JP4369871B2 - 触媒の混合物を使用する重質原料のhpc法 - Google Patents

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Description

本発明は、重質炭化水素油を水素化処理するための方法に関し、特に、2つの触媒の混合物を使用して重質炭化水素油の水素化処理における有利な効果を得るところの方法に関する。本発明はまた、そのような方法での使用に適する触媒の混合物に関する。
特に、本発明は、製造される沈降物の量を制限しながら、水素化脱硫(HDS)、水素化脱金属(HDM)、アスファルテン減少(HDAsp)および/または軽質生成物への転化を行うために、硫黄、金属、およびアスファルテンなどの多量の不純物を含む重質炭化水素油を水素化処理するために適する方法に関する。供給物はコンラドソン残留炭素(CCR)および窒素などの他の汚染物をも含み得、残留炭素減少(HDCCR)および水素化脱窒素(HDN)も所望のプロセスであり得る。
沸点が538℃以上である成分を50重量%以上含む炭化水素油は重質炭化水素油と呼ばれる。これらは、石油精製において製造される大気圧残渣(atmosphericresidue)(AR)および減圧残渣(vacuum residue)(VR)を包含する。これらの重質炭化水素油から水素化処理によって硫黄などの不純物を除去することおよび重質炭化水素油を経済的により高い価値を有する軽質油に転化することが望ましい。
重質炭化水素油の水素化処理は、沸騰床操作または固定床操作で行われる。沸騰床操作に関して、種々の触媒が提案されている。一般に、これらの触媒は、硫黄、コンラドソン残留炭素(CCR)、種々の金属、窒素および/またはアスファルテンを効率的に除去することができる。しかし、アスファルテンの分解、供給原料の残りと良好にバランスしている、縮合芳香族化合物の凝集体、は一般に、沈降物およびスラッジの形成を伴うことが分かった。
沈降物は、シェル熱ろ過固体試験(Shell hot filtration solid test)(SHFST)によって決定され得る(VanKerkvoortら、J. Inst. Pet., 37, pp.596-604 (1951)を参照)。その通常の含量は、フラッシュドラムの底部から集められる340℃以上の沸点を有する生成物中の約0.19〜1重量%であると言われている。水素化処理中に形成される沈降物は、熱交換器および反応器などの装置中に沈降および沈着し得、そして通路の流れを止める恐れがあるので、これらの装置の操作の重大な妨げとなり得る。特に、多量の減圧残渣を含む重質炭化水素供給物の水素化処理では、沈降物の形成は重要な因子であり、したがって、効率的な汚染物除去を低い沈降物形成および高い転化と組み合わせて行うための方法が望まれる。
米国特許第5,100,855号は、水素化脱金属、水素化脱硫、水素化脱窒素およびアスファルテン含有供給原料の水素化転化を行うための触媒混合物を記載しており、ここでは、1方の触媒が、比較的小さい孔の触媒であり、他方が、大きい孔の体積を比較的多量に有する。上記触媒混合物は、好ましくは沸騰床において適用される。第一の触媒は、0.10ml/g未満の孔体積を200Åより上の直径を有する孔中に有し、0.02ml/g未満を800Åより上の直径を有する孔中に有し、かつ最大平均中間孔直径が130Åである。第二の触媒は、0.07ml/gより多い孔体積を800Åより上の直径を有する孔中に有する。
米国特許第6,086,749号は、移動床での使用のための方法および触媒系を記載しており、ここでは、2種類の触媒の混合物が使用され、各々が、それぞれ水素化脱金属および水素化脱窒素などの異なる機能のために設計されている。触媒の少なくとも1は、その孔体積の少なくとも75%を100〜300Åの直径を有する孔中に有し、その孔体積の20%未満を100Åより下の直径を有する孔中に有する。
本発明の目的は、硫黄、コンラドソン残留炭素、金属、窒素およびアスファルテンなどの不純物を多量に含む重質炭化水素油、特に、80%以上の減圧残渣画分を含む重質油、の水素化処理のための、不純物を十分除去するための有効な方法を提供することである。効率的な汚染物除去に加えて、上記方法は、低い沈降物形成、高いアスファルテン除去、および高い転化を示すであろう。さらに、上記方法は、高い柔軟性を有するであろう。
鋭意研究に基づいて、重質油を、表面積、孔体積、および孔サイズ分布に関して特定の要件を満たす2つの異なる水素化処理触媒の混合物と接触させるところの、重質炭化水素油を水素化処理するための方法が発明された。第一の触媒は、重質炭化水素油中の不純物を減少させるように特に設計されている。特に、それは、脱金属および効率的なアスファルテン除去を達成し、アスファルテン沈殿の防止に有効である。第二の触媒は、安定な操作を可能にするために、アスファルテンの沈殿故の沈降物形成を阻害しながら、進歩した脱硫および水素化反応を行うように適合されている。2つの異なる触媒の混合物の使用は相乗効果をもたらし、その結果、安定した操作、高い汚染物除去および転化活性、ならびに低い沈降物形成を、操作における大きい柔軟性とともに示す方法が得られる。
