JP4354786B2 - インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
静電式のインクジェット記録方式においては、インクとして、帯電した色材粒子を分散媒に分散してなるインク組成物(以下、単にインクという)を使用し、このインクをインクタンクからインクジェットヘッドに供給し、インクジェットヘッドに形成されている多数の吐出部から、微小なインク液滴として吐出する。インクを吐出部から吐出させる際には、インクジェットヘッドの各吐出部に設けられた電極に所定の電圧を印加する。これにより各吐出部に静電力が発生し、その静電力によって吐出部にインク内の色材粒子が高濃度化するとともに、高濃度化した色材粒子を含むインク液滴が記録媒体に向かって飛翔し、記録媒体上に着弾する。こうして記録媒体上に所望の画像を記録する。
インク濃度を検出し、検出したインク濃度に基づいて高濃度インクを補充する記録装置として、例えば、下記特許文献1には、パイプを通過するインク中のトナー粒子の量を磁気的または光学的手段を用いて検出して、トナー粒子量が十分な印字濃度を実現させる量かどうかを判断し、トナー粒子量が少ない、すなわち、十分な印字濃度では無い場合に、トナー粒子を補充する静電式インクジェット記録装置が開示されている。
また、前記既知インク濃度のインクは、インク交換の際に前記インク流路に流される低インク濃度の希釈液であることが好ましい。
また、前記洗浄液は、インク中の前記色材粒子のキャリア液であることが好ましい。
また、前記洗浄液は、インク中の前記色材粒子を含まない希釈液であることが好ましい。
搬送手段14は、記録媒体Pを静電吸着し、給紙トレイ24から排出トレイ28まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ローラ対30と、搬送ベルト32と、ベルトローラ34a、34b、34cと、導電性プラテン36と、記録媒体Pの帯電装置38および除電装置40と、分離爪42と、ガイド44と、定着ローラ対46とを備えている。
記録手段16は、静電力により、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録するものであり、インクジェットヘッド56と、ヘッドドライバ58と、インク循環系60と、記録媒体Pの位置測定装置62とを備えている。
インク温度管理手段138は、周囲の温度変化によりインクの物性が変化することを防止するために設けられる。インク温度制御手段138としては、例えば、ヒータ、ペルチェ素子などの発熱素子、冷却素子を用いることができる。
まず、前述の洗浄装置140を作動させて、供給路102及びインクジェットヘッド56の内部にクリーニング液(洗浄液)を供給する。このとき、供給路102の内壁に固着している色材粒子は完全には除去されず、供給路102の内壁に付着したままとなる。洗浄開始後、供給路102にクリーニング液を供給しながら濃度検出部112で洗浄状態での供給路102のインク濃度(第2インク濃度)を検出する。図7に、洗浄を開始してからの時間に対するインク濃度の検出値の変化の様子を示す。図7に示すように、一定時間経過しても、検出値はゼロとはならず、所定の値で飽和する。これは、供給路102の内壁に固着している色材粒子が、インク濃度成分として検出されていることを示している。したがって、この飽和した検出値、すなわち、洗浄状態での検出値が、供給路の内壁に固着している色材粒子(汚れ)の濃度成分であるため、この検出値を、インク濃度を補正するためのベースラインとして濃度補正部114のメモリ124に記憶する。
まず、供給路102に、インク濃度が既知のインクを流して、濃度検出部112で供給路102の外側から供給路102を流れるインクの濃度を検出し、その検出値を濃度補正部114のメモリ124に記憶する。このとき流したインクの既知の濃度もメモリ124に記憶しておく。演算部126において、既知のインク濃度値と、濃度検出値で検出された検出値とを比較する。このとき、供給路102の内壁に色材粒子が固着していないのであれば、濃度検出部112で検出された検出値は、既知のインク濃度と一致する。したがって、この場合は、濃度検出部112で検出された検出値をインク濃度として算出する。
また、本実施形態では、供給路102上に濃度検出装置110の濃度検出部112を設けたが、これに限定されず、インクジェットヘッドにインクが供給される部分であれば任意の場所に濃度検出装置を設けることができる。例えば、インク回収路上に濃度検出装置を設けてもよい。
記録媒体Pの位置測定装置62は、フォトセンサ等の従来公知の位置測定手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、帯電装置38とインクジェットヘッド56との間の位置で、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。
溶媒回収手段18は、インクジェットヘッド56から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発するキャリア液や、画像の定着時にインクから蒸発するキャリア液等を回収するもので、活性炭フィルタ68と、排出ファン70とを備えている。活性炭フィルタ68は、筐体22の上蓋の裏面に取り付けられ、排出ファン70は、活性炭フィルタ68の上に取り付けられている。
前述のように、本発明で用いるインクQ(インク組成物)は、色材粒子(色材を含み、かつ、帯電した微粒子)をキャリア液に分散してなるものである。
また、インクQ中には、色材粒子ともに、印刷後の画像の定着性を向上させるための分散樹脂粒子を、適宜、含有させてもよい。
なお、このような誘電性液体の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。誘電性液体の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
その結果、普通紙を初めとして、非吸収性のフィルム(例えばPETフィルム等)などの種々の記録媒体Pに画像を記録することができ、また、記録媒体P上で、滲みや流動を生じることなく、種々の記録媒体に対して、高画質な画像を得ることができる。
本発明の静電式インクジェット記録装置及び記録方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
12 保持手段
14 搬送手段
16 記録手段
18 溶媒回収手段
20 高電圧装置の制御手段
22 筐体
22a 上蓋
24 給紙トレイ
26 フィードローラ
28 排出トレイ
30 搬送ローラ対
31a、31b、31c 搬送ローラ
32 搬送ベルト
34a、34b、34c ベルトローラ
36 導電性プラテン
38 帯電装置
40 除電装置
42 分離爪
44,44a、44b、44c ガイド
46 定着ローラ対
48 スコロトロン帯電器
50,54 高圧電源
52 コロトロン除電器
56 インクジェットヘッド
58 ヘッドドライバ
60 インク循環系
62 位置検出装置
64 インクタンク
66 インクの供給路および回収路
68 活性炭フィルタ
70 排出ファン
72 検知装置
74 制御装置
80 吐出ヘッド
82 ヘッド基板
84 インクガイド
84a インクガイドの先端部分
86 絶縁性基板
88,90 制御電極
92 浮遊導電板
94a,94b,94c 絶縁層
96 ガード電極
98 貫通孔
100 インク流路
110 濃度検出装置
112 濃度検出部
114 濃度補正部
116 光源
118 検出器
124 メモリ
126 演算部
P 記録媒体
Q インク
R インク液滴
Claims (11)
- 帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を検出するインク濃度検出方法であって、
前記インクが流れるインク流路に所定インク濃度のインクが流れている運転状態における前記インク流路の第1インク濃度を検出する工程と、
前記インク流路に洗浄液を流して前記インク流路を洗浄した後、又は、前記インク流路に既知インク濃度のインクを流している状態で、前記インク流路の第2インク濃度を検出する工程と、
前記第1インク濃度及び第2インク濃度に基づいて、前記運転状態における前記インク流路内のインク濃度を算出する工程と、
を有するインク濃度検出方法。 - 前記既知インク濃度のインクは、インク交換の際に前記インク流路に流される所定濃度のフレッシュインクである請求項1に記載のインク濃度検出方法。
- 前記既知インク濃度のインクは、インク交換の際に前記インク流路に流される低インク濃度の希釈液である請求項1に記載のインク濃度検出方法。
- 前記洗浄液は、インク中の前記色材粒子のキャリア液である請求項1〜3のいずれかに記載のインク濃度検出方法。
- 前記洗浄液は、インク中の前記色材粒子を含まない希釈液である請求項1〜3のいずれかに記載のインク濃度検出方法。
- 帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を補正するインク濃度補正方法であって、
請求項1〜5のいずれかに記載のインク濃度検出方法によって検出したインク濃度に基づいて、前記インクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を補正することを特徴とするインク濃度補正方法。 - 帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェット吐出手段と、
該インクジェット吐出手段にインクを供給されるインク供給手段と、
該インク供給手段のインク流路、又は前記インク供給手段と前記インクジェット吐出手段との間のインク流路に設けられ、前記色材粒子の濃度であるインク濃度を検出する検出手段と、
該検出手段によって検出された、前記インク流路における運転状態での検出値を、洗浄液による前記インク流路における洗浄状態での検出値、又は既知インク濃度のインクの使用状態での検出値に基づいて補正するインク濃度補正手段
とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記検出手段における前記洗浄状態での検出値は、前記インク流路に前記洗浄液を流している時、又は前記洗浄液を流した後に、前記検出手段によって検出された検出値であり、前記既知インク濃度のインクの使用状態での検出値は、インク交換時に前記インク流路にインク濃度が既知のインクを流している時に、前記検出手段によって検出された検出値である請求項7に記載のインクジェット記録装置。
- 請求項7又は8に記載のインクジェット記録装置であって、
さらに、前記インク流路を前記洗浄液で洗浄する洗浄手段を有するインクジェット記録装置。 - 前記検出手段は、光学的に前記インク流路にインク濃度を検出するものである請求項7〜9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク流路は管状部材から構成され、前記検出手段は、前記管状部材の外側から光学的に前記インク流路のインク濃度を検出するものである請求項7〜10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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