JP4357116B2 - 酵素活性組換えヒトβ−トリプターゼ及びその生産方法 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、遺伝子工学的に操作された微生物宿主にて酵素活性ヒトβ−トリプターゼ(typtase)の生産方法と、ヒトβ−トリプターゼをエンコードする発現構築体と、酵素活性組換えヒトβ−トリプターゼを発現する遺伝子工学的に操作された真核生物に関する。
【0002】
先行技術の説明
ヒトマスト細胞β−トリプターゼは、インビボ中にて現在未知の生物学的機能の中性セリンプロテアーゼである。しかしながら、ヒトマスト細胞β−トリプターゼは、血管生成及び組織改造作用に関係している。ヒトマスト細胞β−トリプターゼは、マスト細胞の全体の顆粒タンパク質の20%w/vまでを構成している。β−トリプターゼはマスト細胞顆粒に選択的に保存され、マスト細胞の脱顆粒の際に放出される。β−トリプターゼはマスト細胞に固有であるので、マスト細胞媒介病理学の特定マーカとして有用である。マスト細胞異質性、構造及び媒介物質に関する完全な議論は、NilssonとSchwartz(1994)を参照するとよい。
【0003】
精製天然ヒトβ−トリプターゼは、約134kDaの四量体エンドプロテアーゼである。各四つのサブユニットはサイズが約31から34kDaである。Schwartz(1995)にて説明されたように、ヒトプロテアーゼは1981年に、分散され、富化された肺マスト細胞からまず精製され、見かけ上等質性にされた。しかしながら、さらなる研究から、ヒトトリプターゼには少なくとも二つの異なるタイプまたはグループがあることが判明した。本願では、上記トリプターゼイソ型は、α−トリプターゼとβ−トリプターゼとして表わされる。簡潔にする目的で、本願の以後利用する簡素な用語「トリプターゼ」とは、βイソ型のみをいう。
【0004】
ヒトトリプターゼは、Smith他(1984)による死体の肺組織から、常法により単離される。
【0005】
多くの研究者らは、Miller他(1990)、Vanderslice他(1990)、BlomとHellman(1993)が報告しているヒトトリプターゼと、並びにIde他(1995)が報告しているラットマスト細胞トリプターゼとをエンコードするクローニングcDNAを報告した。
【0006】
しかしながら、バクテリア又はバキュロウイルス発現システムの何れかを利用したヒトトリプターゼをクローン化する従来からの試みは、酵素活性が欠如しているタンパク質折畳み問題を含む、多くの問題と直面していた。上記失敗は、少なくとも部分的には、トリプターゼ酵素が酵素の活性型を産出するように広範な翻訳後に修飾させた事実に起因するものである。結果として、原核生物にて産出された組換えトリプターゼの特定活性は、翻訳後のグリコシル化の欠如によるには、少ないと予想される。さらなら結果として、酵素活性組換えヒトトリプターゼを産出させる従来からの試みは、理想的なものとは程遠いことが判明している。なぜならば、その方法には酵素前駆体を活性化させるために発現後の化学修飾を要するからである。
【0007】
例えば、Sasaki他(1996)は、バキュロウイルスシステムでの組換えヒトα−トリプターゼ前駆体及びβ−トリプターゼ前駆体の発現と精製を報告している。しかし、生じたトリプターゼ前駆体は不活性である。
【0008】
異種タンパク質産出用の宿主として、メチロトローフ酵母(例えば、ハンセニューラポリモルファ、クルイベロミセスラクティス(Kluyveromyces lactis)、ピチアパストリス(Pichia pastoris)、シゾサッカロミセス=ポンベ、シワンニオミセスオクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)とヤッロヴィアリポリティカ(Yarrowia lipolytica))の使用に関して、上記生物の特性とかかる使用の適合は、関連文献に広範に概説されている。例えば、Faber他(1995)とBuckholzとGleeson(1991)を参照するとよい。
【0009】
発明の要約
本発明によれば、ヒトトリプターゼをエンコードするDNAがクローン化され、真核生物の発現ベクターへ導入し、適切な真核生物に宿主細胞へ形質転換される。うまく形質転換された宿主細胞は、翻訳後のプロセスで、酵素活性ヒトトリプターゼを発現し分泌する。そのように産出されたトリプターゼは、Vanderslice他(1990)により報告されたものと同一のN末端アミノ酸配列を有する。さらに、本発明の方法によって産出されたトリプターゼは、死体から単離されたトリプターゼと同程度のトリプティック活性(tryptic activity)を有している。
【0010】
特に、本発明は5’から3’の順番で、シグナル配列と操作可能に結合したプロモータと、ヒトβ−トリプターゼをエンコードするDNA配列と操作可能に結合した前記シグナル配列とを含むDNA配列構築体に関する。
【0011】
好適な実施態様では、DNA発現構築体は、5’から3’の順番で、GAP、AOXI、MOX、FMD、ADH、LAC4、XPR2、LEU2、GAM1、GAL7、GADPH、CYC1及びCUPIからなる群から選択されたプロモータであって、ヒトβ−トリプターゼをエンコードするDNA配列と操作可能に結合したシグナル配列と操作可能に結合している前記プロモータを含む。上記発現構築体を含むように形質転換された適切な宿主は、酵素活性なヒトβ−トリプターゼを発現し分泌する。
【0012】
また、本発明は、酵素活性ヒトβ−トリプターゼの生産方法にも関する。その方法は、本願で説明する発現構築体により酵母宿主細胞を形質転換する工程を含み、その宿主細胞は酵素活性(成熟)ヒトβ−トリプターゼを発現する。さらに、本発明は、形質転換された宿主により産出され分泌されたグリコシル化トリプターゼに関する。
【0013】
本発明の第三の実施態様は、酵素活性ヒトβ−トリプターゼを発現する、遺伝子工学的に操作された酵母細胞に関するものである。好適な実施例では、遺伝子工学的に操作された酵母細胞は、本願で説明する発現構築体を含み、発現するように形質転換されたピチアパストリス宿主細胞を含む。
【0014】
本発明は、下流(つまり、3’方向に)直後のトリプターゼの成熟型をエンコードし、操作可能に結合するDNA配列と、発現構築体を産出するように分泌シグナル配列へのインフレームを伴う。発現構築体は、その好適な実施例はpPIC9‐HumTryで表示されるプラスミドであり、適切な宿主に、好ましくはピチアパストリスの菌株に形質転換される。そのような形質転換された宿主は、発現構築体によりエンコードされたトリプターゼを発現し分泌する。その発現されたトリプターゼは、宿主細胞により正しく処理され、酵素活性ヒトトリプターゼとして細胞培地へ分泌される。
【0015】
本発明の別の実施多様は、発現構築体を含み、発現するように形質転換された生物体から産出されたトリプターゼ活性を有する、酵素活性があり、グルコシル化されたタンパク質に関するものである。
【0016】
さらに、本発明は、発現構築体を含み、発現させるように形質転換された生物体により産出される酵素活性トリプターゼで、動物を接種させることを含む、ポリクローナル若しくはモノクローナル坑ヒトトリプターゼ抗体の生産方法に関する。さらに、本発明は、そのように産出されたポリクローナル若しくはモノクローナル坑ヒトトリプターゼにも関する。
