JP4373753B2 - ガス除去フィルタ用ろ材 - Google Patents

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本発明は、例えば、半導体製造工場や精密電子製造工場のクリーンルーム、クリーンルーム内で使用される装置(デバイス)、もしくは、医療用等に用いられるクリーンベンチに使用されるケミカル用のガス除去フィルタまたは博物館の絵画等の変質を防止する目的で使用されるガス除去フィルタ等に用いられるガス除去フィルタ用ろ材に関するものである。
従来、合成吸着剤として用いられるイオン交換樹脂は、架橋性ビニルモノマーであるジビニルベンゼン等と、非架橋性ビニルモノマーであるスチレン等を水性分散媒体中に分散して共重合させた樹脂が一般的に用いられている(例えば、特許文献1)。前記合成吸着剤は、特定のイオンを選択的に吸着できるように製造されたものである。
このような、合成吸着剤としてイオン交換樹脂を固着した気体浄化用のろ材の製造方法としては、イオン交換基を化学結合させたイオン交換樹脂とパルプ状繊維と熱溶融繊維を共に抄紙してろ材を製造する方法(例えば、特許文献2)や、接着剤を塗布した基材上に粒子状のイオン交換樹脂を散布してイオン交換樹脂を基材に固着してろ材を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
また、単位体積当たりのガス吸着量を増大させるため、大量のイオン交換樹脂を基材に固着させたろ材の製造方法として、イオン交換樹脂を接着剤で固着した基材を何層か積層してろ材とする方法や、基材に接着剤で固着したイオン交換樹脂の上からさらに接着剤を塗布してさらにイオン交換樹脂を固着してろ材とする方法が取られている。
特開平5−156068号公報 特開2001−259339号公報 特開2000−350913号公報
しかしながら、合成吸着剤として用いられるイオン交換樹脂のうち、アニオン交換樹脂は耐熱性が低く、加熱や乾燥を行うとアニオン交換樹脂からイオン交換基が脱離し、脱離したイオン交換基がアミン臭の原因となるアミンガスとして発生するという問題があった。特許文献2のように、イオン交換樹脂をパルプ繊維と接着剤とともに抄紙して固着する方法にあっては、湿潤状態のイオン交換樹脂を事前に乾燥して分散性を良くする必要はないものの、抄紙後に、事前に湿潤状態のイオン交換樹脂を乾燥させるよりもさらに多くの水分を含む抄紙シートを低温で長時間乾燥する必要があり、抄紙シート中のアニオン交換樹脂からトリメチルアミン等のイオン交換基が脱離し、アミンガスが発生するという問題があった。
また、特許文献3のように、接着剤を塗布した基材上にイオン交換樹脂を固着する方法にあっては、基材上にイオン交換樹脂を均一に散布して固着するため、予めイオン交換樹脂を乾燥や加熱して水分率を下げて分散性を良くする必要があり、乾燥や加熱によってアニオン交換樹脂中のイオン交換基が脱離し、アミンガスの発生量が多くなるという問題があった。また、接着剤に含まれる低分子量の揮発性有機物も発ガスの原因となり、ガス発生量が多くなるという問題があった。また、大量のイオン交換樹脂を接着剤で固着した基材を何層か積層する方法においては、経済的ではなく、接着剤の量も増加するため、ガス発生量も増加した。さらに、大量のイオン交換樹脂を接着剤の量を増やして固着した場合、単位体積当たりのイオン交換樹脂の量は増えるものの、イオン交換樹脂の表面のうち多くの部分が接着剤で覆われてしまい、イオン除去効率が低減するという問題もあった。
そこで、本発明は、少なくともアニオン交換樹脂を含有するガス除去フィルタにおいて、アニオン交換樹脂の分散性を保持しつつ、2次汚染の原因になるアミンガス発生量を所定値以下としたイオン除去フィルタ用ろ材を提供することを課題とする。
本発明のガス除去フィルタ用ろ材は、請求項1に記載の通り、少なくともアニオン交換樹脂を含有するガス除去フィルタ用ろ材であって、アミンガス発生量が0.05μg/m3以下であり、前記アニオン交換樹脂は水分率が25〜40%の湿潤アニオン交換樹脂であり、前記湿潤アニオン交換樹脂を疎水性ポリマーで被覆したことを特徴とする。
また、請求項2記載のガス除去フィルタ用ろ材は、前記請求項1記載のガス除去フィルタ用ろ材において、前記アニオン交換樹脂を通気性基材にホットメルト樹脂を介在させて固着してなることを特徴とする。
