JP4350765B2 - セメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法及び回収装置 - Google Patents

セメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法及び回収装置 Download PDF

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Description

本発明は、セメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法及び回収装置に関し、更に詳しくは、セメント焼成設備から排出される排ガスに含まれる二酸化炭素を液化し回収することにより、二酸化炭素の排出量が少ない排ガスとするとともに、セメント焼成設備から排出される燃焼ガス量を最小限とすることが可能なセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法、及び、二酸化炭素の排出量が少ない排ガスを実現可能としたセメント焼成設備の二酸化炭素の回収装置に関するものである。
近年、地球温暖化を防止するための対策として、二酸化炭素の発生および大気への放出を抑制するための様々な検討が成されており、火力発電所においても、そこで発生する二酸化炭素を回収するための技術について、様々な試みがなされている。一例を挙げると、火力発電所の火力発電設備では、下記の(1)〜(3)に示すような様々なプロセスが提案されている。
(1)燃焼前に二酸化炭素を分離回収するプロセスとして、酸素利用石炭ガス化設備を併設した複合発電プロセスが提案されている。このプロセスは、微粉炭燃料を高温高圧でガス化し、生成する合成ガスをシフト反応させることによって、二酸化炭素濃度を高め、この高濃度の二酸化炭素の分離回収を燃料段階で行うプロセスである。
(2)酸素燃焼による二酸化炭素を直接回収する酸素燃焼微粉炭ボイラー発電プロセスが提案されている。このプロセスでは、微粉炭燃焼に用いられる燃焼用空気(ガス)を二酸化炭素−酸素系のガスとし、燃焼により生成する排ガス中の二酸化炭素濃度を乾燥状態でほぼ100%とし、この排ガスの一部を取り出すことにより二酸化炭素を分離・回収する方法である。残りの排ガスは、ボイラー温度を低く抑えるために燃焼用ガスの一部としてリサイクルされ更に酸素が添加される酸素付加微粉炭燃焼法が採られる。
(3)燃焼後の排ガスから二酸化炭素を分離回収する空気燃焼微粉炭ボイラー発電プロセスが提案されている。
この方法は、微粉炭ボイラーから排出される排ガス中の二酸化炭素を、燃焼に使用した空気中の窒素により希釈することにより、二酸化炭素の分圧を低くする方法である。この方法では、二酸化炭素の分離・回収を経済的に行うために、ほぼ大気圧下で、圧縮機で昇圧しない二酸化炭素分離プロセスが選定される。この二酸化炭素の分離方法としては、アミン化学吸収法、改良化学吸収法がある。
上記の(1)〜(3)に示す二酸化炭素の分離・回収プロセスでは、いずれも地球温暖化防止対策として燃焼排ガス中の二酸化炭素を除去しようとするものであるが、そのために必要なエネルギーは莫大であり、排ガス中の二酸化炭素を回収するエネルギーは、発電に投入される全エネルギーの20%相当と言われている。
一方、セメント製造設備から発生する二酸化炭素としては、セメント焼成のための燃料燃焼に伴い発生する二酸化炭素の他、セメント原料をクリンカ鉱物とするための炭酸カルシウム熱分解により発生する二酸化炭素があり、この炭酸カルシウム熱分解により発生する二酸化炭素は、燃料燃焼に伴って発生する二酸化炭素の1.7〜1.8倍であり、発生する二酸化炭素の大半を占めている。
したがって、二酸化炭素を回収するために投入するエネルギーは、火力発電設備の数倍になることが予想され、セメント製造設備においては、これらの点を考慮にいれた二酸化炭素の回収プロセスを検討する必要がある。
更に、近年、セメント製造設備においては産業廃棄物の処理が盛んに行われており、単位セメントの製造に占める廃棄物の使用量は、セメント1トンあたり400〜480kgにもなる。この産業廃棄物の処理量の増加に伴って、セメント焼成能力の低下やセメント焼成熱量原単位等の増加が生じている。
例えば、脱水汚泥等の高含水率廃棄物は、セメント製造設備にて直接処理するとセメント焼成能力を大きく低下させる。セメント焼成炉以外の焼却設備を用いた汚泥処理の場合では、この高含水率廃棄物に含まれる水分を蒸発させるとともに、それに含まれる有機成分を高温焼却して処理するのが一般的である。
この高温焼却においても大量のエネルギーが投入されており、エネルギー投入分だけ二酸化炭素が大気に放出されている。
一方、セメント焼成設備のロータリーキルンの燃焼を促進するために、ロータリーキルンへ富酸化剤空気を導入して燃焼用二次空気の酸素濃度を高くすることによって、ロータリーキルン内での燃焼を改善する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2000−281400号公報
ところで、上述した従来のロータリーキルンへ富酸化剤空気を導入して燃焼用二次空気の酸素濃度を高くする方法は、使用する燃料の多様化やセメント焼成の能力改善に有効であるが、ロータリーキルン内の高温化に伴う設備の熔損等の危険性が増大する虞があるという問題点、セメントクリンカ焼成のための熱量原単位には何ら改善がみられないにもかかわらず、酸素発生のための多額の設備投資が必要になり、酸素発生の動力が増加する等の新たな問題点が生じ、必ずしも有効な方法とはならないものであった。
以上のような状況から、火力発電設備における排出ガス中の二酸化炭素の回収技術と、セメント焼成設備における廃棄物の使用の現状、および他の廃棄物処理施設の状況を捉えて、これらを有効に複合させることにより、二酸化炭素が効果的に回収されるとともに、燃焼ガスの排出の少ないセメント焼成設備が望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、セメント焼成設備から排出される排ガスに含まれる二酸化炭素を回収することにより、二酸化炭素の排出量が少ない排ガスとするとともに、セメント焼成設備から排出される燃焼ガス量を最小限とすることができ、さらには、地球温暖化を防止するための対策として有効であるセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法及び回収装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、セメント焼成設備の排ガス中に含まれる二酸化炭素を回収するにあたって、酸素燃焼による二酸化炭素を直接回収する酸素燃焼微粉炭セメントクリンカ焼成プロセスを適用することにより、セメント焼成設備の高温化による熔損等の危険性を防止するとともに、セメント焼成設備の焼成能力を任意の能力に調整することが可能になることを見出し、さらに、これにより廃棄物の大量処理が可能となる廃棄物処理システムを兼ねた二酸化炭素の排出のないセメント焼成設備が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法は、セメント原料を乾燥・粉砕して粉末原料とする乾燥・粉砕手段と、乾燥・粉砕された粉末原料を予熱・仮焼するサスペンションプレヒータと、予熱・仮焼された粉末原料を焼成しセメントクリンカとするロータリーキルンと、焼成されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラとを備えてなるセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法であって、前記サスペンションプレヒータから排出される排ガスを冷却するサスペンションプレヒータ排ガス冷却工程と、冷却されたサスペンションプレヒータ排ガス中に含まれる水蒸気を取り除く除湿工程と、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスに酸素を付加する工程と、酸素付加された前記サスペンションプレヒータ排ガスを前記クリンカクーラの冷却ガスとして循環利用するサスペンションプレヒータ排ガス循環工程とを含む、前記セメント焼成設備内の二酸化炭素を濃縮させる工程と、酸素を付加する前記工程の上流でサスペンションプレヒータ排ガスの一部を採取し、該排ガスに含まれる二酸化炭素を液化する二酸化炭素液化工程と、を備えてなることを特徴とする。
この二酸化炭素の回収方法では、サスペンションプレヒータから排出される排ガスを冷却した後、この冷却されたサスペンションプレヒータ排ガス中に含まれる水蒸気を取り除き、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスの一部から二酸化炭素を液化し取り除くことにより、セメント焼成に伴う燃料燃焼により発生する二酸化炭素、及びセメント原料の脱炭酸反応により発生する二酸化炭素が効率よく回収される。
また、セメント焼成設備、特にロータリキルン内部の温度を制御することが可能であり、セメントクリンカ焼成のためのガス量原単位の低減も可能であるから、セメントクリンカの焼成能力も向上する。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法は、前記クリンカクーラからの排ガスをセメント原料の乾燥の熱源として循環利用するクリンカクーラ排ガスの循環工程を備えてなることを特徴とする。
この二酸化炭素の回収方法では、前記クリンカクーラからの排ガスをセメント原料の乾燥の熱源として循環利用するクリンカクーラ排ガスの循環工程を備えたことにより、セメント原料の乾燥の熱源を高温空気とするとともに、セメント焼成設備から排出される二酸化炭素を含まない排ガス(高温空気)によりセメント原料を乾燥粉砕することが可能となり、セメント焼成設備からは、二酸化炭素のみならず、窒素酸化物等の排出も完全になくなる。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法は、前記サスペンションプレヒータ排ガス冷却工程は、前記サスペンションプレヒータから排出される排ガスを、前記サスペンションプレヒータの排ガスとの熱交換により加熱水または過熱蒸気を発生させて発電を行う廃熱発電装置を用いて熱交換し、冷却する工程であることを特徴とする。
この二酸化炭素の回収方法では、サスペンションプレヒータ排ガス冷却工程を、サスペンションプレヒータから排出される排ガスを、前記サスペンションプレヒータの排ガスとの熱交換により加熱水または過熱蒸気を発生させて発電を行う廃熱発電装置を用いて熱交換し、冷却する工程とすることにより、サスペンションプレヒータから排出される高温ガスは、水を用いることなく所定の温度まで冷却され、この排ガスとの熱交換により生じた加熱水または過熱蒸気は、有効に発電に利用される。この熱交換においては、100℃程度にまで排ガスを熱交換することが可能であるから、熱交換後の排ガスの液化のための減湿等の前処理が容易となる。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法は、前記クリンカクーラは、高効率型クリンカクーラであることを特徴とする。
この二酸化炭素の回収方法では、クリンカクーラを高効率型クリンカクーラとすることにより、クリンカクーラでのセメントクリンカの冷却が効率的に行われることとなり、このセメント焼成設備のセメントクリンカ焼成能力を向上させる操業を行う場合であっても、既設のクリンカクーラを大型化したり、あるいはクリンカ冷却にかかる通風系統の容量を大きく変更する等を行うことなく、セメントクリンカを冷却することが可能である。
これにより、燃料燃焼用ガスの酸素濃度を任意に設定することによって、セメントクリンカ焼成能力を変更することが可能となり、従来のセメント焼成設備より増して、要求に従ってセメント生産量の変更が可能である。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法は、前記サスペンションプレヒータまたは前記ロータリーキルンの窯尻部に、水分を導入する水分添加工程を有することを特徴とする。
この二酸化炭素の回収方法では、サスペンションプレヒータまたはロータリーキルンの窯尻部に、水分を導入する水分添加工程を有することにより、この水分の添加量を変更することでセメント焼成設備のセメントクリンカ焼成能力を変更することが可能になる。よって、既設のセメント焼成設備に二酸化炭素の回収方法を適用する場合においても、セメントクリンカ焼成量と、既設のセメント原料粉砕部やセメント粉砕部の設備能力に合致したものとすることができる。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法は、前記水分添加工程は、高含水率廃棄物を導入する高含水率廃棄物導入工程であることを特徴とする。
この二酸化炭素の回収方法では、水分添加工程を、高含水率廃棄物を導入する高含水率廃棄物導入工程とすることにより、高含水率廃棄物を有効に処理することが可能となる。しかも、このセメント焼成設備での処理量を、燃料燃焼用ガス中の酸素濃度を変更することにより任意に設定することが可能であるから、有効な廃棄物処理が可能となる。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法は、除湿された前記サスペンションプレヒータ排ガスに含まれる二酸化炭素の濃度が85%以上となるように、前記セメント焼成設備の燃料燃焼量および前記セメントクリンカの焼成量を調整し、前記サスペンションプレヒータ排ガス中の過剰酸素量を制御することを特徴とする。
