JP4351594B2 - 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置 - Google Patents

廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4351594B2
JP4351594B2 JP2004214102A JP2004214102A JP4351594B2 JP 4351594 B2 JP4351594 B2 JP 4351594B2 JP 2004214102 A JP2004214102 A JP 2004214102A JP 2004214102 A JP2004214102 A JP 2004214102A JP 4351594 B2 JP4351594 B2 JP 4351594B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealed container
gas
waste water
packed bed
volatile organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004214102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006035010A (ja
Inventor
三智男 三浦
利夫 香月
慶明 三保
稔 長濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Research Institute of Innovative Technology for Earth
Sasakura Engineering Co Ltd
Original Assignee
Research Institute of Innovative Technology for Earth
Sasakura Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Research Institute of Innovative Technology for Earth, Sasakura Engineering Co Ltd filed Critical Research Institute of Innovative Technology for Earth
Priority to JP2004214102A priority Critical patent/JP4351594B2/ja
Publication of JP2006035010A publication Critical patent/JP2006035010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4351594B2 publication Critical patent/JP4351594B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Description

本発明は、地下水又は産業廃水等の廃水に、トリクロロエチレン又はテトラクロロエチレン等のような揮発性有機化合物を溶解した状態で含んでいる場合に、この揮発性有機化合物を、これが溶解している廃水から分離する方法と、その装置とに関するものである。
平成14年5月22日に制定された土壌汚染対策法は、地下水に含まれる有害な揮発性有機化合物として、前記トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンを含めて計11種類の揮発性有機化合物をあげている。
従来、これらの揮発性有機化合物を、これが溶解している廃水から分離するに際しては、前記廃水に対して空気を吹き込むというバブリング(曝気)を行うという方法を採用していたが、この方法は、多量の空気を吹き込むようにしなければならないことに加えて、排気されるガスの量も多くなるから装置が大型化するばかりか、空気を圧縮するブロワーの大型化による騒音及び消費電力の増大を招来する等の問題があった。
そこで、先行技術としての特許文献1は、前記廃水を、減圧にした密閉容器内に、その底部から導入してこれより高い部位から排出することにより、所定の深さに溜めるようにし、この溜めた廃水を、当該廃水における水面からの液深さが深い部分において沸騰・蒸発することにより、揮発性有機化合物を分離するという方法を提供している。
また、別の先行技術としての特許文献2は、前記廃水を、これに空気等の気体を吸収・溶解した状態で、減圧にした密閉容器内に、その底部から導入してこれより高い部位から排出することにより、所定の深さに溜めるようにし、この溜めた廃水を、当該廃水における水面からの液深さが深い部分において発泡するように脱気処理することにより、揮発性有機化合物を分離するという方法を提供している。
特開2002−282844号公報 特開2003−164860号公報
