JP4385219B2 - 濃度測定方法 - Google Patents

濃度測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4385219B2
JP4385219B2 JP2003529137A JP2003529137A JP4385219B2 JP 4385219 B2 JP4385219 B2 JP 4385219B2 JP 2003529137 A JP2003529137 A JP 2003529137A JP 2003529137 A JP2003529137 A JP 2003529137A JP 4385219 B2 JP4385219 B2 JP 4385219B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glucose
concentration
complex
current value
reagent layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003529137A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2003025558A1 (ja
Inventor
健児 永川
秀亮 山岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
Arkray Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=19103242&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP4385219(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Arkray Inc filed Critical Arkray Inc
Publication of JPWO2003025558A1 publication Critical patent/JPWO2003025558A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4385219B2 publication Critical patent/JP4385219B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/001Enzyme electrodes
    • C12Q1/004Enzyme electrodes mediator-assisted
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/001Enzyme electrodes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/28Electrolytic cell components
    • G01N27/30Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells
    • G01N27/327Biochemical electrodes, e.g. electrical or mechanical details for in vitro measurements
    • G01N27/3271Amperometric enzyme electrodes for analytes in body fluids, e.g. glucose in blood

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、試料液(たとえば血液などの生化学的試料またはこれの調整液)から、測定対象物(たとえばグルコースやコレステロール)の濃度を測定する技術に関する。
【0002】
【背景技術】
グルコース濃度を定量する方法としては、酵素反応を利用したものがある。その代表的なものとして、酵素としてグルコースオキシダーゼ(GOD)を使用するものがある。GODは、補酵素であるフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)が結合した糖タンパク質であり、GODを使用した場合のグルコースの酵素反応は下記化学式に示したように進行する(式中においては、FADH2は、FADの還元型を表している)。
【0003】
【化3】
Figure 0004385219
【0004】
臨床医学的に血糖値を測定する場合には、グルコース濃度の変化による吸光度の変化を測定してグルコース濃度を定量することもあるが、アンペロメトリー法によりグルコース濃度を測定する方法が一般的である。アンペロメトリー法は、携帯型の血糖値測定装置におけるグルコース濃度測定方法として広く採用されているものである。
【0005】
アンペロメトリー法を利用した血糖値測定手法は、酸化電流を測定する場合を例にとれば次の通りである。まず、第1ステップとして、血液、酵素、酸化型電子伝達体(メディエータ)を共存させ反応系を構築する。そうすると、上記酵素反応が進行する一方で、この酵素反応により生じたFADH2とメディエータとの間の酸化還元反応により、還元型のメディエータが生成される。メディエータとしては、フェリシアン化カリウムが汎用されており、その場合の反応式は下記化学式に示した通りである。
【0006】
【化4】
Figure 0004385219
【0007】
次いで、第2ステップとして、一対の電極を用いて反応系に電圧を印加することにより、フェロシアン化カリウムを酸化して(電子を放出させて)、下記化学式に示したようにフェリシアン化カリウムとする。フェロシアン化カリウムに由来する電子は、陽極に供給される。
【0008】
【化5】
Figure 0004385219
【0009】
続いて、第3ステップとして、電圧印加に起因する酸化電流値を測定するとともに、その測定値に基づいてグルコース濃度が演算される。
【0010】
携帯型血糖値測定装置を用いて血糖値を測定する場合には、電極間に酵素とメディエータとを含む試薬層が形成されたグルコースセンサを用いるとともに、試薬層に血液を供給することにより電極間に反応系が構成される。このグルコースセンサでは、これを携帯型血糖値測定装置に装着することにより電極間に電圧を印加するとともに酸化電流値を測定し、この酸化電流値に基づいて血液中のグルコース濃度が定量される。
【0011】
上述した通り、酵素としてはGODが使用され、メディエータとしてはフェリシアン化カリウムを使用するのが通常である。しかしながら、GODとフェリシアン化カリウムとを組み合わせた反応系において、アンペロメトリー法に代表される電気化学的方法によりグルコース濃度を測定する方法では、次に説明するような問題があった。
【0012】
その1つは、還元性物質の影響である。たとえば血液中のグルコース濃度を測定する場合を考えてみると、血液中にはグルコース以外の還元性物質(たとえばアスコルビン酸、グルタチオン、Fe(II)2+)が共存している。反応系に電圧を印加するときにフェロシアン化カリウム以外の還元性物質が共存していれば、電極に対してはフェロシアン化カリウムに由来する電子以外に、電圧印加に伴う還元性物質の酸化に由来する電子も供給されることとなる。その結果、測定される電流値には、還元性物質の電子伝達に由来するバックグラウンド電流(ノイズ)も含まれることとなる。そのため、測定されるグルコース濃度は、実際のグルコース濃度よりも大きくなってしまう。このような測定誤差は、電極間に印加する電圧値が大きいほど、酸化される還元性物質の種類や量が多くなるため、より顕著に現れる。したがって、メディエータとしてフェリシアン化カリウムを用いる場合には、実測値を補正してから最終的な濃度を決定しなければ、精度良く血糖値の測定を行うことができない。還元性物質の影響は、血糖値を測定する場合に限らず、酸化電流値に基づいて濃度演算を行う場合には、他の成分についても同様に生じ得るものである。
【0013】
他の問題は、携帯型血糖値測定装置およびグルコースセンサを用いてグルコース濃度を測定する場合において、グルコースセンサの保存安定性の面での問題である。フェリシアン化カリウムは光や水に弱く、これらによる曝露によってグルコース以外から電子を受け取って還元型であるフェロシアン化カリウムになってしまうことがある。このような事態が生じたなら、反応系には、酵素反応により還元型とされたフェロシアン化カリウムと、曝露により還元型とされたフェロシアン化カリウムが共存することとなる。その結果、先に説明した還元性物質の場合と同様に、電圧印加時の酸化電流は、曝露によるフェロシアン化カリウムに由来するバックグラウンド電流をも含むものとなる。そのため、測定されるグルコース濃度は、実際のグルコース濃度よりも大きな値となってしまう。このような不具合を抑制するためには、グルコースセンサの試薬層が曝露しないように、光不透過性の材料により形成された包装袋などにグルコースセンサを封入する必要がある。しかも、グルコースセンサの寿命を長く保つためには、水分による影響を回避するために窒素置換処理などにより湿度を小さくした状態で密封する必要があり、グルコースセンサを工業的に量産する場合には製造が不便でコスト的に不利である。
【0014】
【発明の開示】
本発明は、低コストでバックグラウンド電流による影響を低減し、正確に試料液中の測定対象物の濃度を測定することができる技術を提供することを目的としている。