また、請求項3記載のガス除去フィルタ用ろ材は、前記請求項2記載のガス除去フィルタ用ろ材において、前記ホットメルト樹脂がパウダー状であることを特徴とする。
本発明のガス除去フィルタ用ろ材において、アミン臭の原因となるアミンガス発生量が0.05μg/m3以下であり、発ガス対応が十分になされている。
すなわち、本発明のガス除去フィルタ用ろ材は、少なくともアニオン交換樹脂を含有するガス除去フィルタ用ろ材において、前記アニオン交換樹脂として、例えば、水分率が25〜40質量%の湿潤アニオン交換樹脂を用いることにより、湿潤状態のアニオン交換樹脂であっても、塊状とならず、基材への分散性を保持しつつ、アミンガスの原因となるイオン交換基の脱離を少なくし、アミンガス発生量を低減することができる。また、前記湿潤アニオン交換樹脂を疎水性ポリマーで被覆すると、湿潤アニオン交換樹脂の水分率を保った状態で、個々の湿潤アニオン樹脂の粒子が疎水性ポリマーで被覆されて分離しやすくなるため、分散性が向上する。
また、低分子量の揮発性有機物の含有量が少ないホットメルト樹脂を介在させてイオン交換樹脂を通気性基材に固着すると、ろ材全体の発ガス量を低減することができる。さらに、前記ホットメルト樹脂としてパウダー状のものを用いると、通常の接着剤のように、基材上に平面的に塗布された接着剤とイオン交換樹脂とが平面的に固着するのではなく、イオン交換樹脂とイオン交換樹脂との間にパウダー状のホットメルト樹脂が部分的に介在した状態で固着されるため、イオン除去効率の低下がなく、大量のイオン交換樹脂を強固に基材上に固着できる。
本発明のガス除去フィルタ用ろ材は、アミンガス発生量が0.05μg/m3以下である。前記ガス除去フィルタ用ろ材は、少なくともアニオン交換樹脂を含有するガス除去フィルタ用ろ材において、前記アニオン交換樹脂として、水分率が25〜40%の湿潤アニオン交換樹脂を用いることにより、乾燥により脱離したイオン交換基を多く含む乾燥状態のアニオン交換樹脂を用いた場合と比較して、イオン交換基の脱離が少なく、脱離したイオン交換基を起因とするアミンガス発生量を低減することができる。また、湿潤アニオン交換樹脂の水分率が25〜40%であると、湿潤状態であっても、アニオン交換樹脂が塊状とならず、分散性が保持され、基材に均一に散布することができる。アニオン交換樹脂の水分率が25%未満であると、アニオン交換樹脂中に含まれる脱離したイオン交換基の量が多くなり、アミンガス発生量が多くなるため好ましくない。また、イオン交換樹脂の体積当たりのイオン交換容量は架橋度(水分率)により異なり、水分率が高い方がガス除去効率が増えるため好ましいが、水分率が40%を超えると、湿潤アニオン交換樹脂の分散性が低下するため好ましくない。
本発明において使用されるアニオン交換樹脂としては、公知のイオン交換可能なアニオン交換基(−NH2、−N+R3基、但し、Rはアルキル基)を持つアニオン交換樹脂を用いることができる。
また、本発明のガス除去フィルタ用ろ材に含有するイオン交換樹脂としては、湿潤状態のアニオン交換基樹脂のみならず、イオン交換基が脱離していない乾燥状態のアニオン交換樹脂、または、カチオン交換基(−COOH、−SO3H等)を持つ湿潤状態のカチオン交換樹脂もしくは乾燥状態のカチオン交換樹脂のいずれか1種または複数種選択して、湿潤アニオン交換樹脂の水分率が前記水分率となるように使用することもできる。アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を併用して使用した場合、ガス中のカチオン・アニオンイオンを同時に処理することができ、有用だからである。
また、湿潤アニオン交換樹脂、乾燥アニオン交換樹脂、湿潤カチオン交換樹脂、乾燥カチオン交換樹脂を適宜選択して併用して使用することによって、ガス除去フィルタ用ろ材に含まれる湿潤アニオン交換樹脂の水分率を前記水分率となるように調製することができる。
また、前記湿潤アニオン交換樹脂が疎水性ポリマーで被覆されていることが好ましい。疎水性ポリマーで被覆されていると、前記湿潤アニオン交換樹脂の水分率を保った状態で個々の湿潤アニオン交換樹脂が分離しやすくなり、分散性が向上する。疎水性ポリマーを被覆する方法としては、粉末状の疎水性ポリマー中に前記湿潤アニオン交換樹脂を混合攪拌することにより、前記湿潤アニオン交換樹脂の表面に前記疎水性ポリマーを被覆させることができる。
