JP4363798B2 - 防災システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末のグループごとに連動/非連動を設定できる防災システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、防災システムでは、受信機などの中央処理装置が、感知器や防排煙端末など多数の端末器と回線を介して接続され、これらと送受信しながら火災の監視、報知を行うシステムを採用していた。
従来の防災システムの例を、図7に示した。図7に示す防災システム1では、受信機2に防排煙端末3〜防排煙端末7が接続されており、これらは図示しない感知器に連動して出力動作する。受信機2は端末同士の連動関係に関する連動データを記憶している。
防排煙端末3〜防排煙端末7はいくつかのグループに分けられ、各端末には自己が所属しているグループのグループアドレスが与えられている。図7では、グループ1に防排煙端末3、防排煙端末5、グループ2とグループ3に防排煙端末4、グループ4に防排煙端末6が属している。受信機2は、各グループのグループアドレスを記憶し、グループごとにON/OFF信号を送り、連動/非連動設定を変更する。例えば図7に示す防災システム1では、防排煙端末3〜防排煙端末7を4つのグループに分類しているので、受信機2は4つのアドレスを記憶する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、受信機2のメモリ内のアドレステーブルに設定可能なアドレス数は有限であるので、上記のように、グループ数と同じ数のアドレスが必要となると、設置される端末数が多い大規模なシステムでは、グループ数も多く、受信機2側のアドレステーブルが足りなくなる可能性があった。また、端末が多いと通信パケットの数も多くなり、回線が混雑するという問題もあった。
このことは、防災システムにおける防排煙端末に限らず、連動/非連動制御されるその他の端末についても言えることである。
【0004】
本発明の課題は、防災システムにおいて、システムの規模が大きくなり防排煙端末などの端末が多くても、中央処理装置等のアドレステーブルの消費を抑えると共に、通信回線の混雑を防ぐことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、
複数の連動元端末(感知器11、12)と、連動元端末に連動し所定の動作を行う複数の連動先端末(防排煙端末13、14、15、16、17)と、連動先端末に対して連動関係の維持または解除を指示する連動/非連動信号を送信する連動/非連動指示手段(受信機9)とを備える防災システム(10)において、
前記複数の連動先端末は、所定数のグループに分けられているとともに、それぞれの連動先端末において、どのグループに属しているか設定され、
連動/非連動信号は、グループ数と同じビット数からなり、各ビットがそれぞれ各別1つのグループに対応し連動及び非連動のいずれかを指示する内容であり、
連動先端末におけるグループ設定は、グループ数と同じビット数からなるデータの各ビットについて、それぞれ各別に1つのグループに対応させ、そのグループに属しているか否かを設定することにより行われることを特徴とする防災システムである。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、防災システムにおいて、連動元端末に連動する複数の連動先端末は所定数のグループに分けられており、連動先端末自身に、自己がどのグループに属しているか設定されている。連動/非連動指示手段が送信する連動/非連動信号は、例えば連動先端末をnグループに分類した場合はnビットで構成されており、各ビットが各別1つのグループに対応している。従って、連動/非連動指示手段は1回の連動/非連動信号で全ての連動先端末に対してグループごとに連動/非連動の指示を与えることができるので、連動/非連動指示手段内の連動先端末宛のアドレスは1つで済み、また通信パケットの数も1回で済むので、通信回線の混雑を防ぐことができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、連動先端末におけるグループ設定は、連動先端末をnグループに分類する場合はnビット数からなり、各ビットがそれぞれ一つのグループに対応している。このように、各ビットとグループが1対1で対応しているため、例えば一つの連動先端末を複数のグループに所属するように設定することが可能となる。
ここで「連動元端末」としては、各種火災感知器や発信機などが挙げられ、「連動先端末」としては防排煙端末が、「連動/非連動指示手段」としては受信機やホストコンピュータなどが挙げられる。
【0007】
請求項1に記載の防災システムは、請求項2に記載の発明のように、連動元端末と連動先端末と連動/非連動指示手段とが知的分散型制御ネットワーク(N)に接続されて構成されていてもよい。