【0015】
本発明により提供される測定対象物の濃度測定方法は、測定対象物、酸化還元酵素、およびRu化合物を使用した電子伝達物質を含む反応系を構築し、電気化学的手法を利用して測定対象物の濃度を測定する方法であって、上記反応系において、Ru化合物の還元体を生成させる第1ステップと、上記反応系に対して100〜300mVの範囲から選択される定電圧を印加して上記還元体を酸化するとともに、そのときに上記還元体が放出した電子の量に相関する応答電流値を測定する第2ステップと、この第2ステップにおいて測定された応答電流値に基づいて、測定対象物の濃度を演算する第3ステップと、を含み、
上記Ru化合物は、下記化学式に示す酸化型Ru(III)錯体であり、その還元体は、還元型Ru(II)錯体であることを特徴としている。
【化6】
Figure 0004385219
【0017】
本発明の濃度測定方法においては、反応系を非印加状態として第1ステップを行った後に、反応系を印加状態として第2ステップを行ってもよいし、少なくとも測定対象物を含む試料液の供給時から継続して反応系を印加状態として、第1ステップと第2ステップとを同時的に行ってもよい。
【0019】
第1ステップの時間は0〜10秒とし、第3ステップにおいてグルコース濃度の演算の基礎とする演算用電流値として、第2ステップ開始から起算され、かつ3秒以上である定時間経過後に測定された電流値を採用するのが好ましい。さらに好ましくは、第1のステップの時間が0〜3秒であり、演算用電流値として上記第2ステップ開始から3〜5秒の範囲の定時間に測定された電流値を採用する。
【0024】
上記化学式におけるXとしては、NH3、ハロゲンイオン、CN、ピリジン、ニコチンアミド、またはH2Oが挙げられるが、NH3またはハロゲンイオンが好ましい。化学式におけるn+は、Xの種類により決定される酸化型Ru(III)錯体の価数を表している。
【0025】
なお、好ましくは、酸化還元酵素により触媒される測定対象物の酸化反応および酸化型Ru(III)錯体の還元反応の2つの反応のみにより、還元型Ru(II)錯体が生成するように電子伝達系統が選択される。
【0026】
反応系は、たとえば相対的に量の多い酸化型Ru(III)錯体に対して、相対的に量の少ない酸化還元酵素を均一または略均一に分散させた均一または略均一な液相反応系として構成される。この場合、反応系の各所において、略均一に還元型Ru(II)錯体が生成される。
【0027】
測定対象物としては、グルコース、コレステロール、乳酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0028】
酸化還元酵素は、測定対象物の種類によって選択されるが、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)(後述するαGDHおよびCyGDHを含む)、グルコースオキシダーゼ(GOD)、コレステロールデヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、アスコルビン酸デヒドロゲナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アルコールオキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、3-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、NADHオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)、ウレアーゼ、およびジヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼ(ジアホラーゼ)からなる群より選ばれる少なくとも1つを選択するのが好ましい。
【0029】
本発明では、GDHとして、たとえばピロロキノリンキノン(PQQ)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)などを補酵素とするものの他、αGDHやCyGDHなどを使用することができる。GDHとしては、PQQを補酵素とするもの(PQQGDH)、αGDH、あるいはCyGDHを使用するのが好ましい。
【0030】
αGDHは、グルコース脱水素活性を有するサブユニットとして、還元条件下でのSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動における分子量が約60kDaであるGDH活性タンパク質を含んだものである。一方、CyGDHは、上記GDH活性タンパク質と、還元条件下でのSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動における分子量が約43kDaである電子伝達タンパク質(チトクロムC)と、をサブユニットとして含むものである。GDHとしては、GDH活性タンパク質とチトクロムC以外のサブユニットをさらに有するものを使用することもできる。
【0031】
CyGDHは、たとえばブルクホルデリア・セパシアに属する微生物が菌体外に分泌した酵素を精製し、あるいは当該菌体の菌体内酵素を精製することにより得ることができる。一方、αGDHは、たとえばブルクホルデリア・セパシアに属する微生物から採取したαGDHの発現をコードする遺伝子が移入された形質転換体を形成し、この形質転換体から外部に分泌された酵素を精製し、あるいは当該形質転換体の菌体内酵素を精製することにより得ることができる。
【0032】
ブルクホルデリア・セパシアに属する微生物としては、たとえばブルクホルデリア・セパシアKS1株を使用することができる。このKS1株は、平成12年9月25日に独立特許法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に微生物受託番号第FERM BP−7306として寄託されている。
【0037】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。本実施の形態においては、試料液中のグルコース濃度を測定するように構成されたグルコース濃度測定装置およびグルコースセンサを例にとって説明する。ただし、本発明は、グルコース濃度を測定する場合には限定されず、他の成分を測定する場合にも適用できる。
【0038】
図1に示したように、グルコース濃度測定装置1は、グルコースセンサ2を用いて、血液などのグルコース溶液中のグルコース濃度を測定するものである。このグルコース濃度測定装置1は、電圧印加部3、電流値測定部4、検知部5、制御部6、演算部7および表示部8を備えている。
【0039】
グルコースセンサ2は、図2および図3に良く表れているように、カバー板20、スペーサ21および基板22を有しており、これらによって流路25が規定されている。
【0040】
カバー板20には穴部23が設けられており、スペーサ21には穴部23に連通するとともに先端部24aが開放したスリット24が設けられている。流路25は、スリット24の先端開放部24aおよび穴部23を介して外部と連通している。先端開口部24aは試料液導入口25aを構成しており、この試料液導入口25aから供給されたグルコース溶液は、毛細管現象により穴部23に向けて流路25内を進行する。
【0041】
基板22の上面22aには、第1電極26、第2電極27、および試薬層28が設けられている。
【0042】
第1および第2電極26,27は、全体として基板22の長手方向に延びている。第1および第2電極26,27の一端部26A,27Aは、基板22の短手方向に延びる作用部26aおよび対部27aを有している。
【0043】
基板22の上面22aは、第1電極26の作用部26a、第2電極27の対部27a、第1および第2電極26,27の他端部26b,27bが露出するようにして絶縁膜29により覆われている。第1および第2電極26,27の端子部26b,27bは、後述するグルコース濃度測定装置1の第1および第2接触子3a,3b(図1参照)と接触させるための端子部を構成している。
【0044】
試薬層28は、たとえば固形状であり、作用部26aと対部27aとの間を橋渡すようにして設けられている。この試薬層28は、たとえば相対的に多量のメディエータ(電子伝達体)および相対的に少量の酸化還元酵素を含んでいる。試薬層28は、たとえばメディエータおよび酸化還元酵素を略均一に分散させた塗布材を第1および第2電極26,27を橋渡すように塗布し、その後に乾燥させることにより形成される。このようにして試薬層28を形成する場合には、メディエータに対して酸化還元酵素が略均一に分散した単一固体層とされ、グルコース溶液の供給により容易に溶解するものとされる。
【0045】
酸化還元酵素としては、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)またはグルコースオキシダーゼ(GOD)を使用するのが好ましい。GDHとしては、ピロロキノリンキノン(PQQ)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)などを補酵素とするもの、αGDHやCyGDHを使用することができる。これらのGDHのうち、PQQを補酵素とするもの(PQQGDH)、αGDHおよびCyGDHを使用するのが好ましい。αGDHおよびCyGDHについては、上述した通りである。