前記疎水性ポリマーとしては、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル共重合体、アイオノマー樹脂(エチレン−メタクリル酸共重合体に金属を付与した感熱性樹脂)等のポリオレフィン変性樹脂、およびこれら2種類以上の複合物等を用いることができる。
また、本発明のガス除去フィルタ用ろ材は、イオン交換樹脂を通気性基材にホットメルト樹脂を介在させて固着することが好ましい。ホットメルト樹脂は、発ガスの原因となる低分子量の揮発性有機物の含有量が少なく、ガス除去フィルタ用ろ材全体の発ガス量を少なくすることができるからである。また、パウダー状のホットメルト樹脂を介在させて固着することがより好ましい。ホットメルト樹脂がパウダー状であると、通気性基材上に散布したイオン交換樹脂とイオン交換樹脂との間にパウダー状のホットメルト樹脂が部分的に介在し、通気性基材とイオン交換樹脂を平面的に固着するのみならず、イオン交換樹脂とイオン交換樹脂の表面に部分的に介在したパウダー状のホットメルト樹脂が3次元的にイオン交換樹脂を固着するため、イオン除去効率を低減することなく、大量のイオン交換樹脂を強固に通気性基材に固着することができる。
前記ホットメルト樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリエチレン樹脂、熱可塑性ナイロン樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル共重合体、アイオノマー樹脂(エチレン−メタクリル酸共重合体に金属を付与した感熱性樹脂)等のポリオレフィン変性樹脂、およびこれら2種類以上の複合物等のホットメルト樹脂が挙げられる。特に発ガス量抑制のため熱可塑性ポリエステル樹脂のホットメルト樹脂が好ましい。
本発明に用いられる通気性基材としては、熱可塑性樹脂等の合成繊維からなる不織布が好ましく、例えば、乾式法、湿式法、スパンレース法、スパンボンド法、メルトブロー法等の方法により製造されるものが好ましい。また、前記通気性基材が起毛を施したものであってもよい。なお、通気性基材に起毛が施されていると、起毛によって前記湿潤アニオン交換樹脂散布時の分散性が向上し、また、イオン交換樹脂と通気性基材の固着強度が増し、湿潤アニオン交換樹脂が空間的に接着され、除去対象となるガスとの接触がよくなるため、前記湿潤アニオン交換樹脂の利用効率が向上する。起毛方法は、特に制限されないが、表面を引っ掻くための無数の針、あるいは、ブラシが周囲に植立されたドラム間を通過させて、通気性基材を起毛することができる。
また、本発明のガス除去フィルタ用ろ材に、イオン交換樹脂では吸着しにくいガス中の塵埃等の物質を除去する機能を有する物質を用いて機能性を付与してもよい。例えば、活性炭等をイオン交換樹脂と混合して通気性基材に固着してもよく、イオン交換樹脂を固着した通気性基材に活性炭シートや除塵シートを積層して使用してもよい。その他、例えば、静電気力を付与させたエレクレット繊維、PTFE繊維等を通気性基材を構成する繊維中に混合して通気性基材としてもよく、前記エレクレット繊維等からなるシートを、イオン交換樹脂を固着した通気性基材と積層して使用してもよい。
次に、図面に基づき本発明のガス除去フィルタ用ろ材の製造方法について説明
する。
図1は、本発明のガス除去フィルタ用ろ材を製造するための製造ラインの説明図である。ロール状に巻回された通気性基材1aは、送りベルト10によって巻き戻されながら起毛装置11を通過し、前記通気性基材1aの一面に起毛1bが施される。この起毛1bが施された通気性基材1aの一面にロール散布機12により湿潤アニオン交換樹脂2を散布し、次いで、ロール散布機13によりホットメルト樹脂3を散布する。
ロール式散布機12は、図2の拡大図に示すように、ホッパー12aの下部に一対のブラシロール12bと溝付きロール12cを配置し、これらの対向回転するロール12b,12c間から湿潤アニオン交換樹脂2を散布するようにしたものである。なお、図中12dは湿潤アニオン交換樹脂2の幅方向の散布量を均一に調整するスクレーパ、12eは、湿潤アニオン交換樹脂2を均一分散させるための網を示すものである。ホットメルト樹脂3を散布するロール式散布機13も、網12e、およびスクレーパ12dを設けていないこと以外は、略同一の構成となっている。
