JP4376475B2 - 接着性に優れた表面処理アルミニウム材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料缶、キャップ材、食品容器をはじめとする各種容器、深絞り容器あるいは化粧パネル等に使用される表面処理を施したアルミニウム材料に関するもので、特にアルミニウム材料表面に有機樹脂フィルムをラミネートする際のアルミニウム材料と有機樹脂フィルムの接着性を改善したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、飲料缶をはじめとする各種容器や家具、内装建材用の化粧板には、アルミニウム材の表面にリン酸クロメートもしくはクロム酸クロメートの皮膜を形成し、そのリン酸クロメート皮膜もしくはクロム酸クロメート皮膜の表面に有機樹脂フィルムをラミネートした表面処理アルミニウム材料が採用されている。飲料缶に使用する表面処理アルミニウム材料は、缶に加工する際にラミネートした有機樹脂フィルムがアルミニウム表面から剥離しないよう強い接着性が要求される。また、内容物に対する耐食性も要求される。さらに化粧板等に使用される表面処理アルミニウム材料でも、長期間にわたる良好な耐食性が要求され、成形加工する際にラミネートした有機樹脂フィルムがアルミニウム表面から剥離しないよう強い接着性が要求される。
【0003】
まず、これらの表面処理アルミニウム材料の製造方法を、飲料缶に使用される表面処理アルミニウム材料を例に挙げて説明する。
表面処理アルミニウム材の製造に先立って、アルミニウム又はアルミニウム合金の素材に前処理を施す。この前処理は、素材の表面に付着した油脂分を除去し、表面の不均質な酸化被膜を除去するのが目的であり、アルカリ洗浄等の手段が用いられる。
次いで、アルミニウム又はアルミニウム合金の素材を、リン酸、クロム酸及びフッ化物を主成分とする溶液あるいはクロム酸とフッ化物を主成分とした溶液に浸漬して、アルミニウム素材の表面に薄いゲル状のリン酸クロメートあるいはクロム酸クロメートの非晶質皮膜を形成させて、クロメート処理した表面処理アルミニウム材料を得る。
【0004】
さらに、リン酸クロメート等で表面処理したアルミニウム材料の表面に、有機樹脂フィルムをラミネート加工する。有機樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンとポリエチレンに第3成分を添加して融点を下げた接着層を有する二層フィルム等が多用される。この有機樹脂フィルムをリン酸クロメート皮膜等の表面に、その低融点の接着層を接着させて積層し、接着層の融点以上の温度の加熱したローラーを通過させて、有機樹脂フィルムをラミネートし、表面処理アルミニウム材料を得る。リン酸クロメート皮膜やクロム酸クロメート皮膜は、アルミニウム材料への有機樹脂フィルムの密着性を高めることができる。
このようにして得られた有機樹脂フィルムをラミネートしたアルミニウム材料は、アルミニウム材料を加工する際の加工油の塗布が不要となり、缶の製造コストを低減することができる。また、内容物が直接アルミニウムに接触しないので、飲料へのアルミニウム臭の混入を防ぐことができる。さらに、リン酸クロメート処理は、処理浴の管理が容易であり、作業効率も高く、連続処理が可能であることから広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リン酸クロメート皮膜やクロム酸クロメート皮膜の上に有機樹脂フィルムをラミネートした従来の表面処理アルミニウム材料では、アルミニウム材料と有機樹脂フィルムとの接着力は十分ではない。なぜならば、極薄い有機樹脂フィルムは、長時間経過するうちには空気中の水分程度の分子はこの有機樹脂フィルムを浸透して、クロメート皮膜に到達してしまう。そして、水分が存在すると、クロメート皮膜と有機樹脂フィルムとの接着力の低下を招く結果となる。また、従来のリン酸クロメート皮膜やクロム酸クロメート皮膜は堆積物であり、緻密さは低く、その内部に水分や腐食性の不純物が残存している。
これらに皮膜の上に有機樹脂フィルムをラミネートするために加熱すると、前記皮膜中の水分や腐食性の不純物、特に水分が噴出して有機樹脂フィルムと皮膜との接着性を阻害することとなる。