【0046】
メディエータとしては、たとえばRu錯体が使用される。このRu錯体は、電子伝達体として機能すればその配位子の種類はとくに限定されないが、酸化型のものが下記化学式で示されるものを使用するのが好ましい。
【0047】
【化7】
Figure 0004385219
【0048】
化学式におけるXとしては、NH3、ハロゲンイオン、CN、ピリジン、ニコチンアミド、あるいはH2Oが挙げられるが、NH3またはハロゲンイオンが好ましい。一方、化学式におけるn+は、Xの種類により決定される酸化型Ru(III)錯体の価数を表している。
【0049】
Ru錯体は、還元型(II)が不安定なために通常は酸化型(III)として存在する。そのため、グルコースセンサ2の試薬層28にRu錯体を混在させた状態で光や水に曝露されたとしても、容易に還元してしまうことはない。また、Ru錯体は結晶化しにくく、微粉末状態を適切に維持することができるといった特性を有している。さらには、Ru錯体とPQQGDHとの組み合わせについていえば、電子伝達速度が大きいといった利点もある。
【0050】
図1に示した電圧印加部3は、第1電極26の端子部26bと第2電極27の端子部27bとの間に定電圧を印加するものである。電圧印加部3は、グルコースセンサ2をグルコース濃度測定装置1に設けられた装着部(図示略)に装着することにより、第1および第2接触子3a,3bを介して、グルコースセンサ2の端子部26b,27bと導通するようになっている。電圧印加部3としては、たとえば乾電池あるいは充電池などの直流電源が使用される。
【0051】
電流値測定部4は、第1および第2電極26,27間への電圧印加時に試薬層28の還元型Ru(II)錯体から放出された電子の量に相関する応答電流値を測定するものである。
【0052】
検知部5は、グルコース濃度測定装置1にグルコースセンサ2が装着された後において、試薬層28にグルコース溶液が供給され、グルコース濃度の測定が可能になったか否かを検知するものである。
【0053】
制御部6は、電圧印加部3を制御し、第1および第2電極26,27間に電圧が印加される状態(閉回路)と印加されない状態(開回路)とを選択するものである。制御部6はさらに、電流値測定部4における電流値測定タイミングを制御する。
【0054】
演算部7は、電流値測定部4により測定された応答電流値に応じて、グルコース溶液中のグルコース濃度の演算を行うものである。
【0055】
なお、検知部5、制御部6および演算部7のそれぞれは、たとえばCPUおよびROMやRAMなどのメモリにより構成されるが、検知部5、制御部6および演算部7の全てを、1つのCPUに対して複数のメモリを接続することにより構成することもできる。また、演算部7による演算結果は、表示部8により表示される。表示部8は、たとえばLCDなどにより構成される。
【0056】
次に、グルコース溶液中のグルコース濃度測定の手順を、図1ないし図3に加えて、図4および図5をも参照しつつ説明する。
【0057】
図1に良く表れているように、まずグルコース濃度測定装置1にグルコースセンサ2をセットする。そうすると、グルコースセンサ2の第1および第2電極26,27の端子部26b,27bがグルコース測定装置1の第1および第2接触子3a,3bと接触する。先にも触れたように、この状態では第1および第2電極26,27が電圧印加部3に導通可能とされている。実際の測定においては、グルコースセンサ2にグルコース溶液を供給する以前から、制御部6の制御に基づいて、電圧印加部3により第1および第2電極26,27間に定電圧が印加されている。
【0058】
第1および第2電極26,27間に印加する定電圧は、たとえば100〜500mVの範囲に設定される。好ましくは、定電圧は、還元型Ru(II)錯体と酸化型Ru(III)錯体との間の標準酸化還元電位(vs.標準水素電極)以上で、フェロシアン化イオンとフェリシアン化イオンとの間の標準酸化還元電位(vs.標準水素電極)よりも小さいものとされる。Ru錯体の標準酸化還元電位は、配位子の種類により多少異なるが、概ね+100mVであり、フェリシアン化イオンのそれは+360mVである。したがって、電圧印加部3により第1および第2電極26,27間に印加する定電圧は、たとえば100〜350mVの範囲から選択される。Ru錯体としては、酸化型が[Ru(NH3)6]3+(還元型が[Ru(NH3)6]2+)で示されるものが最も好適に使用されるのは上述した通りである。この場合にも、定電圧は100〜350mVとするのが好ましく、さらに好ましくは100〜300mVとされる。
【0059】
次いで、グルコースセンサ2の試料液導入口25aを介して血液などのグルコース溶液を供給する。グルコース溶液は、毛細管現象によりグルコースセンサ2の流路25内を進行する。その過程において、グルコース溶液が試薬層28を溶解させる。
【0060】
先にも触れたように、Ru錯体は結晶化しにくく微粉末状態を適切に維持できるから、Ru錯体を微粉体の状態で試薬層28に含ませておけば、グルコース溶液の供給時に容易かつ即時に試薬層28の全体が溶解する。試薬層28は、酸化還元酵素にRu錯体を分散させた構成とされているから、試薬層28の各所において均一に酵素反応が起こり、短時間で確実なグルコース濃度の測定が可能となる。
【0061】
一方、試薬層28にグルコース溶液が供給されれば、酸化還元酵素によりグルコースがグルコンラクトンに酸化されるとともにメディエータが還元型とされる。メディエータは、試薬層28において略均一に分散されているため、試薬層28の各所において略均一に、かつ電圧を印加するまでもなく自発的に還元型のメディエータが生成される。なお、グルコンラクトンは、非酵素的にグルコン酸となる。
【0062】
ここで、メディエータとして[Ru(III)(NH3)6]3+を用いるとともに酸化還元酵素としてPQQGDHを用いた場合の電子伝達系統図を図4(a)に、メディエータとして[Ru(III)(NH3)6]3+を用いるとともに酸化還元酵素としてGODを用いた場合の電子伝達系統図を図4(b)に示した。
【0063】
図4(a)および(b)に示した例では、2つの端子部26b,27bを介して第1および第2電極26,27間に定電圧を印加した状態では、試薬層28に存在する還元型Ru(II)錯体が第1電極26の作用部26a側に移動し、この作用部26aに電子を放出して酸化型Ru(III)錯体となる。したがって、電圧印加部3により第1および第2電極26,27間に定電圧を供給した状態では、還元型Ru(II)錯体から付与された電子量が第1電極26および第1接触子3aを介して電流測定部4において応答電流として測定される。この応答電流値は、電圧印加によって試薬層28を移動した還元型Ru(II) 錯体に由来する電子量に相関するものであり、いわゆる拡散電流と呼ばれるものである。
【0064】
一方、電流値測定部4において測定された応答電流値は、検知部5においてモニタリングされており、図5に示したように、応答電流値が閾値I1(たとえば2〜3μA)を超えた時点t0で、検知部5は試薬層28にグルコース溶液が供給され、試薬層28が溶解したことを検知する。
【0065】
検知部5がグルコース溶液が供給されたことを検知した場合には、制御部6が電圧印加部3を制御して、第1および第2電極26,27間への電圧の印加を中止する。電圧印加を中止した状態では、還元型Ru(II)錯体は酸化されないから、酸化還元酵素によるグルコースの酸化反応およびメディエータの還元反応により、還元型Ru(II)錯体が蓄積されていく。一定時間(たとえばt1−t0=0〜10秒、さらに好ましくは0〜3秒)の経過時点t1において、制御部6の制御に基づいて、電圧印加部3により再び第1および第2電極26,27間に定電位Vを印加する。なお、検知部5がグルコース溶液が供給されたことを検知してからも電圧の印加を継続し、生成した還元型Ru(II) 錯体を逐次、作用部26aに移動させて拡散電流を測定してもよい。
【0066】
このとき、図4(a),(b)に例示したように、還元型Ru(II)錯体が電子e-を放出して酸化型Ru(III)錯体となる。グルコース溶液中に還元型Ru(II)錯体の他に還元型物質が共存している場合には、これらの物質も印加電圧の値に応じた成分種ないしその量だけ電子を放出して酸化型となる。
【0067】
還元型Ru(II)錯体および他の還元型物質が放出した電子は、第1電極26の作用部26aに供給され、これが第1接触子3aを介して電流値測定部4において応答電流として測定される。したがって、実際に測定される応答電流値は、電圧印加時に還元型となっていた共存物質に由来する電子によるものを含んでいる。還元型とされた共存物質が電子を放出して酸化型となる確率(割合)は、第1および第2電極26,27に印加する電圧の大小に依存しており、印加電圧が大きいほど電子を放出する共存物質の種類や個々の共存物質が放出する電子の総量が多くなる。また、還元型Ru(II)錯体には酸化還元酵素との間の酸化還元反応により電子が与えられたものばかりでなく、水や光の曝露により還元型Ru(II) 錯体とされたものも含まれ得る。このため、実際に測定される応答電流値は、共存物質によるバックグラウンド電流や酵素反応以外からの電子に由来する還元型Ru(II) 錯体に起因したバックグラウンド電流が含まれていることが想定される。
【0068】
