JP4355667B2 - 畜糞を原料とする有価物の製造方法 - Google Patents

畜糞を原料とする有価物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、畜産廃棄物の再資源化技術に関し、詳しくは、牛、豚、鶏等の畜糞を加熱処理して有価物を製造する方法に関する。
バイオマス(エネルギー源としての生物資源)の一分類として位置づけられる畜産廃棄物の主たるものは家畜糞尿であり、国内の有機性廃棄物の最大量を占めている。また、家畜糞尿が原因と見られる地下水や水道水源の汚染問題が近年発生する事態を受けて、平成16年11月には「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用に関する法律」が完全施行され、家畜排せつ物処理に必要な施設の整備と適正な管理が求められている。
特に、固形物のため減容化が困難な畜糞は、現状の再資源化方法として、単独または敷料と混合された状態で堆肥化(コンポスト化)し、肥料や土壌改良材として利用する方法が一般的であるが、近年、嫌気性発酵により生成したメタンガスを発電等に利用する技術も普及しつつある。
ここで、畜糞の堆肥化はメタン発酵と異なり、その原理が簡単、かつ大規模設備を必要としないため、旧来から実施されてきた反面、畜糞が定常的に排出されて堆肥化されるのに対して堆肥の需要期は春秋に集中するため、余剰堆肥による保管場所の逼迫に加え、保管時に発生する悪臭や汚水等の処理の問題があった。
また、バイオマスの再資源化方法として、ガス化炉内の還元性雰囲気下で原料を熱分解して可燃性ガスを含む熱分解ガスを生成し、これを発電等に利用する技術開発も近年盛んとなっているが、その対象は比較的発熱量の高い木質系バイオマスが中心であり、含水率が高く低発熱量物質である畜糞に関しては、その事例は未だ少ない。
ガス化によるバイオマスの再資源化技術を開示した先行文献としては、例えば特許文献1がある。また、バイオマス等の固形原料をガス化すると熱分解ガスとともにタールが発生するが、タールは温度低下すると凝固して煙道等での詰まりの原因となるため、タールを可燃性ガスに改質して処理することを目的に改質器が併設される場合が多い。特許文献2は、蓄熱体を介した熱交換により熱分解ガス(及びタール)を水蒸気改質する改質器の一例が開示されたものである。
特開2004−76968号公報 特開2004−168872号公報
上述の余剰堆肥の問題を解決し、畜糞の再資源化及び減量化を達成する一手段として、原料をガス化あるいは炭化により熱分解処理して、可燃性ガスや炭化物等の有価物を製造・回収する方法がある。
しかしながら、牛糞等の畜糞単独、あるいはこれと木質系バイオマスとの混合物を原料として、熱分解処理する場合には、原料の昇温に伴い原料中の固体成分が軟化・高粘性化し、固体物同士が結合する現象(以下「焼結」と呼ぶ。)が比較的低温から発生し、この焼結による原料同士の結合・肥大化の進行により反応効率が低下するだけでなく、熱分解装置の残渣排出口を閉塞させて熱分解後の残渣排出を困難ならしめることから、熱分解装置の継続運転を阻害するという問題があった。そのため、焼結発生時には熱分解装置の運転を停止するとともに、鉄棒等の解除器具を用いて人力による危険な解除操作が必要となっていた。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、原料の熱分解処理時に発生する焼結を防止し、継続的な熱分解装置の運転と有価物の回収を可能とする、畜糞を原料とする有価物の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、畜糞を熱分解して有価物を製造する方法であって、前記畜糞を単独、あるいは高発熱量化させるための副資材ととともに熱分解装置に供給し、添加したアルカリ助剤とともに、還元性雰囲気下において熱分解させることを特徴とする。
