JP4375199B2 - 画像処理装置およびプログラム - Google Patents
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Description
さらに、近年では、PDA(Personal Digital Assistants)や携帯電話機等の携帯型情報端末が普及し、これらの端末でも文書を表示することができるように求められている。このようにソフトウェアやハードウェアが多種多様化している状況に鑑みると、あらゆるコンピュータや携帯型情報端末が、受け取った文書を表示・編集できるようなコンピュータ環境を常に装備しているとは限らないと考えられる。
また、本発明は、コンピュータを、記憶部に記憶された文書データを構成する複数種類のオブジェクトのうちのあらかじめ決められたオブジェクトを、当該文書データの各スキャンライン上に存在する当該オブジェクトの色および位置を表すエッジ構造体によって構成された画像データに変換する解析処理部と、前記解析処理部によって得られた画像データを保存するエッジ保存部と、前記エッジ保存部に保存されている画像データを構成するエッジ構造体のうち、同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体どうしが互いに隣り合うように並び替えるエッジソート部と、前記エッジソート部によって並び替えられたエッジ構造体のうちの同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体によって表される画像を2値で表現した2値画像データを生成して出力するデータ出力部として機能させるためのプログラムを提供する。
この画像処理装置およびプログラムによれば、エッジ構造体によって構成された画像データを用いて2値画像データを出力するため、ビットマップ形式の画像データを参照する場合のように、各ピクセルの色情報を逐一読み取る必要がない。そのため、従来よりも高速に、かつ少ないメモリ容量で2値画像データを生成することが可能となる。
このようにすれば、同一種類のオブジェクトの2値画像データを色毎に生成することもできるため、同一色であってもオブジェクトが異なれば、それぞれを別の2値画像データして生成することが可能となる。これにより、ユーザが所望する2値画像データがより確実に得られるようになり、ユーザの意図を忠実に反映した2値画像データを得ることが可能となる。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置10のハードウェア構成を表すブロック図である。画像処理装置10は、例えばパーソナルコンピュータであり、制御部1と、記憶部2と、入出力I/F3と、表示部4と、操作部5とを備えている。制御部1は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の各種メモリとを備えている。記憶部2は、例えばハードディスク等の大容量の不揮発性記憶装置であり、制御部1が後述する機能を実現するための手順が記述された制御プログラムPRG1を記憶している。入出力I/F3は、図示しないネットワークに接続されており、そのネットワークに接続されたコンピュータやプリンタなどの外部機器とデータの授受を行う。表示部4は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部1によって供給されるデータに基づいて画像を表示する。操作部5は、例えばキーボードやマウスなどであり、操作者の操作内容に応じた信号を制御部1に供給する。
制御部1は、制御プログラムPRG1を実行することにより、解析処理部12と、多値画像生成部14と、2値画像生成部15という機能を実現する。これらの各部は互いに協働して後述する動作を行う。
図3は、本実施形態における文書データ11と、この文書データ11から生成される多値画像データ16と2値画像データ17とを概念的に示した図である。文書データ11には、文字が描画されている「テキスト」領域と、図形(ここでは星形とする)が描画されている「グラフィクス」領域と、写真等の自然画像が描画されている「イメージ」領域とが含まれている。また、「テキスト」および「グラフィクス」領域には、「黒」で描画された領域と「赤」で描画された領域とがある。この文書データ11の各画素は、例えばR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)各色3バイト(24ビット)の色値(以下、これを「RGB値」という)を有する。
多値画像データ16は、文書データ11中の「イメージ」領域を表す画像情報そのもの(多値画像情報)と、この多値画像情報の位置情報とサイズ情報とを含んでいる。多値画像データ16における画像情報は文書データ11と同様に、各画素がRGB各色3バイトのRGB値を有している。位置情報は、例えば文書データ11の左上端を原点としたときの画像情報のある1点(例えば左上端)の座標を示したものである。本実施形態においては、図2における主走査方向(横方向)をx座標とし、副走査方向(縦方向)をy座標とする。サイズ情報は、多値画像情報のx方向およびy方向の長さを示したものである。