また、環境汚染問題からクロムの有害性が指摘され、リン酸クロムやクロム酸クロムの使用が制限されている。
これに代わるノンクロム下地処理としてリン酸チタンやリン酸ジルコニウムの下地層が提案されているが、これらの下地処理を施した場合には、アルミニウム材と有機樹脂フィルムとの接着力は従来よりも劣る結果となり、満足できる接着力を備えたものは得られていない。
【0006】
さらに、硫酸アルマイトやリン酸アルマイト等の多孔質の陽極酸化皮膜を下地層に用いて、この多孔質陽極酸化皮膜のアンカー効果を利用してアルミニウム材料と有機樹脂フィルムとを接着させる方法も提案されている。しかし、前記陽極酸化皮膜の孔の径は微小であり、この孔中に有機樹脂フィルムが侵入するほど大きくはないので、十分なアンカー効果は得られていない。
それどころか、前記陽極酸化皮膜は多孔質であるため、有機樹脂フィルムとの接合面積が少なく、十分な接合強度が得られない。また、陽極酸化皮膜に封孔処理を施した場合でも孔中に水分が残留しており、前述の如く有機樹脂フィルムをラミネートする際に加熱すると、孔中の水分が噴出して有機樹脂フィルムの接着性を阻害することとなる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、有機樹脂フィルムとの接着性に優れた表面処理アルミニウム材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、有機樹脂フィルムが強固にラミネートされた表面処理アルミニウム材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の表面処理アルミニウム材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に無孔質陽極酸化皮膜が形成され、該無孔質陽極酸化皮膜は厚さが5〜800nm、有孔度が20%以下で、かつ、シリコン(Si)を100ppm以上、20,000ppm以下含有し、前記無孔質陽極酸化皮膜の表面に、有機樹脂フィルムがラミネートされてなるものとした。
陽極酸化皮膜の有孔度を20%以下にすることにより、この無孔質陽極酸化皮膜の水分含有量が減少するので、有機樹脂フィルムを表面にラミネートするために加熱された際の、孔からの水分の噴出が抑えられ、前記陽極酸化皮膜と有機樹脂フィルムとの強固な接着が実現される。また、陽極酸化皮膜中のシリコンが有機樹脂フィルム中の分子構造に取り込まれ、陽極酸化皮膜と有機樹脂フィルムとの強固な接着が促進される効果を発揮する。
また、前記アルミニウム合金として、JIS1000系、JIS3000系、JIS5000系のいずれかを用いることができる。
【0009】
本発明において無孔質陽極酸化皮膜のシリコン含有量は100ppm以上、20,000ppm以下である。シリコンは上述のとおり有機樹脂フィルム中の分子構造に取り込まれ易いので、陽極酸化皮膜と有機樹脂フィルムとの強固な接着が容易に達成される。
【0011】
更に本発明は、上記のような表面処理アルミニウム材料の表面に、有機樹脂フィルムをラミネートした表面処理アルミニウム材料である。ラミネートする有機樹脂フィルムの種類は特に制限はない。また、接着方法にも特に制限はなく、熱圧着でも良いし、接着剤を用いても良い。下地である陽極酸化皮膜が無孔質であり、かつ含水量が少ないため、水分噴出による弊害が無い。また、微量元素のシリコンを介して有機樹脂フィルムと前記無孔質陽極酸化皮膜との化学結合が促進されるので、無孔質陽極酸化皮膜と有機樹脂フィルムとが強固に接着した表面処理アルミニウム材料が容易に得られる。有機樹脂フィルムは、例えばポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムと共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムとの積層フィルムなどが好んで用いられる。
【0013】
