JP4371272B2 - 携帯端末装置、コンテンツ配信システム、及びコンテンツ再生プログラム - Google Patents

携帯端末装置、コンテンツ配信システム、及びコンテンツ再生プログラム Download PDF

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Description

本発明は、例えば携帯電話機，ＰＨＳ電話機（PHS：Personal Handyphone System）、無線通信機能を備えたＰＤＡ装置（PDA：Personal Digital Assistant），ノート型のパーソナルコンピュータ装置等の端末装置を用いてコンテンツの配信サービスを行う際に、通信品質が劣化した場合でも携帯端末装置側においてコンテンツの良好な受信を可能とした携帯端末装置、コンテンツ配信システム、及びコンテンツ再生プログラムに関する。
従来、携帯電話機を介して提供されているサービスの一つとして、映画や音楽等のコンテンツを配信するサービスが知られている。今日においては、より高品質なコンテンツデータの配信が望まれており、この要望に対応して、近年、配信されるコンテンツデータは、より大きなデータ量を有するものとなっている。
しかし、携帯電話機は、ユーザが通信環境の悪い場所へ移動した場合には通信品質の劣化を生じ、また、単一の無線基地局に多数のユーザからのアクセスが集中した場合には、各ユーザに対して割り当てられる通信帯域が減少するため、やはり通信品質の劣化が生じる。このため、配信するコンテンツデータを高品質化しても、この高品質なコンテンツデータの安定した配信を受け難い問題があった。
ここで、特開２００５−２０３１２号の公開特許公報（特許文献１）に、音声及び映像からなるコンテンツのうち、音声が途切れないように該コンテンツの配信を行うコンテンツ配信システムが開示されている。
このコンテンツ配信システムは、移動機からコンテンツサーバに対してコンテンツ配信要求を送信すると、コンテンツサーバが、映像データを移動パケット通信網を介して移動機に送信する。移動機は、コンテンツサーバから送信された映像データを受信すると、この映像データの記憶を開始すると共に、コンテンツサーバに対して音声データの送信を要求する。この音声データの送信要求がなされると、コンテンツサーバは回線交換網を介して移動機に音声データを送信する。
すなわち、コンテンツサーバは、映像データと音声データを、異なる網を介して送信するようになっている。これにより、映像データの送信に用いられる移動パケット通信網に通信品質の劣化を生じた場合でも、音声データの送信に用いられる回線交換網は、安定した通信品質を得ることができるため、移動機側において、音声だけは良好な通信品質で受信を行うことができる。
特開２００５−２０３１２号公報（第５頁：図１、図４）
しかし、特許文献１に開示されているコンテンツ配信システムの場合、移動パケット通信網を介して正常に映像データが受信されている場合でも、移動機と回線交換網との間の通信回線を確立したままの状態とする必要がある。すなわち、映像及び音声のコンテンツデータの配信を受けている間は、移動機と回線交換網との間の通信回線を、終始確立したままの状態で音声を得るようになっている。このため、通信料金が嵩むおそれがある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、コンテンツのストリーム再生中に通信品質が劣化した場合でも、一連のコンテンツを安価に連続して再生可能な携帯端末装置、コンテンツ配信システム、及びコンテンツ再生プログラムの提供を目的とする。
本発明に係る携帯端末装置は、上述の課題を解決するための手段として、
一連のコンテンツの高ビットレートのコンテンツデータの配信元を示す配信元情報が付加された、上記一連のコンテンツの低ビットレートのコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータに付加されている上記配信元情報に基づいて、上記高ビットレートのコンテンツデータの配信元を検出する配信元検出手段と、
上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記配信元検出手段で検出された配信元から上記高ビットレートのコンテンツデータを受信する受信手段と、
上記受信手段における上記高ビットレートのコンテンツデータの受信の有無を検出する受信状態検出手段と、
上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの非受信が検出されている間、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータのうち、上記非受信の高ビットレートのコンテンツデータに対応する該低ビットレートのコンテンツデータを再生し、上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの受信が検出されている間、この受信手段で受信された高ビットレートのコンテンツデータを再生する再生手段と
を有する。
また、本発明に係るコンテンツ配信システムは、上述の課題を解決するための手段として、
一連のコンテンツの高ビットレートのコンテンツデータが記憶された記憶手段と、
上記コンテンツの配信要求がなされた際に、上記記憶手段から上記高ビットレートのコンテンツデータを読み出して配信する配信手段と
を備えたコンテンツ配信装置と、
一連のコンテンツの高ビットレートのコンテンツデータの配信元が、上記コンテンツ配信装置であることを示す配信元情報が付加された、上記一連のコンテンツの低ビットレートのコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータに付加されている上記配信元情報に基づいて、上記高ビットレートのコンテンツデータの配信元を検出する配信元検出手段と、
上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記配信元検出手段で検出された配信元である上記コンテンツ配信装置から上記高ビットレートのコンテンツデータを受信する受信手段と、
上記受信手段における上記高ビットレートのコンテンツデータの受信の有無を検出する受信状態検出手段と、
上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの非受信が検出されている間、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータのうち、上記非受信の高ビットレートのコンテンツデータに対応する該低ビットレートのコンテンツデータを再生し、上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの受信が検出されている間、この受信手段で受信された高ビットレートのコンテンツデータを再生する再生手段と
を備えた携帯端末装置と
を有する。
また、本発明に係るコンテンツ再生プログラムは、上述の課題を解決するために、
一連のコンテンツの再生を行う際に、該一連のコンテンツの高ビットレートのコンテンツデータの配信元を示す配信元情報が付加された、該一連のコンテンツの低ビットレートのコンテンツデータを記憶する記憶手段から、該低ビットレートのコンテンツデータに付加されている上記配信元情報に基づいて、上記高ビットレートのコンテンツデータの配信元を検出するように配信元検出手段を制御する配信元検出制御手段と、
上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記配信元検出手段で検出された上記配信元から、上記高ビットレートのコンテンツデータを受信するように受信手段を制御する受信制御手段と、
上記受信手段における上記高ビットレートのコンテンツデータの受信の有無を検出するように受信状態検出手段を制御する受信状態検出制御手段と、
上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの非受信が検出されている間、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータのうち、上記非受信の高ビットレートのコンテンツデータに対応する該低ビットレートのコンテンツデータを再生し、上記受信状態検出手段としてコンピュータを機能させることで、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの受信が検出されている間、この受信手段で受信された高ビットレートのコンテンツデータを再生するように再生手段を制御する再生制御手段
としてコンピュータを機能させる。
このような本発明は、予め低ビットレートのコンテンツを携帯端末装置内に記憶しておき、ネットワークを介して受信する高ビットレートのコンテンツの通信が悪化した際に、上記予め記憶されている低ビットレートのコンテンツを再生することで、最低限の品質を確保したうえで、該コンテンツの再生を継続させる。
本発明は、コンテンツのストリーム再生中に通信品質が劣化した場合でも、一連のコンテンツを安価に連続して再生可能とすることができる。
本発明は、携帯電話機等の移動体通信端末装置に対して、映画や音楽等の所定のコンテンツの配信を行うコンテンツ配信システムに適用することができる。
［システム構成］
図１に、本発明を適用した実施の形態となるコンテンツ配信システムのブロック図を示す。この図１に示すように、当該実施の形態のコンテンツ配信システムは、データベースに記憶された映画や音楽等の所定のコンテンツの配信制御を行う配信装置１と、配信装置１のネットワーク接続を図るためのネットワークインターフェイス２（ネットワークＩＦ）と、通信網３と、この通信網３に接続された交換機４と、各地域に位置する携帯電話機６と間の無線通信を可能とする複数の基地局５と、無線通信機能を有する携帯電話機６とを有している。
配信装置１には、例えば３２Ｋｂｐｓや６４ｋｂｐｓ等の低ビットレートのコンテンツデータ（以下、場合によっては「プリデータ」という）、及び例えば１２８Ｋｂｐｓや３８４Ｋｂｐｓ等の高ビットレートのコンテンツデータが記憶されている。すなわち、配信装置１は、同じコンテンツに対して、低ビットレートのコンテンツデータと、高ビットレートのコンテンツデータとの２種類のコンテンツデータを有している。
〔コンテンツデータの構成〕
低ビットレートのコンテンツデータ（プリデータ）は、図２に示すように一連のコンテンツデータが複数のコンテンツデータブロック３１に分割されたうえで、この全体のコンテンツの識別番号を示すコンテンツＩＤ３２、このコンテンツに関する情報であるメタデータ３３、一連のコンテンツデータがいくつのコンテンツデータブロックに分割されているかを示す（＝総コンテンツデータブロック数を示す）ブロック数情報３４、及びこのコンテンツに対する誤り訂正処理を行うためのパリティ情報３５が付加されて形成されている。