ここで、知的分散型制御ネットワークとしては、例えばLONWORKSネットワーク(米国エシュロン社開発)が挙げられる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の防災システムにおいて、連動先端末は、防排煙端末であることを特徴とする。
ここで防排煙端末とは、防火扉、排煙口など火災の拡大を防いだり、煙を防ぐ、あるいは所定方向に排除するために作動するものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の防災システムにおいて、
防排煙端末を作動させる制御信号を出力する制御回路(21、31)を備える中継器(20、30)と、
制御回路に接続され、所定温度に達したことを検出する温度センサ(24)とが設けられ、
前記温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、制御回路から制御信号が出力されることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、制御回路から制御信号が出力される。従って、仮に高温により制御回路内のCPUやドライバなどが正常に動作しない場合でも、強制的に制御回路から制御信号が出力され、防排煙端末が作動するので、防災システムの安全性を高めることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の防災システムにおいて、
制御回路は、ON/OFF状態を切り替えることで防排煙端末に制御信号を出力するスイッチ部(S)と、スイッチ部に制御信号を出力させる信号出力指示部(リレー部R)からなるリレースイッチ(25)を備え、
前記温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、信号出力指示部を介してスイッチ部から制御信号が出力されることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明によれば、中継器に設けられた温度センサが所定温度に達したことを検出すると、信号出力指示部を介してスイッチ部から制御信号が出力されるので、確実に防排煙端末を制御できる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の防災システムにおいて、
制御回路は、ON/OFF状態を切り替えることで防排煙端末に制御信号を出力するスイッチ部(S)と、スイッチ部に制御信号を出力させる信号出力指示部(リレー部R)からなるリレースイッチ(25)を備え、
前記温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、信号出力指示部とは無関係にスイッチ部から制御信号が出力されることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明によれば、温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、リレースイッチ内に設けられた信号出力指示部とは無関係にスイッチ部から制御信号が防排煙端末に出力される。従って、例えば高温により信号出力指示部が作動できない場合であっても、防排煙端末を制御でき、より安全性が高い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図6に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一例としての防災システム10の概略を示す図である。防災システム10は、受信機9とこれに接続される多数の端末器から構成され、図1では、感知器11、12、防排煙端末13、14を例示した。
図1において、感知器11と防排煙端末13、感知器12と防排煙端末14がそれぞれ連動関係に設定されている。防災システム10では図1には示されていない他の端末機器においても、このような連動関係が設定されている。連動/非連動については後述する。
【0018】
防災システム10は、知的分散型制御ネットワークNから構成され、受信機9、感知器11、12、防排煙端末13、14はそれぞれハードウェアであるノード9a、11a、12a、13a、14aを搭載し、このノード9a、11a〜14aが、ネットワークNに接続されている。ノード9a、11a〜14aは、それぞれネットワーク構築のための専用マイコンであるニューロンチップ(図示略)や、ニューロンチップをネットワークNに物理的に接続するためのトランシーバ(図示略)などを有する。ニューロンチップはCPU(Central Processing Unit)や各種メモリなどからなる。各ニューロンチップごとに所定の設定が行われ、これにより受信機9、感知器11、12、防排煙端末13、14それぞれにインテリジェンスを持たせ、かつ、互いに通信可能とし知的分散型制御ネットワークNを構築している。