この二酸化炭素の回収方法では、除湿された前記サスペンションプレヒータ排ガスに含まれる二酸化炭素の濃度が85%以上となるように、前記セメント焼成設備の燃料燃焼量および前記セメントクリンカの焼成量を調整することにより、前記サスペンションプレヒータ排ガス中の過剰酸素量を制御するので、セメント焼成に伴う燃料燃焼により発生する二酸化炭素、及びセメント原料の脱炭酸反応により発生する二酸化炭素が効率よく回収され、セメントクリンカ焼成のための熱量原単位も改善され、セメントクリンカの焼成能力もさらに向上する。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収装置は、セメント原料を乾燥・粉砕して粉末原料とする乾燥・粉砕手段と、乾燥・粉砕された粉末原料を予熱・仮焼するサスペンションプレヒータと、予熱・仮焼された粉末原料を焼成しセメントクリンカとするロータリーキルンと、焼成されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラとを備えてなるセメント焼成設備の二酸化炭素の回収装置であって、前記サスペンションプレヒータから排出される排ガスを冷却するサスペンションプレヒータ排ガス冷却手段と、冷却されたサスペンションプレヒータ排ガス中に含まれる水蒸気を取り除く除湿手段と、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスに酸素を付加する酸素供給手段と、酸素付加された前記サスペンションプレヒータ排ガスの一部を前記クリンカクーラの冷却ガスとして循環利用するサスペンションプレヒータ排ガス循環手段とを含む、前記セメント焼成設備内で二酸化炭素を濃縮させる手段を備えており、前記酸素供給手段の上流で前記サスペンションプレヒータ排ガスの一部を採取し、該排ガスに含まれる二酸化炭素を液化する二酸化炭素液化手段を有することを特徴とする。
この二酸化炭素の回収装置では、サスペンションプレヒータ排ガス冷却手段によりサスペンションプレヒータから排出される排ガスを冷却し、除湿手段により冷却されたサスペンションプレヒータ排ガス中に含まれる水蒸気を取り除き、二酸化炭素液化手段により除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスの一部を採取し、該排ガスに含まれる二酸化炭素を液化する。これにより、セメント焼成に伴う燃料燃焼により発生する二酸化炭素、及びセメント原料の脱炭酸反応により発生する二酸化炭素が効率よく回収される。
また、セメント焼成設備、特にロータリキルン内部の温度を制御することが可能であり、セメントクリンカ焼成のためのガス量原単位を変更することを可能とするので、セメントクリンカの焼成能力も向上する。
また、サスペンションプレヒータ排ガス循環手段により、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスの一部を前記クリンカクーラの冷却ガスとして循環利用するので、高濃度の二酸化炭素含有ガスが得られ、効率的に二酸化炭素を回収することが可能である。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法によれば、サスペンションプレヒータから排出される排ガスを冷却するサスペンションプレヒータ排ガス冷却工程と、冷却されたサスペンションプレヒータ排ガス中に含まれる水蒸気を取り除く除湿工程と、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスの一部を採取し、該排ガスに含まれる二酸化炭素を液化する二酸化炭素液化工程と、前記除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスの一部を前記クリンカクーラの冷却ガスとして循環利用するサスペンションプレヒータ排ガス循環工程とを備えたので、セメント焼成に伴う燃料燃焼により発生する二酸化炭素、及びセメント原料の脱炭酸反応により発生する二酸化炭素を効率よく回収することができる。
また、セメント焼成設備、特にロータリキルン内部の温度を制御することができ、さらに、セメントクリンカ焼成のためのガス量原単位の減少・変更を行うことができ、セメントクリンカの焼成能力を向上させることができる。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収装置によれば、サスペンションプレヒータから排出される排ガスを冷却するサスペンションプレヒータ排ガス冷却手段と、冷却されたサスペンションプレヒータ排ガス中に含まれる水蒸気を取り除く除湿手段と、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスの一部を採取し、該排ガスに含まれる二酸化炭素を液化する二酸化炭素液化手段と、前記除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスの一部を前記クリンカクーラの冷却ガスとして循環利用するサスペンションプレヒータ排ガス循環手段とを備えたので、セメント焼成に伴う燃料燃焼により発生する二酸化炭素、及びセメント原料の脱炭酸反応により発生する二酸化炭素を効率よく回収することができる。
また、セメント焼成設備、特にロータリキルン内部の温度を制御することができ、セメントクリンカ焼成のためのガス量原単位を減少することができる。したがって、セメントクリンカの焼成能力を向上させることができる。
また、サスペンションプレヒータ排ガス循環手段により、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスの一部を前記クリンカクーラの冷却ガスとして循環利用するので、高濃度の二酸化炭素含有ガスを得ることができ、このガスを効率的に回収することができる。
本発明のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法及び回収装置の最良の形態について、図面に基づき説明する。
なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態のセメント焼成設備を示す模式図であり、このセメント焼成設備は、従来のセメント焼成設備に、このセメント焼成設備のサスペンションプレヒータの排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素の回収装置、多量の廃棄物をセメント焼成設備に供給する廃棄物の処理装置、及び、前記セメント焼成設備のサスペンションプレヒータから排出される排ガスを有効利用する廃熱発電装置を付設したものである。