メタデータ３３としては、そのコンテンツが音楽コンテンツの場合、アルバム名、曲名、歌手名、再生時間等が記録され、そのコンテンツが映画コンテンツの場合は、題名、出演俳優、上映時間等が記録されるようになっている。
各コンテンツデータブロックは、そのコンテンツデータブロックの再生順序を示すＣＢＳＮ情報３６（CBSN：Contents Block Sequence Number）、この低ビットレートのコンテンツデータブロックに対応する高ビットレートのコンテンツデータブロックが記憶されているアドレスを示す、ＵＲＬ情報（URL：Uniform Resource Locator）等の転送元情報３７、及び低ビットレートのコンテンツデータブロック本体３８とを有している。
一方、高ビットレートのコンテンツデータも、上述の低ビットレートのコンテンツデータと同様に、一連のコンテンツデータが、図３に示すようなコンテンツデータブロックに複数分割されて形成されている。
この図３からわかるように、高ビットレートのコンテンツデータの各コンテンツデータブロックは、高ビットレートのデータ本体４１に対して、そのコンテンツの識別番号を示すコンテンツＩＤ４２、一連のコンテンツデータがいくつのコンテンツデータブロックに分割されているかを示す（＝総コンテンツデータブロック数を示す）ブロック数情報４３、当該コンテンツデータブロックの再生順序を示すＣＢＳＮ情報４４、及びこのコンテンツデータブロックに対する誤り訂正処理を行うためのパリティ情報４５が付加されて形成されている。
また、低ビットレートのコンテンツデータブロックに付されたＣＢＳＮ情報３６と、同じＣＢＳＮ情報４４を有する高ビットレートのコンテンツデータブロックは、それぞれビットレートが異なるだけで、データ内容は同じ内容となっている。具体的には、低ビットレートのコンテンツデータから形成された、例えば第３番目のコンテンツデータブロック（ＣＢＳＮ＝３）のデータ内容は、高ビットレートのストリームデータから形成された第３番目のコンテンツデータブロック（ＣＢＳＮ＝３）のデータ内容と、同じデータ内容となっている。同様に、低ビットレートのストリームデータから形成された、例えば第１番目のコンテンツデータブロック（ＣＢＳＮ＝１）のデータ内容は、高ビットレートのストリームデータから形成された第１番目のコンテンツデータブロック（ＣＢＳＮ＝１）のデータ内容と、同じデータ内容となっている。
後に詳細に説明するが、この実施の形態のコンテンツ配信システムの場合、携帯電話機６側に予め低ビットレートのコンテンツデータを保持しておき、コンテンツの再生を行う際に、この低ビットレートのコンテンツデータに付されている配信元情報３７に基づいて、当該低ビットレートのコンテンツデータに対応する高ビットレートのコンテンツデータを配信している配信元にアクセスして高ビットレートのコンテンツデータを取り込み、再生する。そして、この高ビットレートのコンテンツデータを取り込みを行う上記配信元との間の通信状態が悪化した際に、上記予め保持しておいた低ビットレートのコンテンツデータを、上記高ビットレートのコンテンツデータの代わりに再生することで、コンテンツの連続性を維持するようになっている。
以下の説明では、高ビットレートのコンテンツデータは、当該コンテンツの配信元となる上記配信装置１から取り込むこととして説明を進めるが、高ビットレートのコンテンツデータの取り込み先としては、この配信装置１以外であっても、図１に示す携帯電話機６のユーザの自宅のパーソナルコンピュータ装置７や、携帯電話機６のユーザが契約しているインターネットプロバイダが提供しているサーバ装置８であってもよい。或いは、高ビットレートの各コンテンツデータブロックが、配信装置１、パーソナルコンピュータ装置７、サーバ装置８等に分散されて記憶されていてもよい。低ビットレートのコンテンツデータブロック毎に、対応する高ビットレートのコンテンツデータブロックの配信元を示す情報（＝上記転送元情報３７）が記憶されているため、このような高ビットレートの各コンテンツデータブロックの分散保持も可能となる。
〔携帯電話機の構成及び動作〕
図４に、このコンテンツ配信システムで用いられる携帯電話機６のブロック図を示す。この図４において、携帯電話機６の受信系は、上記基地局５からの受信信号をアンテナ１１で受信し、アンテナ共用器１２を介して受信復調部１３に供給する。受信復調部１３は、ＲＦ回路を有しており、このＲＦ回路等により、アンテナ共用器１２から供給された受信信号が適正なレベルになるように、必要な帯域制限処理等の復調処理を行う。受信復調部１３で復調処理された信号はＡ／Ｄ変換によリデジタル信号に変換され、受信データ復号部１４に供給される。
受信データ復号部１４は、上記受信復調部１３で復調処理された受信データに対してベースバンド信号処理等を施すことで、最終的な元の受信データに復号化し、これを制御部１５に供給する。制御部１５は、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ等を有するマイクロコンピュータ装置であり、キーやジョグダイヤル等の入力部１６、ＬＣＤ等の表示部１７、内部メモリや外部メモリ等のデータ格納部１８、アラーム、音声、音楽コンテンツの音声等を出力するためのスピーカ部１９、ＬＥＤ、リンガなどの着信等を通知するための着信通知部２０等を制御する。
上述の低ビットレートのコンテンツデータは、配信装置１からダウンロードすることで、或いはユーザが所有するパーソナルコンピュータ装置から転送されることで、上記内部メモリや外部メモリ等のデータ格納部１８に記憶されるようになっている。換言すれば、上述の低ビットレートのコンテンツデータは、配信装置１からダウンロードしてもよいし、或いはユーザが所有するパーソナルコンピュータ装置から転送しておいてもよいものと理解されたい。このため、上述の低ビットレートのコンテンツデータを、例えばユーザが所有するパーソナルコンピュータ装置から外部メモリに予め転送しておき、この外部メモリを携帯電話機６に装着することで、該携帯電話機６に低ビットレートのコンテンツデータを保持させるようにしてもよい。
次に、携帯電話機６の送信系において、後に説明する低ビットレートのコンテンツデータや高ビットレートのコンテンツデータのコンテンツ送信要求メッセージや、受信したコンテンツデータの確認メッセージ（受信データの確認メッセージ）等の送信を行う場合、制御部１５は、このコンテンツ送信要求メッセージや受信データの確認メッセージ等の送信データを形成し、これを送信データ符号化部２１に供給する。
送信データ符号化部２１は、この送信データを所定の符号化方式で符号化して圧縮し、送信変調部２２に供給する。送信変調部２２は、圧縮符号化処理された送信データをＤ／Ａ変換処理することでアナログ変調信号を形成すると共に、このアナログ変調信号を所望の送信周波数の送信信号に変換する。また、この送信変調部２２は、ＲＦ回路を有しており、このＲＦ回路により、上記所望の周波数に変換された送信信号を必要な送信電力に電力増幅し、この電力増幅した送信信号を、アンテナ共用器１２及びアンテナ１１を介して上記基地局５に送信する。
制御部１５は、当該制御部１５内に設けられたＥＥＰＲＯＭにより、当該携帯電話機６の電源がオフとされても例えば直前の通信結果等の情報を記憶しておき、次回、電源がオンとされた際に、このＥＥＰＲＯＭに記憶された情報に基づいて、例えば配信中の無線異常やバッテリ異常等に対応するようになっている。
［コンテンツの配信動作］
〔システムの基本動作〕
次に、図５に、この実施の形態のコンテンツ配信システムの基本シーケンスを示す。この図５に示すように、このコンテンツ配信システムの場合、まず、ステップＳ１において、携帯電話機６が、上述の低ビットレートのコンテンツデータブロックに付された配信元情報３７に基づいて、例えば配信装置１に対して高ビットレートのコンテンツデータのコンテンツ送信要求を送信する。
このコンテンツ送信要求を受信した配信装置１は、ステップＳ２においてコンテンツ識別番号（コンテンツＩＤ）を確認し、コンテンツデータ転送制御を開始する。このコンテンツデータ転送制御は、配信装置１と携帯電話機６との間で、確実にコンテンツデータの配信が行われるように、また、配信が中断した際には、配信結果情報を記憶するように行われる。このコンテンツデータ転送制御が正常に終了すると、配信装置１はステップＳ３において、コンテンツ送信応答を携帯電話機６に送信して、当該コンテンツデータ転送制御を終了する。
〔正常時におけるシステム動作〕
図６は、このコンテンツ配信システムにおける「正常時」のシステム動作を詳細に示したシーケンス図であり、上述の低ビットレートのコンテンツデータ（プリデータ）を配信装置１から取り込むようにした場合のシーケンス図である。
この図６において、携帯電話機６の制御部１５は、当該携帯電話機６内に記憶されている「コンテンツ処理プログラム」に基づいて通信制御部５０として機能し、まず、上述の低ビットレートのコンテンツデータ（プリデータ）を取り込むべく、ステップＳ１１において、配信装置１に対してプリ転送開始要求を行うと共に、ステップＳ１２において、このプリデータの再送制御用タイマによる計時（カウント）を開始する。
配信装置１は、ステップＳ１３において、このプリ転送開始要求を受信すると、図２に示した低ビットレートのコンテンツデータ（プリデータ）を携帯電話機６に転送する（プリデータ転送）。
携帯電話機６の制御部１５は、このプリデータを受信すると、通信制御部５０として機能し、ステップＳ１４におて、上記プリデータの再送制御用タイマのカウントを停止制御し、ステップＳ１５において、受信したプリデータのパリティ情報３５（図２参照）に基づいて、該プリデータのパリティチェックを行う。そして、パリティエラーを発生することなく、プリデータが正常に受信できていた場合には、制御部１５は通信制御部５０として機能することで、ステップＳ１６において、プリデータの受信を完了したことを示すデータ受信確認を配信装置１に送信すると共に、ステップＳ１７において、アプリケーション部５１として機能し、プリデータの受信完了を認識する。
これにより、図２に示したプリデータの取り込みフェーズである「プリ転送フェーズ」が完了する。携帯電話機６の制御部１５は、この取り込んだプリデータを内部メモリ或いは外部メモリとなるデータ格納部１８に格納して保持する。
なお、この例では、プリデータを配信装置１からダウンロードすることとして説明を進めているが、このプリデータは、ユーザが所有するパーソナルコンピュータ装置７等を用いて予め当該携帯電話機６の内部メモリや外部メモリに記憶させておいてもよい。この場合、プリデータは既に携帯電話機６内に記憶済みであるため、この「プリ転送フェーズ」は省略されることとなる。
