JP4365173B2 - 包装構造体 - Google Patents
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紙カートンは、たとえば100〜3000 ml程度の体積の被包装物のための包装用容器として用いて、ガラス瓶、プラスチックボトル、缶等に比して取り扱いが容易である他、店頭陳列等に当って、円形の外輪郭形状を有する各種のボトル、缶等よりも床面積効率が高いという利点がある(特許文献1)。
ここで、突部の、扉部材に対する形成位置は、扉部材の、上下方向、水平方クもしくは斜め方向に延びる直線状延在部分と対応する位置とすることができる他、扉部材の、輪郭形状が出角もしくは入角となる隅部と対応する位置とすることもでき、とくに後者によれば、十分小さな一の突部をもって、扉部材の不足の開放を効果的に阻止することができる。
また、好ましくは、扉部材に、側壁の内表面に掛合して扉部材の余剰の開放を拘束するストッパを設けてなる。なお、このストッパは、連結部材を介して扉部材の上端に連結させることが、包装用箱の材料取りの点および、その箱の組み立て工数の点で有利である。
そしてこの場合は、連結部材を、扉部材の揺動支点の周りにほぼ扇状に、たとえば90°の角度範囲にわたって形成されて、上記側壁と、それに連続する天蓋もしくは頂部折返し片との境界部に摺接する開閉ガイドとすることが、扉部材の、円滑にして確実な開閉作動を担保する上で好ましい。
また好ましくは、箱体の少なくとも下半部で、各側壁に、水平方向に延びる複数本の凹条を所定の間隔をおいて設ける。これによれば、箱体の変形強度を高めることができ、被包装物を充填包装した軟質包装袋を箱体内に収納した場合の、箱体の膨出変形を、薄い紙材料の使用下で有利に阻止して定型性をより有効に高めることができる。
ところで、箱体を耐水紙製としたときは、たとえば結露その他による多少の水濡れに対しては箱体への樹脂材料のラミネートなしに定型性をより十分に確保することができる。
かかる包装構造体がそれ本来の機能を発揮するのは、包装袋内に、たとえば液状の被包装物を充填包装してなる場合であり、この場合には、包装袋が箱体の底部にずり下がる防ぐべく、包装袋の上部を、それの複数個所で箱体の上部、頂部等に固定もしくは固着させることが好ましい。
またここでは、逆止注出ノズルを、少なくともその先端部分が扉部材の内表面から離隔した姿勢で扉部材に取り付けることが好ましく、これによれば、逆止注出ノズルに先端開口を設けて、そこから液状の被包装物を注出するに当って、扉部材の内表面がその被包装物に濡れるのを防止することができ、また、箱体の起立操作に基くその注出の停止に当って、扉部材に付着した被包装物が、箱体の内部へ流下するのを防ぐことができる。
なお、この折返し片は扉部材に一体形成し得ることはもちろんであるが、その折返し片を、逆止注出ノズルの先端部分を扉部材の内表面から離隔させる、その扉部材と一体のまたは別体になるスペーサ部材に設けることもできる。
この一方で、扉部材の開放は、側壁の、掛合突部の近傍部分を手指によって押込み変形させて、その突部および扉部材の少なくとも一方の弾性変形をもって、突部の、扉部材の内側への入り込みをもたらし、次いで、その扉部材を、それに指を掛けて開放することにより行うことができる。
しかも、この包装用箱は、被包装物を充填包装した軟質の包装袋に定型性を付与するとともに、それの傾動注出操作をアシストするべく機能するものであって、被包装物の、そこへの直接的な充填包装を行わないことから、好ましくは箱体それ自体を耐水紙製とするだけで、樹脂材料のラミネート層を設けることが不要であり、また、箱体に古紙を利用することもできる。
そしてこのことは、扉部材に、それの開放限界位置を特定するストッパを設けて、被穂包装物の注出時の、その扉部材の開放位置を開放限界位置に特定した場合により効果的である。
なお、被包装物をこのようにして注出するときは、軟質な包装袋本体は、被包装物の注出に伴って、外気の吸い込みなしに、注出体積に対応する量だけ収縮ないしは潰れ変形することになる。