なお、図1は、防災システム10の一部を示したものであり、ネットワークNには多数の各種端末器が接続され、これら端末器にもノードが搭載されている。
【0019】
防災システム10では、受信機9は全ての端末器に接続されてはいるが、全ての端末器を統括制御するものではない。受信機9はシステム全体の状況を把握する役目をするものであり、受信機9と各端末はほぼ対等な関係にある。
【0020】
受信機9は、各端末に接続され、防災システム10内の現在の状況を把握し、その状況を表示したり、警報により火災報知を行う。さらに、スイッチ等を備える図示しない操作部を有し、該操作部を介して各種設定、設定解除などが可能になっており、それら設定に応じて所定の信号を各端末に送信したりする。具体的には例えば連動/非連動信号を送信し、すなわち、ここでは受信機9が本発明の連動/非連動指示手段となる。
連動元端末である感知器11、12としては、例えば煙感知器、熱感知器、炎感知器などが挙げられ、火災を検出し発報信号を出力し、受信機9などに送信するものである。
連動先端末である防排煙端末13、14としては防火扉、排煙口などが挙げられる。
【0021】
防災システム10を構成する受信機9及び各端末(ノード)のニューロンチップは、図2に例示するように自己アドレスのメモリエリアとアドレステーブルのメモリエリアをそれぞれ有し、該アドレステーブルには有限個の(本実施例では15個の)アドレステーブルの送信先アドレスを記憶できるようになっている。なお、図2では、防災システム10のうち防排煙端末14、感知器12については省略し、受信機9、感知器11、防排煙端末13について詳細に示す。
具体的には、受信機9は自己アドレスを、感知器11、防排煙端末13は、それぞれ自己のアドレスと自己の同報アドレス(以下、自己同報アドレス)を保有している。
防災システム10では、前述のように多数の防排煙端末が設置され、これら防排煙端末は、例えば、防火扉などの種別や、フロアなどの防災区域単位でグループ分けされている。
同報アドレスは、例えば受信機9が送信先(全てのグループ)に属する全ての防排煙端末に対して同じ内容の信号を送信する際に使用する共通のアドレスである。
【0022】
また、送信先アドレスとしては、例えば、受信機9は、防排煙端末13のアドレス及び同報アドレスなどを記憶し、感知器11は、受信機9のアドレス、防排煙端末13のアドレスなどを記憶し、防排煙端末13は、受信機9のアドレスなどを記憶している。
受信機9、感知器11、防排煙端末13それぞれは、ネットワークNを介して送られてきた信号の送信先アドレスをチェックし、それが自己アドレスあるいは自己同報アドレスであれば、その信号をニューロンチップ内の特定のCPUに取り込んで処理するようになっている。
【0023】
防災システム10における火災検出時の動作の概略を図2に基づいて説明する。
例えば、感知器11が火災を検出し、発報信号を受信機9及び防排煙端末13に対して送信する。受信機9は、この発報信号を受けて所定の各種警報動作を行う。一方、防排煙端末13は、感知器11からの発報信号を受けて出力動作するとともに(例えば防火扉であれば閉じる動作)、受信機9に対して出力動作した旨の応答信号を出力するようになっている。また、防排煙端末13は、発報信号に応じての出力動作後、所定時間経過すると例えば受信機11からの制御信号などによって復帰すべく出力動作する。
なお、ここでは、感知器11からの発報信号のような防排煙端末を制御駆動するコマンド信号を制御信号という。
【0024】
防災システム10では、前述のように、防排煙端末はグループ分けされ、1つの防排煙端末が複数のグループに属していることもある。そして、防排煙端末と感知器との連動関係は、受信機9からの連動/非連動信号によりグループ単位で非連動に切り替えることができる。図3、図4に基づいて、この連動/非連動の切り替えについて説明する。
【0025】
図3には、防排煙端末として、前記防排煙端末13、14に加えて、防排煙端末15〜防排煙端末17を示した。
ここでは、防排煙端末13はグループ1に、防排煙端末14はグループ2、3に、防排煙端末15はグループ1に、防排煙端末16はグループ4に属している。防排煙端末17はどのグループにも属さない。
防排煙端末13〜防排煙端末17は、前記ニューロンチップ内のメモリにおいて、数列をもって自己のグループを記憶し、n種類のグループに分類する場合には、nビットの数列Amで記憶する。図3のように4つのグループに分類する場合は、4ビットの数列「x1x2x3x4」(x=0または1)である。4ビットの数列Amのうち、x1がグループ1に、x2がグループ2に、x3がグループ3に、x4がグループ4に、それぞれ対応し、自己が所属するグループについては、x1〜x4の設定を「1」とし、所属していないグループについては「0」に設定する。