次に、ユーザは、図４に示す携帯電話機６の入力部１６を操作することで、所望のコンテンツを選択してその再生を指定する。具体的には、図４に示す制御部１５は、入力部１６を介してユーザにより所望のコンテンツの選択操作がなされると、当該携帯電話機６内に記憶されている上記「コンテンツ処理プログラム」に基づいてアプリケーション部５１として機能することで、上記データ格納部１８に格納されているプリデータのメタデータ３３（図２参照）等を読み込み、例えば図７に示すコンテンツ選択用のユーザインターフェイスを表示部１７に表示制御する。
この図７に示すユーザインターフェイスは、音楽コンテンツ選択用のユーザインタフェース（＝プレイリストのユーザインタフェース）の一例である。この図７に示すように、アプリケーション部５１は、ユーザにより所望のコンテンツの選択操作がなされると、上記プリデータのメタデータ３３に基づいて、アルバム名、タイトル番号及び各曲名、歌手名、ビットレート、演奏時間等と共に、各曲の中から所望の曲を選択するためのカーソルを表示部１７に表示制御する。
ユーザは、入力部１６を介してカーソルを移動操作し、所望の曲の選択を行う。この所望の曲の選択操作がなされると、制御部１５が上記コンテンツ処理プログラムに基づいて通信制御部５０として機能することで、ステップＳ１８において、このユーザにより選択された曲に対応するプリデータの転送元情報３７で示される転送元に高ビットレートのコンテンツデータブロックのストリーム転送開始要求を送信する。
すなわち、上述のように低ビットレート及び高ビットレートのコンテンツデータは、それぞれ複数のコンテンツデータブロックに分割されており、低ビットレートのコンテンツデータブロック及び高ビットレートのコンテンツデータブロックには、共に同じデータ内容のコンテンツデータブロックにそれぞれ同じブロック番号（コンテンツブロックシーケンスナンバー：ＣＢＳＮ）が付されている。また、低ビットレートのコンテンツデータに付されている配信元情報３７は、図２に示すように各コンテンツデータブロック毎にそれぞれ付されている。
このため、制御部１５は、通信制御部５０として機能した際に、まず最初に、第１番目のコンテンツデータブロックに付されている転送元情報３７に基づいて、高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックを配信している配信元（この例の場合は配信装置１）を検出し、この配信元に対して上記ステップＳ１８に示すストリーム転送開始要求を行う。
なお、この図６に示す例は、プリデータに、転送元が配信装置１であることを示す転送元情報３７が記録されていた場合の例である。このため、プリデータに、転送元が、図１に示すユーザの自宅のパーソナルコンピュータ装置であることを示す転送元情報３７が記録されていた場合には、制御部１５は、通信制御部５０として機能した際に、このユーザの自宅のパーソナルコンピュータ装置７に対して上記ストリーム転送開始要求を送信し、或いはプリデータに、転送元が、ユーザが利用しているプロバイダのサーバ装置８であることを示す転送元情報３７が記録されていた場合には、制御部１５は、通信制御部５０として機能した際に、このユーザのプロバイダのサーバ装置８に対して上記ストリーム転送開始要求を送信することとなる。
また、上記転送元情報３７に基づいて、上記配信装置１、ユーザの自宅のパーソナルコンピュータ装置７、或いはユーザが利用しているプロバイダのサーバ装置８等にストリーム転送開始要求を行う際に、上記配信装置１側、パーソナルコンピュータ装置７側、或いはプロバイダのサーバ装置８側でユーザ認証処理を行うようにしてもよい。
次に、制御部１５は、通信制御部５０として機能することで、このストリーム転送開始要求を行うと、ステップＳ１９において、再送制御用タイマによる計時（カウント）を開始制御する。配信装置１は、ステップＳ２０において、上記ストリーム転送開始要求に対応して、ユーザにより選択された曲の高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信する。携帯電話機６の制御部１５は、この高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックを受信すると、ステップＳ２１において、通信制御部５０として機能することで、上記再送制御用タイマによる計時を停止制御する。
また、制御部１５は、通信制御部５０として機能することで、ステップＳ２２において、図３に示すパリティ情報４５に基づいて、この受信した高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックのパリティチェックを行うと共に、このパリティチェックでパリティエラーが発生しない場合は、ステップＳ２３において、この受信した高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６内のデータ格納部１８に保存すると共に、当該第１番目のコンテンツデータブロックを受信したことを示すＣＢＳＮ情報（ＣＢＳＮ＝１）を当該携帯電話機６内のデータ格納部１８に記憶制御する。
そして、制御部１５は、通信制御部５０として機能することで、ステップＳ２４において、この高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックを正常に受信したことを示す情報、及び受信したコンテンツデータブロックのブロック番号（ＣＢＳＮ＝１）をデータ受信確認として配信装置１に対して送信すると共に、ステップＳ２５において、アプリケーション部５１として機能することで、今回、高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックが受信されたことを認識する（ＣＢＳＮ＝１データ受信通知）。
このようなステップＳ１８におけるストリーム転送開始要求からステップＳ２５における受信したコンテンツデータブロックの認識までの動作が、高ビットレートのコンテンツデータブロックの１転送フェーズとなっている。
次に、配信装置１は、ステップＳ２４に示す携帯電話機６からのデータ受信確認をトリガとして、ステップＳ２６において、高ビットレートの第２番目のコンテンツデータブロックを通信制御部５０に送信する。
携帯電話機の制御部１５は、上述と同様に通信制御部５０として機能することで、この第２番目のコンテンツデータブロックに対してパリティチェックを行い、パリティエラーが発生していない場合は、ステップＳ２７において、配信装置１に対して第２番目のコンテンツデータブロックを正常に受信したことを示すデータ受信確認を送信すると共に、ステップＳ２８において、アプリケーション部５１として機能することで、第２番目のコンテンツデータブロックの受信を認識する。配信装置１は、この第２番目のコンテンツデータブロックを正常に受信したことを示すデータ受信確認を受信すると、このデータ受信確認をトリガとして、高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信する。
このように、この例の場合、各コンテンツデータブロックの配信元が同じ配信装置１であるため、配信装置１から携帯電話機６に対する高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックの配信は、ステップＳ１８で説明した「ストリーム転送開始要求」をトリガとして行われ、第２番目以降のコンテンツデータブロックの配信は、ステップＳ２４、ステップＳ２７・・・で示す「データ受信確認」をトリガとして、ブロック番号順に行われる。
なお、低ビットレートの各コンテンツデータブロックに付されている各転送元情報３７で示される配信元が、該各コンテンツデータブロック毎に異なる場合、携帯電話機６の制御部１５は、通信制御部５０として機能した際に、コンテンツデータブロック番号（ＣＢＳＮ情報）を指定して、対応する配信元に対して「データ転送要求」を行うことで、該各配信元から順番に高ビットレートのコンテンツデータブロックの配信を受けることとなる。
次に、このようにして各コンテンツデータブロック毎に高ビットレートのコンテンツデータを受信することで、高ビットレートの全てのコンテンツデータブロックの受信を完了すると、制御部１５は通信制御部５０として機能することで、ステップＳ２８において、配信装置１に対して、全てのコンテンツデータブロックの受信を完了したことを示すストリーム転送完了通知を送信する。これにより、ユーザにより選択された曲に対応する高ビットレートのコンテンツデータの転送が完了する。
一方、携帯電話機６の制御部１５は、上記ステップＳ１７において、アプリケーション部５１として機能することでプリデータの受信完了を認識すると、ステップＳ２９において、再生時間管理用タイマによる計時を開始制御する。一例ではあるが、この再生時間管理用タイマの計時時間は、一つのコンテンツデータブロックの再生に要する時間にセットされており、この再生時間管理用タイマによる計時がタイムアウトする間に、ステップＳ２５に示すように高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックの受信完了を認識すると、ステップＳ３０に示すように、この再生時間管理用タイマによる計時を停止制御し、ステップＳ３１において、上記ステップＳ２０で受信された高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックの再生を開始する。
制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することで、高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックの再生を開始すると、ステップＳ３２において、上記再生時間管理用タイマによる計時を開始制御し、ステップＳ３３に示すように高ビットレートの第２番目のコンテンツデータブロックの受信完了（ＣＢＳＮ＝２データ受信通知）を認識すると、再生時間管理用タイマによる計時を停止制御して、ステップＳ２６で受信された高ビットレートの第２番目のコンテンツデータブロックの再生を開始する。
このように制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することで、受信された高ビットレートのコンテンツデータブロックから順に再生を行う。これにより、図４に示すスピーカ部１９を介して高ビットレートのコンテンツデータブロックの再生出力が得られることとなる。
なお、制御部１５は、アプリケーション部５１として機能している場合において、再生動作を行っていないときには（＝ユーザにより再生開始が指定されるのを待っている状態のときには）、上記低ビットレートのコンテンツデータブロックのメタデータ３３に基づいて、カーソルで選択されている曲の曲番号（トラック番号）及び曲名を、図７に示すトラック番号及び曲名の表示領域に表示制御すると共に、カーソルで選択されている曲の総演奏時間を、演奏時間の表示領域に表示制御し、曲の再生中には、上記トラック番号及び曲名の表示領域に該再生中の曲のトラック番号及び曲名を表示制御すると共に、上記演奏時間の表示領域に現在の再生中の曲の再生時刻を表示制御するようになっている。
