JP4361763B2 - 露光装置および露光方法 - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば液晶表示パネルの製造において露光用基板の感光面を選択的に露光する露光装置および露光方法に関し、特に平坦性を確保することが難しいガラス基板等を主体とする露光用基板に適用される露光装置および露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルの製造では、一般にフォトリソグラフィ技術が画素内の電極(スイッチング素子のゲート、ソース、ドレインなど)、コンタクトホール、配線などを基板上に形成するために用いられる。この場合、感光性レジスト膜が例えばガラス基板上に堆積されたクロムやアルミ等の材料からなる金属膜上に塗布され、フォトマスクを用いて選択的に露光され、さらに露光部分を除去することによりレジストパターンとして現像される。金属膜はこのレジストパターンをマスクとして用いたエッチング等により加工され、電極や配線として残される。尚、金属膜とこれを覆う感光性レジスト膜とを合計した厚さは基板の厚さに対して極めて僅かであり、以降の説明において感光性レジスト膜を露光用基板の感光面として取り扱う。
【0003】
上述の露光用基板は一般に複数の液晶表示パネルを設けることが可能な大きさを有し、フォトマスクは露光用基板の感光面を等面積で占有してマトリクス状に配置される複数のパネル用感光面の各々に対して共通に用いられる。露光処理では、フォトマスクの露光パターンが一般にレンズプロジェクション、ミラープロジェクション等により各パネル用感光面に対して投影される。この露光処理は露光用基板およびフォトマスクの位置を固定して露光パターンの投影を行うステップ・アンド・リピート方式や、露光用基板およびフォトマスクの位置を変化させながら露光パターンの投影を行うステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を用いて行われる。
【0004】
ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置では、フォトマスクおよび露光用基板が互いに同期して水平に移動可能なマスクステージおよび基板ステージにそれぞれ載置され、照明光学系が光源からの光源光を所定の光束サイズに絞ってフォトマスクに照射し、投影光学系がフォトマスクの透過光である露光パターンをパネル用感光面に投影する。ここで、露光パターンの投影範囲はパネル用感光面に対して光源光の光束サイズに対応して設定される露光フィールドによって制限される。この露光フィールドの位置はマスクステージおよび基板ステージの移動に伴ってシフトし、これによりパネル用感光面全体を走査する。投影光学系が露光パターンを倒立像として結像する構造である場合には、マスクステージおよび基板ステージの両方が互いに逆向きに移動する。これに対して、投影光学系が露光パターンを正立像として結像する構造である場合には、マスクステージおよび基板ステージの両方が同じ向きに移動する。
【0005】
また、露光装置は露光中に少なくとも露光フィールドを投影光学系の焦点深度内に維持するために露光用基板の高さ(レベル)および傾き(チルト)調整を連続的に行うように構成される。
【0006】
露光用基板に関しては、上述した複数の液晶表示パネルを得るために十分な大きさを必要とし、光透過性であることも望まれている。従って、液晶表示パネルの製造では、ガラス基板が一般的に用いられる。このガラス基板は比較的安価であり、このガラス基板上に配置される半導体薄膜に薄膜トランジスタを形成することもできる。しかしながら、ガラス基板の場合、半導体分野で一般的なシリコン基板のように均一な厚さで製造することが極めて困難である。従って、感光面のレジスト膜はガラス基板の不均一な厚さのために起伏する。
【0007】
従来、ガラス基板に特有な厚さ分布がその製造過程で生じることが知られている。また、この厚さ分布に適合するミラープロジェクション式の露光方法も提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、製造時に溶融ガラスを引き出す方向に沿って生じる「厚さムラ」、「反り」や「うねり」などの凹凸によってガラス基板の平坦性が失われることが述べられている。そこで、この文献の露光機は投影光学系の焦点深度が小さい場合でもフォーカスマージンを確保できるように「反り」や「うねり」の方向に一致させた走査方向に沿って逐次フォーカスを合わせながら露光を行う。逐次フォーカスに関する詳しい記述は省略されているが、少なくとも基板の高さ調整を行って、露光中常に基板上の感光面にフォーカスを合わせた状態に保つものと考えられる。
【0008】
尚、本発明者の分析結果によると、「反り」や「うねり」は特許文献1に開示されるガラスの引き出し方向ではなく、ガラス引出口の温度分布に依存してガラスの引き出し方向とほぼ直交する方向において生じることを確認した。ガラスの引き出し方向においては、むしろ均一な厚さが得られる。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−36088
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
半導体装置の製造では、上述のステップ・アンド・スキャン方式露光装置が例えばシリコン基板の感光面を露光するために用いられる。シリコン基板はガラス基板に比べて厚さの均一性が高く、基板ステージに載せた状態において表面の平坦性に優れているが、全体に渡るわずかな丸みや反りを持っている。露光装置はこのような丸みや反りの影響を受けずに常に投影光学系の焦点深度内に露光フィールドとなる感光面を収めるために基板の高さおよび傾き調整を実時間フォーカス(逐次フォーカス)制御として行っている。特許文献1は、液晶表示パネルの製造においてガラス基板上の感光面を選択的に露光するミラープロジェクション方式の露光装置にこのような実時間フォーカス制御を適用したものである。
