JP4364911B2 - ガスタービンエンジンの燃焼器 - Google Patents

ガスタービンエンジンの燃焼器 Download PDF

Info

Publication number
JP4364911B2
JP4364911B2 JP2007035209A JP2007035209A JP4364911B2 JP 4364911 B2 JP4364911 B2 JP 4364911B2 JP 2007035209 A JP2007035209 A JP 2007035209A JP 2007035209 A JP2007035209 A JP 2007035209A JP 4364911 B2 JP4364911 B2 JP 4364911B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
diffusion
air
combustion
combustor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007035209A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008196831A (ja
Inventor
剛生 小田
敦史 堀川
秀樹 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2007035209A priority Critical patent/JP4364911B2/ja
Priority to US12/068,733 priority patent/US8001786B2/en
Priority to EP08151391.3A priority patent/EP1959196B1/en
Publication of JP2008196831A publication Critical patent/JP2008196831A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4364911B2 publication Critical patent/JP4364911B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/28Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the fuel supply
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/28Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the fuel supply
    • F23R3/34Feeding into different combustion zones
    • F23R3/343Pilot flames, i.e. fuel nozzles or injectors using only a very small proportion of the total fuel to insure continuous combustion
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
    • F23R3/00Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel
    • F23R3/42Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the arrangement or form of the flame tubes or combustion chambers
    • F23R3/50Combustion chambers comprising an annular flame tube within an annular casing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23DBURNERS
    • F23D2900/00Special features of, or arrangements for burners using fluid fuels or solid fuels suspended in a carrier gas
    • F23D2900/00008Burner assemblies with diffusion and premix modes, i.e. dual mode burners

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Spray-Type Burners (AREA)
  • Nozzles For Spraying Of Liquid Fuel (AREA)

