JP4378449B2 - 吸着材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気中のガス状汚染物質を除去する吸着材に関し、さらに詳しくは、アセトアルデヒドなどの低級脂肪族アルデヒドに対して、高い除去性能を持つ吸着材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室内や車内などの生活空間においては、悪臭や有害ガスなどの様々なガス状汚染物質が発生するが、生活環境の向上に伴い、これらガス状汚染物質を除去し、快適な生活環境を維持することに多くの関心が持たれており、空気清浄フィルターが使用されている。
【0003】
シート状活性炭とは活性炭を含有するフェルトやペーパーであり、例示すると、活性炭素繊維のフェルトや活性炭素繊維や微粒状活性炭を湿式抄紙法でシート化したものや、微粒状活性炭シートを乾式法でシート化したものなどがあり、これらはプリーツ加工などをされて、ガス状汚染物質を除去する空気清浄フィルターとして使用されている。
【0004】
生活空間で発生する主なガス状汚染物質としては、アンモニアを代表とする塩基性ガス、酢酸を代表とする酸性ガスやアセトアルデヒドなどの低級脂肪族アルデヒドがあげられる。これらのうち、アンモニアなどの塩基性ガスは鉱酸や有機酸をシート状活性炭に添着して中和反応により、また、酢酸やその他多くの有機ガス状汚染物質はシート状活性炭への物理吸着により除去されるが、アセトアルデヒドなどの低級脂肪族アルデヒドは他のガス状汚染物質に比べ除去が難しい物質である。
【0005】
この課題に対して、低級脂肪族アルデヒドの除去性能を向上した吸着剤の検討がすすめられてきた。低級脂肪族アルデヒドは、アンモニア誘導体などの求核試薬の攻撃を受けて求核付加反応を起こすことが知られており、アミンが低級脂肪族アルデヒドの化学吸着に有効であることが推定でき、アミンやアミン塩を多孔質体に添着した吸着剤が種々提案されている。
【0006】
特開昭56−53744号には活性炭にアニリンを添着した吸着剤、特開昭56−53744号には活性炭に塩酸ヒドロキシルアミンや硫酸ヒドロキシルアミンを添着した吸着剤、特開昭59−186641号には活性炭にポリエチレンイミンを添着した吸着剤、特開昭60−132645号には粘土鉱物にアニリン、トルイジン、メタニル酸(m−アミノベンゼンスルホン酸)、スルファニル酸(p−アミノベンゼンスルホン酸)やベンジルアミン及びその塩を担持した吸着剤、特開平7−136502号には活性炭素繊維にアミノベンゼンスルホン酸を添着した吸着剤が開示されている。
【0007】
しかしながら、従来の吸着剤のうち、アニリン、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、ポリエチレンイミン、トルイジンやベンジルアミンを添着した吸着剤では、これらアミンが空気中の酸素や酸性ガスと反応し易く、これにより低級脂肪族アルデヒドの化学吸着作用の有効性が失われていくため、低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が大きく、長期間の保存や使用に耐えないという問題がある。
【0008】
また、アミノベンゼンスルホン酸を添着した吸着剤では、酸素や酸性ガスによる低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化こそ他のアミンを添着した吸着剤に比べて小さいものの、アミノベンゼンスルホン酸は水やアルコールなどの溶媒に対して難溶性であるため、極低濃度のアミノベンゼンスルホン酸添着溶液しか調整できず、その結果、シート状活性炭を添着溶液に浸漬したり、シート状活性炭に添着溶液を噴霧などしてもアミノベンゼンスルホン酸の添着量が多い吸着材を得ることは難しい。従って、高い低級脂肪族アルデヒド除去性能が得られないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、低級脂肪族アルデヒドの除去性能が高く、酸素や酸性ガスによる低級脂肪族アルデヒドの除去性能の経時劣化が小さい吸着材及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る吸着材の特徴構成は、シート状活性炭に、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が添着されていることにある。
【0011】
一般に、シート状活性炭に薬剤を添着した吸着材は、薬剤を水やアルコールなどの適当な溶媒に溶解して添着溶液を調整し、シート状活性炭を添着溶液に浸漬した後乾燥する方法や、シート状活性炭に添着溶液を噴霧した後乾燥する方法により得られる。
【0012】
ところが、前述したように、酸素や酸性ガスによる低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さいアミノベンゼンスルホン酸は水に対して難溶性であり、また、アルコール、エーテル、ベンゼンなどに対しても難溶性であり、アミノベンゼンスルホン酸の添着溶液として十分な濃度が得られる適当な溶媒が見当たらず、アミノベンゼンスルホン酸のみを溶媒に加えて添着溶液を調整し、前記した方法でシート状活性炭に添着しても、短時間の処理ではアミノベンゼンスルホン酸の添着量が少なく、低級脂肪族アルデヒド除去性能の高い実用的な吸着材は得られない。
【0013】
そこで、本発明者は低級脂肪族アルデヒドとの反応性が高く、酸素や酸性ガスによる低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さい薬剤を求めて鋭意検討した結果、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を見出した。アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩は水溶性であるので、高濃度で溶解した添着溶液を調整することができ、この添着溶液を用いて前述したような浸漬法や噴霧法でシート状活性炭に添着すれば、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が多い吸着材が得られるのである。
【0014】
その結果、低級脂肪族アルデヒドの除去性能が高く、かつ、低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さい吸着材を提供することができる。
【0015】
本発明に係る吸着材の製造方法の特徴構成は、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の水溶液をシート状活性炭に添着して製造することにある。
【0016】
この構成によれば、酸素や酸性ガスによる低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さいアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量を多くでき、これにより低級脂肪族アルデヒドの除去性能が高く、かつ低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さい吸着材の製造方法を提供することができる。
【0017】
加える前記アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩は水100重量部に対して2〜50重量部である。
【0018】
アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が水100重量部に対して2重量部未満であると、低級脂肪族アルデヒドを除去するのに十分な量のアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を多孔質体に添着することができず、また、50重量部を越えて含ませても、量の増加に見合った効果が得られない。
