JP4365915B2 - オキシム誘導体及びこれを含有する農薬 - Google Patents
オキシム誘導体及びこれを含有する農薬 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なオキシム誘導体及びこれを有効成分として含有する農薬、特に植物病害防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
農薬としての作用効果を有するオキシム誘導体に関しては、例えば、本発明者らの発明に係る特開平7−252242号公報に、4,5−置換−1,2,3−チアジアゾール誘導体が植物病害防除剤として有効であることが開示されている。
これらの化合物は、かなりの薬効を示すものの、より少量で効力の優れた薬剤の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、植物体に対する薬害の心配が無く、且つ、十分な薬効を有する新規なオキシム誘導体、及びこれを有効成分として含有する農薬、特に植物病害防除剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる課題を解決するため種々の新規オキシム誘導体を合成すると共にそれらの生理活性を調査し、鋭意検討した結果、一般式(1)及び(2)で示されるオキシム誘導体が有用植物に対する薬害の心配がなく、農薬として特に優れた植物病害防除活性を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、
(1)下記の一般式(1)
【0006】
【化7】
【0007】
[式中、R1は水素原子又は低級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルホニル基、アリール基、ハロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されたアリールオキシ基、アミノ基又は低級アルキル基で置換されたアミノ基を表し、nは0〜3の整数を表し、
【0008】
HetAは、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基から成る群から選ばれる1個又は2個の置換基で置換されていてもよい、1個又は2個の窒素原子を含む6員環含窒素芳香環又はそのベンゾ縮合環型含窒素芳香環を表し、HetBは、下記の
【0009】
【化8】
【0010】
【化9】
【0011】
【化10】
【0012】
(式中、Yは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又はハロゲン原子で置換された低級アルキル基を示す。)のいずれかの環構造を示す。]で表されるオキシム誘導体と、
(2) 下記の一般式(2)
【0013】
【化11】
【0014】
[式中、R1は水素原子又は低級アルキル基を表し、Xはハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルホニル基、アリール基、ハロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されたアリールオキシ基、アミノ基又は低級アルキル基で置換されたアミノ基を表し、nは0〜3の整数を表し、HetBは、
【化12】
【化13】
【化14】
(式中、Yは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又はハロゲン原子で置換された低級アルキル基を示す。)のいずれかの環構造を示し、HetCは、1個以上の窒素原子を含み、更にイオウ若しくは酸素原子を含んでいてもよい、1個又は2個の置換基で置換されてもよい5員環含窒素芳香環又はそのベンゾ縮合環型含窒素芳香環を表し、該5員環含窒素芳香環の窒素原子上の置換基は、低級アルキル基、低級アルキルスルホニル基、トリフェニルメチル基、低級アルコキシメチル基、又は低級アルキル基で置換されたN,N−ジ置換スルファモイル基からなる群から選ばれる基であり、
【0015】
該5員環含窒素芳香環の炭素原子上の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルコキシ基、低級アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルフィニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルフィニル基、アミノ基、低級アルキル基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくはトリフェニルメチル基で置換されたアミノ基、
【0016】
低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、低級アルキル基で置換されたカルバモイル基、アミノメチル基、低級アルキル基で置換されたアミノメチル基、アシルアミノメチル基、N−アルコキシカルボニルアミノメチル基、アルキルチオメチル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヘテロアリール基又は
【0017】
−N(R2)C(=O)R3基(ここで、R2は水素原子又はメチル基を表し、R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、アラルキル基、アミノ基で置換された低級アルキル基、アミノ基で置換されたアラルキル基、アシルアミノ基で置換された低級アルキル基、アシルアミノ基で置換されたアラルキル基、アルコキシカルボニルアミノ基で置換された低級アルキル基、アルコキシカルボニルアミノ基で置換されたアラルキル基、アリール基、
【0018】
;ハロゲン原子及び低級アルキル基及びハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基及び低級アルキルチオ基及びアミノ基及びニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる基で置換されたアリール基;、ヘテロアリール基、低級アルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基、ベンジルオキシ基又はアリールオキシ基を表す。)
である。]で表されるオキシム誘導体と、
【0019】
(3) 一般式(1)において、HetAがピリジル基又は1個のハロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されたピリジル基である、(1)に記載のオキシム誘導体と、
(4) 一般式(2)においてHetCが、
【0020】
【化12】
【0021】
[式中、R4は水素原子、アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルコキシ基、低級アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルフィニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルフィニル基又は
【0022】
−NHC(=O)R3基(式中、R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、アミノ基で置換された低級アルキル基、アラルキル基、アミノ基で置換されたアラルキル基、アシルアミノ基で置換された低級アルキル基、アシルアミノ基で置換されたアラルキル基、アルコキシカルボニルアミノ基で置換された低級アルキル基、アルコキシカルボニルアミノ基で置換されたアラルキル基、アリール基、
【0023】
;ハロゲン原子及び低級アルキル基及びハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基及び低級アルキルチオ基及びアミノ基及びニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる基で置換されるアリール基;、ヘテロアリール基、低級アルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基、ベンジルオキシ基又はアリールオキシ基を表す。)を表し、R5は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又はハロゲン原子で置換された低級アルキル基を表す。]で表されるチアゾリル基である(2)に記載のオキシム誘導体と、