【0017】
本発明の別の実施態様は、トリプターゼ酵素の酵素活性に及ぼす化学物質又はその混合物のような物質をスクリーニングする方法に関する。本願では、その方法は、本願で説明する構築体を含み、発現するように形質転換された生物体により産出された酵素活性組換えトリプターゼにより、上記物質を接触させる工程と、組換えトリプターゼの酵素活性を測定する工程とを含む。
【0018】
本発明は、天然トリプターゼはプロタンパク質として合成される事実を利用する。本願で説明する修飾トリプターゼアンプリコンは、N末端アミノ酸プロ配列(prosequence)をエンコードする配列が欠如している。N末端酵母分泌シグナル配列へのインフレーム融合として、上記配列をクローン化させることにより、分泌トリプターゼタンパク質を活性プロセス処理する必要性は全くない。必要とされるさらなる外因性操作無しに、活性酵素として分泌される。
【0019】
上記結果を達成するために、シグナルペプチド開裂部位は、成熟トリプターゼタンパク質のN末端に隣接した直後で位置決めされる。宿主細胞のプロテアーゼの作用によるシグナルペプチドの開裂により、分泌されたトリプターゼからシグナルペプチドが除去される。正味の結果は、ヒト組織から単離された成熟天然トリプターゼ分子にて発見された同じアミノ酸末端残基を含むトリプターゼの酵素活性で、成熟型の分泌である。
【0020】
本願で説明するトリプターゼの生産方法も明確な利点は、そのように産出されたトリプターゼは、トリプターゼ活性を開始させるように、発現後若しくは精製後の修飾又は操作を要しないことである。本発明により産出されたトリプターゼは、死体のトリプターゼと有利に比較できる酵素活性を有する。
【0021】
本発明により提供される酵素活性トリプターゼの容易な利用可能性は、数多の分野で従来から達成されなかった効果を実現させる。上記には、潜在的治療学としての特定のトリプターゼ阻害用のコンビナトリアルライブラリーの大量のスクリーニングを容易にし、並びにマスト細胞仲介病気でのトリプターゼの生物学的重要性の理解を深めることを含む。
【0022】
さらに、酵素活性組換えトリプターゼが利用可能になることにより、死体由来トリプターゼ以上の数多の利点をも提供する。例えば、本発明により産出されたトリプターゼは、死体源由来の材料と関連するヒト病原体を全く含まない。
【0023】
本発明による方法は、定義された特性を有するトリプターゼの大きな標準ロット(100mg以上)を産出させるために利用され得る。
【0024】
好適なピチア形質転換体にて産出されたトリプターゼの量は、薬理学的研究、コンビナトリアルライブラリースクリーン及びX線結晶学研究のような、過去に可能であった以上の大規模なトリプターゼ研究を可能にするのに十分な量である。さらに、産出された大量のトリプターゼのおかげで、トリプターゼアゴニスト及び/又はアンタゴニストの開発が可能になる。
【0025】
さらに、ピチアでの発現により、トリプターゼ構造と機能の関係を説明する手段が利用できる。かかる研究は、通常、トリプターゼをエンコードするDNAが突然変異する第一の宿主と、突然変異DNAによりエンコードされたペプチドが発現する第二の宿主とを利用する。例えば、トリプターゼをエンコードするDNAの部位指向性突然変異は、従来の大腸菌宿主で実行され、次いで、突然変異DNAは、新規なトリプターゼの発現用の適切な真核生物宿主に移動させる。
【0026】
発明の上記及び他の目標、目的及び利点は、以下の発明の詳細な説明と特許請求の範囲を精読することにより明白となる。
【0027】
発明の詳細な説明
定義:
明細書及び特許請求の範囲の明確及び一貫した理解を実現させるため、本願では以下の定義を利用する。明示して説明しない用語は、当業者により理解される標準的意味を有する。
【0028】
「酵素活性」とは、遺伝子工学的に操作された宿主細胞からの異種タンパク質の発現に適用するように、リーダペプチドの人工的開裂、又は発現/単離されたタンパク質によって、所望の活性を有するための人工的グリコシル化のような、発現後又は単離後の化学処理を要しないときに、タンパク質は酵素的に活性である。「成熟多量体β−トリプターゼ」は同義的に利用される。
【0029】
「発現構築体」とは、その構築体が適切な宿主細胞へ形質転換されたときに、エンコードされたタンパク質又はペプチドの発現を駆動させる一つ以上と操作可能に結合した調節サブ配列の注目するタンパク質又はペプチドをエンコードする少なくとも一つのサブ配列を含むDNA構築体のことである。さらに、かかる構築体は、抗体耐性又は形質転換細胞への食餌制限を付与するサブ配列のような、構築体を含むように形質転換された宿主細胞を選択する手段をエンコードするサブ配列を含む。
【0030】
「宿主細胞」とは、通常、形質転換の影響を受け易い真核生物であり、以下のもの限定されないが、ハンセニューラポリモルファ、クルイベロミセスラクティス、ピチアパストリス、サッカロミセスセレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス=ポンベ、シワンニオミセスオクシデンタリスとヤッロヴィアリポリティカを含む、ハンセニューラ属、クルイベロミセス属、ピチア属、シゾサッカロミセス属、シワンニオミセス属、ヤッロヴィア属等の生物体を包含される。ピチア属の宿主が好ましく、最も好ましくは、ATCC20864の特性を有するピチアパストリスである。
【0031】
「リーダペプチド」とは、通常、10から85の主に疎水性アミノ酸残基のN末端エクステンションのことである。リーダペプチドは細胞質コンパートメントから成熟タンパク質の動態化を引き起こす分泌経路を開始させる。リーダペプチドは翻訳後の成熟タンパク質鎖から開裂し、成熟タンパク質の部分が生じない。「リーダペプチド」は、用語「シグナルペプチド」と同義である。
【0032】
「リーダ配列」とは、オペロンの転写開始部位と第一の構造遺伝子との間に位置するDNA配列のことである。「リーダ配列」は、用語「シグナル配列」と同義である。リーダ配列は「リーダペプチド」と呼ばれる短いペプチドをエンコードする。
【0033】
「操作可能に結合」とは、参加するDNA配列をいうときに、配列が同じリーディングフレームにあり、上流調節配列が、下流構造配列と関係するように行われることを意味する。操作可能に結合するDNA配列は、互いに物理的に直接結合していることが必ずしも必要でないが、結合配列の操作関係を干渉しないヌクレオチドを介在させることにより分離される。
【0034】
「ピチアパストリス」とは、ピチアパストリス属の菌株であり、以下のもの限定されないが、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、12301、パークローンドライブ、ロックビル、メリーランド州 20852 米国)の寄託番号2604、20864(菌株GS115と同義)、28485、60372、66390−66395、76273及び76274を有する寄託菌株、並びにインビトロゲンコーポレーション(サンディエゴ、カリフォルニア州 米国)から市販されているピチアパストリス菌株KM71の特性を有する菌株が含まれる。ATCC20864(菌株GS115)と菌株KM71が好ましい宿主細胞タイプである。