【0011】
しかし、平坦性を確保することが難しいガラス基板の高さや傾きの調整を実時間フォーカス制御として行う場合、アクチュエータ等によってガラス基板を頻繁に昇降させなくてはならないため、これに伴うアクチュエータの駆動負荷を無視することができない。また、現在主流のシリコン基板は直径300mmの円形状である。これに対して量産段階のガラス基板は最小で550mm×650mm、通常1000mm×1000mmを超えるような大きさの矩形状である。このように大きなガラス基板の昇降量はアクチュエータの駆動負荷をさらに増大させ、フォーカス制御の実時間性や露光フィールドの移動に対するフォーカス制御の追従性に悪影響を及ぼす。
【0012】
すなわち、特許文献1の露光装置は、実時間フォーカス制御によって露光パターンを信頼性よくガラス基板上の感光面に結像することを意図するが、実時間性を損なわずに露光フィールドの移動に正しく追従したフォーカス制御を行うことが難しく、このフォーカス制御を実現できたとしても制御構成が大変大掛かりになることが避けられない。
【0013】
本発明の目的は、露光中に露光用基板の傾きおよび高さを実時間調整する必要のない露光装置および露光方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、特定方向において凹凸を有する露光用基板に露光パターンを投影光学系により照射して露光する露光装置であって、投影光学系による照射範囲をこの投影光学系の許容露光深度の範囲内で選択し、露光用基板面上で特定方向に移動する照射範囲移動手段と、照射範囲を特定方向に直交する方向に移動させて露光する露光手段とを備える露光装置が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、特定方向において凹凸を有する露光用基板に露光パターンを照射光学系により照射して露光する露光方法であって、照射光学系による照射範囲をこの照射光学系の許容露光深度の範囲内で選択し、露光用基板面上で特定方向に移動させる照射範囲移動工程と、照射範囲を特定方向に直交する方向に移動させて露光する露光工程とを備える露光方法が提供される。
【0016】
これら露光装置および露光方法において、投影光学系による露光パターンの照射範囲がこの投影光学系の許容露光深度の範囲内で選択され、特定方向に直交する方向に移動する。この場合、特定方向において凹凸が露光用基板に存在しても、露光パターンの照射範囲に投影光学系の許容露光深度に適合する平坦性を得ることができるため、高い信頼性で露光パターンをこの照射範囲に照射できる。また、このような照射範囲が選択されることことにより、傾きおよび高さの調整を予め行うことが可能になる。すなわち、照射範囲での露光に先立って、この露光用基板が調整機構により投影光学系の許容露光深度内に設置されれば、露光中に例えば露光用基板の傾きおよび高さを実時間調整する必要がない。
【0017】
また、本発明によれば、特定方向において感光面に凹凸を有する露光用基板を載置する基板ステージと、露光用基板の感光面を選択的に露光する露光パターンを照射する照射部と、基板ステージに載置された露光用基板と照射部の許容露光深度内の基準露光面との傾きおよび高さの関係を調整する調整機構と、基板ステージに載置された露光用基板の感光面の起伏分布を検出し、複数の感光エリアが許容露光深度の範囲に高低差を収めるエリア幅で特定方向に並ぶように露光用基板の感光面を区分し、調整機構によって各感光エリアを許容露光深度内に設定して照射部から各感光エリアに露光パターンの対応部分を照射させる制御部とを備える露光装置が提供される。
【0018】
また本発明によれば、特定方向において感光面に凹凸を有する露光用基板を載置する基板ステージと、基板ステージに載置された露光用基板の感光面を選択的に露光する露光パターンを照射する照射部と、基板ステージに載置された露光用基板と照射部の許容露光深度内の基準露光面との傾きおよび高さの関係を調整する調整機構とを用いる露光方法であって、基板ステージに載置された露光用基板の感光面の起伏分布を検出し、複数の感光エリアが許容露光深度の範囲に高低差を収めるエリア幅で特定方向に並ぶように露光用基板の感光面を区分し、調整機構によって各感光エリアを許容露光深度内に設置した状態で照射部から各感光エリアに露光パターンの対応部分を照射させる露光方法が提供される。
【0019】
これら露光装置および露光方法において、露光用基板の感光面は、複数の感光エリアが照射部の焦点深度のような許容露光深度の範囲に高低差を収めるエリア幅で特定方向に並ぶように区分される。この場合、特定方向に連続するうねりが露光用基板の感光面に存在しても、それぞれの感光エリアに照射部の許容露光深度に適合する平坦性を得ることができるため、各感光エリアに高い信頼性で露光パターンを照射できる。また、露光用基板の感光面が上述のように区分されたことにより、傾きおよび高さの調整を感光エリア単位に行うことが可能になる。すなわち、各感光エリアの露光に先立って、この感光エリアが調整機構により照射部の許容露光深度内に設置されれば、露光中に例えば露光用基板の傾きおよび高さを実時間調整する必要がない。
【0020】