ここで、畜糞とは、乳牛や肉牛の牛糞、豚糞、鶏糞等の畜産動物の生糞、あるいはこれらを藁材、木質チップ、おが粉、畳くず、籾殻等の家畜厩舎の敷料となる材料とともに堆肥化(コンポスト化)したものを含み、副資材とは、バイオマスの中で比較的発熱量が高く含水率が低い木質系の有機性廃棄物等をいう。また、アルカリ助剤とは石灰類をいうが、具体的には、消石灰(Ca( OH) 2 )、生石灰(CaO)及び、石灰石(CaCO3 )を示すものとする。
請求項2に係る発明は、畜糞には堆肥化された牛糞を、アルカリ助剤には混合比2.5〜10%の消石灰を用いたことを特徴とする。
本発明に係る畜糞を原料とする有価物の製造方法によれば、畜糞を単独、あるいは高発熱量化させるための副資材とともに熱分解装置に供給し、添加したアルカリ助剤とともに、還元性雰囲気下で熱分解させることにより、畜糞原料の加熱に伴う焼結の発生を防止しながら有価物を製造することができる。
したがって、原料の熱分解反応効率を低下させずに有価物を製造できるだけでなく、残渣排出時の障害を防止することができ、熱分解による有価物の製造を継続的に安定して行うことができる。
以下、本発明の第1実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。第1実施形態は、原料をガス化して可燃性の熱分解ガスを発生させるガス化炉を主体とする構成である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るガス化施設の一例を示す概略構成図であり、図2は、同ガス化炉の構造及び炉内の反応状況を示す模式図である。
なお、第1実施形態においては、ガス化利用に適した性状として、含水量が少ないコンポスト化あるいは乾燥された畜糞を用い、有価物として可燃性ガスを製造する。
[以下、第1実施形態(ガス化炉を主体とした設備)構成の説明]
図1及び2において、1は、原料供給装置であって、上記畜糞とこれを高発熱量化するための副資材からなる原料を移送する投入コンベア11と、該投入コンベア11を駆動する投入駆動機構12と、該投入コンベア11から送られる畜糞及び副資材を貯留する原料ホッパ13と、連設されたスクリューコンベア等の定量供給装置14と、エアシールのための例えばゲート式の二重ダンパを備えたシール機構15とから構成されている。
2は、アルカリ助剤を原料に添加するための助剤供給装置であって、消石灰等の助剤を貯留する助剤貯留槽21と、該助剤貯留槽21に連設され、助剤を定量供給するための助剤供給手段22と、その供給駆動機構23とから構成されている。
3は竪型のガス化炉(熱分解装置)であって、鋼材からなる円筒形状の胴部を主体とするケーシング31によりその外殻が構築されるとともに、その内側は図示しない耐火物で被覆され、上部側面には原料のガス化により発生する熱分解ガスTGを排出するガス排出口32が開口されている。
該ガス化炉3の下部には、原料支持板33,33を収納する収納室34,34が対向して設けられるとともに、該原料支持板33,33の下方には残渣排出板35,35が配置されており、残渣排出板35,35の下方のケーシング31には、耐火物を貫通してガス化剤の送入ノズル36が配置されている。
上記原料支持板33,33は、常時は収納室34,34に収容されるとともにガス化炉3内部に向けて出没自在に設けられており、残渣排出板35,35は、常時は閉鎖されているが、両側端を固定軸として下方に向けて観音開きとなるよう回動自在に配設されている。
また、残渣排出板35,35の表面には図示しない複数の貫通孔が穿孔されており、送入ノズル36から送入されるガス化剤を上方の炉内に通過させる構造となっている。なお、37はガス化炉3の運転開始時等に使用する着火バーナである。
4は、ガス化が終了した後の残渣をガス化炉3から搬出・貯留する灰搬出装置であり、スクリュー式の搬出コンベア41と、連設された筒状の排出管42と、灰受槽43により構成されている。また、該灰受槽43内にはあらかじめ冷却水が満たされており、高温の残渣灰を冷却するとともに、灰搬出装置4側からの炉内への空気進入を防止している。
