JP4354786B2 - インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4354786B2
JP4354786B2 JP2003398896A JP2003398896A JP4354786B2 JP 4354786 B2 JP4354786 B2 JP 4354786B2 JP 2003398896 A JP2003398896 A JP 2003398896A JP 2003398896 A JP2003398896 A JP 2003398896A JP 4354786 B2 JP4354786 B2 JP 4354786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
density
flow path
concentration
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003398896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005153454A (ja
Inventor
雄祐 中沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2003398896A priority Critical patent/JP4354786B2/ja
Priority to US10/995,378 priority patent/US7182420B2/en
Publication of JP2005153454A publication Critical patent/JP2005153454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4354786B2 publication Critical patent/JP4354786B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/1707Conditioning of the inside of ink supply circuits, e.g. flushing during start-up or shut-down
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/195Ink jet characterised by ink handling for monitoring ink quality

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、インクジェット記録装置においてインクジェットヘッドに供給されるインクのインク濃度を検出する方法、並びにこの方法を好適に利用するインクジェット記録装置に関する。
インクを記録媒体に飛翔させて記録媒体に所望の画像を記録するインクジェット記録方式の一種として静電式のインクジェット記録方式が知られている。
静電式のインクジェット記録方式においては、インクとして、帯電した色材粒子を分散媒に分散してなるインク組成物(以下、単にインクという)を使用し、このインクをインクタンクからインクジェットヘッドに供給し、インクジェットヘッドに形成されている多数の吐出部から、微小なインク液滴として吐出する。インクを吐出部から吐出させる際には、インクジェットヘッドの各吐出部に設けられた電極に所定の電圧を印加する。これにより各吐出部に静電力が発生し、その静電力によって吐出部にインク内の色材粒子が高濃度化するとともに、高濃度化した色材粒子を含むインク液滴が記録媒体に向かって飛翔し、記録媒体上に着弾する。こうして記録媒体上に所望の画像を記録する。
静電式のインクジェット記録方式では、上述したように、インク中に含まれる色材粒子を静電力により吐出部に高濃度化しているため、インクの吐出を繰り返すことによってインク中に含まれる色材粒子が減少していく。このように、インク内の帯電した色材粒子量が減少すると、静電力による色材粒子の高濃度化が起こりにくくなって、吐出口からインク液滴が吐出される頻度が低下し、所望の画像を形成することができなくなる恐れがある。このため、通常は、高濃度のインクをインクタンクに適宜補充してインク濃度が一定になるように調整している。
インク濃度を検出し、検出したインク濃度に基づいて高濃度インクを補充する記録装置として、例えば、下記特許文献1には、パイプを通過するインク中のトナー粒子の量を磁気的または光学的手段を用いて検出して、トナー粒子量が十分な印字濃度を実現させる量かどうかを判断し、トナー粒子量が少ない、すなわち、十分な印字濃度では無い場合に、トナー粒子を補充する静電式インクジェット記録装置が開示されている。
特許第2834100号公報
ところが、インク濃度を検出する装置を備える記録装置においては、インク濃度を検出するために用いられる検出素子又は検出セルなどの構成部品がインクと接触している。そのため、それら構成部品にインクが付着し、例えば、長期間経過した場合にはインクに含まれる色材粒子が構成部品に固着してしまう。これにより、実際にはインク濃度が低かったとしても、例えば、検出セルの内壁に固着した色材粒子の分だけインク濃度が高められて検出されてしまうという問題があった。このように、実際のインク濃度と、検出素子を用いて検出された検出値との間に違いが生じると、所望の濃度で記録媒体に画像を形成することができなくなり、画質が低下してしまう。
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、インクジェットヘッドに供給するインクのインク濃度を簡易に且つ正確に検出することができるインク濃度検出方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、インク濃度を正確に検出して所望の濃度で画像を形成することができるインクジェット記録装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を検出するインク濃度検出方法であって、前記インクが流れるインク流路に所定インク濃度のインクが流れている運転状態における前記インク流路の第1インク濃度を検出する工程と、前記インク流路に洗浄液を流して前記インク流路を洗浄した後、又は、前記インク流路に既知インク濃度のインクを流している状態で、前記インク流路の第2インク濃度を検出する工程と、前記第1インク濃度及び第2インク濃度に基づいて、前記運転状態における前記インク流路内のインク濃度を算出する工程とを有するインク濃度検出方法を提供する。
ここで、前記既知インク濃度のインクは、インク交換の際に前記インク流路に流される所定濃度のフレッシュインクであることが好ましい。
また、前記既知インク濃度のインクは、インク交換の際に前記インク流路に流される低インク濃度の希釈液であることが好ましい。
また、前記洗浄液は、インク中の前記色材粒子のキャリア液であることが好ましい。
また、前記洗浄液は、インク中の前記色材粒子を含まない希釈液であることが好ましい。
また、本発明は、帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を補正するインク濃度補正方法であって、上述のインク濃度検出方法によって検出したインク濃度に基づいて、前記インクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を補正することを特徴とするインク濃度補正方法を提供する。
また、本発明は、帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェット吐出手段と、該インクジェット吐出手段にインクを供給されるインク供給手段と、該インク供給手段のインク流路、又は前記インク供給手段と前記インクジェット吐出手段との間のインク流路に設けられ、前記色材粒子の濃度であるインク濃度を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された、前記インク流路における運転状態での検出値を、洗浄液による前記インク流路における洗浄状態での検出値、又は既知インク濃度のインクの使用状態での検出値に基づいて補正するインク濃度補正手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
ここで、前記検出手段における前記洗浄状態での検出値は、前記インク流路に前記洗浄液を流している時、又は前記洗浄液を流した後に、前記検出手段によって検出された検出値であり、前記既知インク濃度のインクの使用状態での検出値は、インク交換時に前記インク流路にインク濃度が既知のインクを流している時に、前記検出手段によって検出された検出値であることが好ましい。
ここで、前記インク流路を前記洗浄液で洗浄する洗浄手段を有することが好ましい。
また、ここで、前記検出手段は、光学的に前記インク流路にインク濃度を検出するものであることが好ましく、前記インク流路は管状部材から構成され、前記検出手段は、前記管状部材の外側から光学的に前記インク流路のインク濃度を検出するものであることが好ましい。