【0035】
「ポリメラーゼ連鎖反応(以下、「PCR」という)」とは、変性、プライマーペアによるアニーリングと、DNAポリメラーゼによる伸長のサイクルを利用して所望のポリヌクレオチド配列の大量のコピーが発生する。反応の説明は、米国特許第4,683,195合及び第4,683,202号を参照するとよい。
【0036】
「プロモータ」とは、RNAポリメラーゼがオペロンの開始に結合するDNA配列部位のことである。プロモータは、対応するRNA配列へ下流(つまり、3’)DNA配列の特異的転写を導びかせるDNA配列である。プロモータはRNA合成の開始シグナルとして機能する。そのプロモータ自身は転写されない。
【0037】
「ターミネータ」とは、転写の最後のシグナルを送る転写配列の3’末端に位置するDNA配列である。
【0038】
「トリプターゼ」とは、特に明示して断らない限り、ヒトマスト細胞β−トリプターゼのことである。
【0039】
遺伝子工学:
以下に説明する、制限エンドヌクレアーゼによる消化、PCRによる増幅、ハイブリダイジング、連結反応、ゲル電気泳動による単離と分離、異種DNAによる細胞の形質転換、形質転換体の首尾よい選択等を含むDNAの操作を多くの工程は周知であり、当業者には幅広く行われているので、本願では詳細には説明しない。特に断りがなければ、本願で利用するDNAプロトコールは、Sambrook, FritschとManiatis(1989)にて説明されている。
【0040】
トリプターゼをエンコードするDNAの単離:
ヒトトリプターゼをエンコードするDNA配列は、ヒトドナーからのマスト細胞サンプル(4x10、細胞の1.1%)を先ず収集することにより単離した。次いで、ポリ(A)+RNAはLiCL沈殿及びオリゴ(dT)セルロースクロマトグラフィーにより単離される。cDNAライブラリーが適切なファージベクター(λZAP IIベクター、ストラジーン社、ラジョーラ、カリフォルニア州 米国)にて構築され、スクリーニングに先立ち大腸菌XL−1ブルー細胞にて一回増幅される。
【0041】
ライブラリーは、ハイブリダイゼーション溶液中の30%ホルムアルデヒドを利用する以外は従来の方法で、ニックトランスレーションにより2x10cpm/μgへ標識化されたイヌトリプターゼcDNAで、42℃でスクリーニングさせた。正の組換え体はオートラジオグラフィー、プラーク精製、及び再プローブにより同定される。cDNAプローブへハイブリダイズされた挿入断片を含有するファゲミド(phagemid)を、R408ヘルパファージを利用してファージベクタから切除し、大腸菌XL−1ブルー細胞へ形質転換させてアルカリ溶菌により精製する。cDNA挿入断片の配列は、「SQUAENASE」ブランドの配列決定キット(米国バイオケミカル社、クリーブランド、オハイオ州、米国)を利用して、二本鎖DNAに対して修飾されたジデオキシ鎖終結により求める。M13フォーワード、リバース及びKSプライマー(Stratagene社製)が、初期配列反応に利用される。その後の配列決定反応では、先に決定した配列から設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを利用する。
【0042】
さらに、正のクローンを利用して、EMBL‐3(クローンテック社製、パロアルト、カリフォルニア州、米国)のヒト胎盤ゲノムライブラリーのような市販のライブラリーをスクリーニングする。ここで、ニックトランスレーションと固定化ファージDNAへの50℃でのハイブリダイゼーションと可視化により、cDNAはビオチン−7‐dATPにより標識化される。正のクローンはプラーク精製され、再スクリーニングされる。ファージDNAは常法によるプレートライゼート法により精製し、BamHIにより消化されてゲノム断片が生じる。そのゲノム断片はアガロースゲル電気泳動により分離され、ニトロセルロースへ移動させてトリプターゼcDNAへハイブリダイズさせる。ハイブリダイズ断片をpBluescriptKS+ファゲミド(Stratagene社製)のBamHIへ連結し、cDNAで説明したように、ヌクレオチドの配列を決定する。Vanderslice 他(1990)を参照するとよい。
【0043】
前記のように単離されたトリプターゼをエンコードする断片のDNA配列を、配列番号1に記載する。
【0044】
発現構築体へトリプターゼDNAの導入:
トリプターゼをエンコードするDNAは適切な調節サブ配列と操作可能に結合され、真核生物の宿主にてトリプターゼをコードする配列の発現を推進させて、発現構築体が生じる。好ましくは、さらに、構築体は一つ以上のサブ配列を含み、正の形質転換体の確認を容易にする。最小でも、発現構築体はプロモータ配列と、シグナル配列と、トリプターゼをコードする配列とターミネータ配列とを、5’から3’の順に操作可能に結合して含むべきである。このようにして、適切な宿主に導入されると、プロモータは下流シグナル配列と、トリプターゼ構造遺伝子との転写を開始する。
【0045】
必要な調節サブ配列並びに選択可能な抗体及び/又は栄養要求体マーカをエンコードするサブ配列と多くのクローン部位を含む幾多のプラスミドは、市販されている。好ましいプラスミドは、pPIC9であり、インビトロゲン社(サンディエゴ、カリフォルニア州、米国)から市販されている。pPIC9の図を図1に示す。
【0046】
pPIC9は8023の塩基対の円形のDNAプラスミドであり、塩基1‐948での5’AOXIプロモータ断片と、塩基949‐1218でのα−因子分泌シグナル(図1ではSと称する)と、塩基1192‐1241での多くのクローン部位と、塩基1253‐1586での3’AOXIターミネータ断片(3’AOX1(TT)と称する)とを有する。さらに、pPIC9は塩基7713−6853でのアンピシリン(ampicillin)耐性遺伝子と、塩基6708‐6034でのColE1オリジンとを有する。多くのクローン部位には、XhoI、SnaBI、EcoRI、AvrIIとNotIの認識部位がある。さらに、プラスミドはBgII、SacI、SaIIとStuI認識部位がある。
【0047】
他の真核生物プロモータとターミネータ配列は、その発現構築体にて同程度にうまく利用可能である。一般に、プロモータは、エンコードされたトリプターゼの効率的な発現を確保するために、選択宿主と同質であるべきである。ただし、これは必要なことではない。プロモータは構成的若しくは誘導的である。適切な真核生物プロモータ及びターミネータ配列には、(AOX1のほかに)GAP、MOX、FMD、ADH、LAC4、XPR2、LEU2、GAM1、PGK1、GAL7、GADPH、CYC1、CUP1等がある。このリストは例示的であり、限定的のものではない。
【0048】
トリプターゼをエンコードするDNA配列は、単離されたトリプターゼDNA配列の5’及び3’末端を修飾することにより、pPIC9の多くのクローン部位へ導入され、pPIC9の多くのクローン部位に含まれる制限部位により付与される粘着末端のある相補的オーバハングが生じる。次いで、pPIC9プラスミド及び増幅トリプターゼ断片は適切な制限酵素により消化され、ハイブリダイズされ、連結反応させ(T4 DNAリガーゼ)、適切な宿主(大腸菌株JM109が好ましい。プロメガコーポレーション製、マディソン、ウィスコンシン州、米国)へ形質転換され、常法で周知な方法でアンピシリンにより正のクローンが選択される。
