JP4382889B2 - パンチ金型及びダイ金型 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、曲げ加工等の板金加工における、表面をコーティングしたパンチ金型及びダイ金型に関する。
【０００２】
【従来の技術】
曲げ加工等の板金加工に用いられるパンチ、ダイ等の金型は、プレス型曲げの際の、例えば、１５０トン機、２００トン機のようなプレスの重加圧により曲げ加工操作を実施することから、作業上の安全対策として、例えば、図３に示すような危険標識等を掲げて作業者に注意を喚起すると共に、加工機の制御装置等に予め、使用する金型の所定耐圧強度条件を入力して後、加工操作を開始するようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上述の従来例では、作業者の入力間違い等のミスにより、使用している金型の耐圧強度を超えて作業が行われ不測の事故を起こす虞がある等の課題がある。
【０００４】
この発明は、上述の点に着目して成されたもので、使用する金型の耐圧強度を超え、該金型が破損して破片等が飛散するような不測の事態が発生しても事故を未然に防ぐことを可能とする表面をコーティングしたパンチ金型及びダイ金型を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【０００６】
（１）刃先を含む先端部及びパンチホルダーに挟持される部位を除いた側面部の全周囲に合成樹脂による保護材をコーティングし、破損した時の破片等が飛散しないようにしたことを特徴とする曲げ加工機に用いるパンチ金型。
【０００７】
（２）溝部、ダイ肩部及びダイホルダーに支持される部位を除いた側面部の全周囲に合成樹脂による保護材をコーティングし、破損した時の破片等が飛散しないようにしたことを特徴とする曲げ加工機に用いるダイ金型。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の一実施の形態を説明する。
【０００９】
図１（ａ）は、この発明に係る表面をコーティングした安全金型の使用状況を示す縦断側面図、同（ｂ）はパンチのコーティング状況説明図、同（ｃ）はダイのコーティング状況説明図、図２は曲げ加工機の例としてのプレスブレーキの外観斜視図、図３は危険標識の一例を示す説明図である。
【００１０】
図面について説明すれば、１は上金型となるパンチ、２は下金型となるダイ、３は塩化ビニール系、または、ナイロン系等の合成樹脂からなる保護材であり、パンチ１については、ワークＷと当接して製品精度に直接影響する刃先を含む先端部１ａ及びパンチホルダー等に係合して挟持される部位１ｂを除いて、図１（ａ）、（ｂ）に示すように主として露出した側面部周囲をコーティングするなど被覆を施し、また、ダイ２については、ワークＷと当接して製品精度に直接影響する溝部２ａ、ダイ肩部２ｃ及びダイホルダー等に係合して支持される部位２ｂを除いて、図１（ａ）、（ｃ）に示すように主として露出した側面部周囲をコーティングするなど被覆し、万一使用する金型の耐圧強度を超え、該金型が破損して破片等が飛散するような不測の事態が発生しても事故を未然に防ぐことを可能に構成してある。
【００１１】
上述の構成に基づいて作用を説明する。
【００１２】
プレスブレーキを例としての曲げ加工機Ｐにおいて、上金型となるパンチ１のパンチホルダーに挟持される部位１ｂをホールドしてセットし、下金型となるダイ２のダイホルダーに支持される部位２ｂをホールドしてセットし、製品の形状に合わせてワークＷをダイ２の溝部２ａ、またはダイ肩部２ｃに当てがい上方よりパンチ１を下降させ、前記ワークＷの所望の位置に前記パンチ１の先端部１ａの刃先が所定の加圧力で当接して曲げ加工が行われるが、パンチ１の先端部１ａ、ダイ２の溝部２ａ、及びダイ肩部２ｃには、塩化ビニール系またはナイロン系の保護材３によるコーティング等の被覆が施されていないので製品精度に影響なく加工ができ、その他の主として露出した側面部には前記塩化ビニール系またはナイロン系の保護材３によるコーティング等の被覆が施されているので、制御装置等への入力ミス等で、万一、金型の耐圧強度を超えた重加圧によりこの上金型となるパンチ１または下金型となるダイ２が破損しても、これら金型の破片等が周囲に飛散して作業者が怪我をするような事態を回避して事故を未然に防止することが可能である。
【００１３】
なお、保護材３については、アラミド繊維等の強靭なシート状またはネット状のものが考えられ、また、塩化ビニール系でも素材に糸状またはワイヤー状の補強材を組み合わせたものを用いても良い。
【００１４】
【発明の効果】
この発明によれば、パンチ、ダイ等の金型を保護材によりコーティング等の被覆を施すことにより、金型の耐圧強度を超える重加圧により不測の事態が発生しても事故を未然に防止すことが可能となるという効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （ａ）この発明に係る表面をコーティングした安全金型の使用状況を示す縦断側面図、同（ｂ）パンチのコーティング状況説明図、同（ｃ）ダイのコーティング状況説明図
【図２】 曲げ加工機の例としてのプレスブレーキの外観斜視図
【図３】 危険標識の一例を示す説明図
【符号の説明】
１ パンチ
１ａ 先端部
１ｂ 挟持される部位
２ ダイ
２ａ 溝部
２ｂ 支持される部位
２ｃ ダイ肩部
３ 保護材
Ｐ 曲げ加工機
Ｗ ワーク

Claims (2)

1. 刃先を含む先端部及びパンチホルダーに挟持される部位を除いた側面部の全周囲に合成樹脂による保護材をコーティングし、破損した時の破片等が飛散しないようにしたことを特徴とする曲げ加工機に用いるパンチ金型。
2. 溝部、ダイ肩部及びダイホルダーに支持される部位を除いた側面部の全周囲に合成樹脂による保護材をコーティングし、破損した時の破片等が飛散しないようにしたことを特徴とする曲げ加工機に用いるダイ金型。

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