本発明の表面処理アルミニウム材料の製造方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金を少なくとも珪酸塩を含む電解質水液中で電解し、該アルミニウム又はアルミニウム合金の表面にシリコン(Si)を100ppm以上、20,000ppm以下含み、有孔度が20%以下の無孔質陽極酸化皮膜を形成した後、該無孔質陽極酸化皮膜の表面に有機樹脂フィルムをラミネートする工程を有する製造方法とした。電解液中にシリコンを適量含む電解質水液中で適当な電解条件を選択して電解すれば、有孔度が低く、かつ微量成分のシリコンを100ppm以上、20,000ppm以下含有する陽極酸化皮膜が得られ、この無孔質の陽極酸化皮膜が有機樹脂フィルムとの接着性に優れた特性を有している。
また、前記アルミニウム合金として、JIS1000系、JIS3000系、JIS5000系のいずれかを用いることができる。
【0015】
即ち、前述の有機樹脂フィルムとの接着性に優れた陽極酸化皮膜を形成した後、有機樹脂フィルムをラミネートする方法である。有機樹脂フィルムが強固に接着された表面処理アルミニウム材料が得られる。前記有機樹脂フィルムをラミネートする工程に用いる有機樹脂フィルムおよび接着方法には特に制限はなく、種々の樹脂フィルム及び接着方法を適用することが可能である。例えば、接着材やプライマーを無孔質陽極酸化皮膜表面に塗布してから貼り合わせることもできる。
【0016】
本発明では、無孔質陽極酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材料と有機樹脂フィルムとの接着には熱圧着を用いることができる。無孔質陽極酸化皮膜と有機樹脂フィルムとの接着性がよいので、熱圧着で簡単に強固な接合を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の表面処理アルミニウム材料について順を追って説明する。
本発明に使用するアルミニウム素材としては、純アルミニウムの他に純アルミ系のJIS1000系合金、Al−Mn系のJIS3000系合金あるいはAl−Mg系のJIS5000系等が使用でき、材質については特に限定されるものではない。また、これらの合金に溶体化処理、時効処理等の種々の調質処理を施したものも使用される。これらの素材の各種圧延板が好んで使用される。また、これらのアルミニウム合金のクラッド材も使用できる。
【0018】
次に、アルミニウム素材に対して前処理が施される。前処理は、特に限定されるものではなく、アルミニウム素材表面の不均質な酸化膜を除去するためのものであって、例えば、弱アルカリ性の脱脂液による洗浄をした後、水酸化ナトリウム水溶液中でアルカリエッチングをし、硝酸水溶液中でデスマット処理を行う方法や、前記脱脂液による洗浄後に酸洗浄を行う方法などが用いられる。
【0019】
次に、この前処理が施されたアルミニウム素材を電解質溶液中で電解して、アルミニウム素材の表面に無孔質陽極酸化皮膜を形成するための陽極酸化処理を行う。
電解液としては、生成する無孔質酸化皮膜を溶解しにくく、かつ無孔質酸化皮膜中に50ppm以上、好ましくは100ppm以上のシリコン、リン、硼素もしくは炭素成分のうち少なくとも1種の成分が取り込まれるように、シリコン、リン、硼素もしくは炭素成分を適量含む電解質水溶液を使用する。このような電解質水溶液を得るためには、例えば珪酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩の内から選ばれた少なくとも一種の塩を水中に適量添加する。添加量は添加する塩の種類や電解条件によっても異なるが、おおむね2〜150g/l程度である。電解質水溶液中の上記微量元素の濃度が高くなると、無孔質陽極酸化皮膜中に取り込まれる微量元素の濃度も高くなる。
【0020】
また陽極酸化時の電解浴の温度を高くすると、無孔質陽極酸化皮膜中に取り込まれる上記微量元素の濃度も高くなる傾向にある。さらに陽極酸化処理時の電流密度を高くすると、電解面の温度が上昇して、無孔質陽極酸化皮膜中の上記微量元素の濃度が高くなる傾向にある。これらの傾向を勘案して添加する各塩毎に適正な電解質濃度を決めればよい。電解浴の温度は30℃〜60℃、電流密度は0.3〜10A/dm2、 印加電圧は1.4〜570V程度である。これらの範囲で電解条件を適宜選択して、陽極酸化皮膜中の有孔度が20%以下、好ましくは10%以下で、かつ陽極酸化皮膜中のシリコン、リン、硼素もしくは炭素成分が50ppm以上、好ましくは100ppm以上となるようにする。陽極酸化処理をするにあたっての留意点は穏やかに陽極酸化皮膜を形成させて、孔を極力生じさせないようにすることである。