図1において、1はセメントクリンカを焼成するロータリーキルン、2は焼成されたセメントクリンカを冷却する高効率型のクリンカクーラ、3はセメント粉末原料を予熱・仮焼する複数段のサイクロン3a〜3eからなるサスペンションプレヒータ、4はセメント原料を乾燥・粉砕する原料ミル、5はセメント原料粉を分離するサイクロン、6はセメント原料貯蔵庫、7a、7bは集塵装置、8a、8bは排気煙突であり、これらにより、従来のセメント焼成設備が構成されている。
また、11は二酸化炭素回収装置であり、サスペンションプレヒータ排ガスライン12と、サスペンションプレヒータ排ガスを熱源とする給水加熱器(ボイラ部含む)13と、排風機(IDF)14と、サスペンションプレヒータ排ガスを冷却し含まれる水分を取り除き、さらに含まれるダストを集塵するガス冷却・減湿・除塵装置15と、サスペンションプレヒータ排ガスから二酸化炭素を液化回収する二酸化炭素液化装置16とにより構成されている。
二酸化炭素液化装置16は、サスペンションプレヒータ排ガスの一部を分取し圧縮乾燥する二酸化炭素圧縮・乾燥装置17と、二酸化炭素冷却・液化装置18と、液化した二酸化炭素を貯留する液化二酸化炭素貯蔵装置19とにより構成されている。
また、21はセメント焼成設備の排ガスを熱源とする廃熱発電装置であり、クリンカクーラ排ガスを熱源とするボイラ22と、フラッシャー23と、タービン24と、発電機25と、復水器26と、給水加熱器13とにより構成されている。
また、31は高含水率廃棄物の投入装置、32はサスペンションプレヒータ排ガスをクリンカクーラ2の冷却ガスとして循環使用するためのサスペンションプレヒータ排ガスの循環ライン、33は深冷分離酸素発生装置等からなるセメント焼成設備の燃料燃焼用の酸素源をサスペンションプレヒータ排ガスの循環ライン32に供給する酸素製造装置、34はクリンカクーラ排ガスをセメント原料乾燥に循環使用するためのクリンカクーラ排ガスの循環ラインである。
本発明のセメント焼成設備は「酸素燃焼による二酸化炭素を直接回収する酸素燃焼微粉炭セメントプロセス」である。
ここで、従来のセメント焼成設備の特質を以下(1)〜(3)に述べ、本発明のセメント焼成設備が、セメント焼成設備から排出される二酸化炭素を効率的に回収するために、酸素富化微粉炭燃焼法により排出される二酸化炭素を高濃度として、圧縮・液化する方法で二酸化炭素を分離回収する構成とした理由について説明する。
(1) セメント焼成設備から排出される二酸化炭素は、セメントクリンカ焼成のための燃料(微粉炭)燃焼により発生する二酸化炭素が単位クリンカ当たり約0.3kg/kg、セメント原料の脱炭酸反応から発生する二酸化炭素が約0.5kg/kgである。従って燃料の燃焼に伴って発生する二酸化炭素量は38%程度にしかならない。
したがって、セメント焼成設備では、セメント原料から発生する二酸化炭素をも合わせてすべての二酸化炭素を回収することが必須である。
(2) セメント焼成設備では、セメントクリンカを焼成するに当たって、セメントクリンカは約1450℃まで加熱することによって所定のクリンカ鉱物が生成されるものであるから、ロータリーキルン1での燃料燃焼により形成されるフレーム温度は高温度が要求される。
このためには、高温度フレームを形成することができる燃料と、クリンカクーラ2から回収される燃焼用空気も高温度とすることによって上記の高温度フレームの形成条件が達成される。
ロータリーキルン1内では、使用する燃料などは、十分高温状態を形成することが可能な燃料であることが条件となる。
(3) 近年、セメント焼成設備においては、単位セメントクリンカ当たり300〜350kg/t程度の廃棄物をセメント原料として使用しており、特に水分を多量に含む高含水率廃棄物や保有熱量の低いバイオマス系廃棄物等を燃料として用いた場合、セメント焼成設備の操業に対する影響が大きく、これらの廃棄物を多量に使用することはセメントクリンカ焼成能力を廃棄物の使用量の数倍の値で低下させることとなる。
一方、セメント焼成設備は、唯一、多量の廃棄物を有用な原料としてセメントに利用できる役割を担っており、所謂、廃棄物を循環使用できる静脈産業としての役割として社会的要求は大きなものがある。したがって、セメント焼成設備では、多種多様の廃棄物を処理することが可能であって、しかも所定のセメント生産が可能であることが要求される。
以上、セメント焼成設備が有する特質と、セメント焼成設備から排出される多量の二酸化炭素の回収を合わせて考慮すると、二酸化炭素の回収装置としては、微粉炭燃料を高温・高圧下でガス化し合成して二酸化炭素濃度を高め、この高濃度の二酸化炭素を燃焼前に取り除く「燃焼前二酸化炭素分離回収方法」や、燃焼後の排ガスからアミン吸着法等により二酸化炭素を取り除く「燃焼後排ガスからの二酸化炭素分離回収方法」等は、上記の(1)〜(3)の条件を満足するセメント焼成設備を構成することが不可能である。
本発明者等が鋭意研究を行った結果、従来のセメント焼成設備に「酸素燃焼による二酸化炭素を直接回収する酸素燃焼微粉炭セメントプロセス」を適用することにより、セメント焼成設備が有する特質である上記の(1)〜(3)の条件を満足するセメント焼成設備を構成することが可能となり、しかも廃棄物を多量に処理することができるにも関わらず、大気環境へ影響を及ぼす二酸化炭素を全く排出することのないセメント焼成設備を構成することを見出し、本発明を完成させた。
ここで、「酸素燃焼による二酸化炭素を直接回収する酸素燃焼微粉炭セメントプロセス」を採用するに至った経緯について、さらに詳細に説明する。
従来のセメント焼成設備では、高含水率廃棄物をロータリーキルンに直接投入して処理しており、この処理によってロータリーキルン内での高含水率廃棄物からの水の蒸発に伴うガス量の増加、蒸発潜熱などにより、セメントクリンカの焼成能力を極端に低下させているのが実情である。従来のセメント焼成設備においては、高含水率廃棄物を処理した場合、この高含水率廃棄物に含まれる水分量の約2.5〜3倍量のセメントクリンカの焼成能力の低下と、この水分を蒸発させるための蒸発潜熱の2〜2.5倍量の熱量損失が生ずるとされている。
また、セメント焼成設備から排出される二酸化炭素の回収方法である従来の発電設備にて検討対象としている「燃焼前二酸化炭素分離回収方法」、「燃焼後排ガスからの二酸化炭素分離回収方法」等は、セメント焼成設備の廃棄物使用に係るセメント焼成炉の操業への影響を改善する効果が無く、単純にセメント焼成設備の二酸化炭素の排出の低減、または排出ガスからの二酸化炭素の回収に供する設備となる。
「酸素燃焼微粉炭セメントプロセスの特徴と概要」
この酸素燃焼による二酸化炭素を直接回収する酸素燃焼微粉炭セメントプロセスでは、付加した酸素を用いて燃料を燃焼させることにより、セメント焼成設備内の酸素濃度を任意に設定することができる。したがって、ロータリーキルン内部の温度やセメントクリンカを焼成するための必要とするガス量を任意に調整することにより、セメントクリンカの焼成度の改善やセメントクリンカの焼成能力を変更することが可能となる。