本発明の方法は、重質炭化水素油を水素の存在下で、互いに異なる水素化処理触媒Iおよび水素化処理触媒IIの混合物と接触させることを含む、重質炭化水素油を水素化処理するための方法であり、ここで、触媒Iは多孔性無機担体上にVIB族金属成分および所望によりVIII族金属成分を含み、該触媒は少なくとも100m/gの比表面積および少なくとも0.55ml/gの総孔体積を有し、該総孔体積の少なくとも50%を少なくとも20nm(200Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の10〜30%を少なくとも200nm(2000Å)の直径を有する孔中に有し、触媒IIは多孔性無機担体上にVIB族金属成分および所望によりVIII族金属成分を含み、該触媒は少なくとも100m/gの比表面積および少なくとも0.55ml/gの総孔体積を有し、該総孔体積の少なくとも75%を10〜120nm(100〜1200Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の0〜2%を少なくとも400nm(4000Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の0〜1%を少なくとも1000nm(10000Å)の直径を有する孔中に有し、該混合物は2〜98重量%の触媒Iおよび2〜98重量%の触媒IIを含
本発明はまた、そのような方法での使用に適する触媒混合物にも関し、ここで、該触媒混合物は、上記で定義された触媒IおよびIIを上記で定義された量で含む。
本発明に従う方法で使用される触媒は、多孔性担体上に触媒物質を含む。本発明に従う方法において使用される触媒上に存在する触媒物質は、ChemicalAbstract Services (CASシステム)によって適用される元素周期律表のVIB族金属および所望によりVIII族金属を含む。VIII族金属が、本発明に従う方法において使用される触媒上に存在するのが好ましい。本発明において使用されるVIII族金属は、ニッケル、コバルトおよび鉄から選択される少なくとも1である。性能および経済上の点から、コバルトおよびニッケルが好ましい。ニッケルが特に好ましい。使用され得るVIB族金属としては、モリブデン、タングステンおよびクロムが挙げられ得るが、性能および経済上の点から、モリブデンが好ましい。モリブデンとニッケルの組み合わせが、本発明に従う触媒の触媒物質のために特に好ましい。
最終触媒の重量(100重量%)に基づいて、本発明に従う方法で使用される触媒において使用されるそれぞれの触媒物質の量は以下の通りである。
上記触媒は一般に、VIB族金属を、三酸化物として計算して、4〜30重量%、好ましくは7〜20重量%、より好ましくは8〜16重量%含む。4重量%未満が使用されると、触媒の活性が一般に最適未満である。他方、16重量%より多く、特に20重量%より多く使用されると、触媒性能が一般にさらなる改善をされない。最適の結果は、上記VI族金属含量が上記の好ましい範囲内であるように選択されるときに得られる。
上記したように、触媒がVIII族金属成分を含むのが好ましい。適用される場合、この成分は好ましくは、酸化物として計算して、0.5〜6重量%、より好ましくは1〜5重量%のVIII族金属の量で存在する。上記量が0.5重量%未満の場合には、触媒の活性が最適未満である。6重量%より多く存在するならば、触媒性能が更なる改善をされないであろう。
触媒Iおよび触媒IIの総孔体積は、少なくとも0.55ml/g、好ましくは少なくとも0.6ml/gである。好ましくは、高々1.0ml/gであり、より好ましくは高々0.9ml/gである。総孔体積および孔サイズ分布の決定は、例えば水銀ポロシメーターAutoporeII(商標)(Micrometrics製)を使用し、480ダイン/cmの表面張力を用いて140°の接触角での水銀の浸透によって行われる。
触媒Iは、少なくとも100m/gの比表面積を有する。上記触媒は、必要な孔サイズ分布範囲を満たすために、100〜180m/g、好ましくは150〜170m/gの表面積を有することが好ましい。上記表面積が100m/g未満であると、触媒活性が低くなりすぎる。本明細書では、上記表面積は、N吸着に基づくBET法にしたがって決定される。
触媒Iは、総孔体積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%を少なくとも20nm(200Å)の直径を有する孔中に有する。この範囲における孔体積の割合は、好ましくは高々80%である。この範囲における孔体積の割合が50%より下の場合には、触媒性能、特にアスファルテン分解活性が低下する。その結果、沈降物形成が増加する。触媒Iの担体は好ましくは、孔体積の少なくとも43%、より好ましくは少なくとも47%をこの範囲に示す。担体のためのこの範囲における孔体積の割合は高々75%、より好ましくは高々70%である。
触媒Iは、総孔体積の10〜30%、好ましくは15〜25%を少なくとも200nm(2000Å)の直径を有する孔中に有する。この範囲における孔の割合が低過ぎると、反応器の底部でのアスファルテン除去活性が低下し、それとともに沈降物形成が増加する。この範囲における孔の割合が高過ぎると、触媒の機械的強度が、恐らく商業的操作のために許容され得ない値にまで低下する。
触媒強度および活性を改善するために、触媒Iは好ましくは、総孔体積の0〜5%、より好ましくは0〜1%を1000nm(10000Å)より上の直径を有する孔中に有する。
特に供給原料が多量の減圧残渣を含むとき、すなわち、538℃より上で沸騰する供給物の割合が少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%のときには、 触媒Iが85%未満、好ましくは82%未満、さらにより好ましくは80%未満の%PV(10〜120nm)(%PV(100〜1200Å))を有することが好ましい。この範囲に存在する孔体積の割合が高過ぎると、200nm(2000Å)より上の直径を有する孔中における孔体積の割合が低下し、残渣分解速度が不充分であり得る。