特定方向において凹凸を有する露光用基板とは、例えば方形状基板とすると図5、6に示すように凹凸が形成されている方向、即ちX軸方向が特定方向である。投影光学系の許容露光深度とは、例えば投影光学系の焦点深度に依存するものであって、露光パターンを露光するための許容される距離範囲である。投影光学系による照射範囲とは、投影光学系により照射される範囲である。特定方向とは、露光用基板が有する露光面の凹凸が形成されている方向であり、この露光面の凹凸は、露光用基板表面の凹凸や基板の厚さムラによるもので、うねり、起伏分布などの形状である。また、照射部の許容露光深度とは、投影光学系の焦点深度に限られず、例えばホログラム技術を用いた露光方式での光路長や、その他の要因に依存して設定されるものである。さらに、複数の感光エリアは感光面を区分して得られるもので、これら感光エリア相互のエリア幅は特定方向において可変である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るステップ・アンド・スキャン方式の露光装置について添付図面を参照して説明する。この露光装置は例えば液晶表示パネルの製造においてフォトリソグラフィ技術により電極や配線を形成する場合に露光用基板の感光面を選択的に露光するために用いられる。
【0022】
図1は露光装置の外観を示し、図2は図1に示す露光装置の回路構成を示す。この露光装置は、露光用基板Pを載置する基板ステージ11、露光用基板Pの向きに対応した向きでフォトマスクMを載置するマスクステージ12、基板ステージ11に載置された露光用基板Pの感光面SにフォトマスクMに対応する露光パターンを投影する照射部13、基板ステージ11に載置された露光用基板Pと照射部13の許容露光深度内の基準露光面との傾きおよび高さの関係を調整する調整機構14、およびこれらの全体的な動作を制御する制御部15を備える。
【0023】
露光用基板Pは、例えば図3に示すように、ガラス基板1、ガラス基板1上に堆積されるクロムやアルミ等の材料からなる金属膜2、およびこの金属膜2を覆い感光面Sとして形成される感光性レジスト膜3で構成される。ガラス基板1はガラス引出口から溶融されたガラスを引き出すフュージョン法やフロート法等の典型的な製造方法で製造され、複数の液晶表示パネルを設けることが可能な大きさを有する。図1および図2に示す露光装置を用いた露光後、感光性レジスト膜3は露光部分を除去することによりレジストパターンとして現像され、金属膜2はこのレジストパターンをマスクとして用いたエッチング等により加工され、電極や配線として残される。
【0024】
図4はガラス基板1の厚さ分布の例を示す。この例は、ガラス引出口となる幅0.7mmのスリットに対して直交する方向にガラスを引き出して製造されたガラス基板1の厚さをスリット方向において測定した結果である。このガラス基板1の厚さは100から200mm程度の間隔で周期的に最大値または最小値となり、最大値および最小値の差に相当するピーク・トゥ・ピーク値は10μm程度になる。ガラス基板1の厚さ分布はこのようスリット方向において不均一となる。また、ガラス基板1の厚さ分布はスリット方向に直交するガラス引き出し方向においてほぼ均一になることが確認されている。このようなガラス基板1を用いた露光用基板Pを基板ステージ11に載置した場合、このガラス基板1の厚さ分布が図4に示すようにほぼそのまま露光用基板Pの感光面Sに反映され、上述のスリット方向に一致する特定方向において連続する凹凸、例えばうねりを生じる。図5では、特定方向がX軸方向に設定されている。
【0025】
少なくともフュージョン法およびフロート法では、厚さの最大値および最小値の間隔に多少の違いがあるものの、厚さ分布が製造時の引き出し方向とほぼ直交する方向において不均一になるというほぼ同様な結果を確認した。
【0026】
図1および図2に示す露光装置では、基板ステージ11が水平な支持板11Aに調整部14を介して固定され、露光用基板Pを載置して支持板11Aと一緒に二次元平面において互いに直交するX軸方向およびY軸方向に移動可能である。露光用基板Pは上述の特定方向をX軸方向に一致させて基板ステージ11に載置される。マスクステージ12は基板ステージ11の上方に配置される水平な支持板12Aに支持部材12Bを介して固定され、露光用基板Pの向きに対応した向きでフォトマスクMを載置して支持板12Aと一緒に二次元平面においてX軸方向およびY軸方向に移動可能である。また、マスクステージ12はフォトマスクMの端部を支持するように開口され、支持板12Aはマスクステージ12に載置されたフォトマスクMに対向するように配置される開口OPを有する。フォトマスクMは露光用基板Pの感光面Sを等面積で占有してマトリクス状に配置される複数のパネル用感光面の各々を選択的に露光するために共通に用いられる。
【0027】
照射部13は光源16、照明光学系17、および投影光学系18を含む。光源16は感光性レジスト膜3が感度を有する波長の光を出力する。例えば高圧水銀ランプやKrFエキシマレーザ光源から光源光を発生し、照明光学系17は光源16からの光源光をマスクステージ12に載置されたフォトマスクMに照射する。投影光学系18はフォトマスクMの透過光である露光パターンを基板ステージ11側に投影する。また、基板ステージ11およびマスクステージ12の少なくとも一方は露光用基板PとフォトマスクMとの二次元的な位置合わせのためにステージ駆動部19によって駆動され、X軸方向およびY軸方向に移動する。
【0028】
調整機構14は基板ステージ11に載置された露光用基板Pの高さ(レベル)および傾き(チルト)を投影光学系18の許容露光深度内の基準露光面、すなわち焦点深度内の焦点面に対して調整するフォーカシング制御を行う。露光用基板Pの感光面Sが調整機構14により投影光学系18の焦点深度内に設置されると、露光パターンがこの感光面Sに画像として結像される。上述の調整機構14は例えば基板ステージ11の4隅を上述の焦点面に対して垂直なZ軸方向において昇降する4個のアクチュエータ14Aにより構成される。各アクチュエータ14Aは上下に伸縮する圧電素子からなり、基板ステージ11の支持部材を兼ねる。
【0029】