起毛1bが施された一面に湿潤アニオン交換樹脂2とホットメルト樹脂3が均一に分散された通気性基材1aは、予熱ランプ14で予熱され、その後、ロール状に巻回された通気性基材1a’が圧着ローラ15によって巻き戻されて、前記通気性基材1aに被せられ、これらの積層状態の通気性基材1a,1a’が、前記圧着ローラ15の加熱圧着部15aによって加熱圧着され、冷却ローラ15bによって冷却され、スリッター16によってスリットを入れられた後、ローラ状に巻回して、ガス除去フィルタ用ろ材20とする。
なお、通気性基材1aに起毛を施さない場合は、起毛装置11を設けなくてもよい。
前記製造方法によって、図3に得られたガス除去フィルタ用ろ材20の拡大断面図を示す。ガス除去フィルタ用ろ材20は、積層状態の通気性基材1a,1a’間において、起毛1bによって、湿潤アニオン交換樹脂2は3次元的に均一に分散され、ホットメルト樹脂3によって前記通気性基材1a,1a’間において固着されている。
以下に本発明の実施例を比較例とともに説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
湿潤アニオン交換樹脂として粒径300〜1300μmの重炭酸スチレン系イオン交換樹脂を用いた。前記アニオン交換樹脂は次のように調製した。すなわち、三菱化学株式会社製のDIAION(登録商標)の粒状強塩基性アニオン樹脂SA10のCl型を樹脂量に対して10倍量の4%水酸化ナトリウム水溶液を通液し、脱塩水で水洗し、OH型樹脂とした。その後、5倍量の5%重炭酸ナトリウム水溶液を通液し、さらに脱塩水で水洗し、重炭酸型樹脂とし、水分率35%になるように調製した。カチオン交換樹脂として、粒径300〜1300μmのH型スチレン系イオン交換樹脂を用いた。前記カチオン交換樹脂は次のように調製した。すなわち、三菱化学株式会社製のDIAION(登録商標)の粒状強酸性カチオン樹脂SKT10のH型を水分率20%となるように調製した。
前記湿潤アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合して使用し、通気性基材として、熱可塑性ポリエステル樹脂繊維からなるポリエステル不織布に起毛を施し、前記通気性基材の起毛を施した面に前記湿潤アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を分散して目付量400g/m2となるように均一にロール式散布機で散布し、その後、同起毛した面に前記イオン交換樹脂に対して、ホットメルト樹脂として、パウダー状のポリエステル樹脂を前記イオン交換樹脂に対して10質量%をロール式散布機で散布した。その上から起毛を施していない前記通気性基材を被せ、積層シート化し、湿潤アニオン交換樹脂の水分率が31%の図3に示すようなガス除去フィルタ用ろ材を得た。
(実施例2)
実施例1と同様の湿潤アニオン交換樹脂を水分率55%に調製し、前記湿潤アニオン交換樹脂と実施例1と同様のカチオン交換樹脂とを混合して使用したこと以外は、実施例1と同様にして、湿潤アニオン交換樹脂の水分率が49%のガス除去フィルタ用ろ材を得た。
(実施例3)
実施例1と同様に湿潤アニオン交換樹脂を水分率35%に調製し、前記湿潤アニオン交換樹脂と実施例1と同様のカチオン交換樹脂に、疎水性ポリマーとして粉末状のポリエステル樹脂を混合し、疎水性ポリマーで被覆された湿潤アニオン交換樹脂と乾燥カチオン交換樹脂を、目付量400g/m2となるように、実施例1と同様の通気性基材上に均一に散布し、実施例1と同様にして、湿潤アニオン交換樹脂の水分率が31%のガス除去フィルタ用ろ材を得た。
(実施例4)
実施例1と同様に湿潤アニオン交換樹脂を水分率40%に調製し、前記湿潤アニオン交換樹脂と実施例1と同様のカチオン交換樹脂とを混合して使用したこと以外は、実施例1と同様にして、湿潤アニオン交換樹脂の水分率が35%のガス除去フィルタ用ろ材を得た。
(実施例5)
実施例1と同様の湿潤アニオン交換樹脂を水分率35%に調製し、実施例1と同様のカチオン交換樹脂を水分率55%に調製し、前記湿潤アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混合して使用したこと以外は、実施例1と同様にして、湿潤アニオン交換樹脂の水分率が42%のガス除去フィルタ用ろ材を得た。
(比較例1)
実施例1と同様のアニオン交換樹脂を水分率20%に調製し、実施例1と同様のカチオン交換樹脂を水分率20%に調製し、前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混合して使用したこと以外は、実施例1と同様にして、湿潤アニオン交換樹脂の水分率が20%のガス除去フィルタ用ろ材を得た。