触媒Iは好ましくは、孔体積の0.2ml/g未満を50〜150nm(500〜1500Å)の直径を有する孔中に有する。孔体積の0.2ml/gより多くがこの範囲に存在するならば、30nm(300Å)より下の直径を有する孔中に存在する孔体積の相対割合が低下し、触媒性能が低下し得る。さらに、30nm(300Å)より下の直径を有する孔は、非常に重質の供給原料成分によってふさがりやすいので、この範囲に存在する孔体積の量が比較的に少なすぎると触媒の寿命が短くなる恐れがあり得る。
さらに、触媒Iは好ましくは、その孔体積の25%未満、より好ましくは17%未満、さらにより好ましくは10%未満を10nm(100Å)以下の直径を有する孔中に有する。この範囲に存在する孔体積の割合がこの値より上であると、非アスファルテン供給物構成要素の増加された水素化故に沈降物形成が増加し得る。
触媒Iは、慣用の酸化物、例えばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナがその中に分散したアルミナ、シリカコーティングされたアルミナ、マグネシア、ジルコニア、ボリア、およびチタニア、ならびにこれらの酸化物の混合物、を一般に含むところの多孔性無機酸化物担体に基づく。担体は、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%がアルミナで構成されることが好ましい。本質的にアルミナで構成される担体が好ましい。用語「本質的に構成される」は、触媒の触媒活性に悪影響を及ぼさない限り、少量の他の成分が存在し得ることを意味することが意図される。適する触媒Iの例は、国際特許出願公開WO01/100541に記載された触媒である。
触媒IIは、少なくとも100m/g、 好ましくは少なくとも130m/gの比表面積を有する。上記表面積が100m/gより下であると、触媒活性が不充分である。
触媒IIは、総孔体積の少なくとも75%、好ましくは少なくとも78%を10〜120nm(100〜1200Å)の直径を有する孔中に有する。この範囲における孔体積の割合が不充分であると、触媒の水素化分解および水素化脱硫活性が不充分である。触媒IIは、総孔体積の0〜2%を少なくとも400nm(4000Å)の直径を有する孔中に有し、総孔体積の0〜1%を少なくとも1000nm(10000Å)の直径を有する孔中に有する。これらの要件が満たされないと、触媒IIの水素化脱硫および水素化分解活性が保証され得ない。
触媒IIは、触媒Iのそれよりも少ない%PV(>2000Å)を有する。好ましくは、それが10%未満、より好ましくは5%未満、さらにより好ましくは3%未満である。
さらに、触媒IIは、その孔体積の25%未満、より好ましくは17%未満、さらにより好ましくは10%未満を10nm(100Å)以下の直径を有する孔中に有するのが好ましい。この範囲に存在する孔体積の割合がこの値より上であると、非アスファルテン供給物構成要素の増加された水素化故に沈降物形成が増加し得る。
触媒IIもまた、慣用の酸化物、例えばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナがその中に分散したアルミナ、シリカコーティングされたアルミナ、マグネシア、ジルコニア、ボリア、およびチタニア、ならびにこれらの酸化物の混合物、を一般に含むところの多孔性無機酸化物担体に基づく。上記担体は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも88重量%がアルミナで構成され、残りがシリカで構成されるのが好ましい。
本発明者らは、本発明に従う方法での使用に特に適することが見出された触媒IIの2つの特定の実施態様を開発した。第1の特定の実施態様(以降、触媒IIaとして示す)は、少なくとも100m/g、 好ましくは100〜180m/g、より好ましくは150〜170m/gの比表面積を有する。それは、総孔体積の少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも87%を10〜120nm(100〜1200Å)の直径を有する孔中に有する。触媒IIaは好ましくは、少なくとも50%、好ましくは60〜80%の%PV(>200Å)、少なくとも5%、好ましくは5〜30%、より好ましくは8〜25%の%PV(>1000Å)を有する。
触媒IIaは好ましくは、アルミナ担体に基づく。この実施態様におけるアルミナ担体として、本質的にアルミナから成る担体が好ましく、ここで用語「本質的に構成される」は、触媒の触媒活性に悪影響を及ぼさない限り、少量の他の成分が存在し得ることを意味することが意図される。
しかし、触媒強度および/または担体活性を改善することが必要であるならば、担体が、例えばケイ素、チタン、ジルコニウム、ホウ素、亜鉛、リン、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物、ゼオライトおよび粘土鉱物から選択される少なくとも1の物質を含み得る。これらの物質は好ましくは、完成した触媒の重量に基づいて、5重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、より好ましくは1.5重量%未満、さらにより好ましくは0.5重量%未満の量で存在する。触媒IIaの要件を満たす適する触媒は、国際特許出願公開WO02/053286に記載されている。
