この発明はコンテンツ再生装置、携帯電話、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生プログラム、およびコンテンツ再生プログラムを記録する記録媒体に関し、特に、出力されるコンテンツに含まれるオブジェクトの選択を容易にできるコンテンツ再生装置、携帯電話、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生プログラム、およびコンテンツ再生プログラムを記録する記録媒体に関する。
携帯電話やカーナビゲーション装置などのコンテンツ再生装置は小型化が進み、操作入力を行なうための入力手段の数が少なくなる傾向にある。また、操作の簡略化を目的として、少ないユーザ操作で、オブジェクトの選択など、的確なアクションの実行が求められる傾向にある。
一方、再生されるコンテンツに含まれる事象であるオブジェクトは増加する傾向にあり、その結果、再生される多くのオブジェクトの中から、簡単な操作で的確にオブジェクトが選択されることが求められるようになった。
そのような要求に応じるため、たとえば特許文献1においては、リンクを含むページ情報を表示する際に、表示前にリンクに振られた番号に基づいてショートカットキーを割振ってその番号を表示し、対応するショートカットキーの操作を受付けることで効率的にリンクを実行できる端末装置が開示されている。
特開2002−163287号公報
しかしながら、特許文献1に開示された端末装置を用いてコンテンツを再生する場合であっても、含まれるリンク数に応じた数のショートカットキー(入力手段)が必要となるという問題がある。
なお、リンク数よりもショートカットキーの数が少ない場合には、特許文献1には、複数のショートカットキーを組合わせて所定のリンクに対応付ける方法、つまり、あるリンクを実行させるときには複数のショートカットキーを操作する方法も開示されている。このような場合、含まれるリンク数が多い場合、当然に、操作するショートカットキーが多くなり、操作が煩雑になるという問題がある。
さらに、含まれるリンクと共に振られている番号を表示してショートカットキーの操作を受付けるため、含まれるリンク数が多くなるほど共に表示される番号も増え、表示が見えにくくなってしまうという問題もある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、出力されるコンテンツに含まれるオブジェクトを、少ない入力手段で的確に選択し実行できるコンテンツ再生装置、携帯電話、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生プログラム、およびコンテンツ再生プログラムを記録する記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、コンテンツ再生装置は、オブジェクトを含むコンテンツを表示するコンテンツ表示手段と、コンテンツに対する指示を入力する入力手段と、オブジェクトの中から、アクションに対応付けられたアクションオブジェクトを抽出するアクションオブジェクト抽出手段と、該アクションオブジェクトの中から、選択可能なアクションオブジェクトである選択可能オブジェクトを抽出する選択可能オブジェクト抽出手段と、該選択可能オブジェクトの中から、入力手段で入力された指示に応じて選択状態とする選択可能オブジェクトである選択中オブジェクトを決定する選択中オブジェクト決定手段とを備える。
また、選択可能オブジェクト抽出手段は、選択中オブジェクト決定手段で決定された、指示に応じて現在選択状態である第1の選択可能オブジェクトの次に選択状態となる第2の選択可能オブジェクトに基づいて、該指示の次に指示があった場合に選択中オブジェクト決定手段で第2の選択可能オブジェクトの次に選択状態と決定される、第3の選択可能オブジェクトを選択可能な選択可能オブジェクトを抽出することが好ましい。
または、選択可能オブジェクト抽出手段は、現在選択状態である第1の選択可能オブジェクトに基づいて、指示に応じて選択中オブジェクト決定手段で第1の選択可能オブジェクトの次に選択状態と決定される、第2の選択可能オブジェクトを選択可能な選択可能オブジェクトを抽出することが好ましい。
また、選択可能オブジェクト抽出手段は、選択中オブジェクト決定手段で決定された選択中オブジェクトに基づいて、選択可能オブジェクトを抽出し、保存することが好ましい。
さらに、選択中オブジェクト決定手段は、選択可能オブジェクト抽出手段で抽出され、保存されている選択可能オブジェクトと、入力手段で入力された指示とに基づいて、選択中オブジェクトを決定することがより好ましい。
また、選択中オブジェクト決定手段は、選択可能オブジェクト抽出手段で抽出された選択可能オブジェクトと、入力手段で入力された指示とに基づいて、選択中オブジェクトを決定し、保存することが好ましい。
さらに、選択可能オブジェクト抽出手段は、選択中オブジェクト決定手段で決定され、保存された選択中オブジェクトに基づいて、選択可能オブジェクトを抽出することがより好ましい。
また、選択可能オブジェクト抽出手段は、少なくともアクションオブジェクトの表示位置に基づいて、アクションオブジェクトの中から選択可能オブジェクトを抽出することが好ましい。
さらに、選択可能オブジェクト抽出手段は、コンテンツ表示手段におけるコンテンツの表示倍率と入力手段の数との少なくとも一方にも基づいて、アクションオブジェクトの中から選択可能オブジェクトを抽出することがより好ましい。
また、選択中オブジェクト決定手段は、指示を入力した入力手段の種類と、指示が指し示すコンテンツ表示手段上の位置との少なくとも一方に基づいて、選択可能オブジェクトの中から選択中オブジェクトを決定することが好ましい。
また、コンテンツ表示手段は、選択中オブジェクトをコンテンツに含まれる他のオブジェクトとは異なる表示形態で表示することが好ましい。
また、コンテンツ表示手段は、選択可能オブジェクトをコンテンツに含まれる他のオブジェクトとは異なる表示形態で表示することが好ましい。
また、コンテンツ表示手段は、コンテンツ表示手段におけるコンテンツの表示倍率に応じて、選択可能オブジェクトから優先的に所定数のオブジェクトを表示することが好ましい。
または、コンテンツ再生装置は、選択可能オブジェクトの数と、選択可能オブジェクトの表示位置とに基づいて、コンテンツ表示手段におけるコンテンツの表示倍率を決定する倍率決定手段をさらに備えることが好ましい。
本発明の他の局面に従うと、携帯電話は、オブジェクトを含むコンテンツを表示するコンテンツ表示手段と、コンテンツに対する指示を入力する入力手段と、オブジェクトの中から、アクションに対応付けられたアクションオブジェクトを抽出するアクションオブジェクト抽出手段と、該アクションオブジェクトの中から、選択可能なアクションオブジェクトである選択可能オブジェクトを抽出する選択可能オブジェクト抽出手段と、該選択可能オブジェクトの中から、入力手段で入力された指示に応じて選択状態とする選択可能オブジェクトである選択中オブジェクトを決定する選択中オブジェクト決定手段とを備える。
また、選択可能オブジェクト抽出手段は、選択中オブジェクト決定手段で決定された、指示に応じて現在選択状態である第1の選択可能オブジェクトの次に選択状態となる第2の選択可能オブジェクトに基づいて、該指示の次に指示があった場合に選択中オブジェクト決定手段で第2の選択可能オブジェクトの次に選択状態と決定される、第3の選択可能オブジェクトを選択可能な選択可能オブジェクトを抽出することが好ましい。
または、選択可能オブジェクト抽出手段は、現在選択状態である第1の選択可能オブジェクトに基づいて、指示に応じて選択中オブジェクト決定手段で第1の選択可能オブジェクトの次に選択状態と決定される、第2の選択可能オブジェクトを選択可能な選択可能オブジェクトを抽出することが好ましい。
本発明のさらに他の局面に従うと、コンテンツ再生方法は、オブジェクトを含むコンテンツを表示するコンテンツ表示手段と、コンテンツに対する指示を入力する入力手段とを備えるコンテンツ再生装置におけるコンテンツ再生方法であって、オブジェクトの中から、アクションに対応付けられたアクションオブジェクトを抽出するアクションオブジェクト抽出ステップと、該アクションオブジェクトの中から、選択可能なアクションオブジェクトである選択可能オブジェクトを抽出する選択可能オブジェクト抽出ステップと、該選択可能オブジェクトの中から、入力手段で入力された指示に応じて選択状態とする選択可能オブジェクトである選択中オブジェクトを決定する選択中オブジェクト決定ステップとを備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、コンテンツ再生プログラムは、オブジェクトを含むコンテンツを表示するコンテンツ表示手段と、コンテンツに対する指示を入力する入力手段とを備えるコンテンツ再生装置におけるコンテンツ再生方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、オブジェクトの中から、アクションに対応付けられたアクションオブジェクトを抽出するアクションオブジェクト抽出ステップと、該アクションオブジェクトの中から、選択可能なアクションオブジェクトである選択可能オブジェクトを抽出する選択可能オブジェクト抽出ステップと、該選択可能オブジェクトの中から、入力手段で入力された指示に応じて選択状態とする選択可能オブジェクトである選択中オブジェクトを決定する選択中オブジェクト決定ステップとを実行させる。
本発明のさらに他の局面に従うと、記録媒体はコンピュータ読取可能な記録媒体であって、上述のコンテンツ再生プログラムを記録する。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置のハードウエア構成の具体例を示す図である。
図1を参照して、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置は、コンテンツ再生装置全体の制御を行なうCPU(Central Processing Unit)11と、CPU11において実行されるプログラムなどを記録するROM(Read Only Memory)12と、再生されるコンテンツなどを記録し、CPU11においてプログラムを実行する際の一時的な作業領域ともなるRAM(Random Access Memory)13と、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)やDVD−ROM(Digital Video Disc‐Read Only Memory)などの記録媒体21からコンテンツやプログラムを読取る記録媒体読取部14と、操作キーなどの入力装置で構成されて、ユーザの操作入力を受付ける操作入力部15と、ディスプレイなどの出力装置で構成されて、コンテンツを出力する情報出力部16とを含んで構成され、それらはバス17によって接続される。
図1に示されるコンテンツ再生装置のハードウエア構成は一般的なパーソナルコンピュータのハードウエア構成と同様であって、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置をパーソナルコンピュータで実現した場合を示している。しかしながら、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置は、後に具体例を挙げて説明されるように、パーソナルコンピュータで実現される場合に限定されず、ユーザの操作入力によって再生動作を変化させることができるコンテンツ再生装置であればどのような装置で実現されても、どのような装置に搭載されもよい。たとえば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、およびカーナビゲーション装置にアプリケーションとして搭載されているコンテンツ再生装置、またはこれらの装置で実現されるコンテンツ再生装置であってもよい。また、CPUと表示装置とが存在するリモートコントローラ、プリンタ装置、複写機、ファクシミリ送受信機、冷蔵庫、掃除機、および洗濯機上に搭載されているコンテンツ再生装置であってもよい。そのような場合、図1に示されるハードウエア構成に加えて、または図1に示されるハードウエア構成の少なくとも一部の構成に替えて、それらの装置に必要な他の構成が含まれてもよい。