ガス化炉3以降の設備は、図2に示すように、ガス排出口32から煙道を介して、改質器51、廃熱ボイラ61、排ガス処理設備62、誘引通風機63、ガス精製冷却設備64、ガスホルダ65、及び発電装置66が連設されており、これらの詳細については後述する。
ここで、改質器51は、ガス化炉3内で生成される熱分解ガスTG中のタールを処理するために設けられたもので、耐火製の仕切壁52がその内壁に嵌着されて2室に区画された内部構造を有し、この1室(燃焼室)には燃焼バーナ53が備えられ、図示しない燃料と燃焼空気から燃焼ガスを発生・通過させ、他の1室(改質室)には上記の熱分解ガスTGと添加された水蒸気を導入する一方、該仕切壁52の開放端に摺接してハニカム型通路を有する蓄熱体54が回転自在に配置され、上記燃焼ガスとの熱交換により熱分解ガスTGを900〜1400℃に加熱して、改質室で改質させる構成のものを図示している。
なお、改質器は本構成に限るものではない。具体的には改質器には、水蒸気改質、部分酸化、触媒の有無等、種々形式のものがあり、これらを適宜選択可能である。
次に、以上のように構成されたガス化炉の運転方法について、図2を参照して説明する。
[以下、ガス化炉の運転方法の説明]
ガス化炉3の始動時には、着火性の良好な木質チップ等の助燃材を予め一定量、原料供給装置1からガス化炉3に供給して炉底(閉鎖状態の残渣排出板35,35上)に堆積させておく。次に、図示しない押込送風機により、原料供給装置1周辺の臭気を吸引したガス化空気GAを送入ノズル36から送入すると、残渣排出板35,35上に設けられた複数の貫通孔を通過して炉内に吹き込まれる。
ここで、着火バーナ37の点火により、助燃材は着火して燃焼を開始し、燃焼ガスを放出しながら徐々に灰となり、後述の灰層aを形成する。灰層aが一定量蓄えられて十分な保有熱量が得られたのち、ガス化炉3の通常運転に移行する。
畜糞と副資材は、必要に応じて破砕や乾燥等の前処理が施されたのち、投入駆動機構12により駆動される投入コンベア11で移送され、原料ホッパ13に貯留される。
次いで、牛糞等の畜糞の加熱時に500℃程度から発生する焼結を防止するためにアルカリ助剤、例えば消石灰を助剤貯留槽21から助剤供給手段22により、上記原料ホッパ13に送入する。このとき、原料に混入させるアルカリ助剤の混合比は適宜選択可能であるが、消石灰の場合、畜糞に対し2.5〜10wt%が好ましい範囲である。
また、上記投入駆動機構12及び、助剤供給手段22を駆動させる供給駆動機構23の駆動速度は、図示しない混合制御装置により制御され、原料とアルカリ助剤の混合比を上記範囲に調節可能としている。
原料ホッパ13中の原料とアルカリ助剤は、スクリュー式の定量供給装置14による移送時に攪拌・混合されながら所定量ずつシール機構15を介してガス化炉3に供給される。
ガス化炉3に供給された畜糞と副資材は、灰層aの保有する熱と、送入ノズル36から送入されるガス化空気GAと廃熱ボイラ61から供給される高温水蒸気HSとを混合したガス化剤GTにより、乾燥・昇温されるとともにガス化炉3内の還元性雰囲気下で熱分解反応を開始し、熱分解ガスTGを放出しながら徐々に灰化していく。この熱分解ガスTG中には、H2 やCO等の可燃性ガスが多く含まれており、上部のガス排出口32から排出されたのち、精製処理されてエネルギーとして有効利用される。
なお、通常運転時にガス化炉3に送入されるガス化空気GAの空気過剰率(=「空気供給量/理論空気量」)は0.3以下であり、炉内を還元性雰囲気に保ち、原料の燃焼反応を抑制させている。
ここで、ガス化炉3内では原料の熱分解反応の進行状況によってその位置が変動するが、概ね図2のように、上から予熱乾燥層d、熱分解層t、ガス化層g、燃焼(酸化)層b、灰層aの各層が形成されており、各層の温度を検出するように、温度検出器38d、38t、38g、38b、38aが各々ケーシング31に設けられている。