(比較例2)
実施例1と同様のアニオン交換樹脂を水分率20%に調製し、実施例1と同様のカチオン交換樹脂を水分率55%に調製し、前記アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混合して使用したこと以外は、実施例1と同様にして、アニオン交換樹脂の水分率が35%のガス除去フィルタ用ろ材を得た。
前記実施例1〜5、および比較例1〜2のガス除去フィルタ用ろ材のガス発生量、アミンガス発生量、分散性、アニオンイオン、およびカチオンイオンの除去効率を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
[ガス発生量]
ガス発生量は、ろ材を3枚重ねてエアを通風した際の前記ろ材の上流、および下流のエアを吸着剤に捕集し、GC−MSにてガス濃度を測定した。
[アミンガス発生量]
アミンガス発生量は、ろ材を3枚重ねてエアを通風した際の前記ろ材の上流、および下流のエアを超純水でバブリング捕集し、イオンクロマトグラフにてアミンガス濃度を測定した。
[分散性]
分散性は、目視で観察し、分散性がよい場合は○とし、分散性が悪い場合は×とした。また、分散性が非常によい場合は◎とした。
[アニオンイオン、およびカチオンイオン除去効率]
アニオンイオンは、SO2(約100ppb)を通過した際の、ろ材上下流側エアを超純水にバブリング捕集し、イオンクロマトグラフにてSO4 2-濃度を分析し、効率を算出した。カチオンイオンは、NH3(約100ppb)を通風した際の、ろ材上下流側エアを超純水にバブリング捕集し、イオンクロマトグラフにてNM4 +濃度を分析し、効率を算出した。
Figure 0004373753
表1から明らかなように、実施例1〜5の湿潤アニオン交換樹脂を含有しているガス除去フィルタ用ろ材は、アミンガス発生量が0.05μg/m3以下と非常に低くなっていることが確認できた。また、イオン除去効率も良好であり、イオン交換基の脱離が少ないことが推測できた。しかしながら、比較例1のように、アニオン交換樹脂の水分率が20%以下になるとアミンガス発生量が増加し、アニオンイオンの除去効率も低減しているため、アニオン交換樹脂からイオン交換基が脱離していることが推測された。
また、実施例1、3、および4のように湿潤アニオン交換樹脂の水分率が25〜40%であると、イオン交換樹脂の分散性は良好であった。さらに、実施例3のようにイオン交換樹脂を疎水性ポリマーで被覆させたものは、分散性が非常に良好であった。一方、実施例2、5のように湿潤アニオン交換樹脂の水分率が40%を超えると、分散性が悪くなっていた。
また、実施例1〜5のように、低分子量の揮発性有機物の含有量の少ないホットメルト樹脂を用いるとガス発生量が30μg/m3以下と低く、ガス発生量が低減されていることを確認した。一方、比較例2のように、アクリル系バインダを用いると、ガス除去フィルタ用ろ材全体のガス発生量が大幅に増加していた。
本発明のガス除去フィルタ用ろ材を製造するための製造ラインの一例の説明図 同製造ラインで使用されるロール式散布機の拡大説明図 本発明のガス除去フィルタ用ろ材の拡大断面図
符号の説明
1a 通気性基材
1a’ 通気性基材
1b 起毛
2 イオン交換樹脂
3 ホットメルト樹脂
10 送りベルト
11 起毛装置
12 ロール式散布機
12a ホッパー
12b ブラシロール
12c 溝付きロール
12d スクレーパ
13 ロール式散布機
14 予熱ランプ
15 圧着ローラ
15a 加熱圧着部
15b 冷却ローラ
16 スリッター
20 ガス除去フィルタ用ろ材

Claims (3)

  1. 少なくともアニオン交換樹脂を含有するガス除去フィルタ用ろ材であって、アミンガス発生量が0.05μg/m3以下であり、前記アニオン交換樹脂は水分率が25〜40%の湿潤アニオン交換樹脂であり、前記湿潤アニオン交換樹脂を疎水性ポリマーで被覆したことを特徴とするガス除去フィルタ用ろ材。
  2. 前記アニオン交換樹脂を通気性基材にホットメルト樹脂を介在させて固着してなることを特徴とする請求項1記載のガス除去フィルタ用ろ材。
  3. 前記ホットメルト樹脂がパウダー状であることを特徴とする請求項2記載のガス除去フィルタ用ろ材。
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