【0049】
トリプターゼをエンコードするDNA断片の末端を修飾させるために、トリプターゼDNAは、適切な制限ヌクレアーゼ認識部位を有するが、エンコードされたタンパク質のアミノ酸配列を変化させない部分的同質ヌクレオチドプライマーを利用して増幅させる。そのような結果生じたアンプリコンは同じタンパク質をエンコードするが、発現構築体へトリプターゼをエンコードする断片を導入させる必要がある制限部位を有する。トリプターゼDNA配列の知識とDNAコードの同義性(縮重)を利用して、エンコードされたペプチドのアミノ酸配列を変化させずに適当な制限認識部位を導入する数多くの適切なプライマーが構築される。
【0050】
例に詳細に説明するように、配列番号2で表示する例示プライマーにより配列番号4で示すDNA配列を増幅すると、断片の5’末端近傍にXhoI制限部位と、断片の3’末端近傍にNtoI制限部位とを有する増幅されたトリプターゼをエンコードするDNA断片が産出する。上記二つの制限部位は、単に例示したものである。実際上、エンコードされたトリプターゼ酵素の配列を変化させずに、トリプターゼをエンコードするDNA断片の末端に、いずれかの制限部位が導入され得る。その選択はユーザ次第であり、最終的な発現構築体へ導入されるべきたのサブ配列にて利用可能である制限部位の性質、存在位置及び数に、ほとんど主に依存する。
【0051】
末端XhoI及びNotI部位を含有する修飾アンプリコンは、常法で周知な方法で、XhoI制限部位及びNotI制限部位を含有するプラスミド又は構築体へ、容易に挿入され得る。
【0052】
さらに、他のサブ配列が発現構築体に含まれる。ある特定の役に立つサブ配列は、細胞から発現タンパク質の分泌を導くシングルペプチドをエンコードするシグナル配列である。そのシグナルペプチドは成熟タンパク質の部分を全く生じさせず、細胞壁を通過する際に、シグナルペプチドはタンパク質から開裂され、よって成熟タンパク質が産出する。本発明の目的のため、好適なシグナル配列は、未処理タンパク質のKEX2開裂部位をエンコードする配列である。その後、酵母シグナルペプチダーゼであるKEX2の作用により、タンパク質の残余からのシグナルペプチドを開裂し、成熟クトリプターゼ酵素が産出する。α−因子分泌シグナルサブ配列は、ピチア宿主を利用する組換えトリプターゼの分泌にとっては好ましい。
【0053】
クローンのために、バクテリア宿主へトリプターゼをエンコードする構築体を形質転換させた後、アンピシリン耐性コロニーから単離されたプラスミドの制限解析により正しく集められた発現構築体に対して、正の形質転換体がスクリーニングされる。
【0054】
次いで、発現構築体は標準的方法で分離され、エンコードされるヒトトリプターゼの発現用の適切な真核生物宿主へ形質転換される。
【0055】
真核生物宿主の形質転換:
次に、ヒトトリプターゼをエンコードする発現構築体を適切な真核生物宿主へ導入する。好適な宿主は酵母細胞である。真核生物宿主は、発現トリプターゼが翻訳後に細胞により正確に処理されるように利用されなければならない。真核生物宿主による翻訳後の細胞内プロセシングは、成熟タンパク質に酵素活性を付与するには重要である。
【0056】
前記したように、発現構築体は適切ないずれかの真核生物宿主に導入され、酵母が好ましい。好適な宿主には、ハンセニューラポリモルファ、クルイベロミセスラクティス、ピチアパストリス、サッカロミセスセレビシアエ、シゾサッカロミセス=ポンベ、シワンニオミセスオクシデンタリスとヤッロヴィアリポリティカがある。ピチア属の宿主は最も好ましい。ピチア属の中で、宿主細胞は、ATCC20864(GS115菌株)又はKM71の特性を有するピチアパストリス細胞が最も好ましい。
【0057】
形質転換は、常法によるエレクトロポレ−ションにより実行されることが好ましい。宿主細胞は、1Mのソルビトールで専ら洗浄され、適切なシングルカッティング制限酵素(例えば、pPIC8中のSaII又はSacI)で予め消化され形質転換された発現構築体のアリコートで混合することにより、電子受容能力を有するように作られる(made electrocompetent)。首尾よく形質転換された栄養要求体が最小の培地でスクリーニングされ、次いでフレッシュな培地で再スクリーニングされ、高レベルのトリプターゼを産出するクローンを同定する。
【0058】
可誘導プロモータと操作可能に結合されるならば、うまく形質転換された栄養要求体は、トリプターゼ産出を開始させるのに必要な誘導物質を含有する位置でスクリーニングされる。
【0059】
本願の引用文献に編入される、プロメガコーポレーションに譲渡された、1997年1月14日に発行された米国特許5,594,116号の発明者NilesとHaak-Frendschoにより説明された酵素結合免疫吸着アッセイを利用して、トリプターゼは培地肉汁からアッセイされ得る。簡単に説明すると、適切なマイクロタイタープレートを免疫鳥類、好ましくはチキン由来のヒトトリプターゼに特異なキャプチャ抗体で被覆させる。これは、キャプチャ抗体の溶液でマイクロタイターを被覆させ、4℃で8から48時間インキュベートすることにより行われる。しかる後、その被覆プレートは、「TWEEN」20(TBST)でトリス緩衝化された食塩水の溶液の全体をリンスする。その後、マイクロタイター自体への非特異残留結合は、ブロッキング緩衝液でプレートを被覆することによりブロックされる。通常使用されるブロッキング緩衝液は、ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する0.05%の「TWEEN」20の溶液である。再び、プレートはTBSTでリンスされる。
【0060】
次に、被試験溶液はブロッキング緩衝液で希釈される。数多くの連続希釈を調製することを薦める。その後、プレートに試験溶液を塗布し、少なくとも2時間室温でインキュベートさせる。
【0061】
インキュベーション後、そのプレートを、再びTBSTでリンスする。リン酸緩衝化食塩水又は「TWEEN」によるリン酸緩衝化食塩水のような他の緩衝溶液も利用しうる。
【0062】
次の工程は、キャプチャトリプターゼと結合するトリプターゼ検出抗体溶液を導入することである。好適な検出抗体は、トリプターゼに特異なマウス由来モノクローナル抗体である。モノクローナル抗体の溶液を調製し、ウェルに塗布し、少なくとも2時間室温でインキュベートさせる。インキュベーション後、そのプレートを再びTBSTで洗浄する。
【0063】
そのプレートをTBSTでリンスし、次いで、複合特異抗体/西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体を塗布する。かかる抗体/西洋わさびペルオキシダーゼ複合体は、当業者には周知である。かかる複合体を調製する従来法には、過ヨウ素酸ナトリウムを利用して、西洋ワサビペルオキシダーゼの炭化水素側鎖を酸化し、続いて活性ペルオキシダーゼと抗体のアミノ基との間でシッフ塩基を形成させることが含まれる。複合体用の好適な抗体は、ヤギ−坑マウスIgG抗体類である。その後、シッフ塩基は還元(水素化ホウ素ナトリウム)され、安定な抗体/酵素複合体が生じる。次いで、マイクロタイターのウェルは少なくとも2時間室温でインキュベートされる。複合抗体がキャプチャ抗体又はトリプターゼ自身と反応する必要がないことは重要である。基質を添加する前に、プレートをTBSで3回リンスすることが好ましい。