これら特許文献1及び2における方法は、従来よりも大幅に装置を小型できる等の利点を有する。
しかし、前者の特許文献1における方法では、廃水を沸騰・蒸発することによる分離であるから、前記した法律で制定されている前記11種類の揮発性有機化合物のうち、特に、例えば、トリクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン又は1,1−ジクロロエチレン等のように沸点の低い揮発性有機化合物の分離には効果的であるものの、廃水を、その水面からの液深さが深い部分において沸騰・蒸発するものであることにより、廃水の温度を高くことが必要であり、ひいては、廃水に加える熱エネルギーを大幅に多くしなければならないとうい問題がある。
また、後者の特許文献2における方法は、廃水に加える熱エネルギーを無くするか、少なくできるものの、廃水のうち水面からの液深さが深い部分において発泡することにより、密閉容器内における減圧度を可成り高くしなけれならなず、ひいては、密閉容器内を減圧することに大きなエネルギーを必要とするのであり、しかも、この方法では、前記11種類の揮発性有機化合物のうち1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン又は1,3−ジクロロプロペン等のように水に対する溶解度が高い揮発性有機化合物の場合における分離率は、前記11種類の揮発性有機化合物のうち、テトラクロロエチレン、四塩化炭素又はトリクロロエチレン等のように水に対する溶解度が低い揮発性有機化合物の場合における分離率よりも大幅に低くなるという問題がある。
本発明は、これらの問題を解消した方法と、その装置とを提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を達成するため本発明の方法は、第1に、請求項1に記載したように、「揮発性有機化合物を溶解した状態で含む廃水に、炭酸ガスを溶解する一方、密閉容器における内部を、その内部に設けた充填層よりも下側からの真空発生源への排気によって減圧の状態にし、この密閉容器の内部のうち前記充填層の上側の部分に、前記炭酸ガスを溶解した廃水を、その温度を前記密閉容器の内部における飽和蒸気温度よりも高くして噴出する。」
ことを特徴としている。
次に、本発明の装置は、第1に、請求項2に記載したように、
揮発性有機化合物を溶解した状態で含む廃水に、炭酸ガスを溶解する気液混合器と、内部に充填層を設けて成る密閉容器と、前記密閉容器の内部を前記充填層より下側からの排気によって減圧の状態にする真空発生装置と、前記気液混合器からの廃水を、前記密閉容器における内部のうち前記充填層の上側の部分に噴出する手段と、前記充填層の上側に噴出する廃水の温度を、前記密閉容器の内部における飽和蒸気温度よりも高くする手段と、を備えている。」
ことを特徴としている。
また、本発明の装置は、第2に、請求項3に記載したように、
内部に充填層を設けて成る密閉容器の複数個と、この各密閉容器の内部を前記充填層より下側からの排気によって減圧の状態に維持する真空発生装置と、揮発性有機化合物を溶解した状態で含む廃水を、気液混合器を経て、前記各密閉容器のうち最初の段に位置する第1段密閉容器の内部において前記充填層の上側の部位に噴出する手段と、前記各密閉容器のうち前段の密閉容器の下部から排出される廃水を、気液混合器を経て、当該前段の密閉容器に隣接する後段の密閉容器の内部において前記充填層の上側の部位に噴出する手段とを備え、前記各密閉容器のうち中間段に位置する少なくとも一つの密閉容器には、その内部に噴出される廃水を、前記真空発生装置における熱エネルギーにて、当該少なくとも一つの密閉容器内における飽和蒸気温度よりも高い温度に加熱する手段を備え、更に、前記少なくとも一つの密閉容器における気液混合器は、これに空気を供給する手段を備え、前記各密閉容器のうち前記少なくとも一つの密閉容器を除く残りの他の密閉容器における気液混合器には、これに炭酸ガスを供給する手段を備えている。」
ことを特徴としている。
後述する実施の形態において説明したように、請求項1及び請求項2に記載した発明によると、廃水に溶解している揮発性有機化合物を廃水から分離するときにおける分離効率を、先行技術の場合よりも大幅に向上でき、特に、水に対する溶解度の揮発性有機化合物の場合において、これを高い分離効率で分離することができる。
特に、請求項3に記載した発明によると、前記揮発性有機化合物の分離を、複数の密閉容器によって多段で行う場合において、炭酸ガスの使用量を節減できて、ランニングコストの低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1は、第1の実施の形態による装置を示す。
この装置は、内部にラシヒリング等の充填物による充填層2を設けて成る密閉容器1を備え、この密閉容器1内は、前記充填層2の下側からの真空ポンプ等の真空発生装置3への吸引により、大気圧より低い減圧に維持されている。