照射部13および調整機構14は制御部15によって制御される。制御部15は、基板ステージ11に載置された露光用基板Pの感光面Sの位置レベルを検出する位置検出部21と、この位置検出部21の出力信号から基板ステージ11に載置された露光用基板Pの感光面Sの起伏分布を検出し、複数の感光エリアSBが投影光学系18の焦点深度の範囲に高低差を収めるエリア幅で図6に示すように上述の特定方向(=X軸方向)に並ぶように露光用基板Pの感光面Sを区分し、各感光エリアSB毎に調整機構14によって感光エリアSBを焦点深度内に設定して照射部13から感光エリアSBに露光パターンの対応部分を投影させるコンピュータ22とを含む。位置検出部21は露光用基板PとフォトマスクMと位置合わせ後に露光用基板Pの感光面Sの位置レベルを複数のポイントで検出する。
【0030】
位置検出部21は、例えば露光用基板Pの感光面Sに斜めからレーザ光を照射するように配置される半導体レーザ21Aと、この感光面Sで正反射しレンズを介して結像する反射光を受光する位置検出素子(PSD:Position Sensitive Device)21Bとを含む。尚、半導体レーザ21Aからのレーザ光は投影光学系18の結像可能な範囲を基準として感光面Sの一定範囲に照射されるものである。さらにこのレーザ光は、露光パターンの光エネルギーに比べて十分小さく、波長域も露光波長と異なるように選定されているため、感光面Sのレジスト膜3がこのレーザ光によって実質的に露光されることはない。位置検出素子21Bは異なる2点での光強度に対応する信号を出力する一対の信号出力電極を有する。コンピュータ22はこれら出力電極からの出力電流をA/D変換により電流値データに変換し、これらデータの電流値の比から反射光の結像位置(焦点位置)を求め、位置検出素子21Bの電気的中心位置からの方向と距離によって露光用基板Pの感光面Sの起伏分布として変位方向および変位量を求める。また、各感光エリアSBに対するフォーカス制御として、コンピュータ22はこの感光エリアSBの起伏分布に基づいて露光用基板Pのレベリング量およびチルト量を決定し、4個のアクチュエータ14Aの伸縮方向および伸縮量を求め、伸縮方向および伸縮量に対応する極性および大きさの電圧をこれらアクチュエータ14Aの圧電素子に同時に出力する。
【0031】
照明光学系15は光源光を例えば長方形に整形する可変絞りを含む。この可変絞りは整形された光源光の光束サイズに対応する露光窓WをフォトマスクMに対して設定し、露光窓Wは図6に示すような露光フィールドFを露光パターンの照射範囲として各感光エリアSBに対して設定する。
【0032】
各感光エリアSBの露光では、コンピュータ22が上述の特定方向に一致するX軸方向において感光エリアSBのエリア幅に対応する露光フィールドFを設定するよう照明光学系15の可変絞りを調整し、このX軸方向(特定方向)に直交するY軸方向において露光フィールドFを連続的に移動させるようにステージ駆動部19を制御する。この制御により、ステージ駆動部19は基板ステージ11およびマスクステージ14の両方を同期して移動させる。ここで、投影光学系15は露光パターンの倒立像を結像する構造となっている。このため、基板ステージ11およびマスクステージ14はそれぞれ図1の矢印A,Bで示すようにY軸方向において互いに逆向きに移動する。これにより、露光フィールドFが基板ステージ11およびマスクステージ14の移動に伴ってシフトし、感光エリアSBをY軸方向において全体的に走査する。もし、投影光学系15が露光パターンの正立像を結像する構造である場合には、基板ステージ11およびマスクステージ14の両方がY軸方向において同じ逆向きに移動する必要がある。
【0033】
尚、上述の位置検出部21の構成では、露光用基板Pが位置検出部21に対して相対的に移動する必要がある。このため、コンピュータ22は露光用基板PとフォトマスクMと位置合わせ後においてステージ駆動部19により基板ステージ11をY軸方向において移動させ、露光用基板Pの感光面Sの一定範囲について得られる位置検出部21の出力信号から露光用基板Pの起伏分布を検出し、1感光エリアSBのエリア幅を決定し、この感光エリアSBの露光中にこの感光エリアに隣接する一定範囲について起伏分布を検出して次の感光エリアSBのエリア幅を決定するように構成されている。尚、基板ステージ11は露光用基板Pの感光面S全体について予め起伏分布を検出するためにX軸方向およびY軸方向の各々において移動されてもよい。
【0034】
次に、露光用基板Pの感光面Sの区分形式についてさらに説明する。複数の感光エリアSBが特定方向に並ぶように露光用基板Pの感光面Sを区分する場合において、各感光エリアSBのエリア幅は投影光学系18の焦点深度の範囲に図7に示す高低差dに収めるように決定される必要がある。図7では、露光用基板Pの感光面Sの起伏分布を測定した結果が曲面で示される。感光エリアSBの高低差dが焦点深度の範囲を超えてしまうと、露光用基板Pの高さ調整を行っても感光エリアSBの全域に対して焦点を合わせることができないため、その一部が焦点ずれによってぼけた露光パターンにより露光される結果となる。上述の条件を満足できれば、各感光エリアSBのエリア幅は全て共通の値であってもよい。しかし、この場合には、エリア幅が比較的狭くなってしまい、感光エリア数(露光フィールド数)を増大させることになる。この増大は、露光フィールドFによって露光用基板Pの感光面Sを走査する走査回数の増大を意味することから露光処理時間を短縮する上で好ましくない。他方、各感光エリアSB毎に高低差dを投影光学系18の焦点深度の範囲に等しくするようなエリア幅を設定することにより感光エリア数を不必要に増大させることを防止できる。露光フィールドFの幅は少なくともX軸方向において各感光エリアSBのエリア幅に対応して変更される。
【0035】