一方、上述したように、従来のセメント焼成設備においては、ロータリーキルン内の酸素濃度を変更した場合であっても、セメントクリンカ焼成のために付加する酸素量原単位、セメントクリンカ焼成のための熱量原単位、及び発生する二酸化炭素量は、ほとんど変化せず一定である。その理由は、セメント焼成設備においては、酸素濃度を変更することによりセメントクリンカ焼成能力を変更する場合であっても、酸素濃度の増加に伴ってクリンカクーラからの回収二次空気(ガス)原単位の減少に伴う回収熱量原単位の減少と、サスペンションプレヒータから排出されるガス原単位の減少と、温度低下による排出熱量原単位の減少がほぼ等しくなるからである。
従来のセメント焼成設備では、上述したような酸素付加を行っていないので、高含水率廃棄物の処理増加に伴うセメント焼成能力の減少や熱量原単位の増加に対しては、何等の有効な対処手段がないのが現状であった。
上述したように、酸素燃焼によりセメント焼成設備の能力を増加させることが可能となるが、従来のセメント焼成設備の燃焼用空気に単に酸素付加を行っただけでは、ロータリーキルン内の温度の上昇に伴う熱負荷の増加により、このロータリーキルン内に熱損傷が生じる可能性があるので、おのずと酸素付加量は制限されることとなる。したがって、セメント焼成設備の能力増加量を大きくすることは難しかった。
一方、本発明の酸素燃焼による二酸化炭素を直接回収する方法においては、二酸化炭素を高収率で回収するためにサスペンションプレヒータ排ガスに酸素付加を行った後、クリンカクーラの冷却ガスとして循環再利用するので、セメント焼成設備内の酸素濃度を任意に変更することができるとともに、燃焼後の排ガスを高濃度の二酸化炭素含有排ガスとすることができる。
また、クリンカクーラ2で熱交換した富酸素化された冷却ガスを、燃料燃焼用ガスとしてロータリーキルン1内に導入した場合であっても、燃料燃焼後のガスの二酸化炭素濃度が高いために高温度となることがなく、セメントクリンカの焼成帯温度を所定の値に保つことができる。
したがって、本発明のセメント焼成設備においては、燃料燃焼用ガスを富酸素化して燃焼させることにより、セメント焼成設備の設備能力を向上させることが可能となる。
一方、クリンカクーラ2においては、従来のセメント焼成設備のクリンカクーラと比較して、比熱の高い二酸化炭素を豊富に含む冷却ガスを用いることによりセメントクリンカの冷却がより進み、クリンカの冷却効率が高くなるが、回収される二次燃焼用ガスの温度は従来より低下することとなる。
クリンカクーラ2での冷却効率の向上は、燃料燃焼用ガスの回収領域の冷却ガスの比熱の変化により、約13%程度の冷却能力の向上となる。
本発明のセメント焼成設備では、ロータリーキルン1内におけるクリンカ焼成帯での温度を従来のセメント焼成設備と同等とするには、燃料燃焼用ガスの酸素濃度を約30%とすることが必要である。酸素濃度を30%とするとセメント焼成設備のクリンカ焼成能力が40%程度増加する。一方、セメントクリンカ焼成能力が40%増加すると、既設のセメント原料粉砕部、セメント粉砕部やその他セメント工場全体の設備容量のバランスを保つことが不可能になる虞がある。したがって、本発明のセメント焼成設備では、クリンカ焼成量を従来値に保つには、焼成系の通ガス量を低下させた操業を行うことにより可能ではあるが、極端なガス量の低下は、サスペンションプレヒータ3におけるサイクロン3a〜3eでの集塵効率などに影響を及ぼすこととなり、不安定な操業を引き起こす虞がある。
そこで、本発明のセメント焼成設備では、サスペンションプレヒータ3での通ガス量を確保するとともに、クリンカ焼成量を所定の値に保つために、サスペンションプレヒータ3、ロータリーキルン1の窯尻部等において高含水率廃棄物等を処理することにより発生する水蒸気によってガス量を確保することにより、セメントクリンカの焼成量を所定の値とする。これにより、安定した操業が可能となる。
また、本発明のセメント焼成設備においては、既設のセメント焼成設備から排出される二酸化炭素を効率よく回収し、さらにセメントクリンカの品質を確保しつつ従来のセメント焼成設備と同等量以上の焼成を行い、しかも多量の廃棄物を処理するために、鋭意研究をおこなった結果、上述したセメント焼成設備が有する特質と、二酸化炭素液化装置16が要求するガス条件とにより、以下のような機能を有するセメント焼成設備が望ましいことが分かった。
二酸化炭素液化装置16に要求されるガス条件は、以下である。
二酸化炭素を圧縮した後、冷却して水分を取り除き、さらに、二酸化炭素が液化する温度・圧力の条件下まで圧縮・冷却することにより、二酸化炭素を液化させて回収する二酸化炭素液化回収方法は、二酸化炭素圧縮工程で消費される単位二酸化炭素当たりの電力原単位、二酸化炭素回収率、液体の二酸化炭素の純度、および液体の二酸化炭素貯蔵圧力と、供給されるガスの二酸化炭素純度との関係は大きく、供給される二酸化炭素の純度が高いほど、それぞれの値は良くなる。
したがって、本発明のセメント焼成設備では、セメント焼成設備から排出される排ガス中の二酸化炭素を高純度とするため、サスペンションプレヒータから排出される排ガスに所定の酸素を添加したガスを、クリンカクーラ冷却ガス、ロータリーキルンと仮焼炉の一次空気(ガス)およびこれらの微粉炭搬送用ガス、さらにロータリーキルンフード部の冷却用ガスなどの従来のセメント焼成設備に流入する空気に替わって窒素ガスなどの成分の少ないガスとして供給する。
このような循環経路をとることによって、サスペンションプレヒータの排ガス中の二酸化炭素の純度を容易に上昇させることができる。
本発明のセメント焼成設備では、上記のような構成としたことにより、二酸化炭素となって排出されるサスペンションプレヒータ排ガスは、廃熱発電装置の給水加熱器13によって400℃以上の温度から100℃程度まで冷却される。この冷却された排ガスにはかなりの水蒸気が含まれているので、この排ガスをスクラバーなどのガス冷却・減湿・集塵装置15により更に50℃以下、好ましくは40℃以下にまで冷却し、含まれる水蒸気やダストを捕集し減湿されたガスとする。
ここでは、ガス冷却・減湿・集塵装置15の前段に更にバグフィルタ等の集塵機を設けて、予め含まれるダストを取り除くこととしても良い。
この冷却・減湿されたガスは、二酸化炭素の濃度が90%以上となっているので、セメント焼成設備にて発生した二酸化炭素量分に相当するガスを二酸化炭素液化装置16にて分取する。ここで、通常分取されるガス量は、本発明のセメント焼成設備にて焼成する単位セメントクリンカkg当たりの発生二酸化炭素量であり、約0.45Nm/kgである。
この二酸化炭素液化装置16にて分取されたガスは、まず、二酸化炭素圧縮・乾燥装置17内に設けられた大容量の遠心式コンプレッサ等により圧縮された後、冷却されて水分が除かれ、さらに圧縮される。圧縮された二酸化炭素は、液化する前に通常モレキュラーシーブス等により残留する水分が脱水され、液化温度よりも低い露点まで水分が除かれる。