前記密閉容器1内のうち前記充填層2より上側の部分には、スプレーノズル4が設けられ、このスプレーノズル4に、地下水又は産業廃水等のようにトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物を含む廃水を、廃水供給管路5を介して供給することにより、前記廃水を下向きに噴出するように構成されている一方、前記密閉容器1の底部に溜まる処理済水を、排出管路6から器外に排出するように構成されている。
前記廃水供給管路5の途中には、前記廃水を適宜温度に加熱するか、或いは、加熱しないようにした加熱手段7と、ガス供給管路9より供給されて来る炭酸ガスを前記廃水に混合して溶解するようにした気液混合器8とが設けられている。
前記廃水供給管路5を介して送られて来る廃水は、前記加熱手段7において適宜温度になるようにコントロールされ、次いで、前記気液混合器8において炭酸ガスが溶解されたのち、予め、真空発生装置3にて減圧の状態に保持されている前記密閉容器1内にスプレーノズル4より噴出される。
このようにして、前記密閉容器1内にスプレーノズル4より噴出された廃水は、この密閉容器1内における充填層2を通過するように流下したのち、密閉容器1の底部に溜まる。
この場合において、前記廃水がスプレーノズル4より噴出するときにおける温度T1(以下、単に廃水の温度と称する)を、前記密閉容器1内における飽和蒸気温度T2と等しくするか、或いは、前記飽和蒸気温度T2より低くしたときには、前記スプレーノズル4より密閉容器1内に噴出する廃水に対しては、その噴出するとき、及び前記充填層2を通過するように流下するときにおいて、当該廃水に溶解している炭酸ガスが気泡になって抜けるという脱気が行われることになり、この脱気により、前記廃水に溶解している揮発性有機化合物を気化して廃水から分離することができ、前記密閉容器1内の底部には、脱気処理の終わった処理済水が溜まり、この処理済水が排出管路6より器外に排出される。
一方、前記廃水の温度T1を、前記密閉容器1内における飽和蒸気温度T2より高くしたときには、前記スプレーノズル4より密閉容器1内に噴出する廃水は、その噴出するとき、及び前記充填層2を通過するように流下するときにおいて、フラッシュ蒸発と、脱気とが同時に行われることになり、このフラッシュ蒸発及び脱気により、前記廃水に溶解している揮発性有機化合物を気化して廃水から分離することができ、前記密閉容器1内の底部には、脱気処理の終わった処理済水が溜まり、この処理済水が排出管路6より器外に排出される。
そこで、本発明者達は、前記した装置において、前記気液混合器8に空気を供給し、換言すると、廃水に対して空気を溶解することにし、そして、前記廃水供給管路5を介して送られて来る廃水における揮発性有機化合物の濃度と、前記排出管路より排出される処理済水における揮発性有機化合物の濃度とを測定するとによって、前記揮発性有機化合物の分離効率を求める実施を、前記揮発性有機化合物が、水に対する溶解度が低いテトラクロロエチレンである場合と、水に対する溶解度が高い1,1,2−トリクロロエタンである場合とについて行った結果は、図2に示す通りであった。
すなわち、この図2に示す実施は、前記廃水の温度T1と、前記密閉容器1内における減圧度とのうちいずれか一方又は両方を適宜調節することにより、前記廃水の温度T1と、前記密閉容器1内における飽和蒸気温度T2との温度差ΔTを種々変えて行ったものである。
この図2において、前記温度差ΔTが零よりも高いプラス側の温度領域のとき、つまり、廃水の温度T1が密閉容器1内における飽和蒸気温度T2よりも高いときには、廃水は、密閉容器1内に噴出するとき及び充填層2を流下するときにおいて、フラッシュ蒸発と脱気とが行われるが、前記温度差ΔTが零のとき及び零よりも低いマイナス側の温度領域のとき、つまり、廃水の温度T1が、密閉容器A内における飽和蒸気温度T2と等しいか、密閉容器1内における飽和蒸気温度T2よりも低いときには、廃水は、密閉容器1内にに噴出するとき及び充填層2を流下するときにおいて、フラッシュ蒸発することなく脱気のみが行われる。
そして、前記図2において、実線で示す曲線Aは、廃水に溶解している揮発性有機化合物が1,1,2−トリクロロエタンである場合を、点線の曲線Bは、廃水に溶解している揮発性有機化合物がテトラクロロエチレンである場合である。
この図2により明らかな通り、前記密閉容器1内においてフラッシュ蒸発と脱気との両方を同時に行う場合、テトラクロロエチレン及び1,1,2−トリクロロエタンの両方について可成り高い分離効率を呈するのであったが、前記密閉容器1内において脱気のみを行う場合、水に対する溶解度の高い1,1,2−トリクロロエタンにおける分離効率が、水に対する溶解度の低いテトラクロロエチレンにおける分離効率より大幅に低くなるのであった。
そこで、本発明においては、前記気液混合器8に対して空気を供給することに代えて、炭酸ガスを供給することにした。