図2は、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置の装置構成の具体例を示す図である。
図2を参照して、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置は、コンテンツのファイルデータを記憶するRAM13の所定領域などから構成される記憶装置8と、コンテンツ再生を行なうためのプログラムであってROM12などに記録されているアプリケーション1を実行して、記憶装置8に記憶されているファイルデータを実行してコンテンツの再生を行なう再生装置3と、RAM13の所定領域やCPU11の所定領域などから構成され、コンテンツ再生時の作業領域として用いられる実行用データメモリ51および描画メモリ52を含むメモリ装置5と、再生されたコンテンツを出力する情報出力部16で構成される表示装置6と、ユーザの操作入力を受付ける情報出力部16から構成される操作キーなどである入力装置7とを含んで構成される。
さらに、再生装置3は、データ展開装置31と、イベント処理装置32と、オブジェクト選択装置33と、回転拡大縮小装置34と、描画装置35とを含んで構成される。
再生装置3に含まれるデータ展開装置31は、アプリケーション1からの展開指示を受付けて、記憶装置8に記憶される所定のコンテンツのファイルデータをメモリ装置5の実行用データメモリ51に実行用データとして展開する。そして、かかる展開が終了すると、データ展開装置31は、展開完了をアプリケーション1に対して通知する。
再生装置3に含まれる描画装置35は、アプリケーション1からの描画指示を受付けて、メモリ装置5の実行用データメモリ51に展開された該コンテンツの実行用データを取得し、実行用データを上から順に走査して描画メモリ52に描画する。そして、かかる描画が終了すると、描画装置35は、描画完了をアプリケーション1に対して通知する。この段階では、アプリケーション1によって表示装置6にコンテンツが表示されて、入力装置7においてユーザの操作入力を待機している。
入力装置7においてユーザの操作入力を受付けると、アプリケーション1からイベントの発生が再生装置3に含まれるイベント処理装置32に通知される。イベント処理装置32は、かかる通知に基づいて、回転拡大縮小装置34またはオブジェクト選択装置33に対して指示を行なう。
再生装置3に含まれる回転拡大縮小装置34は、イベント処理装置32からの回転拡大縮小指示を受付けて、メモリ装置5の実行用データメモリ51に展開された該コンテンツの実行用データに対して、コンテンツを回転、拡大、または縮小させるための所定の回転拡大縮小処理を施す。そして、描画装置35に対して描画指示を行なう。
再生装置3に含まれるオブジェクト選択装置33は、イベント処理装置32からのオブジェクト選択指示を受付けて、メモリ装置5の実行用データメモリ51に展開された該コンテンツの実行用データに含まれるオブジェクトから、所定のオブジェクトを選択し、描画装置35に対してその選択状態を描画するように描画指示を行なう。
再生装置3に含まれる描画装置35は、回転拡大縮小装置34からの描画指示を受付けて、メモリ装置5の実行用データメモリ51に展開され回転拡大縮小処理が施された該コンテンツの実行用データを取得し、実行用データを上から順に走査して描画メモリ52に描画する。また、オブジェクト選択装置33からの描画指示を受付けて、実行用データを上から順に走査して描画メモリ52に描画すると共に、オブジェクト選択装置33から渡された選択状態を描画する。そして、かかる描画が終了すると、描画装置35は、描画完了をアプリケーション1に対して通知する。または、イベント処理装置32は、イベント処理完了をアプリケーション1に対して通知する。
図3に、コンテンツ再生装置の機能構成の具体例を示す。図3に示される各機能は、CPU11がROM12などに記録されるプログラムを読出してRAM13上で実行して図1に示される各部を制御し、アプリケーション1の実行に応じて図2に示される各装置が動作することで発揮される機能である。
図3を参照して、コンテンツ再生装置は、操作入力部15である入力装置7においてユーザからのキー入力を受付けるキー入力受付部101と、受付けた指示内容を解析する指示内容解析部102と、データ展開装置31でコンテンツのファイルデータを実行用データに展開して、描画装置35において情報出力部16である表示装置6でコンテンツを表示するコンテンツ表示部109と、回転拡大縮小装置34において所定の処理を行なうことで、コンテンツ表示部109で表示されるコンテンツの領域を管理する表示領域管理部103と、オブジェクト選択装置33において表示されるコンテンツに含まれる選択可能オブジェクトを抽出する選択可能オブジェクト抽出部104と、コンテンツに含まれるオブジェクトの情報を記憶するオブジェクト情報記憶部105と、コンテンツ表示部109で表示可能な最大のオブジェクト数である表示最大数を記憶する表示最大数記憶部106と、記憶装置8において再生対象のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部107と、再生するコンテンツを解析するコンテンツ解析部108とを含んで構成される。
コンテンツ記憶部107に記憶されるコンテンツとしては、具体的には、図4に示されるようなベクトルグラフィックで表現されるものや、図5に示されるようなラスタグラフィックで表現されるものが挙げられる。
図4を参照して、ベクトルグラフィックで表現されるコンテンツとは、複数のオブジェクトの重ね合わせで構成されるコンテンツである。また、図5を参照して、ラスタグラフィックで表現されるコンテンツとは、表示領域の各ピクセルの色情報で構成されるコンテンツであり、図5においては、具体的に8×8の要素の色情報で構成されるコンテンツが示されている。すなわち、ラスタグラフィックで表現されるコンテンツは、1つの画像オブジェクトが表示されていると考えられる。また、画像を前処理としてエリアに分割すると、分割された画像オブジェクトで構成されたベクトルグラフィックと考えられる。
コンテンツ再生装置においてコンテンツの再生が実行される際には、コンテンツ記憶部107に記憶される所定のコンテンツがコンテンツ解析部108において読出されて解析され、コンテンツ表示部109に表示データが渡される。
コンテンツ表示部109でコンテンツが表示されている際に、キー入力受付部101においてユーザからのキー入力を受付けると、その指示信号が指示内容解析部102に渡される。
指示内容解析部102は、キー入力受付部101から渡された指示信号を解析し、その解析結果に応じて、解析結果を表示領域管理部103または選択可能オブジェクト抽出部104に渡す。
表示領域管理部103は、指示内容解析部102から渡された指示内容の解析結果に基づいて、必要なコンテンツの表示を行なうために表示領域を決定し、コンテンツ表示部109に表示データを渡す。
選択可能オブジェクト抽出部104は、必要に応じて、オブジェクト情報記憶部105に記憶される、現在の表示されているコンテンツに含まれる各オブジェクトの情報や、コンテンツ解析部108におけるコンテンツの解析結果や、表示最大数記憶部106に記憶されている表示領域中のオブジェクトの表示最大数を参照し、選択可能オブジェクトを決定して抽出する。この各オブジェクトの情報やオブジェクトの表示最大数の情報については、後に具体例を挙げて説明する。
ここで、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置で取扱われるコンテンツに含まれるオブジェクトの種類について図6を用いて説明する。本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置で取扱われるコンテンツは、1つまたは2以上のフレームが連続して構成されるコンテンツであるものとし、コンテンツを構成する各フレームにはオブジェクトが含まれる。
コンテンツに含まれるオブジェクトとは、該コンテンツがベクトルグラフィックで表現されるコンテンツであるとき、またはラスタグラフィックで表現されるコンテンツであるとき、その構成要素を指す。具体的には、点座標列で構成されるポリゴンや、文字列や、JPEGなどの1つの画像や、Word(R)の埋込みドキュメントなどその他の埋込みファイルや、1枚の画像を分割した各々の画像や、音楽・効果音などが該当する。
さらに、図6に示されるように、コンテンツ再生装置で表示されるコンテンツに含まれるオブジェクトはアクションオブジェクトと非アクションオブジェクトとに分類される。アクションオブジェクトとは、ユーザのキー入力に反応して、少なくとも選択状態となることで該オブジェクトに対応付けられた所定の処理を実行するオブジェクトをいい、それ以外のオブジェクトを非アクションオブジェクトという。
アクションオブジェクトの具体例としては、たとえば、アニメーション処理の制御(開始・終了・一時停止・往復)を実行するアクションオブジェクトがあり、かかるアクションオブジェクトが選択される(または、選択された後に実行される)ことで、該オブジェクトの移動・回転・変形・色の変化や、該オブジェクトの表示属性値の変更などが実行される。
またたとえば、外部アクセスを実行するアクションオブジェクトがあり、かかるアクションオブジェクトが選択される(または、選択された後に実行される)ことで、http://やfile://で始まる文字列であるURI(Uniform Resource Identifier)で記述されたデータが起動する。すなわち、ブラウザを起動し、html(Hypertext Markup Language)を表示したり、現在起動中のコンテンツの内容を変更したりする。
またたとえば、外部参照を実行するアクションオブジェクトがあり、かかるアクションオブジェクトが選択される(または、選択された後に実行される)ことで、URIで参照されたデータがインラインで再生される。すなわち、ファイル外のURIで書かれた場所に存在するデータ本体が表示される。このとき、ユーザのキー入力には反応せず、始めからJPEG画像が表示されている場合は、該オブジェクトはアクションオブジェクトに該当しないが、たとえば、クリックするまでは文字列が表示され、クリック後にJPEG画像にインライン展開される処理を実行するオブジェクトは、アクションオブジェクトである。
またたとえば、電話をかける、または電話帳に登録するといった処理を実行するアクションオブジェクトがあり、かかるアクションオブジェクトが選択される(または、選択された後に実行される)ことで、割当てられた電話番号に対する処理が実行される。
またたとえば、メール送信を実行するアクションオブジェクトがあり、かかるアクションオブジェクトが選択される(または、選択された後に実行される)ことで、割当てられたメールアドレスに対する処理が実行される。
またたとえば、外部機器への信号の送信を実行するアクションオブジェクトがあり、たとえばテレビジョン受像機のリモートコントローラなどでは、かかるアクションオブジェクトが選択される(または、選択された後に実行される)ことで、割当てられたチャンネル番号に基づいて、テレビジョン受像機に対してチャンネル変更を行なうための制御信号が送信される。また、携帯電話などでは、バイブレーションを実行させたり、ライトを点灯させたりしてもよい。
またたとえば、アプリケーションの表示状態(回転拡大縮小移動)の変更や、オブジェクト情報記憶部105に記憶される該オブジェクトの情報であるテーブルの参照を実行するアクションオブジェクトがある。
なお、1つのアクションオブジェクトには複数のアクションが割当てられていてもよい。
さらに、図6に示されるように、アクションオブジェクトは、選択可能オブジェクトと選択不可能オブジェクトとに分類される。選択可能オブジェクトとは、アクションオブジェクトの中で、現在の表示状態において、次に受付けるユーザのキー入力操作で選択可能なオブジェクトをいい、それ以外のアクションオブジェクトを選択不可能オブジェクトという。
選択可能オブジェクトと選択不可能オブジェクトとは、実行されているアプリケーションの拡大縮小率や、現在の選択中オブジェクトと各アクションオブジェクトとの距離や、各アクションオブジェクトの実行するアクションの種類に基づいて分類されてもよい。
また、各アクションオブジェクトに重要度が指定されている場合、その重要度に基づいて分類されてもよい。その場合、アクションオブジェクトのうち、所定の重要度以上(または以下)のものが選択可能オブジェクトと分類される。
