JP4371333B2 - 位相差板の製造方法、光学部材及び液晶表示装置 - Google Patents

位相差板の製造方法、光学部材及び液晶表示装置 Download PDF

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【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、液晶表示装置の視野角やコントラストの改善に好適な位相差板を精度よく製造できる方法、及びその位相差板を用いた光学部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶セルの複屈折による位相差を補償して液晶表示装置の視野角の拡大やコントラストの向上を達成しうる位相差板の製造方法として、熱可塑性フィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下に延伸処理する方法が知られていた(特開平5−157911号公報)。かかる延伸処理後の熱収縮性フィルムは、得られた位相差板より剥離される。
【0003】
前記の方法によれば、積層して用いることが必要な一軸延伸フィルムの場合の生産性やコストでの不利や、二軸延伸ポリスチレンフィルム等の場合の耐熱性に乏しくて液晶表示装置の形成に不向きな点などを克服することができる。しかしながら従来の方法では、熱収縮性フィルムの収縮が先行して接着界面にズレや剥がれが発生し、熱可塑性フィルムに対する収縮力が不足して変形制御が難しく得られる位相差板の位相差精度に乏しい問題点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】
本発明は、熱収縮性フィルムの収縮力を熱可塑性フィルムに効率よく伝達できて変形を容易に制御でき、位相差精度に優れる位相差板を得ることができる製造方法の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
本発明は、初期寸法を基準とした収縮開始温度をTi、熱可塑性フィルムのガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−0≦Tiを満足する熱収縮性フィルムを無配向の熱可塑性フィルムの片面又は両面に接着し、加熱によるその熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に前記熱可塑性フィルムを少なくとも縦横の一方向に延伸又は収縮させたのち当該熱収縮性フィルムを剥離することを特徴とする位相差板の製造方法を提供するものである。
【0006】
また本発明は、前記の製造方法による位相差板と偏光板との積層体からなることを特徴とする光学部材、及び前記の製造方法による位相差板又はそれと偏光板を液晶セルの少なくとも片側に有することを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、熱収縮性フィルムの収縮先行による接着界面でのズレや剥がれを抑制して、熱可塑性フィルムが変形しやすい温度で熱収縮性フィルムの収縮力を効率よく付与でき、液晶の複屈折を補償して視角による表示色やコントラストの変化等を防止するために要求される例えばnx<nzの特性、すなわちnz>nx>nyの屈折率特性を満足する良耐熱性の位相差板などもnx>nyの熱可塑性フィルムを用いて効率よく得ることができる。なお前記のnx、nyは面内の主屈折率、nzは厚さ方向の主屈折率を意味する(以下同じ)。
【0008】
前記の結果、熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に熱可塑性フィルムの変形を容易に制御して位相差を高度に調節した位相差板を効率よく得ることができ、それを用いて液晶セルの複屈折による位相差を高度に補償した視野角やコントラストに優れる液晶表示装置を得ることができる。
【0009】
【発明の実施形態】
本発明による製造方法は、初期寸法を基準とした収縮開始温度をTi、熱可塑性フィルムのガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−0≦Tiを満足する熱収縮性フィルムを無配向の熱可塑性フィルムの片面又は両面に接着し、加熱によるその熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に前記熱可塑性フィルムを少なくとも縦横の一方向に延伸又は収縮させたのち当該熱収縮性フィルムを剥離して位相差板を得るものである。
【0010】
位相差板の母体となる熱可塑性フィルムとして、光透過性の適宜な熱可塑性樹脂からなる無配向のフィルム用いられる。就中、光透過率が75%以上、特に85%以上の透光性に優れるフィルムが好ましい。また耐熱性に優れる位相差板を得る点よりは、延伸方向の屈折率が高くなる正の複屈折特性を示すポリマーからなるものが好ましく用いられる。
【0011】
ちなみに前記した正の複屈折特性を示すポリマーの例としてはポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの如きポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ノルボルネン系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンなどがあげられる。
【0012】