このような考察に基づき、コンピュータ22は調整機構14によって各感光エリアSBを投影光学系18の基準露光面、すなわち焦点面に略平行な向きにして最大のエリア幅を設定するように構成されている。調整機構14はこのコンピュータ22によって制御され、露光用基板Pの感光面Sの起伏分布を検出するために露光用基板P全体の傾きおよび高さの大まかな調整を行うことに加えて、各感光エリアSBの露光に先立って感光エリアSBの傾きおよび高さを補正するための調整を行うことになる。
ここで、露光用基板Pの感光面SがX軸方向において例えば図8に示すような投影光学系18の焦点深度の範囲より大きい高低差dの領域を含む場合について考える。この高低差dが投影光学系18の焦点深度の範囲を越えていても、調整機構14によって露光用基板Pの傾きおよび高さを投影光学系18の焦点深度を基準にして調整すれば、この領域の高低差dは図9に示すように投影光学系18の焦点深度の範囲内に収めることが可能となる。露光用基板Pの傾きおよび高さの調整では、露光用基板Pが例えば図8において矢印で示す方向に動かされる。このとき、投影光学系18による露光用基板Pの照射範囲は、投影光学系18の焦点深度内にある。換言すれば、投影光学系18による照射範囲は、投影光学系18の許容露光深度内にある。
【0036】
従って、各感光エリアSBをこのような領域単位に設定することによりエリア幅を最大化できる。図8および図9では、露光用基板Pの感光面Sの起伏分布を一露光フィールドについて測定した結果が曲線で示される。図8において、高低差dは投影光学系18の焦点深度の範囲よりも大きい状態を示している。
【0037】
感光面Sの起伏分布の検出結果に基づいて感光エリアSBのエリア幅を具体的に決定する場合、コンピュータ22は露光フィールドFの位置および幅をまず最小の初期値に設定し、この露光フィールドFをY軸方向にシフトさせる走査(スキャン)によって一度に露光される感光面Sの範囲を感光エリアSBに設定し、調整機構14によってこの感光エリアSBに対して図9に示すような傾きおよび高さ調整を行ったときの高低差dを算出し、この算出結果の高低差dを露光装置の仕様である投影光学系18の焦点深度と比較する。もし高低差dがこの焦点深度より小さければ、露光フィールドFの幅を一定の増分で増大させて上述の計算を繰り返す。このようにして、高低差dが投影光学系18の焦点深度を越えない最大値になると、これを露光フィールドFの幅として決定する。実際には、投影光学系18の構成に依存して、露光フィールドFの幅を計算により得られた最大値よりも小さな値にする必要が生じることもある。いずれにしても、露光用基板Pのレベリング量、チルト量はこうして決定された露光フィールドFの幅に基づいて求められる。
【0038】
ここで、調整機構14は各感光エリアSBの最高レベルL1と最低レベルL2との中点L3であるレベリング基準点を投影光学系18の焦点面に合わせるようにして感光エリアSBを投影光学系18の焦点面に略平行な向きに設定する。この結果、露光フィールドFは図6に示すように露光用基板Pの感光面Sにおいて各感光エリアSBにほぼ正対する向きに設定され、感光面Sの変曲部に位置する感光エリアSBに対して狭い幅になるものの、この変曲部周辺の比較的なだらかな部分に位置する感光エリアSBに対して広い幅になる。
【0039】
次に、上述の露光装置を使用して露光用基板Pの全面を露光する露光方法を説明する。露光用基板Pがロボットハンドリングにより基板ステージ11に載置されると、基板ステージ11が二次元的に移動され、これによりこの露光用基板Pをマスクステージ12上のフォトマスクMに対して位置合わせをし、この位置をコンピュータ22のメモリ領域に記憶する。続いて、調整機構14が露光用基板Pの感光面Sの起伏分布を検出するために露光用基板P全体の傾きおよび高さを大まかに調整する。この後、基板ステージ11がY軸方向に移動され、位置検出部14がこの間に露光用基板Pの感光面Sの位置レベルを一定範囲において検出し、感光面Sの起伏分布を検出して、コンピュータ22のメモリ領域に記憶する。コンピュータ22はこの検出された起伏分布に基づいて最初の感光エリアSBのエリア幅を決定して、コンピュータ22の記憶領域に記憶する。照明光学系17の可変絞りは露光フィールドFの幅をこのエリア幅に設定するように調整される。コンピュータ22はさらに調整機構14によってこの感光エリアSBの傾きおよび高さを投影光学系18の焦点面に対して調整し、この後ステージ駆動部16によって基板ステージ11およびマスクステージ14をそれぞれ図1の矢印A,Bで示すようにY軸方向において相対的に移動、例えば互いに逆向きに移動(ステップ)させる。これにより、露光フィールドFが基板ステージ11およびマスクステージ14の移動に伴ってシフトし、感光エリアSBをY軸方向において全体的に走査(スキャン)する。感光エリアSB全体はこの走査中にフォトマスクMを介して照射される露光パターンによって選択的に露光される。
【0040】
他方、位置検出部14はこの露光中にこの感光エリアSBに隣接する一定範囲において露光用基板Pの感光面Sの位置レベルを検出し、コンピュータ22はこの検出結果に基づいて次の感光エリアSBのエリア幅を決定し、照明光学系13の可変絞りを調整することにより露光フィールドFの幅をこの感光エリアSBのエリア幅に等しく設定する。コンピュータ22はさらに調整機構14によってこの感光エリアSBの傾きおよび高さを投影光学系18の焦点面に対して調整し、この後ステージ駆動部19によって露光フィールドFを次の感光エリアSBにステップさせるように基板ステージ11およびマスクステージ12を予め定められた一定距離だけX軸方向に移動(ステップ)させる。基板ステージ11およびマスクステージ14はこの後それぞれ図1の矢印A,Bで示すようにY軸方向において相対的に互いに逆向きに再び移動(スキャン)する。以降、露光フィールドFによる各感光エリアSBのスキャンおよびステップが上述の制御とともに繰り返され、感光面S全体の露光を完了するまで続けられる。調整機構14は各感光エリアSBの露光完了に伴って露光フィールドFをステップさせる期間を利用して次の感光エリアSBの傾きおよび高さ調整を行い、この調整を各感光エリアSBの露光中に行うことはない。