そして、前記水に対する溶解度の高い1,1,2−トリクロロエタンを含む廃水に対して前記気液混合器8において炭酸ガスを溶解し、この廃水を、前記密閉容器1内に、その廃水の温度T1と飽和蒸気温度T2の温度差ΔTを−2℃にして噴出して脱気のみを行う場合と、廃水に対して前記気液混合器8において炭酸ガスを溶解し、この廃水を、前記密閉容器1内に、その廃水の温度T1と飽和蒸気温度T2の温度差ΔTを−2℃にして噴出して脱気のみを行う場合との両方について実施した結果は、表1の通りであった。
Figure 0004351594
この実施より明らかなように、廃水に溶解するガス体として空気に代えて炭酸ガスを使用することにより、水に対する溶解度の高い1,1,2−トリクロロエタンにおける分離効率を、水に対する溶解度の低いテトラクロロエチレンにおける分離効率よりも約30%も高くすることができるのであった。
また、炭酸ガスを溶解した廃水を、前記密閉容器1内に、その廃水の温度T1と飽和蒸気温度T2の温度差ΔTを+1℃にして噴出してフラッシュ蒸発と脱気とを同時に行うようにした場合、前記1,1,2−トリクロロエタンにおける分離効率を約92%にも向上することができるのであった。
これらの理由は、以下に述べるとおりであると認められる。
すなわち、前記炭酸ガスにおける水に対する溶解度は、25℃の温度において、水に対する空気に溶解度の約45倍というように著しく高くて、廃水に空気を混合して溶解する場合よりも遥かに多量の炭酸ガスを混合にて溶解することができる。
前記廃水に溶解した炭酸ガスは、廃水に対する炭酸ガスの気液混合器8の個所において直ちに気泡になって廃水から分離するのでなく、廃水が減圧の密閉容器1内に入り、ここで大気圧より低い減圧の状態に大きく圧力降下したときにおいて、気泡となって廃水から分離する。
一方、前記炭酸ガスは、これを廃水に溶解したときにおいて酸性を呈して、廃水のPH値を酸性側に低くし、ひいては、廃水における炭酸ガスの溶解度が酸性側への移行により低下することになる。
これにより、前記密閉容器1内における減圧状態への圧力降下によって、気泡として発生する炭酸ガスの量、つまり、炭酸ガスの脱気量は、前記気液混合器8において溶解することができた炭酸ガスに、前記したように廃水に対する溶解度が低下した分の炭酸ガスを加算した値になるから、前記廃水からの炭酸ガスの脱気量を大幅に増大できることにある。
次に、図3は、第2の実施の形態を示す。
この第2の実施の形態は、廃水供給管路10を介して送られて来る廃水、つまり、トリクロロエチレン等の揮発性有機化合物を含み温度が15℃以下の廃水を、第1密閉容器11、第2密閉容器12、第3密閉容器13、第4密閉容器14及び第5密閉容器15の五段階にわたって分離処理する場合であり、前記各密閉容器11,12,13,14,15内の各々には、後述する脱気及び蒸発を促進するためのラシヒリング等の充填物による充填層11a,12a,13a,14a,15aが設けられている。
前記廃水供給管路10から送られて来る廃水は、前記第1密閉容器11内の上部にスプレーノズル11bより下向きに噴出したのち、前記第1密閉容器11の底部からポンプ16にて汲み出し、この第1密閉容器11から排出される廃水は、移送管路17を介して前記第2密閉容器12内の上部に設けたスプレーノズル12bに送って下向きに噴出するように構成されている。
次いで、前記第2密閉容器12の底部からポンプ18にて汲み出した廃水は、移送管路19を介して前記第3密閉容器13内の上部に設けたスプレーノズル13bに送って下向きに噴出するように構成されている。
次いで、前記第3密閉容器13の底部からポンプ20にて汲み出した廃水は、移送管路21を介して前記第4密閉容器14内の上部に設けたスプレーノズル14bに送って下向きに噴出するように構成されている。
次いで、前記第4密閉容器14の底部からポンプ22にて汲み出した廃水は、移送管路23を介して前記第5密閉容器15内の上部に設けたスプレーノズル15bに送って下向きに噴出するように構成されている。
そして、前記第5密閉容器15の底部における処理済水は、ポンプ24にて汲み出され、処理済水排出管路25を介して排出するように構成されている。
前記廃水供給管路10及び前記各移送管路17,19,21,23には、廃水に対してガス体を混合して溶解するための気液混合器26,27,28,29,30が各々設けられている。
前記廃水供給管路10の途中のうち混合手段26より上流側の部位には、第1熱交換器31が、前記第2密閉容器12から第3密閉容器13への移送管路19の途中には、第2熱交換器32が各々設けられている。
前記各段の密閉容器11,12,13,14,15内のうち充填層11a,12a,13a,14a,15aより下側からのダクト33を、前記第1熱交換器31に接続することにより、前記各密閉容器11,12,13,14,15内のうち充填層11a,12a,13a,14a,15aより下側におけるベーパーを、前記第1熱交換器31に導入して、このベーパーにて前記廃水供給管路10における廃水を加熱するように構成されている一方、この第1熱交換器31に真空ポンプ34の真空発生装置を接続することにより、前記各密閉容器11,12,13,14,15内を大気圧より低い減圧の状態に保持するように構成されている。