ガス化炉3内の原料は、まず、最上層の予熱乾燥層dにおいて下方から上昇する熱分解ガスTGの保有する熱量と炉壁からの輻射熱により予熱・乾燥されたのち、中間の熱分解層t、ガス化層gにおいて、固体成分の熱分解と揮発性成分の揮発が発生し、さらに、低部の燃焼(酸化)層bで熱分解生成物の部分燃焼がなされ、最下層では、熱分解後の残渣Rからなる灰層aが形成される。
灰層aに堆積した残渣Rの排出は、原料のガス化が終了して灰層aの温度が設定値(例えば350℃)以下に降下したことを温度検出器38aで検出し、図示しない排出制御装置の指示により、収納室34,34に収納されていた原料支持板33,33をガス化炉3の中央に突出させ、上部の残渣Rと原料を支持するとともに、残渣排出板35,35を開放して、原料支持板33,33より下方の残渣Rを灰搬出装置4に落下させて行う。
続いて、搬出コンベア41を駆動して残渣Rの搬出を行うとともに、残渣排出板35,35と、原料支持板33,33を通常位置に復帰させることにより、原料支持板33,33の突出時に保持された上部の残渣R中の塊が、落下時の衝撃により崩壊し、未燃分の熱分解反応が促進される。
なお、搬出された残渣Rは灰受槽43で冷却されたのち最終処分がなされるが、カリ分等の肥効成分が多いため、肥料や土壌改良剤としても利用できる。
また、畜糞と副資材は予め混合して投入コンベア11から原料ホッパ13に投入しても、個々に移送して原料ホッパ13に交互投入しても良い。さらに、ガス化空気GAには、予熱により高温化したものを利用しても良く、酸素富化空気を用いることもできる。これにより、熱分解ガスTGの高発熱量化を図ることができる。
次に、ガス化炉3のガス排出口32から取り出した熱分解ガスTGの利用度を高め、不適物を除去する精製処理と浄化処理の一例を、ガス化炉3以降の機器配置を主体に、図1を用いて説明する。
[以下、ガス化施設全体の運転状況及び燃料ガスFGの製造方法の説明]
ガス化炉3で発生した熱分解ガスTGは、H2 やCO等の可燃性ガスを含んでおり、そのままでも利用可能であるが、該熱分解ガスTG中のタールを改質し、より高品質の燃料ガスを得るため、廃熱ボイラ61からの高温水蒸気HSを煙道中で添加したのち、上述の改質器51に送入して水蒸気改質することにより粗精製ガスRGに転換する。
この改質された900℃以上の粗精製ガスRGは、下流の廃熱ボイラ61で余熱利用されて200℃程度以下に減温されてから、バグフィルタ等の排ガス処理設備62においてばいじんや酸性有害ガス等が除去されて、誘引通風機63に吸引されてガス精製冷却設備64に送られ湿式洗浄された40℃程度の燃料ガスFGとなり、ガスホルダ65に貯留される。
さらに、ガスホルダ65に貯留された燃料ガスFGは、配管中に設けられた図示しない電磁弁の開閉制御により供給量を調整されながら、後続の発電装置66に送られ発電に利用される。なお、発電装置66には、燃料ガスFGの保有発熱量の不足を補うために軽油またはBDF(bio-diesel fuel )を補助燃料に用いる混焼型エンジン発電機を用いることもできる。
以上、牛糞等の畜糞の焼結を防止しながら熱分解ガス(燃料ガス)を製造する第1実施形態の概要について述べたが、次に、焼結発生温度並びに、焼結防止のため原料に添加すべき助剤の混合量を調査した実験結果について説明する。
[以下、実験結果の説明]
(実験結果)
以下の実験結果は、畜糞を上記ガス化炉3でガス化した際に発生した焼結現象の解明のため実施した実験に関するものである。畜糞として、敷料と混合してコンポスト化された表1の組成の牛糞を用い、これを粉砕して7g秤量したものを準備した。また、助剤として消石灰(Ca( OH) 2 )と川砂(主成分SiO2 )の2種類を用意し、夫々を上記牛糞に添加して、固体状態で混合したものを試験体とした。
次に、この試験体を電気炉内で2時間加熱してから取り出し、焼結の度合いを4段階で目視判定した。実験結果は表2のとおりである。
すなわち、原料(コンポスト)の焼結は500℃程度の温度から発生し、その防止には消石灰の添加が効果的であるとともに、原料に対して2.5wt%以上の添加によりほぼ解消できる。詳しくは、2.5〜10wt%であり、2.5〜5wt%が経済的で好適である。
また、助剤に生石灰や石灰石を用いた場合についても同様の効果が認められた。
Figure 0004355667
Figure 0004355667
[以下、実施例の説明]
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例)
この実施例は、表1の組成のコンポストを主原料に、これに副資材として数cmの長さに破砕された針葉樹チップ(低位発熱量15490kJ/kg、組成:水分16.1、灰分0.3、可燃物83.6、各湿ベースwt%)を重量比50%の割合で混合した原料を図2のガス化炉3に供給し、発生した熱分解ガスTGを改質・精製した燃料ガスFGを使って発電した実験に関するものである。本実施例によるガス化施設の全体構成は図1に準ずるが、水蒸気改質方式の改質器51に替わり部分酸化方式の改質器が、廃熱ボイラ61に替わり水冷式減温塔及び丸ボイラが設けられた構成になっている。
ガス化運転時には、焼結防止用のアルカリ助剤として主原料の5%重量の消石灰を、原料ホッパ13に手作業で投入して、原料と共に定量供給装置14で攪拌しながら移送させた。
また、上記原料の供給量は単位時間当り66kgであり、340℃の空気35Nm3/hと水蒸気15Nm3/hをガス化剤GTとして、ガス化炉3の送入ノズル36から吹き込みガス化した。
ガス化運転は、ガス化炉3における原料の熱分解反応状況について、前述の炉内各層に配置した各温度検出器38d、38t、38g、38b、38aで温度監視しながら、予熱乾燥層dが100〜200℃程度、熱分解層tが200〜400℃程度、ガス化層gが400〜700℃程度、燃焼(酸化)層bが700〜900℃、灰層aが300〜500℃程度を維持するように、ガス化剤GT(空気及び水蒸気)の供給量と、定量供給装置14による原料供給量を調節しながら行った。
この結果、ガス化炉3で発生する熱分解ガスTGと、混焼型の発電装置66に供給する燃料ガスFGとして、表3の組成のガスが得られ、発電可能なことが確認できた。
Figure 0004355667
なお、本実施例で用いた改質器は、熱分解ガスTGに水蒸気とともに高温空気を添加して改質する部分酸化方式のため、改質に必要な熱量の一部を反応熱から供給でき、燃料費を節減できる反面、高温空気中の窒素の混入等により、燃料ガスFGの発熱量は低くなっている。
[以下、第2実施形態の構成の説明]
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。第2実施形態は、畜糞を主原料として炭化物を製造する炭化装置を主体とする構成である。
図3は、本発明の第2実施形態に係る炭化施設の一例を示した概略図である。
原料供給設備7は、畜糞または、畜糞と敷料の混合物を受入・貯留する畜糞ホッパ71と、固形物の破砕機72と、畜糞等を炭化装置に供給するケースコンベア等の供給手段73からなる畜糞の供給系統と、建築廃材や風倒木やおが屑等の木質系材料ホッパ74と、これを細断するチッパ75及び搬入手段76からなる木質系材料の供給系統から構成されている。
上記畜糞ホッパ71には、畜糞の貯留量に応じて、第1実施形態で述べたと同様の助剤供給装置2からアルカリ助剤、例えば消石灰が供給され、炭化時の加熱による畜糞の焼結を防止できるように構成されている。
炭化装置8は、破砕された畜糞や細断された木質系材料の細片を受入れて後述のキルン82前部に送入する投入機81と、間接加熱式のキルン82と、該キルン82の胴部を囲繞し、外側から加熱する加熱装置83と、キルン82の後部に連結され、キルン82内で生成された炭化物CAを冷却する空冷式の排出機84及び、図示しないこれらの駆動機構から主体が構成されている。
キルン82は、傾斜配置された円筒胴部内に送入された原料を、回転移送しながら外部熱源により間接加熱するロータリーキルンであり、その内部はシール構造により空気の進入が防止され、還元性雰囲気が保たれている。
該キルン82の胴部は、脱臭炉と加熱炉が絞り通路で連結された2炉構造からなる加熱装置83の加熱炉内に配置されており、内部の原料は外周部からの間接加熱によって乾燥・熱分解される。
加熱装置83では、キルン82内で原料の加熱により発生する乾留ガスDGが、押込ブロワ85で下部の脱臭炉に送入されるとともに、畜糞ホッパ71周辺の臭気BGが、臭気ブロワ86で脱臭バーナ87に送入されて、バーナ燃焼による高温(例えば800℃以上)で臭気分解される。
この高温臭気分解で生じた排ガスEGは、脱臭炉から絞り通路を通過して上部の加熱炉に流入し、キルン82を加熱したのち、加熱装置83の外部に排出される。
加熱炉内における排ガスEGの温度は、その壁面に設けた加熱バーナ88、或いは、絞り通路に設けた図示しない空気送入孔への冷却空気のブロワ送入により、制御される一方、投入機81の投入速度及びキルン82の回転速度の制御により、原料の送り速度が調節される。
なお、キルン82内と脱臭炉出口の絞り通路壁面には、図示しない温度検出器が各々配置されている。
上記制御により、キルン82内の温度は、畜糞等を原料として、肥料や土壌改良剤用途の炭化物を得るに最適な600℃程度に維持される。詳しくは550〜650℃である。そして、生成後の炭化物CAは、排出機84に排出されて、発火を防止するために冷却されて安定化する。
次に、炭化装置8で生成された炭化物CA及び、排ガスEGの後処理について説明する。
加熱装置83から排出された排ガスEGは、下流のガス冷却器91において、常温空気との熱交換により冷却されたのち、バグフィルタ等の集じん機92によりガス中の粉じんが除去され、誘引ブロワを介して排気筒から大気中に放出される。
また、排出機84で冷却後の炭化物CAは、ケースコンベア等の移送手段で移送されて生成物ホッパ93に貯留されたのち、集じん機92で除去された粉じんとともに、選別機94に送られ、炭化物CAの寸法・形状毎に粉状製品/造粒製品/粒状製品に選別されて、それぞれの製品ホッパ95〜97に貯留される。
上記製造方法により、畜糞を主原料に、これに木質系材料を適宜混合したものを原料とし、有価物として、肥効成分に優れ、保存性の良い炭化物を製造することができる。
なお、上記の各実施の形態は、各々実施の一例を示したもので本発明の技術思想の範囲内において、設備の一部を変更することは適宜可能である。例えば、炭化装置の形式は、固定式のスクリューコンベアを内蔵する外熱キルンでも、あるいは、原料の一部を燃焼させる直接加熱式のものでも良く、また、ガス化炉の構造は竪型の固定床型でなくても構わない。さらに、ガス化炉及び炭化装置等の熱分解装置は、連続式の構成に限らずバッチ方式にも適用できる。
本発明の第1実施形態に係るガス化施設の一例を示す概略構成図である。 ガス化炉の構造及び炉内の反応状況を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る炭化施設の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 原料供給装置
2 助剤供給装置
3 ガス化炉(熱分解装置)
4 灰搬出装置

Claims (2)

  1. 畜糞を熱分解して有価物を製造する方法であって、
    前記畜糞を単独、あるいは高発熱量化させるための副資材ととともに熱分解装置に供給し、添加したアルカリ助剤とともに、還元性雰囲気下において熱分解させることを特徴とする畜糞を原料とする有価物の製造方法。
  2. 前記畜糞には堆肥化された牛糞を、前記アルカリ助剤には混合比2.5〜10%の消石灰を用いたことを特徴とする請求項1に記載された畜糞を原料とする有価物の製造方法。
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