また、各アクションオブジェクト間の距離に基づいて分類されてもよい。その場合、他のアクションオブジェクトに一定の距離内で隣接しているアクションオブジェクトは選択不可能オブジェクトと分類される。表示領域中のアクションオブジェクトの密集具合からクラスタリングを行ない、その各々のクラスタをグループ化して該グループを1つの選択可能オブジェクトとしてもよいし、該グループのうち一部を代表して選択可能オブジェクトとしてもよい。
また、現在の表示領域中にある選択可能オブジェクトの表示最大数に基づいて分類されてもよい。表示最大数は、アプリケーションの拡大縮小率などの情報に対応して表示最大数記憶部106に記憶されており、それを参照することで表示最大数を得ることができる。複数フレームが連続して描画されるコンテンツを再生する場合は、フレームの描画のたびに表示最大数が再計算されてもよい。
なお、選択可能オブジェクトと選択不可能オブジェクトとの分類方法は、上述の方法のうち、2以上の方法が組合されてもよい。
さらに、図6に示されるように、選択可能オブジェクトは、現在選択状態である選択中オブジェクトと、それ以外の選択外オブジェクトとに分類される。選択中オブジェクトと選択外オブジェクトとの分類方法は、後に挙げる実施例において説明する。
選択可能オブジェクト抽出部104は、アクションオブジェクトの中から選択可能オブジェクトと選択不可能オブジェクトとを分類して選択可能オブジェクトを決定し、抽出する。また、選択可能オブジェクトの中から選択中オブジェクトを抽出する。そして、その選択中オブジェクトに関する情報を、コンテンツ表示部109に渡す。
コンテンツ表示部109は、必要に応じて、選択可能オブジェクト抽出部104から渡された情報に基づいて、コンテンツ表示部109において表示されたコンテンツに含まれる選択中オブジェクトに対して、選択中であることを示すフォーカス枠を重ねて描画するなど、選択可能オブジェクト抽出部104から渡された情報に基づいてコンテンツの表示を行なう。なお、コンテンツ表示部109でのコンテンツの表示方法については、後に具体例を挙げる。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置で再生されるコンテンツのファイルデータの具体例を図7(A)に示す。図7(A)は、W3C(World Wide Web Consortium)(R)で標準化された国際規格であるSVG(Scalable Vector Graphics)1.1フォーマットを用いて記述されたファイルデータの具体例を示している。
図7(A)を参照して、かかるファイルデータは、第一行目において<svg>エレメントで表わされるコンテンツの属性の記述と、<a>エレメントで表わされるオブジェクトA〜Fの記述とを含む。さらに、<a>エレメントには、<a xlink:href=“URI”>で表わされるハイパーリンクの記述と、長方形を描画する<rect>エレメントとが含まれる。
かかるファイルデータであるコンテンツを再生すると、図7(B)に示されるオブジェクトA〜Fが表示される。図7(B)において、オブジェクトAは赤色の長方形図形、オブジェクトBは緑色の長方形図形、オブジェクトCは青色の長方形図形、オブジェクトDは黄色の長方形図形、オブジェクトEは水色の長方形図形、およびオブジェクトFは紫色の長方形図形で表わされ、各々、図7(A)に示されるオブジェクトA〜Fの記述に基づいて表示されるアクションオブジェクトである。これらのうちから所定のオブジェクトが選択され実行されると、そのオブジェクトの<a>エレメントに含まれるハイパーリンクの記述に基づいて、所定のリンク先にアクセスするアクションが実行される。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置でコンテンツを再生する際、図8に示されるコンテンツ再生処理が実行される。図8のフローチャートに示される処理は、CPU11がROM12などに記録されるプログラムを読出してRAM13上で実行し、図1に示される各部を制御して図4に示される各機能を発揮させることで実現される。
図8を参照して、始めに、コンテンツ再生装置でコンテンツの所定フレームの再生が開始されると(S101)、コンテンツ解析部108において、該フレームを構成するアクションオブジェクトが抽出される(S103)。そして、必要に応じて選択可能オブジェクト抽出部104が機能され、コンテンツ表示部109において該フレームに含まれる全オブジェクトについての描画処理が実行される(S105)。以上のステップS101〜S107の処理が、再生対象の次のフレームがなくなるまで繰返されて(S107でNO)、コンテンツの再生が終了する。
なお、ステップS105で全オブジェクトの描画を行なう以前にステップS103で該フレームを構成するアクションオブジェクトを抽出する処理順に限定されず、該フレームを構成する各アクションオブジェクトを描画しながら、アクションオブジェクトごとにアクションオブジェクトであるか非アクションオブジェクトであるかを判別してアクションオブジェクトを抽出する処理順であってもよい。
さらに、上述のステップS105では、図9に示されるオブジェクトの描画処理が実行される。
図9を参照して、ステップS105でオブジェクトの描画処理が開始すると、キー入力受付部101において操作入力部15からのユーザのキー入力の有無が監視され(S111)、キー入力受付部101がキー入力を検出すると(S113でYES)、選択可能オブジェクト抽出部104において、オブジェクト情報記憶部105に保存されている、先の処理で抽出し保存された選択可能オブジェクトが取得されて(S115)、その中から、次に選択状態とする、次の選択中オブジェクトが決定される(S117)。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104で、ステップS117で決定された選択中オブジェクトを含む、ステップS103で抽出されたアクションオブジェクトに関する情報が、オブジェクト情報記憶部105から取得される(S119)。次いで、選択可能オブジェクト抽出部104において、ステップS117で決定された次の選択中オブジェクトに基づいて、アクションオブジェクトの中から、さらに次のキー入力で選択可能となる次の選択可能オブジェクトが抽出され、その情報がオブジェクト情報記憶部105に保存される(S121)。
そして、コンテンツ表示部109において、表示領域内に存在する必要なオブジェクトが描画され、それに重ねて、ステップS117で決定された選択中オブジェクトが選択状態であることを表わすフォーカス枠が描画されて、コンテンツの該フレームの描画が完了する(S123)。
なお、上述のオブジェクトの描画処理においては、キー入力を受付けてステップS115で次の選択中オブジェクトを決定すると、ステップS121でその決定された次の選択中オブジェクトに基づいて、さらに次のキー入力で選択可能となる次の選択可能オブジェクトを抽出しているが、このような処理順に限定されず、キー入力を受付けると、まず上述のステップS119に示されるオブジェクト情報の取得を行なって、取得されたオブジェクト情報を用いて、現在の選択中オブジェクトに基づいた選択可能オブジェクトを抽出してオブジェクト情報記憶部105にいったん保存し、その中から、次の選択中オブジェクトを決定する、上述の処理順とは異なった処理順であってもよい。その場合、上述の実施の形態ではステップS121で示された、さらに次のキー入力で選択可能となる次の選択可能オブジェクトを抽出する処理は行なわなくてもよい。
以降、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置を具体的な装置で実現した場合の実施例を挙げて、その処理について詳細に説明する。以降の実施例においては、各々の実施例におけるコンテンツ再生装置において図9に示されるオブジェクトの描画処理を行なうものとして説明しているが、言うまでもなく、その処理順を入れ替えて、上述の処理順とは異なった処理順であってもよい。
実施例1では、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置を、図10に示される携帯電話で実現し、ベクトルグラフィックで構成された地図コンテンツを、地図アプリケーションを用いて再生する場合について述べる。
図10を参照して、本実施例にかかる携帯電話は、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置の情報出力部16に相当する表示部161と、操作入力部15に相当するキー入力装置151とを含んで構成される。
さらに、図11に、キー入力装置151を構成する各キーに割当てられた機能を示す。
図11を参照して、キー入力装置151は、上方向指示キー(以下、上キーと略す)と、下方向指示キー(以下、下キーと略す)と、左方向指示キー(以下、左キーと略す)と、右方向指示キー(以下、右キーと略す)と、それらの中央に位置するファンクションキー(以下、Fキーと略す)とから構成されて、左キーには表示中の地図を縮小する機能が、右キーには表示中の地図を拡大する機能が、上キーにはオブジェクトの選択状態を戻す機能が、下キーにはオブジェクトの選択状態を進める機能が、Fキーには選択されたアクションオブジェクトに対応付けられた処理を実行させる機能が、各々割当てられている。
かかる携帯電話で地図コンテンツを再生し、表示部161で表示させた状態でキー入力装置151を構成する左キーまたは右キーを押すと、図12や図13に示されるように表示状態が変化する。
図12(A)に示される表示状態は、東京駅付近の狭域地図が表示された状態を示し、デフォルトの状態では、6個の白丸で表示された選択不可能オブジェクトと、4個の黒丸で表示された選択可能オブジェクトとが表示されている。図12(A)に示される表示状態では、4個の選択可能オブジェクトのうち、左側の1個の選択可能オブジェクトが選択中オブジェクトとして点線で囲まれてフォーカス枠と共に表示されている。これら10個のオブジェクトが、選択状態でFキーを押されることで、対応付けられたアクションが実行されるアクションオブジェクトである。また、それ以外に表示されている道路などは、非アクションオブジェクトである。
図12(A)に示される表示状態において左キーが押されると、表示状態は図12(B)に示される、縮小表示された表示状態に移り変わる。すなわち、東京駅付近の狭域地図が表示された状態(図12(A))で左キーが押されると、倍率が1倍から1/10倍に縮小されて、東京都全体の広域地図が表示された状態(図12(B))に表示状態が移り変わる。また逆に、東京都全体の広域地図が表示された状態(図12(B))で右キーが押されると、倍率が1/10倍から1倍に拡大されて、東京駅付近の狭域地図が表示された状態(図12(A))に表示状態が移り変わる。
さらに、東京都全体の広域地図が表示された状態(図13(A))で左キーが押されると、倍率が1/10倍から1/120倍に縮小されて、日本全土の地図が表示された状態(図13(B))に表示状態が移り変わる。また逆に、日本全土の地図が表示された状態(図13(B))で右キーが押されると、倍率が1/120倍から1/10倍に拡大されて、東京都全体の広域地図が表示された状態(図13(A))に表示状態が移り変わる。
図14を用いて、図9に示された本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置におけるオブジェクトの描画処理を、本実施例にかかる携帯電話で実行した場合について説明する。
図14を参照して、図9に示された処理と同様に、ステップS111において、キー入力受付部101において操作入力部15であるキー入力装置151からのキー入力の有無が監視され、指示内容解析部102において、そのキー入力が地図コンテンツの表示に有効なものであると判断されると、つまり、キー入力装置151の左キー、右キー、上キー、または下キーが押された場合(S113でYES)、指示内容解析部102においてその指示内容が解析される。
受付けた指示内容が拡大縮小率の変更の指示である場合、つまり、左キーまたは右キーが押された場合(S1141でYES)、表示領域管理部103において、指示された倍率となるように地図コンテンツの表示倍率を変更し(S1142)、その倍率を保存する(S1143)。そして、コンテンツ表示部109において、変更された倍率で地図コンテンツが表示される(S1231)。