本発明のインク濃度検出方法は、インク供給部に固着する色材粒子に起因する濃度成分を求め、インク供給部から検出されるインク濃度を、色材粒子に起因する濃度成分に基づいて補正するため、インク供給部に存在するインクのインク濃度を常に正確に求めることができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インク濃度補正手段によって運転状態におけるインク流路のインク濃度を検出し、検出された運転状態での検出値を、洗浄状態での検出値または既知インク濃度のインクの使用状態での検出値に基づいて補正するので、インク流路のインクのインク濃度を正確に求めることができる。それゆえ、インクジェットヘッドに供給されるインクのインク濃度を正確に管理することができる。その結果、常に一定濃度のインクをインクジェットヘッドから長期にわたって安定して吐出することが可能となり、高画質の画像を長期間安定して記録することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク濃度検出方法により検出されたインク濃度に基づいて、インクジェットヘッドに供給するインクのインク濃度を調整するので、常に一定のインク濃度で記録を行うことができる。これにより、極めて高画質な画像を長期にわたって安定して記録媒体に形成することができる。
以下、本発明のインクジェット記録装置について、添付の図面に示される好適な態様を基に、詳細に説明する。
図1は、本発明の静電式インクジェット記録装置の実施形態の構成概略図である。同図に示す静電式インクジェット記録装置10は、静電力により、帯電した微粒子を含むインクの吐出を制御し、記録媒体(記録用紙)P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録するインクジェット記録装置である。インクジェット記録装置10は、記録媒体Pの保持手段12と、搬送手段14および記録手段16と、溶媒回収手段18と、筐体22と、濃度検出装置110とを備えている。
記録媒体Pの保持手段12は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ24と、フィードローラ26と、記録後の記録媒体Pを保持する排出トレイ28とを備えている。
給紙トレイ24は、その先端部が給紙トレイ24の装着部(図中筐体22の左面下部)の内部に挿入され、装着部の所定位置に着脱可能なものである。給紙トレイ24が装着部に完全に装着された状態では、その挿入方向の先端部が装着部の奥端部に接触し、給紙トレイ24の後端部は筐体22の外部に突出した状態で装着される。また、フィードローラ26は、給紙トレイ24の装着部の奥部近傍に配置されている。
給紙トレイ24内には、記録前の記録媒体Pが複数枚積層されてストックされる。画像の記録時には、フィードローラ26により、記録媒体Pが給紙トレイ24から1枚ずつ取り出され、記録媒体Pの搬送手段14に供給される。
排出トレイ28は、記録媒体Pの排出部(図中筐体22の左面の中央部)の近傍に、その先端部側(記録媒体Pの搬送方向側)が筐体22の外部に位置し、その後端部側が筐体22の内部に位置するように配設されている。また、排出トレイ28は、その先端部が後端部よりも低くなるように、所定の傾斜角度で配設されている。
記録後の記録媒体Pは、搬送手段14により搬送されて排出部から排出され、排出トレイ28内に順次積層されてストックされる。
続いて、記録媒体Pの搬送手段14について説明する。
搬送手段14は、記録媒体Pを静電吸着し、給紙トレイ24から排出トレイ28まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ローラ対30と、搬送ベルト32と、ベルトローラ34a、34b、34cと、導電性プラテン36と、記録媒体Pの帯電装置38および除電装置40と、分離爪42と、ガイド44と、定着ローラ対46とを備えている。
搬送ローラ対30は、記録媒体Pの搬送経路上の、フィードローラ26と搬送ベルト32との間の位置に設けられている。
フィードローラ26により給紙トレイ24から取り出された記録媒体Pは、この搬送ローラ対30により挟持搬送され、搬送ベルト32上の所定の位置に供給される。
記録媒体Pの帯電装置38は、スコロトロン帯電器48と、負の高圧電源50とを備えている。スコロトロン帯電器48は、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ローラ対30と記録手段16との間の位置で、搬送ローラ対30により、記録媒体Pが供給される位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。また、負の高圧電源50の負側の端子はスコロトロン帯電器48に接続され、その正側の端子は接地されている。
記録媒体Pの表面は、負の高圧電源50に接続されたスコロトロン帯電器48により所定の負の高電位に均一に帯電され、常に一定のDCバイアス電圧(例えば、約−1.5kV)が印加された状態となる。これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト32の絶縁性を有する表面上に静電吸着される。
搬送ベルト32は、リング状のエンドレスベルトであり、3つのベルトローラ34a、34b、34cによって三角形状に張架されている。また、記録手段16に対向する位置にある搬送ベルト32の内側には、平板状の導電性プラテン36が配置されている。
搬送ベルト32は、記録媒体Pが静電吸着される側の面(表面)が絶縁性、ベルトローラ34a、34b、34cと接触する側の面(裏面)が導電性のものである。ベルトローラ34bは接地されており、従って、搬送ベルト32の裏面を介してベルトローラ34a、34c及び導電性プラテン36も接地される。これにより、記録手段16に対向する位置の搬送ベルト32は、インクジェットヘッドの対向電極として機能する。
ベルトローラ34a、34b、34cのうちの少なくとも1つは図示していない駆動源に接続されており、記録時には、所定の速度で回転駆動される。これにより、搬送ベルト32は、記録時に図中の矢印方向に移動される。従って、記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに移動され、記録手段16の前を搬送される。
記録媒体Pの除電装置40は、コロトロン除電器52と、高圧電源54とを備えている。コロトロン除電器52は、記録媒体Pの搬送経路上の、記録手段16と分離爪42との間の位置で、記録後の記録媒体Pが搬送される位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。また、高圧電源54の一端はコロトロン除電器52に接続され、他端は接地されている。
記録後の記録媒体Pは、高圧電源54に接続されたコロトロン除電器52により除電される。これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト32から分離されやすくなる。
また、分離爪42、ガイド44、及び定着ローラ対46は、記録媒体Pの搬送経路上の、除電装置40の下流側にこの順に配置されている。
除電装置40により除電された記録媒体Pは、分離爪42により搬送ベルト32上から分離され、ガイド44に沿って定着ローラ対46に供給される。定着ローラ対46は、ヒートローラを備えるローラ対であり、記録媒体Pは、定着ローラ対46により挟持搬送されつつ、その上に記録された画像は、接触加熱され定着される。定着後の記録媒体Pは排出部から排出され、排出トレイ28内に順次積層されてストックされる。
続いて、記録媒体Pの記録手段16について説明する。
記録手段16は、静電力により、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録するものであり、インクジェットヘッド56と、ヘッドドライバ58と、インク循環系60と、記録媒体Pの位置測定装置62とを備えている。
インクジェットヘッド56は、同時に1行分の画像を記録することが可能なフルラインヘッドであり、フルカラー画像を記録するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色の吐出ヘッドを備えている。
ここで、帯電した着色微粒子を含むインクの吐出を静電力により制御する方式の静電式インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドの具体的なヘッド構造を図2〜図4に示す。
図2は、図1に示すインクジェットヘッド56で使用されている各色の吐出ヘッド80の一実施形態の概略構成を示す模式的部分斜視図である。また、図3(a)は、図2に示す吐出ヘッド80の一部を示す模式的断面図であり、図3(b)は、図3(a)のIV−IV線切断面図である。図4(a)、図4(b)および図4(c)は、それぞれ図3(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図(貫通孔部分を除く)である。
これらの図に示す吐出ヘッド80は、2層電極構造の制御電極を持つ静電式インクジェットであって、帯電された顔料等の着色微粒子(例えば、トナー等の微粒子)を含むインクQを、静電力により吐出させて、画像データに応じた画像を記録媒体P上に記録するものであり、ヘッド基板82と、インクガイド84と、絶縁性基板86と、制御電極を構成する第1制御電極88および第2制御電極90と、浮遊導電板92とを備えている。吐出ヘッド80は、対向電極となる記録媒体Pを支持する搬送ベルト32と対向するように配置されている。