すなわち、図3に示すように、防排煙端末13をグループ1に分類するときは「1000」のように1番目に「1」を立てる。防排煙端末14をグループ2と3に分類するときは「0110」のように、2番目と3番目に「1」を立てる。同様に、防排煙端末15は「1000」、防排煙端末16は「0001」、防排煙端末17は「0000」と設定する。図4(a)には、このグループの分類をまとめて表に示した。なお、この設定は、防災システム10の立ち上げ時に、ネットワークNに接続した管理ツール(パソコンなど)により各端末について行う。
【0026】
一方、受信機9は、連動/非連動信号として送信する連動/非連動データを記憶する。連動/非連動データは、受信機9に接続されている防排煙端末がn種類のグループに分類されている場合には、nビットの数列Bm「y1y2y3・・・yn」(y=0または1)として記憶する。
nビットの数列Bmのうち、y1がグループ1に、y2がグループ2に、y3がグループ3に、というように各列が各グループにそれぞれ対応し、連動関係を維持させたいグループについては、各列の設定を「0」とし、連動関係を解除させ、非連動としたいグループについては「1」に設定する。各防排煙端末は、自己が属しているグループについて「1」が設定されている連動/非連動信号が送信されてくると、非連動状態に切り替わるようになっている。つまり、xn=yn=1となるnが存在する場合に、各防排煙端末は非連動状態に切り替わる。
例えば、防排煙端末13〜防排煙端末17を4種類のグループに分け、受信機9が連動/非連動信号として数列Bm「1000」を送信した場合、数列Bmのy1は1である。防排煙端末13、15はグループ1に設定されているのでx1=1であり、xn=yn=1となるnが存在するので(n=1)、防排煙端末13、15は非連動状態に切り替わる。しかし、防排煙端末14、16、17はx1=0でありxn=yn=1となるnが存在しないので、連動/非連動信号を無視し、連動関係を維持する。
【0027】
図4(b)には、受信機9の送信例をまとめて表に示した。
送信例aは「0000」なので、非連動設定するグループはない。送信例bは「1000」なので、グループ1に分類されている防排煙端末13と防排煙端末15が非連動動作に切り替わる。送信例cは「0100」なので、グループ2に分類されている防排煙端末14が非連動動作する。送信例dは「0011」なのでグループ3とグループ4が非連動設定になり、防排煙端末14と防排煙端末16が非連動動作する。送信例eは「1111」なので全てのグループが非連動設定になる。従って、全ての防排煙端末13〜防排煙端末16が非連動動作する。
【0028】
なお、受信機9における数列Bmの内容は、保守点検時などにおいて作業者が自在に切り替えられるようになっている。
そして受信機9は、連動/非連動信号を、所定の間隔で定期的に送信するハートビート信号として、接続されている全ての防排煙端末13〜防排煙端末17に、前記同報アドレスを使用し同報信号として送信する。
防排煙端末13〜防排煙端末17側は、最新の連動/非連動信号に従って、自己の連動/非連動状態を切り替えるようになっている。
【0029】
防排煙端末13〜防排煙端末17の連動/非連動切替処理の動作フローについて、図5に基づいて説明する。まず、図5のステップS1において、受信機9から連動/非連動信号を受信するというイベントが生じる。ステップS2において、各防排煙端末13〜防排煙端末17は、xn=yn=1となるnが存在するかどうか判定し、存在していればステップS3で非連動動作に切り替える処理をし、存在していなければステップS4で連動動作を維持する処理をし、この処理を終える。
【0030】
ところで、防排煙端末13〜防排煙端末17には、これを制御駆動する中継器が設けられており、前記ノードは中継器に搭載されている。
図6(a)、(b)には、防排煙端末13〜防排煙端末17に設けられる中継器の例として、中継器20、30内の制御回路21、31を示した。制御回路21、31は、これらを制御するCPU22、ドライブ回路23、リレースイッチ25と、所定温度に達すると作動する温度センサ24等からなる。リレースイッチ25は、接点が接離することにより、ON/OFFが切り替わり、ONになると防排煙端末に制御信号を出力するスイッチ部Sと、ドライブ回路23からの所定の信号によりスイッチ部SをON状態にし、制御信号を出力させるリレー部R(信号出力指示部)からなる。
通常は、感知器などから中継器20、30に発報信号が送信されると、CPU22からドライブ回路23を介してリレースイッチ25内のリレー部Rに信号が送られ、スイッチ部SがON状態に切り替わり、スイッチ部Sは防排煙端末に制御信号を出力する。これにより防排煙端末は出力動作する。
【0031】