受付けた指示内容が拡大縮小率の変更の指示でない場合、つまり、上キーまたは下キーが押された場合は(S1141でNO)、選択中オブジェクトの変更であるので、まず、選択可能オブジェクト抽出部104において、前回のオブジェクト描画処理において抽出されオブジェクト情報記憶部105に保存された選択可能オブジェクトが取得され(S115)、押されたキーに応じて、選択可能オブジェクトの中から、次に選択状態とする、次の選択中オブジェクトが決定されて、オブジェクト情報記憶部105に保存される(S117)。ステップS117では、コンテンツ解析部108での解析結果を参照して、上キーが押された場合には、選択可能オブジェクトの中から、地図コンテンツのコンテンツデータにおける出現順序が現在選択状態にある選択中オブジェクトよりも1つ前である選択可能オブジェクトが、次の選択中オブジェクトと決定される。また、下キーが押された場合には、選択可能オブジェクトの中から、コンテンツデータにおける出現順序が現在選択状態にある選択中オブジェクトよりも1つ後ろである選択可能オブジェクトが、次の選択中オブジェクトと決定される。つまり、実施例1においては、指示入力されたキーの種類(上キー・下キー)と、コンテンツデータにおけるアクションオブジェクトの記述順とに基づいて、選択可能オブジェクトから選択中オブジェクトが決定される。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104において、図8のステップS103で抽出された、その地図コンテンツに含まれるアクションオブジェクトのオブジェクト情報として、表示位置と重要度とが取得される。また、ステップS117で決定された次の選択中オブジェクトのオブジェクト情報として表示位置が取得される(S119)。
本実施例においては、地図コンテンツに含まれる各アクションオブジェクトのオブジェクト情報として、オブジェクト情報記憶部105に、図15および図16に示される情報が格納されている。図15に示される情報は、アクションオブジェクトごとの該アクションオブジェクトの表示位置であるオブジェクト情報であり、図16に示される情報は、アクションオブジェクトごとに設定された重要度であるオブジェクト情報である。この重要度は、オーサリングツールを用いて数値入力することで予めユーザが設定してもよいし、アクションオブジェクトの種類や対応付けられたアクションの種類により予め定められていてもよいし、アクションオブジェクトの表示面積の大きい順や、アクションオブジェクトの位置や、色やその他のオブジェクトの属性情報から再生中に自動的に決定されてもよい。
なお、オブジェクト情報は、図15および図16に示されるように情報の種類に応じて別々に格納されていなくてもよく、アクションオブジェクトごとに、表示位置や重要度などの複数の情報が1つのデータとして記憶されてもよい。また、オブジェクト情報としては、表示位置と重要度とに限定されず、その他の情報として、たとえば図15に示されるように、そのアクションオブジェクトの選択状態を示す現状フラグや、アクションオブジェクトの種類や、表示面積や色などの属性情報などが含まれてもよい。さらに、オブジェクト情報には、非アクションオブジェクトのオブジェクト情報が含まれてもよい。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104において、ステップS117で決定された次の選択中オブジェクトに基づいて、ステップS117で取得されたアクションオブジェクトの表示位置などを参照して、図8のステップS103で抽出されたその地図コンテンツに含まれるアクションオブジェクトの中から、さらに次のキー入力で選択可能となる次の選択可能オブジェクトが抽出され、その情報がオブジェクト情報記憶部105に保存される(S121)。たとえば、図15においては、現状フラグ1が選択中オブジェクトを示し、現状フラグ0が選択不可能オブジェクトを示している。
コンテンツ表示部109では、当該コンテンツのデータファイルに基づいて地図コンテンツの表示が実行され(S1231)、さらに、オブジェクト情報記憶部105に保存されるオブジェクト情報に基づいてフォーカス枠の表示が実行される(S1232)。
なお、上述のように、ステップS1141でキー入力が拡大縮小率の変更の指示でないと判断された場合(S1141でNO)、以降の処理順を入替えて、上述のステップS115の処理の以前にステップS119,S121の処理を行なって、現在の選択中オブジェクトに基づいた選択可能オブジェクトの抽出処理を行なって保存し、その後に、ステップS115において、保存された選択可能オブジェクトの中から次の選択中オブジェクトを決定してもよい。その場合、上述のステップS121のような、さらに次のキー入力で選択可能となる次の選択可能オブジェクトを抽出および保存する処理は行なわれなくてもよい。
さらに、上述のステップS121では、選択可能オブジェクト抽出部104において図17に示される選択可能オブジェクトの抽出および保存処理が実行される。なお、以降に説明する選択可能オブジェクトの抽出および保存処理に先立って、ステップS103で抽出された地図コンテンツに含まれるすべてのアクションオブジェクトから、表示対象となる表示領域内に存在するアクションオブジェクトを抽出する処理がなされ、これらの表示対象のアクションオブジェクトに対して選択可能オブジェクトの抽出処理が実行されることが好ましい。つまり、現在の拡大縮小率に応じて処理対象のアクションオブジェクトが抽出されることが好ましい。このようにして、表示対象外の、表示領域外のアクションオブジェクトに対して計算を行なわないことにより、コンテンツ再生処理を高速化することが可能になる。
図17を参照して、始めに、選択可能オブジェクト抽出部104は、表示対象として抽出されたアクションオブジェクトを、ステップS119で得られた各アクションオブジェクトの重要度の順に並替え(S130)、重要度の高いアクションオブジェクトから優先的に処理されるようにする。
次に、表示領域管理部103から、表示すべき地図コンテンツの拡大縮小率の情報を取得して、表示最大数記憶部106から、その拡大縮小率での選択可能オブジェクトの表示最大数を取得する(S131)。
本実施例においては、表示最大数記憶部106には、図18に示されるような表示最大数に関する情報を表わしたテーブルが格納されており、地図コンテンツの拡大縮小率と、その拡大縮小率で表示可能な選択可能オブジェクトの最大数とが記憶されている。ステップS131では、表示すべき地図コンテンツの拡大縮小率に基づいて、表示すべき地図コンテンツの、その拡大縮小率での選択可能オブジェクトの表示最大数が取得される。
次に、ステップS130で並替えられたアクションオブジェクトの中から重要度の最も高いアクションオブジェクトを1つの選択可能オブジェクトとして決定する。さらに、重要度の最も高い同じ重要度のアクションオブジェクトが複数ある場合は、次に選択状態とする次の選択中オブジェクトと該アクションオブジェクトとの間の距離に基づいて、その距離の最も短いアクションオブジェクトを1つの選択可能オブジェクトとして決定する(S133)。そして、決定された選択可能オブジェクトの数がステップS131で得られた表示最大数となるまで(S135でNO)、ステップS133と同様の処理をステップS139で繰返し、表示最大数となるまで選択可能オブジェクトが決定された場合(S135でYES)、または表示対象として抽出されたアクションオブジェクトがすべて選択可能オブジェクトとして決定された場合(S137でNO)、ステップS133,S139で決定された選択可能オブジェクトを、次回のオブジェクト描画処理のステップS115において取得されてステップS117で次の選択可能オブジェクトを決定するために用いられる、次の選択可能オブジェクトとして、オブジェクト情報記憶部105に保存する(S141)。たとえば、図15においては、現状フラグ2が選択可能オブジェクトを示している。つまり、実施例1においては、拡大縮小率に基づく表示領域や表示最大数と、アクションオブジェクトの重要度と、アクションオブジェクトの表示位置関係とに基づいて、選択可能オブジェクトが抽出される。
本実施例では、図17に示されるように、拡大縮小率が1倍〜1/10倍のときには選択可能オブジェクトの表示最大数が4個、1/10倍〜1/120倍のときには10個と設定されている。そのため、図12(B)に示される1/10倍の表示状態において右キーが押されて、シームレスに図12(A)に示される1倍の表示状態に拡大されても、表示される選択可能オブジェクトの数は、4個以上増えることはない。また、図12(B)に示される1/10倍の表示状態において左キーが押されて縮小が指示される場合、表示される地図コンテンツは図12(B)から図13(A)に変更される。その際、図17に示される表示最大数の設定にしたがって、表示領域内に表示されるアクションオブジェクトが10個に増加する。
なお、本実施例における選択可能オブジェクトの抽出および保存処理では、ステップS130で先に重要度に基づいて表示対象として抽出されたアクションオブジェクトを並替えた後に、ステップS133およびS139で、さらに距離に基づいて選択可能オブジェクトを決定したが、その処理順に替えて、先に距離に基づいて表示対象として抽出されたアクションオブジェクトを並替えた後に、さらに重要度に基づいて選択可能オブジェクトを決定してもよい。
また、ステップS1142で地図コンテンツの拡大縮小率が変更された場合、拡大縮小率に対応して設定されている選択可能オブジェクトの表示最大数に基づいて、表示される選択可能オブジェクトの数が変更される場合がある。さらに、拡大縮小率の変更前には選択可能オブジェクトだったアクションオブジェクトが拡大縮小率の変更後に選択不可能オブジェクトになり、拡大縮小率の変更前の選択中オブジェクトが選択状態ではなくなることがある。その場合、ステップS1143の処理の後に上述の選択可能オブジェクトの抽出および保存処理が実行されて、変更後の拡大縮小率に応じた選択可能オブジェクトが抽出および保存し直されることが好ましい。
なお、上述のS1232では、コンテンツ表示部109において、先に描画されたコンテンツに重ねて、具体的に図19に示されるようなコンテンツの表示処理が実行されてフォーカス枠などの特殊効果を奏する画像が描画され、必要なオブジェクトに対して特殊効果をもたせた表示が行なわれる。特殊効果とは、対象となるオブジェクトについてその種類が視覚的に表現されるような、種類の異なる他のオブジェクトとは異なる表示形態を指す。
たとえば、図19を参照して、表示対象のオブジェクトがステップS117で決定された次の選択中オブジェクトに該当する場合には(S151でYES)、そのオブジェクトを、選択中オブジェクトであることを示す特殊効果をもたせた画像を重ねて描画し、選択中表示とする(S153)。具体的には、選択中であること示すために、該オブジェクトに重ねて、フォーカス枠として別のオブジェクトやショートカットキーや、囲み枠を描画することが挙げられる。また、オブジェクトの色を反転させるなど色を変更して描画したり、該オブジェクトをアニメーション表示して動きのある描画をしたり、該オブジェクトを回転や拡大縮小や移動させて通常の表示形態とは異なる描画をしたりするなど、コンテンツのファイルデータを実行用データとして展開する際に、そのような描画となるような実行用データとする処理を施してもよい。
また、表示対象のオブジェクトがステップS121で抽出され保存された次の選択可能オブジェクトに該当する、選択外オブジェクトである場合には(S155でYES)、該当するオブジェクトに、選択可能オブジェクトであることを示す特殊効果をもたせた画像を重ねて描画し、選択可能表示とする(S157)。具体的には、選択可能であること示すために、該当するオブジェクトに重ねて、下線や、該オブジェクトに替わるオブジェクト(たとえば黒丸など)を描画することなどが挙げられる。また、該オブジェクトの色をグラデーションに変更して描画するなど、コンテンツのファイルデータを実行用データとして展開する際に、そのような描画となるような実行用データとする処理を施してもよい。