第2の特定の実施態様(以降、触媒IIbとして示す)は、少なくとも150m/g、 好ましくは185〜250m/gの表面積を有する。それは、総孔体積の少なくとも75%、好ましくは少なくとも78%を10〜120nm(100〜1200Å)の直径を有する孔中に有する。触媒IIbは好ましくは、その孔体積の50%未満、より好ましくは40%未満が、200Åより上の直径を有する孔中に存在する。
触媒IIbは好ましくは、最終触媒の重量に基づいて計算して、少なくとも3.5重量%、より好ましくは3.5〜30重量%、さらにより好ましくは4〜12重量%、さらにより好ましくは4.5〜10重量%のシリカを含む担体に基づく。少なくとも3.5重量%のシリカの存在は、触媒IIbの性能を増加させることが分かった。触媒IIbの担体の残りは一般に、アルミナから成り、所望により、他の耐熱性酸化物、例えばチタニア、ジルコニアなどを含む。触媒IIbの担体の残りは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%がアルミナで構成されるのが好ましい。本発明の触媒の担体は本質的にシリカおよびアルミナで構成されることが好ましい。用語「本質的に構成される」は、触媒の触媒活性に悪影響を及ぼさない限り、少量の他の成分が存在し得ることを意味することが意図される。
また、触媒IIbがIA族金属成分を含むことが好ましくあり得る。適する物質として、ナトリウムおよびカリウムが挙げられ得る。性能および経済上の理由でナトリウムが好ましい。IA族金属の量は、酸化物として計算して、0.1〜2重量%、好ましくは0.2〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。0.1重量%未満が存在すると、望ましい効果が得られないであろう。2重量%より多く、または場合によっては1重量%より多く存在すると、触媒の活性が悪影響を受けるであろう。
さらに、触媒IIbがVA族の化合物、特にリン、ヒ素、アンチモンおよびビスマスから選択される1以上の化合物、を含むのが好ましくあり得る。リンが好ましい。この場合の上記化合物は、好ましくは、P2O5として計算して、0.05〜3重量%、より好ましくは0.1〜2重量%、さらにより好ましくは0.1〜1重量%の量で存在する。
触媒IIbの特に好ましい実施態様は、シリカおよび上記したIA族金属成分、特にナトリウム、の組み合わせを含む。
触媒IIbの別の特に好ましい実施態様は、シリカおよび上記したリンの組み合わせを含む。
触媒IIbのさらに別の特に好ましい実施態様は、シリカ、IA族金属成分、特にナトリウム、および上記したリンの組み合わせを含む。
所望により、本発明の触媒IIは、触媒IIaおよび触媒IIbの混合物を含む。触媒IIaおよび触媒IIbの混合物が使用されるならば、触媒IIaがその孔体積の少なくとも50%、より好ましくは60〜80%を200Åより上の直径を有する孔中に有するのが好ましく、一方、触媒IIbに関しては、その孔体積の50%未満、より好ましくは4%未満が、200Åより上の直径を有する孔中に存在するのが好ましい。
この要件が満たされるならば、触媒IIaは良好なアスファルテン分解特性および低い沈降物形成を示し、触媒IIbは良好な水素化脱硫活性および良好な水素化活性を示し、その結合は非常に良好な結果をもたらすであろう。
触媒IIaおよびIIbの混合物が適用されるならば、混合物は、触媒IIaおよびIIbの総量に基づいて計算して、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも10重量%の触媒IIbを含まなければならない。上記混合物は好ましくは、50重量%までの、好ましくは30重量%までの触媒IIbを含む。
この要件が満たされるならば、触媒IIの総量の水素化活性はバランスが良く、そして低い沈降物形成が容易に得られ得る。
触媒IIが触媒IIaおよびIIbの混合物を含む場合、上記したように、触媒IIbがVA族の化合物、特に、リン、ヒ素、アンチモンおよびビスマスから選択される1以上の化合物、特にリン、を含むことが特に好ましい。
上記したように、本発明は、触媒Iおよび触媒IIの混合物および重質炭化水素供給物の水素化処理におけるその使用に関する。本発明の文脈において、用語「混合物」は、触媒が装置にもたらされたとき、触媒体積の上部半分および触媒体積の下部半分が共に、少なくとも1%の両方の型の触媒を含むところの触媒系を意味することが意図される。用語「混合物」は、供給物が最初に触媒の一方の型と接触され、次いで他方の型の触媒と接触されるところの触媒系を意味することは意図されない。用語「触媒体積」は、触媒Iおよび触媒IIの両方を含む触媒の体積を意味することが意図される。他の型の触媒を含む任意的な続く層または装置はそには含まれない。
本発明の文脈における混合物は、触媒体積が、等しい体積の4つの部分に水平に分割されるならば、各部分が、少なくとも1%の両方の型の触媒を含むような混合物であるのが好ましい。さらにより好ましくは、本発明の文脈における混合物は、触媒体積が、等しい体積の10の部分に水平に分割されるならば、各部分が、少なくとも1%の両方の型の触媒を含むような混合物である。上記定義において、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%の両方の型の触媒が、示された部分に存在すべきである。
明らかであるように、例えば装置の右半分が1つの型の触媒で満たされ、装置の左半分がもう1つの型の触媒で満たされることは意図されない。したがって、本発明で適用される混合物は、触媒体積の右側および左側の両方が、少なくとも1%の両方の型の触媒を含むことをも必要とする。好ましくは、触媒体積が、等しい体積の4つの部分に垂直に分割されるならば、各部分が、少なくとも1%の両方の型の触媒を含む。より好ましくは、触媒体積が、等しい体積の10の部分に垂直に分割されるならば、各部分が、少なくとも1%の両方の型の触媒を含む。この段落における定義において、少なくとも1%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%の両方の型の触媒が、示された部分に存在すべきである。
触媒混合物が得られ得る種々の方法がある。沸騰床操作に固有であり、固定床操作のためには好ましいところの第一の方法は、2つの型の触媒粒子のランダム混合物である。沸騰床操作に関して、用語「ランダム」は、触媒粒子間の密度の相違故に装置中に生じる自然の分離を包含する。
固定床装置に適用可能な更なる方法は、2つの型の触媒を(薄い)交互層において適用することである。
更なる方法は、2つの型の触媒のソック(sock)により装置にソックス充填することであろう。ここで各ソックは1つの型の触媒を含むが、ソックの組み合わせの結果、上記した触媒の混合物を生じる。
全体的に、触媒IおよびIIの混合物は一般に、2〜98重量%の触媒Iおよび2〜98重量%の触媒IIを含む。好ましくは、上記混合物が10〜90重量%の触媒I、より好ましくは20〜80重量%の触媒I、さらにより好ましくは30〜70重量%の触媒Iを含む。上記混合物は好ましくは、10〜90重量%の触媒II、より好ましくは20〜80重量%の触媒II、さらにより好ましくは30〜70重量%の触媒IIを含む。
触媒粒子は、従来の一般的な形および寸法を有し得る。すなわち、粒子は、球状、円柱状、または多ローブ形状(polylobal)であり得、その直径は0.5〜10mmの範囲であり得る。0.5〜3mm、好ましくは0.7〜1.2mm、例えば0.9〜1mmの直径および2〜10mm、例えば2.5〜4.5mmの長さを有する粒子が好ましい。固定床操作での使用のためには多ローブ形状の粒子が好ましい。なぜならば、それらは、水素化脱金属操作において低められた圧力低下をもたらすからである。円柱状粒子は沸騰床操作での使用に好ましい。
本発明に従う方法において使用される触媒において使用されるべき担体は、従来公知の方法によって製造され得る。アルミナを含む担体の典型的な製造法は、アルミン酸ナトリウムおよび硫酸アルミニウムの共沈殿である。得られるゲルは乾燥され、押出され、焼成されて、アルミナ含有担体を与える。所望により、沈殿の前、中または後に他の成分、例えばシリカ、が添加され得る。例えば、アルミナゲルを製造する方法を下記に記載する。最初に、生水または温水を含むタンクがアルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウムまたは水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液で充填され、そして硫酸アルミニウムまたは硝酸アルミニウムなどの酸性アルミニウム溶液が添加されて混合される。
混合溶液の水素イオン濃度(pH)は反応の進行と共に変わる。酸性アルミニウム溶液の添加が完了するとき、pHが7〜9であること、および混合の間、温度が60〜75℃であることが好ましい。混合物は次いで、その温度で一般的には0.5〜1.5時間、好ましくは40〜80分間保持される。
更なる例として、シリカ含有アルミナゲルの製造法を下記に記載する。最初に、アルミン酸ナトリウム、水酸化アンモニウムまたは水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液が、生水または熱水を含むタンクに供給され、アルミニウム源の酸溶液、例えば硫酸アルミニウムまたは硝酸アルミニウムが添加され、そして得られた混合物が混合される。
混合物のpHは反応の進行につれて変化する。好ましくは、酸アルミニウム化合物溶液の全てが添加された後、pHが7〜9である。混合の完了後、アルミナヒドロゲルが得られ得る。次いで、アルカリ金属シリケート、例えば水ガラスまたは有機シリカ溶液がシリカ源として添加される。シリカ源を混合するために、それが酸アルミニウム化合物溶液と共にタンクに供給され得、あるいはアルミニウムヒドロゲルが製造された後に供給され得る。シリカ含有アルミナ担体は、他に例えば、シリカ源、例えば珪酸ナトリウム、をアルミナ源、例えばアルミン酸ナトリウムまたは硫酸アルミニウムと一緒にすることによって、またはアルミナゲルをシリカゲルと混合し、次いで成形、乾燥および焼成することによって、製造され得る。担体は、シリカおよびアルミナの凝集混合物を形成するためにシリカの存在下でアルミナを沈殿させることによっても製造され得る。そのような方法の例は、アルミン酸ナトリウム溶液をシリカヒドロゲルに添加し、例えば水酸化ナトリウムを添加することによってpHを上げてアルミナを析出させ、そしてナトリウムシリケートを硫酸アルミニウムとともに共沈殿させることである。更なる可能性は、焼成の前または後にアルミナ担体を、珪素源がその中に溶解された含浸溶液に浸すことである。
続く工程において、ゲルを溶液から分離し、そして商業的に使用される洗浄処理、例えば生水または熱水を使用する洗浄処理を行って不純物、主に塩、をゲルから除去する。次いで、ゲルを、従来公知の方法、例えば押出、ビーズ化またはペレット化、によって粒子に成形する。
最後に、成形された粒子を乾燥し、焼成する。乾燥は一般に、室温〜200℃までの温度で、一般には空気の存在下で行われる。焼成は一般に、300〜950℃、好ましくは600〜900℃の温度で、一般には空気の存在下で、30分〜6時間の間、行われる。所望するならば、焼成を水蒸気の存在下で行って酸化物中の結晶成長に影響を及ぼすことができる。
上記製造法によって、上記で特定した表面積、孔体積および孔サイズ分布特性を有する触媒を与えるであろう特性を有する担体を得ることができる。表面積、孔体積、および孔サイズ分布特性は、当業者に公知のやり方、例えば、混合または成形工程中に、酸、例えば硝酸、酢酸もしくはギ酸、または成形補助剤などの他の化合物を添加することによって、あるいは水を添加したり除去したりしてゲルの水分量を調節することによって、調整され得る。
本発明に従う方法で使用される触媒の担体は、触媒自体のそれと同じオーダーの比表面積、孔体積および孔サイズ分布を有する。触媒Iの担体は、好ましくは、100〜200m/g、より好ましくは130〜170m/gの表面積を有する。総孔体積は好ましくは、0.5〜1.2ml/g、より好ましくは0.7〜1.1ml/gである。触媒IIの担体は好ましくは、180〜300m/g、より好ましくは185〜250m/gの表面積および0.5〜1.0ml/g、より好ましくは0.6〜0.9ml/gの孔体積を有する。
VIB族金属成分、VIII族金属成分および、適切である場合には、IA族金属成分およびV族の化合物、例えばリン、は、慣用のやり方で、例えば含浸によっておよび/または粒子に成形される前に支持物質に組み入れることによって、触媒担体中に組み入れられ得る。このとき、最初に担体を製造しそして、担体が乾燥および焼成された後に触媒物質を担体に組み入れることが好ましいと考えられる。金属成分は、適する前駆体の形態で触媒組成物に組み入れられ得、好ましくは、適する金属前駆体を含む酸性または塩基性の含浸溶液を触媒に含浸させることによって組み入れられ得る。VIB族金属に関しては、適する前駆体として、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウムおよびタングステン酸アンモニウムが挙げられ得る。他の化合物、例えば酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、および有機酸塩、も使用され得る。VIII族金属に関しては、適する前駆体が、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物および有機酸塩を包含する。炭酸塩および硝酸塩が特に適する。適するIA族金属前駆体は、硝酸塩および炭酸塩を包含する。リンに関しては、リン酸が使用され得る。含浸溶液は、適用される場合、その使用が従来公知であるところの他の化合物、例えば有機酸、例えばクエン酸、アンモニア水、過酸化水素水、グルコン酸、酒石酸、マレイン酸またはEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、を含み得る。この方法に関して広範囲の変形があることは当業者に明らかであろう。すなわち、多数の含浸工程を適用することができ、使用されるべき含浸溶液は、沈着されるべき1以上の成分前駆体またはその一部を含む。含浸法の変わりに、浸漬法、噴霧法などが使用され得る。多段含浸、浸漬などの場合には、乾燥および/または焼成が間で行われ得る。
金属が触媒組成物に組み入れられた後、所望により、例えば空気流中で約0.5〜16時間、室温〜200℃の温度で乾燥され、次いで、一般には空気中で、約1〜6時間、好ましくは1〜3時間、200〜800℃で、好ましくは450〜600℃で焼成される。乾燥は、沈着された水を物理的に除去するために行われる。焼成は、金属成分前駆体の少なくとも一部、好ましくは全部を酸化物の形態にするために行われる。
触媒、すなわちその中に存在するVIB族およびVIII族金属成分、を、炭化水素供給原料の水素化処理での使用に先立って、硫化物の形態に転化することが望ましくあり得る。これは、別の慣用のやり方、例えば触媒を反応器中で高まる温度で水素および硫黄含有供給原料と接触させることにより、または水素と硫化水素との混合物と接触させることにより、行われ得る。イクスシチュー(exsitu)でのプレ硫化も可能である。
本発明の方法は、重質炭化水素供給物の水素化処理に特に適する。それは、その少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%が538℃(1000°F)より上で沸騰し、かつ少なくとも2重量%の硫黄および少なくとも5重量%のコンラドソン炭素を含むところの重質供給原料の水素化処理に特に適する。供給原料の硫黄含量は3重量%より上であり得る。そのコンラドソン炭素含量は、8重量%より上、好ましくは10重量%より上であり得る。供給原料は、汚染金属、例えばニッケルおよびバナジウム、を含み得る。典型的には、これらの金属がNiおよびVの合計に基づいて計算して、少なくとも20重量ppmの量、特に少なくとも30重量ppmの量で存在する。供給原料のアスファルテン含量は好ましくは、3〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%である。
適する供給原料は、大気圧残渣、減圧残渣、ガス油とブレンドされた残渣、特に減圧ガス油、原油、シェール油、タールサンド油、溶媒脱アスファルト化油、石炭液化油などを包含する。典型的には、それらは、大気圧残渣(AR)、減圧残渣(VR)およびそれらの混合物である。
本発明に従う方法は、固定床で、移動床で、または沸騰床で行われ得る。上記方法を沸騰床で行うことが特に好ましい。