前記陽極酸化皮膜の膜厚は、電解時間によって調整し、5〜800nm、好ましくは50〜200nmとなるようにする。
【0021】
このような陽極酸化処理によって得られた陽極酸化皮膜は、厚さの均一な無孔質陽極酸化皮膜である。無孔質陽極酸化皮膜の膜厚は5〜800nmとするのが良い。膜厚が5nm以下ではアルミニウム表面に自然に形成される酸化皮膜の程度であり、耐食性は得られない。一方、膜厚が800nmを越えると皮膜中に欠陥が生じやすくなり、皮膜が破壊されて耐久性が劣るようになる。従って、無孔質陽極酸化皮膜の膜厚適正範囲は5〜800nm、好ましくは50〜200nmである。
また、無孔質陽極酸化皮膜の有孔度は20%以下とするのが良い。アルミニウム又はアルミニウム合金の表面にはシリコンや鉄などの微量不純物とアルミニウムとの金属間化合物が存在しており、これら不純物の上には陽極酸化皮膜が生成しにくいため、陽極酸化皮膜に極微小な孔が生じている。このような不純物の露出していない部分では、実質的に無孔の状態である。陽極酸化皮膜のこのような不純物に起因する孔を全て積算して孔の面積割合が20%以下であればよい。20%以下には0%(ゼロ%)を含むものである。無孔質陽極酸化皮膜の有孔度は、表面を電子顕微鏡で10万倍に拡大して観察し、孔の面積を積算することによって測定できる。
【0022】
このような孔の少ない無孔質陽極酸化皮膜では、孔中に残存する水分をはじめとする腐食性の不純物も少なく、無孔質陽極酸化皮膜の表面に有機樹脂フィルムをラミネートする工程で加熱しても水分が噴出することは無い。
また、硫酸アルマイト皮膜のように多孔質の皮膜の場合には、有機樹脂フィルムにピンホールが生じた際に、ピンホールから腐食性の物質が侵入して下地のアルミニウム素材を腐食させるが、本発明の無孔質陽極酸化皮膜ではバリヤ性が高く、下地のアルミニウム素材の腐食を防ぐことができる。
【0023】
また、本発明の無孔質陽極酸化皮膜の含水率は、皮膜全体で10%以下、好ましくは皮膜全体で5%以下とするのが良く、2%以下とするのが最も良い。前述の通り陽極酸化皮膜中の水分は、無孔質陽極酸化皮膜の表面に有機樹脂フィルムをラミネートする工程で加熱すると孔から噴出し、有機樹脂フィルムのと陽極酸化皮膜との接着性を阻害する。このため、無孔質陽極酸化皮膜中の含水量は極力低い方が好ましい。無孔質陽極酸化皮膜中の含水量とは、表面に付着している水分ばかりでなく、孔の深部に侵入して結晶水となっている水分も含んだ皮膜全体の水分である。
無孔質陽極酸化皮膜の含水率は、熱重量法により500℃まで加熱した際の重量減少から測定できる。
無孔質陽極酸化皮膜の含水率が5%を越えると、有機樹脂フィルムの接着性が低下する。勿論無孔質陽極酸化皮膜の含水率は0%(ゼロ%)であることが好ましいが、実質的には0%にするのは困難であり、5%以下であれば実質上支障はなく、2%以下であれば、前記陽極酸化皮膜と有機樹脂フィルムとをより強固に接着することができる。
【0024】
さらに、本形態の無孔質陽極酸化皮膜は、シリコン(Si)、リン(P)、硼素(B)もしくは炭素(C)成分のうち少なくとも1種を合計で50ppm以上含有しているものとするのが良い。陽極酸化皮膜と有機樹脂フィルムとの接着力は、物理的接着力(主にアンカー効果)と化学的接着力(化学結合、水素結合、ファンデルワース力)があるが、陽極酸化皮膜に上記Si、P、BもしくはC成分が50ppm以上存在すると化学的接着力を増進させる事実を見出した。この化学的接着力を増進させるには、上記Si、P、BもしくはC成分が50ppm以上含まれていることが好ましく、より好ましくは100ppm以上含まれているいのが良い。なかでもシリコン(Si)又はリン(P)の効果が大きく、特にシリコン(Si)の効果が著しい。シリコン(Si)の場合は100ppm以上20,000ppm以下含有していると効果が大きい。また、P,B,Cについては、50ppm以上含まれていれば上記の効果を得ることができ、特にP及びBは20,000ppm以下、Cは50,000ppm以下の範囲において効果が著しい。これらの成分を適量含んだ無孔質陽極酸化皮膜を得るには、前述の通りこれら成分を適量含む電解質水液を使用し、適正な電解条件を選択して陽極酸化処理を行う。
