JP4387905B2 - 半導体光センサ装置及びこれを組込んだ情報機器 - Google Patents
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Description
携帯電話等において、一般にキー部の発光ダイオードのオンオフは数ルクスから100ルクス程度の低照度範囲において制御される。従来の照度センサは、キー部の発光ダイオードのオンオフ制御にのみ使用されてきたため、数ルクスから100ルクスの低照度範囲でリニアな出力を出すように設計されている。
しかし、現在、操作面(キー部)の発光ダイオードのオンオフの他、液晶のフルカラー化により、液晶バックライトの電力消費も大きくなり、また、高品位の表示画面を得るために、周囲の照度に合わせバックライトの輝度制御が要求されている。液晶バックライトの輝度調整は、液晶の性質上、数万ルクスの高照度で行われる。
また、数万ルクスの高照度を検出可能なように、感度を下げた照度センサの場合は、逆にキー部の制御照度である低照度での出力が、暗電流などと区別がつかなくなってしまうため、検出が困難になってしまうという問題があった。
従来の光センサ装置としては、特許文献1にゲインの異なる二個の増幅器と、コンパレータ(二値化回路)を有する光電スイッチ回路が記載されている。目的に応じて二個の増幅器を設けている。また、特許文献2には、広いダイナミックレンジを持つ光検出回路が記載されている。ゲインが異なる複数の増幅器を持ち、各増幅器の出力は初めに粗い分解でA/D変換され変換値が出力範囲の中央値に最も近い増幅器を選択する。また、低分解A/D コンバータはコンパレータに置き換えることもでき、その場合には各増幅器のゲインに応じた値を持つコンパレータを各々の増幅器に対して設けることが記載されている。
図1は、この参考例を説明する照度センサの回路ブロック図、図2は、図1の照度センサの動作を説明する特性図、図3は、図1の照度センサを構成する論理回路の1例、図4は、照度センサに入力する光の照度と照度センサの出力との関係を示す特性図、図5は、この参考例の低照度用及び高照度用フォトダイオード部の構成及び作り方を説明する平面図である。
図1に示す様に、異なる照度特性を有する複数のフォトダイオード部からなるフォトダイオード部1は、その出力がスイッチ(SW)2を介して第1の増幅器3に入力するように構成されている。
ある照度の光が照度センサに照射されると、高感度の低照度用フォトダイオード部(PD1)及び低感度の高照度用フォトダイオード部(PD2)からなるフォトダイオード部1で光は電流に変換される。低照度用フォトダイオード部は、照度数ルクスから数100ルクスまでリニアな照度−出力特性を持っている。高照度用のフォトダイオード部は、数100ルクスから数万ルクスまでリニアな照度−出力特性を持っている。フォトダイオードは、リニアな領域以外では照度に対して飽和出力するので照度を検出するのに適さない。低照度用フォトダイオード部と高照度用フォトダイオード部とでリニアな照度−出力特性を持つ照度範囲で切り替え照度EV1を設定する。高感度の低照度用フォトダイオード部からは、照度センサに入射した同じ光に対しても低感度の高照度用フォトダイオード部よりも大きな光電流が得られるように、例えば、受光面積を高感度の低照度用フォトダイオード部では大きく、低感度の高照度用フォトダイオード部では小さく変化をつけるようにする。面積を変える以外には、低感度の高照度用フォトダイオード部を減光フィルタで覆っても良いし、両方を併用しても良い。
図5(c)の場合は、フォトダイオード部のフォトダイオード(PD)に同一面積、同一構造の素子を用い、高照度用のフォトダイオード部のフォトダイオード(PD)の一部に遮光フィルタを形成して照度特性を変える方法である。