【0041】
ちなみに、露光フィールドFは露光パターンの照射範囲、すなわち露光範囲を広げて生産性を高めるためにできるだけ大きな幅に設定されることが好ましい。しかしながら、実際には投影光学系18におけるレンズの製造限界によって、露光フィールドFの形状および大きさは制限される。現在、製造可能なレンズの口径は350mm程度までであり、露光フィールドFの幅は、露光波長や解像度にもよるが上述の条件で100から150mm程度となる。しかしながら、製造技術の発達によって徐々にレンズの大口径化も進んでいるため、露光フィールドFの幅はさらに広くできるものと考えられる。
【0042】
また、本実施形態のように、露光フィールドFを長方形とした場合は、Y軸方向の短辺はX軸方向の長辺の1/5から1/3程度が望ましい。細くスリット状に整形することも可能であるが、光源16からの光源光を有効に利用するためには絞り込む必要があり、このための光学系が複雑になる。露光フィールドFは長方形状の他、長六角形状、長楕円形状であってもよい。露光フィールドFの長さは、各スキャン位置によって異なり、投影光学系18の許容露光範囲によって定められる。起伏分布を求めたとき、各スキャン位置での露光フィールドFの長さが自動的に求められる。図5に示すような露光用基板Pでは、例えば頂部32、谷部33、これら頂部32および谷部33間の山腹部34について、露光フィールドFを異なる長さに設定することができる。山腹部34は、図8に示すように露光用基板Pの高さ、傾きを変更することにより1つの露光フィールドFにより露光することができるようになる。
【0043】
近年では、照射部13の焦点深度、具体的には投影光学系18の焦点深度が高解像度化の進展に伴って浅くなり、実質的な技術限界に近づいている。解像度(線幅)Rおよび焦点深度DOFは次に示す式(1)および式(2)によって表される。
【0044】
R=k×λ/NA … (1)
DOF=±k×λ/NA … (2)
ここで、kおよびkは感光性レジスト膜材料等のプロセス条件に依存する定数であり、λは露光波長であり、NAはレンズ開口数である。これら式(1)および式(2)から、焦点深度DOFは露光における解像度(線幅)Rと次に示す式(3)のような関係にあることがわかる。
【0045】
DOF=±k/k ×R/λ … (3)
露光用基板Pの感光面Sは露光フィールドFの全範囲において式(3)で決まる焦点深度DOFの範囲に収める必要がある。もし感光面Sが焦点深度DOFの範囲から外れると、完全な結像が得られないので、適正なレジストパターンを形成することができない。現在、液晶表示パネルの量産に用いられる露光装置では、解像度Rが最高で1.5μm程度である。例えば、解像度R=1.5μm、露光波長λ=0.365μm(水銀ランプからのi線)、k=0.6、k=0.5の場合、焦点深度DOFは式(3)によりDOF=±8.6μmとなり、これを全体の範囲に換算すると17.2μmとなる。露光処理はレンズ収差などの影響を受けるため、この影響を見込んだ露光装置側の許容焦点深度は一般に換算値の半分、すなわち8.6μmになる。この場合、露光用基板Pには、8.6μm以下の平坦性が要求される。
【0046】
今後、液晶表示パネルの高精細化が進み、より高い解像度Rが求められるようになると、焦点深度DOFの範囲はますます狭くなる。例えば解像度R=1.5μm、露光波長λ=0.365μm(水銀ランプからのi線)、k=0.6、k=0.5を同じにした場合、焦点深度DOFは式(3)によりDOF=±3.8μmとなり、これを全体の範囲に換算すると7.6μmとなる。露光用基板Pには、許容焦点深度(DOF/2)、すなわち3.8μm以下の平坦性が要求される。
【0047】
また、解像度R=0.5μm、露光波長λ=0.248μm(KrFエキシマレーザ)、k=0.5、k=0.5(kおよびk:KrF使用時に一般的とされる値)の場合、焦点深度DOFは式(3)によりDOF=±2.0μmとなり、これを全体の範囲に換算すると4.0μmとなる。露光用基板Pには、許容焦点深度(DOF/2)、すなわち2.0μm以下の平坦性が要求される。
【0048】
以上をまとめると、基板平坦性は解像度R=1.5μmのときに8.6μm以下であり、解像度R=1.0μmのときに3.8μm以下であり、解像度R=0.5μmのときに2.0μm以下であることが期待される。
【0049】
これに対して、露光用基板Pにおいて、ガラス基板1の厚さは既に述べたように100から200mm程度の間隔で周期的に最大値または最小値となり、最大値および最小値の差に相当するピーク・トゥ・ピーク値は10μm程度になる。従って、スループットを向上させるために同時に露光される感光面Sの露光範囲を広げると、この露光範囲の高低差が実際に許容される焦点深度を越えてしまい、適正な解像度が得られないことになる。露光範囲を70mm×20mmとすると、7から8μmの程度の高低差が生じるため、解像度R=1.5μmでしか露光できない。解像度R=1.0μmおよび解像度R=0.5μmでは、露光不能である。ガラス基板の平坦性は最近において徐々に改善されてきているが、短期間に大幅に改善されることを期待できない。
【0050】