【0025】
さらに、このような表面に無孔質陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム材料の表面に、有機樹脂フィルムをラミネートする。使用する有機樹脂フィルムは特に制限はなく、例えばポリエチレン(PE)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂、ポリアミド系樹脂(ナイロン等)が利用できる。また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムと、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に第3成分を共重合させて融点を低くした共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムとの積層フィルム等も使用できる。また、接着方法にも特に制限はなく、熱圧着でも良いし、接着剤を用いても良い。
ラミネート処理は特に限定されるものではないが、例えば適当な樹脂フィルムを準備して、前述の方法で得た無孔質陽極酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材料の無孔質陽極酸化皮膜に密着させて積層し、この積層体を有機樹脂フィルムの融点以上に加熱したローラー等を通過させて、有機樹脂フィルムを熱融着させる。ローラー等に加える圧力は、有機樹脂フィルムの材質や厚さによって適宜決定する。
【0026】
このようにして得られた有機樹脂フィルムをラミネートした表面処理アルミニウム材料は、アルミニウム素材と有機樹脂フィルムとが強固に接着されていて、材料をさらに加工する際にも有機樹脂フィルムが剥離することはない。また、有機樹脂フィルムの下地には、無孔質の陽極酸化皮膜があるのでバリヤ性に優れ、耐食性の経時劣化も起こらない。このため本発明の表面処理アルミニウム材料は、飲料缶、キャップ材、食品容器をはじめとする各種容器、深絞り容器あるいは化粧パネル等に広く利用できる。
【0027】
【作用】
本発明は、特定の条件下で陽極酸化処理をして得られる無孔質陽極酸化皮膜の有孔度と含水量が低いことを利用して、有機樹脂フィルムをラミネートする際の接着力の増進をはかったものである。また本発明は、無孔質陽極酸化皮膜中に特定の化学結合を起こしやすい元素を含有させて、無孔質陽極酸化皮膜と有機樹脂フィルムとの製造方法着力を増進させるようにしたものである。
【0028】
【実施例】
以下試験例と比較例を用いて本発明をより具体的に説明する。アルミニウム合金素材として1.0mmまで圧延したAl−Mg系のJIS5052板材を準備した。この素材を2%の界面活性剤を含む50℃の脱脂液に60秒間浸漬させた後、30秒間水洗した。次いで、10%NaOH水溶液で50℃で30秒間エッチングした後、30秒間水洗した。さらに引き続き、10%HNO3 溶液で30秒間洗浄した後、30秒間水洗した。
【0029】
次いで、表1に示す塩を含む水溶液を電解液として、上記アルミニウム合金を陽極にして電解処理を行った。電解液中の塩の濃度は0.2%〜15%、電解浴温度は30℃〜60℃、電解電圧は1.4〜530V、電流密度は2〜4A/dm2の範囲で適宜調整した。このようにしてアルミニウム合金表面に表1に示す厚さの陽極酸化皮膜を形成した。
【0030】
各試料の陽極酸化皮膜について有孔度、含水率および含有されるSi、P、B、C成分の量を測定した。
有孔度は、陽極酸化皮膜表面を10万倍の電子顕微鏡で観察し、孔の面積を求めた。含水率は、所定の陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム材料を、熱重量法により500℃まで加熱した時の結晶水の脱離による重量減少を測定し、陽極酸化皮膜を形成していないアルミニウム材料の重量減少を測定して補正し、陽極酸化皮膜中の含水量を導出した。Si、P、B、C成分の測定は、グロー放電質量分析法(GD−MASS分析)により皮膜をエッチングしながら元素分析して測定した。これらの測定結果を表1に併記する。
【0031】
さらに、前記の陽極酸化皮膜を具備したアルミニウム合金の表面に、有機樹脂フィルムをラミネートして接着強度を評価した。この接着強度の評価は、以下の二つの方法で行った。