また、表示対象のオブジェクトが選択不可能オブジェクトである場合には(S159でYES)、該当するオブジェクトを、選択不可能オブジェクトであることを示す特殊効果をもたせた画像を重ねて描画し、選択不可能表示とする(S161)。具体的には、選択不可能であること示すために、該当するオブジェクトに重ねて、該オブジェクトに替わるオブジェクト(たとえば白丸など)を描画することなどが挙げられる。また、該オブジェクトを半透明で描画するなど、コンテンツのファイルデータを実行用データとして展開する際に、そのような描画となるような実行用データとする処理を施してもよい。
表示対象のオブジェクトが上述のいずれでもない場合には(S151,S155,S159でNO)、つまり、表示対象のオブジェクトが非アクションオブジェクトである場合には、その旨を示す特殊効果をもたせた画像を重ねて描画する(S163)。具体的には、該当するオブジェクトに重ねて、該オブジェクトに替わるオブジェクト(たとえば赤丸など)を描画することなどが挙げられる。また、通常のオブジェクトをそのまま描画し、他の画像を重ねて描画しないことも、ステップS163での特殊効果をもたせた描画に含まれるものとする。
なお、表示される地図コンテンツの拡大縮小率を縮小すればするほど、表示領域内にアクションオブジェクトが増大するので、選択不可能オブジェクトの表示数が増加する。そのため、ステップS161では、たとえば、拡大縮小率が1/10倍以上であるときなど、拡大縮小率に基づいて、所定の倍率以上となるときには白丸で表わされる選択不可能オブジェクトを表示せず、上述のステップS121で抽出された選択可能オブジェクトのみ表示することが好ましい。または、予め拡大縮小率によって定められる表示されるオブジェクトの最大数となるまで、選択可能オブジェクトから優先的に表示することが好ましい。具体的には、図13(B)に示される1/10倍の東京都全体の広域地図から縮小されて図13(B)の1/120倍の日本全土の地図が表示される場合、重要度の高い各県庁所在10箇所のみが選択可能オブジェクトとして表示され、選択不可能オブジェクトは表示されていない。
コンテンツ表示部109で、このようにステップS121で抽出された選択可能オブジェクトを優先して拡大縮小率に応じた数のオブジェクトの描画を行なうことで、地図上に選択不可能オブジェクトが増えすぎて、地図コンテンツが見にくくなることを防ぐことができる。
以上の処理を地図コンテンツに含まれるオブジェクトがすべて描画されるまで、または予め拡大縮小率によって定められる表示される最大数のオブジェクトが描画されるまで繰返し(S165でNO)、描画が完了すると(S165でYES)、コンテンツの表示処理を終了する。
本実施例にかかる携帯電話において上述の処理が実行されることで、選択中オブジェクトの変更を指示する1つのキー操作に応じて、読込まれた地図コンテンツのファイルデータにおけるアクションオブジェクト出現順に依存して選択中オブジェクトが変更される。
たとえば、地図コンテンツのファイルデータが図7(A)に示されるファイルデータである場合、各キー操作に応じて、アクションオブジェクトAからアクションオブジェクトFの順に、データファイルの記載順に選択中オブジェクトが変更される。つまり、少ないキー操作で選択中オブジェクトを変更することが可能となるため、携帯電話のような入力手段(キー)の少ないコンテンツ再生装置であっても、的確にオブジェクトを選択して対応付けられているアクションを実行することが可能になる。
実施例2では、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置を、図20に示される携帯電話で実現し、HTML(Hypertext Markup Language)で記述されたウェブページを、ブラウザアプリケーションを用いて再生する場合について述べる。
図20を参照して、本実施例にかかる携帯電話は、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置の情報出力部16に相当する表示部162と、操作入力部15に相当するキー入力装置152とを含んで構成される。
キー入力装置152を構成するキーのうち、「1」、「2」などの数字キーには当該数字に対応付けられているアクションオブジェクトを選択状態とする機能が割当てられているものとする。また、上キー、下キー、左キー、右キー、およびFキーには、図21に示されるような機能が割当てられているものとする。すなわち、図21を参照して、左キーには表示領域を左にスクロールする機能が、右キーには右スクロールする機能が、上キーには上にスクロールする機能が、下キーには下にスクロールする機能が、Fキーには選択されたアクションオブジェクトに対応付けられた処理を実行させる機能が、各々割当てられている。
図22に、本実施例にかかる携帯電話で表示される、HTMLで記述されたウェブページの具体例として、森の国キャンプ場のウェブページを示す。
図22において、文字列「森の国キャンプ場」と黒く塗りつぶされた四角の図形とは非アクションオブジェクトである。黒く塗りつぶされた四角の後に続く文字列は、URIが割当てられたアクションオブジェクトである。かかるアクションオブジェクトが選択されて実行されると、該アクションオブジェクトに割当てられたURIに存在するhtmlファイルに表示画面が更新される。また、画像もアクションオブジェクトであり、該アクションオブジェクトに対応付けられたアクションが実行されると、画像が拡大表示される。また、図22の下方の点線部分は表示領域外で、表示領域が下方向にスクロールされると表示される。
さらに、図23に示されるように、森の国キャンプ場のウェブページが本実施例にかかる携帯電話で表示されているとき、アクションオブジェクトのうちの選択可能オブジェクトには重ねて数字が描画されている。その際、表示領域外にアクションオブジェクトが存在する場合には、図23における数字「5」の描画のように、そのアクションオブジェクトに対応する数字が、表示領域外にアクションオブジェクトが存在することがわかるように描画されることが好ましい。なお、割当てられる数字はキー入力装置152に含まれる数字キーの数以内である。その状態で、キー入力装置152に含まれる数字キーが押されると、その数字に対応した選択可能オブジェクトが、次に選択状態とする、次の選択中オブジェクトに変更される。
また、図24に、本実施例にかかる携帯電話で表示される、HTMLで記述されたウェブページの具体例として、山川旅館のウェブページを示す。
図24においても、文字列「山川旅館ウェブページ」と黒く塗りつぶされた四角の図形とは非アクションオブジェクトである。黒く塗りつぶされた四角の後に続く文字列は、URIが割当てられたアクションオブジェクトである。かかるアクションオブジェクトが選択されて実行されると、該アクションオブジェクトに割当てられたURIに存在するhtmlファイルに表示画面が更新される。
同様に、図25に示されるように、山川旅館のウェブページが本実施例にかかる携帯電話で表示されているとき、含まれるアクションオブジェクトのうちの選択可能オブジェクトには重ねて数字が描画されている。なお、割当てられる数字はキー入力装置152に含まれる数字キーの数以内である。その状態で、キー入力装置152に含まれる数字キーが押されると、その数字に対応した選択可能オブジェクトが、次に選択状態とする、次の選択中オブジェクトに変更される。
図26を用いて、図9に示された本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置におけるオブジェクトの描画処理を、本実施例にかかる携帯電話で実行した場合について説明する。初期状態では、図23および図25においてフォーカス枠で示されるように、アクションオブジェクト「当キャンプ場の紹介」,「紹介」が選択中オブジェクトであるとする。
図26を参照して、図9に示された処理と同様に、ステップS111において、キー入力受付部101において操作入力部15であるキー入力装置152からのキー入力の有無が監視され、指示内容解析部102において、そのキー入力がウェブページの表示に有効なものであると判断されると、つまり、キー入力装置152を構成するFキー以外のいずれかのキーが押された場合(S113でYES)、指示内容解析部102においてその指示内容が解析される。
受付けた指示内容が表示領域のスクロールである場合、つまり、左キー、右キー、上キー、または下キーが押された場合(S1141でYES)、表示領域管理部103において、指示された領域が表示領域となるようにウェブページの表示領域が変更される(S1144)。
受付けた指示内容が表示領域のスクロールの指示でない場合、つまり、数字キーが押された場合は(S1141でNO)、選択中オブジェクトの変更であるので、まず、選択可能オブジェクト抽出部104において、前回のオブジェクト描画処理において抽出されオブジェクト情報記憶部105に保存された選択可能オブジェクトが取得され(S115)、選択可能オブジェクトの中から、押された数字キーに対応する番号が割当てられたアクションオブジェクトが、次に選択状態とする、次の選択中オブジェクトとして決定されて、オブジェクト情報記憶部105に保存される(S117)。つまり、実施例2においては、指示入力されたキーの種類(数字キーに対応する番号)に基づいて、選択可能オブジェクトから選択中オブジェクトが決定される。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104において、図8のステップS103で抽出された、そのウェブページに含まれるアクションオブジェクトのオブジェクト情報として、表示位置が取得される。また、ステップS117で決定された次の選択中オブジェクトのオブジェクト情報として表示位置が取得される(S119)。本実施例においても、実施例1において図15および図16に示された具体例と同様に、アクションオブジェクトごとの該アクションオブジェクトの表示位置などであるオブジェクト情報が、アクションオブジェクトごとにオブジェクト情報記憶部105に格納されている。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104は、ステップS119で取得されたオブジェクト情報に基づいて、次の選択中オブジェクトと各アクションオブジェクトとの間の距離を求め(S1211)、表示最大数記憶部106から、選択可能オブジェクトの表示最大数を取得する(S1212)。本実施例の場合は、選択可能オブジェクトの表示最大数はキー入力装置152を構成する携帯電話の数字キーの総数に応じて定められるので、表示最大数として9が取得される。
そして、ステップS1211で得られた距離が短い順に、ステップS1212で取得された表示最大数(本実施例では9)までのアクションオブジェクトが、さらに次のキー入力で選択可能となる次の選択可能オブジェクトとして抽出され、その情報がオブジェクト情報記憶部105に保存される(S1213)。さらに、抽出された選択可能オブジェクトに番号が割当てられる。このとき、選択可能オブジェクトが表示領域外のアクションオブジェクトも含めて、抽出された選択可能オブジェクトに所定の番号が割当てられる。なお、該ウェブページのコンテンツデータにおいて、予めアクションオブジェクトに何らかの番号が割当てられている場合には、ステップS1213では、そのデータにおいて割当てられた番号が固定的に該アクションオブジェクトに割当てられてもよい。
つまり、実施例2においては、入力手段の数(キー数)と、アクションオブジェクトの表示位置関係とに基づいて、選択可能オブジェクトが抽出される。
その後、実施例1と同様に、コンテンツ表示部109でウェブページの表示が実行され(S1231)、さらに、オブジェクト情報記憶部105に保存されるオブジェクト情報に基づいてフォーカス枠の表示が実行される(S1232)。本実施例では、フォーカス枠として選択中オブジェクトに重ねて点線の下線や点線の枠が描画されているが、他に、稲妻などの画像が描画されてもよい。
上述の処理を、表示されたウェブページの具体例を用いて説明する。
本実施例にかかる携帯電話で森の国キャンプ場のウェブページが図23に示される状態で表示されているときに、数字キー「4」が押されると、上述のステップ117では、次の選択中オブジェクトとして、初期状態での選択中オブジェクト「等キャンプ場の紹介」が変更されて、「4」が割当てられているアクションオブジェクト「リンク」が決定される。また、アクションオブジェクト「リンク」の表示位置が、初期状態での選択中オブジェクト「当キャンプ場の紹介」よりも下なので、同時に下スクロールが行なわれることが好ましい。