図示例の吐出ヘッド80において、制御電極は、絶縁性基板86を挟むように、図中上面に配置される第1制御電極88と下面に配置される第2制御電極90との2層電極構造としている。
図示例の吐出ヘッド80は、さらに、第2制御電極90の下方(下面)を覆う絶縁層94aと、第1制御電極88の上方(上面)を覆う絶縁層94bと、第1制御電極88の上方に絶縁層84bを介して配置されるシート状のガード電極96と、ガード電極96の上面を覆う絶縁層94cとを備えている。
図示例の吐出ヘッド80においては、インクガイド84は、突状先端部分84aを持つ所定厚みの絶縁性樹脂製平板からなり、吐出部毎にヘッド基板82の上に配置されている。また、絶縁層94a、 絶縁性基板86、絶縁層94bおよび94cの積層体には、インクガイド84の配置に対応する位置に貫通孔98が開孔されている。この貫通孔98には、 絶縁層94a側からインクガイド84が挿入され、 インクガイド84の先端部分84aは、絶縁層94cから突出している。なお、インクガイド84の先端部分84aには、インクQの供給およびインクQ内の帯電着色微粒子の先端部分84aへの濃縮を促進するために、インク案内溝となる切り欠きを図中上下方向に形成しても良い。
なお、インクガイド84の先端部分84aは、記録媒体P(搬送ベルト32)側へ向かうに従って次第に細く略三角形(ないしは台形)に成形されている。また、インクガイド84の、インクQが吐出される先端部分(最先端部)84aには、金属が蒸着されているのが好ましい。インクガイド84の先端部分84aの金属蒸着はされていなくても良いが、この金属蒸着により、インクガイド84の先端部分84aの誘電率が実質的に大きくなり、強電界を生じさせやすくできるという効果があるので、金属蒸着を行うのが好ましい。なお、インクガイド84の形状は、インクQ、特に、インクQ内の帯電着色粒子を絶縁性基板86の貫通孔98を通って先端部分84aに濃縮させることができれば、特に、制限的ではなく、例えば、先端部分84aは、突状でなくても良いなど適宜変更してもよく、従来公知の形状とすることができる。
ヘッド基板82と絶縁層94aとは、所定間隔離間して配置されており、両者の間には、インクガイド84にインクQを供給するためのインクリザーバ(インク室)として機能するインク流路100が形成されている。なお、インク流路100内のインクQは、第1制御電極88および第2制御電極90に印加される電圧と同極性に帯電した着色微粒子を含み、記録時には、インク循環系60(図1参照)によって、所定方向、図3に示す例ではインク流路100内を右側から左側(図中矢印a方向)へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下、インク中の着色微粒子が正帯電している場合を例にとって説明を行う。
第1制御電極88および第2制御電極90は、図2に示すように、絶縁性基板86に開孔された貫通孔98の周囲を囲むように、絶縁性基板86の図中上側、すなわち記録媒体P側の表面に、吐出部毎にリング状に、すなわち円形電極として配置されている。なお、第1制御電極88および第2制御電極90の電極形状は、円形電極に限定されず、略円形であっても、分割円形電極であっても、平行電極または略平行電極であっても良い。このような第1制御電極88および第2制御電極90は、2層電極構造に構成され、マトリクス状に配置される。ここで、行方向(例えば、主走査方向)に配置された複数の第1制御電極88は相互に接続され、列方向(例えば、副走査方向)に配置された複数の第2制御電極90は相互に接続される。
ここで、一つの第1制御電極88の行を高電圧レベルまたはフローティング(ハイインピーダンス)状態とし、一つの第2制御電極90の列を高電圧レベルとして、一つの行と一つの列とをともにオン状態にすることにより、両者(行と列)が交差する1つの吐出部をオン状態にして、この吐出部からのインクの吐出を行うことができる。なお、この時、これらの第1および第2制御電極88および90の一方が接地レベルの場合にはインクは吐出しない。このように、マトリクス状に配置される第1制御電極88および第2制御電極90をマトリクス駆動することができる。従って、第1および第2制御電極88および90を駆動するヘッドドライバ58(図1参照)の数を大幅に減らすことができ、ヘッドドライバ58の構成をコンパクトにし、その実装面積を削減することができる。
一方、インクガイド84と対向する位置には、インク中の帯電した着色微粒子と極性が反対となる電圧に帯電された記録媒体Pが、搬送ベルト32に保持されて配置される。上述したように、本実施形態において、記録媒体Pは負の高電圧に帯電されている。また、搬送ベルト32の記録媒体Pを保持する面は絶縁性のフッ素樹脂面であり、裏面は導電性の金属面であり、この金属面が導電性のベルトローラ34bを介して接地されている(図1参照)。
浮遊導電板92は、インク流路100の下方に配置され、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)となっている。図示例では、ヘッド基板82の内部に配置されている。
この浮遊導電板92は、画像の記録時に、吐出部に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧が発生し、インク流路100内のインクQにおいて、その着色微粒子を絶縁性基板86側へ泳動させて濃縮させるためのものである。従って、浮遊導電板92は、インク流路100よりもヘッド基板82側に配置される必要がある。また、浮遊導電板92は、吐出部の位置よりもインク流路100の上流側に配置される方が好ましい。この浮遊導電板92により、インク流路100内の上層の帯電着色微粒子の濃度を高めるため、絶縁性基板86の貫通孔98を通過するインクQ内の帯電着色微粒子の濃度を所定濃度に高めることができ、インクガイド84の先端部分84aに濃縮させて、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の帯電着色微粒子の濃度を所定濃度に安定させることができる。
以上のように構成される2層電極構造の制御電極を持つ本実施形態の吐出ヘッド80においては、例えば、第2制御電極90に、常時、所定の電圧、例えば600Vを印加し、第1制御電極88を、画像データに応じて接地状態(オフ状態)とハイインピーダンス状態(オン状態)とに切り換えることにより、それぞれ第2制御電極90に印加される高電圧レベルと同極性に帯電した顔料等の着色微粒子を含むインクQ(インク液滴R)の吐出/非吐出を制御することができる。すなわち、吐出ヘッド80では、第1制御電極88が接地レベルの状態(オフ状態)では、インクガイド84の先端部分84a近傍の電界強度が低く、インクQはインクガイド84の先端部分84aからは飛び出さず、第1制御電極88がハイインピーダンス状態(オン状態)になると、インクガイド84の先端部分84a近傍の電界強度が高くなり、インクガイド84の先端部分84aに濃縮したインクQは静電力によって先端部分84aから飛び出す。このとき、条件を選ぶことによって更に濃縮を行うこともできる。
このような2層電極構造においては、第1制御電極88をハイインピーダンス状態と接地レベルとの間でスイッチングすることができるので、スイッチングのために大電力を消費しない。従って、本実施形態によれば、高精細かつ高速性が要求されるインクジェットヘッドにおいても、消費電力を大幅に削減することができる。
なお、第1制御電極88を、画像データに応じて、接地レベル(オフ状態)と高電圧レベル(オン状態)との間でスイッチングさせて、吐出/非吐出を制御してもよい。本実施形態の吐出ヘッド80では、第1制御電極88または第2制御電極90の一方が接地レベルの場合にはインクが吐出せず、第1制御電極88がハイインピーダンス状態または高電圧レベルで、かつ第2制御電極90が高電圧レベルの場合にだけインクが吐出する。
また、本実施形態では、画像信号に応じて、第1および第2制御電極88および90にパルス電圧を印加し、両電極ともに高電圧レベルとなった時に、インク吐出を行うようにしても良い。
なお、第1制御電極88または第2制御電極90のどちらかで、または、両方で、インク吐出/非吐出の制御を行うかは特に制限的ではないが、第1制御電極88または第2制御電極90の一方が接地レベルの場合には、インクQが吐出せず、第1制御電極88がハイインピーダンス状態または高電圧レベルで、かつ第2制御電極90が高電圧レベルの場合にだけインクQが吐出するようにするのが良い。
また、記録媒体Pを例えば−1.6kVに帯電し、第1制御電極88および第2制御電極90の何れか一方または両方が負の高電圧(例えば−600V)の時にはインクが吐出せず、第1制御電極88および第2制御電極90の両方が接地レベル(0V)の場合にだけインクが吐出するようにしても良い。
また、本実施形態によれば、吐出部を2次元的に配置し、マトリクス駆動するため、行方向の複数の吐出部を駆動する行ドライバおよび列方向の複数の吐出部を駆動する列ドライバの個数を大幅に削減することができる。従って、本実施形態によれば、2次元配列される吐出部の駆動回路の実装面積および消費電力を大幅に削減することができる。また、本実施形態によれば、各吐出部間を比較的余裕をもって配置することができるため、各吐出部間での放電の危険性を極めて低減することができ、高密度実装と高電圧を安全に両立させることができる。