Description

本発明は、拡散燃焼方式と希薄予混合燃焼方式の2系統の燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式の燃料噴射構造を有するガスタービンエンジンの燃焼器に関するものである。
ガスタービンエンジンにおいては、環境保全への配慮から、燃焼により排出される排ガスの組成に関して厳しい環境基準が設けられており、窒素酸化物(以下、N0X という)などの有害物質を低減することが求められている。一方、大型のガスタービンや航空機用エンジンでは、低燃費化および高出力化の要請から、圧力比が高く設定される傾向にあり、それに伴って燃焼器入口における高温・高圧化が進み、この燃焼器の入口温度の高温化によって燃焼温度が高くなり易いことから、N0X をむしろ増加させる要因になることが懸念されている。
そこで、近年では、N0X 発生量を効果的に低減できる希薄予混合燃焼方式と、着火性能と保炎性能に優れた拡散燃焼方式とを組み合わせた複合燃焼方式が提案されている(特許文献1,2,3,4,5,6参照)。希薄予混合燃焼方式は、空気と燃料を予め混合して燃料濃度を均一化した混合気として燃焼させるため、局所的に火炎温度が高温となる燃焼領域が存在せず、かつ燃料の希薄化により全体的にも火炎温度を低くできることから、N0X 発生量を効果的に低減できる利点がある反面、大量の空気と燃料とを均一に混合することから、燃焼領域の局所燃料濃度が非常に薄くなってしまい、特に低負荷時での燃焼安定性が低下する課題がある。一方、拡散燃焼方式は、燃料と空気とを拡散・混合しながら燃焼させることから、低負荷時にも吹き消えが起こり難く、保炎性能が優れている利点がある。したがって、複合燃焼方式は、始動時および低負荷時に拡散燃焼領域により燃焼安定性を保持できるとともに、高負荷時に希薄予混合燃焼領域によりN0X 発生量の低減を図れるものである。
前記複合燃焼方式の燃焼器は、図8に示すように、燃焼室80内に拡散燃焼方式による拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴霧部81と、この燃料噴霧部81の外周を囲むように燃料噴霧部81と同心状に設けられ、燃焼室80内に希薄予混合燃焼方式による予混合燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部82とを備えている。この燃焼器は、始動時や低負荷時に燃料噴霧部81のみから燃料を供給し、高負荷時に燃料噴霧部81に加えて予混合気供給部82からも燃料を供給するようになっている。また、燃料噴霧部81は、燃料を空気の剪断力で燃焼に適した小さな粒径して噴射する燃料微粒化部81aと、この燃料微粒化部81aの下流に設けられて燃料と空気とを燃焼に適した速度に拡散させる末広がりのラッパ形状の拡散通路部81bとを有しており、さらに、拡散通路部81bと、この拡散通路部81bから予混合気供給部82の下流端内縁部までさらに末広がりに延びる形状のガイドスカート部材81cとにより、拡散燃焼領域を広げて、拡散燃焼による燃焼効率の向上が図られている。
特開平5−87340号公報 特開2002−115847号公報 特開2002−139221号公報 特開2002−168449号公報 特開2003−4232号公報 米国特許6, 389,815号明細書
しかしながら、始動時および低負荷時には燃料噴霧部81からのみ燃料84が供給され、予混合気供給部82から大量の空気85のみが燃焼室80内に供給されるので、図8に模式的に示すように、前記燃料84が空気85によって拡散通路部81bおよびガイドスカート部材81cに沿って予混合気供給部82の下流端内縁部に向けた方向に噴射されるので、この燃料84を含む混合気により形成される拡散燃焼火炎83も燃焼室80内の全体に広がるように導かれる。この拡散燃焼火炎83に対し、その外周領域に、予混合気供給部82からの空気85が干渉する。この拡散燃焼火炎83と空気85との干渉範囲を図8に格子状ハッチングで示している。この干渉の影響により、拡散燃焼領域の外周部で局所燃料濃度が薄くなって安定燃焼に適した燃料濃度範囲を保つことが困難となり、拡散燃焼火炎83に消炎が生じたり、着火性、保炎性および低負荷時における安定燃焼性が得られないことがある。
特に、航空機用ガスタービンエンジンにおいては、高空の低温・低圧の条件下での確実な着火が求められるとともに、アイドル時などの低負荷時におけるCOやTHC(Total HC)などの有害排出成分に関して各種規制がなされているため、前記予混合気供給部82からの大量の空気85による着火性や燃焼安定性の低下が問題となることが多い。
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたもので、拡散燃焼方式および希薄予混合燃焼方式の2系統の燃焼方式を組み合わせた複合燃焼方式の構造における着火性、保炎性および低負荷時における燃焼安定性を向上させることができるガスタービンエンジンの燃焼器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るガスタービンエンジンの燃焼器は、燃焼室内に拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴霧部と、前記燃料噴霧部を囲むようにこの燃料噴霧部と同心状に設けられ、前記燃焼室内に予混合燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部とを備え、始動時および低負荷時には前記燃焼室内に前記拡散燃焼領域が形成され、かつ、前記予混合気供給部から空気のみが前記燃焼室に供給されるガスタービンエンジンの燃焼器であって、前記燃料噴霧部は、スワーラにより旋回が付与された空気に燃料を噴射する燃料微粒化部と、この燃料微粒化部よりも下流側に設けられて燃料と空気を拡散させる末広がりの拡散通路部とを有し、前記拡散通路部の内周面に、噴射された燃料を前記内周面から剥離させて前記燃料噴霧部の径方向への拡散を抑制する燃料拡散抑制手段が設けられている。
この構成によれば、燃料噴霧部の燃料微粒化部から噴射された燃料は、燃料微粒化部の下流側の拡散通路部に設けられた燃料拡散抑制手段により拡散通路部の内周面から剥離されたのち、拡散を抑制されて燃料噴霧部の軸心付近に流れるように規制されるので、この燃料による拡散燃焼領域も燃焼室の径方向外方へ広がることがなく、燃料噴霧部の軸心付近に拡散燃焼に有効な燃料の濃い領域が形成される。しかも、燃料微粒化部から噴射された燃料が膜状となって拡散通路部の内周面を伝いながら予混合気供給部からの大量の空気内に流れ込むのが、燃料拡散抑制手段によって阻止される。したがって、始動時および低負荷時には、燃料噴霧部から燃焼室内に向け噴射される燃料による拡散燃焼火炎が、予混合気供給部から供給される大量の空気に混合することがない。これにより、拡散燃焼火炎が大量の空気で消炎されるのを防止することができるとともに、拡散燃焼領域の全体を安定燃焼に適した燃料濃度範囲に常時保つことができるから、着火性、保炎性および低負荷時における安定燃焼性を得ることができる。