前記真空ポンプ34にて圧縮した排気を、前記第2熱交換器32に供給することにより、前記第2密閉容器12から前記第3密閉容器13に送られる廃水を、前記真空ポンプ34における熱エネルギーの一つであるところの圧縮した排気にて加熱するように構成されている。
また、前記第1密閉容器11から第2密閉容器12への移送管路17の途中に、前記真空ポンプ34における冷却用ジャケット34aを介挿することにより、前記真空ポンプ34における熱エネルギーの一つであるところの当該真空ポンプ34の駆動にて発生する熱にて、前記第1密閉容器11から第2密閉容器12に送られる廃水を加熱するように構成されている。
図3において、符号35は、内部にラシヒリング等の充填物による充填層35aを設けて成る気液接触器を示す。
前記処理済水排出管路25を流れる処理済水の一部を、当該処理済水排出管路25の途中に設けた流量調節弁25aの上流側において抽出し、前記気液接触器35内の上部に管路36を介して導入し、この気液接触器35の底部に溜まる処理済水を、ポンプ37及び管路38を介して、前記処理済水排出管路25にて排出される処理済水に、前記流量調節弁25aの下流側において戻すように構成する。
一方、前記第2熱交換器32における不凝縮性ガスを、管路39より排出ガスとして抽出し、この排出ガスを、加熱器40において約900℃の以上の温度に加熱処理し、次いで、前記気液接触器35のうち充填層35aの下側に導入して、ここで、気液接触器35内の充填層35aを流下する処理済水と直接に接触したのち、放出管路41から大気中に放出するように構成する。
そして、前記各気液混合器26,27,28,29,30のうち第1密閉容器11、第4密閉容器14及び第5密閉容器15に対する気液混合器26,28,29,30には、廃水に混合・溶解するガス体として、炭酸ガスボンベ等の炭酸ガス供給源42における炭酸ガスを、ガス管路43,44,45を介して供給する。
一方、前記各気液混合器26,27,28,29,30のうち第2密閉容器12及び第3密閉容器13に対する気液混合器27,28には、廃水に混合・溶解するガス体として、圧縮機46にて圧縮された空気を、ガス管路47,48を介して供給する。
この構成において、前記廃水供給管路10から送られて来る廃水は、これに気液混合器26において炭酸ガスが混合・溶解され、次いで、第1密閉容器11内にスプレーノズル11bから噴出することにより、この噴出するとき及び充填層11aを流下するときにおいて脱気が行われるから、廃水中の揮発性有機化合物は気化して廃水から分離する。
この第1密閉容器11内での脱気を終わった廃水は、真空ポンプ34における熱エネルギーにより、第2密閉容器12内の飽和蒸気温度よりも高い温度に加熱され、且つ、気液混合器27において空気が混合・溶解され、次いで、第2密閉容器12内にスプレーノズル12bから噴出することにより、この噴出するとき及び充填層12aを流下するときにおいてフラッシュ蒸発と脱気とが同時に行われるから、廃水中の揮発性有機化合物は気化して廃水から分離する。
この第2密閉容器12内でのフラッシュ蒸発及び脱気を終わった廃水は、第2熱交換器32において、真空ポンプ34における熱エネルギーにて第3密閉容器13内の飽和蒸気温度よりも高い温度に加熱され、且つ、気液混合器28において空気が混合・溶解され、次いで、第3密閉容器13内にスプレーノズル13bから噴出することにより、この噴出するとき及び充填層13aを流下するときにおいてフラッシュ蒸発と脱気とが同時に行われるから、廃水中の揮発性有機化合物は気化して廃水から分離する。
この第3密閉容器13内でのフラッシュ蒸発及び脱気を終わった廃水は、気液混合器29において炭酸ガスが混合・溶解され、次いで、第4密閉容器14内にスプレーノズル14bから噴出することにより、この噴出するとき及び充填層14aを流下するときにおいて脱気が行われるから、廃水中の揮発性有機化合物は気化して廃水から分離する。
この第4密閉容器14内での脱気を終わった廃水は、気液混合器30において炭酸ガスが混合・溶解され、次いで、第5密閉容器15内にスプレーノズル15bから噴出することにより、この噴出するとき及び充填層14aを流下するときにおいて脱気が行われるから、廃水中の揮発性有機化合物は気化して廃水から分離する。
そして、前記第5密閉容器15内の底部には、揮発性有機化合物の分離を完了した処理済水が溜まり、この処理済水は、ポンプ24にて汲み出され、処理済水排出管路25を介して排出される。
一方、前記各密閉容器11,12,13,14,15内において発生した気体の総てはダクト33を介して第1熱交換器31に至り、ここで、処理目的の廃水の加熱に利用され、真空ポンプ34にて圧縮され、次いで、第2熱交換器32に至り、ここで、第3密閉容器13内におけるフラッシュ蒸発の熱源に利用されるとともに、この気体中の水蒸気が凝縮水と除かれる。
従って、前記第2熱交換器32からは、前記各密閉容器11,12,13,14,15内において気化した揮発性有機化合物及び空気等を含む不凝縮性ガスが、排出ガスとして排出されることになる。
この排出ガスは、加熱器40に導いて約900℃以上の温度に加熱することにすることにより、前記揮発性有機化合物を塩化水素及び塩酸等に分解したのち、前記気液接触器35に導いて、ここで、前記処理済水と直接接触する。
これにより、前記排出ガスにおいて揮発性有機化合物から分解した塩化水素及び塩酸等は、処理済水に吸収・溶解するように分離されることになるから、前記気液接触器35における放出管路41から大気中に塩化水素及び塩酸等が放出されるのを確実に少なくできる。
なお、前記第2の実施の形態においては、前記処理済水排出管路25における流量調節弁25aを開くことにより、処理済水の一部を、気液接触器35に供給する場合であったが、これに限らず、前記流量調節弁25aを閉じることによって、処理済水の全部を、気液接触器35に供給するようにしても良い。
この第2の実施の形態は、廃水からの揮発性有機化合物の分離を、第1密閉容器11、第2密閉容器12、第3密閉容器13、第4密閉容器14及び第5密閉容器15の5段にわたって行うに際して、前記各密閉容器のうち第1密閉容器11、第4密閉容器14及び第5密閉容器15においては、予め炭酸ガスを溶解しての脱気であることにより、高い分離効率を維持できる。
一方、前記各密閉容器のうち残りの他の密閉容器、つまり、第2密閉容器12及び第3密閉容器13においては、フラッシュ蒸発と脱気との両方とで分離が行われることにより、これに溶解するガス体として、殊更、炭酸ガス使用することなく空気を使用することによって、高い分離効率を維持できる。
従って、この第2の実施の形態においては、複数の密閉容器のうち、フラッシュ蒸発と脱気とを行う一部の密閉容器については、空気を使用することができるから、その結果、全体としての炭酸ガスの使用量を、一部の密閉容器に空気を使用する分だけ少なくできるから、ランニングコストを、全部の密閉容器に対して炭酸ガスを使用する場合よりも低減することができる。
本発明における第1の実施の形態による装置を示す図である。 前記図1の装置において、密閉容器に供給する廃水の温度と密閉容器内の飽和蒸気温度との温度差と、揮発性有機化合物の分離効率との関係を示す図である。 本発明における第1の実施の形態による装置を示す図である。
符号の説明
1 密閉容器
2 充填層
3 真空発生装置
4 スプレーノズル
5 廃水供給管路
6 排出管路
7 加熱手段
8 気液混合器
9 ガス供給管路

Claims (3)

  1. 揮発性有機化合物を溶解した状態で含む廃水に、炭酸ガスを溶解する一方、密閉容器における内部を、その内部に設けた充填層よりも下側からの真空発生源への排気によって減圧の状態にし、この密閉容器の内部のうち前記充填層の上側の部分に、前記炭酸ガスを溶解した廃水を、その温度を前記密閉容器の内部における飽和蒸気温度よりも高くして噴出することを特徴とする廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法。
  2. 揮発性有機化合物を溶解した状態で含む廃水に、炭酸ガスを溶解する気液混合器と、
    内部に充填層を設けて成る密閉容器と、
    前記密閉容器の内部を前記充填層より下側からの排気によって減圧の状態にする真空発生装置と、
    前記気液混合器からの廃水を、前記密閉容器における内部のうち前記充填層の上側の部分に噴出する手段と、
    前記充填層の上側に噴出する廃水の温度を、前記密閉容器の内部における飽和蒸気温度よりも高くする手段と、
    を備えていることを特徴とする廃水中の揮発性有機化合物を分離する装置。
  3. 内部に充填層を設けて成る密閉容器の複数個と、
    この各密閉容器の内部を前記充填層より下側からの排気によって減圧の状態に維持する真空発生装置と、
    揮発性有機化合物を溶解した状態で含む廃水を、気液混合器を経て、前記各密閉容器のうち最初の段に位置する第1段密閉容器の内部において前記充填層の上側の部位に噴出する手段と、
    前記各密閉容器のうち前段の密閉容器の下部から排出される廃水を、気液混合器を経て、当該前段の密閉容器に隣接する後段の密閉容器の内部において前記充填層の上側の部位に噴出する手段とを備え、
    前記各密閉容器のうち中間段に位置する少なくとも一つの密閉容器には、その内部に噴出される廃水を、前記真空発生装置における熱エネルギーにて、当該少なくとも一つの密閉容器内における飽和蒸気温度よりも高い温度に加熱する手段を備え、
    更に、前記少なくとも一つの密閉容器における気液混合器は、これに空気を供給する手段を備え、
    前記各密閉容器のうち前記少なくとも一つの密閉容器を除く残りの他の密閉容器における気液混合器には、これに炭酸ガスを供給する手段を備え、
    ていることを特徴とする廃水中の揮発性有機化合物を分離する装置。
JP2004214102A 2004-07-22 2004-07-22 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置 Expired - Fee Related JP4351594B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004214102A JP4351594B2 (ja) 2004-07-22 2004-07-22 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004214102A JP4351594B2 (ja) 2004-07-22 2004-07-22 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006035010A JP2006035010A (ja) 2006-02-09
JP4351594B2 true JP4351594B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=35900574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004214102A Expired - Fee Related JP4351594B2 (ja) 2004-07-22 2004-07-22 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4351594B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103159319A (zh) * 2013-03-22 2013-06-19 京东方科技集团股份有限公司 生物过滤器
CN115010198B (zh) * 2022-07-11 2023-05-09 西安国康瑞金制药有限公司 一种整合在倍他米松上氟中的废水处理工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006035010A (ja) 2006-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016056036A1 (ja) 排ガス処理装置
JP2019057530A (ja) 製造装置及び排出ガス処理装置
JP4257781B2 (ja) 有機塩素化合物にて汚染された地下土壌の浄化方法
JP4351594B2 (ja) 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置
JPH06254538A (ja) 溶存酸素除去装置
JP4371375B2 (ja) 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置
JP2005138063A (ja) 超臨界二酸化炭素とオゾンによる洗浄方法
JP4344945B2 (ja) 濃縮装置
JP2011127787A (ja) 廃蒸気回収装置
JP2009056355A (ja) 汚染地下水の浄化方法
KR102062062B1 (ko) 증발농축장치용 이젝터진공예열기 및 이를 이용한 증발농축방법
JP2016013498A (ja) 汚染水曝気浄化装置及び汚染水曝気浄化方法
JP3795796B2 (ja) 廃水中の揮発性有機化合物を分離・分解処理する装置
KR20090018403A (ko) 감압증류를 이용한 음식물 쓰레기의 폐수 처리장치 및 폐수처리방법
JP4021368B2 (ja) 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置
JP2007296529A (ja) 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法及びその装置
TWM545782U (zh) 餘熱應用於處理和回收土壤及地下水中揮發性有機物污染物之系統
JP4735615B2 (ja) 蒸気ボイラ装置
JP3925778B2 (ja) 廃水中の揮発性有機化合物を分離する方法
JPH105741A (ja) 真空脱気装置
JP2005270902A (ja) 水溶性廃液処理装置およびその洗浄方法
JP4351589B2 (ja) 揮発性有機化合物を含む地下水の浄化処理における排出ガスの浄化方法及びその装置
JP2008069191A (ja) 高分子廃棄物の熱分解処理方法
JP3992130B2 (ja) 廃水中の揮発性有機化合物を分離・分解処理する方法及びその装置
JP2006026608A (ja) 揮発性有機化合物を含む廃水の移動式浄化処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090430

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090724

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150731

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees