JP4351439B2 - 湿式塗装ブース及び湿式塗装ブースの運転方法 - Google Patents

湿式塗装ブース及び湿式塗装ブースの運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式塗装ブース及び湿式塗装ブースの運転方法に関する。さらに詳しくは、湿式塗装ブースの循環水槽内における塗料スラッジの生成量、及び循環水槽から発生する塗料成分の臭気を効果的に低減できる湿式塗装ブース、及び該湿式塗装ブースの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば自動車工業等の分野において、スプレーノズルから液状塗料を噴霧して被塗装物の塗装を行なう方法が知られている(このような塗装方法を「湿式塗装」という。)。この塗装方法では、一般に被塗装物に噴霧された塗料の歩留りは60〜80%であり、使用塗料の40〜20%は次工程で除去すべき過剰分の塗料(以下、「余剰塗料」という。)である。
【0003】
この余剰塗料を効果的に捕集することは、作業環境の保全と大気汚染防止の観点から重要であり、余剰塗料を捕集する装置として、従来から塗装ブースと称される装置が多用されている。
【0004】
このような塗装ブースとしては、換気ファン等により塗装室(湿式塗装を行なう場所)から余剰塗料のミストを吸引するとともに、塗装室上部から循環水を水膜状又はシャワー状にして循環水槽内へ流下させ、この水膜状又はシャワー状の循環水によって余剰塗料を捕集する水膜式(シャワー式あるいは水流板式)塗装ブース(例えば、特許文献1)や、循環水槽内の循環水を換気ファンの吸引力で吸引空気とともに循環水と余剰塗料のミストとを、渦巻室と称されるベンチュリー部を高速で通過させて、このときの気液接触と遠心力による慣性力で余剰塗料を循環水の水滴中に捕集するベンチュリー式塗装ブース(例えば、特許文献2)が知られている。
【0005】
これらの湿式塗装ブースにおいては、余剰塗料を捕集した循環水は循環水槽に戻される。そして、捕集された余剰塗料を循環水槽内で凝集、沈降させた後、沈降した塗料のスラッジを遠心分離機等の固液分離装置により分離し、廃棄している。また、固液分離装置で塗料のスラッジを除去した循環水は、再度循環水槽に戻され、余剰塗料の捕集にリサイクル使用される。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−672号公報
【特許文献2】
特開2000−325842号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの湿式塗装ブースにおいては、塗装ブースの運転中あるいは運転停止中に、循環水槽内において塗料スラッジが大量に生成して、固液分離装置にかかる負担が大きくなり、循環水の処理コストを低減する上で問題となっていた。また、循環水に含まれる塗料成分の臭気(循環水槽から発生する臭気)によって、作業環境が悪化するという問題もあった。
【0008】
これらの問題を改善する方策として、例えば、循環水槽に凝集剤や分散剤を添加する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、循環水槽内において生成した塗料スラッジを効率よく固液分離することが出来るようにすることを目的とするものであって、循環水槽における塗料スラッジの生成や、循環水槽から発生する臭気を低減することを目的とするものではない。
従って、湿式塗装ブースにおいては、循環水槽における塗料スラッジの生成量及び循環水槽から発生する臭気を低減することができる技術の開発が望まれていた。
【0009】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、湿式塗装ブースの循環水槽における塗料スラッジの生成量、及び循環水に含まれる塗料成分の含有量を低減して、循環水槽から発生する臭気を低減する湿式塗装ブース及び該塗装ブースの運転方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、湿式塗装ブースの運転中及び/又は運転停止中において、循環水槽の循環水を強制的に流動させておくと、循環水槽における塗料スラッジの生成量及び循環水槽から発生する臭気を低減する効果が得られることを見出した。さらに、循環水槽の循環水を流動させるに際し、循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加しておくと、塗料スラッジの生成量及び臭気を低減する優れた効果を得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
かくして本発明の第1によれば、被塗装物の湿式塗装を行なう塗装部と、循環水を貯蔵する循環水槽と、及び該循環水を塗装時に発生する余剰塗料とを接触させることにより余剰塗料を捕集し、余剰塗料を捕集した循環水を前記循環水槽に戻す循環水系とを備える湿式塗装ブースであって、前記循環水槽が、循環水槽内において循環水を流動させる循環水流動機構を有するものであることを特徴とする湿式塗装ブースが提供される。
【0012】
本発明の湿式塗装ブースは、前記循環水流動機構が、湿式塗装ブースの運転とは独立して、前記循環水槽内において循環水を流動させるものであるのが好ましく、湿式塗装ブースの運転停止中においても、循環水槽内において循環水を流動させることができるものであるのがより好ましい。
【0013】
本発明の湿式塗装ブースは、前記循環水流動機構が循環水を流動させるポンプを備えたものであるのが好ましく、前記ポンプを前記循環水槽内に設置したものであるのがより好ましい。この場合、用いるポンプとしては、水又は空気を吸引する吸引口と吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、該吐出口がその先端部分に扁平な開口を有するノズルを配設したものであるのが好ましく、水又は空気を吸引する吸引口と吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、該吐出口を前記循環水槽の底面部に配置したものであるのがより好ましい。
【0014】
本発明の湿式塗装ブースは、前記循環水流動機構が、前記循環水槽内に仕切りを配設してポンプ室を画成し、該ポンプ室に循環水を流動させるポンプを設置するとともに、循環水を流通させるための開口部を形成したものであるのが好ましい。この場合、用いるポンプとしては、水又は空気を吸引する吸引口と吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、該吐出口を前記循環水槽の底面部であって、前記開口部の近傍に配置したものであるのが好ましく、該吐出口を前記循環水槽の底面部であって、前記ポンプ室外に設置したものであるのがより好ましい。