【0024】
(5) R4が−NHC(=O)R3基(式中、R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、;ハロゲン原子及び低級アルキル基及びハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基及びアミノ基及びシアノ基から成る群から選ばれる基で置換されたアリール基;、ヘテロアリール基、又は低級アルコキシ基を表す。)であり、R5が水素原子である(4)に記載のオキシム誘導体と、
【0025】
(6)上記の(1)又は(3)に記載のオキシム誘導体を有効成分として含有する農薬と、(7)上記の(2)、(4)又は(5)に記載のオキシム誘導体を有効成分として含有する農薬と、(8)上記の(1)又は(3)に記載のオキシム誘導体を有効成分として含有する植物病害防除剤と、(9)上記の(2)、(4)又は(5)に記載のオキシム誘導体を有効成分として含有する植物病害防除剤と、(10)糸状菌の植物病害に対して有効である(8)に記載の植物病害防除剤と、(11)糸状菌の植物病害に対して有効である(9)に記載の植物病害防除剤とを含むものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(1)及び(2)で示されるオキシム誘導体のR1は水素原子又は低級アルキル基を示すが、低級アルキル基としては、直鎖状でも分岐状でも環状でも良く、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、シクロプロピル基等の炭素数1〜4のものが挙げられる。R1として特に好ましいものは、水素原子又はメチル基である。
【0027】
一般式(1)及び(2)において、Xはハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルホニル基、アリール基、ハロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されたアリールオキシ基、アミノ基又は低級アルキル基で置換されたアミノ基を示す。
【0028】
ここで、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基等が挙げられ、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜4の低級アルキル基、クロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル基等のハロゲン置換低級アルキル基が挙げられる。
【0029】
また、低級アルコキシ基、ハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ、低級アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、シクロプロピルチオ基等が挙げられ、
【0030】
低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n-プロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、n-ブタンスルホニル基、ジフルオロメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等が挙げられ、アリール基、ハロゲン原子又は低級アルキル基で置換されたアリール基としては、フェニル基、4-クロロフェニル基、4-トリル基、3-フルオロフェニル基等が挙げられ、
【0031】
アリールオキシ基、ハロゲン原子又は低級アルキル基で置換されたアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4-フルオロフェノキシ基等が挙げられ、アミノ基、低級アルキル基で置換されたアミノ基としては、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、メチル-n-プロピルアミノ基、エチル-n-プロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基等が挙げられる。
【0032】
また、Xの置換位置は特に限定はなく、nは0〜3の整数を示す。nが2又は3の場合、Xは同一でも異なってもよい。Xとして好ましいものは、水素原子、炭素数1〜2の低級アルキル基、炭素数1〜2のフルオロアルキル基、又はハロゲン原子であり、特に好ましいものは、水素原子、トリフルオロメチル基、フッ素原子又は塩素原子である。
【0033】
一般式(1)中、HetAは、1個又は2個の窒素原子を含み、1個又は2個の置換基で置換されてもよい6員環含窒素芳香環又はそのベンゾ縮合環型含窒素芳香環を示す。6員環含窒素芳香環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環が、そのベンゾ縮合環型含窒素芳香環としては、キノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環が挙げられる。
【0034】
HetA上に置換し得る基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基であるが、更に詳しくは、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子が挙げられ、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基等の直鎖又は分岐状の低級アルキル基が挙げられ、低級アルキルチオ基としてはメチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基等の直鎖又は分岐状の低級アルキルチオ基が挙げられる。
【0035】
また低級アルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、イソブタンスルホニル基、sec-ブタンスルホニル基等の直鎖又は分岐状の低級アルキルスルホニル基が挙げられ、低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基等の直鎖又は分岐状の低級アルコキシ基が挙げられる。
【0036】
HetAとして好ましものは、ピリジン−2−イル基、低級アルキル基で置換されたピリジン−2−イル基であり、これらのうち特に好ましいものとして、ピリジン−2−イル基、5−メチルピリジン−2−イル基が挙げられる。
【0037】
一般式(1)及び(2)において、HetBは下記の、
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
(式中、Yは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又はハロゲン原子で置換された低級アルキル基を示す。)
のいずれかの環構造で表わされる1,2,3−チアジアゾール−4−イル基、1,2,5−チアジアゾール−3−イル基若しくは1,2,5−オキサジアゾール−3−イル基又はそれらのハロゲン誘導体、ハロゲン置換若しくは未置換低級アルキル誘導体を表わす。
【0042】
Yが示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、低級アルキル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられるが、特に好ましいものは、メチル基である。
【0043】
一般式(2)中、HetCは、1個以上の窒素原子を含み、更にイオウ若しくは酸素原子を含んでもよく、1〜2個の置換基で置換されていてもよい5員環含窒素芳香環又はそのベンゾ縮合環型含窒素芳香環を示す。5員環含窒素芳香環としては、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イソキサゾール環、イソチアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、
【0044】