さらに、ステップS117以降の処理が実行されて次の選択可能オブジェクトが抽出され、各アクションオブジェクトに対して、1〜5までの新たな番号が割当て直される。ここでは、図27に示されるように、新たに次の選択中オブジェクトと決定されたアクションオブジェクト「リンク」からの距離に応じて次の選択可能オブジェクトが抽出され、各アクションオブジェクトに番号が割当て直される。
同様に、本実施例にかかる携帯電話で山川旅館のウェブページが図25に示される状態で表示されているときに、数字キー「5」が押されると、上述のステップ117では、次の選択中オブジェクトとして、初期状態での選択中オブジェクト「紹介」が変更されて、「5」が割当てられているアクションオブジェクト「料金」が決定される。
さらに、ステップS117以降の処理が実行されて次の選択可能オブジェクトが抽出され、各アクションオブジェクトに対して、1〜9までの新たな番号が割当て直される。ここでは、図28に示されるように、新たに次の選択中オブジェクトと決定されたアクションオブジェクト「料金」からの距離に応じて次の選択可能オブジェクトが抽出され、各アクションオブジェクトに番号が割当て直される。
なお、選択可能オブジェクト抽出部104においてステップS117で抽出された次の選択可能オブジェクトに対して新たな番号を割当てる他の方法として、図29に示されるように、次の選択可能オブジェクトが前回の選択可能オブジェクトから変更のあるアクションオブジェクトに対してのみ、新たな番号を割当て直す方法であってもよい。具体的には、次の選択中オブジェクトと決定されたアクションオブジェクト「リンク」に割当てられていた番号4が、新たに、アクションオブジェクト「当キャンプ場の紹介」に割当て直され、他のアクションオブジェクトに割当てられていた番号は、選択状態が変化した後もそのままとされている。
本実施例にかかる携帯電話において上述の処理が実行されることで、選択可能オブジェクトの中から次の選択状態として1つのアクションオブジェクトが指定されると、ウェブページに含まれるアクションオブジェクトと次の選択状態として指定されるアクションオブジェクトとの距離に依存して、入力キー数に対応した数だけ次の選択可能オブジェクトが抽出され、入力キーと対応付けられる。その際、上述の具体例では、抽出された選択可能オブジェクトに選択中オブジェクトから近い順に番号が割当てられるものとしたが、言うまでもなく遠い順でもよい。
たとえば、表示されるウェブページのファイルデータが図7(A)に示されるファイルデータである場合、含まれるアクションオブジェクトA〜Fの内の選択可能オブジェクトに数字を割当て、押された数字キーによって、ファイルデータ上の記述順に依存せずに、その数字が割振られたアクションオブジェクトを次の選択状態とする。
このようにされて、次に選択される可能性の高いオブジェクトに優先的に入力キーが対応付けられ、少ないキー操作で選択中オブジェクトを変更することが可能となる。そのため、携帯電話のような入力手段(キー)の少ないコンテンツ再生装置であっても、的確にオブジェクトを選択して対応付けられているアクションを実行することが可能になる。
実施例3では、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置をカーナビゲーション装置で実現し、地図アプリケーションを用いてその地図コンテンツを再生する場合について述べる。
本実施例にかかるカーナビゲーション装置は、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置の情報出力部16と操作入力部15とを兼ね備えるタッチパネルを含んで構成され、タッチパネルに、たとえば、図30に示されるようなアクションオブジェクトA〜Hを含む地図コンテンツを表示する。そして、タッチパネルに表示される地図コンテンツに対して、タッチパネルをタッチすることによる指示操作を受付け、タッチされた位置であるタッチ位置にあるアクションオブジェクトに対応付けられているアクションを実行する。図30以降の図においては、矢印でタッチ位置が示される。
カーナビゲーション装置のタッチパネルでは、そのサイズに制約されて、図30に示されるように、複数のアクションコンテンツが重なって表示される場合がある。その上、ユーザが指でタッチパネルをタッチして指示操作を行なうため、タッチ位置は1点では定まらずに、1つのアクションコンテンツを選択し難い場合がある。
そこで、そのような場合であっても適切なアクションコンテンツを選択するために、図9に示された本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置におけるオブジェクトの描画処理を、本実施例にかかるカーナビゲーション装置で実行した場合について、図31を用いて説明する。
図31を参照して、図9に示された処理と同様に、ステップS111において、キー入力受付部101において操作入力部15であるタッチパネルからのタッチパネル入力の有無が監視され、指示内容解析部102において、そのタッチパネル入力が、表示されている地図コンテンツ上のアクションオブジェクトを選択するのに有効なものであると判断されると(S113でYES)、指示内容解析部102においてその指示内容が解析される。
ステップS113では、タッチされたタッチパネル位置にアクションオブジェクトが表示されているか否かで有効なタッチパネル入力であるか否かが判断され、そのアクションオブジェクトが選択状態とされて以降の処理が実行される。もし、タッチされたタッチパネル位置にアクションオブジェクトが表示されていない場合は、そのタッチパネル入力が有効なものではないと判断され(S113でNO)、何も処理を行なわれない。なお、タッチされたタッチパネル位置にアクションオブジェクトが存在しない場合であっても、所定の距離以内にアクションオブジェクトが存在する場合にはタッチパネル入力を有効なものとして、該アクションオブジェクトが選択状態とされて以降の処理が実行されてもよい。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104において、図8のステップS103で抽出された、表示されるアクションオブジェクトのオブジェクト情報として、表示位置が取得される(S181)。本実施例においても、実施例1において図15および図16に示された具体例と同様に、アクションオブジェクトごとの該アクションオブジェクトの表示位置などであるオブジェクト情報が、アクションオブジェクトごとにオブジェクト情報記憶部105に格納されている。
さらに、選択可能オブジェクト抽出部104において、ステップS181で取得された表示位置を用いて各アクションオブジェクト間の距離が計算され(S183)、その位置関係より、表示領域内に存在するアクションオブジェクトから選択可能オブジェクトが決定される。具体的には、アクションオブジェクト同士が重なっている場合や、アクションオブジェクトの外接矩形が重なっている場合など、アクションオブジェクト間の距離が所定の距離以下である、表示領域内に存在する複数のアクションオブジェクトは、それら複数のアクションオブジェクトから構成されるグループ化されたオブジェクト群であると決定されて(S185)、かかる複数のアクションオブジェクトからなるオブジェクト群が1つの選択可能オブジェクトと決定される。オブジェクト群は、含まれる1つのアクションオブジェクトを代表させて選択可能オブジェクトとされ、該選択可能オブジェクトと該オブジェクトに関連付けられた選択不可能オブジェクトとから構成されるものとグループ化される。また、アクションオブジェクト間の距離が他のアクションオブジェクトから所定の距離以上である、表示領域内に存在するアクションオブジェクトは、単体で1つの選択可能オブジェクトと決定される。つまり、実施例3においては、表示領域(拡大縮小率)とアクションオブジェクトの表示位置関係とに基づいて、選択可能オブジェクトが抽出される。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104において、タッチ位置に最も近い選択可能オブジェクトが選択中オブジェクトと決定されて選択状態となり(S187)、その選択中オブジェクトがオブジェクト群に属するものであるか否かが判断される(S189)。
ステップS189において、選択中オブジェクトがオブジェクト群でないと判断された場合、つまり、タッチパネル入力で、グループ化されていない単体のアクションオブジェクトがタッチされた場合には(S189でNO)、該選択中オブジェクトに対応付けられたアクションが、所定の操作、または選択状態になったときに自動的に実行される(S1193)。
しかしながら、ステップS189において、選択中オブジェクトがオブジェクト群を構成するものであると判断された場合、つまり、タッチパネル入力で、オブジェクト群のいずれかのアクションオブジェクトがタッチされたと判断された場合(S189でYES)、そのオブジェクト群がタッチされたと認識し、選択中オブジェクトがオブジェクト群であるものとする。この場合、表示領域管理部103においてタッチパネルに表示される地図コンテンツの表示領域が変更され(S191)、ステップS111に処理が戻されて再度タッチパネル入力を受付けて、上述の処理が繰返される。つまり、実施例3においては、タッチ位置と選択中オブジェクトとの位置関係に基づいて、選択可能オブジェクトから選択中オブジェクトが決定される。
そして、実施例1と同様に、コンテンツ表示部109において地図コンテンツの表示が実行され(S1231)、さらにフォーカス枠の表示が実行される(S1232)。
たとえば、図30に示される地図コンテンツがタッチパネルに表示されている場合、図32に示されるように、上述のステップS185では、アクションオブジェクトB〜FおよびアクションオブジェクトG,Hが、各々、オブジェクト群であると決定される。その状態において図30で矢印に示される位置がタッチされると、上述のステップS1177では、選択中オブジェクトがアクションオブジェクトB〜Fのオブジェクト群であると判断される(S189でYES)。すると、ステップS191で地図コンテンツの表示領域が変更されて、図33に示されるように、表示領域が、タッチ位置付近を中心として所定の倍率分だけ拡大される。
図33に示される地図コンテンツがタッチパネルに表示されている場合も同様にステップS181〜S185の処理が実行されて、図34に示されるように、ステップS185でアクションオブジェクトC〜Eがオブジェクト群であると決定される。さらに、図33で矢印に示される位置がタッチされると、同様に、ステップS191で地図コンテンツの表示領域が変更されて、図35に示されるように、表示領域が、タッチ位置付近を中心として所定の倍率分だけ拡大される。
このように、アクションオブジェクトが密集した位置がタッチされた場合には、その位置付近を中心として表示領域が順次拡大されて表示されるアクションオブジェクト同士の距離が遠ざけられ、最終的に、図35に示されるように、選択中オブジェクトがオブジェクト群に属さない状態まで拡大表示されて、該選択中オブジェクトのアクションが自動的に実行される。
なお、ステップS191での表示領域の変更に替えて、図36に示されるようなメニュー画面を表示させてオブジェクト群を構成するアクションオブジェクトを提示し、その中から選択するアクションオブジェクトの選択を受付けてもよい。また、表示領域を変更するか、メニュー画面を表示させるかは、ユーザの指示により設定されてもよい。
さらに、上述の処理においては、選択中オブジェクトがグループ化されていない状態まで拡大されて、選択中オブジェクトを確定した後に対応するアクションが自動的に実行されるとしたが、選択中オブジェクトがグループ化されている状態であっても、所定のキーの押下などで、その状態での選択中オブジェクトに対応するアクションが実行されてもよい。
