JP4355111B2 - エラストマー複合スチールコードの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ等に埋設して補強材として使用するスチールコードの製造方法に関し、さらに詳しくは、例えばタイヤ補強材として使用した場合に十分な耐腐食性および耐疲労性を発揮することができ、且つ、タイヤ成形時等の加硫時間を短縮し、省エネルギー化を達成することのできる2層構造のエラストマー複合スチールコードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ補強用スチールコードとして、複数本の素線(スチールフィラメント)を内外2層に撚り合わせた2層構造のものが従来から使用されている。図7はこれら2層構造のスチールコードの一例として、3本のスチールフィラメント1を撚り合わせて芯ストランド2となし、その撚り合わされた芯ストランド2の周りに外層フィラメントとして9本のスチールフィラメント3を配置して、芯ストランド2とは撚り方向あるいは撚りピッチを異ならせて撚り合わせてなる、所謂3+9構造のスチールコード4の断面構造を示している。
【0003】
このように複数本のスチールフィラメントを2層に撚り合わせたスチールコードでは、図7に示すように、芯ストランド2の中心部に、ストランド長手方向にストロー状に延びる空隙5ができるとともに、外層のスチールフィラメント3の内側(芯ストランド2との間)に空隙6ができる。
【0004】
図7に示す例は3+9構造の場合であるが、m+n(m=2〜4)の2層構造ではいずれも同様で、ストランド中心部に空隙ができるとともに外層フィラメントの内側に空隙ができる。
【0005】
これらm+n構造のスチールコードの場合、従来は、タイヤ成形(加硫)時にゴムがスチールコードのフィラメント間に浸入して、コード内部の上記空隙にまでゴムが充填されることを期待するものであった。しかし、これら2層構造のスチールコードは、外層に配置されたフィラメントの間の隙間が小さいために、タイヤ成形時にコード内部に十分な量のゴムが浸透しない。特に、外層まで稠密に撚られたスチールコードの場合、浸透するゴム量は僅かで、コード内部の上記空隙は到底埋まらない。その結果、タイヤ使用中にスチールコード内部でフレッティング(擦過)摩耗を生じ、また、タイヤ表面の外傷によりスチールコード内部へ水分等が浸入したりして、著しくタイヤコードの耐疲労性を悪化させ、タイヤ寿命を縮めてしまうことがある。
【0006】
また、スチールコード内部に残る空隙の影響はそれだけではなくて、空隙に残存した空気がタイヤ成形時に吐き出されて、エアー溜まりとなってゴム中に残ってしまい、タイヤ本体の強度を損うことにもなる。そのため、そうした空気を分散させ、エアー溜まりを消すために、タイヤ成形時の加硫時間を長くすることが必要で、生産性が悪化し、消費するエネルギーが増大する。
【0007】
こうしたm+n構造のスチールコードを改良したものとして、スチールコード外層のフィラメントを、稠密撚りの場合のフィラメント数より何本か少ない構造にして、外層フィラメント間に隙間を持たせ、タイヤ成形時にゴムが浸透し易いようにすることも考えられている。例えば、特開平7−109685号公報に示されたスチールコードは、3本のコアフィラメントに対しシースフィラメント(外層フィラメント)の本数を7〜8本とすることで、シースフィラメントとコアフィラメントの間隙にゴムが浸入し得るようにしている。しかし、こうした構造でも、スチールコード内部の空隙を完全にゴムで埋め尽くすことは難しく、稠密撚りと比較すると若干はタイヤ寿命を長くすることは出来るものの、十分なものではない。
【0008】
また、このように芯ストランドの周りに外層フィラメントを撚り合わせて2層構造とするのでは、撚線が2工程となって、製造コストが高くなるため、製造コストの安い2層構造のスチールコードが求められ、複数本(m本)のコアフィラメントの周りに複数本(n本)の外層フィラメントを配置し、それら全スチールフィラメントを、同一方向、同一ピッチで2層構造に撚り合わせてなる1度撚り2層構造のスチールコードも考えられている。図8は、そうした1度撚り2層構造のスチールコードの一例として、コアフィラメントとする3本のスチールフィラメント1’の周りに外層フィラメントとする9本のスチールフィラメント3’を配置し、それら全スチールフィラメントを、同一方向、同一ピッチで2層構造に撚り合わせてなる。所謂3/9構造のスチールコード7の断面構造を示している。
【0009】
しかしながら、このように複数本のコアフィラメントと複数本の外層フィラメントを、同一方向、同一ピッチで一度に撚り合わせたスチールコードの場合には、コアフィラメントと外層フィラメントの撚り方向および撚りピッチが同じであるために、複数本のコアフィラメントが撚り合わされてなる芯ストランドのフィラメントに密着する形で外層フィラメントに落ち込みが発生する。そして、図8に示すように、ストランド中心部の空隙8だけでなく、外層フィラメント3’の内側の空隙9もまた密閉された状態になってしまう。
【0010】
そのため、外層フィラメントの内側の空隙は、2度撚り2層構造のスチールコードの場合よりは容積が減少し、タイヤ成形時にゴム中に吐き出される空気の量は少なくなるものの、タイヤ成形時にコード内部に殆どゴムが浸入しなくなる。その結果、やはりタイヤ使用中にスチールコード内部でフレッティング(擦過)摩耗を生じ、また、タイヤ表面の外傷によりスチールコード内部へ水分等が浸入したりして、著しくタイヤコードの耐疲労性を悪化させ、タイヤ寿命を縮めてしまうことがある。
【0011】
また、2度撚り2層構造のスチールコードの場合よりは容積が減少するとはいっても、空隙が残り、その空隙に残存した空気がタイヤ成形時に吐き出され、エアー溜まりとなってゴム中に残ってしまい、タイヤ本体の強度を損うことになり、そうした空気を分散させ、エアー溜まりを消すためには、タイヤ成形時の加硫時間を長くすることが必要で、生産性が悪化し、消費するエネルギーが増大する。
【0012】
また、こうした1度撚り2層構造のスチールコードでは、例えば、特開昭62−125085号公報に示されているように、コアフィラメントの直径を外層フィラメントのそれよりも大きくしてフィラメント間の隙間を確保し、コード内部へのゴムの浸透を図るようにすることも考えられているが、そうした構造でも、コード内部の空隙を完全にゴムで埋め尽くすことは難しく、若干はタイヤ寿命を長くすることは出来るものの、十分なものではない。
【0013】
その他、例えば特開平6−49786号公報に示されているように、スチールコード内部の空隙に吸水性ポリマーを存在させるものや、特開昭61−138789号公報に示されているように、スチールコード内部に有機材料の芯材を充填したものや、特公昭59−24239号公報に示されているように、スチールコードの芯材として加硫ゴムを使用したものが考えられているが、このような吸水性ポリマーや有機材料等を使用するについては、タイヤ本体のゴムとの接着性およびスチールフィラメントとの接着性を共に考慮する必要があって、制約の多い設計となり、技術面およびコスト面で不利なものとならざるを得ない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の2層構造のスチールコードは、タイヤ成形時にコード内部に十分な量のゴムが浸透せず、ストランド中心部に空隙ができるとともに外層フィラメントの内側に空隙ができて、タイヤ使用中にスチールコード内部でフレッティング摩耗を生じ、また、タイヤ表面の外傷によりスチールコード内部へ水分等が浸入したりして、著しくタイヤコードの耐疲労性を悪化させ、タイヤ寿命を縮めてしまうことがあり、また、スチールコード内部の空隙に残存した空気がエアー溜まりとなってゴム中に残ったのでは、タイヤ本体の強度が損われるため、そうしたエアー溜まりを消すためにタイヤ成形時の加硫時間を長くすることが必要で、生産性が悪化し、消費するエネルギーが増大するという問題があり、そうした問題を解消するため、外層フィラメントを少なくしてフィラメント間に隙間を持たせ、ゴムを浸透し易くしたものでも、スチールコード内部の空隙を完全にゴムで埋め尽くすことは難しく、また、製造コストを下げるため1度撚り2層構造としたスチールコードでは、外層フィラメントに落ち込みが発生し、フィラメント間の空隙が密閉状態になってしまい、やはりフレッティング摩耗を生じ、水分等の浸入による耐疲労性の悪化を招き、エアー溜まりを消すために加硫時間を長くすることが必要で、生産性の悪化、消費エネルギーの増大を招くという問題があり、また、吸水性ポリマーや有機材料等を使用するものでは、タイヤ本体のゴムとの接着性およびスチールフィラメントとの接着性を共に考慮する必要があって、技術面およびコスト面で不利になるという問題がある。
【0015】
本発明はこうした問題を解消するためのもので、タイヤ等に埋設して補強材として使用する2層構造のスチールコードの製造方法であって、フレッティング摩耗を生じず、十分な耐腐食性および耐疲労性を発揮し、スチールコード自体の寿命を延ばすとともに、それを補強材として使用したタイヤ等の寿命を延ばし、且つ、タイヤ成形時等の加硫時間を短縮して省エネルギー化を達成することのできる製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためのエラストマー複合スチールコードの製造方法を提供するものである。
【0017】
本発明のエラストマー複合スチールコードの製造方法はコアフィラメントとする2〜4本のスチールフィラメントの全てのフィラメント周囲に未加硫ゴムを被覆した後、それら2〜4本の全スチールフィラメントを同時に撚り合わせて、ストランド中心部に未加硫ゴムが充填されるとともに周囲が未加硫ゴムで被覆された芯ストランドとなし、次いで、その芯ストランドの周りに外層フィラメントとする複数本の未加硫ゴムが被覆されていないスチールフィラメントを撚り合わせることにより、それら外層のスチールフィラメントの内側の芯ストランドとの間の空隙が未加硫ゴムで埋まった2層構造のエラストマー複合スチールコードとすることを特徴とする。
【0018】
このエラストマー複合スチールコードの製造方法によれば、未加硫ゴムが被覆された2〜4本のスチールフィラメントが撚り合わされ芯ストランドとされた後、その芯ストランドの周りに複数本のスチールフィラメントが撚り合わされることにより、2層構造のエラストマー複合スチールコードが得られる。
【0019】
このエラストマー複合スチールコードは、コアフィラメントとする2〜4本のスチールフィラメントの全てのフィラメント周囲に予め未加硫ゴムが被覆され、それらが撚り合わされることによって、内部空隙ができる場合はその空隙に未加硫ゴムが充填され、また、周囲が未加硫ゴムで被覆された芯ストランドが得られる。そして、この芯ストランドの周りに外層フィラメントとする複数本のスチールフィラメントが撚り合わされることにより、それら外層のスチールフィラメントの内側(芯ストランドとの間)の空隙が未加硫ゴムで埋まる。
【0020】
こうして全ての内部空隙に未加硫ゴムが充填され、コード表面に未加硫ゴムのはみ出しがないエラストマー複合スチールコードが得られる。そして、このスチールコードは、例えばタイヤ補強材としてタイヤ成形時にタイヤ本体のゴムに埋め込まれることにより、未加硫ゴムが加硫化されて、コード内部の空隙が完全にゴムで埋まる。そのため、フレッティング摩耗を生じず、水分等によるコード内部からの腐食を防止して、スチールコードの耐疲労性を改善し、タイヤ等のゴム製品の寿命を延ばすことができる。また、コード内部の空隙が埋まるため、タイヤ成型時にゴム中に持ち込まれる空気の量が少なく、安定したタイヤの製造が可能で、加硫時間を短縮しエネルギーロスを低減することが可能となる。また、未加硫ゴムは、タイヤ本体のゴムとの接着性およびスチールフィラメントとの接着性が良好で、技術面およびコスト面で問題を生じない。
【0021】
これらのエラストマー複合スチールコードの製造方法において、予めスチールフィラメントに被覆する未加硫ゴムは、接着性およびコスト等の面から、タイヤゴムと同質であるのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
1および図2は、本発明の実施の形態のエラストマー複合スチールコードの製造方法を示している。この例は、3+9構造のエラストマー複合スチールコードを製造する場合で、その製造方法は、芯ストランドを製造する工程(図1に示す)と、芯ストランドの周りに外層フィラメントを撚り合わせる工程(図2に示す)からなる。図1において、11は未加硫ゴム被覆装置、12は線分け装置、13は集合ボイス、14はバンチャー撚線機、図2において、15は線分け装置、16は集合ボイス、17はバンチャー撚線機である。いずれも装置自体は従来公知のものである。
【0024】
図1に示す芯ストランド製造の工程では、コアフィラメントとするスチールフィラメント18が3本平行に繰り出され、バンチャー撚線機14の撚口に向けて供給される。そして、その供給の途中、3本のスチールフィラメント18は、未加硫ゴム被覆装置11でそれぞれフィラメント周囲に未加硫ゴムが被覆される。そして、ゴム被覆されたスチールフィラメントが線分け装置12で3本に分けられて集合ボイス13に送られ、集合ボイス13で集合し、バンチャー撚線機14に供給されて、所定ピッチで3本同時に撚り合わされる。
【0025】
こうして図3に示す断面形状の芯ストランド19が得られる。この芯ストランド19は、撚り合わされる前に全スチールフィラメント18に未加硫ゴム20が被覆され、これらの未加硫ゴム20が被覆されたフィラメントが撚り合わされることにより、図3に示すように、ストランド中心部21に未加硫ゴム20が充填され、また、周囲が未加硫ゴム20で被覆された形状となる。
【0026】
この芯ストランド19は一旦リールに巻き取られる。そして、次工程において、図2に示すように、芯ストランド19と、外層フィラメントとする9本のスチールフィラメント22が、芯ストランド19の周りを9本の外層フィラメントが取り巻く配置で平行に繰り出され、バンチャー撚線機17の撚口に向けて供給される。そして、芯ストランド19と外層の9本のスチールフィラメント22は線分け装置15で分けられて集合ボイス16に送られ、集合ボイス16で集合し、バンチャー撚線機17に供給されて、芯ストランド19の周りに外層の9本のスチールフィラメント22が撚り合わされる。
【0027】
こうして図4に断面形状を示す2層構造のエラストマー複合スチールコード23が得られる。このエラストマー複合スチールコード23は、芯ストランド19が、上述のようにストランド中心部21に未加硫ゴム20が充填され、周囲が未加硫ゴム20で被覆された形状であって、その周りに外層フィラメントとする9本のスチールフィラメント22が撚り合わされることにより、それら外層のスチールフィラメント22の内側(芯ストランドとの間)の空隙が未加硫ゴム20で埋まったものとなる。
【0028】
このエラストマー複合スチールコード23は、例えばタイヤ補強材としてタイヤ成形時にタイヤ本体のゴムに埋め込まれるもので、その場合、コアフィラメントとするスチールフィラメント18に被覆される未加硫ゴム20は、タイヤゴムと同質のものが用いられる。そして、その未加硫ゴム20は、タイヤ成形(加硫)時に加硫化され、コード内部の空隙が完全にゴムで埋まる。そのため、フレッティング摩耗を生じず、水分等によるコード内部からの腐食を防止して、スチールコードの耐疲労性を改善し、タイヤ等のゴム製品の寿命を延ばすことができる。また、コード内部の空隙が埋まるため、タイヤ成形時にゴム中に持ち込まれる空気の量が少なく、安定したタイヤの製造が可能で、加硫時間を短縮しエネルギーロスを低減することが可能となる。
【0029】
なお、この図示した実施の形態は、3+9構造の場合を示すものであるが、芯ストランドを2〜4本のスチールフィラメントで形成する他の2度撚り2層構造の場合も同様に実施できる。
【0030】
5は、参考例のエラストマー複合スチールコードの製造工程を示している。この例は、3/9構造のエラストマー複合スチールコードを製造する場合である。図5において、24は未加硫ゴム被覆装置、25および26は線分け装置、27は集合ボイス、28はバンチャー撚線機で、いずれも装置自体は従来公知のものである。
【0031】
この例では、コアフィラメントとする3本のスチールフィラメント29と、外層フィラメントとする9本のスチールフィラメント30が、コアフィラメントとする3本のスチールフィラメント29が内側で、外側を外層フィラメントとする9本のスチールフィラメント30が取り巻く配置で同時平行に繰り出され、バンチャー撚り線機28の撚口に向けて供給される。そして、その供給の途中で、コアフィラメントとする3本のスチールフィラメント29は、未加硫ゴム被覆装置24でそれぞれフィラメント周囲に未加硫ゴムが被覆され、前段の線分け装置25を経て後段の線分け装置26で集合する。また、外層のスチールフィラメント30は後段の線分け装置26に直接送られる。そして、集合した未加硫ゴム被覆のスチールフィラメント29と外層の9本のスチールフィラメント30は後段の線分け装置26で分けられて集合ボイス27に送られ、集合ボイス27で集合して、バンチャー撚線機28に供給されて、コアフィラメント同士、また、外層フィラメントが、同一方向、同一ピッチで撚り合わされる。
【0032】
こうして図6に断面形状を示す2層構造のエラストマー複合スチールコード31が得られる。このエラストマー複合スチールコード31は、コアフィラメントとする3本のスチールフィラメント29の全てのフィラメント周囲に予め未加硫ゴムが被覆され、それらが外層フィラメントとする9本のスチールフィラメント30と一度に撚り合わされることによって、中心部およびその周囲の各フィラメント間の空隙が密閉状態で、その密閉状態の空隙に未加硫ゴム32が充填されたものとなる。
【0033】
このエラストマー複合スチールコード31は、やはり、例えばタイヤ補強材としてタイヤ成形時にタイヤ本体のゴムに埋め込まれるもので、その場合、コアフィラメントとするスチールフィラメント29に被覆される未加硫ゴム32は、タイヤゴムと同質のものが用いられる。そして、その未加硫ゴム32は、タイヤ成形(加硫)時に加硫化され、コード内部の空隙が完全にゴムで埋まる。そのため、フレティング摩耗を生じず、水分等によるコード内部からの腐食を防止して、スチールコードの耐疲労性を改善し、タイヤ等のゴム製造の寿命を延ばすことができる。また、1度撚りの2層構造であってもコード内部の空隙が完全にゴムで埋まるため、タイヤ成型時にゴム中に持ち込まれる空気の量が少なく、安定したタイヤの製造が可能で、加硫時間を短縮しエネルギーロスを低減することが可能となる。
【0034】
なお、この図示した参考例は、3/9構造の場合を示すものであるが、複数本のスチールフィラメントをコアフィラメントとする他の1度撚り2層構造の場合も同様である
【0035】
本発明は、タイヤ補強用以外のスチールコードの製造方法にも適用できることは勿論である。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、2度撚り2層構造のスチールコードの場合に、中心部の空隙はもとより、外層のスチールフィラメントの内側(芯ストランドとの間)の空隙に未加硫ゴムが充填されたエラストマー複合スチールコードが得られ、このエラストマー複合スチールコードをタイヤ補強用等に使用したときに、コード内部の空隙が完全にゴムで埋まり、フレッティング摩耗を生じず、水分等によるコード内部からの腐食を防止して、スチールコードの耐疲労性を改善することができ、タイヤ成型時にゴム中に持ち込まれる空気の量が少なくなるために、安定したタイヤの製造が可能で、加硫時間を短縮しエネルギーロスを低減することが可能となる。
【0037】
そして空隙を埋める材質をタイヤ等のゴムと同質とすることができるため、フィラメントとの接着性も全く問題がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態において芯ストランドを製造する工程の概略図である。
【図2】 本発明の実施の形態において芯ストランドの周りに外層フィラメントを撚り合わせる工程の概略図である。
【図3】 本発明の実施の形態における芯ストランドの断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の製造方法により得られたエラストマー複合スチールコードの断面図である。
【図5】 参考例のエラストマー複合スチールコードの製造工程の概略図である。
【図6】 参考例の製造方法により得られたエラストマー複合スチールコードの断面図である。
【図7】 従来の2度撚り2層構造のスチールコードの断面図である。
【図8】 従来の1度撚り2層構造のスチールコードの断面図である。
【符号の説明】
11 未加硫ゴム被覆装置
12 線分け装置
13 集合ボイス
14 バンチャー撚線機
15 線分け装置
16 集合ボイス
17 バンチャー撚線機
18 スチールフィラメント(コアフィラメント)
19 芯ストランド
20 未加硫ゴム
21 ストランド中心部
22 スチールフィラメント(外層フィラメント)
23 エラストマー複合スチールコード(2度撚り)
24 未加硫ゴム被覆装置
25 線分け装置
26 線分け装置
27 集合ボイス
28 バンチャー撚線機
29 スチールフィラメント(コアフィラメント)
30 スチールフィラメント(外層フィラメント)
31 エラストマー複合スチールコード(1度撚り)
32 未加硫ゴム

Claims (2)

  1. コアフィラメントとする2〜4本のスチールフィラメントの全てのフィラメント周囲に未加硫ゴムを被覆した後、それら2〜4本の全スチールフィラメントを同時に撚り合わせて、ストランド中心部に未加硫ゴムが充填されるとともに周囲が未加硫ゴムで被覆された芯ストランドとなし、次いで、その芯ストランドの周りに外層フィラメントとする複数本の未加硫ゴムが被覆されていないスチールフィラメントを撚り合わせることにより、それら外層のスチールフィラメントの内側の前記芯ストランドとの間の空隙が未加硫ゴムで埋まった2層構造のエラストマー複合スチールコードとすることを特徴とするエラストマー複合スチールコードの製造方法。
  2. 上記未加硫ゴムはタイヤのゴムと同質であることを特徴とする請求項1記載のエラストマー複合スチールコードの製造方法。
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