水分が除去された二酸化炭素は、二酸化炭素冷却・液化装置18内の冷凍機によって作られた冷媒によって冷却・液化される。ここで、二酸化炭素の液化温度を−20℃、その圧力を20kg/cmとした場合、この温度・圧力で液化しない酸素、窒素等は系外に排出され、クリンカクーラ排ガスラインに導入された後、セメント原料乾燥粉砕系を経由したのち大気に放出される。
一方、冷却・液化された液化二酸化炭素は、液化二酸化炭素貯蔵装置19において減圧フラッシュすることにより温度が−50℃まで下がり、液化二酸化炭素貯蔵装置19内の液体二酸化炭素タンクに貯蔵される。また、フラッシュした二酸化炭素を多量に含むガスは、二酸化炭素圧縮機のサクション側に戻りリサイクルされる。
一方、サスペンションプレヒータ排ガスの循環ライン32からクリンカクーラ2の冷却ガスに送られる単位ガス量は、これに続く酸素供給装置33から供給される酸素が合流したガスの酸素濃度によってほぼ決定される。ここで、合流後のガスの酸素濃度を30%とすると、単位クリンカ量当たりの単位ガス量は0.5Nm/kg程度となる。また、同酸素濃度を40%とすると、単位クリンカ量当たりの単位ガス量は0.32Nm/kg程度となる。
また、供給される酸素量は、焼成するクリンカの熱量原単位によって決定されるものであるが、本発明のセメント焼成設備では、合流後のガスの酸素濃度に関わらず熱量原単位はほとんど変化しないので、単位クリンカ当たりの酸素供給量はほぼ一定の0.2Nm/kg程度となる。
この酸素供給装置33は、回収する二酸化炭素の純度を高く保つ必要があるため、供給する酸素も高濃度が要求される。したがって、この酸素供給装置33としては、深冷分離酸素発生装置が好適である。この深冷分離酸素発生装置の設備容量は、発生酸素量で目標とする最大クリンカ生産量に0.2〜0.25Nm/kgを乗じた値とすることにより得られる。
この酸素供給装置33で発生させる酸素濃度は、高純度が望ましく、通常は93%以上、好ましくは98%以上である。この酸素供給装置33では、発生する酸素の純度を高くすることによって、得られるセメント焼成炉の排ガス中の二酸化炭素濃度を高くすることができるが、一方、酸素製造動力も高くなるので、二酸化炭素の液化動力とのバランスを保つ最適点で操業することが好ましい。
この酸素供給装置33にて最適条件で製造した酸素は、サスペンションプレヒータ排ガスの循環ライン32に合流した後、クリンカクーラ2の上流部(二次空気回収領域)の冷却ガス、ロータリーキルン1の一次空気(ガス)、仮焼炉の一次空気(ガス)、微粉炭の搬送用空気(ガス)、ロータリーキルン1のキルンフードの冷却空気(ガス)等に分岐して送られる。
このサスペンションプレヒータ排ガスの循環ライン32を有するセメント焼成設備では、ロータリーキルン1に供給される燃料燃焼用ガスの成分が二酸化炭素を60〜66%、酸素を30〜35%、その他のガスを5〜10%含むものである。このようなガスは、含まれる二酸化炭素の熱容量が他の気体と比較して高く、例えば、1000℃の状態での比熱が空気の約1.4倍となり、また、燃焼後においても、2000℃の状態での比熱が空気の約1.4倍となる。また、燃焼ガス中にセメント原料の脱炭酸ガスが混入したセメント焼成設備の操業下における最下段サイクロン3eの出口ガスにおいては、870℃の状態での比熱が空気の約1.25倍となる。
以下、このような物性を有する燃焼用ガスを利用した本発明のセメント焼成設備内でのガスの流れに従って、セメント焼成設備でのセメントクリンカ焼成に係る各部炉内の予想される現象について、従来のセメント焼成設備と比較して説明する。
「クリンカクーラでのクリンカの冷却およびその熱交換」
このような比熱の高いガスをクリンカクーラ2の二次空気(ガス)回収領域のみの冷却ガスとして使用した場合の高温クリンカとの熱交換は、従来のセメント焼成設備と比較して熱交換が進み、高温クリンカは従来より以上に冷却が進む反面、回収する熱交換後のガス温度は、従来と比較して約200℃程度低下する。これにより、クリンカクーラ2の冷却能力は、約10%以上向上することとなる。
このクリンカクーラ2における回収二次空気(ガス)量原単位は、従来のセメント焼成設備では0.8〜0.9Nm/kgであったものを、0.4〜0.5Nm/kgに減少する。このように、回収二次空気(ガス)量が極端な減少となるので、回収される熱量においても大きく減少する。
一方、クリンカクーラ2の二次空気(ガス)回収領域以降の冷却ゾーンでは、空気を冷却に使用するので、冷却は従来と同等である。したがって、排出される排ガスは、回収二次空気(ガス)量の減少に伴って温度および排出ガス量ともに上昇する。
本発明のセメント焼成設備では、セメントクリンカ2の焼成量を従来より増加させて操業することも考慮にいれると、クリンカクーラ2は従来型から高効率型に変更することが好ましい。
「ロータリーキルンでのクリンカ焼成」
ロータリーキルン1でのクリンカ焼成は、回収する二次空気(ガス)のほか、一次空気(ガス)や微粉炭搬送空気(ガス)など微粉炭の燃焼に使用される燃焼用空気(ガス)の全てが、当該ガスとなり、このガスの有する比熱の変化が、燃焼によって形成されるフレームの温度に直接影響を及ぼす。したがって、このフレームの温度を従来の空気燃焼時と同等のフレーム温度とするには、当該ガスの酸素濃度を30%程度以上とする必要がある。
また、酸素濃度を30%程度以上とすることにより、単位クリンカ当たりのロータリーキルン1の二次空気(ガス)の回収量、および回収熱量が減少し、したがって、燃焼ガスの比熱が上昇し、ロータリーキルン1に限れば、単位クリンカ当たりの微粉炭の使用量も増加する。すなわち、ロータリーキルン1側の燃料の焚き比が10%程度上昇することとなる。このように、ロータリーキルン1の熱負荷が増加することとなるが、燃焼ガスの比熱が上昇することにより、ロータリーキルン1内の耐火物に対する影響が緩和されることとなる。
燃焼用空気(ガス)の条件を上記のようにすることによって、ロータリーキルン1内の焼成帯温度が従来のロータリーキルン内の焼成帯温度と同等となり、セメントクリンカの焼成が可能となる。また、燃焼ガス温度を確保することができるので、燃焼ガスの二酸化炭素分圧が高くなった焼成条件でありながら、セメント原料のクリンカ焼成に影響を及ぼす虞がなく、満足する品質のセメントクリンカが得られる。
一方、ロータリーキルン1内部での燃焼ガスの熱容量は、上述した通り、単位ガス量あたり従来のセメント焼成炉の燃焼ガスと比較して1.4倍であり、しかもロータリーキルン1内での高温ガスと仮焼原料との熱伝達が十分ではないので、燃焼ガスの比熱の上昇が熱交換に大きく影響を及ぼし、従来と比較して燃焼ガス−仮焼原料との熱交換が悪化することとなる。単純に考えると、従来のセメント焼成設備と比較してガス側の熱交換後温度が高くなる傾向がある。すなわち、ロータリーキルン1の窯尻部のガス温度が上昇する傾向がある。
「仮焼炉およびサスペンションプレヒータでのセメント原料予熱・仮焼」
本発明のセメント焼成設備では、燃焼用空気(ガス)の酸素濃度が30〜35%であるから、仮焼炉およびサスペンションプレヒータでの単位クリンカ当たり必要とする燃焼用空気(ガス)の原単位は、従来の60〜70%となり、最下段サイクロン出口では63〜70%である。
当該箇所でのガスの比熱の上昇は、仮焼炉等にて発生する二酸化炭素量が加わることから、従来と比較して1.25倍に留まる。一方、高温ガスを分子とするセメント粉末原料との水当量比の値は、従来の0.8〜0.9倍に低下する。すなわち、高温ガス側の水当量が低下することとなる。
一方、仮焼炉やサスペンションプレヒータは、熱伝達が十分行われる系であるから、セメント粉末原料との水当量比の値が低下することにより、高温度ガスの有する熱エネルギーをセメント粉末原料の加熱・脱炭酸に容易に伝達使用することができる。したがって、熱交換効率が高くなるに伴って、サスペンションプレヒータ排ガス温度が従来よりも低下する。
また、仮焼炉等における粉末原料の脱炭酸では、燃焼ガスの二酸化炭素分圧が増加するために、脱炭酸温度が若干上昇すると考えられるが、熱交換が粉流体の状態で行われることから、最下段サイクロン温度が従来と同温度であっても同等の脱炭酸が得られる。
一方、ガス原単位の減少は、各段のサイクロンでの粉末原料の分散やサイクロン集塵効率を低下させる虞がある。そこで、ガス量原単位の増加とセメントクリンカの焼成能力のバランスを図るため、ロータリーキルンの窯尻部、仮焼炉、サスペンションプレヒータのいずれかの箇所で散水を行うこととしても良い。
「廃熱発電装置の操業」
本発明のセメント焼成設備では、サスペンションプレヒータ3から排出されるガスを冷却するために廃熱発電装置21を設置している。
この廃熱発電装置21では、サスペンションプレヒータ排ガスについては、極力低温度まで冷却する必要があるので、給水加熱器13により冷却するものとし、クリンカクーラの排ガス系については、ボイラ22を設置することにより、ガス量の増加および高温化に対応することとした。
ボイラ22に流入するクリンカクーラ2の排ガスは、セメント焼成設備の操業条件によって大きく変化するものであるから、廃熱発電装置21の安定した操業を行うためには、給水加熱器13の上流側にボイラを設置することとしても良い。
また、サスペンションプレヒータ排ガスは通常350℃以上の温度であり、給水加熱器13で100℃程度まで降温され、これの熱交換量に相当した量の約200℃程度の温度の給水が得られる。この温水は、ボイラ22の給水(熱水)に使用され、また余剰分はフラッシャ23に送られる。
ボイラ22およびフラッシャ23で発生した蒸気によって、タービン24及び発電機25にて相当した発電量が得られる。発電量は単位クリンカ当たり通常30〜35KWH/tである。
一方、ボイラ22から排出される排ガスは、セメント原料乾燥に使用されるため、安定した温度でしかも安定量必要となるが、給水加熱器13の出口の熱水温度を一定の値に制御することによって、ボイラ22で熱交換した後のガス温度を所定の値に保つことができる。したがって、従来では変動の大きかったクリンカクーラ2の排ガスの全量を、セメント原料の乾燥に有効に使用するシステムの構築が可能となる。
「本発明のセメント焼成設備の操業」
本発明のセメント焼成設備は、既設のセメント焼成設備から排出する排ガスの二酸化炭素を分離回収するために、二酸化炭素回収装置16、廃熱発電装置21、高含水率廃棄物の投入装置31、酸素製造装置33を付設し、それぞれの装置が有効に稼動できるように、しかもセメントクリンカの品質を確保したうえ所定量の焼成を可能とする必要がある。
「実施例、基準例及び参考例」
ここで、本発明のセメント焼成設備、既設のセメント焼成設備、操業条件を以下に示す。
「既設のセメント焼成設備」
セメントプラント ;クリンカ生産能力 300t/h(7200t/日)
サスペンションプレヒータ;サイクロン段数 5段 NSF型仮焼炉
クリンカクーラ ;従来型クリンカクーラ
セメント原料乾燥粉砕系 ;サスペンションプレヒータ排ガスを熱源とし竪型ローラミルにて乾燥粉砕
「本発明のセメント焼成設備」
上記の既設のセメント焼成設備を適用した複合セメントプラントである。
セメントプラント ;クリンカ生産能力 最大350t/hで制限(最大8400t/日)
サスペンションプレヒータ;サイクロン段数 5段 NSF型仮焼炉
高含水率廃棄物の処理装置を付設
クリンカクーラ ;高効率型クリンカクーラ
セメント原料乾燥粉砕系 ;クリンカクーラ排ガスを熱源とし竪型ローラミルにて乾燥粉砕
廃熱発電装置 ;給水加熱器を付設 最大発電出力14000KW
二酸化炭素液化装置 ;CO圧縮・液化・貯蔵装置 最大液化能力280t/h
酸素発生装置 ;深冷分離酸素発生装置 最大酸素製造量75000Nm/h
「本発明のセメント焼成設備の操業条件」
(1)セメントクリンカの生産は、従来のセメント焼成設備の生産能力に対して約10%上昇の範囲内で操業した。ただし、サスペンションプレヒータ排ガスは従来のセメント焼成設備の排ガス量と同程度を確保した。
(2)ロータリーキルンでの燃焼用ガスの酸素濃度を30%とし、セメントクリンカの焼成度を確保した。
(3)セメント焼成設備内で発生した二酸化炭素の全てを液化回収した。
(4)サスペンションプレヒータ排ガス中の二酸化炭素濃度を90%以上(乾燥ガスベース)とした。
(5)サスペンションプレヒータ排ガスの循環使用する箇所を、クリンカクーラ冷却(燃焼用としての回収領域)、一次空気(ガス)、微粉炭搬送用空気(ガス)、ロータリーキルンフード冷却空気(ガス)、およびセメント焼成炉に吹き込まれる高圧空気(ガス)とした。
(6)クリンカクーラは高効率型とし、セメントクリンカの生産数量の増加に対応させた。
上記の設備および操業条件下において、以下の条件で実施例1、2として算出した。
なお、従来のセメント焼成設備を基準例とし、本発明のセメント焼成設備にて、燃焼用空気(ガス)中の酸素濃度を30%とし、さらに、二酸化炭素を回収し、セメントクリンカ焼成量を制限しない範囲で行った操業を参考例とした。
「実施例1」
燃焼用空気(ガス)中の酸素濃度を30%とし、高含水率廃棄物を処理することよってセメントクリンカ焼成量を基準値の110%以内の範囲に制限した。
「実施例2」
燃焼用空気(ガス)中の酸素濃度をロータリーキルン側30%、仮焼炉側を40%とし、高含水率廃棄物を処理することによってセメントクリンカ焼成量を基準値の110%以内の範囲に制限した。
表1に、実施例1、2、基準例及び参考例それぞれのシミュレーションを行った結果を示す。
Figure 0004350765
また、表2に、実施例1、2、基準例及び参考例それぞれの操業値を示す。
Figure 0004350765
表1及び表2に示す参考例、実施例1、2は、いずれも本発明のセメント焼成設備にて発生する二酸化炭素の回収を行い、セメントキルンにおける焼成帯の温度を確保するために、燃焼用空気(ガス)の酸素濃度を30%として操業したものである。
参考例においては、燃焼用空気(ガス)の酸素濃度を30%としたために、セメントクリンカ生産量(能力)の極端な増加となって現れ、燃焼ガスの比熱の上昇に伴い、セメントキルンの窯尻部の温度上昇等が顕著な影響となる他は、サスペンションプレヒータの各所温度などは変化しないか、むしろ低下傾向となることが予想できる。
また、発生した二酸化炭素を回収するための動力と、酸素を発生させるための動力との合計は、単位クリンカ当たり約300KHW/tcl程度となり、クリンカ焼成に費やされる電力の約10倍もの量を使用する。なお、回収する二酸化炭素は約0.8t/tclとなる。
参考例においては、クリンカ焼成能力の増加に伴い、既設プラントの原料粉砕能力やセメント粉砕能力、及びクリンカクーラの冷却能力等とのバランスが悪くなる。したがって、セメント焼成設備では、焼成能力を既設程度に制限し、系の通ガスが少ない状態で操業することになると予想される。
実施例1、2においては、高含水率廃棄物を処理することにより、通ガス量を確保しながらセメントクリンカ焼成量を制限したものであるから、既設プラントの原料粉砕能力やセメント粉砕能力とのバランスが保たれる。しかも、クリンカクーラを高効率型とすることにより、10〜20%程度のクリンカ焼成能力の増加にも対応することができる。さらに、多量の高含水率廃棄物の処理が可能となり、二酸化炭素の排出の無いセメント焼成複合プラントが成り立つ。
本発明の一実施形態のセメント焼成設備を示す模式図である。
符号の説明
1 ロータリーキルン
2 高効率型のクリンカクーラ
3 サスペンションプレヒータ
3a〜3e サイクロン
4 原料ミル
5 サイクロン
6 セメント原料貯蔵庫
7a、7b 集塵装置
8a、8b 排気煙突
11 二酸化炭素回収装置
12 サスペンションプレヒータ排ガスライン
13 給水加熱器
14 排風機(IDF)
15 ガス冷却・減湿・除塵装置
16 二酸化炭素液化装置
17 二酸化炭素圧縮・乾燥装置
18 二酸化炭素冷却・液化装置
19 液化二酸化炭素貯蔵装置
21 廃熱発電装置
22 ボイラ
23 フラッシャー
24 タービン
25 発電機
26 復水器
31 高含水率廃棄物の投入装置
32 サスペンションプレヒータ排ガスの循環ライン
33 酸素製造装置
34 クリンカクーラ排ガスの循環ライン

Claims (7)

  1. セメント原料を乾燥・粉砕して粉末原料とする乾燥・粉砕手段と、乾燥・粉砕された粉末原料を予熱・仮焼するサスペンションプレヒータと、予熱・仮焼された粉末原料を焼成しセメントクリンカとするロータリーキルンと、焼成されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラとを備えてなるセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法であって、
    前記サスペンションプレヒータから排出される排ガスを冷却するサスペンションプレヒータ排ガス冷却工程と、冷却されたサスペンションプレヒータ排ガス中に含まれる水蒸気を取り除く除湿工程と、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスに酸素を付加する工程と、酸素付加された前記サスペンションプレヒータ排ガスを前記クリンカクーラの冷却ガスとして循環利用するサスペンションプレヒータ排ガス循環工程とを含む、前記セメント焼成設備内の二酸化炭素を濃縮させる工程と、
    酸素を付加する前記工程の上流でサスペンションプレヒータ排ガスの一部を採取し、該排ガスに含まれる二酸化炭素を液化する二酸化炭素液化工程と、
    を備えてなることを特徴とするセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法。
  2. 前記クリンカクーラからの排ガスをセメント原料の乾燥の熱源として循環利用するクリンカクーラ排ガスの循環工程を備えてなることを特徴とする請求項1記載のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法。
  3. 前記サスペンションプレヒータ排ガス冷却工程は、前記サスペンションプレヒータから排出される排ガスを、前記サスペンションプレヒータの排ガスとの熱交換により加熱水または過熱蒸気を発生させて発電を行う廃熱発電装置を用いて熱交換し、冷却する工程であることを特徴とする請求項1または2記載のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法。
  4. 前記サスペンションプレヒータから排出され除湿された後のサスペンションプレヒータ排ガスの二酸化炭素濃度が85%以上であり、かつ前記クリンカクーラから前記ロータリーキルンに供給される燃焼用ガスの酸素濃度が30%以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法。
  5. 前記サスペンションプレヒータまたは前記ロータリーキルンの窯尻部に、水分を導入する水分添加工程を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法。
  6. 前記水分添加工程は、高含水率廃棄物を導入する高含水率廃棄物導入工程であることを特徴とする請求項5記載のセメント焼成設備の二酸化炭素の回収方法。
  7. セメント原料を乾燥・粉砕して粉末原料とする乾燥・粉砕手段と、乾燥・粉砕された粉末原料を予熱・仮焼するサスペンションプレヒータと、予熱・仮焼された粉末原料を焼成しセメントクリンカとするロータリーキルンと、焼成されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラとを備えてなるセメント焼成設備の二酸化炭素の回収装置であって、
    前記サスペンションプレヒータから排出される排ガスを冷却するサスペンションプレヒータ排ガス冷却手段と、冷却されたサスペンションプレヒータ排ガス中に含まれる水蒸気を取り除く除湿手段と、除湿されたサスペンションプレヒータ排ガスに酸素を付加する酸素供給手段と、酸素付加された前記サスペンションプレヒータ排ガスの一部を前記クリンカクーラの冷却ガスとして循環利用するサスペンションプレヒータ排ガス循環手段とを含む、前記セメント焼成設備内で二酸化炭素を濃縮させる手段を備えており、
    前記酸素供給手段の上流で前記サスペンションプレヒータ排ガスの一部を採取し、該排ガスに含まれる二酸化炭素を液化する二酸化炭素液化手段を有することを特徴とするセメント焼成設備の二酸化炭素の回収装置。
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