なお、多値画像データ16と2値画像データ17は上述のように生成されるものとは限らず、例えば多値画像データ16が文書データ11中の「グラフィクス」領域を表す画像情報により生成されてもよい。
画像データ13には、ラスタデータと等価な複数のエッジデータと、それぞれのエッジデータの属性を示すタグ情報(属性情報)と、それぞれのエッジデータの色情報と、オブジェクトの形状を規定する外接矩形情報とが含まれる。
エッジデータとは、エッジ配列形式によって記述されたデータであり、いわゆるランレングス圧縮と同様の形式で示されたデータである。ここで「エッジ」とは、例えばRAM(画像メモリ)に展開された画像に定義されるxy座標系において、x軸(主走査方向)に平行な1本のスキャンライン上に存在する線分画像のことである。そして、「エッジ配列形式」とは、1スキャンライン上に存在する複数のエッジの列によってスキャンライン全体の画像を表現する形式を意味している。画像をエッジ配列形式で記述すると、ラスタデータと可逆的に変換可能でありながら、多くの場合に画像のデータ容量を小さくすることが可能となる。エッジデータは、特に、一定の面積が同一色で描画された領域(いわゆる「ベタ領域」)を多く含むような画像を効率よく圧縮できる。
タグ情報とは、上述のエッジデータに含まれるそれぞれのエッジの属性を示す情報である。ここで「属性」とは、それぞれのエッジにより示されるオブジェクトの種類のことである。本実施形態においては、タグ情報は「テキスト」領域を表す「テキスト」オブジェクトと、「グラフィクス」領域を表す「グラフィクス」オブジェクトと、「イメージ」領域を表す「イメージ」オブジェクトと、その他の領域、すなわち画像が描画されない背景領域を表す「バックグラウンド」オブジェクトの4種類であるとする。なお、実際の画像データ13においては、例えば「テキスト」オブジェクトのタグ情報は「1」、「グラフィクス」オブジェクトのタグ情報は「2」、「イメージ」オブジェクトのタグ情報は「3」、「バックグラウンド」オブジェクトのタグ情報は「0」というように、それぞれのオブジェクトに対して一意的な番号を割り当てて、これをタグ情報としている。
色情報とは、上述のエッジデータに含まれるそれぞれのエッジが描画されるべき色を示す情報であり、例えばRGB値によって示される。
図4は、このエッジ構造体のフォーマットを示した図である。エッジ構造体は、始点座標SXと、終点座標EXと、タグ情報TGと、色情報CLとを含んでいる。本実施形態においては、1つのスキャンライン上に例えば「文字」や「グラフィクス」などの複数のオブジェクトが存在している場合、オブジェクトの色もしくはオブジェクトの種類が変わる毎にエッジ構造体が1つ生成されるようになっている。
なお、バックグラウンドオブジェクトの色情報CLは「未定」となっているが、これは任意の色を指定してよいという意味である。例えばバックグラウンドオブジェクトの色情報CLは「白」であってもよいし、特に定義しなくともよい。
これに対し、エッジ構造体es6のように、エッジによって構成されるオブジェクトがイメージの場合、エッジデータの色情報CLとしてメモリアドレスが記述されている。このメモリアドレスによって指定された記憶領域には、イメージの実データ、すなわち画像情報が格納されている。このように、オブジェクトが文字やグラフィクスであるか、あるいはイメージであるかによって(つまりタグ情報TGの値によって)、色情報CLをどのように解釈すべきかが異なっている。
外接矩形とは、オブジェクトの外縁に接する矩形を意味しており、外接矩形情報とはその外接矩形の位置とサイズとを表す情報である。本実施形態では、オブジェクトの種類毎に、生成される外接矩形情報の最大数を設定することができる。また、オブジェクトの種類毎に、生成すべき外接矩形の数を変えることもできる。例えば、あるオブジェクトについてだけ4つの外接矩形を生成し、その他のオブジェクトについては1つの外接矩形を生成する、といった具合である。このような外接矩形の数は、ユーザが操作部5を用いて画像処理装置10に入力することによって指定することもできるし、あらかじめ記憶部2に記憶されていてもよい。
次に、図7の機能ブロック図を参照しながら、本実施形態の解析処理部12の機能構成および動作について説明する。解析処理部12は、例えば本発明者による特開2002−334341号公報に開示された技術を用いて入力データの内容を解析し、画像データ13を生成するものである。図7に示す矢印は、解析処理部12の処理によって発生するデータや各種の制御情報の流れを表している。入力データ解析部120は、文書データ11の内容を解析し、このデータを「テキスト」、「グラフィクス」および「イメージ」などのオブジェクト種類毎に分離し、これらをそれぞれテキスト処理部121、グラフィクス処理部122およびイメージ処理部123に供給する。この入力データ解析部120による解析結果に基づいて、分離されたデータにはタグ情報が付加される。例えば、テキスト処理部121に供給されたデータに対しては、このデータが「テキスト」オブジェクトであることを示すタグ情報(すなわち「1」)が付加される。