本発明に従う方法は、単一の反応器中でまたは多数の反応器中で行われ得る。多数の反応器が使用されるならば、2つの反応器において使用される触媒混合物は同じでも異なっていてもよい。2つの反応器が使用されるならば、2つの工程の間に、中間の層分離、ストリッピング、H2クエンチング(quenching)などの1以上を行っても行わなくてもよい。
本発明に従う方法のためのプロセス条件は以下の通りであり得る。温度は一般に、350〜450℃、好ましくは400〜440℃である。圧力は一般に、5〜25MPa、好ましくは14〜19MPaである。液時空速度は一般に、0.1〜3h−1、好ましくは0.3〜2h−1である。水素と供給物との比は一般に、300〜1,500Nl/l、好ましくは600〜1000Nl/lである。上記方法は、液相中で行われる。
本発明は、以下の実施例によって以下に説明するが、それにまたはそれによって限定されるものではない。
触媒Aの製造
アルミン酸ナトリウム溶液および硫酸アルミニウム溶液を、生水を含むタンクに同時に滴下し、pH8.5で77℃で混合し、70分間保持した。こうして製造されたアルミナ水和物ゲルを溶液から分離し、温水で洗浄して、ゲル中の不純物を除去した。次いで、ゲルを約20分間混練し、0.9〜1mmの直径および3.5mmの長さを有する円柱状の粒子として押出した。押出されたアルミナ粒子を800℃で2時間焼成して、アルミナ担体を得た。
上記のようにして得られたアルミナ担体100gを、17.5gのモリブデン酸アンモニウム4水和物および9.8gの硝酸ニッケル6水和物を含む100mlのクエン酸溶液に25℃で45分間浸漬して、金属成分が装填された担体を得た。
次いで、装填された担体を120℃で30分間乾燥し、620℃で1.5時間焼成して、触媒を完成した。製造された触媒中の各成分の量および触媒の特性を表1に示す。触媒Aは本発明の触媒Iの要件を満たす。
触媒Bの製造
下記の変更を除いて、触媒Aの製造を繰返した。すなわち、担体製造において、アルミナゲル形成中の温度は65℃であった。担体焼成温度は900℃であった。触媒製造において、含浸溶液は16.4gのモリブデン酸アンモニウム4水和物を含み、触媒焼成温度は600℃であった。触媒Bの組成および特性を表1に示す。触媒Bは本発明の触媒IIの要件を満たす。
触媒Cの製造
シリカ−アルミナ担体を製造するために、アルミン酸ナトリウム溶液を、生水を含むタンクへ供給し、硫酸アルミニウム溶液およびケイ酸ナトリウム溶液を添加し、混合した。硫酸アルミニウム溶液の添加が完了したとき、混合物のpHは8.5であった。混合物を64℃で1.5時間保持した。そのような混合によって、シリカ−アルミナゲルが製造された。ケイ酸ナトリウム濃度はアルミナゲル溶液の1.6重量%で設定された。
シリカ−アルミナゲルを濾過によって単離し、熱水で洗浄してゲルから不純物を除去した。次いで、0.9〜1mmの直径および3.5mmの長さを有する円柱状の粒子に押出した。得られた粒子を空気中、120℃の温度で16時間乾燥し、次いで、空気の存在下で800℃で2時間焼成して、シリカ−アルミナ担体を得た。得られた担体のシリカ含量は7重量%であった。
こうして得られたシリカ−アルミナ担体の100gが、16.4gのモリブデン酸アンモニウム4水和物、9.8gの硝酸ニッケル6水和物、0.66gの硝酸ナトリウムおよび50mlの25%アンモニア水を含む含浸溶液100mlで含浸された。含浸された担体を次いで、120℃の温度で30分間乾燥し、540℃で1.5時間、炉中で焼成して、最終の触媒を製造した。この触媒の組成および特性を表1に示す。触媒Cは、本発明の触媒IIの要件を満たす。
Figure 0004369871
触媒A〜Cを、重質炭化水素供給原料の水素化処理において種々の組み合わせで試験した。これらの実施例で使用された供給原料は、90重量%の減圧残渣(VR)および10重量%の大気圧残渣(AR)から成る中東石油であった。供給物の組成および特性を表2に示す。
Figure 0004369871
触媒A〜Cの少なくとも2種の混合物を、下記表3に示す組み合わせで固定床反応器に充填した。触媒床は等体積量の触媒を含んでいた。供給原料を、装置の中へ、1.5h−1の液時空速度、16.0MPaの圧力、427℃の平均温度で液層で導入し、供給された水素と供給原料との比(H2/油)を800Nl/lで保持した。
この方法によって製造された油生成物を集め、分析して、上記方法によって除去された硫黄(S)、金属(バナジウム+ニッケル)(M)およびアスファルテン(Asp)の量、ならびに538℃+画分を計算した。相対的体積活性値は下記式から得られた。
Figure 0004369871
ここで、HDSに関しては、
Figure 0004369871
であり、HDMおよびアスファルテン除去に関しては、
Figure 0004369871
であり、ここで、xは供給原料中のS、MまたはAspの含量であり、yは生成物中のS、MまたはAspの含量である。
下記表3は、試験された触媒の組み合わせおよび得られた結果を示す。
Figure 0004369871
表3からわかるように、本発明に従う触媒組成物は、HDS、HDMおよびアスファルテン除去において高い活性を示すと共に、高い残渣分解速度および低い沈降物形成を示す。

Claims (12)

  1. 重質炭化水素油を水素の存在下で、互いに異なる水素化処理触媒Iおよび水素化処理触媒IIの混合物と接触させることを含む、重質炭化水素油を水素化処理するための方法において、