従って、この注出ノズルを具える包装袋では、袋内被包装物は、被包装物の注出前はもちろん、注出中および注出後においても外気との接触から十分に保護されることになり、袋内被包装物の酸化、汚損等が有効に阻止されることになる。
かくしてここでは、注出ノズルに対する特別の操作等なしに、包装袋の起立復帰と併せて、それの先端開口を自動的に密着封止させることができ、注出ノズルにすぐれた逆止機能を発揮させることができる。
扉部材のこのような閉止姿勢の下では、一部が扉部材の揺動支点に対応して位置する逆止注出ノズルは、たとえばほぼ直角に折り曲げられることになって、その注出ノズルの表裏のフィルムの相互の密着を一層確実にするので、扉部材の閉止状態にあっては、外気等の包装袋内への進入はより十分に阻止されることになり、また、包装用箱を誤って倒伏させることがあっても被包装物の不測の洩出を有効に阻止することができる。
そしてこのことは、たとえば扉部材と一体的に形成した折返し片の折り返し固定もしくは固着をもって注出ノズルを保持する場合にもまた同様であり、折返し片によって注出ノズルを強く挟み込んだときは、被包装物の注出に当っての、ノズルの表裏のフィルムを十分に離隔させることができなくなる。
ここで、注出ノズルを折返し片等をもって保持する場合には、とくには、扉部材の閉止作動に伴う、逆止注出ノズルの、前述したような折曲げ変形を、その折返し片によってより確実に行い得る利点がある。
図1はこの発明において、包装袋を収納するために用いられる包装用箱の実施形態を示す展開図であり、図2はそれの組立て状態を示す斜視図である。
全体として四角柱状に組立てられるこの包装用箱は、四面の側壁1と、それぞれの底壁構成部材2と、一の側壁1から、図1に示すところでは上方突出させて設けた天蓋3と、同図では二面の側壁1から上方へ突出させて形成したそれぞれの頂部折返し片4とを具えるものであり、図1中の仮想線は、包装用箱内へ収納される軟質の包装袋5を、被包装物を充填しない姿勢で示す。
なお、このような突部9は、扉部材8の、出角もしくは入角となる隅部に対応させて設けることが、それの突出量を小さくする上で有利であるが、扉部材8の直線状の延在部分に対応させて設けることも可能である。
この一方で、ストッパ10は、扉部材8が所定の角度、たとえば90°開放した状態で、図4に天蓋3および頂部折返し片4を破断除去した平面図で示すように、開口側壁1の内表面に掛合して扉部材8のそれ以上の開放を拘束するべく機能する。
そして一旦開口した扉部材8の閉止は、その扉部材8を、連結部材11の案内下で側壁開口7の方向へ押圧変位させて、ストッパ10を、それに付けた曲がりぐせによって、図4に示すような垂直面内で延在姿勢とするとともに、扉部材8を掛合突部9の内側まで押込むことによって行うことができ、これによれば、扉部材8は、突部9の掛合下で、閉止姿勢に確実に保持されることになる。
しかも、扉部材8の掛合突部9に対する掛脱をもたらすことで、扉部材8の確実なる閉止および、それの、簡易にして所期した通りの、開封をも含む開放を実現することができる。
図中21は逆止注出ノズルを示し、この注出ノズル21は、軟質の包装袋本体22のたとえば側部の融着部で、それの内表面のシーラント層に、最外層のシーラント層によって基端部を融着接合される。
ここで、注出ノズル21は、熱可塑性のベースフィルム層、たとえば、5〜20μmの厚みの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート層と、そのベースフィルム層の両面に積層したそれぞれのシーラント層、たとえば、5〜80μmの厚みの無延伸ポリエチレン層とからなる、好ましくは20〜100μmの厚みの、表裏のそれぞれの側に配設される積層フィルム、すなわち、輪郭形状がともに同一の表裏二枚の積層フィルムまたは、中央部で表裏に折返してなる一枚の積層フィルムを、内面側シーラント層の相互の対向姿勢で、基端辺を除く各辺部分で、好ましくはヒートシールによって、図に斜線を施して示すように相互に融着させてなる。
なお、ノズル21の基端部外表面の、包装袋本体22へのこのような融着接合に当っての、ノズル内表面のシーラント層の相互融着を防止するためには、ノズル21の内外表面のそれぞれのシーラント層の融点を相違させること等が有効である。
ここで、軟質の包装袋本体22の内表面を形成するシーラント層は、ノズル外表面のシーラント層と同種の樹脂材料で構成することが、融着強度を高める上で好まい。また、包装袋本体のベースフィルム層は、ノズル1のそれと同種のもので構成することができる他、所要の物性を有する各種の材料から選択することができる。
なお、ベースフィルム層のみにては包装袋に所要の物性を確保できない場合には、シーラント層とベースフィルム層との間に中間層を介装することも可能である。
包装袋5をこのうようにして開封した後は、たとえば包装用箱6の持ち上げ状態で、それを図10に示すように傾動させて、袋内被包装物を注出させる。ところで、この場合の被包装物の注出は、扉部材8によるノズル位置の特定下で、しかも、箱6の側壁1から突出する注出ノズル21の目視下で行うことができ、また、包装袋内の被包装物レベルは通常、扉部材8より大分下方に位置することにあるので、その被包装物を、所期した通りの位置へ常に確実に流下させることができる。
ここで、注出ノズル21のこの密着閉止は、先にも述べたように、注出ノズル21が水頭圧から解放されて、表裏の積層フィルムが、注出ノズル21の製造時の元形状に復帰すること、注出ノズル内の被包装物が包装袋本体22内へ流下するに際して表裏のフィルムが減圧雰囲気におかれること等により、軟質なそれらがノズル幅の全体にわたって相互に負圧吸着されること等によって行われることになる。そしてこのような密着閉止は、潰れ変形等された包装袋本体22が、固有の弾性復元力に基いて包装袋内を減圧傾向とすることに基いてより確実に維持されることになる。
従ってここでは、注出の停止と同時にノズル21の密着閉止および、その密着閉止の、その後の継続維持に基き、注出の停止時から、袋内被包装物を外気から継続的に保護することもできる。
ここで逆止注出ノズル21のこの折曲げは、注出ノズル21の表裏のフィルムのより一層の密着をもたらすので、扉部材8の閉止後は、包装袋内への外気等の進入がより確実に阻止させることになり、また、包装用箱6の不測の倒伏等に対しても、被包装物の洩出をより十分に防止することができる。
2 底壁構成部材
3 天蓋
4 頂部折返し片
5 包装袋
6 包装用箱
7 開口
8 扉部材
8a 出角隅部
9 突部
10 ストッパ
11 連結部材
12 凹条
13 スペーサ
14 折り返し片
21 逆止注出ノズル
22 包装袋本体
23 V字状折曲部
24 先端融着部
25、26 融着部
Claims (4)
- 紙製の箱体の一の側壁の上部に、その側壁の角部を支点として、水平面内で揺動変位して、その側壁の上部に設けた開口内へ嵌まり込む扉部材を設けるとともに、側壁に、扉部材の外表面に掛合する突部を設けてなる包装用箱を用いた包装構造体であって、
先端を封止した平坦な逆止注出ノズルを、軟質の包装袋本体の上端部分に、それの側方への突出姿勢で融着させてなる包装袋を、上記包装用箱内へ収納し、その逆止注出ノズルを、上記扉部材の内面側に取り付けるとともに、その逆止注出ノズルの一部を、該扉部材の揺動支点に対応させて位置させてなる包装構造体。 - 包装袋内に液体、液状物である被包装物を充填包装してなる請求項2に記載の包装構造体。
- 逆止注出ノズルを、少なくともその先端部分が扉部材の内表面から離隔した姿勢で扉部材に取付けてなる請求項1もしくは2に記載の包装構造体。
- 逆止注出ノズルを扉部材の内面側に局部的に固定もしくは固着してなる請求項1〜3のいずれかに記載の包装構造体。
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