これに対して、本実施の形態では、第1および第2電極26,27に印加される定電位Vは、図5から明らかなように、検知部5が試薬層28にグルコース溶液が供給されたことを検知するまでに印加されていた定電位Vと同じ値である。すなわち、再印加の定電位Vは、フェリシアン化イオンの標準酸化還元電位よりも小さい100〜350mVとされ、さらに好ましくは100〜300mVとされる。本実施の形態では、第1および第2電極26,27間(試薬層28)に印加される電圧の値が、メディエータとしてフェリシアン化イオン(カリウム)を使用する場合に比べて小さくなされている。このため、グルコース溶液として血液などを使用した場合に含まれるアスコルビン酸やグルタチオンなどといった還元型共存物質が、電圧印加によって酸化(電子を放出)してしまうことを抑制することができるようになる。これにより、還元型共存物質の影響によるバックグラウンド電流を小さくできる。その結果、還元型共存物質による影響を考慮して実測値を補正しなくとも、精度良く濃度演算を行うことが可能となる。
【0069】
また、Ru錯体は、還元型(II)に比べて酸化型(III)のほうが著しく安定であるため、光照射や水分の存在下においても分解しにくく、その大部分は酵素反応により電子が付与されるまでは酸化型(III)として存在する。したがって、酵素反応以外からの電子により還元型とされたRu(II)錯体の割合が著しく小さく、この点からもバックグラウンド電流を小さくできる。このため、グルコースセンサ2を保存する際に水分の影響をさほど考慮する必要がなくなるため、窒素置換処理などを施して水分量を低減する必要がなくなる。その結果、グルコースセンサ2を工業的に量産する場合には、その分だけ製造が容易でコストに有利となる。
【0070】
さらに、本実施の形態では、試薬層28の全体で生成された還元型Ru(II)錯体に基づく拡散電流を応答電流として測定している。つまり、図4(a)および(b)に示したような2つの酸化還元反応の双方が試薬層28の各所において起こるため、グルコース溶液を供給してから即時に、グルコース反応が終了する。そのため、グルコース濃度が600mg/dL程度であれば、応答電流値を測定する時点、たとえばグルコースを供給してから5秒も経てば、グルコース濃度に応じた量の酸化型Ru(III)錯体が還元型Ru(II) 錯体とされる。したがって、グルコース濃度が100mg/dLレベルであっても、応答電流値がμAレベルと相対的に大きいため、電磁波などのノイズの影響を受けにくい。このため、電極面積を大きく確保するなどの工夫を講じるまでもなく、感度良くグルコース濃度を測定することができる。また、たとえばメディエータや酵素を電極に固定化して、電極の表面でのみ酵素の触媒反応を起こさせ、メディエータと電極との間で電子の授受を行って、そのときの電子移動量(触媒電流)を測定する場合では、高濃度の測定が困難となる。つまり、グルコースと電極との間の電子の授受に関与する複数の反応のうち、1つでも他の反応に比べて反応が遅いものがあれば、その反応が律速段階となり、一定濃度以上のグルコースを供給したとしても、応答電流値が一定以上とはならない。そのため、グルコース濃度が比較的に大きな範囲での応答電流値が一定値に漸近し、高濃度の測定が困難となる。これに対して、拡散電流を測定する場合には、グルコース反応が事実上終了した時点で応答電流値を測定するため、相対的に高濃度領域においても、適切にグルコース濃度を測定することができるようになる。
【0071】
一方、演算部7では、第1および第2電極26,27間に電圧を再印加して一定時間(たとえばt2−t1=3秒以上、さらに好ましくは3〜5秒)の経過時点t2に電流値測定部4において測定された応答電流I2に基づいて、グルコース溶液中のグルコース濃度を演算する。グルコース濃度の演算は、応答電流値を電圧値に換算した後に、この電圧値を、予め作成しておいた電圧値とグルコース濃度との関係を示す検量線に当てはめることにより演算される。検量線は、たとえばデータ化され、演算を実行するプログラムとともにROMに格納されており、このROMに格納されたプログラムをCPUやRAMを利用して実行することによりグルコース濃度の演算が行われる。
【0072】
【実施例】
以下においては、実施例1〜8により、酵素反応を利用したグルコース濃度の測定において、メディエータとしてRu錯体を用いた場合に、低電圧かつ短時間でグルコース濃度の測定が可能であること、グルコース溶液中に含まれる還元物質の影響が少ないこと、光や水に対する曝露耐性が高いこと、および試薬層の溶解性が高いことについて実証する。
【0073】
(グルコースセンサの作成)
実施例1〜8においては、基板上に図2および図3に示したような第1電極、第2電極、試薬層、および流路が形成されたグルコースセンサを使用した。第1および第2電極は、カーボンペーストを用いたスクリーン印刷により基板上に形成した。
【0074】
実施例1〜6では、2つのグルコースセンサについて比較した。一方は、本案グルコースセンサ1であり、他方は比較グルコースセンサ1である。これらのグルコースセンサでは、下記表1に示すように試薬層の処方が異なっている。これらの試薬層は、メディエータ、酸化還元酵素およびリン酸カリウム緩衝液からなる試薬1μLを基板上に点着した後に乾燥させることにより形成した。
【0075】
【表1】
Figure 0004385219
【0076】
実施例7では、下記表2に示すように実施例1〜6とは酸化還元酵素の種類の異なる2つ本案グルコースセンサ2,3を用いた。試薬層以外の構成は、実施例1〜6のグルコースセンサと同様である。なお、αGDHおよびCyGDHについては上述した通りである。
【0077】
【表2】
Figure 0004385219
【0078】
実施例8では、下記表3に示すように酸化還元酵素としてGOD使用した本案グルコースセンサ4および比較グルコースセンサ2を用いた。試薬層以外の構成は、実施例1〜6のグルコースセンサと同様である。
【0079】
【表3】
Figure 0004385219
【0080】
[実施例1]
本実施例では、CV波形を調べることによりグルコースセンサの電極応答特性を評価した。CV波形は、グルコースセンサの試薬層にグルコース溶液を点着した後に、掃引速度を50mV/secとし、印加電圧が0mV→+800mV→0mV→−800mV→0mV→+800mVとなるように掃引し、掃引時の応答電流を測定することにより調べた。グルコース溶液としては、濃度が200mg/dLの標準液(グルコースを生理食塩水(0.9wt%NaCl)で溶解させて調整したもの)を使用した。試薬層へのグルコース溶液の点着量は1μLとした。CV波形は図6に示した。
【0081】
図6のCV波形からは、印加電圧が2回目に0mV→+800mVとされる範囲では、メディエータとして[Ru(III)(NH3)6]Cl3を使用した本案グルコースセンサ1では印加電圧が約100mVで応答電流値が最大となっているのに対して、K3[Fe(III)(CN)6]を使用した比較グルコースセンサ1では印加電圧が300mV弱で応答電流値が最大となっていることが分かる。図6のCV波形は、メディエータとして[Ru(III)(NH3)6]Cl3を使用する場合には印加電圧を100mV以上に設定すれば還元型の略全てを酸化型に酸化でき、同様にK3[Fe(III)(CN)6]を使用する場合には印加電圧を300mV以上にする必要があることを意味している。各メディエータの応答電流値が最大値となる印加電圧値は、各メディエータの標準酸化還元電位に略一致している。
【0082】
したがって、メディエータとして標準酸化還元電位の小さいRu錯体を用いれば、印加電圧を小さくしても適切なグルコース濃度の測定が可能であり、その場合には還元型共存物質によるバックグラウンド電流を小さくして精度良い測定が可能になるといえる。
【0083】
[実施例2]
本実施例では、低電圧(200mV)でグルコース濃度を正確に測定できるか否か検討した。この検討に際して、本案グルコースセンサ1および比較グルコースセンサ1のそれぞれに対して、グルコース濃度が0mg/dL、200mg/dL、400mg/dL、600mg/dLの4種類の標準液を用いて、印加電圧を500mVおよび200mVとした場合のそれぞれについて応答電流値を測定した。応答電流値は、第1および第2電極間に電圧を印加した状態を継続し、試薬層に対して標準液1μLを点着してから5秒経過後に測定した。その結果を図7に示した。
【0084】
図7から分かるように、印加電圧が500mVの場合には、本案グルコースセンサ1は、プロット点の群が高い直線性を示し、グルコース濃度が高い場合(400mg/dL以上)でも適切にグルコース濃度を測定できることを示している。これに対して、比較グルコースセンサ1では、グルコース濃度が高い場合(400mg/dL以上)に直線性が若干乱れているものの、全体としては直線性に優れている。
【0085】
一方、印加電圧が200mVの場合には、本案グルコースセンサ1は、グルコース濃度が高い場合(400mg/dL以上)に直線性が若干乱れているものの、プロット点の群が高い直線性を示している。本案グルコースセンサ1の200mVでの直線性の乱れは、比較グルコースセンサ1の500mVの直線性の乱れよりも小さい。
【0086】
このように、メディエータとしてRu錯体を用いた場合には、印加電圧が200mVという低電位でも、少なくともグルコース濃度が0〜600mg/dLの範囲で適切にグルコース濃度の測定が行えることが確認された。したがって、メディエータとしてRu錯体を用いれば、濃度測定装置を低電圧駆動することが可能となって、消費電力を低減してランニングコストの低減を図ることができるようになるといえる。