    触媒Iは多孔性無機担体上にVIB族金属成分を含み、該触媒は少なくとも100m/gの比表面積および少なくとも0.55ml/gの総孔体積を有し、該総孔体積の少なくとも50%を少なくとも20nm(200Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の10〜30%を少なくとも200nm(2000Å)の直径を有する孔中に有し
    触媒IIは多孔性無機担体上にVIB族金属成分を含み、該触媒は少なくとも100m/gの比表面積および少なくとも0.55ml/gの総孔体積を有し、該総孔体積の少なくとも75%を10〜120nm(100〜1200Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の0〜2%を少なくとも400nm(4000Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の0〜1%を少なくとも1000nm(10000Å)の直径を有する孔中に有および
    該混合物は2〜98重量%の触媒Iおよび2〜98重量%の触媒IIを含む、
    ところの方法。
  2. 触媒Iおよび/または触媒IIが多孔性無機担体上にVIII族金属成分をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 触媒IIが触媒IIa、触媒IIbまたはそれらの混合物を含み、
    触媒IIaが、多孔性無機担体上に、VIB族金属成分を、三酸化物として計算して、触媒の重量に基づいて7〜20重量%含み、VIII族金属成分を、酸化物として計算して、触媒の重量に基づいて0.5〜6重量%含み、該触媒は100〜180m/gの比表面積を有しかつ総孔体積の少なくとも85%を10〜120nm(100〜1200Å)の直径を有する孔中に有し、および
    触媒IIbが、多孔性無機担体上に、VIB族金属成分を、三酸化物として計算して、触媒の重量に基づいて7〜20重量%含み、VIII族金属成分を、酸化物として計算して、触媒の重量に基づいて0.5〜6重量%含み、該触媒は少なくとも150m/gの比表面積を有する、
    請求項1または2記載の方法。
  4. 触媒IIbが、IA族金属成分および/またはVA族金属成分をさらに含む、請求項記載の方法。
  5. 触媒IIaおよびIIbの混合物が適用され、ここで触媒IIaがその孔体積の少なくとも50%を200Åより上の直径を有する孔中に有し、触媒IIbがその孔体積の高々50%を200Åより上の直径を有する孔中に有する、請求項または記載の方法。
  6. 重質炭化水素供給物が、その少なくとも50重量%が538℃より上で沸騰し、かつ少なくとも2重量%の硫黄および少なくとも5重量%のコンラドソン炭素を含む、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  7. 沸騰床で行われる、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  8. 2〜98重量%の触媒Iおよび2〜98重量%の触媒IIを含む、互いに異なる触媒の混合物であって、
    触媒Iが多孔性無機担体上にVIB族金属成分を含み、該触媒は少なくとも100m/gの比表面積および少なくとも0.55ml/gの総孔体積を有し、該総孔体積の少なくとも50%を少なくとも20nm(200Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の10〜30%を少なくとも200nm(2000Å)の直径を有する孔中に有し、および
    触媒IIは多孔性無機担体上にVIB族金属成分を含み、該触媒は少なくとも100m/gの比表面積および少なくとも0.55ml/gの総孔体積を有し、該総孔体積の少なくとも75%を10〜120nm(100〜1200Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の0〜2%を少なくとも400nm(4000Å)の直径を有する孔中に有し、該総孔体積の0〜1%を少なくとも1000nm(10000Å)の直径を有する孔中に有する、
    ところの混合物。
  9. 触媒Iおよび/または触媒IIが多孔性無機担体上にVIII族金属成分をさらに含む、請求項8記載の触媒混合物。
  10. 触媒IIが触媒IIa、触媒IIbまたはそれらの混合物を含み、
    触媒IIaが、多孔性無機担体上に、VIB族金属成分を、三酸化物として計算して、触媒の重量に基づいて7〜20重量%含み、VIII族金属成分を、酸化物として計算して、触媒の重量に基づいて0.5〜6重量%含み、該触媒は100〜180m/gの比表面積を有しかつ総孔体積の少なくとも85%を10〜120nm(100〜1200Å)の直径を有する孔中に有し、および
    触媒IIbが、多孔性無機担体上に、VIB族金属成分を、三酸化物として計算して、触媒の重量に基づいて7〜20重量%含み、VIII族金属成分を、酸化物として計算して、触媒の重量に基づいて0.5〜6重量%含み、該触媒は少なくとも150m/gの比表面積を有する、
    請求項8または9記載の触媒混合物。
  11. 触媒IIbが、IA族金属成分および/またはVA族金属成分をさらに含む、請求項10記載の触媒混合物。
  12. 触媒IIaおよびIIbの混合物が適用され、ここで触媒IIaがその孔体積の少なくとも50%を200Åより上の直径を有する孔中に有し、触媒IIbがその孔体積の高々50%を200Åより上の直径を有する孔中に有する、請求項10または11記載の触媒混合物。
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