている。あるいは、上記センサが、上記生カバーを挟んで該生カバーの外形状を検知する投光受光型光検出センサとされている。
また、加硫機におけるユニフォーミティ改善のための加硫要因を簡単かつ効果的に制御することができる。そして、ユニフォーミティが安定するよう生カバーと金型との位置関係を調整して加硫を行うことができ、最適結果が得られるよう加硫を行うことができる。
また、図2に示すように、加硫機は、加硫成型する生カバー1を外嵌状とさせ(加硫成型する生カバー1に内装され)、加熱加圧媒体の充填によって膨らんで生カバー1を内面側から押圧し、生カバー1のプリシェーピングを行うブラダー2を有する。なお、このプリシェーピングは、加硫金型が開状態において行われる。
センサ3は、図2に示すように、生カバー1の側面から生カバー1の外形状を検知するレーザ変位計9とすることができ、レーザ変位計9を生カバー1の周囲360 °回転させることでプリシェーピング状態にある生カバー1の外周面の形状を知ることができる。
あるいは、センサ3を、図3の簡略平面図に示すように、生カバー1を挟んで生カバー1の外形状を検知する投光受光型光検出センサ10とすることもできる。図3においては、生カバー1の側方に検出センサ10を配設し、この検出センサ10を生カバー1の廻りを90°回転させることで、生カバー1の外周面の形状を知ることができる。また、図示省略するが、この検出センサ10を生カバー1を上下から挟むよう配設させてもよい。
位置演算手段6は、センサ3と接続され、センサ3により検知した生カバー1の外径差から生カバー1の位置を予測演算することができる。または、センサ3によるこの検出データから生カバー1の生カバー軸芯C1 の位置を演算にて求めることもできる。つまり、平面視において基準点(例えば、金型軸芯C3 )を原点とするXーY座標を取り、生カバー1(生カバー軸芯C1 )の位置の平面座標を求める。
そして、比較演算手段7は、このXーY座標において、位置演算手段6にて求めた生カバー1の位置(座標)と加硫金型のビードリング4の位置(座標)との間の距離を演算にて求める。または、生カバー軸芯C1 の座標とビードリング4のリング軸芯C2 の座標との間の距離を演算にて求めることもできる。従って、その距離が偏芯量となる。
具体的な構成は、図5と図6に示すように、偏芯してビードリング4に外嵌させる内円環部材11と、偏芯して内円環部材11に外嵌させる外円環部材12と、を有する。なお、この内円環部材11と外円環部材12とをサイドプレートの一部とさせることができる。
そして、第1駆動手段13と第2駆動手段14との動作により、ビードリング4のリング軸芯C2 を、X−Y座標上の任意の位置に、例えば、図5(イ)に示す原点位置から図5(ロ)に示す移動位置に、自在に変位させることができる。
また、芯調整手段8は、ビードリング4を上下共において相互を同調させて同じ位置に移動させるよう構成されている。
そして、生カバー1は、ブラダー2によるシェーピングによって安定し、さらに、ビードリング4にて上下から挟み込まれることでさらに安定し、加硫することができる。
また、この芯調整手段8による動作は、生カバー1にブラダー2を挿入状とし、ブラダー2を膨張させ、生カバー1を内方から加圧しプリシェーピングするシェーピング工程の際に行うことができる。
または、ビードリング4の移動は、測定したRFV1Hの平均ベクトル(合成ベクトル)の方向としてもよい。
さらに、この方法は、生カバー1のカバー軸芯C1 とビードリング4のリング軸芯C2 とを位置制御するが、ユニフォーミティを改善させるために、生カバー軸芯C1 とリング軸芯C2 とを意図的に所定の偏芯量でもって偏芯させた状態で加硫を行うことをも意図している。
