JP4386973B2 - 階層的予測モデル構築装置及びその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の属性の組合せによって様々な動向や傾向を示すものの将来の動向や傾向を予測するために、対象物の過去の実績データを標本とし、それら標本を属性によって階層的に分類し、分類された標本群がもっとも法則性のある動向や傾向を示す分類方法と、分類された標本群に最も適合する予測モデル(たとえば回帰モデル、時系列モデル、自己回帰移動平均モデル等)とを自動的に求める階層的予測モデル構築装置及びその方法に関する。
【0002】
なお、上記階層的予測モデル構築装置およびその方法は、多数の属性によって様々な種類やバリエーションを有する「商品」の「需要予測」に適用でき、かつ、商品の需要予測を例に説明すれば理解が容易なので、以下本明細書では商品の需要予測を例に説明する。
【0003】
【従来の技術】
商品の売行きは、種々の要因によって影響される。これらの要因には、商品そのものが有する性質と、商品を取り巻く外的条件の二種類がある。
【0004】
商品そのものが有する性質とは、たとえば商品の機能、デザイン、価格など、その商品が本来的に固有するもので、それにより他の商品と区別されるものである。また、商品を取り巻く外的条件とは、たとえば商品にかける宣伝広告費、商品の販売時期、商品の購買層、流行など間接的に商品の売行きに影響を与えるものである。
【0005】
上記商品の性質と商品の外的条件は、いずれも商品の売行きに関係してそれに影響を与えるので、これらをまとめて本明細書では「商品の属性」と呼ぶ。
【0006】
ある商品の売行きが好調という現象は、多くの需要者が、その商品が有する多数の属性のうち、所定の属性あるいは所定の複数の属性の組合せによって、購買意欲をかきたてられ、実際にその商品を購入する行為を実行することによって生じる。
【0007】
もっとも、上記商品の属性は、一つの商品に多数存在し、また目に見える属性ばかりではないので、商品の販売と購買に際しては、販売者も需要者も購買の動機になった商品の属性、あるいはそれらの組合せを明確に認識しないことも多い。
【0008】
このため、ある商品が好調な売行きを示している場合、商品の売行きが好調な原因、すなわち、商品の売行きを好調にさせている支配的な商品の属性を客観的に把握できないことが多いのである。
【0009】
上記事情により、従来行われていた商品の需要予測は、予測しようとする商品の売行きに大きな影響を与える属性を客観的かつ明確に把握できないまま、人間の経験と勘によって行われていたものが大多数であった。
【0010】
たとえば、従来は、過去の商品の売上げデータを蓄積し、下記の表1のように分類し、この表を参照するだけで商品の予測をしていた。
【0011】
【表1】
Figure 0004386973
具体的には、表1の商品属性から新規に売り出す商品と同一あるいは類似の商品を検索し、検索された同一あるいは類似商品の過去の需要量の時系列データからその商品の将来の需要を予測していた。
【0012】
この際の需要予測の方法としては、需要量の推移から経験と勘によって予測する方法、あるいは、移動平均法、自己回帰法、自己回帰移動平均法などの時系列予測の方法が主であった。
【0013】
ここで、移動平均法とは、1年の間の季節変動(たとえば、季節による需要の変動、ボーナス月の一時的な需要の高騰など)の影響をなくし、商品の恒常的な需要の推移等を観察し、あるいは将来予測する方法である。
【0014】
たとえば、ある商品の1985年から1995年の月次データから、その季節変動をなくした需要の推移を求めるには、1985年1月〜1985年12月の平均値を1985年の6.5月の季節調整値、次に1期ずらした1985年2月〜1986年1月の平均値を1985年の7.5月の季節調整値、というように次々に季節調整値を求め、さらに、隣接する2つの季節調整値の中心値を求めることにより(移動平均値の中心化)、この商品の移動平均を求めることができる。
【0015】
この移動平均は、局所的な季節変動をなくしたその商品の安定的な需要推移を示しており、この需要推移から回帰分析等の手法によって将来の需要予測を行うことができる。
【0016】
自己回帰法は、たとえば月ごとに商品の売上げ等のデータを取得し、ある月の売上げは、その前月(あるいはその前の数月)の売上げにある係数をかけたものと、定数と、時間の確率的関数であるホワイト・ノイズとの和であるとし、上記商品の売上げデータの全体に適合する係数、定数、ホワイト・ノイズを求めることによって将来の商品売上げを予測する方法である。
【0017】
また、自己回帰移動平均法は、上記自己回帰法と移動平均法とを組み合わせたもので、季節調整した移動平均値について自己回帰法によって将来の予測を行うものである。
【0018】
なお、経験による需要予測方法は、販売者や製造者が過去の実績に基づき、多少の変動要素を勘によって加える方法で、種々のノウハウがあるものの、客観的な根拠や基準を求めることは難しい。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上述したことを要約すると、従来はある商品の将来の需要予測をする場合、その商品と同一あるいは類似する商品の過去の実績から、上記いずれかの予測方法によって将来の需要予測を行っていた。
【0020】
しかし、全く同一属性の商品の需要予測を行う場合は従来の方法によっても比較的精度が高い予測を行えるものの、類似商品の需要予測を行う場合、あるいはある特定の属性を特徴とする新商品の需要予測をする場合は、問題を生じる。
【0021】
これは、一般に一つの商品は非常に多くの属性を有しており、ある商品の将来の需要予測を行う場合は、どの属性を予測の支配的要因にするか判断が困難なことに原因がある。
【0022】
たとえば、類似商品といっても、形状が類似する商品の実績データを用いるのか、あるいは商品イメージ(ブランド等)が類似する商品の実績データを用いるのか、あるいは宣伝広告の方法が類似する商品の実績データを用いるのかにより、需要予測は大きく異なった結果となる。上記いずれの商品属性を売上げに支配的な属性とするかは、実際には判断が非常に難しいのである。
【0023】
また、同一商品でも、宣伝広告の方法のような目にみえない商品属性によって大きく売上げが左右されることもある。まして、商品の売行きに影響する商品の属性は、上記のような単一のものではなく、複数の属性の組合せからなるのが通常であるので、ある商品の将来の需要予測を行うときに、その商品から売上げに支配的な商品属性を抽出し、その商品属性に基づいて過去の実績データから適当な予測モデルを特定することはほとんど不可能であった。
【0024】
このため、従来はすでに説明したように、過去の実績データのうち、同一又は類似の商品の実績データを参照し、その過去の実績データとの差異を人間の勘によって加味して将来の需要予測を行っていたが、その判断の基礎にする実績データの選定やその実績データとの差異に何ら客観的な根拠や評価を与えることはできなかった。このような商品予測には何も保証がなかった。
【0025】
上記商品の売行きに対する支配的な属性を特定する一つの方法として、アンケート調査が従来から行われていた。しかし、アンケート調査等による方法は、時間と手間と経費がかかる割には、把握できる商品の範囲が限られるので、数千あるいは数万種類に及ぶ商品全般についてアンケート調査をすることは不可能であった。
【0026】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記商品とその需要予測に限らず、所定の属性を有する予測対象物の過去の実績データ(標本データ)から、属性によって標本を適当なレベルまで共通の属性のグループに分類し、かつ、それらグループの標本に最適な予測モデルを自動的に構築する階層的予測モデル構築装置及びその方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係る階層的予測モデル構築装置は、
コンピュータを用いて階層的予測モデルを構築する装置であって、
ユーザーの命令、予測項目の実績値と予測項目を規定する各属性項目の値を有する標本データ、標本分類を行うための属性の入力を受け付ける入力手段と、
下式(1)で示される予測モデル候補式と、平均二乗誤差、AIC(赤池情報量基準)、MDL(最小記述長)のいずれかによる予測モデルの評価基準式と、分類制御の条件式とを格納した記憶手段と、
前記入力手段から入力された所定の標本データについて、予測項目をY、任意に選択した属性項目をX1,X2,・・・,Xkとして、標本データ全体を対象にして回帰分析を行うことにより、前記予測モデル候補式のパラメータβ0,β1,‥βkを推定し、推定後の該予測モデル式について前記予測モデル評価基準式に従って評価値を算出するモデル推定・評価手段と、
属性項目を選択していない場合は任意の属性の項目を選択し、すでに所定の属性項目を分類のために選択した場合は未選択の属性項目から任意の属性項目を選択し、前記属性の項目の値が定性的な変数の場合はカテゴリー値またはカテゴリー値の組合せによって、前記属性の項目の値が定量的な変数の場合はその値の所定の帯域によって、すでに分類された標本データをさらに細かくする方向で階層的に前記標本データを分類する分類手段と、
前記分類手段によって分類された標本データの各個数を計算し、その個数が所定数以上であると判断した場合は、前記モデル推定・評価手段に、該標本データについて前記予測モデル候補式のパラメータβ0,β1,‥βkを推定させるとともに、推定された後の該予測モデル式について前記予測モデル評価基準式に従って新たな評価値を算出させ、一方、その個数が所定数に達しないと判断した場合は、該標本データの上位階層の親ノードの予測モデル式を該標本データの予測モデル式とみなし、前記モデル推定・評価手段に、該予測モデル式について前記予測モデル評価基準式に従って新たな評価値を算出させ、さらに、この新たな評価値がもとの評価値より所定幅以上向上していると判断した場合は前記分類手段に、分類のための属性の選択及び分類の推進を行わせ、そうでない場合はその分類を破棄しそれ以上の分類を停止する分類制御手段と、
前記モデル推定・評価手段と分類手段と分類制御手段とによって構築された属性による標本の階層的分類と、その階層的分類の各末端の標本に適合する予測モデル式とを出力する出力手段と、
からなることを特徴とするコンピュータを用いた階層的予測モデル構築装置。
【数1】
Y =β0+β1 X1+β2 X2+…+βk Xk(1)
ここで、X1,X2,‥Xk, Y :変数(XとYはそれぞれ属性項目予測項目を表わす)
β0,β1,‥βk :パラメーター
【0032】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による階層的予測モデル構築装置の一実施形態の構成とそれらの構成要素の相互の関係を示したものである。これに対して、図2は、図1の階層的予測モデル構築装置による予測モデル構築方法の処理の流れを示したものである。これら図1と図2とを交互に参照しながら本実施形態による階層的予測モデル構築装置の構成およびその処理の流れを以下に説明する。
【0033】
図1に示すように、本実施形態による階層的予測モデル構築装置1は、入力手段2と、モデル推定・評価手段3と、分類手段4と、分類制御手段5と、出力手段6からなる。
【0034】
上記入力手段2は、階層的予測モデル構築装置1に対するユーザーの命令、予測モデル、予測モデルを構築するための目標となる実績データ(ティーチングデータまたは標本データ)、予測モデルの評価基準、分類を行うための属性、分類制御の条件などを入力するための手段である。この入力手段2は、具体的にはキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等を含む公知の任意の入力装置からなる。
【0035】
モデル推定・評価手段3は、所定の対象物群に対する予測モデルのパラメータを推定し、その適合性を評価する手段である。また、モデル推定・評価手段3は、単数の予測モデルについて評価することもできるが、好ましくはその評価の結果として複数の予測モデル候補の中から最適な予測モデルを選択できるようにする。
【0036】
分類手段4は、将来の動向の予測をしようとする対象物の標本を所定の属性によって階層的に分類するための手段である。
【0037】
分類制御手段5は、分類手段4が行った分類結果に対して所定の条件によって分類のための属性の選択、分類の推進または停止を判断し、その判断間結果によって分類手段4を制御するものである。
【0038】
上記モデル推定・評価手段3と分類手段4と分類制御手段5は、相互に関連しあって標本に適合する予測モデルを構築できるまでサイクリックな処理を繰り返す予測モデル構築エンジン7を構成する。この予測モデル構築エンジン7は、専用の装置でもよいが、好ましくは汎用的な通常のコンピュータであって、ソフトウェアによって上記処理を行うように制御されたものである。
【0039】
出力手段6は、上記予測モデル構築エンジン7が構築した最適な予測モデルと、予測対象物の最適な分類とを出力する装置であって、プリンター、表示装置を含む任意の公知のユーザーインターフェイスをいう。
【0040】
次に、上記階層的予測モデル構築装置1による処理の流れを図2のフローチャートにそって以下に説明する。
【0041】
階層的予測モデル構築装置1による処理においては、最初に入力手段2によって実績データ、予測モデル候補、予測モデル評価基準、分類停止条件等を入力する(ステップS100)。ここで、上記「実績データ」、「予測モデル候補」、「予測モデル評価基準」、「分類停止条件」について説明しておく。
【0042】
「実績データ」は、前述したティーチングデータまたは標本データであって、予測モデルを構築する上で、適合すべき目標となるデータである。
【0043】
「予測モデル候補」は、複数でも単数でもよい予測モデルであって、たとえば、次のようなものがある。
【0044】
Y =β0+β1 X1+β2 X2+…+βk Xk+u ‥ (1)
ここで、X1,X2,‥Xk, Y :変数(XとYはそれぞれ原因と結果を表わす)
β0,β1,‥βk :パラメーター
u :誤差項
「予測モデルの評価基準」は、予測モデルの適合性を評価するものであって、たとえば平均二乗誤差、AIC(赤池情報量基準)、MDL(最小記述長)等を含む公知の任意の評価基準を使用することができる。
【0045】
なお、平均二乗誤差による評価は、ティーチングデータ(n個)について予測モデルによる予測値と実際の観測値との差分δを求め、下式の平均二乗誤差eが小さいほどよいとする予測モデル評価方法である。
【0046】
Figure 0004386973
また、AICによる予測モデルの評価は、下式のAICを最小とする予測モデルを最適予測モデルとする方法である。
AIC=−2×(モデルの最大対数尤度)+2×(モデルの自由パラメータ数)
ここで、最大対数尤度は、対数尤度を最大とするパラメータのモデル(最尤モデル)の対数尤度である。なお一般に、対数尤度=Σnilogqi である。niとqiは、それぞれ事象iが生じた度数と事象iが生じる予測確率である。
【0047】
ここで注目すべき点は、上記AICの式の右辺第1項は、予測値と真の確率分布の差が小さいほど負に大きくなり、また、右辺第2項は、予測モデルのパラメータ数が少ないほど小さくなることである。つまり、AIC評価値は、予測モデルはパラメータ数が大きくなるほど予測精度が向上するが、これに反比例して予測モデルとしての適応性または一般性を失うことを示している。これは、一般に節約の原理と呼ばれ、本発明の予測モデル構築にも考え方として採用されている。このことについては、後にさらに詳しく説明する。
【0048】
また、MDLによる方法は、上記節約の原理の別な形の表現であって、「予測モデル自体の記述長と、この予測モデルを用いて与えられたデータを記述した際の記述長とを最も短く符号化できるような予測モデルが最良のモデルである。」を数式化した方法である。このMDLによる評価方法は、公知のものであって、本発明の本旨ではないので、これ以上の説明は省略する。
【0049】
「分類停止条件」は、階層的予測モデル構築装置1の分類制御手段5が、分類手段4による標本の分類を推進または停止するのを判断するための条件である。本発明による方法では、分類を推進するためには分類されたグループの標本の個数が所定の個数以上であること、および、新たな分類によって予測モデルの評価値が所定の値以上に向上していることの両面から分類の推進を制限している。
これは、前記AICのところで述べた予測モデルの予測精度向上と、予測モデルとしての適応性あるいは一般性の維持と、共通する考え方である。つまり、標本をその属性によって細く分類すれば、分類されたグループの標本個数が減少し、実績データに対する予測モデルの予測精度(適合性)は向上するが、しかし逆に示知データに対するその予測モデルの予測精度は悪化する。
【0050】
そこで、本発明の分類停止条件は、予測モデルの適合性が向上する場合は標本の分類を推進し、しかし、標本の個数が所定の個数以下になった場合は標本の分類を停止するようにしている。もっとも、AIC,MDL等によって予測モデルを評価する場合は、予測モデルの適応性・一般性も評価されるので、標本群の標本個数による評価を省略することもできる。
【0051】
以上の実績データ、予測モデル候補、予測モデルの評価基準、分類停止条件は、入力手段2によって入力される。次に、実績データ、予測モデル候補、予測モデルの評価基準は、モデル推定・評価手段3に入力され、モデル推定・評価手段3によって最適予測モデル決定され、その最適予測モデルによる評価値が算出される(ステップS110)。
【0052】
上記ステップS110の初期評価値算出は、標本がまだ分類がされていないので、標本の全体について全予測モデル候補の最適パラメータを求め(回帰分析等の公知方法による)、さらにそれら全予測モデルについてAIC,MDL等の予測モデル評価基準によって評価し、もっとも適合性が高い予測モデルを予測モデルとし、その評価値を初期評価値とする。この初期評価値は、次に行われる標本分類の推進あるいは停止の判断基準となる。
【0053】
次に、階層的予測モデル構築装置1は、標本分類のための各属性により、分類手段4によって標本を分類する。
【0054】
分類手段4は好ましくは、標本分類のための属性が定性的な変数の場合は、そのカテゴリー値またはその組合せによって標本を分類する。また、標本分類のための属性が定量的な変数の場合は、その値の所定の帯域によって標本を分割する。さらに好ましくは、定量的な属性の標本に現われた値(有限個)によって標本を分割する(ステップS120)。
【0055】
次に、ステップS130において分類された標本群の個数が、所定の個数以上と判断したならば、次にモデル推定・評価手段3により、分類された標本群にもっとも適合する予測モデルを選択し、かつ、その予測モデルによる評価値を算出する(ステップS140)。一方、ステップS130において分類された標本群の個数が、所定の個数に達しない場合には、その予測モデルは上位階層の親ノードのモデルを用いる、当該標本群の実績値の平均値を用いるなどとする。なお、上記ステップS140では、ステップS110と同様に、分類された標本群について全予測モデル候補の最適パラメータを推定し、さらにそれら全予測モデルについてAIC,MDL等の予測モデル評価基準によって評価し、もっとも適合性が高い予測モデルを予測モデルとし、その評価値を算出する。
【0056】
各分類された標本群について予測モデルの評価値を算出した後は、分類制御手段5により、分類による評価値の向上の幅を評価することにより、分類のための最適な属性を選択し、分類の推進あるいは停止を判断する(ステップS150)。評価値が向上しているならば、その属性による分類が有効であることを意味しているので、その分類を採用し、さらに次の分類を探索すべくステップS120に戻る。なお、2回目以降の標本分類は、すでに分類された標本のグループをさらに細かくする方向で分類する(これを本明細書では階層的分類という)。
【0057】
一方、ステップS150において、分類された標本群の予測モデルの評価値に向上が見られなくなったら、その属性による分類は有効な分類ではないので、その分類を破棄し、それ以上の分類を停止する(ステップS160)。
【0058】
これ以降、モデル推定・評価手段3が分類推進と判断する限り、ステップS120〜ステップS150の処理を繰り返す。この分類と予測モデルの評価が繰り返される度に、標本の分類は細かくなり、予測モデルの予測精度は向上する。
【0059】
しかし、標本の分類が細かくなると、予測モデルの予測精度が向上するものの、分類された標本グループの標本の個数が所定の数に達しなくなったり、あるいは、AIC,MDL等の評価方法による場合は予測モデルの評価値が低下してくる。このため、最終的には分類制御手段5により、分類の停止命令が発せられ、分類が終了する(ステップS160)。
【0060】
分類が終了すると、出力手段6により、最終的な属性による分類の階層構造と、分類された末端の標本グループに最も適合する予測モデルを出力する(ステップS170)。
【0061】
この構築された予測モデルを用いることにより、各標本グループの属性と共通の属性を有する予測対象物の将来の動向を予測することができる。
【0062】
ここで、本発明による予測モデルをさらに明確にするために、上記方法により構築された予測モデルの一例を図3に示す。
【0063】
図3の例では、最初に全商品を「ヤング向け商品」か「中高年向け商品」かで分類している。
【0064】
次に、各々をそれぞれ別の様々な属性によって分類を試みる。中高年向け商品については、色の派手か地味かで商品を分類した場合が最も予測精度が向上する。それ以上の分類を行っても評価値が向上しないための分類を停止し、その場合の最適予測モデルは各々D=2.1C−0.14P+1531,D=2.7C−0.04P+1775となる(ただし、D:今期の需要量、C:広告費、P:価格とする)。
【0065】
これに対して、ヤング向け商品の方は、商品が「セット商品か単品商品か」、「単品商品」についてはさらに素材が天然か否かによって階層的に分類し、最終的に分類の階層構造の各末端の商品グループについて予測モデルD=31.7C−0.10P+2177,…を特定している。
【0066】
この例に示すように、本発明の階層的予測モデル構築装置1とその方法によって構築される予測モデルとは、図3の分類階層構造と、その階層構造の末端の各商品グループの予測モデル(特定されたパラメータを含む)の全体をいう。このように、分類された各商品グループは、特定の共通の属性を有し、そのグループの予測モデルによって、高い精度の予測を行うことができる。
【0067】
たとえば、図3の最初の商品グループは、ヤング向け商品であり、さらにセット商品と分類される商品である。この商品グループの予測モデルはD=31.7C−0.10P+2177である。この商品グループの予測モデルを使用することにより、この商品グループの属性と同一の属性を有する商品の将来の需要予測をすることができるのである。
【0068】
このように、本発明の階層的予測モデル構築装置およびその構築方法によれば、過去の膨大な実績データから、属性により、かつ、予測モデルとしての精度の維持と適応性とを両立させるレベルで標本を分類し、分類された各標本群に最適な予測モデルを特定することができる。これにより、各予測モデルによって表わされた各標本の動向を支配する属性を顕在化させ、予測を行う際の指標を客観化させることができる。しかも、各予測モデルは、過去の同一属性の標本にもっとも適合する予測モデルであるので、高い信頼性の予測を行うことができる。
【0069】
なお、本発明は「属性」によって種々の動向を示す「対象物」であって、過去に属性によって分類された動向の実績データを有するものならば適用でき、上記具体的な形態を有する商品の需要予測の他、種々のものが有り得る。たとえば、無形の金融商品の売行き予測、あるいは商品とは言えない社会現象の予測、あるいはそれらの中間的存在とも言える株価の予測等、所定の属性を有し、その属性によって動向が左右されるものであれば、その予測モデルを構築することができる。
【0070】
上記階層的予測モデル構築装置1では、入力手段2により、予測モデル候補、予測モデル評価基準、分類制御の条件を必要な時に自由に入力可能としているが、これらの諸条件・データを予め固定して設定しておき、処理のためのユーザーの命令、標本データ、分類のための属性のみを入力することができるように構成した装置も本発明の範囲に含まれる。
【0071】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明による階層的予測モデル構築装置およびその方法によれば、属性によって様々な動向を示すものの実績データから、属性により、かつ、予測モデルとしての精度の維持と適応性とを両立させるレベルで標本を分類し、分類された各標本群に最適な予測モデルを特定することができる。
【0072】
すなわち、本発明の装置と方法は、種々の動向を示す標本について、それらの動向を支配する属性を顕在化させ、予測を行う際の指標を客観化させることができる。しかも、所定の標本群について構築した予測モデルは、その標本群の属性を有するものの過去の実績に最も適合する予測モデルであるので、信頼性の極めて高い予測を行うことができる。
【0073】
この階層的予測モデル構築装置とその方法を膨大な種類の商品の需要予測に適用すれば、膨大な量の過去の売上げデータから、予測しようとする商品の属性と同一属性の商品グループを発見し、その商品グループの売上げに最も適合する予測モデルを素早く特定し、信頼性の高い需要予測を行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による階層的予測モデル構築装置の構成を示したブロック図。
【図2】本発明による階層的予測モデル構築方法の処理の流れを示したフローチャート。
【図3】本発明による階層的予測モデル構築装置およびその方法によって構築された予測モデルの一例を示した図。
【符号の説明】
1 階層的予測モデル構築装置
2 入力手段
3 モデル推定・評価手段
4 分類手段
5 分類制御手段
6 出力手段
7 予測モデル構築エンジン

Claims (1)

  1. コンピュータを用いて階層的予測モデルを構築する装置であって、
    ユーザーの命令、予測項目の実績値と予測項目を規定する各属性項目の値を有する標本データ、標本分類を行うための属性の入力を受け付ける入力手段と、
    下式(1)で示される予測モデル候補式と、平均二乗誤差、AIC(赤池情報量基準)、MDL(最小記述長)のいずれかによる予測モデルの評価基準式と、分類制御の条件式とを格納した記憶手段と、
    前記入力手段から入力された所定の標本データについて、予測項目をY、任意に選択した属性項目をX1,X2,・・・,Xkとして、標本データ全体を対象にして回帰分析を行うことにより、前記予測モデル候補式のパラメータβ0,β1,‥βkを推定し、推定後の該予測モデル式について前記予測モデル評価基準式に従って評価値を算出するモデル推定・評価手段と、
    属性項目を選択していない場合は任意の属性の項目を選択し、すでに所定の属性項目を分類のために選択した場合は未選択の属性項目から任意の属性項目を選択し、前記属性の項目の値が定性的な変数の場合はカテゴリー値またはカテゴリー値の組合せによって、前記属性の項目の値が定量的な変数の場合はその値の所定の帯域によって、すでに分類された標本データをさらに細かくする方向で階層的に前記標本データを分類する分類手段と、
    前記分類手段によって分類された標本データの各個数を計算し、その個数が所定数以上であると判断した場合は、前記モデル推定・評価手段に、該標本データについて前記予測モデル候補式のパラメータβ0,β1,‥βkを推定させるとともに、推定された後の該予測モデル式について前記予測モデル評価基準式に従って新たな評価値を算出させ、一方、その個数が所定数に達しないと判断した場合は、該標本データの上位階層の親ノードの予測モデル式を該標本データの予測モデル式とみなし、前記モデル推定・評価手段に、該予測モデル式について前記予測モデル評価基準式に従って新たな評価値を算出させ、さらに、この新たな評価値がもとの評価値より所定幅以上向上していると判断した場合は前記分類手段に、分類のための属性の選択及び分類の推進を行わせ、そうでない場合はその分類を破棄しそれ以上の分類を停止する分類制御手段と、
    前記モデル推定・評価手段と分類手段と分類制御手段とによって構築された属性による標本の階層的分類と、その階層的分類の各末端の標本に適合する予測モデル式とを出力する出力手段と、
    からなることを特徴とするコンピュータを用いた階層的予測モデル構築装置。
    【数1】
    Y =β0+β1 X1+β2 X2+…+βk Xk(1)
    ここで、X1,X2,‥Xk, Y :変数(XとYはそれぞれ属性項目予測項目を表わす)
    β0,β1,‥βk :パラメーター
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