【0087】
[実施例3]
本実施例では、グルコース濃度を適切に測定するのに必要な時間について検討した。この検討に当たっては、試薬層にグルコース濃度が400mg/dLの全血を1μL点着した後から0秒、1秒、2秒または10秒経過した後に第1および第2電極間に対して500mVの電圧印加を開始し、電圧印加を継続した場合に測定される応答電流の経時的変化を測定した。その結果を図8および図9に示した。
【0088】
図8からは、本案グルコースセンサ1では、電圧を印加する前の時間(非印加状態の時間)の長短にかかわらず、電圧印加開始から3秒後には個々の測定値が一致していることが分かる。したがって、本案グルコースセンサでは、印加時間を3秒以上とすれば安定した測定結果が得られ、図9をも参照すれば分かるようにメディエータとしてFe錯体を使用する場合よりも印加時間を短くできるといえる。また、非印加状態の時間を余りに大きくしても実益がないことから、図8の結果を勘案すれば、本案グルコースセンサでは非印加状態の時間は10秒以下で足り、グルコース溶液供給からグルコース濃度演算用の応答電流を測定するまでの時間は10〜15秒も確保すれば十分であるといえる。したがって、図8および図9に示した結果からは、メディエータとしてRu錯体を使用した場合には、Fe錯体を使用する場合よりも測定時間が短くてよいことが分かる。
【0089】
[実施例4]
本実施例では、還元型の共存物質の影響(バックグラウンド電流の影響)について検討した。本案グルコースセンサ1および比較グルコースセンサ1のそれぞれに対して、グルコース濃度が0mg/dL、200mg/dL、400mg/dL、600mg/dLである4種類の全血(グルコース濃度以外の成分は人血中の平均的な濃度に調整したもの)を用いて、印加電圧を500mVおよび250mVとした場合のそれぞれについて応答電流値を測定した。試薬層に対して全血1μLを点着してから10秒間は非印加状態とし、その後、第1および第2電極間に対する電圧印加を開始してから5秒後に応答電流値を測定した。その結果を図10および図11に示した。
【0090】
図10および図11から分かるように、比較グルコースセンサ1のほうが本案グルコースセンサ1よりも全体的に応答電流値が高くなっている。これは、比較グルコースセンサ1のほうが本案グルコースセンサ1よりも血液中の還元性共存物質の影響を大きく受け、そのバックグラウンド電流により応答電流値が大きくなっているものと考えられる。
【0091】
ここで注目すべき点は、比較グルコースセンサ1についてはグルコース濃度が0mg/dLの場合であっても、応答電流が正の値として測定されていることである。この点からも、比較グルコースセンサ1の応答電流値が大きくなっている理由として、還元性共存物質によるバックグラウンド電流の影響によることが伺える。
【0092】
ここで、グルコース濃度が0mg/dLの場合の応答電流値について、図12に棒グラフを示した。同図から分かるように、比較グルコースセンサ1では、グルコース濃度が0mg/dLでも比較的に大きな応答電流が測定されており、還元性共存物質の影響を大きく受けているものと考えられる。これに対して、本案グルコースセンサ1では、グルコース濃度が0mg/dLの場合には、測定される応答電流が小さく、還元性共存物質による影響が著しく低減されているといえる。したがって、メディエータとしてRu錯体を使用すれば、還元性共存物質による影響を考慮して補正するまでもなく、精度良く濃度演算を行うことが可能となる。
【0093】
[実施例5]
本実施例では、曝露耐性について評価した。この曝露耐性は、同時期に作成された本案グルコースセンサ1および比較グルコースセンサ1を相対湿度50%、温度25℃に維持された恒温恒湿室内に放置した後に、グルコース濃度が0mg/dLである標準液を用いて応答電流値を測定することにより評価した。応答電流値は、試薬層に標準液を点着してから10秒後に電極間に対する500mVの電圧印加を開始するとともに、電圧印加開始から5秒後に測定した。恒温恒湿室内への放置時間は、1日および4日とし、また恒温恒湿室内に放置する直前のもの(初期)およびモレキュラーシーブ(除湿剤)6g入りのデシケータ(内容積0.2L、初期設定相対湿度50%、温度25℃)に密閉した状態で相対湿度50%、温度25℃に維持された恒温恒湿室内に4日間放置した後のもの(密閉4日)についても同様な条件で応答電流値を測定した。その結果を図13に示した。
【0094】
図13から分かるように、全ての環境設定において、本案グルコースセンサ1のほうが比較グルコースセンサ1よりも応答電流が著しく小さく、その値は全ての環境設定において同じ程度である。したがって、メディエータとしてRu錯体を使用した場合には、曝露環境下でも試薬層の劣化(還元)が少なく保存安定性に優れ、長期間劣化しにくいものと予想される。したがって、メディエータとしてRu錯体を使用すれば、グルコースセンサ保存するために水分による暴露の影響をさほど考慮する必要がなくなる。そのため、グルコースセンサを工業的に量産し、それを包装する場合には、包装内に窒素置換処理などを施す必要がなくなるために、製造が容易となってコストの低減を図ることができるようになる。
【0095】
[実施例6]
本実施例では、試薬層の溶解性を検討した。試薬層の溶解性の検討に際して、本案グルコースセンサ1および比較グルコースセンサ1のそれぞれに対して、グルコース濃度が0mg/dL、200mg/dL、400mg/dL、600mg/dLの4種類の標準液を用いて、印加電圧を500mVとした場合について応答電流値を測定した。応答電流は、試薬層に対して標準液1μLを点着してから10秒間は非印加状態とし、その後、第1および第2電極間に対する電圧印加開始してから5秒後に測定した。その結果を図14に示した。図14には、比較グルコースセンサ1に対して、分散剤としての無機ゲルをFe錯体100重量部に対して1重量部となるように添加した場合の結果も同時に示した。
【0096】
図14から分かるように、本案グルコースセンサ1は、グルコース濃度が大きい場合であっても直線性に優れている。このことは、グルコース濃度の如何にかかわらず、標準液の供給から15秒という時間内に試薬層が良好に溶解していることを意味している。
【0097】
したがって、メディエータとしてRu錯体を使用すれば、試薬層の溶解性に優れ、試薬層全体が均一な反応系を形成することができる結果、グルコース濃度が相対的に高いグルコース溶液についても、分散剤を用いるなどして対応するまでもなく、短時間で精度良くグルコース濃度を測定できるようになる。
【0098】
[実施例7]
本実施例では、上記表2に示した処方で形成された試薬層を有する本案グルコースセンサ2および本案グルコースセンサ3について、濃度の異なる4種類(0mg/dL、200mg/dL、400mg/dL、600mg/dL)の全血での応答電流値を測定した。その結果を図15に示した。図15には、実施例1〜6と同様な構成の本グルコースセンサ1について、同一の条件により応答電流値を測定した結果を同時に示した。
【0099】
図15から分かるように、酸化還元酵素としてCyGDHあるいはαGDHを用いた本案グルコースセンサ2および本案グルコースセンサ3においても、200mVという低電圧の印加で、しかも印加開始から5秒という短時間に、比較的に低濃度から高濃度に至るまで適切に濃度測定を行うことができる。また、図15からは、これらのグルコースセンサでは、バックグランド電流が小さいことも伺える。したがって、メディエータとしてRu錯体を用いれば、種々のGDHについて、実施例1ないし6で記載した効果を享受できるといえる。
【0100】
[実施例8]
本実施例では、酸化還元酵素としてGODを用いるとともにメディエータとしてRu錯体を用いた本案グルコースセンサ4と、酸化還元酵素としてGODを用いるとともにメディエータとしてフェリシアン化カリウムを用いた比較グルコースセンサ2について、実施例7と同様にして応答電流値を測定した。その結果を図16に示した。
【0101】
図16から分かるように、GODとRu錯体とを組み合わせた場合であっても、実施例1ないし6で使用した本案グルコースセンサ1と同様に、比較的にグルコース濃度が高い場合であっても直線性に優れ、バックグラウンド電流が小さいといえる。したがって、GODとRu錯体とを組み合わせた場合であっても、実施例1ないし6で記載した効果を享受できるといえる。
【0102】
以上に説明したように、本発明では、短い測定時間で、比較的に測定対象物の濃度が低い試料液から比較的に濃度が高い試料液に至るまで、還元性共存物質の影響を低減しつつ、試薬層の溶解性を十分に確保して正確に試料液中の測定対象物の濃度を測定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明を実施するためのグルコース濃度測定装置の一例の概略構成を示す模式図である。
【図2】 図2は、図1のグルコース濃度測定装置に用いられるグルコースセンサの一例を示す全体斜視図である。
【図3】 図3は、図2のグルコースセンサの分解斜視図である。
【図4】 図4Aはグルコース、PQQ−GDHおよびRu錯体を含む反応系での電子伝達系統図であり、図4Bはグルコース、GODおよびRu錯体を含む反応系での電子伝達系統図である。
【図5】 図5は、グルコース濃度の測定において、第1および第2電極間に印加する電圧値、および応答電流値の経時的変化を示すグラフである。