つまり、生カバー1とビードリング4との芯を制御する(一致させる)ことにより、加硫成型における生カバー1とビードリング4とのオフセンター(偏芯)を解消することができる。従って、偏芯によるユニフォーミティの低下を防ぐことができる。
しかも、リング軸芯C2 の移動は内・外円環部材11,12の回転運動のみにて行われるため、外円環部材12を加硫金型のサイドプレート本体部18に形成する孔17内に設けることで、ビードリング4を移動させても、ビードリング4とサイドプレート本体部18との間に隙間、段差を形成することがない。つまり、金型内においてビードリング4の移動が行え、かつ、そのまま加硫させることができる。
2 ブラダー
3 センサ
4 ビードリング
6 位置演算手段
7 比較演算手段
8 芯調整手段
9 レーザ変位計
10 光検出センサ
11 内円環部材
12 外円環部材
13 第1駆動手段
14 第2駆動手段
C1 生カバー軸芯
C2 リング軸芯
C3 金型軸芯
C4 第1回転軸芯
C5 第2回転軸芯
Claims (6)
- ビードリング(4)を備える加硫金型に生カバー(1)を装着させる生カバー装着方法であって、上記加硫金型の中央に配置されるブラダー(2)に上記生カバー(1)を外嵌状とさせ、該ブラダー(2)の膨張によりプリシェーピングされる該生カバー(1)の外形状をセンサ(3)にて検知し、該センサ(3)による検知結果から該生カバー(1)の位置を求め、該生カバー(1)と上記ビードリング(4)との偏芯量を求め、該偏芯量に応じて該ビードリング(4)を移動させ、該生カバー(1)と該ビードリング(4)とを芯合わせさせた装着状態とすることを特徴とする生カバー装着方法。
- 上記生カバー(1)が上記装着状態とされた上記ビードリング(4)は、該ビードリング(4)のリング軸芯(C2 )が上記加硫金型の金型軸芯(C3 )と一致する正規位置に、該生カバー(1)と共に移動して該加硫金型内に配置され、該加硫金型が閉状態となる請求項1記載の生カバー装着方法。
- 加硫成型する生カバー(1)に内装されるブラダー(2)と、ビードリング(4)を備える加硫金型と、該ブラダー(2)の膨張によりプリシェーピングされる該生カバー(1)の外形状を検知するセンサ(3)と、該センサ(3)による検知結果から該生カバー(1)の位置を求める位置演算手段(6)と、該位置演算手段(6)による演算結果から該生カバー(1)と上記ビードリング(4)との偏芯量を求める比較演算手段(7)と、該偏芯量に基づいて該生カバー(1)の生カバー軸芯(C 1 )と該ビードリング(4)のリング軸芯(C 2 )とを芯合わせさせるよう該ビードリング(4)を移動させて位置調整する芯調整手段(8)と、を備えたことを特徴とするタイヤ加硫機。
- 上記芯調整手段(8)は、上記ビードリング(4)に外嵌させると共に該ビードリング(4)のリング軸芯(C 2 )と偏芯する第1回転軸芯(C 4 )を有する内円環部材(11)と、該内円環部材(11)に外嵌させると共に上記第1回転軸芯(C 4 )と偏芯する第2回転軸芯(C 5 )を有する外円環部材(12)と、該内円環部材(11)を該ビードリング(4)と共に該第1回転軸芯(C 4 )廻りに回転させる第1駆動手段(13)と、該外円環部材(12)を該内円環部材(11)と共に該第2回転軸芯(C 5 )廻りに回転させる第2駆動手段(14)と、を有する請求項3記載のタイヤ加硫機。
- 上記センサ(3)は、上記生カバー(1)の側面から該生カバー(1)の外形状を検知するレーザ変位計(9)とされた請求項3又は4記載のタイヤ加硫機。
- 上記センサ(3)が、上記生カバー(1)を挟んで該生カバー(1)の外形状を検知する投光受光型光検出センサ(10)とされた請求項3又は4記載のタイヤ加硫機。
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