本実施形態によれば、このような状況にも対処することができる。すなわち、露光用基板Pの感光面Sは、複数の感光エリアSBが照射部13の焦点深度の範囲に高低差を収めるエリア幅で特定方向に並ぶように区分される。この場合、特定方向に連続する凹凸が露光用基板Pの感光面Sに存在しても、それぞれの感光エリアSBに照射部13の焦点深度に適合する平坦性を得ることができるため、各感光エリアSBに高い信頼性で露光パターンを結像できる。また、露光用基板Pの感光面Sが上述のように区分されたことにより、傾きおよび高さの調整を感光エリアSB単位に行うことが可能になる。すなわち、各感光エリアSBの露光に先立って、この感光エリアSBが調整機構14により照射部13の焦点深度内に設置されれば、露光中に例えば露光用基板Pの傾きおよび高さを実時間調整する実時間フォーカシング制御の必要がない。これは、技術的な困難さを解消するだけでなく、露光装置の製品化期間の短縮および製造コストの低減を可能にする。また、露光用基板Pは特定方向に連続する凹凸の周期の大きいガラス基板1を用いて構成されているため、特定方向に直交する方向において感光面Sを走査して一括露光する露光フィールドの幅を広げることにより露光処理のスループットを向上させることができる。
【0051】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で様々に変形可能である。
【0052】
例えば複数のアクチュエータ14Aはフォトマスクの高さおよび傾きを投影光学系18の許容露光深度内の基準露光面、すなわち焦点深度内の焦点面に対して調整するフォーカシング制御を行うために例えばマスクステージ12の4隅を上述の焦点面に対して垂直なZ軸方向において昇降するよう変更されてもよい。また、アクチュエータ14Aは圧電素子に限定されず、ソレノイドのように磁気を利用して伸縮するものあるいは静電気を利用して伸縮するものに置き換えてもよい。
【0053】
位置検出部21は、感光面Sの位置レベルを検出するために反射光を利用しているが、これ以外に、光の干渉を利用するもの、あるいは触針を利用するものに置き換えてもよい。また、半導体レーザ21はレジスト膜3を感光させることのない光強度および波長の光を発生する発光ダイオード(LED)に置き換えてもよい。
【0054】
上述の実施形態の露光装置は露光パターンを露光用基板Pの感光面Sに投影する露光方式であるが、本発明はこの露光方式以外に例えばホログラム技術を用いた露光方式にも適用できる。
【0055】
また、上述の実施形態の露光装置は露光用基板およびフォトマスクの位置を変化させながら露光パターンの投影を行って露光フィールドFを連続的に移動させるステップ・アンド・スキャン方式であるが、本発明は露光用基板PおよびフォトマスクMの位置を固定した状態で露光パターンの投影を行って露光フィールドFを逐次的に移動させるステップ・アンド・リピート方式にも適用できる。
【0056】
また、露光用基板Pは平坦性を確保することが難しいガラス基板を用いて構成されるが、厚さ変動が特定方向において大きいという特徴を有する基板であれば、例えばプラスチック基板などにガラス基板を置き換えてもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、露光中に露光用基板の傾きおよび高さを実時間調整する必要のない露光装置および露光方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る露光装置の外観を概略的に示す図である。
【図2】 図1に示す露光装置の回路構成を示す図である。
【図3】 図1に示す基板ステージに載置される露光用基板の構造を示す断面図である。
【図4】 図3に示すガラス基板の厚さ分布をガラス引き出し方向に直交する方向において示すグラフである。
【図5】 図3に示す露光用基板の感光面の起伏分布を示すグラフである。
【図6】 図1および図2に示す露光装置の露光形式を説明するための図である。
【図7】 図1に示す基板ステージに載置された露光用基板の感光面の向きを変化させない場合にX軸方向において設定される露光フィールドの幅を示す図である。
【図8】 図1および図2に示す投影光学系の焦点深度の範囲を超える高低差にある露光用基板の感光面の一領域をX軸方向において示す図である。
【図9】 図8に示す感光面の一領域について露光用基板の傾きおよび高さを投影光学系の焦点面に対して調整した場合の高低差を示す図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…金属膜、3…感光性レジスト膜、11…基板ステージ、11A…支持板、12…マスクステージ、12A…支持板、12B…支持部材、13…照射部、14…調整機構、14A…アクチュエータ、15…制御部、16…光源、17…照明光学系、18…投影光学系、19…ステージ駆動部、21…位置検出部、21A…半導体レーザ、21B…位置検出素子、22…コンピュータ、P…露光用基板、S…感光面、M…フォトマスク,W…露光窓、SB…感光エリア、F…露光フィールド

Claims (18)

  1. 特定方向において凹凸を有する露光用基板に露光パターンを投影光学系により照射して露光する露光装置であって、前記特定方向において前記露光用基板の基板面の起伏を予め検出して前記露光用基板の傾きおよび高さを調整することにより位置レベルの高低差が前記投影光学系の許容露光深度の範囲を越えないエリア幅を決定このエリア幅を前記投影光学系による照射範囲として設定する照射範囲設定手段と、前記照射範囲設定手段によって設定された前記照射範囲において前記露光用基板を露光する露光手段とを備え、前記照射範囲設定手段は前記露光手段による露光の完了に伴って前記特定方向において前記照射範囲に隣接する次の照射範囲を設定するために前記露光用基板の傾きおよび高さを再度調整することを特徴とする露光装置。