【0064】
西洋ワサビペルオキシダーゼ基質溶液を各ウェルに添加し、そのウェルを15分間室温でインキュベートさせる。酸を添加して色反応を停止させる。その後、ウェルは450nmで分光器により調べる。比色計検出では、基質3、3’、5、5’−テトラメチルベンジジン(TMB)とともに利用する西洋ワサビペルオキシダーゼ複合坑マウス抗体が好ましい。o−フェニレンジアミン二塩酸エン(OPD)と坑マウスアルカリホスファターゼ複合体のような他のペルオキシダーゼ基質が同じような機能を果たす。この比色二重抗体サンドウィッチ(double antibody-sandwich)ELISAは、約20pg/mlの感度を有し、15から2000pg/mlの範囲で線形応答性があり、相関係数rは0.99以上である。
【0065】
酵素活性組換えヒトトリプターゼのための末端使用:
本願で説明する組換えヒトトリプターゼの明確な利点は、酵素活性であるということである。組換えトリプターゼは活性であるので、死体のトリプターゼを利用することが必要とされる応用には利用可能である。
【0066】
例えば、発明の組換えトリプターゼは死体のトリプターゼと同じ生物学的活性を有するので、抗原として利用してさまざまな動物にて坑ヒトトリプターゼ抗体を産出させることができる。これは、マウス、ラット、ラビット、モルモット、チキン、ヤギ又は他の動物のような試験動物を、組換えトリプターゼの初期の接種による接種と、それに続く一連のブースター注射による、周知である常法により実行される。その注射は動物内で免疫原性反応を開始させ、組換えトリプターゼにポリクローナル抗体が産出する。
【0067】
抗体を単離させるため、血液血清(又は鳥類の場合には黄卵から)のIgGフラクションが標準的な方法で分離される。黄卵により、プロメガコーポレーションの「EGGstract」TMOIgY精製システム(プロメガコーポレーション社、マディソン、ウィスコンシン州、米国)のような商業的産物を利用して実行され得る。当業者には周知である他の連続沈殿法のように、血清又は黄卵から免疫グロブリン類を単離させる数多くの別の方法がある。例えば、 Scopes, R. K., (1994) 「Protein Purification, Principles and Practice」 Springer-Verlag: New Yorkを参照するとよい。坑ヒトトリプターゼ抗体を分離させるのに完全に満足できる、タンパク質分離の従来の方法は、塩溶液からタンパク質の沈殿させることによるタンパク質フラクションの「塩析」である。試験動物の血清からIgYポリクローナル抗体は、例えば、クロマトグラフィー法を利用して分離され得る。さらに、当業者には周知である、血清又は黄卵サンプルから免疫グロブリン類を分離させる数多くの方法がある。
【0068】
同じ方法で、本願で説明する組換えトリプターゼは、従来のハイブリドーマ技術を利用して、モノクローナル坑ヒトトリプターゼ抗体を産出させるために利用され得る。本技術では、マウス又は他の試験動物が組換えヒトトリプターゼにより免疫化され、必要な免疫原性応答が開始する。マウス由来モノクローナル抗体では、プリスタン酸塩で活性化されたマウス(pristane-primed mice)が幅広く利用される。免疫化された動物からの脾臓細胞を、骨髄腫細胞系統のような不死細胞系統で融合させることにより不滅させる。その後、ハイブリッド細胞を連続希釈し、培養し、組換えトリプターゼに特異な抗体を分泌させる細胞をスクリーニングする。そのように生じたモノクローナル抗体は、ヒトトリプターゼ検出のアッセイ、ヒトトリプターゼのエプトープマッピングや、治療又は他の応用のトリプターゼ活性を阻害する、多くの応用に利用可能である。
【0069】
さらに、本発明のトリプターゼは、トリプターゼ阻害剤、アンタゴニスト、アゴニスト等として作用する化合物のドラッグスクリーニングに利用され得る。例えば、多くのタンパク質と同様に、組換えトリプターゼはマイクロタイタープレートのプラスチックのように、宿主の支持体に固定される。だから、トリプターゼ阻害剤をスクリーニングするために、本発明の組換えトリプターゼがプラスチックプレートに塗布され、ウシ血清アルブミン(BSA)でそのプレートを洗浄することにより非特異結合がブロックされ、プレートは推定トリプターゼ阻害剤と接触させる。しかる後、阻害剤の効能は、トリプターゼ活性の標準曲線と比較することにより、トリプターゼ酵素活性の損失を測定することにより求める。
【0070】
同様に、同じ手法を利用して、トリプターゼの酵素活性に及ぼす効果のある有望なドラッグ候補をスクリーニングする。これは、前記した適当な固体支持体で、又は液相で固定化された組換えトリプターゼにより行われる。本発明の組換えトリプターゼは酵素活性であるので、トリプターゼへの所定の化合物の効果は、トリプターゼの酵素活性に及ぼす化合物の効能を測定することにより、容易に求めることができる。
【0071】
さらに、組換えトリプターゼは、生物若しくは他の溶液にてトリプターゼの有無をアッセイするのみ利用され得る。例えば、組換えトリプターゼは、ヒトトリプターゼの酵素結合免疫吸着アッセイELISAを開発するために利用され得る。例えば、二重抗体サンドウィッチELISAを説明した、NilesとHaak-Frendschoへ発行された米国特許第5,744,319号を参照するとよい。ELISAは、多くの異なるが、関連するフォーマットで行われ、その全ては、当業者にはすこぶる周知である。相対的使用の容易さにより幅広く使用されているフォーマットと、幅広い線形応答範囲は、二重抗体−サンドウィッチELISAとして公知である。二重抗体−サンドウィッチELISAの基本プロトコールは、以下のようである:プレートをアッセイされる免疫グロブリンに特異な抗体(キャプチャ抗体と呼ばれる)で塗布する。この場合、キャプチャ抗体は前記したように分離される組換えトリプターゼに特異なポリクローナル若しくはモノクローナル抗体である。次いで、そのプレートは、試験プレートへ免疫グロブリンの非特異結合をブロックさせるために、ウシ血清アルブミン(BSA)のようなブロッキング剤で洗浄される。次に、トリプターゼの有無を試験されるべき溶液を、キャプチャ抗体で塗布されたプレートでインキュベートさせる。しかる後、そのプレートを洗浄し、検出抗体でインキュベートし、再び洗浄し、特異抗体−酵素複合体でインキュベートさせる。インキュベーション後、未結合複合体をプレートから洗浄し、酵素基質を添加する。結合坑体−酵素複合体の有無により、測定され定量化されうる色変化に比例した結果がもたらされる。
【0072】
非常に低レベルのトリプターゼを検出するために、具体的には、所定のアッセイの検出限界以下であるレベルを検出するために、組換えトリプターゼが既知量(活性)で利用されてサンプルに添加され、上記検出限界以上でアッセイされるべきサンプル中のトリプターゼの濃度を増大させ、利用されたアッセイの線形応答範囲へもっていく。
【0073】
本発明により、主に特性が調べられ、質対照測定を受ける酵素活性組換えトリプターゼの大量の生産を可能にし、組換えトリプターゼに対する抗体が成育し、トリプターゼの有無を検出するための数多くのアッセイフォーマットに利用され、トリプターゼの酵素活性に及ぼすさまざまな化合物の効果を測定することが可能となる。
【0074】

以下の例には、本発明の一層完全な理解をもたらすために含まれる。以下の例は本発明の範囲を限定するものではなく、本願の特許請求の範囲にて主張される。
【0075】
例1:pPCI9‐HumTryの構築:
pBSHumTry(Vanderslice他、1990を参照)によりエンコードされたヒトトリプターゼ遺伝子の5’及び3’末端は、部分的同質オリゴヌクレオチドプライマー、配列番号2及び配列番号3のペアを利用して、PCRにより修飾させた。修飾トリプターゼ断片をpPIC9にて発見されたα因子分泌シグナルのpPIC9(インビトロゲン社製)下流のXhoI部位及びNotI部位へ連結反応させ、標準的なプロトコール(塩化カルシウム)を利用した連結反応で形質転換させた、pPIC‐HumTry大腸菌株JM109(プロメガ社、マディソン、ウィスコンシン州、米国)と称する発現構築体を産出させた。形質転換体は、アンピシリン耐性コロニーから単離されたプラスミドDNAの制限解析による正確に構築されたpPIC9‐HumTry構築体に対してスクリーニングされた。
【0076】
例2:pPIC‐HumTryによるピチアパストリスの形質転換:
ピチアパストリス菌株GS115(ATCC20864)とKM71(インビトロゲン社製)のフレッシュな培養を、1Mのソルビトールで専ら洗浄して、エレクトロポレ−ション用に調製した。電子受容能のある細胞は、例1により生産されたpPIC9‐HumTry DNAのアリコートで混合し、Sa1I、Bg1II又はSacIのいずれか一つで消化させて形質転換させた。初期に、形質転換体は最小培地にてHis+プロトトロフとして同定された。メタノール利用表現型は、最小デキストローズと最小メタノールグリッドプレートの双方でのレプリカ平板により解析された。
【0077】
【表1】
Figure 0004357116
例3:トリプターゼ発現用のスクリーニング:
検出可能なレベルのトリプターゼを分泌する、例2のクローンは、高レベルのトリプターゼを分泌させるクローンを確認するために、さらにスクリーニングされた。細胞が適当な培地中の96ウェルにて、30℃で一晩成長させた。本例では、利用した培地はBMGYであり(緩衝化された最小グリセリン複合培地)(インビトロゲン社から市販)、その成分を前記の表1に示す。
【0078】
一晩中の培養は、96ピン接種装置を利用して、フレッシュな培地に移動させ、30℃で一晩インキュベートさせた。第三の培養工程に続き、96培養の各組の成長はほとんど同時であった。同時培養の誘導は、30℃で3日間、ウェル当たり200μlのBMMY(緩衝化最小メタノール複合培地)(インビトロゲン社製)を含有する96ウェルプレートにて行った。トリプターゼ蓄積を監視し、さらなるメタノールの添加用に、培養体積を減少させるために、培養上澄液は各日でサンプリングした。96ウェルプレート中でトリプターゼ分泌の優れたクローンは、5ml培養の誘導に続き、再スクリーニングされた。
【0079】
スクリーニングの蓄積結果を、表2に示す。表2に示すデータを作成するために、個々の形質転換体を最小メタノールグリッドプレートに載置させた。成熟コロニーをグリッドプレートからニトロセルロースへ移動させ、変形ウエスタンブロットプロトコール(Wung他、1996)を利用して、分泌トリプターゼをスクリーニングした。坑トリプターゼIgY(チキン)とヤギ坑チキンアルカリリン酸塩錯体により、フィルタを連続してインキュベートさせた。ブロットは、標準プロトコールにより、NBT/BCIP基質(「WESTTERN BLUE」ブランド、プロメガコーポレーション)を利用して展開させた。パープルスポットと関連するコロニーは免疫反応性として評価し、他の全てはネガティブとして評価した。
【0080】
本例でスクリーニングされた257のコロニーにうち、197のコロニーは免疫学的に検出可能なレベルのトリプターゼを分泌した。トリプターゼを分泌したGS115形質転換体のフラクション(81%)は、KM71のそれ(71%)よりも僅かに多かった。しかしながら、いずれの菌株も単一の形質転換から産出した生産的クローンの収量の点では、他よりも明かな効果を示した。また、生産的クローン収量と統合部位との間に明かな相関関係は存在しなかった(つまり、Bg1II、SacI又はSa1I)。
【0081】
Sa1I部位でpPIC9‐HumTryの統合から生じたGS115クローンは、高レベルのトリプターゼを分泌させるものとして確認された。本クローンは、GS115/HumTry 5−37と称され、以下の全ての例に利用した。GS115/HumTry 5−37クローンは、米国バージニア州マナッサスのユニヴァーシティブルバール10801のアメリカンタイプカルチャコレクションに、ブタベスト条約の規定に従い、ATCC74468の寄託番号で寄託した。
【0082】
例4:GS115/HumTry 5−37の発酵:
GS115/HumTry 5−37クローンのグリセリンストックを、標準的条件にて発酵させた。誘導は広範囲のタンパク質に適することが公知である一般的条件で実行した。誘導後、0、18.5、26.5、43.5、51.5と73.5時間後に上澄液をサンプリングした。発酵のサンプルを、SDS‐PAGE、ウエスタンブロット及び活性アッセイにより解析した。
【0083】
図3Aは、誘導時間経路研究中に生じた電気泳動ゲルを示す。本ゲルを作製するために、各発酵時間点(図3に誘導後の時間を示す)での5μlのサンプルを4‐20%トリスグリシン還元ゲルに載せた。電気泳動後、ゲルを「SYPRO ORANGE」ブランド染色(モレキュラープローブ社製、ユージーン、オレゴン州、米国)で染色し、「VISTA FLUORIMAGER」(モレキュラーダイナミックス社製、サニーベイル、カルホルニア州、米国)を利用して可視化させた。死体のトリプターゼを対照としてインキュベートさせた。
【0084】
図3Aに示すように、誘導に先立ち、中程度レベルのトリプターゼのみが、発酵上澄液中のウエスタンブロット又は酵素活性のいずれかにより、検出可能であった。誘導後、トリプターゼ濃度及びトリプターゼ活性の双方が劇的に増大した。トリプターゼ蓄積は、BMMY培地を0.5mg/mlヘパリン(例5及び図5を参照)で補充させることにより向上した。これは、トリプターゼ及びトリプターゼ活性の双方のほぼ直線的蓄積が招来した。予め染色した分子量マーカは、タンパク質サイズ基準として利用し、成熟死体のトリプターゼは正の基準対照として利用した。
【0085】
図3Bは、図3Aに示すゲルのウエスタンブロットを示す。ゲルはニトロセルロースでブロットされ、BSAでブロックされ、ビオチン化坑ヒトトリプターゼモノクローナル抗体AA5(プロメガコーポレーション)でプローブされ、トリプターゼの有無を表示した。その後、ブロットはストレプタビジン(streptavidin)アルカリリン酸塩複合体でインキュベートされ、常法によりニトロブルーテトラゾリウム/5‐ブロモ−4‐クロロ−3‐インドリルホスフェートで添加させた。このウエスタンブロットから、誘導後のトリプターゼ生産が増大していることを明確に示している。
【0086】
ビオチン化分子量マーカと平行して行った、培養上澄液の誘導後の別ゲルを図4に示す。このウエスタンブロットは、図3Bと同様に作製され、可視化させた。
【0087】
例5:分泌トリプターゼのヘパリン安定化:
単一のGS115/HumTry 5−37コロニーを200mlのBMGYへ移動させ、振とうフラスコ中300℃で一晩成長させた。一晩の培養を遠心分離で濃縮させ、BMMY又はBMMY+0.5mg/mlヘパリンのいずれかでA600が0.5になるように再懸濁させた。振とうフラスコ誘導を3日間30℃で行った。活性アッセイをN‐α−ベンゾイル−DL-アルギニン-p-ニトロアナリド(BAPNA)開裂アッセイを利用して、誘導後24時間、48時間及び72時間後に行った。結果を図5に示す。
【0088】
図5に示すように、誘導中のヘパリンの存在によりトリプターゼは安定化し、酵素活性が増大した。
【0089】
図5のデータを作成するために、ヘパリンのある又はない上澄液を誘導後24時間、48時間及び72時間後にサンプリングし、BAPNAを利用して活性をアッセイした。分泌トリプターゼの活性を、37℃で1mMトリス‐HCl(pH8.0)、1Mグリセリン及び1mMBAPNA中の培養上澄液をインキュベートさせることにより測定した。410nmの吸光度の変化速度を各サンプルで監視した。相対的反応速度を、時間に対する吸光度の変化をプロットしたラインの傾き(つまり、ΔA410/Δt)として表わし、外因性ヘパリンの利益を例証する。
【0090】
例6:グリコシダーゼ処理:
組換えヒトトリプターゼ及び死体のヒト肺トリプターゼのアリコートをエンドグリコシダーゼ(Endo H, New England Biolabs, Beverly, Massachusetts, USA)又はペプチドN‐グリコシダーゼF(PNGae、ニューイングランド、バイオラボ)の何れかで消化させた。各グリコシダーゼ処理は10μgのトリプターゼを含有した。各反応のアリコートはグリコシダーゼ添加直前に除去し、未消化対照として利用した。検出は、坑ヒトトリプターゼモノクローナル抗体AA5(プロメガ社製)によりウエスタンブロットした。結果は、発明により産出した組換えタンパク質はグリコシル化され(図6及び図7を参照)、特異活性は死体から単離された材料と同程度であった。
【0091】
図6及び図7では、本発明の組換えヒトトリプターゼ(rHT)のグリコシル化は、死体のヒト肺トリプターゼ(HLT)のグリコシル化と同程度であった。図6及び図7で「U」マークのあるレーンは、グリコシダーゼにより処理されていない組換え又は死体ヒト肺トリプターゼを含むレーンである。マーク「T」のレーンは、PNGase F(図6)又はEndo H(図7)での処理後の対応する組換え又は死体トリプターゼを含む。「トリプターゼなし」のマークのあるレーンは、トリプターゼを含まないが、グリコシダーゼと全ての緩衝液を含む負の対照である。タンパク質分子量マーカは図6の最も外側と、図7の右側のレーンに含まれる。
【0092】
図6及び図7は、29、32及び34kDの見かけ上の分子量のあるトリプターゼの三つの主要な免疫反応イソ型の存在を示す。第四の(見かけ上マイナーである)イソ型は約45kDで分散スミア(diffuse smear)として移動する。トリプターゼイソ型混合物の不均質性は、PNGase F又はEndo Hのいずれかの消化により、29kDの「コアタンパク質」へ減少する(図6及び図7のカラムマーク「rHT+」を参照)。天然から単離されたトリプターゼは、29から32kDの範囲にある見かけ上の分子量を有する、少なくとも4つの電気泳動的に識別可能なイソ型を有する。組換えトリプターゼと同様に、死体のトリプターゼの不均質性は、PNGase F消化(図6)に続いて、29kDの「コアタンパク質」へ減少する。しかしながら、組換え体と比較して、死体のトリプターゼに存在するイソ型は、Endo Hによる消化に耐性がある。
【0093】
例7:培養液からの精製
本例では、GS115/HumTry 5‐37の発酵からの112mLサンプル培地からのトリプターゼの収量及び活性を提示する。本例では、本発明のを利用した取りプターゼの精製の容易さ及び高回収を説明する。
【0094】
【表2】
Figure 0004357116
特異化活性は、TBEアッセイにより求めた。
【0095】
例8:速度論の対比
本例では、本発明による組換えヒトトリプターゼ(rHT)の速度論を、死体のヒト肺トリプターゼ(HLT)の速度論と比較した。結果を表3に示す。
【0096】
【表3】
Figure 0004357116
例9:活性の対比
本例では、本発明による組換えヒトトリプターゼ(rHT)の活性を、バイオプロセシングインク(「BPI」、スカボラウ、メーン州、米国)から市販されている死体ヒト肺トリプターゼ(HLT)の速度論と比較した。活性は前出のBAPNAアッセイを利用してアッセイされた。結果を表4に示す。
【0097】
【表4】
Figure 0004357116
組換えヒトトリプターゼとその組換えヒトトリプターゼを得る方法は、特定の試薬、宿主生物体、及び本願で明示して説明した一般的操作に限定されず、それらの全ての変形及び等価物は、特許請求の範囲に含まれることは理解できる。
【0098】
参考文献目録
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【図面の簡単な説明】
【図1】 pPIC9の模式図である。
【図2】 pPIC9‐HumTryを含むように形質転換されたGS115細胞とKM71細胞からのトリプターゼの分泌を示すグラフである。
【図3】 図3Aは、誘導物質の添加後の組換えトリプターゼの産出を評価するための、誘導時間経過研究中のサンプリングされたpPIC9‐HumTryを含むように形質転換された細胞からの培養上澄液の電気泳動ゲルを表わす。
図3Bは、図3Aに示す電気泳動ゲルのウエスタンブロットを示す。ゲルはビオチン化坑ヒトトリプターゼAA5モノクローナル抗体(プロメガコーポレーション製)によるプローブにて可視化された。
【図4】 BSAでブロックされ、トリプターゼの有無を示すように、ビオチン化坑ヒトトリプターゼモノクローナル抗体AA5(プロメガコーポレーション製)によるプローブされ、ニトロセルロース上にブロットされた、pPIC9−HumTryを含むように形質転換された細胞からの培養上澄液の電気泳動ゲルを示す。ビビオチン化又は予め染色した分子量マーカをタンパク質サイズ基準として利用した。
【図5】 本発明により産出された組換えトリプターゼのヘパリン安定化を示すグラフである。
【図6】 ビオチン化AA5坑ヒトトリプターゼモノクローナル抗体でプローブされ、エンドグリコシダーゼH(Endo. H, New England Biolabs, ビバリー、マサチューセツ州米国)による消化前後での、本発明による組換えヒトトリプターゼと死体のヒト肺トリプターゼを示すウエスタンブロットである。
【図7】 ペプチドN‐グリコシダーゼF(PNGase F, New England Biolabs)による消化前後の、本発明による組換えヒトトリプターゼと死体のヒト肺トリプターゼを示すウエスタンブロットである。
配列リスト
(1)一般情報:
(i) 出願人: ハーク−フレンジョー,メアリー
ナイルズ,アンドルー L.
マフィット,マーク A.
(ii) 発明の名称:酵素活性組換えヒトβ−トリプターゼ
及びその製造方法
(iii) 配列数:6
(iv) 通信住所:
(A)名あて人:知的財産部
(B)ストリート:8000 エクセルシオール ドライブ,
スイート 401
(C) 市:マディソン
(D) 州:ウィスコンシン
(E) 国:米国
(F) 郵便番号:53717−1914
(v) コンピュータ読取形式:
(A) 媒体タイプ:フロッピーディスク
(B) コンピュータ:IBM PC互換器
(C) オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS
(D) ソフトウエア:パテントインリリース#1.0、
バージョン#1.30
(vi) 現出願データ:
(A) 出願番号:
(B) 出願日:
(C) 分類:
(viii) 弁護人/代理人情報:
(A) 名前:レオン,ジョセフ T.
(B) 登録番号:37,170
(C) 参照/ドケット番号:34506.095
(ix) 通信情報:
(A) 電話:(608)831−2100
(B) ファックス:(608)831−2106
(2)配列番号1の情報
(i) 配列特性:
(A) 長さ:735塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖:一本鎖
(D)トポロジー:直線
(ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム)
(iii) 仮想:なし
(iv) アンチセンス:なし
(vi) オリジナルソース:
(A) 生物:ホモサピエンス
(ix) 特徴
(A) 名前/キー:CDS
(B) 存在位置:1..735
(xi) 配列記載:配列番号1
【外1】
Figure 0004357116
(2)配列番号2の情報
(i) 配列特性:
(A) 長さ:34塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖:一本鎖
(D) トポロジー:直線
(ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム)
(iii) 仮想:なし
(iv) アンチセンス:なし
(xi) 配列記載:配列番号2
【外2】
Figure 0004357116
(2)配列番号3の情報
(i) 配列特性:
(A) 長さ:40塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖:一本鎖
(D) トポロジー:直線
(ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム)
(iii) 仮想:なし
(iv) アンチセンス:なし
(xi) 配列記載:配列番号3
【外3】
Figure 0004357116
(2)配列番号4の情報
(i) 配列特性:
(A) 長さ:771塩基対
(B) タイプ:核酸
(C) 鎖:一本鎖
(D) トポロジー:直線
(ii) 分子タイプ:DNA(ゲノム)
(iii) 仮想:なし
(iv) アンチセンス:なし
(vi) オリジナルソース:
(A) 生物:ホモサピエンス
(ix) 特徴
(A) 名前/キー:CDS
(B) 存在位置:7..753
(ix) 特徴
(A) 名前/キー:misc_signal
(B) 存在位置:7..18
(xi) 配列記載:配列番号4
【外4】
Figure 0004357116
(2)配列番号5の情報
(i) 配列特性:
(A) 長さ:249アミノ酸
(B) タイプ:アミノ酸
(D) トポロジー:直線
(ii) 分子タイプ:タンパク質
(xi) 配列記載:配列番号5
【外5】
Figure 0004357116
(2)配列番号6の情報
(i) 配列特性:
(A) 長さ:245アミノ酸
(B) タイプ:アミノ酸
(D) トポロジー:直線
(ii) 分子タイプ:タンパク質
(xi) 配列記載:配列番号6
【外6】
Figure 0004357116

Claims (16)

  1. 5’から3’の順に、プロモータ、前記プロモータが、操作可能にシグナル配列に連結されること、前記シグナル配列が、アミノ末端のアミノ酸プロ配列をエンコードするいずれの配列をも欠く、ヒトβトリプターゼをエンコードするDNA配列に操作可能に連結されること:を含む、DNA発現構築物において、
    前記発現構築物は、前記発現させられたβ−トリプターゼのいずれのさらなる外因性の操作も無しに、前記発現構築物を含有するように形質転換された酵母の宿主において酵素学的に活性なヒトβ−トリプターゼの発現を推進させる、DNA発現構築物。
  2. 請求項1に記載のDNA発現構築物において、
    前記シグナル配列は、アミノ酸残基Leu−Glu−Lys−Argをエンコードする3’末端を含む、DNA発現構築物。
  3. 請求項1又は2に記載のDNA発現構築物において、
    前記プロモータは、構成的なプロモータである、DNA発現構築物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のDNA発現構築物において、
    前記プロモータは、誘導性のプロモータである、DNA発現構築物。
  5. 5’から3’の順に、AOXI、GAP、MOX、FMD、ADH、LAC4、XPR2、LEU2、GAM1、PGK1、GAL7、GADPH、CYC1、及びCUP1からなる群より選択されたプロモータ、前記プロモータが、操作可能にシグナル配列に連結されること、前記シグナル配列が、アミノ末端のアミノ酸プロ配列をエンコードするいずれの配列をも欠く、ヒトβトリプターゼをエンコードするDNA配列に操作可能に連結されること、前記DNA配列が、ターミネータ配列に連結されること:を含む、DNA発現構築物において、前記発現構築物は、前記発現させられたβ−トリプターゼのいずれのさらなる外因性の操作も無しに、前記発現構築物を含有するように形質転換された酵母の宿主において酵素学的に活性なヒトβ−トリプターゼの発現を推進させる、DNA発現構築物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のDNA発現構築物において、
    前記ヒトβ−トリプターゼをエンコードするDNA配列は、ヒト肺トリプターゼをエンコードする、DNA発現構築物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のDNA発現構築物において、
    前記ヒトβ−トリプターゼをエンコードするDNA配列は、配列識別番号6に示されたようなアミノ酸配列をエンコードする、DNA発現構築物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のDNA発現構築物において、
    前記ヒトβ−トリプターゼをエンコードするDNA配列は、配列識別番号1である、DNA発現構築物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のDNA発現構築物において、
    前記シグナル配列は、KEX2開裂サイトをエンコードする、DNA発現構築物。
  10. 請求項1又は5に記載の発現構築物で酵母の宿主細胞を形質転換させることを含む、酵素学的に活性なヒトβ−トリプターゼを生産する方法において、
    前記酵母の宿主細胞は、前記発現させられたβ−トリプターゼのいずれのさらなる外因性の操作も無しに、酵素学的に活性なヒトβ−トリプターゼを発現する、方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、
    Pichia属の宿主細胞が、形質転換される、方法。
  12. 請求項10に記載の方法において、
    Pichia pastorisの宿主細胞が、形質転換される、方法。
  13. 請求項10に記載の方法において、
    Pichia pastoris ATCC20864又はPichia pastoris KM71の特性を有する宿主細胞が、形質転換される、方法。
  14. 生産された酵素学的に活性なヒトβ−トリプターゼを単離することをさらに含む、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の発現構築物を含有すると共に発現させるために形質転換されたPichia pastorisの宿主細胞を含む酵素学的に活性なヒトβ−トリプターゼを発現させる、遺伝子工学的に作られた酵母の細胞。
  16. ATCC74468の特性を有する、請求項11に記載の遺伝子工学的に作られた酵母の細胞。
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