第1の方法(A)は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)と、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)に第3成分を共重合させて、融点を低下させた接着層を有する共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(共重合PET樹脂)との二層フィルムを使用した。二層フィルムの厚さは、15μmとした。前記の陽極酸化皮膜を具備したアルミニウム合金の表面に、この二層フィルムを重ね合わせ、接着層の融点以上の温度に加熱した加熱ローラーを通して、接着層を溶融させてアルミニウム材の表面の陽極酸化皮膜に熱接着させた。
【0032】
次いで、このPET樹脂をラミネートした表面処理アルミニウム材料を10mm×50mmサイズに切断し、50℃の温水に7日間浸漬した後取り出して、直ちに長手の中央部のアルミニウム材料のPET樹脂フィルムがラミネートされていない部分に切り込みを加えてアルミニウム素材のみ破断させた後、さらにPET樹脂フィルムを剥がす方向に引っ張って、PET樹脂フィルムの剥離程度を評価した。この時、全く剥離しなかったものには○印を、3mm以下の剥離の場合には△印を、また、3mmを越える剥離の場合には×印を付した。
【0033】
第2の方法(B)は、エポキシ樹脂系の接着剤を前記の陽極酸化皮膜を具備したアルミニウム合金の表面に1g/m2で塗布し、厚さ15μmのPET樹脂フィルムを重ね合わせて150℃に加熱したニップロールを通して接着した。さらに、180℃の電気炉に3分間入れて完全に接着させた。次いで、第1の方法の場合と同様に、このPET樹脂をラミネートした表面処理アルミニウム材料を10mm×50mmサイズに切断し、50℃の温水に7日間浸漬した後取り出して、直ちに長手の中央部のアルミニウム材のPET樹脂フィルムがラミネートされていない部分に切り込みを加えてアルミニウム素材のみ破断させた後、さらにPET樹脂フィルムを剥がす方向に引っ張って、PET樹脂フィルムの剥離程度を評価した。評価基準も第1の方法の場合と同様で、この時全く剥離しなかったものには○印を、3mm以下の剥離の場合には△印を、また、3mmを越える剥離の場合には×印を付した。
これらの評価結果も表1に合わせて併記する。
【0034】
【表1】
【0035】
表1に示すように、本発明の要件を満たす試験例は、アルミニウム材料とPET樹脂フィルムとの接着性は良好であった。これらの試験例の表面処理アルミニウム材料は、いずれも膜厚が5〜800nmの範囲であり、有孔度が20%以下であり、Siを含むものである。
【0036】
また、含水率に着目すると、含水率が2%以下のもの(試験例1〜5,試験例7〜12,試験例15)は、良好な接着性を示しており、2%を越えて20%未満のもの(試験例6,13,14)は、含水率2%以下のものに比して接着性がやや悪いという結果となった。
【0037】
さらに、Si,P,Bの含有量に着目すると、試験例の表面処理アルミニウム材料においては、これらの元素の含有量が50ppm以上20,000ppm以下であり、いずれも実用上十分な接着性を有していた。また、Cの含有量に着目すると、試験例の表面処理アルミニウム材料においては、その含有量が50ppm以上50,000ppm以下であり、いずれも実用上は十分な接着性を有していた。
【0038】
次に、試験例6と試験例13を比較すると、試験例13は、試験例6に比較して有孔度が低いにもかかわらず含水量が高くアルミニウム材とPET樹脂フィルムとの接着性がやや悪い結果となった。これは電解温度が高かったため、有孔度が低くても含水量が高くなってしまったためである。
【0039】
また、試験例14は、被膜の膜厚がやや厚過ぎるため被膜中の水分が高くなり、アルミニウム材とPET樹脂フィルムとの接着性がやや悪いという結果となった。
【0040】
試験例19は、Siが20,000ppmを越えて含有されているために、Si含有量が20,000ppm以下のものに比して、接着性がやや悪いという結果となった。
【0041】