本発明において、前記燃料拡散抑制手段は前記内周面に突設されて、前記拡散通路部軸心方向に沿って下流側に延びるガイド面と、このガイド面の下流端から前記拡散通路部の内周面まで延びる後面とを有する縦断面三角形状の環状のステップ部材であることが好ましい。ステップ部材を、内側の一面が燃料噴霧部の軸心方向とほぼ平行になる断面三角形状とすれば、燃料微粒化部から噴射された燃料を、簡単な形状のステップ部材の前記一面の下流端から燃料噴霧部の軸心方向と平行な方向に向けて剥離させることができるから、燃料噴霧部の軸心方向に沿った下流域に燃料濃度の高い領域を形成して、燃焼効率の高い拡散燃焼領域を形成することができる。
本発明において、前記燃料拡散抑制手段は前記拡散通路部の上流端部に配置されていることが好ましい。これにより、燃料噴霧部における燃料微粒化部から噴射された直後の燃料を燃料拡散抑制手段により拡散通路部の内周面から剥離させて、燃料の拡散を効果的に抑制することができる。
本発明において、前記ステップ部材の拡散通路部軸心方向に沿った長さL1が前記拡散通路部の長さL2に対し、L1=(1/3〜1/2)L2に設定することが好ましい。ステップ部材の拡散通路部軸心方向に沿った長さL1が(1/3)L2未満であると、短か過ぎてステップ部材による燃料の拡散抑制効果が不十分となる。一方、前記長さL1が(1/2)L2を越えると、空気の拡散が抑制されて、燃料と空気の混合気の速度が燃焼に適した速度よりも速くなるため、燃え難くなって燃焼安定性が得られない。
本発明において、さらに、前記ステップ部材の内部に、該ステップ部材を冷却する冷却空気の通路が形成されていることが好ましい。これにより、拡散燃焼領域の火炎から輻射熱を受けるステップ部材を有効に冷却できるので、ステップ部材を、耐熱性に優れた高価な素材で形成する必要がなくなる。前記冷却空気として、圧縮機から燃焼器に流入する圧縮空気を利用できる。
また、本発明において、前記冷却空気の通路は、前記ステップ部材の後面から拡散通路部内に冷却空気を排出する排出口を有していることが好ましい。これにより、ステップ部材の後面を冷却したのち排出口から排出される冷却空気が、ステップ部材によって拡散通路部の内周面から剥離された燃料の微粒化を促進する。
本発明のガスタービンエンジンの燃焼器によれば、燃料噴霧部の拡散通路部の内周面に設けた拡散抑制部材によって、燃料微粒化部から噴射された燃料を、拡散通路部の内周面から剥離させたのち、拡散を抑制して燃料噴霧部の軸心付近に集中的に流れるように規制できるので、始動時および低負荷時に、燃料噴霧部からの燃料による拡散燃焼領域の火炎に予混合気供給部からの大量の空気が混合することがなくなる結果、拡散燃焼領域の火炎が前記空気で消炎されるのを防止できるとともに、拡散燃焼領域の全体を安定燃焼に適した燃料濃度範囲に保てるので、着火性、保炎性および低負荷時における安定燃焼性を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るガスタービンエンジンの燃焼器1の頭部を示している。この燃焼器1は、ガスタービンエンジンの図示しない圧縮機から供給される圧縮空気に燃料を混合して生成した混合気を燃焼させて、その燃焼により発生する高温・高圧の燃焼ガスをタービンに送ってタービンを駆動するものである。
燃焼器1はアニュラー型であり、環状のアウタケーシング7の内側に環状のインナケーシング8が同心状に配置されて、環状の内部空間を有する燃焼器ハウジング6を構成している。この燃焼器ハウジング6の環状の内部空間には、環状のアウタライナ10の内側に環状のインナライナ11が同心状に配置されてなる燃焼筒9が、燃焼器ハウジング6と同心円状に配置されている。燃焼筒9は内部に環状の燃焼室12が形成されており、この燃焼筒9の頂壁9aに、燃焼室12内に燃料を噴射する複数(この実施形態では14個)の燃料噴射ユニット2が、燃焼筒9と同心の単一の円上に等間隔に配設されている。各燃料噴射ユニット2は、燃料噴霧部(パイロット燃料噴射ノズル)3と、この燃料噴霧部3の外周を囲むように燃料噴霧部3と同心状に設けられた予混合気供給部(メイン燃料噴射ノズル)4とを備えている。燃料噴霧部3および予混合気供給部4の詳細については後述する。
アウタケーシング7およびアウタライナ10を貫通して、着火を行うための2つの点火栓13が、燃焼筒9の径方向を向き、かつ先端が燃料噴射ユニット2に相対向する配置で設けられている。したがって、この燃焼器1では、2つの点火栓13に対向する2つの燃料噴射ユニット2からの可燃混合気が先ず着火され、この燃焼による火炎が、その高温ガスによって、隣接する各燃料噴射ユニット2からの可燃混合気に次々に火移りしながら伝播して、全ての燃料噴射ユニット2からの可燃混合気に着火される。
図2は図1のII−II線に沿った拡大縦断面図である。前記燃焼器ハウジング6の環状の内部空間には、圧縮機から送給される圧縮空気CAが複数の空気取入管14を介して導入され、この導入された圧縮空気CAは、燃料噴射ユニット2に供給されるとともに、燃焼筒9のアウタライナ10およびインナライナ11にそれぞれ複数形成された空気導入口17から燃焼室12内に供給される。前記燃料噴霧部3に拡散燃焼のための燃料を供給する第1燃料供給系統F1および前記予混合気供給部4に希薄予混合燃焼のための燃料を供給する第2燃料供給系統F2をそれぞれ形成する燃料配管ユニット18が、アウタケーシング7に支持され、燃焼筒9の基部19に接続されている。燃料噴射ユニット2はその外周部に設けたフランジ5Aと、アウタライナ10に設けた支持体5Bとを介してアウタライナ10に支持され、このアウタライナ10が、ライナ固定ピンPでアウタケーシング7に支持されている。燃焼筒9の下流端部にはタービンの第1段ノズルTNが接続される。
図3は図2の燃料噴射ユニット2を詳細に示した縦断面図である。燃料噴射ユニット2の中央部に設けられた燃料噴霧部3は、第1燃料供給系統F1からの拡散燃焼用の燃料Fを供給する有底円筒状の本体20と、この本体20に外嵌された筒状内周壁21と、この筒状内周壁21の外方で同心円状に配置された筒状中間壁22と、この筒状中間壁22の外方で同心円状に配置されたベンチュリーノズル状のノズル体23と、筒状内周壁21と筒状中間壁22との間に配設された第1インナスワーラ24と、筒状中間壁22とノズル体23との間に配設された第1アウタスワーラ27とを備えている。
前記本体20の下流側端部には、本体20の内部に供給された燃料Fを径方向外方へ噴射する複数の燃料噴射孔25が放射状に形成されている。筒状内周壁21における前記燃料噴射孔25に対応する箇所には、筒状内周壁21と筒状中間壁22との間に形成された一次微粒化通路28内に燃料Fを導入する燃料導入孔26が形成されており、一次微粒化通路28内に導入された燃料Fは、下流端の微粒化燃料噴射口28aから噴出される。