第1の増幅器3の出力電位は、それぞれ検出したい照度に合わせた電位とコンパレータ5で比較される。この例では、入力光が比較電圧生成回路7で生成された比較基準電位(検出照度1、検出照度2)を超えた時に、コンパレータ5の出力は「0」から「1」に変化する。本発明は、デジタル出力なので、検出したい照度の閾値を検出照度1(例えば、100ルクス)と検出照度2(例えば、50000ルクス)としている。検出照度1と検出照度2ではさらに、論理回路9により、モード検出回路8の出力電位とコンパレータの出力とを演算することにより、照度を判別することが出来る。たとえば、この例では、モード検出回路8と第1の増幅器3の出力のANDとORを取ることにより、図4のような3つの照度範囲を識別することが出来る。
基準電圧回路には、温度変化の少ないバンドギャップ回路などを用い、その電圧を抵抗分圧や演算増幅器を用いた電圧変換回路などで検出したい照度に合わせた比較用の電位をつくり、コンパレータに供給する。
なお、この構成では、検出したい照度に対し、コンパレータの比較基準電位は一つの電位としてフォトダイオード部の感度を調整しているが、勿論、比較電位とコンパレータを複数用意してもよい。
この参考例は、参考例1がコンパレータを1つ用いているのに対し、複数のコンパレータを備えていることに特徴がある。図6及び図7は、この実施例を説明する照度センサの回路ブロック図である。
この参考例で用いられるフォトダイオード部は、参考例1と同じ特性のものを用いてもよいが、これに限定されるものでは無い。また、増幅器についても、増幅度などの特性の同じものを用いても良いし、異なるものを用いても良い。図6に示す様に、異なる照度特性を有する複数のフォトダイオード部からなるフォトダイオード部1は、その出力がスイッチ(SW)2を介して第1の増幅器3に入力する。フォトダイオード部1は、高感度の低照度用フォトダイオード部(PD1)と低感度の高照度用フォトダイオード部(PD2)からなる。少なくとも1つの増幅器からなる第1の増幅器3は、フォトダイオード部1からの出力(信号電流)を電圧に変換し増幅しその出力を少なくとも1つの増幅器からなる第2の増幅器4へ出力する。第1及び第2の増幅器は、同じ特性を有していても良いし、異なっていても良い。この照度センサは、第1の増幅器3の出力を監視してある照度になるとフォトダイオード部1を切り換えるモード検出回路8を有し、スイッチ2は、モード検出回路8の出力信号を受けて第1の増幅器3に入る出力信号を切り換える。
ある照度の光が照度センサに照射されると、高感度の低照度用フォトダイオード部(PD1)及び低感度の高照度用フォトダイオード部(PD2)からなるフォトダイオード部1で光は電流に変換される。高感度の低照度用フォトダイオード部からは、照度センサに入射した同じ光に対しても低感度の高照度用フォトダイオード部よりも大きな光電流が得られるようにする。
初期状態では、第1の増幅器2に入る各フォトダイオード部から出力される信号を切り換えるスイッチ2は、低照度用フォトダイオード部(PD1)に接続されている。入射光が強くなってモード検出回路8の閾値(「モード回路閾値1」)に相当する照度(実施例1ではEV1)になり(図2(a)参照)、第1の増幅器3の出力が「モード回路閾値1」になることをモード検出回路8が検出すると、モード検出回路8の出力は反転し、スイッチ2が高照度用フォトダイオード部(PD2)側に切り換わる。
第1の増幅器3の出力電位は、それぞれ検出したい照度に合わせた比較電圧生成回路7の複数の出力電位と複数のコンパレータ5のそれぞれにおいて比較される。
基準電圧回路6には、温度変化の少ないバンドギャップ回路などを用い、その電圧を抵抗分圧や演算増幅器を用いた電圧変換回路などで検出したい照度に合わせた比較用の電位をつくりコンパレータに供給する。
この例は、図6に示す照度センサと基本構造が同じである。ここでは、ROMなどの記憶装置11の出力が比較電圧生成回路7に入力される構造が付加されている。比較電位生成回路を内蔵する記憶装置(ROMなど)で変更出来るようにしておくことにより、必要に応じて検出照度を簡単に変更することが出来る。さらに、その記憶装置を書き換え可能な記憶装置、例えば、EPROM等とすることにより、実装による感度ばらつきなどのばらつき要因を実装後にEPROMを電気的に書き換えることで合せ込むことも可能となり、一層の高精度化を実現できる。
この参考例では、高照度用・低照度用の2つのモードだけでなく、例えば、中照度用というような3つ以上のモードを持たせることも勿論可能である。