〔通信状態の悪化時におけるシステム動作〕
以上の説明は、携帯電話機６側において配信装置１から配信される高ビットレートのコンテンツデータブロックを正常に受信できている場合なのであるが、携帯電話機６が例えば通信圏外に位置した場合等には、携帯電話機６と配信装置１との間の通信状態が悪化し、該配信装置１から配信される高ビットレートのコンテンツデータブロックが受信困難となる。
この実施の形態のコンテンツ配信システムの場合、このように携帯電話機６と配信装置１との間の通信状態が悪化した場合、該携帯電話機６において、配信装置１から受信できない高ビットレートのコンテンツデータブロックの代わりに、予め受信しておいた低ビットレートのコンテンツデータブロック（＝上記プリデータ）を再生することで、一連のコンテンツを途中で途切らすことなく再生可能となっている。
図８に、携帯電話機６と配信装置１との間の通信状態が悪化することで、該携帯電話機６において、配信装置１から高ビットレートのコンテンツデータブロックが受信できない場合におけるシステム動作のシーケンス図を示す。
この図８のシーケンス図は、ステップＳ２７において、高ビットレートの第２番目のコンテンツデータブロック（ＣＢＳＮ＝２）を正常に受信したことを示すデータ受信確認を携帯電話機６側から配信装置１側に送信した直後に、携帯電話機６が通信圏外に位置することとなり、携帯電話機６と配信装置１との間の通信状態が悪化したことを示している。
この場合、配信装置１は、ステップＳ４０において、上記第２番目のコンテンツデータブロックを正常に受信したことを示すデータ受信確認をトリガとして、高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６側に送信するのであるが、携帯電話機６が通信圏外に位置しているため、携帯電話機６側では、この高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックを受信することができない。このため、携帯電話機６の制御部１５が、通信制御部５０として機能することでステップＳ４１で計時を開始した再送制御用タイマが、ステップＳ４２でタイムアウトすることとなる。
携帯電話機６の制御部１５は、通信制御部５０として機能している際に、この再送制御用タイマのタイムアウトを検出すると、ステップＳ４３に示すように、高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックの再送要求（ＣＢＳＮ＝３データ再送要求）を配信装置１に送信すると共に、ステップＳ４４において、再送制御用タイマによる計時を開始制御する。
配信装置１は、このＣＢＳＮ＝３データ再送要求を受信すると、ステップＳ４５に示すように、再度、高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６側に送信するのであるが、この場合、携帯電話機６が通信圏外に位置しているため、携帯電話機６側で第３番目のコンテンツデータブロックを受信することはできない。このため、ステップＳ４６に示すように、携帯電話機６側の再送制御用タイマが、再度、タイムアウトすることとなる。
この再送制御用タイマのタイムアウトを検出すると、携帯電話機６の制御部１５は通信制御部５０として機能することで、ステップＳ４７に示すように、再々度、高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックの再送要求（ＣＢＳＮ＝３データ再送要求）を配信装置１に送信すると共に、ステップＳ４８において、再送制御用タイマによる計時を開始制御する。
配信装置１は、このＣＢＳＮ＝３データ再送要求を受信すると、ステップＳ４９に示すように、再々度、高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６側に送信するのであるが、この場合も、携帯電話機６が通信圏外に位置しているため、携帯電話機６側で第３番目のコンテンツデータブロックを受信することはできない。
ここで、携帯電話機６の制御部１５は、アプリケーション部５１として機能した際に、高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックの受信が完了したことを認識したタイミング（図８：ステップＳ２５参照）で、ステップＳ３０〜ステップＳ３２に示すように、この受信が完了した第１番目のコンテンツデータブロックから順に再生を開始するのであるが、この例の場合、第２番目のコンテンツデータブロックの受信を完了した直後に携帯電話機６が通信圏外に位置することとなり、上述のように高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックの受信は未だ完了していない。
このため、携帯電話機６の制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することで、ステップＳ５０〜ステップＳ５３に示すように高ビットレートの第２番目のコンテンツデータブロックの再生を完了する際に、データ格納部１８に格納されているプリデータ（低ビットレートのコンテンツデータ）のうち、配信装置から受信することができなかった高ビットレート第３番目のコンテンツデータブロックに対応する低ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックを読み出し、ステップＳ５４において、この低ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックを、上記高ビットレートの第２番目のコンテンツデータブロックの再生に続けて再生する。
すなわち、制御部１５は、受信することができない高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックの代わりに、予め受信されているプリデータから上記高ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックと同じデータ内容の低ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックを読み出して再生する。
次に、携帯電話機６の制御部１５は、このようにアプリケーション部５１として機能することで、低ビットレートのコンテンツデータブロックの再生を開始すると、ステップＳ５５において、通信制御部５０として機能することで、第３番目のコンテンツデータブロックの再生が開始されたことを認識する。この認識により、制御部１５は、通信制御部５０として機能することで、ステップＳ５６において、既に再生が開始された第３番目のコンテンツデータブロックの次のコンテンツデータブロックとなる第４番目のコンテンツデータブロックの送信要求（ＣＢＳＮ＝４データ送信要求）を配信装置１に対して送信する。配信装置１は、このＣＢＳＮ＝４データ送信要求に応じて高ビットレートの第４番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６側に送信することとなる。
そして携帯電話機６の制御部１５は、配信装置１からこの高ビットレートの第４番目のコンテンツデータブロックも受信できない場合には、上記プリデータから、再度、低ビットレートの第４番目のコンテンツデータブロックを再生することとなる。
このように携帯電話機６の制御部１５は、該当するコンテンツデータブロックの再生を開始するまでの間に、配信装置１から該再生を行う高ビットレートのコンテンツデータブロックを受信していない場合には、予め受信しておいてプリデータから、この受信していない高ビットレートのコンテンツデータブロックに対応する低ビットレートのコンテンツデータブロックを検出し、この低ビットレートのコンテンツデータブロックを、上記受信していない高ビットレートのコンテンツデータブロックの代わりに再生する。これにより、ビットレートは低いデータとはなるが、連続再生動作を途切れさせることなく、各コンテンツデータブロックの連続再生を継続して実行することができる。
〔悪化した通信状態が改善された場合のシステム動作〕
次に、図９に、悪化した通信状態が改善された場合におけるシステム動作のシーケンス図を示す。この図９のシーケンス図は、図８に示すシーケンス図の続きのシーケンス図となっており、通信状態の悪化により、低ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックの再生を開始し、ステップＳ５７において、携帯電話機６から配信装置１に対してなされた高ビットレートの第４番目のコンテンツデータブロックの送信要求に対する再送制御用タイマのタイムアウトが検出された段階から図示がなされている。
この場合、携帯電話機６の制御部１５は、ステップＳ５８に示すように、配信装置１に対して再度、高ビットレートの第４番目のコンテンツデータブロックの送信要求（ＣＢＳＮ＝４データ再送要求）を行うのであるが、携帯電話機６と配信装置１との間の通信状態が悪化したままの状態であるため、この携帯電話機６からのＣＢＳＮ＝４データ再送要求が配信装置１側に送信されず、該配信装置１から高ビットレートの第４番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６側で受信することができない。
このため、携帯電話機６の制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することで、ステップＳ５９〜ステップＳ６１に示すように低ビットレートの第３番目のコンテンツデータブロックの再生に続けて、低ビットレートの第４番目のコンテンツデータブロックを上記プリデータから再生する。そして、制御部１５は、通信制御部５０として機能することで、ステップＳ６２において、この第４番目のコンテンツデータブロックの再生が開始されたことを認識し（ＣＢＳＮ＝４再生開始通知）、ステップＳ６３において、配信装置１に対して、高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックの送信要求を行う。