1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,3−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、テトラゾール環が挙げられ、そのベンゾ縮合環型含窒素芳香環としては、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾ[1,2−a]ピリジン環、[1,2,4]トリアゾ[1,5−a]ピリジン環が挙げられる。
【0045】
HetCの窒素原子上に置換し得る基は、低級アルキル基、低級アルキルスルホニル基、トリフェニルメチル基、低級アルコキシメチル基、又は低級アルキル基で置換されたN,N−ジ置換スルファモイル基であるが、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基が挙げられ、低級アルキルスルホニル基としてはメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n-プロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、n-ブタンスルホニル基、イソブタンスルホニル基が挙げられ、低級アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が挙げられ、低級アルキル基で置換されたN,N−ジ置換スルファモイル基としては、ジメチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基が挙げられる。
【0046】
HetCの炭素原子上に置換し得る基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルコキシ基、低級アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルフィニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルフィニル基、アミノ基、低級アルキル基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキル基若しくはトリフェニルメチル基で置換されたアミノ基、
【0047】
低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、低級アルキル基で置換されたカルバモイル基、アミノメチル基、低級アルキル基で置換されたアミノメチル基、アシルアミノメチル基、N−アルコキシカルボニルアミノメチル基、アルキルチオメチル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、ヘテロアリール基又は、
【0048】
−N(R2)C(=O)R3基(式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3は水素原子、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8、好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、アラルキル基、アミノ基で置換された低級アルキル基、アミノ基で置換されたアラルキル基、アシルアミノ基で置換された低級アルキル基、アシルアミノ基で置換されたアラルキル基、アルコキシカルボニルアミノ基で置換された低級アルキル基、アルコキシカルボニルアミノ基で置換されたアラルキル基、
【0049】
アリール基、;ハロゲン原子及び低級アルキル基及びハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基及び低級アルキルチオ基及びアミノ基及びニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる基で置換されたアリール基;、ヘテロアリール基、低級アルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基、ベンジルオキシ基又はアリールオキシ基を示す。)である。
【0050】
更に具体的には、ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、n-ヘキシル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられ、炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、炭素数2〜6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
【0051】
炭素数2〜6のアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基、ブチニル基等が挙げられ、炭素数1〜5の低級アルコキシ基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜5の低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられ、低級アルキルチオ基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等が挙げられる。
【0052】
低級アルキルスルホニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ジフルオロメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等が挙げられ、低級アルキルスルフィニル基、ハロゲン原子で置換された低級アルキルスルフィニル基としては、ジフルオロメタンスルフィニル基、トリフルオロメタンスルフィニル基等が挙げられる。
【0053】
アミノ基、低級アルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基で置換されたアミノ基としては、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等が挙げられる。
【0054】
低級アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等が挙げられ、カルバモイル基、低級アルキル基で置換されたカルバモイル基としては、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基等が挙げられ、アミノメチル基、低級アルキル基で置換されたアミノメチル基としては、アミノメチル基、N−メチルアミノメチル基、N−エチルアミノメチル基、N−プロピルアミノメチル基、N−イソプロピルアミノメチル基、N−ブチルアミノメチル基、N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基等が挙げられる。
【0055】
アシルアミノメチル基としては、ホルミルアミノメチル基、アセチルアミノメチル基、プロピオニルアミノメチル基、ブチリルアミノメチル基、イソブチリルアミノメチル基、ベンゾイルアミノメチル基、N−アセチル−N−イソプロピルアミノメチル基等が挙げられ、N−アルコキシカルボニルアミノメチル基としては、メトキシカルボニルアミノメチル基、エトキシカルボニルアミノメチル基、t-ブトキシカルボニルアミノメチル基、N−(t−ブトキシカルボニル)−N−イソプロピルアミノメチル基等が挙げられ、アルキルチオメチル基としては、イソプロピルチオメチル基等が挙げられる。
【0056】
アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基としては、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられ、ヘテロアリール基としては、ピリジン−2−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリミジン−3−イル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、キノイル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾイル基等が挙げられる。
【0057】
−N(R2)C(=O)R3基のR3についての具体例を示せば、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、1−エチルプロピル基、n-デシル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、1-ブロモイソプロピル基、クロロジフルオロメチル基、1−クロロメチル−1−メチルエチル基等が挙げられ、炭素数3〜8、好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基が挙げられる。
【0058】
炭素数2〜6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、炭素数2〜4のアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基、ブチニル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、2−フェニルエチル基等が挙げられ、アミノ基で置換された低級アルキル基としては、アミノメチル基、1−アミノイソブチル基等が挙げられ、アミノ基で置換されたアラルキル基としては、1−アミノ−2−フェニルエチル基等が挙げられ、アシルアミノ基で置換された低級アルキル基としては、アセチルアミノメチル基、1−アセチルアミノイソブチル基等が挙げられる。
【0059】
またアシルアミノ基で置換されたアラルキル基としては、1−アセチルアミノ−2−フェニルエチル基等が挙げられ、アルコキシカルボニルアミノ基で置換された低級アルキル基としては、t-ブトキシカルボニルアミノメチル基、1−(t-ブトキシカルボニルアミノ)イソブチル基等が挙げられ、アルコキシカルボニルアミノ基で置換されたアラルキル基としては、1−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−フェニルエチル基等が挙げられる。
【0060】
アリール基並びに;ハロゲン原子及び低級アルキル基及びハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基及び低級アルキルチオ基及びアミノ基及びニトロ基及びシアノ基から成る群から選ばれる基で置換されたアリール基;としては、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、4−アミノフェニル基、4−アセチルアミノフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ニトロフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0061】
ヘテロアリール基としては、2−フリル基、2−チエニル基、ピリジン−4−イル基、ピリジン−2−イル基、チアゾール−4−イル基、オキサゾール−4−イル基、ピラゾール−3−イル基、イミダゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基、イソキサゾール−5−イル基、ピラジニル基、ピリミジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、(1,2,3−チアジアゾール)−4−イル基、(1,2,5−チアジアゾール)−3−イル基、フラザニル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、ベンゾイミダゾール−2−イル基、キノリン−2−イル基、イソキノリン−1−イル基、キノキサリン−2−イル基等が挙げられる。
【0062】
低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t-ブトキシ基、1−エチルプロポキシ基等が挙げられ、炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基としては、シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられる。HetCの窒素原子上及び炭素原子上に置換し得るこれらの置換基は、2つ以上が同時に存在してもよい。
【0063】
HetCとして好ましいものは、置換されていてもよいチアゾール−2−イル基、置換されていてもよいチアゾール−4−イル基、置換されていてもよいチアゾール−5−イル基である。これらのうち、特に好ましいものとして、チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、2−アミノチアゾール−4−イル基、2−アシルアミノチアゾール−4−イル基、2−アルコキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル基、2−アルコキシチアゾール−4−イル基、2−アルキルチオチアゾール−4−イル基、2−アルキルスルフィニルチアゾール−4−イル基、2−アルキルスルホニルチアゾール−4−イル基、2−アリールチアゾール−4−イル基、2−ブロモチアゾール−4−イル基が挙げられる。
【0064】
一般式(1)及び(2)で表わされるオキシム誘導体に存在するオキシム部位の立体構造には、(E)体又は(Z)体があり、これらの立体異性体は、いずれも本発明に含まれる。通常、合成製造物は、(E)体と(Z)体の混合物として得られ、これらは分離精製することにより、各々を単離することが可能である。
【0065】
(E)体よりも(Z)体が植物病害防除活性に特に優れるが、(Z)体も自然環境下では、光等により(E)体に変化し、ある一定の(E)体と(Z)体の比率で混合物として安定化する。この(E)体と(Z)体の安定化した比率は、各々の化合物により異なる。
【0066】
本発明における一般式(1)及び(2)で示されるオキシム誘導体は、例えば下記の方法で製造することができるが、該化合物の製造方法は、これらの製造法に限定されるものではない。
【0067】
製造法例(A):
【0068】
【化16】
【0069】
(式中、HetA、HetB、HetC、X、n及びR1は、既に定義した通りであり、Zは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
アゾ−ルメタノン化合物(a)にヒドロキシルアミンを反応させ、ヒドロキシイミノ化合物(b)を得、次いで、塩基(例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等)の存在下、ハロゲン化物(c)又は(d)を反応させると、オキシム化合物(1)又は(2)が製造できる。アゾールメタノン化合物の合成法としては、例えば文献(Synthesis P976 (1982))に記載の方法により合成できる。
【0070】
尚、上述の方法で製造される一般式(1)及び(2)で示される化合物の具体的構造を例示すれば、表1〜表66の通りである。但し、表中、HetA、HetB、HetC、X、Y、n及びR1は、一般式(1)及び(2)における定義に対応し、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、Buはブチル基、Phはフェニル基をそれぞれ表わす。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
【0078】
【表8】
【0079】
【表9】
【0080】
【表10】
【0081】
【表11】
【0082】
【表12】
【0083】
【表13】
【0084】
【表14】
【0085】
【表15】
【0086】
【表16】
【0087】
【表17】
【0088】
【表18】
【0089】
【表19】
【0090】
【表20】
【0091】
【表21】
【0092】
【表22】
【0093】
【表23】
【0094】
【表24】
【0095】
【表25】
【0096】
【表26】
【0097】
【表27】
【0098】
【表28】
【0099】
【表29】
【0100】
【表30】
【0101】
【表31】
【0102】
【表32】
【0103】
【表33】
【0104】
【表34】
【0105】
【表35】
【0106】
【表36】
【0107】
【表37】
【0108】
【表38】
【0109】
【表39】
【0110】
【表40】
【0111】
【表41】
【0112】
【表42】
【0113】
【表43】
【0114】
【表44】
【0115】
【表45】
【0116】
【表46】
【0117】