熱可塑性フィルムは、例えば流延法等のキャスティング法や、押出法などの適宜な方式で形成したものであってよい。キャスティング法等の溶液製膜法が厚さムラや配向歪ムラ等の少ないフィルムを得る点などより好ましい。熱可塑性フィルムは、バッチ処理用の規定サイズにて用いることもできるし、連続製造を目的に長尺フィルムとして用いることもできる。
【0013】
熱可塑性フィルムの厚さは、目的とする位相差板の位相差特性などにより適宜に決定することができる。一般には5〜500μm、就中10〜400μm、特に20〜300μmの厚さとされる。位相差は、屈折率差(△n)と光路長(L)の積(△n×L)として求めることができる。
【0014】
熱可塑性フィルムの片面又は両面に接着する熱収縮性フィルムは、その加熱による収縮力を熱可塑性フィルムに伝達してその収縮力の作用下に熱可塑性フィルムを縦又は横の一方向又は両方向に延伸又は収縮させてその位相差特性、特に厚さ方向の屈折率を制御することなどを目的とし、本発明においては初期寸法を基準とした収縮開始温度をTi、熱可塑性フィルムのガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−0≦Tiを満足する熱収縮性フィルムが用いられる。
【0015】
すなわち図1に例示した曲線の如く、熱収縮性フィルムの加熱収縮処理では通例、温度上昇による熱膨張で初期の寸法よりも長さを増したのち収縮を開始して寸法が初期よりも短くなる挙動を示す。その場合に、本発明にては膨張後の収縮でその寸法が初期と同じとなる温度を収縮開始温度Tiと定義し、そのTiと熱可塑性フィルムのTgが式:Tg−0≦Tiを満足する熱収縮性フィルムが用いられる。
【0016】
熱収縮性フィルムの収縮力の伝達による熱可塑性フィルムの効率的な変形性、ひいては位相差制御の高度化などの点より前記したTg−50≦Tiを満足する熱収縮性フィルムが用いられる。なお熱可塑性フィルムに均一な配向を付与する点よりは、熱収縮力がフィルム全面で可及的に均一で表面平滑性に優れる熱収縮性フィルムが好ましく用いられる。
【0017】
熱収縮性フィルムは、前記のTi条件を満足するものであればよく、従って例えばポリ塩化ビニルやポリエチレン、ポリプロピレンやポリエステル、ポリスチレンやポリアミドの如き熱可塑性樹脂からなるフィルムの一軸や二軸等による延伸フィルムなどの、加熱処理にて収縮性を示す適宜なものを用いることができ、特に限定はない。就中、位相差の制御性などの点より正の複屈折特性を示すポリマーからなるものが好ましく用いられる。熱収縮力は、熱可塑性樹脂の種類や延伸倍率等の延伸条件などにより相違させることができる。
【0018】
熱可塑性フィルムと熱収縮性フィルムの接着処理は、熱収縮性フィルムの加熱収縮力の伝達が可能な適宜な方式で行いうる。収縮処理後の容易な分離性などの点よりは粘着層を介した接着方式が好ましい。熱収縮性フィルムと熱可塑性フィルムの接着力は、適宜に決定しうるが一般には加熱収縮力の伝達性や収縮処理後の容易な分離性などの点より、常温でのT型剥離に基づいて45〜200gf/50mm、就中48〜190gf/50mm、特に50〜180gf/50mmが好ましい。
【0019】
なお前記の粘着層を形成する粘着剤については、特に限定はなく例えばアクリル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系やゴム系などの適宜なものを用いることができる。就中、熱収縮性フィルムの加熱収縮処理で接着力が可及的に上昇しにくいものが好ましい。
【0020】
粘着層は、熱可塑性フィルムと熱収縮性フィルムの接着時にその一方又は両方の接着面に付設することもできるが、予め熱収縮性フィルムに付設した状態で用いることが形成された位相差板と熱収縮性フィルムの分離時における糊残りを防止して製造効率の向上等をはかる点より好ましい。すなわち粘着層を熱収縮性フィルムに随伴させた状態で分離して、形成された位相差板に粘着層が残存することを防止することが製造効率等の点より好ましい。
【0021】
熱収縮性フィルムへの粘着層の付設は、粘着剤を熱収縮性フィルムに塗工して乾燥処理する方式などにても行いうるが、その乾燥処理等による熱収縮性フィルムの収縮特性の変化を防止する点などよりは、セパレータ上に設けた粘着層を熱収縮性フィルムに移着する方式などが好ましい。
【0022】
なお前記のセパレータは、そのまま接着して熱収縮性フィルムを実用に供するまでの間、粘着層の汚染等を防止する保護カバーとして利用することもできる。粘着層を付設する熱収縮性フィルム面には、粘着層との密着力の向上を目的としたコロナ処理等の適宜な表面処理を施すことができる。
【0023】
熱収縮性フィルムは、上記したように目的とする収縮力等に応じて熱可塑性フィルムの片面又は両面に1枚又は2枚以上の適宜な数を接着しうるが、両面に接着する場合や片面に複層を接着する場合には、その表裏や上下における熱収縮性フィルムは、同じものであってもよいし、熱収縮率等の熱収縮特性が相違するものであってもよい。
【0024】
熱可塑性フィルムに接着した熱収縮性フィルムの収縮処理は、ロール延伸機やテンターや二軸延伸機等の適宜な延伸機を介して行うことができる。その処理温度は、熱可塑性フィルムのTg近傍、就中Tgの±20℃以内の温度範囲、特にTg以上で行うことが処理操作の制御性による位相差の高精度化などの点より好ましい。
【0025】
加熱による熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に熱可塑性フィルムに与える処理は、延伸か収縮のいずれかであり、形成目的の位相差板に応じて適宜に決定してよい。また与える処理は、熱可塑性フィルムの縦横方向(長さ方向と幅方向)のいずれか一方であってもよいし、両方であってもよい。両方の方向に処理を与える場合、一方の方向には収縮処理を、他方の方向には延伸処理を与える組合せとすることもできる。前記した熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に熱可塑性フィルムに与える処理は、2回又は3回以上の工程に分けて行うこともできる。
【0026】
本発明による方法は、厚さ方向の屈折率nzを制御して、フィルム面内の屈折率差(nx−ny)による位相差よりも、厚さ方向の屈折率が関係する方向の位相差が大きくなる位相差板の製造などに有利に用いうる。厚さ方向の屈折率の制御は通例、熱可塑性フィルムの縦横方向の少なくとも一方を収縮させる方式などにより行うことができる。特に液晶の複屈折による視角特性を補償する点よりはnz>nx>nyの屈折率特性を満足する位相差板が好ましく用いうる。
【0027】
上記により必要な処理を終えると、形成された位相差板より収縮処理後の熱収縮性フィルムが剥離されてそれらが分離される。得られた位相差板は、そのまま実用に共することもできるし、それにさらに延伸処理等を加えて位相差特性を調節したものとして実用に共することもできる。
【0028】
本発明による好ましい位相差板は、それに限定するものではないが、複屈折による位相差と配向軸のバラツキが可及的に小さく、就中そのフィルム面に垂直な(正面方向の)透過光における位相差のバラツキが10nm以下、特に5nm以下で、配向軸のバラツキが5度以下、特に3度以下に形成されたものである。
【0029】
本発明による位相差板は、その単層物や同種又は異種の積層物などとして液晶セルの視野角の拡大やコントラストの向上などを目的とした複屈折による位相差の補償などに好ましく用いうる。その実用に際しては、例えば位相差板の片面又は両面に粘着層を設けたものや、その粘着層を介して偏光板、又は等方性の透明な樹脂層やガラス層等からなる保護層を接着積層したものなどの適宜な形態の光学部材として適用することもできる。
【0030】
前記した偏光板等との積層は、液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層する方式にても行いうるが、予め積層することにより、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置の製造効率を向上させうる利点などがある。なお接着には適宜な接着剤等を用いうる。就中、上記で例示したものなどの粘着層、特に耐熱性や光学特性などの点よりアクリル系のものが好ましく用いられる。
【0031】
接着層には、必要に応じて例えば天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤や酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。また微粒子を含有させて光拡散性を示す接着層とすることもできる。
【0032】
位相差板と積層する偏光板としては、適宜なものを用いてよく、その例としてはポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルム等からなる偏光フィルムなどがあげられる。
【0033】
また偏光板は、前記した偏光フィルムの片側又は両側に透明保護層を有するものであってもよい。さらに偏光板は、反射層やハーフミラー等を有する反射型や半透過型のものなどであってもよい。反射型の偏光板は、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化をはかりやすいなどの利点を有する。
【0034】
前記の透明保護層は、ポリマーの塗布層や保護フィルムの積層物などとして適宜に形成でき、その形成には透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるポリマーなどが好ましく用いられる。その例としてはポリエステル系樹脂やアセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、あるいはアクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系やシリコーン系等の熱硬化型、ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられる。透明保護層は、微粒子の含有によりその表面が微細凹凸構造に形成されていてもよい。
【0035】
また反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明樹脂層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式で行うことができ、例えば必要に応じマット処理した保護フィルム等の透明樹脂層の片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設したものや、前記透明樹脂層の微粒子含有による表面微細凹凸構造の上に蒸着方式やメッキ方式等の適宜な方式で金属反射層を付設したものなどがあげられる。半透過型偏光板は、前記の反射層をハーフミラー等の半透過型のものとすることにより得ることができる。
【0036】
なお位相差板と偏光板の積層に際して、それらの透過軸や進相軸等の光軸の配置角度については特に限定はなく、適宜に決定することができる。ちなみにSTN型の液晶セルに適用する場合には、45度等の斜め交叉角に配置する場合が多く、TN型の液晶セルに適用する場合には略平行又は略直交の交叉角に配置する場合が多い。
【0037】
位相差板は、その2枚以上を積層して用いうることを上記したが、これは補償効果の向上などを目的とし、その場合に本発明にては本発明によるものとそれ以外の位相差板との積層体とすることもできる。その位相差板としては、例えば上記の熱可塑性フィルムで例示したフィルムの一軸や二軸等による延伸処理物、ディスコティック系やネマチック系等の液晶配向板などの適宜なものを用いうる。
【0038】
上記した位相差板や偏光板、透明保護層や粘着層などの各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせることもできる。
【0039】
本発明による位相差板は、例えば正面方向でのコントラストの低下を防止した斜視方向位相差の打消し補償や、正面方向と斜視方向の位相差の打消し補償等の、TN型やSTN型やπ型等の各種の液晶セルにおける複屈折による視角特性の補償などに好ましく用いうる。
【0040】
前記位相差板を用いての液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学補償用の位相差板、及び必要に応じての偏光板や照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による位相差板を光学補償用のものに用いて、それを必要に応じ偏光板と共に液晶セルの少なくとも片側に設ける点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。
【0041】
従って液晶セルの片側又は両側に偏光板を配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板や半透過型反射板を用いてなる透過型や反射型、あるいは反射・透過両用型などの適宜な液晶表示装置を形成することができる。偏光板を用いた液晶表示装置の場合、光学補償用の位相差板は液晶セルと偏光板、特に視認側の偏光板との間に配置することが補償効果の点などより好ましい。その配置に際しては、上記の光学部材としたものを用いることもできる。
【0042】
前記において液晶表示装置の形成部品は、積層一体化されていてもよいし、分離状態にあってもよい。また液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板やアンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板などの適宜な光学素子を適宜に配置することができる。かかる素子は、位相差板と積層してなる上記した光学部材の形態にて液晶表示装置の形成に供することもできる。
【0043】
本発明による位相差板やそれを用いた光学部材は、視野角の拡大やコントラストの向上などの、液晶セルの複屈折による位相差の補償を目的にTN型やSTN型等の複屈折を示す液晶セルを用いたTFT型やMIM型等の種々の表示装置に好ましく用いうる。その場合、光学補償用の位相差板としては液晶セルの複屈折による位相差を広い視角範囲にわたり補償するものが好ましく用いられる。
【0044】
【実施例】
実施例1
ホスゲンとビスフェノールAの重縮合物からなる分子量約8万のポリカーボネートの二塩化メチレン20重量%溶液を、スチールドラム上に連続的に流延し、それを順次剥取って乾燥させ、厚さ60μmで位相差がほぼ0の長尺ポリカーボネートフィルムを得、そのTgが145℃のフィルムの両面にTiが115℃の熱収縮性フィルムをそれに付設したアクリル系粘着層を介し接着した後、延伸機を介し160℃で横方向5%の収縮処理を施して熱収縮性フィルムを粘着層と共に剥離し、位相差板を連続して得た。
【0045】
比較例
Tiが65℃の熱収縮性フィルムを用いたほかは実施例1に準じて位相差板を得た。
【0046】
前記において実施例1ではポリカーボネートフィルムを効率よく変形処理して目的とする位相差を有する位相差板を効率よく得ることができたが、比較例では加熱により熱収縮性フィルムの収縮が先行して接着面にズレと剥がれが発生し収縮力の伝達不足で目的とする位相差を付与することができなかった。またTN型液晶セルの両側に、実施例1で得た位相差板を介して偏光板を配置し、正面方向のコントラストと視角変化による表示特性を調べたところ、コントラストに優れて広い視角範囲で表示特性に変化はなく、視認性に優れる高表示品位の液晶表示装置であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】収縮開始温度Tiの説明図

Claims (4)

  1. 初期寸法を基準とした収縮開始温度をTi、熱可塑性フィルムのガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−0≦Tiを満足する熱収縮性フィルムを無配向の熱可塑性フィルムの片面又は両面に接着し、加熱によるその熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に前記熱可塑性フィルムを少なくとも縦横の一方向に延伸又は収縮させたのち当該熱収縮性フィルムを剥離することを特徴とする位相差板の製造方法。
  2. 請求項1において、熱収縮性フィルム及び熱可塑性フィルムが正の複屈折特性を示すポリマーからなるものである製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法による位相差板と偏光板との積層体からなることを特徴とする光学部材。
  4. 請求項1又は2に記載の製造方法による位相差板又はそれと偏光板を液晶セルの少なくとも片側に有することを特徴とする液晶表示装置。
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