ところで、CPU22やドライブ回路23などの電子機器は、火災発生などにより周囲の温度が上昇すると、正常に動作しないことがあり、防排煙端末に対して制御信号を送信できなくなる。
このような場合、図6(a)に示す制御回路21では、中継器20内に取り付けられた温度センサ24により所定の温度に達したことが検出されるとリレー部Rに所定の信号が送信され、スイッチ部SをON状態に切り替える。これによりスイッチ部SはCPU22等とは無関係に、強制的に防排煙端末に制御信号を出力する。
また、図6(b)に示す制御回路31では、温度センサ24により所定の温度に達したことが検出されると、スイッチ部Sに所定の信号が送信されてON状態に切り替わり、防排煙端末に制御信号が出力される。制御回路31では、リレー部Rとは無関係に、強制的に制御信号が防排煙端末に出力される。従って、リレー部Rが正常に動作しない場合でも、防排煙端末に制御信号を出力することができる。
【0032】
以上の防災システム10によれば、例えば、防排煙端末13〜防排煙端末17を4種類のグループに分けた場合には、自己がどのグループに属しているかを4ビットの数列Am「x1x2x3x4」で記憶している。受信機9が送信する連動/非連動信号は4ビットの数列Bm「y1y2y3y4」で構成されており、数列Amと同様に各ビットの各列が1つのグループに対応している。非連動としたいグループについては、対応する列の設定を「1」とし、防排煙端末13〜防排煙端末17は、送信された連動/非連動信号についてxn=yn=1となるnが存在する場合には非連動設定に切り替え、nが存在しない場合には信号を無視しする。
つまり、受信機9は1回の連動/非連動信号で全ての防排煙端末13〜防排煙端末17に対して、グループごとに連動/非連動の指示を与えることができるので、受信機9内の防排煙端末13〜防排煙端末17宛てのアドレスは同報アドレス1つで済み、また通信パケットの数も1回で済むので、アドレステーブルの消費を節約できると共に通信回線の混雑を防ぐことができる。
【0033】
また、図6に示すように、例えば周囲の温度が上昇して制御回路21、31が正常に働かない場合でも、防排煙中継器20、30内に設けられた温度センサ24が所定温度に達したことを検出すると、強制的にスイッチ部Sに制御信号を出力させるので、防排煙端末は確実に制御駆動される。特に図6(b)に示す制御回路31は、温度センサ24とリレー部Rが直接連結していないので、仮にリレー部が正常に働かない場合でも防排煙端末を制御することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
連動関係については、感知器と防排煙端末には全く限らず、防災システムに設置されるあらゆる端末同士で連動関係を設定することが可能であり、例えば感知器と地区音響、発信機と防排煙端末、あるいは防排煙端末同士など多様な組み合わせで、2個以上の端末器同士で設定できる。本発明はこれらの連動関係に対しても適用できる。
また、上記実施の形態におけるリレースイッチは、直接の機械接触によってスイッチのON/OFFが切り替えられる有接点型であるが、MOSFETやサイリスタなどの半導体素子をスイッチとして用いた無接点型でもよい。
【0035】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、防災システムにおいて、連動元端末に連動する複数の連動先端末は所定数のグループに分けられており、連動先端末自身に、自己がどのグループに属しているか設定されている。連動/非連動指示手段が送信する連動/非連動信号は、例えば連動先端末をnグループに分類した場合はnビットで構成されており、各ビットが各別1つのグループに対応している。従って、連動/非連動指示手段は1回の連動/非連動信号で全ての連動先端末に対してグループごとに連動/非連動の指示を与えることができるので、連動/非連動指示手段内の連動先端末宛のアドレスは1つで済み、また通信パケットの数も1回で済むので、アドレステーブルの消費を節約できると共に通信回線の混雑を防ぐことができる。
さらに、請求項1に記載の発明によれば、連動先端末におけるグループ設定は、nグループに分類する場合はnビット数からなり、各ビットがそれぞれ一つのグループに対応している。このように、各ビットとグループが1対1で対応しているため、例えば一つの連動先端末を複数のグループに所属するように設定することが可能となり、種別や棟階番などの異なる分類方法を組み合わせる場合にも有効である。
【0036】
また、請求項1に記載の発明によれば、連動先端末におけるグループ設定は、nグループに分類する場合はnビット数からなり、各ビットがそれぞれ一つのグループに対応している。このように、各ビットとグループが1対1で対応しているため、例えば一つの連動先端末を複数のグループに所属するように設定することが可能となり、種別や棟階番などの異なる分類方法を組み合わせる場合にも有効である。