【図6】 図6は、本案グルコースセンサ1と比較グルコースセンサのCV波形である。
【図7】 図7は、印加電圧値の影響を示すグラフである。
【図8】 図8は、Ru錯体を用いた試薬層に全血を供給してから一定時間開回路とした後に試薬層に電圧を印加したとき(閉回路)の応答電流の経時的変化を示すグラフである。
【図9】 図9は、Fe錯体を用いた試薬層に全血を供給してから一定時間開回路とした後に試薬層に電圧を印加したとき(閉回路)の応答電流の経時的変化を示すグラフである。
【図10】 図10は、グルコース濃度の異なる複数種の全血について、試薬層に全血を供給してから10秒後に500mVの印加電圧を付与したときの電圧印加開始5秒後の応答電流値を示すグラフである。
【図11】 図11は、グルコース濃度の異なる複数種の全血について、試薬層に全血を供給してから10秒後に250mVの印加電圧を付与したときの電圧印加開始5秒後の応答電流値を示すグラフである。
【図12】 図12は、図10および図11に示したグラフにおいて、グルコース濃度が0の全血についての応答電流値(バックグラウンド電流)を、Fe錯体およびRu錯体について個別に示した棒グラフである。
【図13】 図13は、水分による曝露の影響を、試薬層に標準液を供給したときの応答電流値から評価したグラフである。
【図14】 図14は、Ru錯体の分散能を、試薬層に標準液を供給したときの応答電流値から評価したグラフである。
【図15】 図15は、試薬層の処方(酸化還元酵素)の異なるグルコースセンサについて、グルコース濃度と応答電流値との相関性を示すグラフである。
【図16】 図16は、酸化還元酵素としてGODを使用したグルコースセンサについて、グルコース濃度と応答電流値との相関性を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 測定対象物、酸化還元酵素、およびRu化合物を使用した電子伝達物質を含む反応系を構築し、電気化学的手法を利用して測定対象物の濃度を測定する方法であって、
    上記反応系において、Ru化合物の還元体を生成させる第1ステップと、
    上記反応系に対して100〜300mVの範囲から選択される定電圧を印加して上記還元体を酸化するとともに、そのときに上記還元体が放出した電子の量に相関する応答電流値を測定する第2ステップと、
    この第2ステップにおいて測定された応答電流値に基づいて、測定対象物の濃度を演算する第3ステップと、
    を含み、
    上記Ru化合物は、下記化学式に示す酸化型Ru(III)錯体であり、その還元体は、還元型Ru(II)錯体であることを特徴とする、測定対象物の濃度測定方法。
    Figure 0004385219
    (上記化学式におけるXは、NH 3 またはハロゲンイオンであり、上記化学式におけるn+は、Xの種類により決定される酸化型Ru(III)錯体の価数を表している。)
  2. 上記第1ステップでは、上記酸化還元酵素により触媒される測定対象物の酸化反応および上記酸化型Ru(III)錯体の還元反応の2つの反応のみにより、上記還元型Ru(II)錯体が生成される、請求項に記載の測定対象物の濃度測定方法。
  3. 上記反応系は、相対的に量の多い上記酸化型Ru(III)錯体に対して、相対的に量の少ない上記酸化還元酵素を略均一に分散させた均一または略均一な液相反応系である、請求項に記載の測定対象物の濃度測定方法。
  4. 上記測定対象物はグルコースである、請求項1に記載の測定対象物の濃度測定方法。
JP2003529137A 2001-09-14 2002-08-30 濃度測定方法 Expired - Lifetime JP4385219B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001278966 2001-09-14
JP2001278966 2001-09-14
PCT/JP2002/008855 WO2003025558A1 (fr) 2001-09-14 2002-08-30 Procédé, outil et dispositif de mesure d'une concentration

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2003025558A1 JPWO2003025558A1 (ja) 2004-12-24
JP4385219B2 true JP4385219B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=19103242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003529137A Expired - Lifetime JP4385219B2 (ja) 2001-09-14 2002-08-30 濃度測定方法

Country Status (10)

Country Link
US (3) USRE45764E1 (ja)
EP (2) EP2330407B1 (ja)
JP (1) JP4385219B2 (ja)
CN (1) CN1304838C (ja)
AT (1) ATE505724T1 (ja)
DE (1) DE60239748D1 (ja)
DK (1) DK2330407T3 (ja)
ES (1) ES2415932T3 (ja)
PT (1) PT2330407E (ja)
WO (1) WO2003025558A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8658011B2 (en) 2011-09-26 2014-02-25 Arkray, Inc. Glucose sensor

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE45764E1 (en) 2001-09-14 2015-10-20 Arkray, Inc. Concentration measuring method, concentration test instrument, and concentration measuring apparatus
ATE373706T1 (de) * 2002-04-26 2007-10-15 Koji Sode Beta-untereinheit von glucosedehydrogenase und diese kodierende dna
WO2003106702A1 (ja) 2002-06-17 2003-12-24 アークレイ株式会社 グルコース脱水素酵素を用いたグルコース濃度測定方法およびグルコースセンサ
EP1577665B1 (en) * 2002-12-20 2013-06-26 ARKRAY, Inc. Thin analyzing test strip
EP2213748B1 (en) * 2004-01-07 2014-03-19 Arkray, Inc. Analytical instrument having improved arrangement of reagent section and analytical method
AU2005212396A1 (en) * 2004-02-06 2005-08-25 Bayer Healthcare Llc Oxidizable species as an internal reference for biosensors and method of use
ATE372515T1 (de) * 2005-03-03 2007-09-15 Apex Biotechnology Corp Methode zur reduzierung der messabweichung von amperometrischen biosensoren
JP5021183B2 (ja) 2005-05-20 2012-09-05 アークレイ株式会社 タンパク質固定化膜および固定化方法、ならびにバイオセンサ
RU2426107C2 (ru) * 2005-09-30 2011-08-10 БАЙЕР ХЕЛТКЭА ЭлЭлСи Вольтамперометрический способ определения концентрации аналита в образце и устройство для определения концентрации аналита
US8617366B2 (en) * 2005-12-12 2013-12-31 Nova Biomedical Corporation Disposable urea sensor and system for determining creatinine and urea nitrogen-to-creatinine ratio in a single device
US7955484B2 (en) * 2005-12-14 2011-06-07 Nova Biomedical Corporation Glucose biosensor and method
US20090266718A1 (en) 2006-04-10 2009-10-29 Jing Lin Correction of Oxygen Effect in Test Sensor Using Reagents
ES2397663T3 (es) 2006-10-05 2013-03-08 Lifescan Scotland Limited Sistemas y procedimientos para determinar una concentración de un analito sustancialmente independiente del hematocrito
US9046480B2 (en) 2006-10-05 2015-06-02 Lifescan Scotland Limited Method for determining hematocrit corrected analyte concentrations
WO2008040990A2 (en) 2006-10-05 2008-04-10 Lifescan Scotland Limited Methods for determining an analyte concentration using signal processing algorithms
DE602007012749D1 (de) * 2006-10-05 2011-04-07 Lifescan Scotland Ltd Reagensformulierung mit rutheniumhexamin als vermittler für elektrochemische teststreifen
ATE534901T1 (de) 2006-10-05 2011-12-15 Lifescan Scotland Ltd Elektrochemische verfahren und vorrichtungen zur verwendung bei der messung von analytkonzentrationen mit korrigiertem hämatokritwert
EP2679150B1 (en) 2006-10-24 2020-07-22 Ascensia Diabetes Care Holdings AG Transient decay amperometry
US7943022B2 (en) * 2007-09-04 2011-05-17 Lifescan, Inc. Analyte test strip with improved reagent deposition
CN101796402B (zh) * 2007-09-06 2014-03-19 皇家飞利浦电子股份有限公司 用于流体的化学分析的方法和设备
JP5405916B2 (ja) 2008-06-24 2014-02-05 パナソニック株式会社 バイオセンサ、その製造方法、及びそれを備える検出システム
US20130189769A1 (en) * 2012-01-21 2013-07-25 Rapha Bio Ltd. Biochemical sensor
BR112014032201A2 (pt) * 2012-06-25 2017-06-27 Bioengineering Laboratories Llc eletrodo de enzima
EP3032250B1 (en) * 2013-08-07 2023-10-11 ARKRAY, Inc. Substance measurement method and measurement device employing electrochemical biosensor
CN104055525A (zh) * 2014-06-20 2014-09-24 中国科学院苏州生物医学工程技术研究所 植入式低功耗无线血糖监测仪
US10444208B2 (en) 2016-06-17 2019-10-15 Myron L Company Method for measuring the concentration of a chemical species using a reagent baseline
JP6713364B2 (ja) * 2016-07-20 2020-06-24 アークレイ株式会社 アスコルビン酸応答電極およびバイオセンサ

Family Cites Families (55)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3278334D1 (en) * 1981-10-23 1988-05-19 Genetics Int Inc Sensor for components of a liquid mixture
DE3479522D1 (en) 1983-12-16 1989-09-28 Medisense Inc Assay for nucleic acids
GB8504522D0 (en) 1985-02-21 1985-03-27 Genetics Int Inc Electrochemistry of mediators
US5185256A (en) 1985-06-21 1993-02-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method for making a biosensor
JPS631528A (ja) 1986-06-20 1988-01-06 Polyurethan Kasei Kk ガラス繊維入りポリウレタンフオ−ムの製造方法
US4759828A (en) 1987-04-09 1988-07-26 Nova Biomedical Corporation Glucose electrode and method of determining glucose
JP2574347B2 (ja) 1987-12-15 1997-01-22 松下電器産業株式会社 バイオセンサ
US5205920A (en) 1989-03-03 1993-04-27 Noboru Oyama Enzyme sensor and method of manufacturing the same
JP2796983B2 (ja) * 1989-03-03 1998-09-10 テルモ株式会社 グルコースセンサ
US5264104A (en) 1989-08-02 1993-11-23 Gregg Brian A Enzyme electrodes
JP2517151B2 (ja) * 1990-04-03 1996-07-24 松下電器産業株式会社 バイオセンサによる基質濃度の測定方法
WO1992012254A1 (en) 1991-01-10 1992-07-23 Board Of Regents, The University Of Texas System Enzyme electrodes
US5262305A (en) 1991-03-04 1993-11-16 E. Heller & Company Interferant eliminating biosensors
US5593852A (en) 1993-12-02 1997-01-14 Heller; Adam Subcutaneous glucose electrode
US5281323A (en) * 1991-03-20 1994-01-25 Fujitsu Limited Electrolyte composition for screen printing and miniaturized oxygen electrode and production process thereof
US5710011A (en) 1992-06-05 1998-01-20 Medisense, Inc. Mediators to oxidoreductase enzymes
GB9325189D0 (en) 1993-12-08 1994-02-09 Unilever Plc Methods and apparatus for electrochemical measurements
US5437999A (en) 1994-02-22 1995-08-01 Boehringer Mannheim Corporation Electrochemical sensor
US5582697A (en) * 1995-03-17 1996-12-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Biosensor, and a method and a device for quantifying a substrate in a sample liquid using the same
JP3102627B2 (ja) * 1995-03-17 2000-10-23 松下電器産業株式会社 バイオセンサ、それを用いた定量法および定量装置
JP3657651B2 (ja) * 1995-03-28 2005-06-08 征夫 軽部 酵素電極用組成物および酵素固定化電極
US5620579A (en) 1995-05-05 1997-04-15 Bayer Corporation Apparatus for reduction of bias in amperometric sensors
ES2103197B1 (es) 1995-08-04 1998-01-16 Univ Alcala Henares Pasta conductora, electrodos y sensores electroquimicos que comprenden dicha pasta conductora, y su metodo de preparacion.
FR2744219B1 (fr) 1996-01-31 1998-03-20 Asulab Sa Capteur electrochimique sans calibration
DE69734520D1 (de) 1996-06-07 2005-12-08 Amersham Biosciences Sv Corp Nukleinsäurevermittelter elektronentransfer
ATE227844T1 (de) 1997-02-06 2002-11-15 Therasense Inc Kleinvolumiger sensor zur in-vitro bestimmung
JP2002524021A (ja) 1997-02-06 2002-07-30 ザ・ユニヴァーシティ・オヴ・ノース・キャロライナ・アト・チャペル・ヒル 分子相互作用の検出および薬剤発見のための電気化学的プローブ
JPH10243786A (ja) * 1997-03-03 1998-09-14 Koji Hayade 改変型グルコース脱水素酵素
JP3528521B2 (ja) 1997-06-20 2004-05-17 Nok株式会社 酸化還元酵素を用いる測定方法
US6134461A (en) 1998-03-04 2000-10-17 E. Heller & Company Electrochemical analyte
US6103033A (en) 1998-03-04 2000-08-15 Therasense, Inc. Process for producing an electrochemical biosensor
US6175752B1 (en) 1998-04-30 2001-01-16 Therasense, Inc. Analyte monitoring device and methods of use
KR100349000B1 (ko) 1998-07-09 2003-03-26 주식회사 아이센스 친수성폴리우레탄을사용한바이오센서의제조방법
US6338790B1 (en) 1998-10-08 2002-01-15 Therasense, Inc. Small volume in vitro analyte sensor with diffusible or non-leachable redox mediator
JP4352108B2 (ja) 1998-12-15 2009-10-28 アークレイ株式会社 基質の定量方法
US6475372B1 (en) 2000-02-02 2002-11-05 Lifescan, Inc. Electrochemical methods and devices for use in the determination of hematocrit corrected analyte concentrations
AU5646800A (en) 1999-03-02 2000-09-21 Helix Biopharma Corporation Card-based biosensor device
JP4000708B2 (ja) * 1999-03-17 2007-10-31 東洋紡績株式会社 酵素固定化電極を用いる物質の測定方法
JP2000312588A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Koji Hayade グルコース脱水素酵素
TWI224136B (en) 1999-04-30 2004-11-21 Koji Sode Glucose dehydrogenase
US6193873B1 (en) 1999-06-15 2001-02-27 Lifescan, Inc. Sample detection to initiate timing of an electrochemical assay
US6616819B1 (en) 1999-11-04 2003-09-09 Therasense, Inc. Small volume in vitro analyte sensor and methods
ATE364046T1 (de) 1999-11-15 2007-06-15 Therasense Inc Übergangsmetallkomplexe, die über ein bewegliches zwischenglied an ein polymer gebunden sind
ATE316651T1 (de) 1999-11-15 2006-02-15 Arkray Inc Biosensor
JP4050434B2 (ja) * 1999-11-29 2008-02-20 松下電器産業株式会社 サンプルの弁別方法
KR101293135B1 (ko) * 2000-01-28 2013-09-12 디에스엠 아이피 어셋츠 비.브이. 발효기 내에서 진핵 미생물의 고밀도 배양에 의한 고도불포화 지방산을 함유하는 지질의 증진된 생산 방법
US20020092612A1 (en) 2000-03-28 2002-07-18 Davies Oliver William Hardwicke Rapid response glucose sensor
US6442413B1 (en) 2000-05-15 2002-08-27 James H. Silver Implantable sensor
US6726818B2 (en) 2000-07-21 2004-04-27 I-Sens, Inc. Biosensors with porous chromatographic membranes
NZ525576A (en) 2000-10-31 2005-03-24 Koji Sode Novel glucose dehydrogenase and process for producing the dehydrogenase
US20030236448A1 (en) 2001-03-27 2003-12-25 Fang Lu Oxidase-base sensors for selective analysis of analytes in aqueous samples
US20030036202A1 (en) 2001-08-01 2003-02-20 Maria Teodorcyzk Methods and devices for use in analyte concentration determination assays
US20030028087A1 (en) 2001-08-01 2003-02-06 Yuzhakov Vadim Vladimirovich Devices for analyte concentration determination and methods of using the same
USRE45764E1 (en) 2001-09-14 2015-10-20 Arkray, Inc. Concentration measuring method, concentration test instrument, and concentration measuring apparatus
ATE528393T1 (de) 2002-08-30 2011-10-15 Arkray Inc Verfahren zur reinigung von protein und glucosedehydrogenase

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8658011B2 (en) 2011-09-26 2014-02-25 Arkray, Inc. Glucose sensor

Also Published As

Publication number Publication date
EP2330407B1 (en) 2013-05-29
ES2415932T3 (es) 2013-07-29
US20040245121A1 (en) 2004-12-09
ATE505724T1 (de) 2011-04-15
DK2330407T3 (da) 2013-06-24
CN1571925A (zh) 2005-01-26
EP1426757B9 (en) 2012-01-25
JPWO2003025558A1 (ja) 2004-12-24
CN1304838C (zh) 2007-03-14
WO2003025558A1 (fr) 2003-03-27
EP2330407A1 (en) 2011-06-08
USRE45764E1 (en) 2015-10-20
EP1426757B1 (en) 2011-04-13
PT2330407E (pt) 2013-07-09
EP1426757A1 (en) 2004-06-09
DE60239748D1 (de) 2011-05-26
US7390391B2 (en) 2008-06-24
EP1426757A4 (en) 2005-09-28
USRE44522E1 (en) 2013-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4385219B2 (ja) 濃度測定方法
JP4352153B2 (ja) 薄型分析用具
Geise et al. Electropolymerized 1, 3-diaminobenzene for the construction of a 1, 1′-dimethylferrocene mediated glucose biosensor
JP3297630B2 (ja) バイオセンサ
JP3375040B2 (ja) 基質の定量法
US6740215B1 (en) Biosensor
JP3621084B2 (ja) バイオセンサ
TWI559001B (zh) 生物感測器用之製劑組成物及具有該製劑組成物之生物感測器
JP4621841B2 (ja) グルコース脱水素酵素を用いたグルコース濃度測定方法およびグルコースセンサ
AU2005212396A1 (en) Oxidizable species as an internal reference for biosensors and method of use
EP3578665B1 (en) Biosensing method
Baş et al. Amperometric biosensors based on deposition of gold and platinum nanoparticles on polyvinylferrocene modified electrode for xanthine detection
JP3437016B2 (ja) バイオセンサおよびそれを用いた基質の定量方法
JP3267907B2 (ja) バイオセンサおよびそれを用いた基質の定量法
JP3770757B2 (ja) バイオセンサ
JP2000262297A (ja) 酵素固定化電極を用いる物質の測定方法
JP3370414B2 (ja) バイオセンサの製造方法
JP3245103B2 (ja) バイオセンサおよびそれを用いた基質の定量法
JP2004069582A (ja) バイオセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050729

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090825

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4385219

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term