なお、上述した静電吐出型吐出ヘッド80のように、第1および第2制御電極88および90からなる2層電極構造の制御電極を用いるものでは、吐出部を高密度に配置すると、隣接する吐出部間に電界干渉が生じることがある。このため、本実施形態のように、隣接するインクガイド84への電気力線を遮蔽するために、隣接する吐出部の第1制御電極88間に、ガード電極96を設けるのが好ましい。
ガード電極96は、隣接する吐出部の第1制御電極88の間に配置され、隣接する吐出部のインクガイド84の間に生じる電界干渉を抑制するためのものである。図4(a)、(b)および(c)は、それぞれ図3(b)のA−A線、B−B線およびC−C線矢視図である。図4(a)に示すように、ガード電極96は、全吐出部に共通な金属板などのシート状の電極であり、2次元的に配列されている各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第1制御電極88に相当する部分が穿孔されている(図3参照)。なお、本実施形態において、ガード電極96を設ける理由は、吐出部を高密度に配置すると、隣接する吐出部の電界の状態によって自分自身の吐出部の発生する電界が影響を受け、ドットサイズおよびドットの描画位置が乱れ、記録品質に悪影響を及ぼす場合があるからである。
ところで、ガード電極96の図中上側には、貫通孔98を除いて絶縁層94cによって覆われ、ガード電極96と第1制御電極88との間には、絶縁層94bが介在し、両電極96と88とを絶縁している。すなわち、ガード電極96は、絶縁層94cと絶縁層94bとの間に配置され、第1制御電極88は、絶縁層94bと絶縁性基板86との間に配置される。
すなわち、図4(b)に示すように、絶縁性基板86の上面には、従って、絶縁層94bと絶縁性基板86との間には、各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第1制御電極88が2次元的に配列されており、列方向の複数の第1制御電極88が相互に接続されている。
また、図4(c)に示すように、絶縁層94aの上面には、従って、絶縁性基板86の下面には、すなわち、絶縁層94aと絶縁性基板86との間には(図2参照)、各吐出部毎の貫通孔98の周囲に形成された第2制御電極90が2次元的に配列されており、行方向の複数の第2制御電極90が相互に接続されている。
また、本実施形態において、各吐出部の制御電極、例えば第1および第2制御電極88および90からのインク流路100方向への反発電界を遮蔽するために、第1および第2制御電極88および90の流路側にシールド電極を設置しても良い。
さらに、本実施形態の吐出ヘッド80においては、インク流路100の底面を構成すると共に、第1制御電極88および第2制御電極90に印加されるパルス電圧によって定常的に生じる誘導電圧により、インク流路100内の正に帯電したインク粒子(荷電粒子、すなわち帯電微粒子)を上方へ向けて(すなわち記録媒体P側に向けて)泳動させる浮遊導電板92が設けられている。また、浮遊導電板92の表面には、電気絶縁性である被覆膜(図示せず)が形成されており、インクへの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化することを防止する。絶縁性被覆膜の電気抵抗は、1012Ω・cm以上が望ましく、より望ましくは1013Ω・cm以上である。また、絶縁性被覆膜は、インクに対して耐腐食性であることが望ましく、これにより浮遊導電板92がインクに腐食されることが防止される。また、浮遊導電板92は、下方から絶縁部材で覆われており、このような構成により、浮遊導電板92は、完全に電気的絶縁浮遊にされている。
浮遊導電板92は、吐出ヘッドの1ユニットにつき1個以上である(例えば、C、M、Y、Kの4つの吐出ヘッドがあった場合、浮遊導電板数は最低各1個ずつ有し、CとMの吐出ヘッドユニット間で共通の浮遊導電板とすることはない)。
上述した実施形態においては、第1および第2制御電極88および90として、吐出部毎に円形電極等を設け、それぞれ行および列方向に接続しているが、本発明はこれに限定されず、全ての吐出部を独立にして、個々に駆動するようにしても良いし、第1および第2制御電極88および90の一方を全ての吐出部に共通のシート状電極(貫通孔98部分は穿孔されている)としても良い。
また、上記実施形態においては、制御電極を第1および第2制御電極88および90の2層電極構造としているが、本発明はこれに限定されず、単層電極構造の制御電極としても良い。単層制御電極は、絶縁性基板86のどちらの表面に配置させても良いが、記録媒体P側に設けるのが好ましい。各色の吐出ヘッドは、例えば以上のような構成ものである。
それぞれの吐出ヘッドは、その吐出部の配列方向が、記録媒体Pの搬送方向に直交する方向と一致するように配置され、各色の吐出ヘッドは記録媒体Pの搬送方向に沿って一列に配置されている。また、それぞれの吐出ヘッドは、そのインクの吐出部が、導電性プラテン36が配置された位置の搬送ベルト32の表面に対向する位置に、搬送ベルト32上に静電吸着されて搬送されてくる記録媒体Pの表面と所定の一定間隔となるように配置されている。またそれぞれの吐出ヘッドの吐出部の配列方向は記録媒体Pの搬送方向と略並行に配置してもよい。この場合には吐出ヘッドを記録媒体Pの搬送方向と直交する方向に主走査しながら吐出を行い、その後に記録媒体Pを一定量のみ搬送することを繰り返すシリアルスキャンを行う。
前述の通り、対向電極となる搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pの表面は、記録媒体Pの帯電装置38により、所定の負の高電位に均一に帯電され、常に一定のDCバイアス電圧(約−1.5kV)が印加された状態である。また、各色の吐出ヘッドの吐出部の制御電極には、後述するインクジェットヘッド56印加用のパルス電圧印加装置(図示省略)により、記録時に画像データに応じたパルス電圧が印加される。
各色の吐出ヘッドでは、記録媒体Pに、常に一定のDCバイアス電圧(約−1.5kV)が印加された状態で、パルス電圧として、高電圧(400〜600V)が印加された場合にはインクの吐出が行われ、低電圧(0V)が印加された場合にはインクの吐出は行われない。各色の吐出ヘッドから吐出されたインクは、負の高電位に帯電された記録媒体Pに引っ張られて記録媒体P上に付着し、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
なお、本実施形態では、対向電極となる搬送ベルト32上に静電吸着された記録媒体Pの表面に、常に一定のDCバイアス電圧を印加し、制御電極には、記録時に画像データに応じたパルス電圧を印加しているが、対向電極側を接地し、後述するインクジェットヘッド56印加用のDCバイアス電圧印加装置により、各色の吐出ヘッドの吐出部の制御電極側に、常に一定のDCバイアス電圧(例えば、1.5kV)を印加するようにしてもよい。
インク循環系60は、図1に示すように、インクタンク64と、ポンプ(図示しない)と、インクの供給路102および回収路104とを有する。インクタンク66は、筐体22内部の底面上に配置され、インクの供給路102および回収路104を介してインクジェットヘッド56と接続されている。
インクタンク64内には、各色の帯電微粒子と、これを分散させるキャリア液とを含む4色のインクが保持されている。インクタンク64内の各色のインクは、図示しないポンプにより、インクの供給路102を介して、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドに供給される。また、画像記録に使用されなかった余分な各色のインクは、図示しないポンプにより、インクの回収路104を介して各色のインクタンク64内に回収される。
インクタンク64には、キャリア液補充タンク132と、高濃度インクタンク134とが接続されている。キャリア液補充タンク132には、後述するキャリア液が所定量充填されており、高濃度インクタンク134には、濃縮されたインクが所定量充填されている。インク補充量調整装置130は、後述する濃度検出装置110で検出されたインク濃度に基づいて、インクタンク64内のインクが所望のインク濃度になるように、キャリア液タンク132からのキャリア液の供給量と、高濃度インクタンク134からの高濃度インクの供給量の少なくとも一方を調整して、それらをインクタンク64に供給することができる。また、インク補充量調整装置130は、インクタンク64内のインク量が低下した場合には、キャリア液タンク132から供給するキャリア液の量と、高濃度インクタンク134から供給する高濃度インクの量を制御して、キャリア液と高濃度インクをインクタンク64に供給することができる。これにより、インク内の色材粒子の濃度を一定に保つことができ、滲みの発生、印刷画像の飛び若しくはかすれ、又はドット径の変化を抑制することができる。