前記微粒化燃料噴射口28a、つまり筒状内周壁21および筒状中間壁22の各々の下流端は、ノズル体23における内径が最小となる絞り部23aと燃焼器1の軸心方向のほぼ同一位置に位置されており、ノズル体23の絞り部23aから下流側の拡径部23bは、所定の広がり角を有する末広がり形状に形成されている。この燃料噴霧部3は、上流端からノズル体23の絞り部23aまでの部分により燃料微粒化部3aが形成され、絞り部23aからノズル体23の下流端までの部分、つまりノズル体23の拡径部23bにより拡散通路部3bが形成されている。燃料微粒化部3aは、前記一次微粒化通路28を構成する筒状内周壁21および筒状中間壁22の各々の下流部21a,22aが、ノズル体23の対向箇所の形状に対応して先細円錐台形状に形成されて、一次微粒化通路28からの燃料Fおよび第1アウタスワーラ27からの圧縮空気CAをそれぞれ本体20の軸心Cに向けて斜めに層状に噴射する。この燃料微粒化部3aの下流側の拡散通路部3bは、燃料Fと圧縮空気CAを拡散させながら前記拡径部23bにより規定された噴射角度で燃料室12内に向け噴射する。
この燃料噴霧部3では、始動時および低負荷時(全負荷の50%以下)から高負荷時(全負荷の50%以上)までの全ての負荷範囲において第1燃料供給系統F1から拡散燃焼用の燃料Fが供給され、燃料微粒化部3aにおいて、本体20内部に送給された燃料Fが各燃料噴射孔25から噴射され、その噴射された燃料Fが第1インナスワーラ24からの圧縮空気CAで一次微粒化されたのちに一次微粒化通路28の燃料噴出口28aから噴出され、この一次微粒化された燃料Fが拡散通路部3b内で第1アウタスワーラ27からの旋回気流によりさらに二次微粒化され、霧状として燃焼室12内に噴霧されて、燃焼室12に拡散燃焼領域50を形成する。
つぎに、燃料噴霧部3の外周を囲う形の予混合気供給部4について説明する。この予混合気供給部4は、内側円筒状体30と外側円筒状体31とを備えて筒状二重壁に形成された本体29と、この本体29の外方で同心円状に配置された筒状中間壁32と、この筒状中間壁32の外方で同心円状に配置された筒状外周壁33と、筒状中間壁32と筒状外周壁33との間を仕切る円筒状仕切壁34と、筒状中間壁32と円筒状仕切壁34との間に形成された予混合予備室37の入口に配設された第2インナスワーラ38と、円筒状仕切壁34と筒状外周壁33との間に配設された第2アウタスワーラ39とを備えている。前記本体29は、燃料噴霧部3の外方において基部19の蓋状部40により筒状二重壁間の上流側端部開口が閉塞された状態で基部19に支持され、第2燃料供給系統F2からの予混合燃焼用燃料Fを予混合気供給部4に導入する。
前記予混合気供給部4の本体29には、内側円筒状体30と外側円筒状体31との間隙に燃料送給路41が形成されており、この燃料送給路41は、第2燃料供給系統F2からの燃料Fを外側円筒状体31の下流側周壁に所定間隔を存して複数個(例えば8個)穿設された燃料噴射孔35まで送給する。筒状中間壁32には、前記燃料噴射孔35から噴射された燃料Fを予混合予備室37に導入する燃料導入孔36が設けられている。また、筒状中間壁32は、外側円筒状体31の下流側のほぼ半分を覆うとともに、その下流側端の軸方向位置が燃料噴霧部3のノズル体23の下流側端と一致している。さらに、円筒状仕切壁34の下流側で筒状中間壁32と筒状外周壁33との間には予混合室42が形成されている。円筒状仕切壁34は、その上流側端の軸方向位置が筒状中間壁32の上流側端と一致しているとともに、下流側端が燃料導入孔36よりも所定距離だけ下流側に位置するようにその軸方向長さが設定されている。筒状外周壁33は、その上流側端の軸方向位置が円筒状仕切壁34の上流側端から所定距離だけ下流側に位置し、下流側端の軸方向位置が筒状中間壁32の下流側端と一致するよう設定されている。
この予混合気供給部4には、全負荷に対し50%以上の高負荷時にのみ第2燃料供給系統F2から燃料Fが供給され、この燃料Fが燃料送給路41を通って燃料噴射孔35および燃料導入孔36から予混合予備室37内に噴射され、この噴射された燃料Fが第2インナスワーラ38からの圧縮空気CAで一次微粒化され、この一次微粒化された燃料Fが、予混合室42内で第2アウタスワーラ39からの旋回気流によりさらに二次微粒化されることにより、燃料Fと圧縮空気CAとが予め十分に混合された予混合気が生成され、この予混合気が燃焼室12内に供給されて燃焼することにより、予混合燃焼領域51が形成される。なお、予混合気供給部4は、全負荷に対し50%以下の低負荷時において、燃料Fが供給されないことから、大量の圧縮空気CAのみを燃焼室12に供給する。
この燃焼器1では、燃料噴霧部3における拡散通路部3bの内周面の上流端部、つまりノズル体23の内周面における絞り部23aから所定距離だけ下流側に至るまでの箇所に、図3の要部を拡大した図4に示すように、縦断面三角形状の環状のステップ部材43が固定されている。このステップ部材43は、燃料微粒化部3aから噴射された燃料Fを拡散通路部3bの内周面から剥離させて拡散を抑制する燃料拡散抑制手段として作用するもので、拡散通路部3bのコーン状の内周面に嵌合する弧状の嵌合面43aと、この嵌合面43aの上流端から燃料噴霧部3の軸心C(図3)とほぼ平行に下流側に延びる燃料剥離用のガイド面43bと、後面43cとを有する縦断面三角形状に形成されている。後面43cは、燃料噴霧部3の軸心Cに対しほぼ直交して延び、ガイド面43bと嵌合面43aの各下流端を接続している。
筒状中間壁32の下流端内面と、拡散通路部3bの下流端外面との間には、環状のガイドスカート部材44が取り付けられている。このガイドスカート部材44は、燃料噴霧部3の拡散通路部3bの末広がり形状をそのまま予混合気供給部4の下流端内縁部まで末広がりに延長した形状を有している。また、筒状中間壁32の下端近傍箇所から径方向内方へ突設された連結部32aが拡散通路部3bの下流端近傍箇所に連結されており、連結部32aに空気孔32bが形成されている。さらに、ガイドスカート部材44は、これの先端部が連結部32aおよび拡散通路部3bの下流端外面に対し間隙45を持った配置で固定されており、この間隙45が空気孔32bに連通している。したがって、ノズル体23と内側円筒状体30との間に形成された空気導入路56から拡散通路部3bと筒状中間壁32との間の空気貯留室49内に導入された圧縮空気CAは、空気孔32bを通ったのち、間隙45を通って燃焼室12に向け吹き飛ばし用空気BAとして噴射される。
上記構成において、図3の燃焼器1の始動時および低負荷時には、第1燃料供給系統F1から燃料噴射ユニット2の内側の燃料噴霧部3にのみ燃料Fが供給され、この燃料噴霧部3における末広がり形状の拡散通路部3bおよびガイドスカート部材44により燃料Fと圧縮空気CAとが拡散され、かつ広がりながら燃焼室内に噴射され、これにより、燃え易くなって拡散燃焼領域50での燃焼安定性が得られる。
このとき、燃料噴霧部3の燃料微粒化部3aから拡散通路部3b内に向け噴射される燃料Fは、図4のステップ部材43における燃料噴霧部3の軸心Cとほぼ平行に延びるガイド面43bに沿って流れたのち、ガイド面43bの下流端からこれの下流側延長線上に向け噴射されることにより、拡散通路部3bの内周面から剥離する。これにより、噴射された燃料Fが燃料噴霧部3の径方向に拡散するのが抑制され、図8との比較から明らかなように、広がることなく燃料噴霧部3の軸心C付近に集中するように規制される。この場合、ステップ部材43が拡散通路部3bにおける燃料微粒化部3aとの境界箇所に位置しているから、燃料Fは拡散通路部3b内に噴射された直後に拡散通路部3bの内周面から剥離され、かつ、ステップ部材43の後面43cが燃料噴霧部3の軸心Cと直交しているから、拡散通路部3bの内周面からの燃料Fの剥離が効果的に行われる。こうして、燃料Fが燃料噴霧部3の軸心C付近に集中するように噴射される結果、図3に模式的に図示しているように、燃焼室12の中央付近に燃料濃度の高い領域が形成されて燃焼効率の高い拡散燃焼領域50が形成される。
したがって、始動時および低負荷時には、広がることなく燃焼室12の中央付近に形成される燃料濃度の高い混合気による拡散燃焼領域50の火炎に、予混合気供給部4から予混合領域51に供給される大量の空気が混合するのが防止される。これにより、拡散燃焼領域50の火炎が予混合領域51の大量の空気で消炎されるのを防止できるとともに、拡散燃焼領域50の全体を安定燃焼に適した燃料濃度範囲に保つことができるから、着火性、保炎性および低負荷時における安定燃焼性を向上させることができる。
前記ステップ部材43は、図4に示す拡散通路部3bの軸心C方向に沿った長さL1が拡散通路部3bの長さL2に対し、L1=(1/3〜1/2)L2の範囲に設定される。前記長さL1を(1/3)L2未満にすると、ステップ高さ、つまり後面43cの径方向幅が小さくなる結果、ステップ部材43により燃料Fを拡散通路部3bの内周面から剥離させて拡散を抑制する効果が不十分となり、他方、長さL1が(1/2)L2を越えると、空気の拡散が抑制されて、燃料と空気の混合気の速度が燃焼に適した速度よりも速くなるため、燃え難くなって燃焼不安定となる。また、ステップ部材43のガイド面43bが拡散通路部3bとなす角度θおよびガイドスカート部材44の広がり角度βは、アニュラー型の燃焼器1において、周方向に隣接する燃料噴射ユニット2へのスムーズな火移りを確保するのに必要な拡散燃焼領域50の広がりが得られるように設定される。
燃料微粒化部3aから噴射される燃料Fはステップ部材43により拡散通路部3bの軸心C付近に集中するように規制されるのに対し、燃料噴霧部3からの圧縮空気CAは、各スワーラ24,27により旋回を付与されていることから、ステップ部材43の下流側である程度広がるので、拡散燃焼領域50が中央付近で小さくなり過ぎることがない。これにより、図1に示すように、燃料噴射ユニット2が環状に配置されたアニュラー型の燃焼器1において、前述した隣接する燃料噴射ユニット2への火移りがスムーズに行われる。また、ステップ部材43により拡散通路部3bの内周面から剥離された燃料Fは、圧縮空気CAの旋回気流によってステップ部材43の下流側の拡散通路部3bの内周面に再付着することがあるが、この再付着した燃料Fは、間隙45から噴出される吹き飛ばし用空気BAにより燃焼室12内に向け吹き飛ばされる。そのため、燃料Fが液膜状となって燃えずに拡散通路部3bおよびガイドスカート部材44を伝って予混合燃焼領域51へ流入するのが防止される。
また、燃料噴霧部3では、第1インナスワーラ24として、第1アウタスワーラ27よりも小さいものが用いられており、第1インナスワーラ24の旋回強さが弱いことから、燃料噴霧部3の拡散通路部3bから噴射される燃料の噴射角度の規制がより確実に行われ、これによっても拡散燃焼を一層安定化できる。
さらに、前記燃焼器1では、燃料噴霧部3の本体20と予混合気供給部4の本体29とが基部19に連結されて、一つの連結体としての内側ブロックBL1に構成されている。この両本体20,29以外の部材により一つの連結体としての外側ブロックBL2が構成されている。すなわち、筒状中間壁32と円筒状仕切壁34とは、第2インナスワーラ38を介して連結され、円筒状仕切り壁34と筒状外周壁33とは第2アウタスワーラ39を介して連結されるとともに、筒状中間壁32はこれの連結部32aを介してノズル体23と連結されて、外側ブロックBL2が構成されている。この内側ブロックBL1と外側ブロックBL2とは、筒状中間壁32と外側円筒状体31とが所定本数のピン57の嵌め合いにより相互に留められていることにより、互いに連結されている。
したがって、外側ブロックBL2は、筒状中間壁32と外側円筒状体31との嵌め合いを解除することにより、内側ブロックBL1から分離できる。これにより、内側ブロックBL1のみを図2の燃焼筒9から引き抜いて取り外した状態でメンテナンスや保守点検を行うことが可能になっている。
図5は、着火吹き消え試験結果を示す。横軸は図2の燃料噴射ユニット2の入口ENと出口EXの圧力差を示し、縦軸は空燃比を示す。A1は第1実施形態の燃焼器1における吹き消えが発生する空燃比の上限を示す特性曲線であり、A2は同燃焼器1における着火が可能な空燃比の下限を示す特性曲線であり、B1は図8に示した従来の燃焼器における吹き消えが発生する空燃比の上限を示す特性曲線であり、B2は同燃焼器における着火が可能な空燃比の下限を示す特性曲線である。この試験結果によれば、図2の燃焼器1では、燃料微粒化部3aからの燃料Fをステップ部材43により拡散通路部3bの内周面から剥離させて拡散を抑制することにより拡散燃焼領域50を予混合気供給部4からの大量の空気に干渉しないようにしたので、A1とB1の両特性曲線の比較から明らかなように、従来の燃焼器よりも空燃比が格段に高くなるまで吹き消えが発生せず、A2とB2の両特性曲線の比較から明らかなように、従来の燃焼器よりも高い空燃比、つまり燃料が少ない状態においても着火できることが確認できた。
図6は本発明の第2実施形態に係るガスタービンエンジンの燃焼器における燃料噴射ユニット2を示す。この第2実施形態の燃焼器における燃料噴射ユニット2が第1実施形態のものと相違するのは、燃料噴霧部3のノズル体23における燃料微粒化部3aの下流側に、第1実施形態において別部材として設けた拡散通路部3b、ステップ部材43およびガイドスカート部材44を一体化した全体形状を有する拡散通路部3Bが設けられ、この拡散通路部3Bの内部に、拡散通路部3Bの下流端部から上流端部のステップ部材47の内部に至る冷却空気通路48が形成されていることである。この冷却空気通路48の上流端の冷却空気導入口48aは、空気孔32bを介して空気貯留室49に連通し、冷却空気通路48の下流端は、ステップ部材47の後面47cに冷却空気排出口48bとして開口している。
この実施形態の燃料噴射ユニット2は、第1実施形態で説明したと同様に作用して同様の効果を得ることができる。それに加えて、空気導入路56から空気貯留室49内に導入された圧縮空気CAは、空気孔32bを通り、冷却空気CCとして冷却空気導入口48aから冷却空気通路48内に流入したのち、ステップ部材47の後面の冷却空気排出口48bから燃焼室12に向け流出する。したがって、拡散燃焼領域50の火炎から輻射熱を受けるステップ部材47を含む拡散通路部3Bを有効に冷却できるので、このステップ部材47を含む拡散通路部3Bを、耐熱性に優れた高価な素材で形成する必要がなくなる。しかも、ステップ部材47の後面47cに冷却空気排出口48bを設けているので、拡散燃焼領域50の火炎からの輻射熱を直接的に受けるテップ部材47の後面47cを効果的に冷却することができるとともに、冷却空気排出口48bから排出された冷却空気CCにより、ステップ部材47によって拡散通路部3Bの内周面から剥離された燃料Fの微粒化を一層促進できる利点もある。
図7は本発明の第3実施形態に係るガスタービンエンジンの燃焼器における燃料噴射ユニット2を示す。この第3実施形態の燃焼器における燃料噴射ユニット2が第1実施形態のものと相違するのは、燃料噴霧部3のノズル体23の下流端と予混合気供給部4の筒状中間壁32の下流端との間に、燃料噴霧部3により形成される拡散燃料領域50と予混合気供給部4により形成される予混合燃焼領域51とを分離するための環状の分離部53と、この分離部53を通して拡散燃焼領域50と予混合燃焼領域51との間に分離用エアSAを噴出して両領域50,51の分離を促進するエアカーテン形成手段64とを設けたことである。
ノズル体23の拡径部23b、つまり拡散通路部3bは、予混合気供給部4の下流端と同一位置まで延びたコーン形状に形成されており、前記分離部53は、前記コーン形状の拡散通路部3bと筒状中間壁32の各々の下流端部を互いに径方向に離間した配置として、この間を塞ぐように配置された環状の蓋部材46を有している。分離部53における燃焼室12に面する後面は径方向に沿った平坦面となっている。また、ノズル体23の下流部と筒状中間壁32の下流部との間に、環状のエンド部材54が取り付けられて、このエンド部材に、空気貯留室49に連通する複数の空気孔61が周方向に等間隔に形成されている。蓋部材46とエンド部材54との間に、空気孔61に連通する環状の空気流路62が形成され、蓋部材46の内周面とノズル体23の拡径部23bの下流端部との間に、空気流路62に連通する環状の空気噴出口63が形成されている。こうして、空気孔61と空気流路62と空気噴出口63とにより、空気貯留室49内の圧縮空気CAを、分離部53を通して前記分離用エアSAとして噴出する前記エアカーテン形成手段64が構成されている。
この燃焼噴射ユニット2は、燃焼器の始動時および低負荷時に、第1実施形態と同様にステップ部材43により燃料噴霧部3からの燃料Fが燃料噴霧部3の軸心C付近に集中するように噴射されるのに加えて、この燃料Fが分離部53によって広がりを規制されながら燃焼室12内に噴射されるとともに、エアカーテン形成手段64の空気噴出口63から燃焼室12内に噴射される分離用エアSAにより拡散燃焼領域50と予混合燃焼領域51との間に形成されるエアカーテンが、拡散通路部3aから噴霧された燃料Fの一部が分離部53を伝って予混合燃焼領域51へ流入するのを防ぐとともに、拡散燃焼領域50の火炎の広がりを一層規制する。これにより、燃料噴霧部3から燃焼室12内に噴射される燃料Fによる拡散燃焼領域50の火炎に、予混合燃焼領域51に供給される大量の空気が混入するのが一層確実に防止される。しかも、燃料噴霧部3の拡散通路部3bから噴射される燃料Fは、エアカーテンを形成する分離用空気SAによりさらに三次微粒化されるから、より安定した拡散燃焼が得られる。
前記分離部53は、径方向幅Wが、予混合気供給部4の筒状外周壁33の内径Dに対し、W=0.13〜0.25Dの範囲に設定される。分離部53の径方向幅Wを0.13D未満にすると、分離部53により拡散燃焼領域50と予混合燃焼領域51とを効果的に分離することができなくなる。他方、径方向幅Wが0.25Dを越えると、拡散燃焼用空気の拡散が不十分となり、燃料と空気の混合気の速度が燃焼に適した速度よりも速くなるため、燃え難くなって燃焼不安定となる。また、図1に示す複数の燃料噴射ユニット2が環状に配置されたアニュラー型の燃焼器において、隣接する燃料噴射ユニット2への火移りがスムーズに行えなくなる。
本発明のさらに別の好ましい態様をまとめると、次の通りである。
〔第1態様〕
この第1態様の燃焼器1は、燃料噴霧部3が、拡散燃焼用の燃料Fを噴射する有底円筒状本体20と、該有底円筒状本体20に外嵌された先細りのノズル状の筒状内周壁21と、該筒状内周壁21の外方に配設された先細りのノズル状の筒状中間壁22と、該筒状中間壁22の外方に配設された末広がりのノズル状の拡散通路部3bと、前記筒状内周壁21と前記筒状中間壁22との間に配設された第1インナスワーラ24と、前記筒状中間壁22と前記拡散通路部3bとの間に配設された第1アウタスワーラ27とを有してなるものである。
〔第2態様〕
この第2態様の燃焼器1は、第1インナスワーラ24の影響力が第1アウタスワーラ27の影響力より少なくなるようにされたものである。
〔第3態様〕
この第3態様の燃焼器1は、燃料噴霧部3が、予混合予備室37と予混合室42とを有してなるものである。
〔第4態様〕
この第4態様の燃焼器1は、燃料噴霧部3が、燃料噴射部を含む内側ブロックBL1と、燃料噴射部を含まない外側ブロックBL2とからなり、前記内側ブロックBL1と前記外側ブロックBL2とが分離可能とされたものである。
本発明の第1実施形態に係るガスタービンエンジンの燃焼器を示す概略正面図である。 図1のII−II線に沿った拡大縦断面図である。 図2の燃料噴射ユニットを示す縦断面図である。 図3の要部の拡大縦断面図である。 着火吹き消え試験結果である燃料噴射ユニットの入口と出口の圧力差に対する空燃比の実測値を示す特性図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料噴射ユニットを示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料噴射ユニットを示す縦断面図である。 従来のガスタービンエンジンの燃焼器を示す縦断面図である。
符号の説明
1 燃焼器
2 燃料噴射ユニット
3 燃料噴霧部
3a 燃料微粒化部
3b,3b 拡散通路部
4 予混合気供給部
12 燃焼室
43,47 ステップ部材(燃料拡散抑制手段)
43c,47c 後面
48 冷却空気通路
48b 排出口
50 拡散燃焼領域
51 予混合燃焼領域
C 軸心
CA 圧縮空気(空気)
CC 冷却空気
F 燃料
BL1 内側ブロック
BL2 外側ブロック

Claims (6)

  1. 燃焼室内に拡散燃焼領域を形成するように燃料を噴霧する燃料噴霧部と、
    前記燃料噴霧部を囲むようにこの燃料噴霧部と同心状に設けられ、前記燃焼室内に予混合燃焼領域を形成するように燃料と空気の予混合気を供給する予混合気供給部とを備え、
    始動時および低負荷時には前記燃焼室内に前記拡散燃焼領域が形成され、かつ、前記予混合気供給部から空気のみが前記燃焼室に供給されるガスタービンエンジンの燃焼器であって、
    前記燃料噴霧部は、スワーラにより旋回が付与された空気に燃料を噴射する燃料微粒化部と、この燃料微粒化部よりも下流側に設けられて燃料と空気を拡散させる末広がりの拡散通路部とを有し、
    前記拡散通路部の内周面に、噴射された燃料を前記内周面から剥離させて前記燃料噴霧部の径方向への拡散を抑制する燃料拡散抑制手段が設けられているガスタービンエンジンの燃焼器。
  2. 請求項1において、前記燃料拡散抑制手段は前記内周面に突設されて、前記拡散通路部軸心方向に沿って下流側に延びるガイド面と、このガイド面の下流端から前記拡散通路部の内周面まで延びる後面とを有する縦断面三角形状の環状のステップ部材であるガスタービンエンジンの燃焼器。
  3. 請求項1または2において、前記燃料拡散抑制手段は前記拡散通路部の上流端部に配置されているガスタービンエンジンの燃焼器。
  4. 請求項2において、前記ステップ部材の拡散通路部軸心方向に沿った長さL1が前記拡散通路部の長さL2に対し、L1=(1/3〜1/2)L2であるガスタービンエンジンの燃焼器。
  5. 請求項2または4において、さらに、前記ステップ部材の内部に、該ステップ部材を冷却する冷却空気の通路が形成されているガスタービンエンジンの燃焼器。
  6. 請求項5において、前記冷却空気の通路は、前記ステップ部材の後面から拡散通路部内に冷却空気を排出する排出口を有するガスタービンエンジンの燃焼器。
JP2007035209A 2007-02-15 2007-02-15 ガスタービンエンジンの燃焼器 Active JP4364911B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007035209A JP4364911B2 (ja) 2007-02-15 2007-02-15 ガスタービンエンジンの燃焼器
US12/068,733 US8001786B2 (en) 2007-02-15 2008-02-11 Combustor of a gas turbine engine
EP08151391.3A EP1959196B1 (en) 2007-02-15 2008-02-13 Combustor of a gas turbine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007035209A JP4364911B2 (ja) 2007-02-15 2007-02-15 ガスタービンエンジンの燃焼器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008196831A JP2008196831A (ja) 2008-08-28
JP4364911B2 true JP4364911B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=39388875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007035209A Active JP4364911B2 (ja) 2007-02-15 2007-02-15 ガスタービンエンジンの燃焼器

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8001786B2 (ja)
EP (1) EP1959196B1 (ja)
JP (1) JP4364911B2 (ja)

Families Citing this family (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007162998A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Kawasaki Heavy Ind Ltd ガスタービンエンジンの燃料噴霧装置
US7878000B2 (en) * 2005-12-20 2011-02-01 General Electric Company Pilot fuel injector for mixer assembly of a high pressure gas turbine engine
FR2911667B1 (fr) * 2007-01-23 2009-10-02 Snecma Sa Systeme d'injection de carburant a double injecteur.
JP4997645B2 (ja) * 2008-10-14 2012-08-08 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 流体素子による空気流量配分制御機構を備えた燃焼器
US9181812B1 (en) * 2009-05-05 2015-11-10 Majed Toqan Can-annular combustor with premixed tangential fuel-air nozzles for use on gas turbine engines
US20100307160A1 (en) * 2009-06-03 2010-12-09 Vinayak Barve Convex Pilot Cone
JP5896443B2 (ja) * 2009-06-05 2016-03-30 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 燃料ノズル
US8365533B2 (en) * 2009-09-22 2013-02-05 General Electric Company Universal multi-nozzle combustion system and method
US20120174591A1 (en) * 2009-09-24 2012-07-12 Matthias Hase Fuel Line System, Method for Operating of a Gas Turbine, and a Method for Purging the Fuel Line System of a Gas Turbine
US8365532B2 (en) * 2009-09-30 2013-02-05 General Electric Company Apparatus and method for a gas turbine nozzle
US8375548B2 (en) * 2009-10-07 2013-02-19 Pratt & Whitney Canada Corp. Fuel nozzle and method of repair
DE102010019772A1 (de) 2010-05-07 2011-11-10 Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co Kg Magervormischbrenner eines Gasturbinentriebwerks mit einem konzentrischen, ringförmigen Zentralkörper
US8671691B2 (en) * 2010-05-26 2014-03-18 General Electric Company Hybrid prefilming airblast, prevaporizing, lean-premixing dual-fuel nozzle for gas turbine combustor
US9920932B2 (en) 2011-01-26 2018-03-20 United Technologies Corporation Mixer assembly for a gas turbine engine
US8312724B2 (en) * 2011-01-26 2012-11-20 United Technologies Corporation Mixer assembly for a gas turbine engine having a pilot mixer with a corner flame stabilizing recirculation zone
US8919132B2 (en) 2011-05-18 2014-12-30 Solar Turbines Inc. Method of operating a gas turbine engine
US8893500B2 (en) * 2011-05-18 2014-11-25 Solar Turbines Inc. Lean direct fuel injector
US9103551B2 (en) 2011-08-01 2015-08-11 General Electric Company Combustor leaf seal arrangement
US20130152594A1 (en) * 2011-12-15 2013-06-20 Solar Turbines Inc. Gas turbine and fuel injector for the same
US9182124B2 (en) 2011-12-15 2015-11-10 Solar Turbines Incorporated Gas turbine and fuel injector for the same
US9719685B2 (en) 2011-12-20 2017-08-01 General Electric Company System and method for flame stabilization
US9134031B2 (en) 2012-01-04 2015-09-15 General Electric Company Combustor of a turbomachine including multiple tubular radial pathways arranged at multiple circumferential and axial locations
DE102012002664A1 (de) * 2012-02-10 2013-08-14 Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co Kg Gasturbinenvormischbrenner
US20130263605A1 (en) * 2012-04-04 2013-10-10 General Electric Diffusion Combustor Fuel Nozzle
US20130305739A1 (en) * 2012-05-18 2013-11-21 General Electric Company Fuel nozzle cap
US20130305725A1 (en) * 2012-05-18 2013-11-21 General Electric Company Fuel nozzle cap
JP5924618B2 (ja) * 2012-06-07 2016-05-25 川崎重工業株式会社 燃料噴射装置
JP5988261B2 (ja) * 2012-06-07 2016-09-07 川崎重工業株式会社 燃料噴射装置
US8904798B2 (en) 2012-07-31 2014-12-09 General Electric Company Combustor
FR2996286B1 (fr) * 2012-09-28 2014-09-12 Snecma Dispositif d'injection pour une chambre de combustion de turbomachine
US9353950B2 (en) 2012-12-10 2016-05-31 General Electric Company System for reducing combustion dynamics and NOx in a combustor
WO2014130528A1 (en) * 2013-02-19 2014-08-28 United Technologies Corporation Aerating fuel injector system for a gas turbine engine
FR3003632B1 (fr) * 2013-03-19 2016-10-14 Snecma Systeme d'injection pour chambre de combustion de turbomachine comportant une paroi annulaire a profil interne convergent
JP6210810B2 (ja) * 2013-09-20 2017-10-11 三菱日立パワーシステムズ株式会社 デュアル燃料焚きガスタービン燃焼器
US20150285502A1 (en) * 2014-04-08 2015-10-08 General Electric Company Fuel nozzle shroud and method of manufacturing the shroud
FR3022985B1 (fr) * 2014-06-25 2019-06-21 Safran Aircraft Engines Systeme d'injection pour chambre de combustion de turbomachine configure pour une injection directe de deux nappes de carburant coaxiales
JP6430756B2 (ja) * 2014-09-19 2018-11-28 三菱日立パワーシステムズ株式会社 燃焼バーナ及び燃焼器、並びにガスタービン
FR3029608B1 (fr) * 2014-12-03 2017-01-13 Snecma Couronne d'admission d'air pour systeme d'injection de chambre de combustion de turbomachine et procede d'atomisation de carburant dans un systeme d'injection comprenant ladite couronne d'admission d'air
CN107110506B (zh) * 2014-12-25 2019-09-06 川崎重工业株式会社 烧嘴、燃烧器以及燃气轮机
US10591164B2 (en) * 2015-03-12 2020-03-17 General Electric Company Fuel nozzle for a gas turbine engine
KR102498300B1 (ko) * 2016-11-14 2023-02-09 한화에어로스페이스 주식회사 가스터빈용 연료 분사 장치
JP6948653B2 (ja) * 2017-08-28 2021-10-13 川崎重工業株式会社 燃料噴射装置
US11466620B2 (en) * 2017-10-20 2022-10-11 Siemens Energy, Inc. Hybrid manufacturing of a support housing
GB201803650D0 (en) * 2018-03-07 2018-04-25 Rolls Royce Plc A lean burn fuel injector
GB201820206D0 (en) * 2018-12-12 2019-01-23 Rolls Royce Plc A fuel spray nozzle
US10884940B2 (en) * 2018-12-21 2021-01-05 Advanced Micro Devices, Inc. Method and apparatus for using compression to improve performance of low voltage caches
CN115264533B (zh) * 2022-07-24 2023-06-23 哈尔滨工程大学 采用中心点火的天然气同轴分级燃烧室及燃烧方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59129330A (ja) 1983-01-17 1984-07-25 Hitachi Ltd 予混合燃焼形ガスタ−ビン
US5165241A (en) 1991-02-22 1992-11-24 General Electric Company Air fuel mixer for gas turbine combustor
US6389815B1 (en) 2000-09-08 2002-05-21 General Electric Company Fuel nozzle assembly for reduced exhaust emissions
US6363726B1 (en) 2000-09-29 2002-04-02 General Electric Company Mixer having multiple swirlers
US6381964B1 (en) 2000-09-29 2002-05-07 General Electric Company Multiple annular combustion chamber swirler having atomizing pilot
US6453660B1 (en) * 2001-01-18 2002-09-24 General Electric Company Combustor mixer having plasma generating nozzle
US6418726B1 (en) 2001-05-31 2002-07-16 General Electric Company Method and apparatus for controlling combustor emissions
WO2003091557A1 (en) 2002-04-26 2003-11-06 Rolls-Royce Corporation Fuel premixing module for gas turbine engine combustor
GB0219461D0 (en) * 2002-08-21 2002-09-25 Rolls Royce Plc Fuel injection arrangement
US6986255B2 (en) 2002-10-24 2006-01-17 Rolls-Royce Plc Piloted airblast lean direct fuel injector with modified air splitter
GB0516208D0 (en) * 2005-08-05 2005-09-14 Rolls Royce Plc Fuel injector
DE102005062079A1 (de) 2005-12-22 2007-07-12 Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co Kg Magervormischbrenner mit einer Zerstäuberlippe
FR2911667B1 (fr) 2007-01-23 2009-10-02 Snecma Sa Systeme d'injection de carburant a double injecteur.

Also Published As

Publication number Publication date
US20080302105A1 (en) 2008-12-11
EP1959196A3 (en) 2010-06-30
EP1959196A2 (en) 2008-08-20
US8001786B2 (en) 2011-08-23
JP2008196831A (ja) 2008-08-28
EP1959196B1 (en) 2018-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4364911B2 (ja) ガスタービンエンジンの燃焼器
JP4421620B2 (ja) ガスタービンエンジンの燃焼器
EP2530382B1 (en) Fuel injector
US6363726B1 (en) Mixer having multiple swirlers
JP5472863B2 (ja) ステージング型燃料ノズル
EP2530384B1 (en) Fuel injector
US6381964B1 (en) Multiple annular combustion chamber swirler having atomizing pilot
EP2481987B1 (en) Mixer assembly for a gas turbine engine
JP5400936B2 (ja) ガスタービンエンジン内で燃料を燃焼させるための方法及び装置
EP2479497B1 (en) Gas turbine combustor
US9109553B2 (en) Fuel injector
US6474071B1 (en) Multiple injector combustor
EP2357412A2 (en) Gas turbine combustor with variable airflow
US20090320484A1 (en) Methods and systems to facilitate reducing flashback/flame holding in combustion systems
JP2000320836A (ja) 燃料インジェクタ及び燃料と空気の噴射方法
JP4400314B2 (ja) ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃料供給方法
JP5896443B2 (ja) 燃料ノズル
JP5821553B2 (ja) RQL方式の低NOx燃焼器
JPS59173633A (ja) ガスタ−ビン燃焼器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090819

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4364911

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140828

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250