【0019】
【本発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に詳しく説明する。本実施形態に係る吸着材は、シート状活性炭に、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が添着されて構成されている。この吸着材は、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の水溶液をシート状活性炭に添着して製造される。
【0020】
シート状活性炭とは、繊維状や微粒状の活性炭をフェルトやペーパーなどのシート状に成形したものであり、例示すると、活性炭素繊維のフェルトや活性炭素繊維や微粒状活性炭を湿式抄紙法でシート化したものや、微粒状活性炭シートを乾式法でシート化したものなどがある。
【0021】
シート状活性炭の目付は30〜1000g/m2、好ましくは50〜500g/m2、より好ましくは100〜200g/m2であり、この範囲未満では、充分な吸着除去量が得られず、この範囲を超えると、シート状活性炭が厚くなってプリーツ加工などの加工がし難くなる。
【0022】
シート状活性炭に含有される活性炭含有率は、30〜100重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜70重量%である。この範囲未満では吸着除去性能が低く、この範囲を超えるとシートの強度が弱くなり、プリーツなどの加工性が劣る。
【0023】
シート状活性炭に含有される活性炭の比表面積としては500〜3000m2/g、好ましくは700〜3000m2/g、より好ましくは1000〜3000m2/gであり、比表面積の大きな活性炭を使用した方が、低級脂肪族アルデヒドとの反応に有効な面積を大きくすることができ、高い低級脂肪族アルデヒド除去性能が得られる。
【0024】
シート状活性炭へのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量としては、活性炭1g当たりに0.03〜0.3g、好ましくは0.05〜0.25g、さらに好ましくは0.1〜0.2gである。この範囲未満では、高い低級アルデヒド除去性能が得られず、この範囲を超えて添着してもアルデヒド除去性能は向上しない。
【0025】
アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩は、アミノベンゼンスルホン酸とアンモニアとの反応生成物として得ることができ、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着溶液は、あらかじめアミノベンゼンスルホン酸とアンモニアとの反応生成物として得たものを水に溶解したり、アンモニア水にアミノベンゼンスルホン酸を加えたり、水にアミノベンゼンスルホン酸と炭酸アンモニウムや炭酸水素アンモニウムあるいはカルバミド酸アンモニウムなどのアンモニウム塩を加えたりして調整できる。
【0026】
添着溶液中のアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩は、水100重量部に対して2〜50重量部、好ましくは4〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部である。この範囲未満では、シート状活性炭へのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が少なくなって、低級脂肪族アルデヒド除去性能の高い吸着材が得難く、また、この範囲を越えた添着溶液を使用しても、低級脂肪族アルデヒド除去性能が大きく向上しない。
【0027】
アミノベンゼンスルホン酸にはo−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸の3つの異性体があり、これらのいずれのアンモニウム塩も使用できるが、p−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が低級脂肪族アルデヒドとの反応性が強く特に好ましい。
【0028】
本発明の吸着材には、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩以外に、リンゴ酸、クエン酸などの低級脂肪族アルデヒド以外のガス成分と反応する薬剤や抗菌性を持たせるための抗菌剤などの薬剤をさらに添着することができる。しかし、この場合には、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の低級脂肪族アルデヒドとの反応性を著しく低下させないように、薬剤や添着法を選択する必要がある。また、本発明の吸着材は、単独で使用するだけでなく、他の除塵濾材などと積層一体化したりして使用することができる。
【0029】
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
【実施例】
まず、本実施例で用いた吸着材の試験方法を以下に示す。
【0031】
(1)アルデヒド除去性能
シート状活性炭の吸着材を直径90mmの円板に打ち抜き、濾過面積45.3cm2のフィルターホルダーに装着した。温度25℃、相対湿度50%に調整した30ppmのアセトアルデヒドを含む空気を風量5L/minでフィルターホルダーに供給した。フィルターホルダーの出口のアセトアルデヒド濃度を7分ごとに測定し、除去率(η[−])を次式にアセトアルデヒド入口濃度(Ci[ppm])、アセトアルデヒド出口濃度(Co[ppm])を代入して算出した。なお、アセトアルデヒド濃度はFID付きガスクロマトグラフで測定した。
【0032】
【数1】
Figure 0004378449
【0033】
この除去率が10%に低下するまで試験を継続し、この試験中に7分毎に測定したフィルターホルダー出口のアセトアルデヒド濃度から算出した除去率と、フィルターホルダーの入口のアセトアルデヒド濃度および風量から7分毎のアセトアルデヒド吸着量を求め、それらを積算して濾過面積で除して、吸着容量とした。この吸着容量により、吸着材のアルデヒド除去性能を評価した。
【0034】
(2)劣化処理後のアルデヒド除去性能
シート状活性炭吸着材のアルデヒド除去性能の経時劣化をみるため、劣化処理による加速試験を行った。ここで、劣化処理とはシート状活性炭吸着材を80℃の雰囲気下で150時間放置することであり、この劣化処理は、20℃の雰囲気下で約1年の保管期間に相当する。劣化処理を行ったシート状活性炭吸着材について、(1)のアルデヒド除去性能試験を行い、吸着容量を求めてアルデヒド除去性能を評価した。
【0035】
(実施例1)
濃度2.8重量%のアンモニア水100重量部にp−アミノベンゼンスルホン酸25重量部を加えた後、水分を蒸発させて反応生成物であるp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を得た。水98gにこのp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩2gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、粒径300μmで比表面積1050m2/gの微粒状ヤシガラ活性炭を補強繊維としてレーヨン繊維,ポリエステル系熱融着繊維,ポリビニルアルコール繊維およびバインダーとして粉末ポリビニルアルコールとともに湿式抄紙法でシート化した活性炭ペーパー(目付285g/m2,活性炭含有率70重量%)を1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は19g/m2であった。
【0036】
(実施例2)
水95gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で用いたものと同じ活性炭ペーパーを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は38g/m2であった。
【0037】
(実施例3)
水90gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩10gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で用いたものと同じ活性炭ペーパーを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は64g/m2であった。
【0038】
(比較例1)
水98gにp−アミノベンゼンスルホン酸2gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で用いたものと同じ活性炭ペーパーを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は11g/m2であった。
【0039】
(比較例2)
水95gにp−アミノベンゼンスルホン酸5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で用いたものと同じ活性炭ペーパーを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は10g/m2であった。
【0040】
(比較例3)
水90gにp−アミノベンゼンスルホン酸10gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で用いたものと同じ活性炭ペーパーを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は12g/m2であった。
【0041】
(比較例4)
水95gに2−アミノエタノール5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で用いたものと同じ活性炭ペーパーを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は31g/m2であった。
【0042】
(比較例5)
水95gにモルホリン5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で用いたものと同じ活性炭ペーパーを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は33g/m2であった。
【0043】
(実施例4)
水98gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩2gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、繊維径20μmで比表面積1450m2/gの活性炭素繊維フェルト(目付200g/m2,活性炭含有率100重量%)を1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は26g/m2であった。
【0044】
(実施例5)
水95gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例4で用いたものと同じ活性炭素繊維フェルトを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は49g/m2であった。
【0045】
(実施例6)
水90gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩10gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例4で用いたものと同じ活性炭素繊維フェルトを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は83g/m2であった。
【0046】
(比較例6)
水98gにp−アミノベンゼンスルホン酸2gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例4で用いたものと同じ活性炭素繊維フェルトを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は13g/m2であった。
【0047】
(比較例7)
水95gにp−アミノベンゼンスルホン酸5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例4で用いたものと同じ活性炭素繊維フェルトを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は13g/m2であった。
【0048】
(比較例8)
水90gにp−アミノベンゼンスルホン酸10gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例4で用いたものと同じ活性炭素繊維フェルトを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着材を作製した。得られた吸着材の薬剤添着量は12g/m2であった。
【0049】
上記吸着材について、先に説明した方法により劣化処理前のアルデヒド除去性能と劣化処理後のアルデヒド除去性能を測定した。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004378449
【0051】
p−アミノベンゼンスルホン酸をシート状活性炭に添着した比較例1〜3および7〜9は、劣化処理によるアルデヒド除去性能の低下は小さいが、p−アミノベンゼンスルホン酸が水難溶性であるため、添着液へのp−アミノベンゼンスルホン酸の添加量を増やしても高い溶解濃度の添着液にならず添着量が増えないため、アルデヒド除去性能が低い。また、2−アミノエタノール、モルホリンを活性炭に添着した比較例4,5は、劣化処理前のアルデヒド除去性能は高いが、劣化処理後のアルデヒド除去性能の低下が大きい。
【0052】
これらに対して、p−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を添着した実施例1〜6は、高いアルデヒド除去性能を持つとともに、劣化処理によるアルデヒド除去性能の低下も小さいことがわかる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低級脂肪族アルデヒドの除去性能が高く、かつ低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さいシート状活性炭の吸着材およびその製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 目付が30〜1000g/mのシート状活性炭に、活性炭1g当たり0.095〜0.415gのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が、浸漬法や噴霧法により添着されていることを特徴とする吸着材。
  2. ミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の水溶液を目付が30〜1000g/mのシート状活性炭に浸漬法や噴霧法により添着して製造することを特徴とする請求項1に記載の吸着材の製造方法。
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