なお、図9に示した状態とは異なり、それぞれの部分領域に含まれる外接矩形が互いに接しない場合には、上述した結合処理は行われない。このとき、それぞれの部分領域に1つの外接矩形が生成されれば、ページ全体の外接矩形の数は4個となる。
次に、本実施形態の多値画像生成部14の動作について説明する。上述したように、多値画像生成部14は、多値画像情報、位置情報およびサイズ情報を含んだ多値画像データ16を生成する。まず、多値画像生成部14は、ページ単位の多値画像データ16の生成に際して、画像データ13から多値画像データ16の生成対象となるオブジェクトに属するタグ情報と外接矩形情報とを取得する。ここで、多値画像データ16の生成対象となるオブジェクトは「イメージ」オブジェクトと「グラデーション」オブジェクトであるとする。これらのデータを用いて、多値画像生成部14は多値画像データ16の位置情報とサイズ情報とを算出する。
以上のようにして、多値画像生成部14は多値画像データ16の生成対象となるオブジェクトから多値画像情報、位置情報およびサイズ情報を求め、これを多値画像データ16として出力する。
続いて、本実施形態の2値画像生成部15の構成と動作について説明する。上述の図2に示したように、2値画像生成部15は、それぞれの色毎に1つの2値画像データ17を生成する。この2値画像データ17は、1ビットの2値画像情報と、この2値画像情報の色情報、位置情報およびサイズ情報とを含んでいる。つまり、図3のように、「黒」と「赤」の「テキスト」オブジェクトおよび「グラフィクス」オブジェクト(ここでは「ベタ領域」とする)が存在する場合には、2値画像生成部15は少なくとも2つ以上の2値画像データ17を生成する。
図12の画像データ13は、「黒」のテキストオブジェクトTx1と、「青」のテキストオブジェクトTx2と、「赤」のグラフィクスオブジェクトGr1と、「黒」のグラフィクスオブジェクトGr2と、「黒」のグラフィクスオブジェクトGr3とを含んでいる。また、これらのオブジェクト以外の領域は、すべてバックグラウンドオブジェクトとなっている。バックグラウンドオブジェクトの色情報は「白」とする。
ページ単位の2値画像データ17の生成に際して、はじめに2値画像生成部15のエッジ保存部150は、画像データ13からエッジデータを取得し、これを例えばRAMに記憶して保存する。図12に示した画像データ13が入力された場合には、エッジデータは図13(A)のように記憶される。例えば、y=0のスキャンラインのエッジデータは、SX=0,EX=9のバックグラウンドオブジェクト(B)であるエッジ構造体により構成されている。また、y=1のスキャンラインのエッジデータは、SX=0,EX=0のバックグラウンドオブジェクト(B)であるエッジ構造体と、SX=1,EX=3のグラフィクスオブジェクト(G)であるエッジ構造体と、SX=4,EX=6のバックグラウンドオブジェクト(B)であるエッジ構造体と、SX=7,EX=7のテキストオブジェクト(T)であるエッジ構造体と、SX=8,EX=9のバックグラウンドオブジェクト(B)であるエッジ構造体とにより構成されている。
続いてエッジ保存部150は、2値画像データ17の生成対象となるオブジェクトに属するエッジ構造体を特定し、2値画像データ17の生成対象とならないエッジ構造体については削除する。この処理は、例えば図12に示した画像データ13に対して行う場合であれば、バックグラウンドオブジェクトを示すタグ情報を有するエッジ構造体を削除する処理である。これを示したのが図13(B)である。エッジ保存部150がこれらの処理を行う処理単位は、例えばページ単位であってもよいし、所定の1ないし複数のスキャンライン毎であってもよい。
また、別の例としては、例えば図13(C)のエッジデータにおいて、データ出力部152が「黒」の色情報CLを有するエッジ構造体の検出を2回行う手法が挙げられる。この場合、1回目の検出ではイメージ矩形の決定を行い、2回目の検出で実際にデータの出力を行う。この方法では、2回目の処理を効率よく行うために、エッジの読み出し位置をメモリ等の別の記憶領域に記憶することもできる。すなわち、図13(C)では、「黒」の色情報CLを有するエッジ構造体の始まる位置として、y=1は1番目のエッジ、y=2は1番目のエッジ、y=3はエッジなし、y=4は1番目のエッジ、y=5は1番目のエッジ、という情報を記述したテーブルを作成しておき、2回目の読み出しでは、このテーブルを参照して、テーブルに示された位置から読み出すことでデータを取得するものである。
この他にも、エッジデータから2値画像を生成するにあたり、2値画像の位置とサイズを決定する手法にはさまざまなものが考えられる。すなわち、本発明においては、2値画像の位置とサイズを決定する手法は限定されるものではない。また、本発明においては、2値画像領域は、対象とするエッジ構造体群を含む最小面積の矩形に限定されるものではなく、例えば、後段の各種の画像処理のために、周囲にある程度の余白を持たせた画像として生成してもよい。
また、タグ情報TGをソートキーとしてソート処理を行う際に、あらかじめタグ情報TGを適切に設定しておくことで、例えばテキストオブジェクトの2値画像データをグラフィクスオブジェクトの2値画像データよりも必ず先に生成するといった動作を行わせることもできる。これは、ソート処理がタグ情報TGに対して昇順で行われる場合、テキストオブジェクトに対応するタグ情報TGをグラフィクスオブジェクトに対応するタグ情報TGよりも小さな値を設定しておくことで実現される。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。以下にその例をいくつか示す。
上述の実施形態においては、パーソナルコンピュータによって画像処理装置10を実現する場合について説明したが、これに限らず、例えばプリンタ等の画像出力装置やいわゆる複合機等の画像形成装置が、この画像処理装置10と同等の機能を備えていてもよい。また、コンピュータと画像形成装置が連携することで画像処理装置10と同等の機能を実現するようにしてもよい。そして、画像処理装置10が動作するための制御プログラムPRG1は、CPU等の演算装置によって読み取り可能な磁気記録媒体、光記録媒体あるいはROMなどの記録媒体に記録して提供することができる。また、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードさせることももちろん可能である。
Claims (4)
- 複数種類のオブジェクトによって構成された文書データを記憶する記憶部と、
記憶した前記文書データを構成する前記複数種類のオブジェクトのうちのあらかじめ決められたオブジェクトを、当該文書データの各スキャンライン上に存在する当該オブジェクトの色および位置を表すエッジ構造体によって構成された画像データに変換する解析処理部と、
前記解析処理部によって得られた画像データを保存するエッジ保存部と、
前記エッジ保存部に保存されている画像データを構成するエッジ構造体のうち、同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体どうしが互いに隣り合うように並び替えるエッジソート部と、
前記エッジソート部によって並び替えられたエッジ構造体のうちの同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体によって表される画像を2値で表現した2値画像データを生成して出力するデータ出力部と
を備える画像処理装置。 - 前記エッジ構造体は、オブジェクトの色および位置に加えてオブジェクトの種類を表しており、
前記エッジソート部は、前記エッジ保存部に保存されている画像データを構成するエッジ構造体のうち、同一種類かつ同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体どうしが隣り合うように並び替え、
前記データ出力部は、前記エッジソート部によって並び替えられたエッジ構造体のうちの、同一種類かつ同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体によって表される画像を2値で表現した2値画像データを生成して出力する
請求項1記載の画像処理装置。 - コンピュータを、
記憶部に記憶された文書データを構成する複数種類のオブジェクトのうちのあらかじめ決められたオブジェクトを、当該文書データの各スキャンライン上に存在する当該オブジェクトの色および位置を表すエッジ構造体によって構成された画像データに変換する解析処理部と、
前記解析処理部によって得られた画像データを保存するエッジ保存部と、
前記エッジ保存部に保存されている画像データを構成するエッジ構造体のうち、同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体どうしが互いに隣り合うように並び替えるエッジソート部と、
前記エッジソート部によって並び替えられたエッジ構造体のうちの同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体によって表される画像を2値で表現した2値画像データを生成して出力するデータ出力部
として機能させるためのプログラム。 - 前記エッジ構造体は、オブジェクトの色および位置に加えてオブジェクトの種類を表しており、
前記エッジソート部は、前記エッジ保存部に保存されている画像データを構成するエッジ構造体のうち、同一種類かつ同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体どうしが隣り合うように並び替え、
前記データ出力部は、前記エッジソート部によって並び替えられたエッジ構造体のうちの、同一種類かつ同一色のオブジェクトを表すエッジ構造体によって表される画像を2値で表現した2値画像データを生成して出力する
請求項3記載のプログラム。
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