その場合、上述のステップS191では、表示領域の変更に替えて、オブジェクト群を代表するアクションオブジェクトである、現在選択中オブジェクトを表示する。ここでは、たとえば、図37(A)に示されるように、そのアクションオブジェクトの重ねあわせ順で最も上のアクションオブジェクトの外接矩形を囲み、選択中オブジェクトであることを示してもよいし、図37(B)に示されるように、グループ化されたアクションオブジェクトの外接矩形の論理和を囲んでそのオブジェクト群が選択中であることを示し、さらに、代表するアクションオブジェクトを最前に表示することでそのアクションオブジェクトが選択中オブジェクトであることを示してもよい。また、図37(A)に示されるような表示がなされる場合、ある特定のキーの押下などによってグループ化されているオブジェクト群の重合わせ順位を変更してもよいし、図38(A)〜(C)に示されるように、所定時間ごとに順次各アクションオブジェクトが最前に表示されて、ある特定のキーの押下などによって、そのときに最前に表示されているアクションオブジェクトが選択中オブジェクトとされてもよい。
本実施例にかかるカーナビゲーション装置において上述の処理が実行されることで、タッチパネル上のタッチ位置に依存して、タッチ位置に最も近い選択可能オブジェクトが選択中オブジェクトとされる。そのため、カーナビゲーション装置に備えられるタッチパネルのように、正確な位置を指定できない場合や、アクションオブジェクトが密集したり重合わされたりした中から選択する場合などであっても、的確にオブジェクトを選択して対応付けられているアクションを実行することが可能になる。
実施例4では、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置を、図10に示される携帯電話などの装置で実現し、ビューワを用いてアニメーションコンテンツを再生する場合について述べる。
図39に、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置において、操作入力部15を構成する各キーに割当てられた機能を示す。
図39を参照して、操作入力部15を構成する左キーには、アクションオブジェクトの選択状態を現在の選択中オブジェクトよりも左方向にあるアクションオブジェクトに変更する機能が、右キーには、現在の選択中オブジェクトよりも右方向にあるアクションオブジェクトに変更する機能が、上キーには、現在の選択中オブジェクトよりも上方向にあるアクションオブジェクトに変更する機能が、下キーには、現在の選択中オブジェクトよりも下方向にあるアクションオブジェクトに変更する機能が、Fキーには、選択されたアクションオブジェクトに対応付けられた処理を実行させる機能が、各々割当てられている。
図40に、本実施例にかかるコンテンツ再生装置で再生されるアニメーションコンテンツの具体例を示す。アニメーションコンテンツには、アクションオブジェクトであるオブジェクト「ハート」,「稲妻」,「太陽」が含まれ、これらのオブジェクトは、各々、異なるスピードで表示領域内を繰返し往復する。これらのオブジェクトが選択中に実行されると、各々、異なる効果音を発するアクションが実行される。
図41を用いて、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置におけるオブジェクトの描画処理を、本実施例にかかるコンテンツ再生装置で実行した場合について説明する。本実施例にかかるコンテンツ再生装置においては、図41(A)に示される、ユーザからのキー入力に応じて実行されるオブジェクトの描画処理とは独立して、アニメーションコンテンツの再生中の、所定間隔や所定時間経過後などの所定のタイミングに、図41(B)に示される、選択可能オブジェクトの抽出および保存処理が実行される。
すなわち、図41(B)を参照して、選択可能オブジェクト抽出部104において、コンテンツ表示部109においてコンテンツ表示中に、図8のステップS103で抽出された、そのアニメーションコンテンツに含まれるアクションオブジェクトのオブジェクト情報として、現在の表示位置が取得され(S301)、現在選択状態にある選択中オブジェクトのオブジェクト情報として現在の表示位置が取得される(S303)。本実施例においても、実施例1において図15および図16に示された具体例と同様に、アクションオブジェクトごとの該アクションオブジェクトの現在の表示位置などであるオブジェクト情報が、アクションオブジェクトごとにオブジェクト情報記憶部105に格納されている。
選択可能オブジェクト抽出部104は、ステップS301およびステップS303で取得されたオブジェクト情報に基づいて、現在の選択中オブジェクトと各アクションオブジェクトとの間の現在の距離および方向を求め(S305)、その距離が最も短いアクションオブジェクト、または所定の距離以下であるアクションオブジェクトを選択可能オブジェクトとして抽出し、オブジェクト情報記憶部105に保存する(S307)。つまり、実施例4においては、アクションオブジェクトの表示位置関係に基づいて選択可能オブジェクトが抽出される。
図41(A)を参照して、図9に示された処理と同様に、ステップS111において、キー入力受付部101において操作入力部15からのキー入力の有無が監視され、指示内容解析部102においてそのキー入力がアニメーションコンテンツにおけるアクションオブジェクトの選択に有効なものであると判断されると、つまり、操作入力部15の左キー、右キー、上キー、または下キーが押された場合(S113でYES)、指示内容解析部102においてその指示内容が解析される。
選択可能オブジェクト抽出部104において、図41(B)に示されたオブジェクト描画処理において、所定のタイミングに抽出されオブジェクト情報記憶部105に保存された選択可能オブジェクトが取得され(S115)、その中から、押されたキーに応じた方向に最も距離の短い選択可能オブジェクトが、次に選択状態とする、次の選択中オブジェクトに決定されて、オブジェクト情報記憶部105に保存される(S117)。つまり、実施例4においては、指示入力されたキーの種類(上キー・下キー・左キー・右キー)に応じた方向に基づいて、選択可能オブジェクトから選択中オブジェクトが決定される。
その後、実施例1と同様に、コンテンツ表示部109でウェブページの表示が実行され(S1231)、さらに、オブジェクト情報記憶部105に保存されるオブジェクト情報に基づいてフォーカス枠の表示が実行される(S1232)。また、ステップS1232では、選択可能オブジェクトの抽出および保存処理において抽出された選択可能オブジェクトが、その状態がわかるように表示されることが好ましい。
また、アクションオブジェクトの移動に伴って、表示領域内に現在の選択中オブジェクトが含まれなくなった場合、選択状態を示すフォーカス枠を表示しないようにしてもよいし、表示領域外に選択中オブジェクトが存在することがわかるようなフォーカス枠を表示してもよい。または、上述の選択可能オブジェクトの抽出および保存処理の結果に基づいて、表示されるアクションオブジェクトのうち、選択中オブジェクトとの距離が最も短い(表示位置の最も近い)アクションオブジェクトが選択中オブジェクトと変更されてフォーカス枠が表示されてもよい。
なお、上述の処理においては、選択可能オブジェクトの抽出および保存処理が、ユーザからのキー入力に応じて実行されるオブジェクトの描画処理とは独立して、コンテンツの再生時に所定のタイミングで実行されて、抽出された選択可能オブジェクトがオブジェクト情報記憶部105に保存されるものとしたが、選択可能オブジェクトの抽出および保存処理は、図41(A)に示される処理において、有効なキー入力が検出された後に実行され、ステップS117では、そこで抽出された選択可能オブジェクトから選択可能オブジェクトが決定されてもよい。
たとえば、図42(A)に点線の枠で示されるように、オブジェクト「ハート」が選択中オブジェクトである場合、オブジェクト「ハート」から該方向キーに応じた方向にあってその間の距離が最も近いオブジェクト「稲妻」、または所定の距離以下であるオブジェクト「稲妻」,「太陽」が選択可能オブジェクトとして抽出されて保存されており、方向キーが押されると、選択可能オブジェクトの中から、オブジェクト「ハート」から該方向キーに応じた方向にあってその間の距離が最も近いオブジェクトが次の選択中オブジェクトとして抽出される。また、Fキーが押されるとオブジェクト「ハート」に対応付けられたアクションが実行される。
具体的には、図42(A)に示される表示状態において右キーが押された場合、オブジェクト「ハート」よりも右方向にあってその間の距離が最も短いオブジェクト「稲妻」が次の選択中オブジェクトと決定される(図42(B))。また、下キーが押された場合、オブジェクト「ハート」よりも下方向にあってその間の距離が最も短いオブジェクト「太陽」が次の選択中オブジェクトと決定される(図42(C))。
なお、方向キーを用いずに、Fキーのみを用いて次に選択状態とするアクションオブジェクトを選択してもよい。その場合のオブジェクトの描画処理について、図43を用いて説明する。
図43を参照して、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置では、選択可能オブジェクト抽出部104において所定時間の経過を監視し(S300)、所定時間が経過するごとに(S300でYES)、上述のステップS301〜S307の選択中オブジェクトの抽出および保存処理を実行する。このステップS307では、現在の選択中オブジェクトからの距離が最も短い1つのアクションオブジェクトが選択可能オブジェクトとして抽出され保存される。ここでの所定時間とは、1秒ごとや5秒ごとなどの一定の時間間隔や、ランダムな時間間隔である。また、この時間間隔は、各アクションオブジェクトのオブジェクト情報のうち、属性情報などに応じて設定されてもよい。たとえば、サイズの大きいオブジェクトなら時間間隔を長くする、などと設定されてもよい。また、GPS(Global Positioning System)衛星から取得される当該コンテンツ再生装置の位置情報や、当該コンテンツ再生装置内蔵の時計情報に基づいて設定されてもよい。
そして、ステップS1191,S1192では、選択可能オブジェクトとして抽出された1つのアクションオブジェクトがその状態を表わすように表示されて、Fキーの操作入力を待機する。
たとえば、コンテンツ再生装置において図44(A)のように表示されているときに所定時間の経過が検出されると、図44(B)に示されるように、このときに、現在の選択中オブジェクトに最も近いアクションオブジェクトが自動的に選択可能オブジェクトとして抽出され、提示される。そこでFキーを押すことによって、その選択可能オブジェクトが選択中オブジェクトとして、対応付けられたアクションを実行することができる。
本実施例にかかるコンテンツ再生装置において上述の処理が実行されることで、現在の選択中オブジェクトと各アクションオブジェクトとの表示位置に依存して、選択状態が、押されたキーに対応した方向に最も近い選択可能オブジェクトに変更される。
上述の実施例においては、移動するアクションオブジェクトを含むアニメーションコンテンツを再生する場合について述べたが、たとえば、アニメーションコンテンツのファイルデータが図7(A)に示されるファイルデータであって、アクションオブジェクトAが現在の選択中オブジェクトである場合には、右キーを押されたら、アクションオブジェクトBが次の選択中オブジェクトとなり、下キーを押されたらアクションオブジェクトDが次の選択中オブジェクトとなる。
このように、本実施例にかかるコンテンツ再生装置では、携帯電話のような入力手段(キー)の少ないコンテンツ再生装置であっても、的確にオブジェクトを選択して対応付けられているアクションを実行することが可能になる。
実施例5では、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置を、図10に示されるような携帯電話であって、図示されないGPS衛星を用いて現在位置の位置情報を取得する機能を備える携帯電話で実現し、地図アプリケーションを用いて地図コンテンツを再生する場合について述べる。
図45に、本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置において、操作入力部15を構成する各キーに割当てられた機能を示す。
図45を参照して、操作入力部15を構成する左キーには表示中の地図を縮小する機能が、右キーには表示中の地図を拡大する機能が、上キーには、地図コンテンツのファイルデータ中の出現順で1つ前のアクションオブジェクトを選択中オブジェクトと変更する機能が、下キーには、1つ後のアクションオブジェクトを選択中オブジェクトと変更する機能が、Fキーには、選択中オブジェクトに対応付けられた処理を実行させる機能が、各々割当てられている。
かかる携帯電話では図46に示されるような地図コンテンツが再生される。図46において、黒丸は、ハイパーリンクが割当てられ、実行するとWEBアクセスを行なうアクションオブジェクトである。点線で囲まれている黒丸は、選択中オブジェクトであることを示している。それ以外の地図を構成するオブジェクトは、非アクションオブジェクトであって、白丸は、取得された現在位置を示す非アクションオブジェクトである。
本実施例にかかる携帯電話においても、実施例4と同様に、ユーザからのキー入力に応じて実行されるオブジェクトの描画処理とは独立して、地図コンテンツの再生中の、所定間隔や所定時間経過後などの所定のタイミングに、図47に示される、選択可能オブジェクトの抽出およびオブジェクトの描画処理が実行される。
図47を参照して、始めに、図示されないGPS衛星を用いて現在位置の位置情報を取得する機能において、現在地の位置情報が取得される(S501)。ステップS501での現在地の位置情報の取得は、ユーザの指示操作に基づいて実行されてもよいし、所定の時間間隔などの所定のタイミングで実行されてもよい。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104において、表示最大数記憶部106から、アクションオブジェクトの表示最大数が取得される(S503)。ここで取得される表示最大数は一定値でもいいし、表示領域内に含まれるオブジェクトの全体数やオブジェクトの属性値から得られる値でもよい。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104において、オブジェクト情報記憶部105に記憶される各アクションオブジェクトの表示位置であるオブジェクト情報が取得されて(S505)、ステップS501で取得された現在地の位置情報から近い順に、ステップS503で取得された表示最大数までのアクションオブジェクトが抽出され、表示領域管理部103において、抽出されたアクションオブジェクトのうち現在地から最も遠いアクションオブジェクトが、表示領域内の少なくとも端に入るように拡大縮小率が決定される(S507)。
次に、選択可能オブジェクト抽出部104において、ステップS501で取得された現在地と、図8のステップS103で抽出された当該地図コンテンツに含まれる各アクションオブジェクトとの距離が計算され、地図コンテンツのファイルデータ中の出現順で選択中オブジェクトより以前のアクションオブジェクトのうちで計算された距離が最も短いアクションオブジェクトと、選択中オブジェクトより以降のアクションオブジェクトのうちで計算された距離が最も短いアクションオブジェクトとが、各々1つずつ、選択可能オブジェクトとして決定され、オブジェクト情報記憶部105に保存される(S509)。つまり、実施例5においては、入力手段の数(キー数)と、アクションオブジェクトと現在地との表示位置関係とに基づいて、選択可能オブジェクトが抽出される。なお、ここでは、上キーおよび下キーにかかる機能が割当てられているために選択可能オブジェクトとして決定されるアクションオブジェクトの数の上限が2とされているが、たとえば左キーおよび右キーなど2以上のキーにもかかる機能が割当てられる場合、その数を上限としたアクションオブジェクトが選択可能オブジェクトとして決定されてもよい。
その後、コンテンツ表示部109において、ステップS507で決定された拡大縮小率にて地図コンテンツが表示され(S1231)、さらにフォーカス枠の表示が実行されて(S1232)、ユーザからのキー入力を待機する。ステップS1232では、選択可能オブジェクトは、その状態が表わされる表示がなされることが好ましい。または、選択可能オブジェクトと決定されなかった選択不可能オブジェクトについては、表示されなくてもよい。なお、このときの表示領域内に現在の選択中オブジェクトが含まれなくなった場合、選択状態を示すフォーカス枠を表示しないようにしてもよいし、表示領域外に選択中オブジェクトが存在することがわかるようなフォーカス枠を表示してもよい。または、表示されるアクションオブジェクトの表示位置と選択中オブジェクトの表示位置とに基づいて、表示されるアクションオブジェクトのうち、選択中オブジェクトとの距離が最も短い(表示位置の最も近い)アクションオブジェクトが選択中オブジェクトと変更されてフォーカス枠が表示されてもよい。
この状態で、ユーザからのキー入力を検出すると、実施例4の図41(A)に示されるようなオブジェクトの描画処理が実行されて、オブジェクト情報記憶部105に保存されている選択可能オブジェクトの中から押されたキーに応じたアクションオブジェクトが次の選択中オブジェクトとして決定される。すなわち、上キーが押されると、保存されている選択可能オブジェクトの中から、地図コンテンツのファイルデータ中の出現順で現在の選択中オブジェクトより以前のアクションオブジェクトのうちで計算された距離が最も短いアクションオブジェクトが、次の選択中オブジェクトと決定され、下キーが押されると、選択中オブジェクトより以降のアクションオブジェクトのうちで計算された距離が最も短いアクションオブジェクトと決定される。つまり、実施例5においては、指示入力されたキーの種類(上キー・下キー)と、コンテンツデータにおけるアクションオブジェクトの記述順とに基づいて、選択可能オブジェクトから選択中オブジェクトが決定される。
なお、本実施例においても、選択可能オブジェクトの抽出およびオブジェクトの描画処理が、ユーザからのキー入力に応じて実行されるオブジェクトの描画処理とは独立して、コンテンツの再生時に所定のタイミングで実行されて、抽出された選択可能オブジェクトがオブジェクト情報記憶部105に保存されるものとしたが、選択可能オブジェクトの抽出およびオブジェクトの描画処理は、実施例4において図41(A)に示されるような、ユーザからのキー入力に応じて実行されるオブジェクトの描画処理において有効なキー入力が検出された後に実行され、キー入力に応じて、そこで抽出された選択可能オブジェクトから選択可能オブジェクトが決定されてもよい。
本実施例にかかる携帯電話において上述の処理が実行されることで、自動的に現在位置に応じた地図が表示されるため、ユーザの使い勝手がよい。さらに、所定数のアクションオブジェクトが表示される表示倍率が自動的に設定されるために、表示されるアクションオブジェクトが増えすぎて表示が見えにくくなるということもない。また、選択中オブジェクトの変更を指示する1つのキー操作に応じて、読込まれた地図コンテンツのファイルデータにおけるアクションオブジェクト出現順と、現在地の表示位置と各アクションオブジェクトの表示位置との間の距離とに依存して選択中オブジェクトが変更される。このため、携帯電話のような入力手段(キー)の少ないコンテンツ再生装置であっても、的確に所望するオブジェクトを選択して対応付けられているアクションを実行することが可能になる。
さらに、上述のコンテンツ再生装置で実行されるオブジェクトの描画方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置のハードウエア構成の具体例を示す図である。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置の装置構成の具体例を示す図である。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置の機能構成の具体例を示す図である。
コンテンツの構成の具体例を示す図である。
コンテンツの構成の具体例を示す図である。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置で取扱われるコンテンツに含まれるオブジェクトの種類を説明する図である。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置で再生されるコンテンツのファイルデータの具体例およびその再生例を示す図である。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置でのコンテンツ再生処理を示すフローチャートである。
本実施の形態にかかるコンテンツ再生装置でのオブジェクトの描画処理を示すフローチャートである。
実施例1にかかるコンテンツ再生装置である携帯電話の具体例を示す図である。
各キーに割当てられた機能を示す図である。
実施例1にかかる携帯電話での地図コンテンツの表示状態の変化を示す図である。
実施例1にかかる携帯電話での地図コンテンツの表示状態の変化を示す図である。
実施例1にかかる携帯電話でのオブジェクトの描画処理を示すフローチャートである。
オブジェクト情報の具体例を示す図である。
オブジェクト情報の具体例を示す図である。
実施例1にかかる携帯電話での選択可能オブジェクトの抽出および保存処理を示すフローチャートである。
表示最大数に関する情報の具体例を示す図である。
コンテンツの表示処理の具体例を示すフローチャートである。
実施例2にかかるコンテンツ再生装置である携帯電話の具体例を示す図である。
各キーに割当てられた機能を示す図である。
実施例2にかかる携帯電話で表示されるウェブページの具体例を示す図である。
実施例2にかかる携帯電話で表示されるウェブページの表示状態を説明する図である。
実施例2にかかる携帯電話で表示されるウェブページの具体例を示す図である。
実施例2にかかる携帯電話で表示されるウェブページの表示状態を説明する図である。
実施例2にかかる携帯電話でのオブジェクトの描画処理を示すフローチャートである。
実施例2にかかる携帯電話でのウェブページの表示状態の変化を示す図である。
実施例2にかかる携帯電話でのウェブページの表示状態の変化を示す図である。
実施例2にかかる携帯電話でのウェブページの表示状態の変化を示す図である。
実施例3にかかるカーナビゲーション装置で表示される地図コンテンツの具体例を示す図である。
実施例3にかかるカーナビゲーション装置でのオブジェクトの描画処理を示すフローチャートである。
アクションオブジェクトのグループ化を説明する図である。
実施例3にかかるカーナビゲーション装置での地図コンテンツの表示状態の変化を示す図である。
アクションオブジェクトのグループ化を説明する図である。
実施例3にかかるカーナビゲーション装置での地図コンテンツの表示状態の変化を示す図である。
メニュー画面の具体例を示す図である。
選択中の状態のオブジェクト群の表示方法を説明する図である。
選択中の状態のオブジェクト群の表示方法を説明する図である。
各キーに割当てられた機能を示す図である。
実施例4にかかるコンテンツ再生装置で再生されるアニメーションコンテンツの具体例を示す図である。
実施例4にかかるコンテンツ再生装置でのオブジェクトの描画処理を示すフローチャートである。
実施例4にかかるコンテンツ再生装置でのアニメーションコンテンツの選択状態の変化を示す図である。
実施例4にかかるコンテンツ再生装置での、他のオブジェクトの描画処理を示すフローチャートである。
実施例4にかかるコンテンツ再生装置でのアニメーションコンテンツの表示状態の変化を示す図である。
各キーに割当てられた機能を示す図である。
実施例5にかかる携帯電話で表示される地図コンテンツの具体例を示す図である。
実施例5にかかる携帯電話での選択可能オブジェクトの抽出およびオブジェクトの描画処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 アプリケーション、3 再生装置、5 メモリ装置、6 表示装置、7 入力装置、8 記憶装置、11 CPU、12 ROM、13 RAM、14 記録媒体読取部、15 操作入力部、16 情報出力部、17 バス、21 記録媒体、31 データ展開装置、32 イベント処理装置、33 オブジェクト選択装置、34 回転拡大縮小装置、35 描画装置、51 実行用データメモリ、52 描画メモリ、101 キー入力受付部、102 指示内容解析部、103 表示領域管理部、104 選択可能オブジェクト抽出部、105 オブジェクト情報記憶部、106 表示最大数記憶部、107 コンテンツ記憶部、108 コンテンツ解析部、109 コンテンツ表示部、151,152 キー入力装置、161,162 表示部。