また、インクタンク内には、図1に示すように、攪拌手段136及びインク温度管理手段138が設けられている。攪拌手段136は、インクに含まれる色材粒子などの固形成分がインクタンク64内で沈殿及び高濃度化することを抑制することができる。これにより、インクタンク64の清掃の必要性を低減することができる。攪拌手段136としては、例えば、回転羽、超音波振動子、循環ポンプなどを用いることができ、これらは組み合わせて用いることもできる。
インク温度管理手段138は、周囲の温度変化によりインクの物性が変化することを防止するために設けられる。インク温度制御手段138としては、例えば、ヒータ、ペルチェ素子などの発熱素子、冷却素子を用いることができる。
つぎに、インクの供給路102及び回収路104、インクジェットヘッド56のインク流路内を洗浄するための洗浄装置について説明する。図5に、洗浄装置140の概念図を示す。洗浄装置140は、主に、クリーニング液タンク141と、廃液タンク142と、受け皿143と、送液ポンプ144及び回収ポンプ145と、三方弁146および147と、弁148及び149、弁の開閉及びポンプを制御するための制御装置(図示しない)から構成される。送液ポンプ144は、インクタンク64からインクを供給する。
クリーニング液タンク141には、クリーニング液として、例えば、後述するキャリア液として好適に用いられる誘電性液体が所定量充填されている。クリーニング液タンク141のクリーニング液送出口141aは、弁148と接続されており、弁148は、クリーニング液を供給するための供給路155を介して三方弁146と接続されている。また、廃液タンク142のクリーニング液回収口142aは、弁149と接続されており、弁149は、インクジェットヘッド56の内部を循環して排出されたクリーニング液を回収するための回収路156を介して三方弁147と接続されている。
ここで、洗浄装置140の動作について説明する。洗浄装置140は、クリーニング時に、図示しない制御装置により弁148、151、三方弁146を制御して、弁148を開いて弁151を閉じるとともに、三方弁146をクリーニング側に切り替える。そして、更に、制御装置により、三方弁147を廃液タンク142側に切り替え、弁152を閉側に切り替える。これにより、クリーニング液タンク141内のクリーニング液は、送液ポンプ144及び回収ポンプ145により吸引され、供給路155、弁146、供給路102を介してインクジェットヘッド56に流入した後、回収路104、三方弁147、弁149及び回収路156を通って廃液タンク142に排出される。
送液ポンプ144及び145の送出圧力を制御して、クリーニング液の吐出量を増加させるとインクジェットヘッド56の吐出部からクリーニング液が漏出するが、漏出したクリーニング液は受け皿143を介して廃液タンク142に排出することができる。
インクジェットヘッド56を駆動してインクタンク64内のインクを吐出する場合には、制御装置により、弁148を閉じるとともに弁151を開いて三方弁146をインクタンク64側に切り替える。更に、弁152を開いて弁149を閉じるとともに、三方弁147をインクタンク64側に切り替える。そして、送液ポンプ144及び回収ポンプ145を駆動することにより、インクタンク64内のインクが供給路102を介してインクジェットヘッド56に供給され、余分なインクは回収路104を介してインクタンク64に回収される。
つぎに、図1に示すインクジェット記録装置10の濃度検出装置110について説明する。
図1に示したように、濃度検出装置110は、主に、濃度検出部112と、濃度補正部114とから構成される。濃度検出部112は、インクジェットヘッド56にインクタンク64からのインクを供給するための供給路102の途中に設けられている。濃度検出部112により検出される供給路の検出部位は、光透過性を有する材料から構成される。濃度検出部112は、供給路102の外側から供給路102内を通過するインクの濃度を検出することができる。濃度検出装置110は、図1に示したように、インク補充量調整装置130と接続されている。
この濃度検出装置110について、図6を用いて更に詳細に説明する。図6は、濃度検出装置110の概略構成図である。濃度検出部112は、光源116と検出器118と変換部122とを有する。光源116及び検出器118は、それら間に供給路102が介在するように配置されており、光源116から出射した光は、供給路102を透過して検出器118で検出される。光源116は、例えば、半導体レーザや発光ダイオードなど任意の光源を用いることができる。検出器118は、供給路102を透過した光の光量を検出することができる装置であれば任意の装置を用いることができる。変換部122は、図示しないメモリを備え、メモリには、透過光量に対するインク濃度値の関係が特定されたテーブルが記憶されている。変換部122は、検出器118で検出された透過光量を、このテーブルを参照して濃度値に変換することができる。
濃度補正部114は、メモリ124と演算部126とを備えている。演算部126は、濃度検出部112で検出された運転状態の検出値と、洗浄状態での検出値又はインク交換時にインク濃度が既知のインク(既知インク濃度のインク)を流しているときに検出される検出値とから、供給路102の内部を流れるインクの濃度を補正することができる。洗浄状態での検出値または既知インク濃度のインクを流しているときに検出される検出値は、ベースライン(基準値)としてメモリに記憶され、演算部126は、そのベースラインに基づいて、濃度検出部112で検出される検出値を補正してインク濃度を算出する。
つぎに、濃度検出装置110を用いて供給路102を流れるインクの濃度を検出する方法について説明する。
まず、前述の洗浄装置140を作動させて、供給路102及びインクジェットヘッド56の内部にクリーニング液(洗浄液)を供給する。このとき、供給路102の内壁に固着している色材粒子は完全には除去されず、供給路102の内壁に付着したままとなる。洗浄開始後、供給路102にクリーニング液を供給しながら濃度検出部112で洗浄状態での供給路102のインク濃度(第2インク濃度)を検出する。図7に、洗浄を開始してからの時間に対するインク濃度の検出値の変化の様子を示す。図7に示すように、一定時間経過しても、検出値はゼロとはならず、所定の値で飽和する。これは、供給路102の内壁に固着している色材粒子が、インク濃度成分として検出されていることを示している。したがって、この飽和した検出値、すなわち、洗浄状態での検出値が、供給路の内壁に固着している色材粒子(汚れ)の濃度成分であるため、この検出値を、インク濃度を補正するためのベースラインとして濃度補正部114のメモリ124に記憶する。
次に、インクジェットヘッド56を運転して、供給路102にインクを供給し、濃度検出部112で供給路102の外側から運転状態でのインク濃度(第1インク濃度)を検出し、この運転状態での検出値を濃度補正部114のメモリ124に記憶する。演算部126は、運転状態の検出値から、メモリ124に記憶されているベースライン分を減算することによって、供給路102の内壁に固着している色材粒子の濃度成分が補正され、インク濃度が算出される。こうして求められたインク濃度値は、供給路102の内壁に固着している色材粒子の濃度成分が補正された正確なインク濃度である。
そして、このインク濃度はインク補充量調整装置130に入力され、インク補充量調整装置130は、このインク濃度値に基づいて、図1に示す高濃度インクタンク134からインクタンク64に供給すべき高濃度のインクの量を決定し、高濃度のインクをインクタンク64に供給する。これにより、インクタンク64内のインクが所望の濃度値に設定される。
以上説明したように、洗浄液を利用した本実施形態では、供給路102に洗浄液を流して洗浄した後、すなわち、濃度検出部112での検出値が変化しなくなったとき(飽和したとき)のインク流路のインク濃度をベースラインとして記憶し、供給路に付着する色材粒子(汚れ)に基づくインク濃度をベースラインとして、供給路内のインクのインク濃度を補正する。
以上の説明では、洗浄液を流しながら供給路102の洗浄状態での検出値を求めたが、洗浄後、クリーニング液を供給路102から排出した状態で、濃度検出部112で供給路102における検出値を検出し、この検出値をベースラインとしてもよい。こうして得られたベースラインを用いることによっても、供給路102の内壁に固着している色材粒子の濃度成分が補正された正確なインク濃度を算出することができる。
つぎに、既知インク濃度のインクの使用状態での検出値に基づいて、運転状態での検出値を補正することによって正確なインク濃度を算出する方法について説明する。
まず、供給路102に、インク濃度が既知のインクを流して、濃度検出部112で供給路102の外側から供給路102を流れるインクの濃度を検出し、その検出値を濃度補正部114のメモリ124に記憶する。このとき流したインクの既知の濃度もメモリ124に記憶しておく。演算部126において、既知のインク濃度値と、濃度検出値で検出された検出値とを比較する。このとき、供給路102の内壁に色材粒子が固着していないのであれば、濃度検出部112で検出された検出値は、既知のインク濃度と一致する。したがって、この場合は、濃度検出部112で検出された検出値をインク濃度として算出する。