携帯電話機６と配信装置１との間の通信状態が悪化したままの状態であるため、この高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックの送信要求も配信装置１側では受信されず、携帯電話機６側の再送制御用タイマにおいて、ステップＳ６４に示すようにタイムアウトが検出されるのであるが、この高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックの送信要求を行ってから再送制御用タイマでタイムアウトが検出されるまでの間に、携帯電話機６と配信装置１との間の通信状態が改善された場合、ステップＳ６５に示すように携帯電話機６側から配信装置１に対して送信される高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックの再送要求（ＣＢＳＮ＝５データ再送要求）が配信装置１側で受信されることとなる。
配信装置１は、このＣＢＳＮ＝５データ再送要求を受信すると、ステップＳ６６において、高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信する。携帯電話機６の制御部１５は、この高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックを受信すると、通信制御部５０として機能することで、ステップＳ６７〜ステップＳ６９において、上述と同様にパリティチェックを行い、パリティエラーが発生しない場合は、この高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックをデータ格納部１８に記憶制御する。そして、ステップＳ７０において、この第５番目のコンテンツデータブロックの受信を完了したことを示すデータ受信確認を配信装置１に送信すると共に、ステップＳ７１において、アプリケーション部５１として機能することで、高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックの受信完了を認識する。
配信装置１は、上述のようにデータ受信確認をトリガとして高ビットレートの第６番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６側に送信する。また、携帯電話機６の制御部１５は、配信装置１から高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックの受信完了を認識すると、低ビットレートの第４番目のコンテンツデータブロックの再生に続けて、ステップＳ７２〜ステップＳ７４に示すように、この高ビットレートの第５番目のコンテンツデータブロックの再生を行う。
これにより、携帯電話機６と配信装置１との間の通信状態が改善され、該配信装置１から高ビットレートのコンテンツデータブロックを受信できるようになったタイミングで、再生されるコンテンツデータブロックが、低ビットレートのコンテンツデータブロックから高ビットレートのコンテンツデータブロックに切り替わることとなる。
携帯電話機６の制御部１５は、通信制御部５０として機能することで、一連のコンテンツデータに対応する全てのコンテンツデータブロックの受信完了を検出すると、図６のステップＳ２８に示すように、配信装置１に対してストリーム転送完了通知を送信する。配信装置１は、このストリーム転送完了通知を受信することで、一連のコンテンツデータに対応する全てのコンテンツデータブロックが携帯電話機６側で受信されたことを認識し、高ビットレートのコンテンツデータブロックの送信を終了する。
〔高ビットレートのコンテンツデータブロックの消去動作〕
次に、上述のようにプリデータ（＝低ビットレートのコンテンツデータ）及び高ビットレートの各コンテンツデータブロックは、図１に示すデータ格納部１８にそれぞれ記憶されるのであるが、当該実施の形態のコンテンツ配信システムにおける携帯電話機６は、ユーザの設定により或いは自動的に、再生が終了した後に、上記高ビットレートの各コンテンツデータブロックをデータ格納部１８から消去するようになっている。
具体的には、ユーザは、入力部１６を操作することで、再生終了後に、高ビットレートの各コンテンツデータブロックをデータ格納部１８から消去するか否かの設定を行う。この設定情報は、携帯電話機６の制御部１５によりデータ格納部１８に記憶される。
携帯電話機６の制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することで一連のコンテンツデータの再生が終了すると、データ格納部１８に記憶されている上記設定情報を読み出し、この設定情報が上記消去を指定する情報であった場合、データ格納部１８に記憶されている高ビットレートの各コンテンツデータブロックを消去制御する。
これにより、データ格納部１８にはプリデータのみ残ることとなるが、再生時には、上述のように配信装置１等から高ビットレートのコンテンツデータの配信を受けて再生することができるため、最低限のデータ（＝プリデータ）をデータ格納部１８に残しておくことで、高品質なデータ（＝高ビットレートのコンテンツデータ）の再生を可能とすることができる。従って、高ビットレートのコンテンツデータをデータ格納部１８に記憶しておかなくてもよい分、該データ格納部１８の記憶容量を有効に利用可能とすることができる。
［コンテンツ配信システムの各部の動作］
次に、この実施の形態のコンテンツ配信システムの各部毎の動作説明を行う。この各部は、いわゆるソフトウェア制御で動作するようになっており、該各部毎の所定の動作プログラムに基づく処理を該各部の主制御部が実行することで、以下に説明する各部の動作が実現されるようになっている。
〔配信装置１のプリデータの転送動作〕
まず、図１０のフローチャートに、配信装置１のプリデータの転送処理の流れを示す。この図１０のフローチャートにおいて、ステップＳ８１で携帯電話機６からプリデータの転送開始要求を受信すると、配信装置１は、ステップＳ８２において、携帯電話機６にプリデータを転送し、ステップＳ８３においてイベント待ちの状態となる。
携帯電話機６は、配信装置１からプリデータを受信した場合、図６のステップＳ１６で説明したように、このプリデータの受信を完了したことを示すデータ受信確認を配信装置１に送信し、配信装置１からプリデータの受信をできない場合には、再度、プリデータの送信要求（＝プリデータの再送要求）を行う。
配信装置１は、ステップＳ８３のイベント待ちの状態において、携帯電話機６からデータ受信確認が送信されたか、或いはプリデータの再送要求がなされたかを監視している。そして、携帯電話機６からデータ受信確認を受信した場合には、ステップＳ８４を介してこの図１０のフローチャートに示す処理を終了し、携帯電話機６からのストリーム転送開始要求（図６：ステップＳ１８参照）を待って高ビットレートのコンテンツデータブロックの配信を開始する。
これに対して、配信装置１は、ステップＳ８３のイベント待ちの状態において、プリデータの再送要求を受信した場合、ステップＳ８５を介して処理をステップＳ８６に進め、再度、プリデータを携帯電話機６に送信し、ステップＳ８３のイベント待ちの状態となる。そして、このイベント待ちの状態において、携帯電話機６からデータ受信確認を受信した際に、このプリデータの転送処理を終了する。
〔配信装置１の高ビットレートのコンテンツデータブロックの配信動作〕
次に、図１１のフローチャートに、配信装置１の高ビットレートのコンテンツデータブロックの配信処理の流れを示す。この図１１のフローチャートにおいて、配信装置１は、ステップＳ９１で携帯電話機６からストリーム転送開始要求を受信すると、ステップＳ９２において、高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックを携帯電話機６に転送して処理をステップＳ９３に進めてイベント待ちの状態となる。
このステップＳ９３でイベント待ちをしている状態において、ステップＳ９４で携帯電話機６から再送要求がなされると、配信装置１は、ステップＳ９５において、この再送要求のなされたブロック番号の高ビットレートのコンテンツデータブロックを携帯電話機６に転送する。そして、処理をステップＳ９３に戻し、再度、イベント待ちの状態となる。
また、携帯電話機６の制御部１５は、上記通信制御部５０として機能した際に、一連のコンテンツデータのうち、受信が完了していないコンテンツデータブロックを、そのブロック番号（ＣＢＳＮ）を指定して配信装置１に対して転送要求を行う。配信装置１は、上記ステップＳ９３におけるイベント待ちの状態において、携帯電話機６から、ブロック番号（ＣＢＳＮ）が指定され、コンテンツデータブロックの送信要求がなされると、ステップＳ９７において、この指定されたブロック番号の高ビットレートのコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信する。そして、処理をステップＳ９３に戻し、再度、イベント待ちの状態となる。
また、携帯電話機６の制御部１５は、上記プリデータや高ビットレートのコンテンツデータブロックを受信すると、上記通信制御部５０として機能することで、この受信完了を示すデータ受信確認を配信装置１に送信する。配信装置１は、上記ステップＳ９３におけるイベント待ちの状態において、携帯電話機６から、このデータ受信確認を受信すると、処理をステップＳ９９に進める。
ステップＳ９９では、配信装置１が、この携帯電話機６から受信したデータ受信確認が、一連のコンテンツデータのうち、最後のコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信したことに対するデータ受信確認であるか否かを判別する。そして、携帯電話機６から受信したデータ受信確認が、一連のコンテンツデータのうち、最後のコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信したことに対するデータ受信確認ではない場合、処理をステップＳ１０１に進め、送信済みのコンテンツデータブロックの次のコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信し、処理をステップＳ９３に戻し、イベント待ちの状態となる。
これに対して、携帯電話機６から受信したデータ受信確認が、一連のコンテンツデータのうち、最後のコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信したことに対するデータ受信確認であった場合、配信装置１は、処理をステップＳ１００に進め、イベント待ちの状態となる。
携帯電話機６の制御部１５は、一連のコンテンツデータのうち、最後のコンテンツデータブロックの受信が完了すると、図６のステップＳ２８に示したようにストリーム転送完了通知を配信装置１側に送信し、また、一連のコンテンツデータのうち、最後のコンテンツデータブロックの受信が完了した時点で、未だ受信していないコンテンツデータブロックが存在する場合、この未受信のコンテンツデータブロックのブロック番号を指定して再送要求を行うようになっている。
このため、配信装置１は、ステップＳ１００でイベント待ちをしている状態において、ステップＳ１０３に示すように携帯電話機６側からコンテンツデータブロックの再送要求がなされると、この指定されたブロック番号の高ビットレートのコンテンツデータブロックを携帯電話機６側に再送する。そして、処理をステップＳ９３に戻し、上述のイベント待ちの状態となる。
これに対して、配信装置１は、ステップＳ１００でイベント待ちをしている状態において、ステップＳ１０２に示すように携帯電話機６側からストリーム転送完了通知を受信すると、これは一連のコンテンツデータの受信完了を示すため、そのままこの図１１のフローチャートに示す一連の処理を終了する。
〔携帯電話機６のプリデータの受信動作〕
次に、図１２のフローチャートに、携帯電話機６のプリデータの受信処理の流れを示す。この図１２のフローチャートのステップＳ１１１において、携帯電話機６の制御部１５は、通信制御部５０として機能することで、配信装置１に対して低ビットレートのコンテンツデータであるプリデータの転送開始要求を行うと共に、ステップＳ１１２において、このプリデータの再送制御を行うための再生制御用タイマによる計時を開始する。そして、ステップＳ１１３に処理を進め、イベント待ちの状態となる。
このステップＳ１１３におけるイベント待ちの状態において、配信装置１からプリデータを受信することなく上記再送制御用タイマによる計時がタイムアウトした場合、携帯電話機６の制御部１５は、ステップＳ１２０を介してステップＳ１２１に処理を進め、再度、プリデータの取り込みを試みるべく、通信制御部５０として機能することで、配信装置１に対してプリデータの再送要求を行い、処理をステップＳ１１２に戻す。そして、再度、上述の再送制御用タイマによる計時を開始して、ステップＳ１１３でイベント待ちを行う。
これに対して、配信装置１からプリデータを受信した場合、制御部１５は、通信制御部５０として機能することでステップＳ１１４を介してステップＳ１１５に処理を進め、上記プリデータの再生制御用タイマによる計時を停止制御する。
次に携帯電話機６の制御部１５は、ステップＳ１１６に処理を進め、通信制御部５０として機能することで、配信装置１から受信したプリデータのパリティチェックを行い、パリティエラーが発生している場合には、処理をステップＳ１２１に進め、配信装置１に対して再度、プリデータの転送要求を行う。
また、パリティエラーを発生することなくプリデータが正常に受信されている場合には、制御部１５は処理をステップＳ１１７に進め、通信制御部５０として機能することで、この受信したプリデータをデータ格納部１８に記憶制御する。そして、ステップＳ１１８において、配信装置１に対して、プリデータの受信が完了したことを示すデータ受信確認を送信し、また、ステップＳ１１９において、アプリケーション部５１として機能することで、プリデータの受信が完了したことを認識し、この図１２のフローチャートに示す一連の処理を終了する。
〔携帯電話機６の高ビットレートのコンテンツデータブロックの受信動作〕
次に、図１３のフローチャートに、配信装置１から配信される高ビットレートのコンテンツデータを受信する際の、携帯電話機６の受信処理の流れを示す。携帯電話機６の制御部１５は、上記プリデータの受信を完了すると、通信制御部５０として機能することで、この図１３のフローチャートのステップＳ１３１に示すように、配信装置１に対してストリーム転送開始要求を行う。そして、ステップＳ１３２において、再生制御用タイマによる計時を開始し、ステップＳ１３３に示すイベント待ちの状態となる。
このイベント待ちの状態において、ステップＳ１３４に示すように上記再送制御用タイマの計時によるタイムアウトが発生した場合、制御部１５は通信制御部５０として機能することで、ステップＳ１３５において、このタイムアウトの発生したコンテンツデータブロック（＝正常に受信することができなかったコンテンツデータブロック）の再送を、配信装置１対して要求して、処理をステップＳ１３２に戻す。これにより、この再送要求を行ったコンテンツデータブロックに対する再送制御用タイマによる計時が、再度、ステップＳ１３２で開始されることとなる。
次に、上記イベント待ちの状態において、ステップＳ１３８に示すように配信装置１から高ビットレートのコンテンツデータブロックを受信すると、携帯電話機６の制御部１５は通信制御部５０として機能することで、ステップＳ１３９において、上記再送制御用タイマによる計時を停止制御し、ステップＳ１４０において、この受信した高ビットレートのコンテンツデータブロックのパリティチェックを行う。
このパリティチェックにより、パリティエラーが発生している場合、制御部１５は通信制御部５０として機能することで処理をステップＳ１３５に進め、配信装置１に対して、このパリティエラーが発生しているコンテンツデータブロックの再送要求を行う。そして、この再送要求を行った場合には、処理をステップＳ１３２に戻し、このコンテンツデータブロックの再送要求に対する再送制御用タイマによる計時を開始制御する。
これに対して、パリティエラーを発生せずに正確に高ビットレートのコンテンツデータブロックを受信していた場合には、制御部１５は通信制御部５０として機能することで処理をステップＳ１４１に進め、この受信したコンテンツデータブロックを当該携帯電話機６内のデータ格納部１８に記憶制御すると共に、ステップＳ１４２において、この受信したコンテンツデータブロックのブロック番号（ＣＢＳＮ情報）を上記データ格納部１８に記憶制御する。
そして、ステップＳ１４３において、配信装置１に対して、そのコンテンツデータブロックを正確に受信できたことを示すデータ受信確認を送信する。また、制御部１５は、ステップＳ１４４において、アプリケーション部５１として機能することで、コンテンツデータブロックの受信完了を認識すると共に、この受信が完了したコンテンツデータブロックのブロック番号（ＣＢＳＮ）を認識する。
次に、ステップＳ１４５において、制御部１５は通信制御部５０として機能することで、一連のストリームデータの最後のコンテンツデータブロックを受信したか否かを判別し、最後のコンテンツデータブロックの受信が完了していない場合には処理をステップＳ１３２に戻し、上記再送制御用タイマによる計時を開始して、この最後のコンテンツデータブロックの受信管理を行う。
また、最後のコンテンツデータブロックの受信が完了している場合には処理をステップＳ１４６に進め、データ格納部１８に記憶されているブロック番号（ＣＢＳＮ情報）に基づいて、一連のストリームデータを形成する全てのコンテンツデータブロックの受信が完了しているか否かを判別する。そして、受信していないコンテンツデータブロックが存在する場合、制御部１５は、ステップＳ１４６において通信制御部５０として機能することで、受信していないコンテンツデータブロックのブロック番号を配信装置１に送信し、該配信装置１に対して、この受信していないコンテンツデータブロックの再送要求を行う。そして、処理をステップＳ１３２に戻し、上記再送制御用タイマによる計時を開始して、この未受信のコンテンツデータブロックの受信管理を行う。
また、一連のストリームデータを形成する全てのコンテンツデータブロックの受信が完了している場合、制御部１５は、ステップＳ１４７において通信制御部５０として機能することで、配信装置１に対してストリームデータ転送完了通知を行い、この図１３のフローチャートの一連の処理を終了する。
一方、携帯電話機６の制御部１５は、上述のように高ビットレートの第１番目のコンテンツデータブロックの受信が完了すると、アプリケーション部５１として機能することで、この第１番目のコンテンツデータブロックからブロック番号順に再生を開始するのであるが、再生を行おうとしているブロック番号の高ビットレートのコンテンツデータブロックの受信が完了していない場合、この高ビットレートのコンテンツデータブロックの代わりに、同じブロック番号の低ビットレートのコンテンツデータブロックを上記プリデータから再生する。そして、この低ビットレートのコンテンツデータブロックの再生を行った場合には、制御部１５は通信制御部５０として機能することで、この再生した低ビットレートのコンテンツデータブロックのブロック番号を認識するようになっている。
このため、制御部１５は、ステップＳ１３３でイベント待ちをしている際に、ステップＳ１３６に示すように、上記高ビットレートのコンテンツデータブロックの代わりに再生された低ビットレートのコンテンツデータブロックを認識した場合、ステップＳ１３７において通信制御部５０として機能することで、配信装置１に対して、この低ビットレートのコンテンツデータブロックの次のブロック番号の高ビットレートのコンテンツデータブロックの配信要求を行い、ステップＳ１３２に処理を戻す。そして、このステップＳ１３２において、上記再送制御用タイマによる計時を開始して、上記次のブロック番号の高ビットレートのコンテンツデータブロックの受信管理を行う。
〔携帯電話機６のコンテンツ再生動作〕
次に、図１４のフローチャートに、携帯電話機６の制御部１５によるコンテンツの再生処理の流れを示す。この図１４のフローチャートにおいて、携帯電話機６の制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することでステップＳ１５１に示すようにプリデータの受信完了を認識すると、ステップＳ１５２において、コンテンツデータブロックの再生時間管理用タイマによる計時を開始制御する。そして、ステップＳ１５３に処理を進めイベント待ちの状態となる。
このイベント待ちの状態において、上記再生時間管理用タイマの計時によるタイムアウトが検出されるまでの間に、ステップＳ１５４に示すように高ビットレートのコンテンツデータブロックの受信完了を認識した場合、制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することで、ステップＳ１５５において上記再生時間管理用タイマによる計時を停止制御し、ステップＳ１５６において、この受信が完了した高ビットレートのコンテンツデータブロックの再生を開始する。そして、ステップＳ１５７において、この再生を開始したコンテンツデータブロックの再生時間管理用タイマによる計時を開始制御して処理をステップＳ１５８に進め、イベント待ちの状態となる。
これに対して、上記ステップＳ１５３に示すイベント待ちの状態において、ステップＳ１６４に示すように上記再生時間管理用タイマの計時によるタイムアウトが検出された場合、制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することで、ステップＳ１６５において、配信装置１から受信することのできなかった高ビットレートのコンテンツデータブロックに対応する低ビットレートのコンテンツデータブロックを、上記プリデータから検出して再生を開始する。この低ビットレートのコンテンツデータブロックの再生が開始されると、制御部１５は、ステップＳ１６６において通信制御部５０として機能することで、この再生が開始された低ビットレートのコンテンツデータブロックのブロック番号を認識する。そして、ステップＳ１５７において、この再生を開始したコンテンツデータブロックの再生時間管理用タイマによる計時を開始制御して処理をステップＳ１５８に進め、イベント待ちの状態となる。
次に、上述のように携帯電話機６は、配信装置１から高ビットレートのコンテンツデータブロックを受信する毎に、このコンテンツデータブロックの受信が完了したことを示すデータ受信確認を配信装置１に送信する。そして、配信装置１は、このデータ受信確認をトリガとしてブロック番号順に高ビットレートのコンテンツデータブロックを携帯電話機６に送信する。携帯電話機６の制御部１５は、アプリケーション部５１として機能することで、この配信装置１から受信した高ビットレートのコンテンツデータブロックを認識するのであるが、ステップＳ１５８に示すイベント待ちの状態において、ステップＳ１６７に示すように、配信装置１から受信した高ビットレートのコンテンツデータブロックを認識すると、制御部１５はアプリケーション部５１として機能することで、ステップＳ１６８において、この受信した高ビットレートのコンテンツデータブロック、及びブロック番号（ＣＢＳＮ情報）を、それぞれデータ格納部１８に記憶制御して、再度、ステップＳ１５８に示すイベント待ちの状態となる。
これに対して、ステップＳ１５８に示すイベント待ちの状態において、ステップＳ１５９に示すように上記再生を開始したコンテンツデータブロックの再生時間を管理している再生時間管理用タイマによりタイムアウトが検出された場合、制御部１５は、ステップＳ１６０においてアプリケーション部５１として機能することで、一連のストリームデータの最後のコンテンツデータブロックの再生が終了したか否かを判別する。
そして、上記タイムアウトが発生したコンテンツデータブロックが、一連のストリームデータの最後のコンテンツデータブロックではなかった場合、ステップＳ１６１において、次に再生する高ビットレートのコンテンツデータブロックの受信が完了しているか否かを判別する。
ステップＳ１６１において、次に再生する高ビットレートのコンテンツデータブロックの受信が完了していると判別した場合、制御部１５はアプリケーション部５１として機能することで、ステップＳ１６９において、この受信が完了している高ビットレートのコンテンツデータブロックの再生を開始し、処理をステップＳ１５７に戻す。そして、この新たに再生を開始した高ビットレートのコンテンツデータブロックの再生時間管理用タイマによる計時を開始制御して処理をステップＳ１５８に進め、イベント待ちの状態となる。
これに対して、ステップＳ１６１において、次に再生する高ビットレートのコンテンツデータブロックの受信が完了していないと判別した場合、制御部１５はアプリケーション部５１として機能することで、ステップＳ１６２において、配信装置１から受信されていない高ビットレートのコンテンツデータブロックに対応する低ビットレートのコンテンツデータブロックを、上記プリデータから検出して再生を開始する。この低ビットレートのコンテンツデータブロックの再生が開始されると、制御部１５は、ステップＳ１６３において通信制御部５０として機能することで、この再生が開始された低ビットレートのコンテンツデータブロックのブロック番号を認識する。そして、ステップＳ１５７に処理を戻し、この再生を開始した低ビットレートのコンテンツデータブロックの再生時間管理用タイマによる計時を開始制御して処理をステップＳ１５８に進め、イベント待ちの状態となる。
一方、上記ステップＳ１５９でタイムアウトとなったコンテンツデータブロックが、一連のストリームデータの最後のコンテンツデータブロックであった場合、次に再生するコンテンツデータブロックが存在しないため、アプリケーション部５１として機能している制御部１５は、そのままこの図１４のフローチャートに示す一連の処理を終了する。
［実施の形態の効果］
以上の説明から明らかなように、この実施の形態のコンテンツ配信システムは、一連のストリームデータに対応する低ビットレートのコンテンツデータであるプリデータを予め携帯電話機６にダウンロード或いは格納しておく。そして、再生の際に、プリデータに付されている転送元情報３７に基づいて、その低ビットレートのコンテンツデータブロックと同じデータ内容の高ビットレートのコンテンツデータブロックの転送元を検出し、この転送元に対して、高ビットレートのコンテンツデータブロックの送信要求を行う。
高ビットレートのコンテンツデータブロックが上記配信元から受信できた場合には、この高ビットレートのコンテンツデータブロックを優先して再生し、高ビットレートのコンテンツデータブロックが受信できなかった場合には、上記受信することのできなかった高ビットレートのコンテンツデータブロックと同じデータ内容の低ビットレートのコンテンツデータブロックを上記プリデータから検出する。そして、この低ビットレートのコンテンツデータブロックを、上記受信することのできなかった高ビットレートのコンテンツデータブロックの代わりに再生する。
すなわち、配信元から高ビットレートのコンテンツデータブロックが受信できる場合には、この高ビットレートのコンテンツデータブロックを再生し、配信元から高ビットレートのコンテンツデータブロックが受信できなかった場合には、代わりに同じデータ内容の低ビットレートのコンテンツデータブロックを再生する。
これにより、配信装置１と携帯電話機６との間の通信状態が悪化した場合でも、一連のストリームデータの再生を途切れさせることなく連続して再生を行うことができる。このため、一連のストリームデータの再生動作が途切れることでユーザが受けるストレスを軽減することができる。
なお、ストリームデータとして配信されるコンテンツが音楽コンテンツである場合、高ビットレート←→低ビットレートのビットレートの変化はユーザに認識され難い特徴を持っている。このため、配信装置１と携帯電話機６との間の通信状態に応じて、高ビットレートの音楽コンテンツ及び低ビットレートの音楽コンテンツの切り替えを行っても、ユーザに殆ど気付かれることなく、該切り替えを行うことができる。
また、配信装置１と携帯電話機６との間の通信状態が悪化した場合でも、一連のストリームデータの再生を途切れさせることなく連続して再生を行うことができるため、携帯電話機６等の無線通信端末装置向けのストリーム再生用のコンテンツを作成する場合、最高の無線通信品質を前提として該コンテンツの作成を行うことができ、作成されるコンテンツの品質の向上を図ることができる。
また、一連のストリームデータを形成する全てのコンテンツデータブロックを、低ビットレートのコンテンツデータブロック（＝上記プリデータ）のかたちで、予め携帯電話機６内に取り込んでおき、高ビットレートのコンテンツデータブロックが受信できない場合のみ、この高ビットレートのコンテンツデータブロックの代わりに、同じデータ内容の低ビットレートのコンテンツデータブロックを再生することで、ストリームデータ再生の連続性を保持するようになっている。
このため、例えばパケット交換呼及び回線交換呼等の２つの通信回線を常時並行して保持することでストリームデータ再生の連続性を保持するシステムと比較して、携帯電話機６と配信装置１との間で利用する通信回線を、上記高ビットレートのコンテンツデータブロックの取り込みを行うためのパケット交換呼の１回線のみとすることができる。このため、上記２つの通信回線を常時並行して保持することによる無駄な通信費用の発生を防止することができる。
また、上述のように高ビットレートの各コンテンツデータブロックと、低ビットレートのコンテンツデータブロックとには、それぞれに共通のシーケンスナンバーが付されている。そして、各シーケンスナンバーの高ビットレートのコンテンツデータブロックと、低ビットレートのコンテンツデータブロックのデータ内容は同じデータ内容となっている。
このため、高ビットレートのコンテンツデータブロックから低ビットレートのコンテンツデータブロックに再生するコンテンツデータブロックを切り替える場合、及び低ビットレートのコンテンツデータブロックから高ビットレートのコンテンツデータブロックに再生するコンテンツデータブロックを切り替える場合に、このコンテンツデータブロックの切り替えをユーザの特定な操作を必要とすることなく自動的、かつ、迅速に行うことができる。また、コンテンツデータブロックの上記切り替えを行った場合でも、ストリームデータの連続性を保持した状態で正確に該ストリームデータの再生を可能とすることができる。
また、データ格納部１８に記憶した高ビットレートのコンテンツデータブロックを、一連のストリームデータの再生が終了した後に、該データ格納部１８から消去するようになっている。このため、高ビットレートのコンテンツデータをデータ格納部１８に記憶しておかなくてもよい分、該データ格納部１８の記憶容量を有効に利用可能とすることができる。すなわち、高ビットレートのコンテンツデータの消去後には、データ格納部１８にはプリデータのみ残ることとなるが、再生時には、上述のようにこのプリデータに基づいて配信装置１等から高ビットレートのコンテンツデータの配信を受けて再生することができるため、最低限のデータ（＝プリデータ）をデータ格納部１８に残しておくことで、高品質なデータ（＝高ビットレートのコンテンツデータ）の再生を保証することができる。
［変形例］
上述の実施の形態の説明では、本発明を適用したコンテンツ配信システムは、携帯電話機に対してストリームデータの配信を行うこととしたが、これはＰＨＳ電話機（PHS：Personal Handyphone System）、ＰＤＡ装置（PDA：Personal Digital Assistant），ノート型のパーソナルコンピュータ装置、据え置き型のパーソナルコンピュータ装置等の他の端末装置にストリームデータの配信を行うようにしてもよい。この場合でも、上述と同様の効果を得ることができる。
最後に、上述の実施の形態は、あくまでも本発明の一例として開示したに過ぎない。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、上述の実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
本発明を適用した実施の形態となるコンテンツ配信システムのシステム図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムにおいて携帯電話機側に格納される低ビットレートのコンテンツデータ（プリデータ）のフォーマットの一例を示す図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムにおいて配信装置から携帯電話機に送信される高ビットレートのコンテンツデータブロックのフォーマットの一例を示す図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムで用いられる携帯電話機のブロック図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムの基本的なコンテンツ配信動作を示すシーケンス図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムの通信状態が正常な場合における、携帯電話機と配信装置との間のコンテンツ配信動作を示すシーケンス図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムの携帯電話機側で表示されるユーザインターフェイスの模式図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムの通信状態が悪化した場合における、携帯電話機と配信装置との間のコンテンツ配信動作を示すシーケンス図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムの通信状態が悪化した後に該通信状態が改善された場合における、携帯電話機と配信装置との間のコンテンツ配信動作を示すシーケンス図である。 実施の形態のコンテンツ配信システムの配信装置におけるプリデータの転送動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態のコンテンツ配信システムの配信装置における高ビットレートのコンテンツデータブロックの配信動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態のコンテンツ配信システムの携帯電話機におけるプリデータの受信動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態のコンテンツ配信システムの携帯電話機の高ビットレートのコンテンツデータブロックの受信動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態のコンテンツ配信システムの携帯電話機のコンテンツデータブロックの再生動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
１ 配信装置、２ ネットワークインターフェイス（ネットワークＩＦ）、３ 通信網、４ 交換機、５ 基地局、６ 携帯電話機、１１ アンテナ、１２ アンテナ共用器、１３ 受信復調部、１４ 受信データ復号部、１５ 制御部、１６ 入力部、１７ 表示部、１８ データ格納部、１９ スピーカ部、２０ 着信通知部、２１ 送信データ符号化部、２２ 送信変調部、３２ コンテンツ識別番号（コンテンツＩＤ）、３３ メタデータ、３４ ブロック数情報、３５ パリティ情報、３６ ＣＢＳＮ情報（ＣＢＳＮ：コンテンツブロックシーケンスナンバー）、３７ 転送元情報、３８ 低ビットレートのコンテンツブロックデータ本体、４１ 高ビットレートのコンテンツブロックデータ本体、４２ コンテンツ識別番号（コンテンツＩＤ）、４３ ブロック数情報、４４ ＣＢＳＮ情報（ＣＢＳＮ：コンテンツブロックシーケンスナンバー）、４５ パリティ情報

Claims (6)

  1. 一連のコンテンツの高ビットレートのコンテンツデータの配信元を示す配信元情報が付加された、上記一連のコンテンツの低ビットレートのコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
    上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータに付加されている上記配信元情報に基づいて、上記高ビットレートのコンテンツデータの配信元を検出する配信元検出手段と、
    上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記配信元検出手段で検出された配信元から上記高ビットレートのコンテンツデータを受信する受信手段と、
    上記受信手段における上記高ビットレートのコンテンツデータの受信の有無を検出する受信状態検出手段と、
    上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの非受信が検出されている間、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータのうち、上記非受信の高ビットレートのコンテンツデータに対応する該低ビットレートのコンテンツデータを再生し、上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの受信が検出されている間、この受信手段で受信された高ビットレートのコンテンツデータを再生する再生手段と
    を有する携帯端末装置。
  2. 請求項１に記載の携帯端末装置であって、
    上記低ビットレートのコンテンツデータ及び上記高ビットレートのコンテンツデータは、それぞれ一連のコンテンツデータを分割することで形成された複数のコンテンツデータブロックからなっており、上記低ビットレートのコンテンツデータブロック、及び上記高ビットレートのコンテンツデータブロックには、同じデータ内容のコンテンツデータブロックに対してそれぞれ同じブロック番号が付されており、
    上記再生手段は、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの非受信が検出されている間、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータブロックのうち、上記非受信の高ビットレートのコンテンツデータブロックに対応する該低ビットレートのコンテンツデータブロックを再生すること
    を特徴とする携帯端末装置。
  3. 請求項２に記載の携帯端末装置であって、
    上記記憶手段には、上記受信手段で受信された高ビットレートのコンテンツデータブロックが記憶され、
    上記再生手段による一連のコンテンツの再生が終了した際に、上記記憶手段に記憶されている高ビットレートのコンテンツデータブロックを消去する消去処理手段を有すること
    を特徴とする携帯端末装置。
  4. 一連のコンテンツの高ビットレートのコンテンツデータが記憶された記憶手段と、
    上記コンテンツの配信要求がなされた際に、上記記憶手段から上記高ビットレートのコンテンツデータを読み出して配信する配信手段と
    を備えたコンテンツ配信装置と、
    一連のコンテンツの高ビットレートのコンテンツデータの配信元が、上記コンテンツ配信装置であることを示す配信元情報が付加された、上記一連のコンテンツの低ビットレートのコンテンツデータを記憶する記憶手段と、
    上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータに付加されている上記配信元情報に基づいて、上記高ビットレートのコンテンツデータの配信元を検出する配信元検出手段と、
    上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記配信元検出手段で検出された配信元である上記コンテンツ配信装置から上記高ビットレートのコンテンツデータを受信する受信手段と、
    上記受信手段における上記高ビットレートのコンテンツデータの受信の有無を検出する受信状態検出手段と、
    上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの非受信が検出されている間、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータのうち、上記非受信の高ビットレートのコンテンツデータに対応する該低ビットレートのコンテンツデータを再生し、上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの受信が検出されている間、この受信手段で受信された高ビットレートのコンテンツデータを再生する再生手段と
    を備えた携帯端末装置と
    を有するコンテンツ配信システム。
  5. 請求項４に記載のコンテンツ配信システムであって、
    上記低ビットレートのコンテンツデータ及び上記高ビットレートのコンテンツデータは、それぞれ一連のコンテンツデータを分割することで形成された複数のコンテンツデータブロックからなっており、上記低ビットレートのコンテンツデータブロック、及び上記高ビットレートのコンテンツデータブロックには、同じデータ内容のコンテンツデータブロックに対してそれぞれ同じブロック番号が付されており、
    上記携帯端末装置の再生手段は、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの非受信が検出されている間、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータブロックのうち、上記非受信の高ビットレートのコンテンツデータブロックに対応する該低ビットレートのコンテンツデータブロックを再生すること
    を特徴とするコンテンツ配信システム。
  6. 一連のコンテンツの再生を行う際に、該一連のコンテンツの高ビットレートのコンテンツデータの配信元を示す配信元情報が付加された、該一連のコンテンツの低ビットレートのコンテンツデータを記憶する記憶手段から、該低ビットレートのコンテンツデータに付加されている上記配信元情報に基づいて、上記高ビットレートのコンテンツデータの配信元を検出するように配信元検出手段を制御する配信元検出制御手段と、
    上記一連のコンテンツの再生を行う際に、上記配信元検出手段で検出された上記配信元から、上記高ビットレートのコンテンツデータを受信するように受信手段を制御する受信制御手段と、
    上記受信手段における上記高ビットレートのコンテンツデータの受信の有無を検出するように受信状態検出手段を制御する受信状態検出制御手段と、
    上記受信状態検出手段により、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの非受信が検出されている間、上記記憶手段に記憶されている低ビットレートのコンテンツデータのうち、上記非受信の高ビットレートのコンテンツデータに対応する該低ビットレートのコンテンツデータを再生し、上記受信状態検出手段としてコンピュータを機能させることで、上記受信手段で上記高ビットレートのコンテンツデータの受信が検出されている間、この受信手段で受信された高ビットレートのコンテンツデータを再生するように再生手段を制御する再生制御手段
    としてコンピュータを機能させるコンテンツ再生プログラム。
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