  2. 前記照射範囲設定手段は、前記エリア幅に対応する露光フィールドを前記照射範囲の一部として設定し、前記露光用基板を露光する走査として前記特定方向に直交する方向に前記露光フィールドを連続的あるいは逐次的に移動させることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記露光フィールドは、前記凹凸の山腹部、山頂部および谷部のいずれかに割り当てられることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記照射範囲設定手段は、前記露光用基板を露光する走査の期間において前記露光用基板の傾きおよび高さを維持することを特徴とする請求項に記載の露光装置。
  5. 特定方向において感光面に凹凸を有する露光用基板を載置する基板ステージと、前記露光用基板の感光面を選択的に露光する露光パターンを照射する照射部と、前記基板ステージに載置された前記露光用基板の傾きおよび高さを前記照射部の許容露光深度内基準露光面に対して調整する調整機構と、前記特定方向において前記露光用基板の感光面の起伏を予め検出して前記調整機構で前記露光用基板の傾きおよび高さを調整することにより位置レベルの高低差が前記許容露光深度の範囲を越えないエリア幅を決定しこのエリア幅の感光エリアを設定し、前記照射部から前記露光パターンの対応部分を照射させて前記感光エリアを露光し、この露光の完了に伴って前記特定方向において前記感光エリアに隣接する次の感光エリアを設定するために前記露光用基板の傾きおよび高さを再度調整させる制御部とを備えることを特徴とする露光装置。
  6. 前記制御部は前記エリア幅に対応する露光フィールドを前記照射範囲の一部として設定し、前記感光エリアを露光する走査として前記特定方向に直交する方向において前記露光フィールドを連続的あるいは逐次的に移動させることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記制御部は前記調整機構によって前記感光エリアを前記基準露光面に略平行な向きにして最大のエリア幅を設定することを特徴とする請求項5または6に記載の露光装置。
  8. 前記照射部は前記許容露光深度と等価な焦点深度を有し前記基準露光面と等価な焦点面に露光パターンを結像する投影光学系を含むことを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  9. 前記露光用基板は、前記特定方向が製造時の引き出し方向に直交する方向にほぼ一致するガラス基板を含むことを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  10. 特定方向において凹凸を有する露光用基板に露光パターンを投影光学系により照射して露光する露光方法であって、前記特定方向において前記露光用基板の基板面の起伏を予め検出して前記露光用基板の傾きおよび高さを調整することにより位置レベルの高低差が前記投影光学系の許容露光深度の範囲を越えないエリア幅を決定しこのエリア幅を前記投影光学系による照射範囲として設定する設定工程と、前記照射範囲において前記露光用基板を露光する露光工程と、前記露光工程の完了に伴って前記特定方向において前記照射範囲に隣接する次の照射範囲を設定するために前記露光用基板の傾きおよび高さを再度調整する調整工程とを備えることを特徴とする露光方法。
  11. 前記照射範囲の一部として、前記凹凸の山腹部、山頂部および谷部のいずれか割り当てられる露光フィールドを設定することを特徴とする請求項10に記載の露光方法。
  12. 前記露光用基板を露光する走査として前記特定方向に直交する方向において前記露光フィールドを移動させ、前記露光用基板を露光する走査の期間において前記露光用基板傾きおよび高さを維持することを特徴とする請求項11に記載の露光方法。
  13. 前記投影光学系によりステップ・アンド・スキャン方式で露光パターンを照射して前記露光用基板の全面を露光する際に、前記露光フィールドを前記特定方向において移動させるステップ期間において前記露光用基板傾きおよび高さを調整することを特徴とする請求項12に記載の露光方法。
  14. 特定方向において感光面に凹凸を有する露光用基板を載置する基板ステージと、前記基板ステージに載置された前記露光用基板の感光面を選択的に露光する露光パターンを照射する照射部と、前記基板ステージに載置された前記露光用基板の傾きおよび高さを前記照射部の許容露光深度内の基準露光面に対して調整する調整機構とからなる露光装置を用いて前記露光用基板を露光する露光方法であって、前記特定方向において前記露光用基板の感光面の起伏分布を予め検出して前記調整機構で前記露光用基板の傾きおよび高さを調整することにより位置レベルの高低差が前記許容露光深度の範囲を越えないエリア幅の感光エリアを設定する設定工程と、前記照射部から前記露光パターンの対応部分を照射させて前記感光エリアを露光させる露光工程と、この露光の完了に伴って前記特定方向において隣接する次の感光エリアを設定するために前記露光用基板の高さおよび傾きを再度調整させる調整工程とを備えることを特徴とする露光方法。
  15. 前記エリア幅に対応する露光フィールドを前記照射範囲の一部として設定し、前記感光エリアを露光する走査として前記特定方向に直交する方向において前記露光フィールドを連続的あるいは逐次的に移動させることを特徴とする請求項14に記載の露光方法。
  16. 前記調整機構によって前記感光エリアを前記基準露光面に略平行な向きにして最大のエリア幅を設定することを特徴とする請求項14または15に記載の露光方法。
  17. 前記照射部は前記許容露光深度と等価な焦点深度を有し前記基準露光面と等価な焦点面に露光パターンを結像する投影光学系を含むことを特徴とする請求項14に記載の露光方法。
  18. 前記露光用基板は、前記特定方向が製造時の引き出し方向に直交する方向にほぼ一致するガラス基板を含むことを特徴とする請求項14に記載の露光方法。
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