【表47】
【0118】
【表48】
【0119】
【表49】
【0120】
【表50】
【0121】
【表51】
【0122】
【表52】
【0123】
【表53】
【0124】
【表54】
【0125】
【表55】
【0126】
【表56】
【0127】
【表57】
【0128】
【表58】
【0129】
【表59】
【0130】
【表60】
【0131】
【表61】
【0132】
【表62】
【0133】
【表63】
【0134】
【表64】
【0135】
【表65】
【0136】
【表66】
【0137】
本発明のオキシム誘導体を有効成分とする農薬、特に植物病害防除剤は、植物病原ウィルス、細菌及び糸状菌による各種の植物病害に対し有効であり、特に糸状菌による各種の植物病害に対し有効である。糸状菌による植物病害としては、卵菌類(Oomycetes)により引き起こされる幅広い植物病害や、いもち病菌(Pyricularia oryzae)等により引き起こされる植物病害がある。
【0138】
これらは、各種の植物に対するべと病(downy mildew)や疫病(late blight or Phytophthora rot etc.)であり、例えば、ブドウのべと病(Plasmopara viticola)、ウリ類のべと病(Pseudoperonospora cubensis)、立枯性疫病(Phytophthora melonis)、トマトの灰色疫病(Phytophthora capsici)、疫病(Phytophthora infestans)、アブラナ科野菜のべと病(Peronospora brassicae)、ネギのべと病(Peronospora destructor)、ホウレンソウのべと病(Peronospora spinaciae)、ダイズのべと病(Peronospora manshurica)、
【0139】
ソラマメのべと病(Peronospora viciae)、タバコの疫病(Phytophthora nicotianae var. nicotianae)、ジャガイモの疫病(Phytophthora infestans)、ホップのべと病(Pseudoperonospora humuli)、パイナップルの疫病(Phytophthora cinnamomi)、ピーマンの疫病(Phytophthora capsici)、イチゴの根腐病(Phytophthora fragariae)、各種作物の立枯病(Pythium属菌等による)、ベントグラスの赤焼病(Pythium aphanidermatum)等の卵菌類(Oomycetes)により引き起こされる幅広い植物病害及びイネのいもち病(Pyricularia oryzae)に対して優れた防除効果を有している。
【0140】
本薬剤は、有効成分を単独で使用することも可能であるが、通常、農薬の製剤に用いられる公知慣用の固体及び液体担体、並びに分散剤、希釈剤、乳化剤、展着剤、増粘剤等の補助剤と混合して、水和剤、液剤、油剤、粉剤、粒剤、ゾル剤(フロアブル)等の剤型に製剤して使用することができる。
【0141】
固体及び液体担体としては、例えばタルク、クレー、ベントナイト、カオリン、けいそう土、モンモリロナイト、雲母、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、木粉、澱粉、アルミナ、珪酸塩、糖重合体、ワックス類、水、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコール、ベンジルアルコール等)、石油溜分(石油エーテル、ケロシン、ソルベントナフサ等)、脂肪族又は脂環式炭化水素類(n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、
【0142】
芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、クメン、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン等)、エーテル類(イソプロピルエーテル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールアセタート、酢酸アミル等)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアニリド等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)等が挙げられる。
【0143】
補助剤としては、例えば非イオン型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等)、陰イオン型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホナート、アルキルスルホサクシナート、ポリオキシエチレンアルキルスルファート、アリールスルホナート等)、陽イオン型界面活性剤(アルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、第四級アンモニウム塩類等)、両性型界面活性剤(アルキルアミノエチルグリシン、アルキルジメチルベタイン等)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、トラガントガム、キサンタンガム、ポリビニルアセタート、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
【0144】
更に、本薬剤は、各種の公知慣用の農園芸用殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、殺虫剤、殺ダニ剤等の農薬や、肥料等と混合して用いることもできる。本薬剤の有効成分含有量は、製剤形態、施用方法、その他の条件によって種々異なるが、通常は0.5〜95%(重量)、好ましくは2〜70%(重量)である。
本薬剤の施用方法としては、植物への施用(茎葉散布)、植物の生育土壌への施用(土壌施用)、田面水への施用(水面施用)、種子への施用(種子処理)等が可能である。
【0145】
本薬剤の施用量に関しては、適用植物、適用病害等によっても異なるが、茎葉散布の場合には有効成分濃度として1〜10000ppm、好ましくは10〜1000ppmの溶液を10アール当たり50〜300L施用するのが好ましく、土壌施用及び水面施用の場合には、有効成分量で10アール当たり0.1〜1000g、特に好ましくは10〜100g施用するのが好ましい。また、種子処理の場合には、種子1kgに対して、0.001〜50gの有効成分を施用するのが好ましい。
【0146】
【実施例】
次に本発明を製造例、製剤例及び試験例によって説明するが、もとより本発明はこれらに限定されるものではない。
【0147】
(製造例1)
(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノン(0.29g,1.41mmol)のエタノール(20ml)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(0.20g,2.82mmol)及びトリエチルアミン(0.4ml,2.8mmol)を加え、48時間加熱還流した。反応液を濃縮した後、残留物を酢酸エチルに溶かし、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(Z)−(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(0.16g)及び(E)−(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(0.04g)を得た。
【0148】
(Z)−(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム;1H−NMR(CDCl3):δ 2.54(s,3H),7.30〜7.50(m,5H),8.30〜8.45(brd,1H).
MS(m/e):219(M+).
(E)−(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム;1H−NMR(CDCl3):δ 2.67(s,3H),7.35〜7.60(m,5H),8.00〜8.20(brd,1H).
MS(m/e):219(M+).
【0149】
(製造例2)
(Z)−(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(9.31g,0.04mol)をアセトニトリル(677ml)に溶かし、炭酸カリウム(9.98g,0.07mol)及び2−ピコリルクロリドの塩酸塩(10.40g,0.06mol)を加え、加熱還流で5時間攪拌した。反応液を濃縮した後、残留物を酢酸エチルで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(Z)−(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノン O−(2−ピリジル)メチルオキシム(9.67g)(化合物No.1-(a)-1 (Z))を得た。
【0150】
1H−NMR(CDCl3):δ 2.53(s,3H),5.40(s,2H),7.19(dd,J=4.9Hz,J=7.6Hz,1H),7.30〜7.42(m,3H),7.35(d,J=7.8Hz,1H),7.44〜7.50(m,2H),7.67(J=7.8Hz,J=7.6Hz,1H),8.56(d,J=4.9Hz,1H).
MS(m/e):310(M+).
【0151】
(製造例3)
(E)−(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(0.30g,1.40mmol)をアセトン(20ml)に溶かし、炭酸カリウム(0.32g,2.0mmol)及び2−ピコリルクロリドの塩酸塩(0.34g,2.0mmol)を加え、室温で3日間攪拌した。
反応液を濃縮した後、残留物を酢酸エチルで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(E)−(5−メチル−1,2,3−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノン O−(2−ピリジル)メチルオキシム(0.07g)(化合物No.1-(a)-1 (E))を得た。
【0152】
1H−NMR(CDCl3):δ 2.59(s,3H),5.40(s,2H),7.21(dd,J=4.83,8.70Hz,1H),7.31〜7.72(m,7H),8.58(d,J=4.88Hz,1H).
MS(m/e):310(M+).
【0153】
(製造例4)
(3−メチル−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノン(3.22g,15.7mmol)のエタノール(85ml)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(4.48g,63.1mmol)及びトリエチルアミン(8.8ml,63.1mmol)を加え、8時間加熱還流した。反応液を濃縮した後、残留物に酢酸エチル/水を加え、抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(Z)−(3−メチル−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(2.18g)を得た。
【0154】
1H−NMR(CDCl3):δ 2.53(s,3H),7.27〜7.56(m,5H),8.52〜8.78(brd,1H).
MS(m/e):219(M+).
【0155】
(製造例5)
DMF(150ml)に、60%水素化ナトリウム(2.41g,60.0mmol)を加え、氷冷し、(Z)−(3−メチル−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(6.0g,27.0mmol)を加え、40分間撹拌した。この反応液に4−クロロメチル−2−iso−プロピオニルアミノチアゾール(7.76g,35.6mmol)のDMF(110ml)溶液を滴下した。反応液は、徐々に室温に戻した後、20時間撹拌した。反応液は減圧下にて溶媒を留去し、残留物に酢酸エチル/水を加え、抽出した。抽出液は水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(Z)−(3−メチル−1,2,5−チアジアゾール−4−イル)フェニルメタノン O−(2−iso−プロピオニルアミノチアゾール−4−イル)メチルオキシム(9.08g)(化合物No.8-(b)-7 (Z))を得た。
【0156】
1H−NMR(CDCl3):δ 1.22(d,J=6.91Hz,6H),2.41(s,3H),2.47〜2.76(m,1H),5.21(s,2H),6.89(s,1H),7.28〜7.60(m,5H),9.50〜9.90(brd,1H).
MS(m/e):401(M+).
【0157】
(製造例6)
(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノン(3.43g,18.0mmol)のピリジン(55ml)溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(5.19g,73.0mmol)を加え、70℃にて21時間加熱撹拌した。反応液を濃縮した後、残留物を酢酸エチルに溶かし、希塩酸で洗浄し、次いで水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(Z)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(2.13g)、及び(E)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(0.79g)を得た。
【0158】
(Z)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム;1H−NMR(CDCl3):δ 2.38(s,3H),7.30〜7.48(m,3H),7.48〜7.62(m,2H),7.89〜8.00(brd,1H).
MS(m/e):219(M+).
(E)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム;1H−NMR(CDCl3):δ 2.55(s,3H),7.30〜7.48(m,3H),7.48〜7.62(m,2H),7.89〜8.00(brd,1H).
MS(m/e):219(M+).
【0159】
(製造例7)
DMF(16ml)に、60%水素化ナトリウム(0.43g,10.6mmol)を加え、氷冷し、(Z)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノンオキシム(0.94g,4.63mmol)のDMF(20ml)溶液を加え、40分間撹拌した。この反応液に4−クロロメチル−2−トリフェニルメチルアミノチアゾール(2.71g,6.94mmol)のDMF(15ml)溶液を滴下した。反応液は、徐々に室温に戻した後、4日間撹拌した。反応液は減圧下にて溶媒を留去し、残留物に酢酸エチル/水を加え、抽出した。抽出液は水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(Z)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノン O−(2−トリフェニルメチルアミノチアゾール−4−イル)メチルオキシム(0.59g)(化合物No.9-(c)-6 (Z))を得た。
【0160】
1H−NMR(CDCl3):δ 2.23(s,3H),5.11(s,2H),6.27(s,1H),6.80〜6.97(brd,1H),7.13〜7.60(m,20H).
MS(m/e):557(M+).
【0161】
(製造例8)
(Z)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノン O−(2−トリフェニルメチルアミノチアゾール−4−イル)メチルオキシム(0.43g,0.77mmol)のアセトン(15ml)溶液に1M塩酸(0.6ml)を加え、8時間加熱還流した。反応液は減圧下にて溶媒を留去し、残留物に酢酸エチル/飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、pH7とした後、抽出した。抽出液は水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(Z)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノン O−(2−アミノチアゾール−4−イル)メチルオキシム(0.05g)(化合物No.8-(c)-1 (Z))を得た。
【0162】
1H−NMR(CDCl3):δ 2.31(s,3H),4.85〜5.10(brd,1H),5.14(s,2H),6.46(s,1H),7.32〜7.66(m,5H).
MS(m/e):315(M+).
【0163】
(製造例9)
(Z)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノン O−(2−アミノチアゾール−4−イル)メチルオキシム(0.053g,0.168mmol)に無水トリフルオロ酢酸(7ml)を加え、2時間加熱撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、(Z)−(3−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−4−イル)フェニルメタノン O−(2−トリフルオロアセチルアミノチアゾール−4−イル)メチルオキシム(0.063g)(化合物No.8-(c)-14 (Z))を得た。
【0164】
1H−NMR(CDCl3):δ 2.26(s,3H),5.26(s,2H),7.07(s,1H),7.28〜7.56(m,5H),7.68〜8.10(brd,1H).
MS(m/e):411(M+).
【0165】
これらの製造例と同様にして製造したオキシム誘導体の1H−NMRスペクトル、マススペクトル等の物理化学データをまとめて、表67〜表81に示す。表中の化合物の表示は、例えば、1-(a)-1の化合物は、表1の化合物で、HetBが(a)であるNo.1の化合物であることを表す。
【0166】
【表67】
【0167】
【表68】
【0168】
【表69】
【0169】
【表70】
【0170】
【表71】
【0171】
【表72】
【0172】
【表73】
【0173】
【表74】
【0174】
【表75】
【0175】
【表76】
【0176】
【表77】
【0177】
【表78】
【0178】
【表79】
【0179】
【表80】
【0180】
【表81】
【0181】
次に、本発明の化合物を用いた製剤例を示す。製剤例並びに防除試験に用いた本発明の化合物は、特に記載のない限り、(Z)体と(E)体との混合物である。
(製剤例1)粉剤
化合物No.1-(a)-1〜66-(b)-10で示されるオキシム誘導体2重量部をそれぞれ、クレー98重量部と混合粉砕し、粉剤とした。
【0182】
(製剤例2)水和剤
化合物No.1-(a)-1〜66-(b)-10で示されるオキシム誘導体20重量部をそれぞれ、クレー68重量部、ホワイトカーボン8重量部及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル4重量部と混合粉砕し、水和剤とした。
【0183】
(製剤例3)粒剤
化合物No.1-(a)-1〜66-(b)-10で示されるオキシム誘導体5重量部をそれぞれ、ベントナイト及びタルクの等量混合物90重量部及びアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量部と混合粉砕し、粒剤に成型した。
【0184】
次に本発明化合物が各種の植物病害防除剤の有効成分として有用であることを試験例で示す。防除効果を調査時の供試植物の発病状態、即ち茎葉等に出現する病斑の程度や、立枯性病害にあっては発病個体数を肉眼観察し、病斑や発病個体が全く認められなければ「A」、無処理区に比べ10%程度認められれば「B」、25%程度認められれば「C」、50%以上認められれば「D」として4段階で評価し表に示す。
【0185】
(試験例1)トマト疫病防除試験
直径9cmのプラスチックポットに育苗した3〜4葉期のトマト(品種:豊福)に、(製剤例2)の方法で調製した水和剤を、有効成分濃度が250ppmになるように界面活性剤(0.02%)を含む水で希釈して茎葉散布した。風乾後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)の胞子懸濁液を噴霧接種し、20℃の湿室に24時間置いた後、温室内で発病させ、接種5日後に発病程度を調査した。トマト疫病の試験結果を表82に示す。なお、対照薬剤としてマンゼブ水和剤の1250ppm及び250ppmを用いた。
【0186】
【表82】
【0187】
(試験例2)キュウリべと病防除効果試験
直径9cmのプラスチックポットに育苗した3葉期のキュウリ(品種:ときわ新地這)に、(製剤例2)の方法で調製した水和剤を、有効成分濃度が50ppmになるように界面活性剤(0.02%)を含む水で希釈して茎葉散布した。風乾後、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)の胞子懸濁液を噴霧接種し、25℃の湿室に24時間置いた後、温室内で発病させ、接種7日後に発病程度を調査した。キュウリべと病の試験結果を表83に示す。なお、対照薬剤としてマンゼブ水和剤の1250ppm及び50ppmを用いた。
【0188】
【表83】
【0189】
(試験例3)キュウリべと病防除試験(リーフディスク試験)
2〜3葉期のキュウリ(品種:ときわ新地這)の第一葉を直径10mmの円盤に打ち抜き、これを(製剤例2)の方法に準じて調製した水和剤を用いて調製した有効成分濃度が10ppmの薬液に30分間浸漬した。風乾後、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis、メタラキシル耐性菌株)の胞子懸濁液を滴下接種し、湿室に置き、人工気象器(14時間日長、昼温25℃、夜温18℃)で7日間培養し発病程度を調査した。キュウリべと病リーフディスク試験結果を表84に示す。なお、対照薬剤としてマンゼブ水和剤とメタラキシル水和剤の10ppmを用いた。
【0190】
【表84】
【0191】
(試験例4)ブドウべと病防除試験(リーフディスク試験)
露地植えブドウ(品種:ネオマスカット)の葉を直径10mmの円盤に打ち抜き、これを(製剤例2)の方法に準じて調製した水和剤を用いて調製した有効成分濃度が10ppmの薬液に30分間浸漬した。風乾後、ブドウべと病菌(Plasmopara viticola)のメタラキシル感受性株Aとメタラキシル耐性株Bとの胞子懸濁液を滴下接種し、湿室に置き、人工気象器(14時間日長、昼温25℃、夜温18℃)で7日間培養し発病程度を調査した。ブドウべと病リーフディスク試験結果を表85に示す。なお、対照薬剤としてマンゼブ水和剤とメタラキシル水和剤の10ppmを用いた。
【0192】
【表85】
【0193】
(試験例5)キュウリ苗立枯病防除試験
直径15cmの深底シャーレに、滅菌土壌と土壌ふすま培養したキュウリ苗立枯病菌(Pythium aphanidermatum)を混和して詰めた。ポット当たりキュウリ種子(品種:濃緑新ときわ)を10粒播種後、(製剤例2)の方法で調製した水和剤を、有効成分濃度が1000ppmになるように水で希釈して土壌灌注した。処理後湿室として、25℃、14時間日長の人工気象器に置き4日後に発病程度を調査した。キュウリ苗立枯病の試験結果を表86に示す。なお、対照薬剤としてキャプタン水和剤の1000ppmを用いた。
【0194】
【表86】
【0195】
(試験例6)イネいもち病防除効果試験
直径9cmのプラスチックポットに育苗した3〜4葉期のイネ(品種:愛知旭)に、(製剤例2)の方法で調製した水和剤を、有効成分濃度が250ppmになるように界面活性剤(0.02%)を含む水で希釈して茎葉散布した。風乾後、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の胞子懸濁液を噴霧接種し、25℃の湿室に24時間置いた後、温室内で発病させ、接種7日後に発病程度を調査した。イネいもち病試験結果を表87に示す。なお、対照薬剤としてフサライド水和剤の500ppm及び250ppmを用いた。
【0196】
【表87】
【0197】
本発明における化合物の具体的構造を更に例示すれば、表88〜90の通りである。但し、表中、HetB、HetC、X、Y及びnは、一般式(1)及び(2)における定義に対応し、Meはメチル基を表わす。
【0198】
【表88】
【0199】
【表89】
【0200】
【表90】
【0201】
製造例1〜9と同様にして製造したオキシム誘導体の1H−NMRスペクトル、マススペクトル等の物理化学データを更に示せば、表91〜97の通りである。
【0202】
【表91】
【0203】
【表92】
【0204】
【表93】
【0205】
【表94】
【0206】
【表95】
【0207】
【表96】
【0208】
【表97】
【0209】
本発明化合物の試験例を更に示す。尚、A〜Dの評価の意味は、試験例1〜6の場合と同様である。
【0210】
(試験例7)キュウリべと病防除効果試験
試験例2に記載したのと同様の方法でキュウリべと病防除効果試験を行った。試験結果を表98に示す。
【0211】
【表98】
【0212】
(試験例8)キュウリべと病防除効果試験(リーフディスク試験)
試験例3に記載したのと同様の方法でキュウリべと病防除効果試験(リーフディスク試験)を行った。試験結果を表99に示す。
【0213】
【表99】
【0214】
(試験例9)ブドウべと病防除効果試験(リーフディスク試験)
試験例4に記載したのと同様の方法でブドウべと病防除効果試験(リーフディスク試験)を行った。尚、ブドウべと病菌(Plasmopara viticola)は、耐性株bを用いた。試験結果を表100に示す。
【0215】
【表100】
【0216】
【発明の効果】
本発明は、植物体に対する薬害の心配が無く、且つ、十分な薬効を有する新規なオキシム誘導体、及びこれを有効成分として含有する農薬、特に植物病害防除剤を提供することができる。
Claims (11)
- 下記の一般式(1)
- 下記の一般式(2)
- 一般式(1)において、HetAがピリジル基又は1個のハロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されたピリジル基である、請求項1に記載のオキシム誘導体。
- 一般式(2)においてHetCが、
- R4が−NHC(=O)R3基(式中、R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、;ハロゲン原子及び低級アルキル基及びハロゲン原子で置換された低級アルキル基及び低級アルコキシ基及びアミノ基及びシアノ基から成る群から選ばれる基で置換されたアリール基;、ヘテロアリール基又は低級アルコキシ基を表す。)であり、R5が水素原子である請求項4に記載のオキシム誘導体。
- 請求項1又は3に記載のオキシム誘導体を有効成分として含有する農薬。
- 請求項2、4又は5に記載のオキシム誘導体を有効成分として含有する農薬。
- 請求項1又は3に記載のオキシム誘導体を有効成分として含有する植物病害防除剤。
- 請求項2、4又は5に記載のオキシム誘導体を有効成分として含有する植物病害防除剤。
- 糸状菌の植物病害に対して有効である請求項8に記載の植物病害防除剤。
- 糸状菌の植物病害に対して有効である請求項9に記載の植物病害防除剤。
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