【0037】
請求項4に記載の発明によれば、温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、制御回路から制御信号が出力される。従って、仮に高温により制御回路内のCPUやドライバなどが正常に動作しない場合でも、強制的に制御回路から制御信号が出力され、防排煙端末が作動するので、防災システムの安全性を高めることができる。
【0038】
請求項5に記載の発明によれば、中継器に設けられた温度センサが所定温度に達したことを検出すると、信号出力指示部を介してスイッチ部から制御信号が出力されるので、確実に防排煙端末を制御できる。
【0039】
請求項6の発明によれば、温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、リレースイッチ内に設けられた信号出力指示部とは無関係にスイッチ部から制御信号が防排煙端末に出力される。従って、例えば高温により信号出力指示部が作動できない場合であっても、防排煙端末を制御でき、より安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防災システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1の防災システムの一部構成の詳細を示す図である。
【図3】受信機と防排煙端末との関係を詳細に説明するための図である。
【図4】(a)は各防排煙端末がどのグループに属しているかを示す図であり、(b)は受信機から各防排煙端末に送られる信号の送信例である。
【図5】防排煙端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】防排煙端末の中継器の制御回路を示す図である。
【図7】従来の防災システムにおける受信機と防排煙端末との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
9 受信機(連動/非連動指示手段)
10 防災システム
13、14、15、16、17 防排煙端末(連動先端末)
20、30 中継器
21、31 制御回路
22 CPU
23 ドライブ回路
24 温度センサ
25 リレースイッチ
N 知的分散型制御ネットワーク
R リレー部(信号出力指示部)
S スイッチ部
Claims (6)
- 複数の連動元端末と、連動元端末に連動し所定の動作を行う複数の連動先端末と、連動先端末に対して連動関係の維持または解除を指示する連動/非連動信号を送信する連動/非連動指示手段とを備える防災システムにおいて、
前記複数の連動先端末は、所定数のグループに分けられているとともに、それぞれの連動先端末において、どのグループに属しているか設定され、
連動/非連動信号は、グループ数と同じビット数からなり、各ビットがそれぞれ各別1つのグループに対応し連動及び非連動のいずれかを指示する内容であり、
連動先端末におけるグループ設定は、グループ数と同じビット数からなるデータの各ビットについて、それぞれ各別に1つのグループに対応させ、そのグループに属しているか否かを設定することにより行われることを特徴とする防災システム。 - 連動元端末と連動先端末と連動・非連動指示手段とが知的分散型制御ネットワークに接続されて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の防災システム。
- 連動先端末は、防排煙端末であることを特徴とする請求項1又は2記載の防災システム。
- 防排煙端末を作動させる制御信号を出力する制御回路を備える中継器と、
制御回路に接続され、所定温度に達したことを検出する温度センサとが設けられ、
前記温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、制御回路から制御信号が出力されることを特徴とする請求項3に記載の防災システム。 - 制御回路は、ON/OFF状態を切り替えることで防排煙端末に制御信号を出力するスイッチ部と、スイッチ部に制御信号を出力させる信号出力指示部からなるリレースイッチを備え、
前記温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、信号出力指示部を介してスイッチ部から制御信号が出力されることを特徴とする請求項4に記載の防災システム。 - 制御回路は、ON/OFF状態を切り替えることで防排煙端末に制御信号を出力するスイッチ部と、スイッチ部に制御信号を出力させる信号出力指示部からなるリレースイッチを備え、
前記温度センサにより所定温度に達したことが検出されると、信号出力指示部とは無関係にスイッチ部から制御信号が出力されることを特徴とする請求項4に記載の防災システム。
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