【0015】
本発明の湿式塗装ブースは、前記循環水流動機構が、直方体形状の循環水槽を有し、該循環水槽の第1の側面と略平行に仕切りを配設してポンプ室を画成し、該ポンプ室の底面部にポンプを設置するとともに、前記循環水槽の第1の側面に直交する2つの側面部近傍に、前記吐出口を設置したものであるのがさらに好ましい。
【0016】
本発明の湿式塗装ブースは、前記循環水流動機構が、前記循環水槽内に循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置したものであるのが好ましく、前記循環水流動機構が、前記ポンプ室内の前記第1の側面とそれに直交する2つの側面部の境界部近傍に、循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置したものであるのがより好ましい。
【0017】
本発明の湿式塗装ブースは、前記循環水流動機構が、前記循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加する薬剤添加部を備えるものであるのが好ましい。
【0018】
また、本発明の湿式塗装ブースは、前記循環水系が、循環水槽に貯蔵された循環水を塗装部の上部から水膜状又はシャワー状にして循環水槽内に流下させ、該水膜状又はシャワー状の循環水により余剰塗料を捕集するものか、余剰塗料のミストを含む吸引気流によって、前記循環水槽内の循環水を渦巻室に吸引し、該渦巻室に吸引される循環水の液膜と液滴により余剰塗料を捕集するものであるのが好ましい。
【0019】
本発明の第2によれば、被塗装物の湿式塗装を行なう塗装部と、循環水を貯蔵する循環水槽と、及び該循環水を塗装時に発生する余剰塗料とを接触させることにより該余剰塗料を捕集し、余剰塗料を捕集した循環水を前記循環水槽に戻す循環水系とを備える湿式塗装ブースの運転方法であって、前記循環水槽内において循環水を流動させることを特徴とする湿式塗装ブースの運転方法が提供される。
【0020】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法は、湿式塗装ブースの運転とは独立して、前記循環水槽内において循環水を流動させるものであるのが好ましく、湿式塗装ブースの運転停止中においても、前記循環水槽内において循環水を流動させるものであるのがより好ましい。
【0021】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法は、前記循環水の流動をポンプによって行うものであるのが好ましく、前記ポンプを前記循環水槽内に設置するものであるのがより好ましい。
【0022】
この場合においては、前記ポンプとして、水又は空気を吸引する吸引口と吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、該吐出口がその先端部分に扁平な開口を有するノズルを配設したものを用いるのが好ましく、前記ポンプとして、水又は空気を吸引する吸引口と吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、該吐出口を前記循環水槽の底面部に配置したものを用いるのがより好ましい。
【0023】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法は、前記循環水槽内に仕切りを配設してポンプ室を画成し、該ポンプ室に循環水を流動させるポンプを設置するとともに、循環水を流通させるための開口部を形成したものであるのが好ましい。
【0024】
この場合においては、前記ポンプとして、水又は空気を吸引する吸引口と吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、該吐出口を前記循環水槽の底面部であって、前記開口の近傍に配置したものを用いるのが好ましく、水又は空気を吸引する吸引口と吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、該吐出口を前記ポンプ室外に設置したものを用いるのがより好ましい。
【0025】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法においては、直方体形状の循環水槽を有し、該循環水槽の第1の側面と略平行に仕切りを配設してポンプ室を画成し、該ポンプ室の底面部にポンプを設置するとともに、前記直方体の第1の側面に直交する2つの側面部近傍に、前記吐出口を設置したものであるのがさらに好ましい。
【0026】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法においては、前記循環水槽内に、循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置したものであるのが好ましく、前記ポンプ室内の前記第1の側面とそれに直交する2つの側面部の境界部近傍に、循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置したものであるのがより好ましい。
【0027】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法においては、前記循環水槽内において循環水を流動させるに際し、前記循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加するのがより好ましい。この場合、前記好気性微生物として枯草菌を用いるのが好ましく、前記好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤が、好気性微生物の培養物であるのがより好ましい。また、前記好気性微生物の培養物は、天然植物を枯草菌で発酵させた乾燥粉粒であるのが好ましく、10個/g以上の菌体数を含む枯草菌の培養物であるのがより好ましい。
【0028】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法においては、前記循環水槽内において循環水を流動させる際における循環水中の好気性微生物の菌体数が、10個/ml以上とするのが好ましい。
【0029】