この参考例では、低照度用と高照度用の照度特性の異なる2つのフォトダイオード部を独立に設けてこれらを切り換えることにより、数ルクスの低照度から数万ルクスの高照度までの照度において、精度よい検出が可能なデジタル出力が得られる。
参考例1、2では2つの照度特性の異なるフォトダイオード部から構成されたフォトダイオード部を用い、これを適宜切り換えることに特徴があるが、この実施例では、2つの増幅度などの特性の異なる増幅器を適宜切り換えて用いることに特徴がある。この実施例で用いられるフォトダイオード部の照度特性は、実施例1、2において用いられるフォトダイオード部と同じであっても異なっていても良い。増幅器についても同様である。
図8は、この実施例を説明する照度センサの回路ブロック図、図9は、図8の照度センサの動作を説明する特性図である。フォトダイオード部1は、その出力が第1の増幅器3に入力する。第1の増幅器3は、フォトダイオード部1からの出力(信号電流)を電圧に変換し増幅してその出力を第2の増幅器4へ出力する。照度センサは、さらに、コンパレータの比較基準電圧の基になるバンドギャップ定電圧回路などの基準電圧発生回路6及びこの基準電圧発生回路6の出力に基づいて比較基準電圧を発生する比較電圧生成回路7を有している。
低照度用増幅器は、入力される光電流を照度に換算して数ルクスから数100ルクスまでリニアな入出力特性を持っている。また、高照度用増幅器は数100ルクスから数万ルクスまでリニアな入出力特性を持っている。リニアな範囲以外では入力に対し、出力が一定となる。低照度用増幅器と高照度用増幅器のリニアな入出力特性が重なる範囲で切り替え照度を設定する。
第2の増幅器4の出力は、コンパレータ5に入力され、ここで比較電圧生成回路7の出力電圧と比較されて論理信号が出力される。コンパレータ5は、第1のコンパレータ(コンパレータ1)及び第2のコンパレータ(コンパレータ2)からなり、第1のコンパレータには低照度用増幅器13の出力が入力され、第2のコンパレータには高照度用増幅器14の出力が入力される。コンパレータ5の出力は、論理回路9に入力されて出力部10にデジタル出力が出力される。この実施例の照度センサは、1つの半導体チップ上に形成される。
なお、この構成では、検出したい照度に対し、比較用の基準電位を調整しているが、基準電位は一つの電位として、増幅器の増幅度をあわせても良い。勿論、比較電位と増幅度の両方を用いても良い。
また、以上の例では高照度用増幅器と低照度用増幅器の増幅度に違いを持たせたが、それぞれの増幅器の増幅度は同じとし、フォトダイオード部の感度に違いを持たせても良い。つまり。高照度用には感度の低いフォトダイオード部を、低照度用には感度の高いフォトダイオード部を用いればよい。勿論、フォトダイオード部の感度と増幅器の増幅度の両方に違いを持たせても良い。
この実施例では、高増幅度の低照度用及び低増幅度の高照度用に適した増幅度の異なる2つの増幅器を独立に設けて、これらを切り換えることにより、数ルクスの低照度から数万ルクスの高照度までの照度において、精度よい検出が可能なデジタル出力が得られる。
参考例1、2では2つの照度特性の異なるフォトダイオード部から構成されたフォトダイオード部を用い、これを適宜切り換えることに特徴があるが、この実施例では、2つ以上の複数の増幅度などの特性の異なる増幅器を適宜切り換えて用いることに特徴がある。
図10及び図11は、この実施例を説明する照度センサの回路ブロック図である。図10に示すように、フォトダイオード部1は、その出力が第1の増幅器3に入力する。第1の増幅器3は、フォトダイオード部1からの出力(信号電流)を電圧に変換し増幅しその出力を第2の増幅器4へ出力する。照度センサは、さらに、コンパレータの比較基準電圧の基になるバンドギャップ定電圧回路などの基準電圧発生回路6及びこの基準電圧発生回路6の出力に基づいて比較基準電圧を発生する比較電圧生成回路7を有している。
基準電圧回路には、温度変化の少ないバンドギャップ回路などを用い、その電圧を抵抗分圧や、演算増幅器を用いた電圧変換回路などで、検出したい照度に合わせた比較用電位をつくりコンパレータに供給する。
なお、この構成では、検出したい照度に対し、比較用の基準電位を調整しているが、基準電位は一つの電位として、増幅器の増幅度をあわせても良い。もちろん、比較電位と増幅度の両方を用いても良い。
次に、図11を参照してこの実施例の他の照度センサを説明する。
この例は、図10に示す照度センサと基本構造が同じである。ここでは、ROMなどの記憶装置12の出力が比較電圧生成回路7に入力される構造が付加されている。比較電位生成回路を内蔵する記憶装置(ROMなど)で変更出来るようにしておくことで、応用に合わせた検出照度を簡単に変更出来るようにすることが出来る。さらに、その記憶装置に書き換え可能な記憶装置、例えば、EPROMなどとすることにより、実装による感度ばらつきなどのばらつき要因を実装後にEPROMを電気的に書き換えることで、合せ込むことも可能となり、一層の高精度化を実現できる。
この実施例では、互いに増幅度の異なる2つの増幅器を独立に設けてこれらを切り換えることにより、数ルクスの低照度から数万ルクスの高照度までの照度において、精度よい検出が可能なデジタル出力が得られる。
さらに、その記憶装置を書き換え可能な記憶装置、たとえばEPROMなどとすることにより、実装による感度ばらつきなどのばらつき要因を実装後にEPROMを電気的に書き換えることによって均一に調整することができるので照度センサの高精度化が可能になる。
図12は、携帯電話の概略平面図である。携帯電話は、液晶画面と液晶画面とは離隔した操作面(キー部)から構成されている。いずれの部分も外的環境に対処できるように、液晶画面及びキー部の明るさを制御している。そのために、本発明の一実施例であるこれらの実施例において説明した照度センサがこのような携帯電話に組込まれる。この照度センサを組込むことにより、低照度で制御されるキー部の発光ダイオードのオンオフと、高照度で制御する液晶画面の明るさ制御の両方がどちらも一つのチップ上に形成された半導体光センサ装置(照度センサ)により有効に行うことができる。
以上、本発明は、前述の実施例で説明をしたように、低照度用と高照度用のように異なる照度特性を有する複数の検出部分を独立に設けて、これらを切り替えることにより、数ルクスの低照度から数万ルクスの高照度までの照度において、精度よい検出が可能なデジタル出力照度センサ(半導体光センサ装置)を提供でき、例えば、携帯電話において、外付けのADCや、CPU内蔵のADCなどを必要とせずに、低照度で制御するキー部の発光ダイオードのオンオフと、高照度で制御する液晶画面の明るさ制御が両方可能なデジタル出力半導体光センサ装置を提供できる。
また、CPUを介さずに直接照明用発光ダイオード(LED)ドライバをオンオフすることも可能になる。
3、4・・・増幅器 5・・・コンパレータ
6・・・基準電圧発生回路 7・・・比較電圧生成回路
8・・・モード検出回路 9・・・論理回路
10・・・出力部・・・11、12・・・記憶回路
13・・・低照度用増幅器 14・・・高照度用増幅器
Claims (3)
- フォトダイオード部と、
前記フォトダイオード部の出力に接続された、互いに異なる利得特性を有する複数の増幅器と、
前記複数の増幅器のそれぞれに対応して互いに異なる複数の基準電圧を発生する比較電圧生成回路と、
前記複数の増幅器のそれぞれに対応して設けられ、それぞれ対応する前記増幅器の出力と前記基準電圧とを比較し、その比較結果に基づく論理信号を出力する複数の比較器を備え、
前記複数の比較器からの複数のビットの論理信号に基づいて照度検出を行うことを特徴とする半導体光センサ装置。 - 前記複数の比較器からの複数のビットの論理信号に基づいて論理演算を行う論理回路を更に備え、前記論理回路からの論理演算結果を照度検出結果として出力することを特徴とする請求項1に記載の半導体光センサ装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の半導体光センサ装置が組み込まれていることを特徴とする情報機器。
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