一方、濃度検出部112で検出された検出値が、既知のインク濃度よりも高くなっている場合は、供給路102の内壁に色材粒子が固着し、その色材粒子に起因する濃度成分が重畳して検出されている場合である。この場合、濃度補正部114の演算部126は、濃度検出部112で検出された運転状態での検出値と、既知の濃度値とを比較して、供給路102の内壁に固着している色材粒子に起因する濃度成分を算出する。そして、この色材粒子に起因する濃度成分をインク濃度補正のためのベースラインとしてメモリ126に記憶し、実際にインク濃度を検出する際には、そのベースラインに基づいて、濃度検出部112で検出される運転状態での検出値の補正を行う。こうして、演算部126は、供給路102の内壁に固着している色材粒子の濃度成分が補正された正確なインク濃度を算出することができる。
このように、既知のインク濃度から、供給路の内壁に固着している色材粒子の濃度成分を求める方法は、インクを全交換する場合に有効な方法である。
上述のように既知濃度のインクを用いる場合は、予め記憶しておいた既知濃度のインクの光学濃度と、濃度検出部112によって検出される実際の検出値との関係から、供給路の付着する色材粒子のインク濃度成分(汚れ成分)を算出し、第1インク濃度である運転状態におけるインク流路のインク濃度を補正する。
本実施形態では、供給路を透過する光を検出してインクの濃度を検出したが、供給路に光を入射し、供給路から反射する光を検出器により検出して、光反射率に基づいてインクの濃度を検出する方法を用いることもできる。あるいは、供給路の内壁に付着している色材粒子の量を、例えば、電気抵抗や磁気変化を利用して検出し、それにより、供給路の内壁に付着している色材粒子に基づくインク濃度を求めてもよい。
また、本実施形態では、供給路102上に濃度検出装置110の濃度検出部112を設けたが、これに限定されず、インクジェットヘッドにインクが供給される部分であれば任意の場所に濃度検出装置を設けることができる。例えば、インク回収路上に濃度検出装置を設けてもよい。
また、本実施形態では、インク供給路の外部に濃度検出装置110の濃度検出部112を設けたが、インク供給路102の内部に設けてもよい。この場合は、濃度検出部112の測定部品がインクに直接接触するため、それら測定部品に付着するインクのインク濃度を検出して、運転状態での検出値を補正すればよい。具体的には、前述と同様に、供給路102に洗浄液を流しているとき、又は、洗浄液を流した後に、濃度検出部112で検出される検出値が、濃度検出部112の測定部品に付着するインク濃度であるので、その検出値をベースラインとして、運転状態での検出値を補正する。あるいは、既知インク濃度のインクを流しているときに、濃度検出部112で検出された検出値に基づいて、運転状態での検出値を補正してもよい。また、濃度検出部112は、インク流路中であれば、どこに配置してもよく、例えば、インク供給路102以外に、インク回収路104、ヘッド56の内部のインク流路、インクタンク64に配置してもよい。
つぎに、記録媒体Pの位置測定装置62について説明する。
記録媒体Pの位置測定装置62は、フォトセンサ等の従来公知の位置測定手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、帯電装置38とインクジェットヘッド56との間の位置で、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト32の表面に対向する位置に配置されている。
位置測定装置62により記録媒体Pの位置が測定され、その位置情報はヘッドドライバ58に供給される。
ヘッドドライバ58は、筐体22内部の図中右面に取り付けられており、インクジェットヘッド56と接続されている。
ヘッドドライバ58には、外部装置から画像データが入力され、位置測定装置62から記録媒体Pの位置情報が入力される。ヘッドドライバ58の制御により、記録媒体Pの位置情報に従って、インクジェットヘッド56の各色の吐出ヘッドの吐出タイミングが制御されつつ、画像データに応じて各色の吐出ヘッドから各色のインクが吐出され、記録媒体P上には、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
すなわち、記録媒体Pは、搬送手段14により、インクジェットヘッド56の前を所定の一定速度で搬送されつつ、記録手段16により、その表面に4色印刷が行われてフルカラー画像が記録される。
続いて、溶媒回収手段18について説明する。
溶媒回収手段18は、インクジェットヘッド56から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発するキャリア液や、画像の定着時にインクから蒸発するキャリア液等を回収するもので、活性炭フィルタ68と、排出ファン70とを備えている。活性炭フィルタ68は、筐体22の上蓋の裏面に取り付けられ、排出ファン70は、活性炭フィルタ68の上に取り付けられている。
筐体22内部のキャリア液成分を含む空気は、排出ファン70により、活性炭フィルタ68を介して筐体22の外部に排出される。その際、筐体22内部の空気中に含まれるキャリア液成分は、活性炭フィルタ68によって吸着除去される。
つぎに、本発明のインクジェット記録装置に用いられるインクについて説明する。
前述のように、本発明で用いるインクQ(インク組成物)は、色材粒子(色材を含み、かつ、帯電した微粒子)をキャリア液に分散してなるものである。
また、インクQ中には、色材粒子ともに、印刷後の画像の定着性を向上させるための分散樹脂粒子を、適宜、含有させてもよい。
キャリア液は、高い電気抵抗率(109 Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であるのが好ましい。電気抵抗率の低いキャリア液の電気抵抗が低いと、吐出電極18によって印加される電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けて帯電してしまうため、色材粒子の濃縮がおこらない。また、電気抵抗率の低いキャリア液は、隣接する吐出電極18間での電気的導通を生じさせる懸念もあるため、本発明には不向きである。
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、キャリア液中の色材粒子に有効に電界が作用し、泳動が起こりやすくなる。
なお、このような誘電性液体の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。誘電性液体の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
キャリア液として用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
このようなキャリア液に分散される色材粒子は、色材自身を色材粒子としてキャリア液中に分散させてもよく、定着性を向上させるための分散樹脂粒子中に含有させてもよい。分散樹脂粒子中に含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
インクQにおいて、色材粒子の含有量(色材粒子あるいはさらに分散樹脂粒子の合計含有量)は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。色材粒子の含有量が少なくなると、印刷画像濃度が不足したり、インクQと記録媒体P表面との親和性が得られ難くなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じ易くなり、一方、含有量が多くなると均−な分散液が得られにくくなったり、インクジェットヘッド10等でのインクQの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が得られにくいなどの問題が生じるからである。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ペンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
また、キャリア液に分散された色材粒子の平均粒径は、0.1〜5μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4〜1.0μmである。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
色材粒子をキャリア液に分散させた後、荷電制御剤をキャリア液に添加することにより色材粒子を荷電して、荷電した色材粒子をキャリア液に分散してなるインクQとする。なお、着色微粒子の分散時には、必要に応じて、分散媒を添加してもよい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
なお、色材粒子は、吐出電極18に印加される駆動電圧と同極性であれば、正電荷および負電荷のいずれに荷電したものであってもよい。
また、色材粒子の荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化することもあるため、下記に定義する分配率Pを、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とする。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