比較例1は、皮膜が薄すぎるため、接着性に及ぼす無孔質陽極酸化皮膜の効果を発現するまでには至っていない。また、比較例2〜4は、無孔質陽極酸化皮膜中のSi、B、Pの含有量が50ppm未満と低いので、接着性を向上させるまでには至っていない。
【0042】
比較例5は、膜厚が860nmと厚すぎたために含水率が高くなり、アルミニウム材とPET樹脂フィルムとの接着性が悪いという結果となった。
比較例6は、有孔度が32%と高く、また含水率が高くなった。この比較例6は、アルミニウム材とPET樹脂フィルムとの接着性が悪いという結果となった。
比較例7は、電解液として過酸化水素を用いたために、Si,P,B,Cのいずれの濃度も10ppm以下であり、アルミニウム材とPET樹脂フィルムとの接着性が悪いという結果となった。
【0043】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の無孔質陽極酸化皮膜を有する表面処理アルミニウム材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に無孔質陽極酸化皮膜が形成され、該無孔質陽極酸化皮膜は厚さが5〜800nm、有孔度が20%以下で、かつ、シリコン(Si)を100ppm以上、20,000ppm以下含有し、前記無孔質陽極酸化皮膜の表面に、有機樹脂フィルムがラミネートされてなるので、有機樹脂フィルムとの接着性を高めることが可能である。また、本発明の有機樹脂フィルムをラミネートした表面処理アルミニウム材料は、飲料缶をはじめとする各種容器や家具、内装建材用の化粧板に使用すれば、加工する際に剥離することはなく、また、長期間使用しても腐食されることはなく、良好な有機樹脂フィルムの密着性及び耐食性を示すものとすることができる。
また、前記アルミニウム合金として、JIS1000系、JIS3000系、JIS5000系のいずれかを用いることができる。
【0044】
本発明の表面処理アルミニウム材料の製造方法によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金を珪酸塩を含む電解質水液中で電解し、該アルミニウム又はアルミニウム合金の表面にシリコン(Si)を100ppm以上、20,000ppm以下含み、有孔度が20%以下の無孔質陽極酸化皮膜を形成した後、該無孔質陽極酸化皮膜の表面に有機樹脂フィルムをラミネートする工程を有するので、適正な電解条件を選択することにより、容易に有機樹脂フィルムとの接着性に優れた表面処理アルミニウム材料を供給することが可能となる。さらに有機樹脂フィルムと強固に接着した表面処理アルミニウム材料を提供することが可能となる。
また、前記アルミニウム合金として、JIS1000系、JIS3000系、JIS5000系のいずれかを用いることができる。
Claims (4)
- アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に無孔質陽極酸化皮膜が形成され、該無孔質陽極酸化皮膜は厚さが5〜800nm、有孔度が20%以下で、かつ、シリコン(Si)を100ppm以上、20,000ppm以下含有し、前記無孔質陽極酸化皮膜の表面に、有機樹脂フィルムがラミネートされてなることを特徴とする表面処理アルミニウム材料。
- 前記アルミニウム合金が、JIS1000系、JIS3000系、JIS5000系のいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の表面処理アルミニウム材料。
- アルミニウム又はアルミニウム合金を珪酸塩を含む電解質水液中で電解し、該アルミニウム又はアルミニウム合金の表面にシリコン(Si)を100ppm以上、20,000ppm以下含み、有孔度が20%以下の無孔質陽極酸化皮膜を形成した後、該無孔質陽極酸化皮膜の表面に有機樹脂フィルムをラミネートする工程を有することを特徴とする表面処理アルミニウム材料の製造方法。
- 前記アルミニウム合金として、JIS1000系、JIS3000系、JIS5000系のいずれかからを用いることを特徴とする請求項3に記載の表面処理アルミニウム材料の製造方法。
Priority Applications (1)
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