また、本発明の湿式塗装ブースの運転方法においては、運転する湿式塗装ブースの循環水系が、(a)循環水槽に貯蔵された循環水を塗装部の上部から水膜状又はシャワー状にして循環水槽内に流下させ、該水膜状又はシャワー状の循環水により余剰塗料を捕集するものであるか、または(b)余剰塗料のミストを含む吸引気流によって、前記循環水槽内の循環水を渦巻室に吸引し、該渦巻室に吸引される循環水の液膜と液滴により余剰塗料を捕集するものであるのが好ましい。
【0030】
本発明の湿式塗装ブースは、循環水槽内において循環水を流動させる循環水流動機構を備えているので、循環水槽における塗料スラッジの生成量及び塗料成分の臭気の発生量を低減することができる。本発明の湿式塗装ブースの運転方法によれば、循環水槽に生成した塗料スラッジを循環水槽から除去する作業が大幅に軽減され、塗料スラッジを循環水槽から除去するための固液分離装置にかかる負担が大幅に低減されるか、又は固液分離装置がほとんど必要でなくなる。また、循環水槽から発生する臭気の発生量が大幅に低減されるので、作業環境も大幅に改善される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の湿式塗装ブース及び湿式塗装ブースの運転方法を詳細に説明する。
本発明の湿式塗装ブースは、被塗装物の湿式塗装を行なう塗装部と、循環水を貯蔵する循環水槽と、及び該循環水を塗装時に発生する余剰塗料と接触させることにより余剰塗料を捕集し、余剰塗料を捕集した循環水を前記循環水槽に戻す循環水系とを備える。
【0032】
本発明に用いる湿式塗装ブースの循環水系としては、循環水により余剰塗料を捕集し、余剰塗料を捕集した循環水を前記循環水槽に戻すものであれば特に制限されない。例えば、
(i)循環水槽に貯蔵された循環水を塗装部の上部に送液し、そこから塗装部の側壁部に設置された水膜板上を水膜状に循環水槽内に流下させ、該水膜状の循環水により余剰塗料を捕集する、いわゆる水流板式(水膜式)の湿式塗装ブース;(ii)塗装部に隣接して、シャワー洗浄器を設置したシャワー洗浄室を設け、シャワー洗浄室の上部に設置した換気ファンにより塗装部内に滞留する余剰塗料のミストをシャワー洗浄室内に吸引し、シャワー洗浄器から循環水をシャワー状に循環水槽内に流下させ、シャワー状の循環水により余剰塗料を捕集するシャワー式の湿式塗装ブース;
【0033】
(iii)前記(i)と(ii)を組み合わせた塗装ブースであって、シャワー洗浄室の上部に設置した換気ファンにより塗装部内に滞留する余剰塗料のミストをシャワー洗浄室内に吸引するときに、吸引される余剰塗料が、塗装部の側壁部に設けられた水膜板上を流下する水膜状の循環水中を通過するようにすることで、余剰塗料の大部分を水膜状の循環水により捕集し、さらに通過した余剰塗料のミストをシャワー洗浄することにより、シャワー状の循環水により捕集する水膜・シャワー式の湿式塗装ブース;
(iv)余剰塗料のミストを含む吸引気流によって、前記循環水槽内の循環水を渦巻室に吸引し、該渦巻室に吸引される循環水の液膜と液滴により余剰塗料を捕集する、いわゆるベンチュリー式塗装ブース;等が挙げられる。
【0034】
前記(i)〜(iii)のタイプの湿式塗装ブースの具体例としては、特開昭57−10367号公報、特開平7−3240号公報等に記載されたものが挙げられる。また、(iv)のベンチュリー式塗装ブースの具体例としては、特開昭56−70872号公報、特開平10−113587号公報、特開2000−325842号公報等に記載されるベンチュリー式塗装ブース;等が挙げられる。
【0035】
本発明の湿式塗装ブースは、循環水槽内において循環水を流動させる循環水流動機構を有することを特徴とする。ここで、「流動」とは、少なくとも循環水槽中において、循環水が一定の方向に流動する(流れている)状態であることを意味する。
【0036】
循環水流動機構としては、循環水槽内の循環水を流動させる機能を有するものであれば特に制限されないが、湿式塗装ブースの運転とは独立して、前記循環水槽内において循環水を流動させるものであるのが好ましく、湿式塗装ブースの運転停止中においても、循環水槽内において循環水を流動させることができるものであるのがより好ましい。このような循環水流動機構によれば、塗装部において、湿式塗装を行わない間(例えば、休日や夜間等)に、循環水槽内において塗料スラッジが大量に生成したり、揮発塗料成分の臭気により作業環境が悪化するのを低減することができる。
【0037】
湿式塗装ブースの運転とは独立して、前記循環水槽内において循環水を流動させる循環水流動機構の好ましい具体例としては、循環水槽内の循環水を強制的に流動させるポンプを備えたものが挙げられる。
【0038】
用いるポンプの種類としては特に限定されず、例えば、(i)循環水の一部を吸引口から取り込み、取り込んだ循環水を一定の速度で吐出口から吐出させることにより、循環水槽内に循環水の流れを作り出すタイプのもの、(ii)吸引口から空気を取り込んで、吐出口から空気を吐出して(送り込んで)、循環水槽内に水の流れを作り出すタイプのもの、(iii)循環水を吸引口から吸引すると同時に空気を取り込んで、循環水と空気とを同時に吐出口から吐出させるタイプのもの等が挙げられる。これらの中でも、より優れた本発明の効果が得られる観点から、(i)又は(iii)のタイプのポンプが好ましい。
【0039】
用いるポンプの大きさは特に限定されず、循環水槽の大きさ等を考慮して種々の大きさのものを選定することができる。また、ポンプの形状も特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、円柱状、直方柱状等、様々な形状のものが挙げられる。また、用いるポンプとしては、該ポンプの吐出口に扁平な開口を有するノズルを配設したものを用いるのが好ましい。このようなポンプを用いることにより、循環水槽全体にわたって、より大きな循環水の流れ(対流)を生じさせることができる。
【0040】
ポンプの設置場所は特に制約されない。循環水槽内に設置しても、循環水槽の外部に設置してもよい。ポンプを循環水槽の外側に設置する場合には、該ポンプから循環水槽内へ循環水等を供給するホース等が必要となるため、ポンプは循環水槽の底面部に設置するのが好ましい。
【0041】
循環水槽内の循環水は、ポンプにより、鉛直面、即ち上下方向に対流させても、循環水槽に対して水平面内で対流させてもよい。循環水槽の底部に堆積した塗料スラッジを循環水槽全体に流動させて、塗料スラッジを効率よく低減させるためには、循環水槽の底部から上部に向かって循環水が流れるようにするのが好ましい。このようにする方法としては、水又は空気を吸引する吸引口と吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するポンプを循環水槽の底部に設置して、その吐出口を循環水槽の底面部に配置する方法が挙げられる。
【0042】
本発明においては、前記循環水槽内に仕切りを配設してポンプ室を画成し、該ポンプ室に循環水を流動させるポンプを設置するとともに、循環水を流通させるための開口部を設けるのが、循環水槽内において効率よく循環水を流動させる上で好ましい。
【0043】
循環水を流通させるための開口部は、循環水槽内において循環水が流動するのを、仕切りにより妨げられないようにするために設けられる。開口部を設ける方法としては特に制約されないが、例えば、仕切り板に循環水を流通させるための隙間を形成する方法、仕切り板の底面と循環水槽の底面との間に隙間を設ける方法、仕切り板の高さを循環水の水面より低くする方法などが挙げられる。
【0044】
またこの場合、ポンプの吐出口は、循環水槽の底面部であって、前記開口の近傍に設置するのが好ましく、循環水槽の底面部であって、前記ポンプ室外に設置するのがより好ましい。ポンプの吐出口をこのような位置に設置することにより、循環水を循環水槽内においてより効率よく流動させることが可能となる。
【0045】
本発明においては、前記循環水流動機構が、直方体形状の循環水槽を有し、該循環水槽の第1の側面と略平行に仕切りを配設してポンプ室を画成し、該ポンプ室の底面部にポンプを設置するとともに、前記直方体の第1の側面に直交する2つの側面部近傍にポンプの吐出口を設置するのがより好ましい。
【0046】
ポンプの吐出口をポンプ室外に配置するには、例えば、ポンプ本体にポンプ室外へ延びるホースを連結して、該ホースの先端部に吐出口を設ける方法が挙げられる。
【0047】
また、本発明においては、循環水槽内における循環水の流動効率をさらに高めるために、循環水槽内に循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置するのが好ましい。撹拌装置の設置場所としては、前記ポンプ室内の前記第1の側面とそれに直交する2つの側面部の境界部近傍が好ましい。例えば、直方体形状の循環水槽の場合には、側面部近傍の左右対称となる位置に撹拌装置を設置することができる。撹拌装置を設置することにより、循環水槽内(特に、仕切りで区切られたポンプ室が設けられていない領域)において循環水の大きな流れ(対流)を作り出すとともに、仕切りで区切られたポンプ室が設けられている領域内においても、撹拌装置により循環水を強制的に流動させることができる。
【0048】
撹拌装置の設置数は特に制約されないが、循環水を効率よく、かつ均一に強制循環させる上では、前記ポンプ室内の対称となる位置にそれぞれ設置するのが好ましい。用いる撹拌装置としては、撹拌軸に撹拌翼が取り付けられ、撹拌用のモータによって撹拌翼を回転させて循環水を強制循環することができるものであれば特に制限されない。また、撹拌翼の種類、大きさ等も特に制限されず、循環水槽の大きさ等により、適宜選定することができる。
【0049】
循環水流動機構の運転時間は、湿式塗装ブースの運転中、湿式塗装ブースの運転停止中、湿式塗装ブースの運転中及び運転停止中のいずれであってもよいが、湿式塗装ブースの運転中及び運転停止中が好ましい。例えば、ポンプを用いる場合には、ポンプの運転開始スイッチを循環水系の運転スイッチと連動させて、循環水系の運転開始と同時にポンプの運転を開始するようにセットすることもできるし、循環水系の運転終了と同時にポンプの運転開始スイッチが入る(ON)ようにセットすることもできる。また、一定時間毎にポンプのスイッチがONとOFFを繰り返すように設定し、一定時間毎に循環水槽内で、循環水を強制的に流動させるようにすることもできる。さらに、用いるポンプは循環水系の循環用ポンプと併用して使用することもできる。例えば、循環水系の運転中は、循環水系の循環用ポンプとして運転させ、循環水系の運転停止後は、循環水槽内の循環水を強制的に流動させるポンプとして使用することができる。
【0050】
本発明の湿式塗装ブースの一実施形態を図1に示す。図1に示す湿式塗装ブースは、塗装部1aと循環水を貯蔵する循環水槽2aとを備える。塗装部1a内には、液状塗料4aを被塗装物に噴霧塗装するスプレーノズル3aが設置されており、スプレーノズル3aから液状塗料4aが噴霧され、液状塗料が被塗装物(図示を省略)に塗布される。
【0051】
この湿式塗装ブースは、循環水を塗装部1aの上部に送液し、その循環水で塗装ブース1a内の余剰塗料を洗浄し、その循環水を前記循環水槽2aに戻す循環水系を備える。すなわち、循環水槽2a内の循環水は、配管6aの所定位置に配置された循環ポンプ7aによって塗装ブース1aの上部に設置された貯蔵槽(図示を省略)に送給され、塗装部1a内の両側に設置された水膜板5aを伝って循環水槽2aに戻される。一方、このようにして、水膜板5aの面上には水膜が形成されるので、スプレーノズル3aから噴霧された余剰塗料は循環水とともに、循環水槽2aに洗い流される。
【0052】
図1に示す湿式塗装ブースにおいて、循環水槽2aの循環水の一部は、配管6bを介して、配管6bの所定位置に設置された循環ポンプ7bにより固液分離装置8aに送液され、ここで、塗料スラッジ等の固形分が除去される(図中、9a)。また、固体分が除去された循環水は、配管6cにより循環水槽2aに戻される。このようにして、循環水槽2aで生成した塗料スラッジ等を除去する循環水の浄化処理が行なわれる。
【0053】
図1に示す湿式塗装ブースでは、循環水槽2a内に仕切り板14aを配設してポンプ室15aを画成し、ポンプ室15aに循環水を流動させるポンプ10aが設置されている。このような仕切りを設置することにより、小型のポンプであっても、循環水槽全体に循環水の大きな対流(11a)を生じさせることができる。
【0054】
また、循環水槽内において循環水が流動することができるようにするために、仕切り14aに循環水を流通させるための開口部16aが形成されている。開口の設置場所は特に制限されないが、循環水槽の底部から上部に向かって循環水が流れるようにして、循環水槽の低部に堆積している塗料スラッジを低減する効果を高めるためには、開口部16aをポンプの吐出口近傍に形成するのが好ましく、図1に示すように、ポンプの吐出口と、吸入口近傍の両方に形成するのがより好ましい。また、ポンプを上部に開口部を有する容器に収納し、容器ごと循環水槽に沈めてポンプを運転することもできる。この際、容器の底部にポンプの吐出口に合わせて、開口を設けるのが好ましい。また、底部に開口を設けなくてもポンプの吐出口にホース等を連結し、容器外に吐出口を設置しても構わない。
【0055】
ポンプ10aとしては、例えば、図2に示すように、ポンプの吐出口12に扁平な開口を有するノズル13を配設したものが好ましい。扁平な開口を有するノズルを配設することにより、より強力な水の流れを作り出すことができ、循環水槽内における循環水の流動効率をより高めることができる。
【0056】
またこの場合においては、前記仕切りとして、その少なくとも一部に整流手段を配設したものを用いることもできる。整流手段を配設することにより、循環水の流動をより容易に生じさせることができる。前記整流手段としては、例えば、図3に示すように、ルーバー17によって構成されてなる整流手段が挙げられる。仕切り壁におけるルーバー17の設置場所は特に制約されないが、仕切りの両端部と循環水槽との間に設けるのが好ましい。なお、図3中、11bは循環水の流れを示す。
【0057】
本発明の湿式塗装ブースの別の実施形態を図4に示す。図4に示す湿式塗装ブースは、図1に示す湿式塗装ブースと同様に、塗装部(図示を省略)と循環水を貯蔵する循環水槽2cとを備えるものであり、循環水流動機構が、前記循環水槽2c内に仕切りを配設してポンプ室15cを画成し、該ポンプ室15c内に循環水を流動させるポンプ10cを設置している。それとともに、前記仕切り14cに循環水を流通させる開口部16cを形成し、かつ、ポンプ10cの本体とホース19cにより連結された吐出口20cを、循環水槽2cの底面部であって、ポンプ室15cの外側に、図中、左右対称に2つ設置したものである。このようにすることにより、循環水槽2c内において循環水をより効率よく流動させることができる。なお、図4中、11cは循環水の流動方向を示す。
【0058】
本発明の湿式塗装ブースのさらに別の実施形態を図5に示す。図5に示す湿式塗装ブースは、図1に示す湿式塗装ブースと同様に、塗装部(図示を省略)と循環水を貯蔵する循環水槽2dとを備えるものである。そして、図4に示す湿式塗装ブースと同様に、前記循環水槽2d内に仕切り14dを配設してポンプ室15dを画成し、該ポンプ室15d内に循環水を流動させるポンプ10dを設置している。それとともに、ポンプ10d本体とホース19dで連結された吐出口20dを、循環水槽2dの底面部であってポンプ室15dの外側の側面部近傍に、図中、左右対称に2つ設置している。さらに、図中、左右下隅部に撹拌装置22を2つ設置したものである。なお、ブース仕切り21の底面部と循環水の底面部との間には隙間(開口部)が設けられており、循環水の流動が確保されている。
【0059】
この湿式塗装ブースでは、吐出口20dを循環水槽2dの底面部であってポンプ室15dの外側にブース仕切り21を設けることで、ポンプ室15d外において循環水の大きな流れ(対流)を作り出すことができる。また、撹拌装置22により、ブース仕切り21により囲まれたポンプ室15d周辺領域においても循環水を強制的に流動させることができ、循環水の流動効率が著しく高められている。なお、図5中、11d、11d’は循環水の流動方向を示す。
【0060】
また、本発明においては、前記循環水系の運転停止中に、前記循環水槽内において循環水を流動させるに際し、前記循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加するのも好ましい。循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加することによって、塗装スラッジの生成をより効果的に抑制することができる。また、この場合には、前記循環水槽に空気及び/又は酸素ガスの吹き込みを併用するのがより好ましい。このようにすることにより、好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤の効果を高めることができ、塗装スラッジの生成をさらに効果的に抑制することができる。
【0061】
前記循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加する場合には、例えば、図6に示すように、前記図1に示す湿式塗装ブース循環水の処理装置に、薬剤添加部18をさらに配設してなる湿式塗装ブース循環水処理装置を使用することができる。この処理装置では、薬剤添加部18から、配管6eを介して、循環ポンプ7dにより循環水槽2eに好気性微生物、及び/又は有機物分解酵素を含む酵素剤を、連続的又は一定時間毎に一定量ずつ添加することができる。
【0062】
用いる好気性微生物としては、通気培養により増殖し得るものであれば、バクテリア、カビ、酵母等、どのような微生物でも使用することができる。また、これらの微生物は混合菌として用いることもできる。
【0063】
これらの微生物の中でも、増殖速度が速く、菌体外酵素、特に有機物の分解酵素を多量に生産する微生物が好ましい。かかる微生物としては、例えば、枯草菌(Bacilus subtilis)、ズーグレア等の活性汚製菌、水洗水に油分が多い場合は油分解菌、水洗水に難分解性物質が多い場合は種々の難分解性物質分解菌等を例示することができる。これらの中でも、枯草菌が特に好ましい。
【0064】
好気性微生物の培養物は、天然植物を好気性微生物で醗酵させて得られるものである。天然植物としては、例えば、もろこし粉、小麦粉、ふすま、大豆かす、米ぬか等の穀類又は穀類から得られるものを用いることができる。また、醗酵させる場合においては、リン酸ニ水素アンモニウム等のリン酸塩や炭酸カルシウム等の無機塩を添加することができる。
【0065】
好気性微生物の培養物に含まれる菌体数は、本発明の優れた効果を得る上では多いほど好ましいが、通常30〜2×1011個/g、好ましくは10〜2×1011個/g、より好ましくは10〜2×1011個/gである。好気性微生物として枯草菌を使用する場合には培養することによって10個/g以上の培養物を得ることができる。
【0066】
酵素剤は、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等の有機物分解酵素の1種又は2種以上を含むものである。酵素剤としては、上記好気性微生物の培養物をそのまま用いてもよいし、他の微生物の培養物や、植物等から抽出したものであってもよい。また、単離・精製したものであっても、単離・精製することなく、混合物としてそのまま使用することもできる。
【0067】
これらの中でも、特に優れた循環水の処理効果を得ることができるものとしては、穀類等の天然植物を枯草菌で醗酵させた乾燥粉粒を主体とした活性汚泥等の種植剤が挙げられる。例えば、商品名「ミタゲンクリアー」(東和酵素(株)製)で市販されているものが挙げられる。
【0068】
好気性微生物、及び有機物分解酵素を含む酵素剤の添加量は、本発明の効果が得られる量であれば特に制限されない。例えば、好気性微生物の培養物を使用する場合には、添加する単位重量あたりの菌体数にも依存するが、一般的には、10〜1010個/gの菌体数の好気性微生物又は好気性微生物の培養物を使用する場合には、循環水1m当たり、300〜500g程度である。また、菌体数が10個/ml以上であることが好ましい。
【0069】
循環水に好気性微生物、及び/又は有機物分解酵素を含む酵素剤を添加する方法は特に制限されない。例えば、循環水が循環する経路(循環水系)に薬剤添加部を設け、そこから培養物の一定量を添加すればよい。薬剤添加部の設置位置は、循環水が循環する経路内(循環水槽を含む。)であれば特に制約されない。
【0070】
また、湿式塗装ブースの循環水系とは別個に好気性微生物の培養タンクを設置し、そこで好気性微生物を培養し、該培養タンクで増殖させた好気性微生物又は好気性微生物の培養物を循環水系に添加することもできる。この培養タンクは、好気性微生物を培養し得るものであれば、通気回分式、通気半連続式等、どのようなものでもよい。例えば、特開平11−57762号公報に記載された培養タンクが挙げられる。このような装置によれば、培養タンクにて好気性微生物を培養して菌体数を増加させ、単位重量あたりの菌体数が極めて多い好気性微生物の培養物を循環水系に連続的又は一定間隔毎に送り込むことができる。
【0071】
循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加した後、一定時間が経過すると、好気性微生物の菌体数が減少したり、循環水を新しい水と交換した場合には、本発明の所望の効果が得られなくなる。その場合には、好気性微生物及び/又は有機物分解酵素を含む酵素剤を更に添加する必要がある。
【0072】
追加の添加量は本発明の効果を得ることができる量以上であれば特に制限されないが、循環水10m当たり、通常30〜2×1010個/g、好ましくは10個/g〜2×1010個/gの菌体を含む100〜500gを、1〜6月に少なくとも1回添加すればよい。
【0073】
このように、循環水に好気性微生物、好気性微生物の培養物及び/又は酵素剤を、連続的又は一定期間毎に一定量ずつ添加することにより、湿式塗装ブースの循環水系の運転停止期間を含めた長期にわたる連続運転が可能である。
【0074】
本発明においては、湿式塗装ブースの循環水に余剰塗料の分散性を向上させる目的で公知の分散薬剤を同時に添加することができる。
また、特開平7−3240号公報に記載されるイミダゾール系化合物、特開平8−984号公報に記載される高級脂肪酸モノアルコールエステルの水系乳化分散液、特開平8−259896号公報や特開平9−70561号公報に記載されるコロイドシリカとカチオン性(有機)ポリマーの混合物、特開平11−672号公報に記載されるセピオライト、カチオン性ポリマー又は両性金属化合物、特開2001−225068号公報に記載される水溶性アニオンポリマー等を併用することもできる。
【0075】
また、本発明の湿式塗装ブースは、循環水流動機構が該循環水槽に空気及び/又は酸素ガスを吹き込む機構をさらに有するものであってもよい。循環水系を停止している間において、循環水を流動させると同時に循環水に空気及び/又は酸素ガスを吹き込むことによって、塗装スラッジの生成をより効果的に抑制することができる。該循環水槽に空気及び/又は酸素ガスを吹き込む機構は特に制限されず、公知のバブリング装置等を使用することができる。また、空気及び/又は酸素ガスを吹き込む手段として、前記(iii)のタイプのポンプを用いるのも好ましい。
【0076】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法は、被塗装物の湿式塗装を行なう塗装部と、循環水を貯蔵する循環水槽と、及び該循環水を塗装時に発生する余剰塗料とを接触させることにより該余剰塗料を捕集し、余剰塗料を捕集した循環水を前記循環水槽に戻す循環水系とを備える湿式塗装ブースの運転方法であって、前記循環水槽内において循環水を流動させることを特徴とする。本発明の湿式塗装ブースの運転方法は、本発明の湿式塗装ブースの運転方法として好適である。
【0077】
本発明の湿式塗装ブースの運転方法によれば、31日間連続的に運転した後であっても、循環水槽内の循環水のCOD値(化学的酸素要求量:JIS K 0102に準拠した重クロム酸カリウム(KCr)を酸化剤として用いる方法により測定した値)を、500mg/リットル以下、好ましくは300mg/リットル以下、より好ましくは200mg/リットル以下に維持することができる。また、BOD値(生物学的酸素要求量:JIS K 0102 21及び32.3に記載された方法によって測定した値)を、500mg/リットル以下、好ましくは400mg/リットル以下、より好ましくは300mg/リットル以下に維持することができる。
【0078】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例の実験は、全て図6に示す湿式塗装ブース循環水の処理装置(塗装ブースのピット容積:10m)を使用して行なった。
【0079】
(装置の使用及び運転条件)
処理装置の使用及び運転条件は次のとおりである。
保有水量:10m
循環水量:2000リットル/分
【0080】
(好気性微生物の培養物)
好気性微生物の培養物として以下のものを用いた。
好気性微生物の培養物:モロコシ粉、小麦粉、ふすま、大豆かす、米ぬか等からなる天然植物を枯草菌で醗酵させた乾燥粉粒を主体とした活性汚泥等の種植剤(商品名:ミタゲンクリアー、東和酵素(株)製、菌体数:10個/g以上)
【0081】
(循環水ろ過液のpH値、COD値、BOD値の測定)
循環水ろ過液のpH値、COD値及びBOD値の測定は、以下のようにして行なった。
pH値:pH値は、JIS K 0102 12.1に準拠した方法によって測定した。
COD値(化学的酸素要求量):COD値は、JIS K 0102 17に準拠した、KCrを酸化剤として用いる方法によって測定した。
BOD値(生物学的酸素要求量):BOD値は、JIS K 0102 21及び32.3に記載された方法によって測定した。
【0082】
(実施例及び比較例)
(実施例1)
図6に示す湿式塗装ブースの循環水流動機構のポンプ10eを運転して、循環水槽2e内の循環水を強制的に対流(流動)させながら、31日間連続運転を行なった。試験開始時、6日経過後、17日経過後及び31日経過後における循環水槽内のpH値、COD値及びBOD値を測定した。測定結果を第1表に示す。
【0083】
(実施例2)
図6に示す湿式塗装ブースの薬剤添加部18から循環水1m当たり300gのミタゲンクリアーを循環水槽2eに添加し、循環水流動機構のポンプ10eを運転して、循環水槽2e内の循環水を強制的に対流(流動)させながら、31日間、湿式塗装ブースの連続運転を行なった。試験開始時、6日経過後、17日経過後及び31日経過後における循環水槽内のpH値、COD値及びBOD値を測定した。測定結果を第1表に示す。
【0084】
(比較例1)
実施例2において、循環水流動機構のポンプ10eを運転しない以外は実施例2と同様にして、湿式塗装ブースの連続運転を31日間行なった。試験開始時、6日経過後、17日経過後及び31日経過後における循環水槽内のpH値、COD値及びBOD値を測定した。測定結果を第1表に示す。
【0085】
【表1】
Figure 0004351439
【0086】
(比較例2)
実施例1において、循環水流動機構のポンプ10eを運転しない以外は実施例1と同様にして、湿式塗装ブースの連続運転を31日間行なった。試験開始時、6日経過後、17日経過後及び31日経過後における循環水槽内のpH値、COD値及びBOD値を測定した。測定結果を第1表に示す。
【0087】
第1表から、実施例1,2では、COD値及びBOD値が比較例1,2に比して低くなっており、循環水槽2eの有機溶剤の臭気が明らかに少なくなっており、pH値も弱アルカリ性に維持されていた。また、いずれの実施例の場合にも、比較例1,2に比して循環水を一定、かつ低粘度に維持することができ、いずれの実施例においても、比較例1に比してイルミネータ(有機溶剤のミストの飛散防止のために排気内に設けられた仕切り板)等に塗料スラッジの付着が少なくなっていた。
【0088】
さらに、ミタゲンクリアーを投入した実施例2は、ミタゲンクリアーを投入しない実施例1に比して、COD値及びBOD値が低くなっており、循環水槽2e内において循環水を流動させるに際し、前記循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加した場合には、本発明のより優れた効果を得ることができることもわかった。
【0089】
【発明の効果】
本発明の湿式塗装ブース循環水の処理装置及び処理装置の運転方法によれば、循環水槽内の循環水を流動させておくという極めて簡便な方法により、循環水槽における塗料スラッジの生成量、及び循環水に含まれる塗料成分の含有量を低減することができる。従って、塗料スラッジを取り除く固液分離装置にかかる負担が低減され、該固液分離装置のメンテナンス等の間隔を延ばすことができ、又は固液分離装置がほとんど不要となるので、循環水処理コストの大幅な低減が図られる。また、循環水槽からの塗料成分による臭気の発生も少なくなるので、作業環境の改善を図ることができる。
【0090】
また、循環水槽に、好気性微生物及び有機分解酵素を含む酵素剤を添加した湿式塗装ブース循環水の処理装置の場合には、有機溶剤等の有機物をより効果的に生物学的に分解できるため、常に循環水を一定、かつ低粘度に維持することができ、循環水を全量入れ替えを行なう時間的間隔(期間)を長くすることができ、作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式塗装ブースの概念図である。
【図2】本発明の湿式塗装ブースの循環水流動機構において用いられる、ポンプの吐出口に適用されるノズルの斜視図である。
【図3】本発明の湿式塗装ブースの循環水流動機構の仕切りに形成されるルーバーの一部を示した斜視図である。
【図4】本発明に係る湿式塗装ブースの循環水流動機構を上側から見た模式図である。
【図5】本発明に係る湿式塗装ブースの循環水流動機構を上側から見た模式図である。
【図6】本発明の湿式塗装ブースの概念図である。
【符号の説明】
1a,1b…湿式塗装ブース
2a,2b,2c,2d,2e…循環水槽
3a,3b…スプレーノズル
4a,4b…液状塗料
5a,5b…水膜板
6a,6b,6c,6d,6e,6f…循環水系の配管
7a,7b,7c,7d,7e…循環ポンプ
8a,8b…固液分離装置
9a,9b…廃棄される塗料スラッジ
10a,10b,10c,10d,10e…ポンプ
11a,11b,11c,11d,11d’,11e…循環水の流動方向
12、20c,20d…ポンプの吐出口
13…ポンプのノズル
14a,14b,14c,14d,14e…仕切り板
15a,15b,15c,15d,15e…ポンプ室
16a,16b,16c,16e…開口部
17…ルーバー
18…薬剤投入部
19c,19d…ホース
21…ブース仕切り
22…撹拌装置

Claims (23)

  1. 被塗装物の湿式塗装を行なう塗装部、循環水を貯蔵する循環水槽、及び該循環水を塗装時に発生する余剰塗料接触させることにより余剰塗料を捕集し、余剰塗料を捕集した循環水を前記循環水槽に戻す循環水系とを備える湿式塗装ブースであって、
    前記循環水槽が、循環水槽内において循環水を流動させる循環水流動機構を有するものであり、
    前記循環水流動機構が、前記循環水槽内に仕切りを配設してポンプ室を画成し、該ポンプ室に循環水を流動させるポンプを設置するとともに、循環水を流通させるための開口部を形成したものであり、
    前記ポンプが、水又は空気を吸引する吸引口と、吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、前記吐出口がその先端部分に扁平な開口を有するノズルを配設してなり、かつ、
    前記吐出口を前記循環水槽の底面部であって、前記開口部の近傍に配置したものである
    ことを特徴とする湿式塗装ブース。
  2. 前記吐出口が、前記ポンプ室外に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の湿式塗装ブース。
  3. 前記循環水流動機構が、直方体形状の循環水槽を有し、
    該循環水槽の第1の側面と略平行に仕切りを配設してポンプ室を画成し、
    該ポンプ室の底面部にポンプを設置するとともに、
    前記循環水槽の第1の側面に直交する2つの側面部近傍に、前記吐出口を設置したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の湿式塗装ブース。
  4. 前記循環水流動機構が、湿式塗装ブースの運転とは独立して、前記循環水槽内において循環水を流動させるものである請求項1〜3のいずれかに記載の湿式塗装ブース。
  5. 前記循環水流動機構が、湿式塗装ブースの運転停止中においても、循環水槽内において循環水を流動させることができるものである請求項1〜4のいずれかに記載の湿式塗装ブース。
  6. 前記循環水流動機構が、前記循環水槽内に循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置したものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の湿式塗装ブース。
  7. 前記循環水流動機構が、前記ポンプ室内の前記第1の側面とそれに直交する2つの側面部の境界部近傍に、循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の湿式塗装ブース。
  8. 前記循環水流動機構が、前記循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加する薬剤添加部を備えるものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の湿式塗装ブース。
  9. 前記循環水系が、循環水槽に貯蔵された循環水を塗装部の上部から水膜状又はシャワー状にして循環水槽内に流下させ、該水膜状又はシャワー状の循環水により余剰塗料を捕集するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の湿式塗装ブース。
  10. 被塗装物の湿式塗装を行なう塗装部、循環水を貯蔵する循環水槽、及び該循環水を塗装時に発生する余剰塗料とを接触させることにより余剰塗料を捕集し、余剰塗料を捕集した循環水を前記循環水槽に戻す循環水系とを備える湿式塗装ブースであって、
    前記循環水槽が、循環水槽内において循環水を流動させる循環水流動機構を有するものであり、
    前記循環水流動機構が、前記循環水槽内に仕切りを配設してポンプ室を画成し、該ポンプ室に循環水を流動させるポンプを設置するとともに、循環水を流通させるための開口部を形成したものであり、
    前記ポンプが、水又は空気を吸引する吸引口と、吸引した水又は空気を吐出する吐出口とを有するものであって、前記吐出口がその先端部分に扁平な開口を有するノズルを配設してなり、
    前記吐出口を前記循環水槽の底面部であって、前記開口部の近傍に配置したものであることを特徴とする湿式塗装ブースの運転方法であって、
    前記循環水槽内において、循環水を前記ポンプによって流動させることを特徴とする湿式塗装ブースの運転方法。
  11. 前記吐出口が、前記ポンプ室外に設置されている請求項10に記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  12. 前記循環水流動機構が、直方体形状の循環水槽を有し、
    該循環水槽の第1の側面と略平行に仕切りを配設してポンプ室を画成し、
    該ポンプ室の底面部にポンプを設置するとともに、
    前記循環水槽の第1の側面に直交する2つの側面部近傍に、前記吐出口を設置したものであることを特徴とする請求項10または11に記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  13. 前記循環水槽内に、循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置したものであることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  14. 湿式塗装ブースが、前記ポンプ室内の前記第1の側面とそれに直交する2つの側面部の境界部近傍に、循環水を強制循環させる撹拌装置をさらに設置したものであることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  15. 湿式塗装ブースの運転とは独立して、前記循環水槽内において循環水を流動させるものである請求項10〜14のいずれかに記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  16. 湿式塗装ブースの運転停止中においても、前記循環水槽内において循環水を流動させることを特徴とする請求項15に記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  17. 前記循環水槽内において循環水を流動させるに際し、前記循環水に好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤を添加することを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  18. 前記好気性微生物として枯草菌を用いる請求項17に記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  19. 前記好気性微生物及び有機物分解酵素を含む酵素剤が、好気性微生物の培養物であることを特徴とする請求項17または18に記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  20. 前記好気性微生物の培養物が、天然植物を枯草菌で発酵させた乾燥粉粒であることを特徴とする請求項19に記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  21. 前記好気性微生物の培養物が、10個/g以上の菌体数を含む枯草菌の培養物であることを特徴とする請求項19または20に記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  22. 前記循環水槽内において、循環水を流動させる際における循環水中の好気性微生物の菌体数を10個/ml以上とすることを特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載の湿式塗装ブースの運転方法。
  23. 前記循環水系が、循環水槽に貯蔵された循環水を塗装部の上部から水膜状又はシャワー状にして循環水槽内に流下させ、該水膜状又はシャワー状の循環水により余剰塗料を捕集するものである請求項10〜22のいずれかに記載の湿式塗装ブースの運転方法。
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