インクQの電気伝導度は、100〜3000pS/cmが好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmである。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
なお、本発明においては、従来のインクジェット方式のように、インク全体に力を作用させて、インクを記録媒体に向けて飛翔させるのではなく、主に、キャリア液に分散させた固形成分である色材粒子に力を作用させて、飛翔させる。
その結果、普通紙を初めとして、非吸収性のフィルム(例えばPETフィルム等)などの種々の記録媒体Pに画像を記録することができ、また、記録媒体P上で、滲みや流動を生じることなく、種々の記録媒体に対して、高画質な画像を得ることができる。
以下、静電式インクジェット記録装置10の動作を説明する。
静電式インクジェット記録装置10では、画像の記録時に、給紙トレイ24に収納された記録媒体Pがフィードローラ26により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ対30により挟持搬送されて搬送ベルト32上の所定位置に供給される。
搬送ベルト32上に供給された記録媒体Pは、帯電装置38により負の高電位に帯電され、搬送ベルト32の表面に静電吸着される。
搬送ベルト32の表面に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト32の移動とともに所定の一定速度で移動されつつ、インクジェットヘッド56により、その表面に画像データに対応した画像が記録される。
画像記録後の記録媒体Pは、除電装置40により除電され、分離爪42により搬送ベルト32から分離され、ガイド44に沿って定着ローラ対46に供給される。そして、定着ローラ対46により挟持搬送されつつ、記録された画像が加熱定着され、排出トレイ28内に積層された状態でストックされる。
インク補充量調整部130は、濃度検出装置110により検出されたインク濃度と、循環系内のインクの量の少なくとも一方から、高濃度インク及びキャリア液の補充量を決定し、キャリア液補充部及び高濃度インクタンクからインクタンクへキャリア液及び高濃度インクを補充する。
本発明は、基本的に以上のようなものである。
本発明の静電式インクジェット記録装置及び記録方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のインクジェット記録装置の概略構成図である。 図1に示すインクジェット記録装置で使用されるインクジェットヘッドのヘッド本体部の断面の一部を概略的に示した斜視図である。 (a)は、図1に示すインクジェット記録装置で使用されるインクジェットヘッドのヘッド本体部の部分概略断面図であり、(b)は、図3(a)に示すヘッド本体部を、IV−IV線を含む面で切断したときの概略断面図である。 (a)、(b)及び(c)は、それぞれ、図3(b)に示すヘッド本体部を、A−A線を含む面、B−B線を含む面、及びC−C線を含む面で切断したときの概略断面図である。 本発明のインクジェット記録装置の清浄装置を説明するための概略構成図である。 本発明のインクジェット記録装置の濃度検出装置の概略構成図である。 供給路に洗浄液を流したときに濃度検出装置の濃度検出部で検出される検出値と、洗浄時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
10,11 静電式インクジェット記録装置
12 保持手段
14 搬送手段
16 記録手段
18 溶媒回収手段
20 高電圧装置の制御手段
22 筐体
22a 上蓋
24 給紙トレイ
26 フィードローラ
28 排出トレイ
30 搬送ローラ対
31a、31b、31c 搬送ローラ
32 搬送ベルト
34a、34b、34c ベルトローラ
36 導電性プラテン
38 帯電装置
40 除電装置
42 分離爪
44,44a、44b、44c ガイド
46 定着ローラ対
48 スコロトロン帯電器
50,54 高圧電源
52 コロトロン除電器
56 インクジェットヘッド
58 ヘッドドライバ
60 インク循環系
62 位置検出装置
64 インクタンク
66 インクの供給路および回収路
68 活性炭フィルタ
70 排出ファン
72 検知装置
74 制御装置
80 吐出ヘッド
82 ヘッド基板
84 インクガイド
84a インクガイドの先端部分
86 絶縁性基板
88,90 制御電極
92 浮遊導電板
94a,94b,94c 絶縁層
96 ガード電極
98 貫通孔
100 インク流路
110 濃度検出装置
112 濃度検出部
114 濃度補正部
116 光源
118 検出器
124 メモリ
126 演算部
P 記録媒体
Q インク
R インク液滴

Claims (11)

  1. 帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を検出するインク濃度検出方法であって、
    前記インクが流れるインク流路に所定インク濃度のインクが流れている運転状態における前記インク流路の第1インク濃度を検出する工程と、
    前記インク流路に洗浄液を流して前記インク流路を洗浄した後、又は、前記インク流路に既知インク濃度のインクを流している状態で、前記インク流路の第2インク濃度を検出する工程と、
    前記第1インク濃度及び第2インク濃度に基づいて、前記運転状態における前記インク流路内のインク濃度を算出する工程と、
    を有するインク濃度検出方法。
  2. 前記既知インク濃度のインクは、インク交換の際に前記インク流路に流される所定濃度のフレッシュインクである請求項1に記載のインク濃度検出方法。
  3. 前記既知インク濃度のインクは、インク交換の際に前記インク流路に流される低インク濃度の希釈液である請求項1に記載のインク濃度検出方法。
  4. 前記洗浄液は、インク中の前記色材粒子のキャリア液である請求項1〜3のいずれかに記載のインク濃度検出方法。
  5. 前記洗浄液は、インク中の前記色材粒子を含まない希釈液である請求項1〜3のいずれかに記載のインク濃度検出方法。
  6. 帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を補正するインク濃度補正方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載のインク濃度検出方法によって検出したインク濃度に基づいて、前記インクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を補正することを特徴とするインク濃度補正方法。
  7. 帯電した色材粒子を含むインクを静電力により記録媒体に向けて吐出するインクジェット吐出手段と、
    該インクジェット吐出手段にインクを供給されるインク供給手段と、
    該インク供給手段のインク流路、又は前記インク供給手段と前記インクジェット吐出手段との間のインク流路に設けられ、前記色材粒子の濃度であるインク濃度を検出する検出手段と、
    該検出手段によって検出された、前記インク流路における運転状態での検出値を、洗浄液による前記インク流路における洗浄状態での検出値、又は既知インク濃度のインクの使用状態での検出値に基づいて補正するインク濃度補正手段
    とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 前記検出手段における前記洗浄状態での検出値は、前記インク流路に前記洗浄液を流している時、又は前記洗浄液を流した後に、前記検出手段によって検出された検出値であり、前記既知インク濃度のインクの使用状態での検出値は、インク交換時に前記インク流路にインク濃度が既知のインクを流している時に、前記検出手段によって検出された検出値である請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 請求項7又は8に記載のインクジェット記録装置であって、
    さらに、前記インク流路を前記洗浄液で洗浄する洗浄手段を有するインクジェット記録装置。
  10. 前記検出手段は、光学的に前記インク流路にインク濃度を検出するものである請求項7〜9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記インク流路は管状部材から構成され、前記検出手段は、前記管状部材の外側から光学的に前記インク流路のインク濃度を検出するものである請求項7〜10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
JP2003398896A 2003-11-28 2003-11-28 インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP4354786B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003398896A JP4354786B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置
US10/995,378 US7182420B2 (en) 2003-11-28 2004-11-24 Ink concentration detecting method and ink jet recording apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003398896A JP4354786B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005153454A JP2005153454A (ja) 2005-06-16
JP4354786B2 true JP4354786B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=34616588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003398896A Expired - Fee Related JP4354786B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7182420B2 (ja)
JP (1) JP4354786B2 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7331664B2 (en) * 2004-10-29 2008-02-19 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink delivery system and a method for replacing ink
FR2879961B1 (fr) * 2004-12-23 2016-08-19 Imaje Sa Nettoyage d'une tete d'impression
US7510274B2 (en) * 2005-01-21 2009-03-31 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink delivery system and methods for improved printing
JP2007090280A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Dainippon Printing Co Ltd 微粒子含有インク用インクジェット装置
US20070146442A1 (en) * 2005-11-14 2007-06-28 Mydata Automation Ab System, assembly and method for jetting viscous medium onto a substrate
JP4850670B2 (ja) * 2006-11-28 2012-01-11 キヤノン株式会社 記録装置
GB2447919B (en) * 2007-03-27 2012-04-04 Linx Printing Tech Ink jet printing
EP2082879B2 (en) * 2008-01-28 2020-02-12 Hitachi Industrial Equipment Systems Co., Ltd. Ink jet recording device
JP5730561B2 (ja) * 2010-12-16 2015-06-10 富士フイルム株式会社 液供給装置及び塗布装置並びに計測装置洗浄方法
JP2013184361A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、及び、液体の置換方法
JP2014124824A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Canon Inc インクジェット記録方法、およびインクジェット記録装置
EP2853400A1 (en) * 2013-09-25 2015-04-01 Tonejet Limited Method of cleaning electrostatic printhead
US10836182B2 (en) 2016-10-31 2020-11-17 Hp Indigo B.V. Calibration of a sensor
DE102017215440A1 (de) * 2017-09-04 2019-03-07 Krones Ag Reinigungsstation für eine Direktdruckstation
JP7109926B2 (ja) 2018-01-25 2022-08-01 キヤノン株式会社 記録装置
JP2020131689A (ja) * 2019-02-26 2020-08-31 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置の洗浄方法
JP7215289B2 (ja) * 2019-03-27 2023-01-31 セイコーエプソン株式会社 液滴吐出装置
JP2021030529A (ja) * 2019-08-21 2021-03-01 株式会社ミマキエンジニアリング 液体吐出装置、液体吐出方法、及びインクジェットプリンタ
CN113276564B (zh) * 2021-05-17 2022-06-03 广东天剑数码科技有限公司 一种墨水补充***和补充方法以及墨水管理***

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2834100B2 (ja) * 1996-11-06 1998-12-09 新潟日本電気株式会社 静電式インクジェット記録装置
GB9719705D0 (en) * 1997-09-16 1997-11-19 Domino Printing Sciences Plc Ink jet printer

Also Published As

Publication number Publication date
US7182420B2 (en) 2007-02-27
JP2005153454A (ja) 2005-06-16
US20050116970A1 (en) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4354786B2 (ja) インク濃度検出方法およびインクジェット記録装置
JP2004230709A (ja) インクジェット式記録装置
US7275812B2 (en) Ink jet head and recording apparatus using the same
JP4371783B2 (ja) インク濃度検出方法、インク濃度検出装置、およびこれを用いるインクジェット記録装置
JP2005254589A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法
JP4371872B2 (ja) インク補充装置、インクジェット記録装置およびインク補充方法
JP4330986B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4500552B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2004291578A (ja) 静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法
JP4482325B2 (ja) 濃度検出方法、濃度検出装置、およびインクジェット記録装置
JP2005096210A (ja) インクジェット記録装置およびその制御方法
JP2004230652A (ja) インクジェット式記録装置及びインク循環方法
JP2005153380A (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP2004284306A (ja) 画像定着方法および装置
JP2006026934A (ja) インクジェット記録装置
JP2005186398A (ja) インクジェット記録装置
JP2005199579A (ja) インクジェット記録装置
JP2004230653A (ja) 静電式インクジェットヘッド、それを用いた記録装置および記録方法
JP4365178B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
JP2005047049A (ja) インクジェット記録装置
JP2005161547A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2005193565A (ja) 排液処理装置およびインクジェット記録装置
JP2005096207A (ja) インクジェット記録装置
JP2005199578A (ja) インクジェット記録装置
JP2005074754A (ja) インクジェットヘッドおよびそれを用いる記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060424

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061214

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090721

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees