JP4370684B2 - 押出ラミネート材の製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出ラミネート材の製造装置に関し、より詳細には、押出ラミネート材を形成する樹脂膜のネックインを抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属材料に耐腐食性を与えるために、金属表面を樹脂膜で被覆(ラミネート)することが広く行われている。特に、製缶用の樹脂金属ラミネート材の製造においては、薄い樹脂膜を金属基体に対して一様な厚さで強固に接着させる必要がある。このため、ラミネート材の製造にあたっては、例えば、熱可塑性樹脂の熱融着性が利用されている。
【0003】
そのような従来技術の一例が、文献1:「特開平10−138315号公報」に開示されている。この文献1に開示の技術によれば、ダイから供給された膜状の熱可塑性樹脂を、加熱された金属基材に、一対のラミネートロールによって圧着した後、急速冷却して押出ラミネート材を製造している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ダイから押出された帯状の樹脂膜には、内側へ縮もうとする張力が働いている。このため、ダイから押出された直後に、樹脂膜の幅が狭くなる現象(「ネックイン」とも称する。)が発生する。その結果、樹脂膜の両脇部分(「耳」とも称する。)の膜厚が厚くなるとともに、樹脂膜の中央付近の膜厚が平坦な部分の幅が狭くなる。
【0005】
このネックインの程度は、樹脂膜がプレロールやラミネートロールで確実に支持されないと、滑りなどのため一層顕著になる。その結果、樹脂膜の耳部分がさらに肉厚となるとともに、平坦部分の幅がさらに減少してしまう。このため、樹脂膜を広い幅にわたって均一な厚さで基体にラミネートすることが困難となる。そして、過度のネックインの発生により樹脂膜の幅が基体の幅よりも狭くなると、基体の両脇部分を樹脂膜で十分に被覆することが困難となる。その結果、基体の両脇部分が無駄となる上、幅の広い押出ラミネート材を製造することが困難となってしまう。
【0006】
そこで、幅の広い押出ラミネート材を製造するためには、過度のネックインの発生を抑制するため、樹脂膜とプレロールやラミネートロールとの密着性、特に耳部分の密着性を向上させ、樹脂膜を確実に支持搬送し、安定した製膜を行うことが必要となる。
【0007】
なお、フィルムに樹脂膜をラミネートする際に樹脂膜を帯電させ、樹脂膜とフィルムとの密着性を向上させる技術が、文献2:「特開昭55−25378号公報」に記載されている。しかし、この文献2記載の技術においては、ロールが電気的に接地されている。このため、樹脂膜とロールとを直接接触させると、樹脂膜に帯電していた電荷がアースへ逃げてしまうことになる。その結果、樹脂膜とロールとの間では、静電気による十分な密着力を得ることが困難である。
【0008】
その上、フィルムの代わりに、導電性の金属基体に樹脂膜をラミネートする場合、仮にロールを接地していなくとも、樹脂膜に帯電していた電荷が金属基体に逃げてしまう。このため、上記の文献2開示の技術においては、静電気によって樹脂膜とロールとの十分な密着力を得ることは困難である。
【0009】
本発明は、上記の事情にかんがみてなされたものであり、過度のネックインの発生を抑制し、樹脂膜を広い幅にわたって均一な厚さで基体にラミネートすることができる押出ラミネート材の製造装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的の達成を図るため、本発明の請求項1に係る押出ラミネート材の製造装置によれば、帯状の樹脂膜を押し出すダイと、この樹脂膜と基材とを積層して圧着する一対のラミネートロールとを備えた押出ラミネート材の製造装置であって、前記一対のラミネートロールの円筒部表面を接地点から電気的に絶縁し、前記一対のラミネートロールのうち樹脂膜に接するラミネートロールの円筒部表面を帯電させ前記樹脂膜を密着させてから、前記樹脂膜を基体にラミネートする構成としてある。
【0011】
また、本発明によれば、ラミネートロールの円筒部表面を、接地点から電気的に絶縁した構成としてあるので、ラミネートロールの円筒部表面に帯電した電荷が逃げることを防ぐことができる。その結果、円筒部表面を十分に帯電させることができるので、静電気により、樹脂膜とラミネートロールとの十分な密着力を確保することができる。
【0012】
このように、本発明によれば、ラミネートロールを帯電させることにより、静電気を利用して、ラミネートロールと樹脂膜との密着性を向上させることができる。その結果、樹脂膜を確実に支持搬送できるので、過度のネックインの発生を抑制することができる。これにより、樹脂膜を広い幅にわたって均一な厚さで基体にラミネートすることができる。
【0013】
また、本発明では、樹脂膜に接する側のラミネートロールを帯電させるので、導電性の金属基体をラミネートする場合においても、ラミネートロールに帯電した電荷が逃げることがない。このため、樹脂膜とラミネートロールとの十分な密着力を確保することができる。
【0014】
また、請求項2記載の発明によれば、ラミネートロールの円筒部を、絶縁性弾性体により被覆した構成としてある。
このように絶縁性弾性体を用いれば、弾性を利用して、一対のラミネートロールどうしの接触面積を広くすることができる。すなわち、ラミネートロールどうしをその周方向に沿って一定の幅で互いに接触させることができる。このため、基体と樹脂膜との密着性をより向上させることができる。
さらに、絶縁性弾性体を用いれば、ラミネートロールによる圧力をラミネート材の全幅にわたって均一にかけることができる。また、ラミネートロールの熱伝導による樹脂膜の温度低下を防止することもできる。
【0015】
また、請求項3記載の発明によれば、樹脂膜に接するラミネートロールの近傍に、このラミネートロールの円筒部表面を帯電させるための電極を設けた構成としてある。
このように、ラミネートロールの近傍に電極を設けることにより、ラミネートロールを容易に帯電させることができる。
【0016】
また、請求項4記載の発明によれば、電極をブラシ状電極とした構成としてある。
ブラシ状電極は、例えばワイヤや針形状の電極に比べて、広い面積で円筒部表面を帯電させることができる。このため、ブラシ状電極を設ければ、絶縁破壊が発生する電圧よりも低い印加電圧であっても、ラミネートロールの円筒部表面を強力に帯電させることができる。
【0017】
また、本発明の請求項5記載の押出ラミネート材の製造装置によれば、帯状の樹脂膜を押し出すダイと、この樹脂膜と基材とを積層して圧着するための一対のラミネートロールと、ダイから押し出された樹脂膜をラミネートロールへ支持搬送するプレロールとを備えた押出ラミネート材の製造装置であって、前記一対のラミネートロールの円筒部表面を接地点から電気的に絶縁し、前記一対のラミネートロールのうち前記樹脂膜に接するラミネートロール及び前記プレロールの円筒部表面を帯電させ前記樹脂膜を密着させてから、前記樹脂膜を基体にラミネートする構成としてある。
【0018】
このように、ラミネートロール及びプレロールのうちの少なくとも一方を帯電させることにより、静電気によって、ラミネートロール及び/又はプレロールと樹脂膜との密着力を向上させることができる。その結果、樹脂膜を確実に支持搬送できるので、過度のネックインの発生を抑制することができる。これにより、樹脂膜を均一な厚さで基体にラミネートし、膜幅が広く、膜厚がより均一な押出ラミネート材を製造することができる。
【0019】
また、請求項6記載の発明によれば、プレロールを金属製とした構成としてある。このようにすれば、プレロールと樹脂膜との密着性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、図1を参照して、第一実施形態について説明する。
図1は、第一実施形態の押出ラミネート材の製造装置(以下、単に「製造装置」とも称する。)の構成を説明するための断面模式図である。
【0021】
第一実施形態では、金属基体3の片面に樹脂膜1を接着した押出ラミネート材を製造する。そのため、図1に示すように、第一実施形態の製造装置は、熱可塑性樹脂を押し出して帯状の樹脂膜1を形成するためのダイ2と、この樹脂膜1と帯状の金属基材3とを積層して圧着するための一対のラミネートロール4a及び4bとを備えている。
【0022】
このダイ2としては、例えば、コートハンガー型ダイ、フィッシュテール型ダイ又はストレートマニホールド型ダイ等の任意好適なものを使用することができる。また、ダイ2のダイリップの幅は、例えば、0.3〜2mmの範囲内が適当である。
【0023】
また、一対のラミネートロール4a及び4bの円筒部表面41a及び41bは、接地点から電気的に絶縁されている。そして、これら円筒部は、それぞれ絶縁性弾性体42a及び42bにより被覆されている。
【0024】
これら絶縁性弾性体42a及び42bの厚さは、例えば、1〜30mmの範囲内であることが好ましい。さらに、絶縁性弾性体42a及び42bの硬さは、好ましくは50°〜90°(JIS・K6301)の範囲内、より好ましくは60°〜90°の範囲内であることが望ましい。
また、一対のラミネートロール4a及び4b間の接触幅(ニップ幅)は、1〜50mmの範囲内であることが望ましい。さらに、ニップの圧力は、9.8×104〜9.8×106Pa(1〜100kgf/cm2)の範囲内であることが望ましい。
【0025】
また、絶縁性弾性体42a及び42bには、任意好適なものを使用することができるが、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の離型性及び耐熱性に優れた材料を使用することが望ましい。
シリコーンゴムとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン又はポリジフェニルシロキサンを構成単位とするシリコーンゴムを使用することが望ましい。
フッ素ゴムとしては、例えば、フッ化ビニリデン系、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロメチルビニルエーテル系、フルオロシリコーン系、フルオロホスファゼン系のフッ素ゴムを使用することが望ましい。
【0026】
そして、この製造装置においては、一対のラミネートロール4a及び4bのうち、樹脂膜1に接する側のラミネートロール4aの円筒部表面41aを帯電させている。そのために、ここではラミネートロール4aの近傍にブラシ状電極5を設けている。ブラシ状電極5を用いれば、広い面積で円筒部表面41aを帯電させることができる。このため、ブラシ状電極4により、絶縁破壊が発生する電圧よりも低い印加電圧であっても、ラミネートロールを強力に帯電させることができる。なお、本実施形態では、ブラシ状電極5に20kVの電圧を印加して円筒部表面41aを帯電させている。
【0027】
また、この実施形態では、樹脂膜に接する側のラミネートロールを帯電させるので、帯電したラミネートロールは基体に直接接触しない。その結果、樹脂膜を導電性の金属基体にラミネートする場合においても、ラミネートロールに帯電した電荷が逃げることがない。このため、樹脂膜とラミネートロールとの十分な密着力を確保することができる。
【0028】
さらに、この実施形態では、ラミネートロール4a及び4bの間へ搬送される金属基材3を加熱するための加熱装置7と、ラミネートロール4a及び4bの間から送り出された押出ラミネート材6を冷却するための冷却装置8とを備えている。
加熱装置7は、金属基材3を熱加熱性樹脂の融点Tm付近の温度、例えば(Tm−80℃)〜(Tm+50℃)に加熱する。本実施形態では、ローラ加熱により金属基体3を加熱する。
なお、金属基体3の加熱にあたっては、ローラ加熱以外にも、例えば、通電発熱、高周波誘導加熱、熱風炉加熱等の任意好適な方法を利用することができる。
【0029】
また、冷却装置8は、製造された押出ラミネート材6を、その熱結晶化や熱劣化を防ぐために急冷する。本実施形態では、冷却水浸漬により、押出ラミネート材6を冷却する。
なお、押出ラミネート材6の冷却にあたっては、冷却水浸漬以外にも、例えば、冷風吹き付け、冷却水噴霧、冷却ローラ等の任意好適な方法を利用することができる。
【0030】
次に、図1に示した製造装置によって、金属基体3の片面に樹脂膜1をラミネートする例について説明する。
金属基体3としては、任意好適な材料を使用することができるが、例えば、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ又は電界クロム酸処理等による各種表面処理鋼板や、アルミニウム等の軽金属板、又は、これらの箔が使用される。そして、金属基体3の厚さは、例えば0.10〜0.50mmが望ましい。特に、表面処理鋼板の場合には、0.10〜0.30mmの厚さが望ましい。また、軽金属板の場合には、0.15〜0.40mmの厚さが望ましい。
【0031】
また、樹脂膜1の原料となる熱可塑性樹脂は、押出成形可能で造膜性を有するものであれば良く、例えば、皮膜物性、加工性及び耐食性の点で優れた熱可塑性ポリエステルや共重合ポリエステルが望ましい。
なお、樹脂膜1は一層であっても複数層の積層体であっても良い。積層体の場合、積層される樹脂層の数に対応する押出機を使用し、多重多層ダイを通して樹脂膜の押出成形を行うと良い。
【0032】
本実施形態では、熱可塑性樹脂の一例として、融点が200℃のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/IA)を使用する。そして、樹脂膜1の押出成形にあたり、熱可塑性樹脂を260℃に加熱しておき、ダイ2から押出して帯状の樹脂膜1を成形する。押出し成形された樹脂膜1は、一対のラミネートロール4a及び4bの間(ニップ位置)へ送られる。
【0033】
また、このニップ位置には、加熱装置7によって245℃に加熱された金属基体3も送り込まれる。
そして、このニップ位置において、この樹脂膜1と金属基材3とを積層して圧着することにより押出ラミネート材5を製造する。
【0034】
ところで、ダイから押出された樹脂膜1には、内側へ縮もうとする張力が働く。このため、図2に示すように、ダイ2から押出された直後に、樹脂膜1の幅が狭くなるネックインが発生する。そして、ラミネートロール4aと樹脂膜1との密着力が不十分であると、樹脂膜1が滑り、過度のネックインが発生してしまう。
【0035】
そこで、本実施形態では、ラミネートロール4aを帯電させ、静電気を利用して、ラミネートロール4aと樹脂膜1との密着性を向上させている。その結果、樹脂膜を確実に支持搬送できるので、過度のネックインの発生を抑制することができる。これにより、樹脂膜を広い幅にわたって均一な厚さで基体にラミネートすることができる。
【0036】
ここで、図3に、押出ラミネート材6の樹脂膜の膜厚分布の測定結果を示す。図3のグラフの横軸は帯状の押出ラミネート材の幅方向位置をその中央からの距離(mm)で表し、縦軸はラミネートされた樹脂膜の膜厚(μm)を表す。そして、グラフ中の曲線Iは、ラミネートロール4aを帯電させた場合の測定結果を表し、破線IIは、ラミネートロール4aを帯電させなかった場合の測定結果を表す。
【0037】
そして、破線IIに示すように、ラミネートロール4aを帯電させなかった場合には、樹脂膜の幅は約210mmまで縮んてしまっている。そして、その耳部分の肉厚は、両側ともに150μmに達しており、その上、中央の膜厚が均一な平坦部分の幅は、僅か150mm程度である。
【0038】
これに対して、曲線Iに示すように、ラミネートロール4aを帯電させた場合には、約300mmの樹脂膜の幅が得られている。そして、その耳部分の肉厚は、一方が150μmに達しているものの、もう一方では100μm程度にまで薄くなっている。その上、中央の膜厚が均一な平坦部分の幅も、270mm程度まで広がっている。
【0039】
したがって、ラミネートロール4aを帯電させたことにより、過度のネックインの発生を抑制して、樹脂膜1を広い幅にわたって均一な厚さで金属基体3にラミネートした押出ラミネート材を製造できることが確認できた。
【0040】
[第二実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。
図4は、第二実施形態の押出ラミネート材の製造装置の構成を説明するための断面模式図である。
【0041】
第二実施形態では、金属基体3の両面に樹脂膜1a及び1bをそれぞれ接着した押出ラミネート材を製造する。そのため、図4に示すように、第二実施形態の製造装置は、一対のダイ2a及び2bを設けている。さらに、第二実施形態では、一対のラミネートロール4a及び4bのそれぞれ近傍に、ブラシ状電極5a及び5bを設けて、一対のラミネートロール4a及び4b両方の円筒部表面41a及び41bをそれぞれ強力に帯電させている。
【0042】
そして、上述の第一実施形態と同様にして、金属基体3の両面にそれぞれ樹脂膜1a及び1bを積層した押出ラミネート材6aを製造する。
なお、製造装置の他の部分の構成及び条件については、第一実施形態の構成及び条件と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【0043】
第二実施形態では、一対のラミネートロール4a及び4b両方の円筒部表面41a及び41bをそれぞれを帯電させているので、ラミネートロール4aと樹脂膜1aとの密着性を確保するとともに、ラミネートロール4bと樹脂膜1bとの密着性も確保することができる。これにより、樹脂膜1a及び1bの両方について、過度のネックインの発生を抑制し、樹脂膜1a及び1bを広い幅にわたって均一な厚さで金属基体3の両面にそれぞれにラミネートすることができる。
【0044】
なお、樹脂膜1aと樹脂膜1bとは、同一材料であってもよいし、互いに異なる材料であってもよい。また、樹脂膜の種類によっては、必要に応じて、ラミネートロール4a及び4bの一方だけを帯電させるようにしてもよい。
【0045】
[第三実施形態]
次に、図5を参照して、本発明の第三実施形態について説明する。
図5は、第三実施形態の押出ラミネート材の製造装置の構成を説明するための断面模式図である。
【0046】
第三実施形態では、第一実施形態の製造装置の構成に加えて、ダイ2から押出された樹脂膜1をラミネートロール4a及び4bへ支持搬送する金属製のプレロール9を備えている。
【0047】
プレロール9をダイ2の直近に設けたことにより、エアギャップが短縮される。そして、ダイ2から押し出された樹脂膜1を全幅にわたって受けることにより、プレロール9との接触面では樹脂膜1の冷却が行われ、押出ラミネートの際の膜揺れや、過大なネックインの発生を防止し、平坦部の膜幅を増大させて製品の歩留まりを向上させることができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、プレロール9及びラミネートロール4aの近傍にブラシ電極5、5を備えている。そして、これらブラシ電極5、5によりプレロール9及びラミネートロール4aの円筒部表面を帯電させることにより、静電気によって、プレロール9及びラミネートロール4aと樹脂膜1との密着力をより一層向上させることができる。その結果、樹脂膜1を確実に支持搬送できるので、ネックインの発生をより一層抑制することができる。これにより、樹脂膜1を広い幅にわたって均一な厚さで金属基体3にラミネートすることができる。
【0049】
また、第三実施形態では、このプレロール9の円筒部表面は、クロムメッキされた鏡面仕上げが施されている。
なお、製造装置の他の部分の構成及び条件については、第一実施形態の構成及び条件と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
また、本実施形態では、プレロール9及びラミネートロール4aの両方を帯電させた例について説明したが、変形例として、プレロール9及びラミネートロール4aのうちのいずれか一方だけを帯電させてもよい。
【0050】
[第四実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第四実施形態について説明する。
図6は、第四実施形態の押出ラミネート材の製造装置の構成を説明するための断面模式図である。
【0051】
第四実施形態では、第二実施形態の製造装置の構成に加えて、ダイ2a及び2bからそれぞれ押出された樹脂膜1a及び1bを支持搬送する金属製のプレロール9a及び9bをそれぞれ備えている。さらに、ラミネートロール4a、4b及びプレロール9a、9bの近傍に、ブラシ電極5a、5b及び5c、5dをそれぞれ備えている。そして、ブラシ電極5a及び5bによってラミネートロール4a及び4bの円筒部表面をそれぞれ帯電させ、ブラシ電極5c及び5dによってプレロール9a及び9bの円筒部表面をそれぞれ帯電させている。
【0052】
そして、上述の第二実施形態と同様にして、金属基体3の両面にそれぞれ樹脂膜1a及び1bを積層した押出ラミネート材6aを製造する。
なお、製造装置の他の部分の構成及び条件については、第二実施形態の構成及び条件と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【0053】
このように、ラミネートロール4a及び4bとプレロール9a及び9bを帯電させれば、プレロール及びラミネートロールと樹脂膜との密着力もそれぞれ向上させることができる。これにより、樹脂膜1a及び1bを広い幅にわたって均一な厚さで金属基体3の両面にそれぞれにラミネートすることができる。
【0054】
なお、過度のネックインの発生を抑制するためには、樹脂膜を支持するプレロール及びラミネートロールのいずれか一方が少なくとも帯電していれば良い。したがって、第四実施形態の変形例としては、例えば、プレロール9a及び9bだけを帯電させたもの、ラミネートロール4a及び4bを帯電させたもの、プレロール9a及びラミネートロール4bを帯電させたもの、及び、プレロール9b及びラミネートロール4aを帯電させたもの等が考えられる。
【0055】
また、樹脂膜1a及び1bの樹脂の種類によっては、上記樹脂膜1a又は1bの片面に対応するプレロール又はラミネートロールのいずれか一方が少なくとも帯電してればよい。例えば、ラミネートロール4aのみ、ラミネートロール4bのみ、プレロール9aのみ、又は、プレロール9bのみを帯電させてもよい。
【0056】
上述した実施の形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は、種々の変更を行うことができる。例えば、上述した実施の形態においては、基体として金属基体を使用した例について説明したが、本発明では、基体は金属基体に限定されない。
【0057】
また、上述の実施形態では、ラミネートロールの表面い絶縁性弾性体で被覆した例について説明したが、この発明では、ラミネートロールの表面は、必ずしも絶縁性弾性で被覆されていなくとも良い。
また、上述の実施形態では、ラミネートロールやプレロールをいずれも接地電位に対して正電圧で帯電させた例について説明したが、本発明では、これらロールを負電圧で帯電させても良い。
【0058】
また、上述の第二及び第四実施形態においては、両面ラミネート材を製造するにあたり、ラミネートロール又はプレロールを両面でそれぞれ帯電させた例について説明したが、この発明では両面ラミネート材を製造する際に、片面側のラミネートロール又はプレロールだけを帯電させても良い。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ラミネートロール又はプレロールを帯電させることにより、静電気を利用して、ラミネートロール又はプレロールと樹脂膜との密着性を静電気によって向上させることができる。その結果、樹脂膜を確実に支持搬送できるので、過度のネックインの発生を抑制することができる。これにより、樹脂膜を広い幅にわたって均一な厚さで基体にラミネートした押出ラミネート材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の押出ラミネート材の製造装置の構成を説明するための断面模式図である。
【図2】ネックインを説明するための模式図である。
【図3】押出ラミネート材の樹脂膜の膜厚分布の測定結果を示すグラフである。
【図4】第二実施形態の押出ラミネート材の製造装置の構成を説明するための断面模式図である。
【図5】第三実施形態の押出ラミネート材の製造装置の構成を説明するための断面模式図である。
【図6】第四実施形態の押出ラミネート材の製造装置の構成を説明するための断面模式図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 樹脂膜
2、2a、2b ダイ
3 金属基体
4a、4b ラミネートロール
5、5a、5b、5c、5d ブラシ状電極
6、6a 押出ラミネート材
7 加熱装置
8 冷却装置
9、9a、9b プレロール

Claims (6)

  1. 帯状の樹脂膜を押し出すダイと、この樹脂膜と基材とを積層して圧着する一対のラミネートロールとを備えた押出ラミネート材の製造装置であって、
    前記一対のラミネートロールの円筒部表面を接地点から電気的に絶縁し、前記一対のラミネートロールのうち樹脂膜に接するラミネートロールの円筒部表面を帯電させ前記樹脂膜を密着させてから、前記樹脂膜を基体にラミネートすることを特徴とした押出ラミネート材の製造装置。
  2. 前記ラミネートロールの円筒部を、絶縁性弾性体により被覆したことを特徴とする請求項1記載の押出ラミネート材の製造装置。
  3. 前記樹脂膜に接するラミネートロールの近傍に、このラミネートロールの円筒部表面を帯電させる電極を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の押出ラミネート材の製造装置。
  4. 前記電極をブラシ状電極としたことを特徴とする請求項3記載の押出ラミネート材の製造装置。
  5. 帯状の樹脂膜を押し出すダイと、この樹脂膜と帯状の基材とを積層して圧着するための一対のラミネートロールと、前記ダイから押し出された樹脂膜を前記ラミネートロールへ支持搬送するプレロールとを備えた押出ラミネート材の製造装置であって、
    前記一対のラミネートロールの円筒部表面を接地点から電気的に絶縁し、前記一対のラミネートロールのうち前記樹脂膜に接するラミネートロール及び前記プレロールの円筒部表面を帯電させ前記樹脂膜を密着させてから、前記樹脂膜を基体にラミネートすることを特徴とした押出ラミネート材の製造装置。
  6. 前記プレロールを金属製としたことを特徴とする請求項記載の押出ラミネート材の製造装置。
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