JP4345084B2 - 抗スリップイン性に優れた伸縮性繊維構造物の製法 - Google Patents

抗スリップイン性に優れた伸縮性繊維構造物の製法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン糸がスリップインしにくい伸縮性繊維構造物の製法に関する。
さらに詳しくは、融点の異なるポリウレタン成分を併用して紡糸した弾性繊維を用い、繊維構造物とした後に熱処理工程を通すことによって熱接着させ、伸縮性繊維構造物を製造する方法に関するものである。
ポリウレタンやポリウレタンウレアからの紡糸によって製造されるポリウレタン系弾性繊維は、他の繊維や不織布等に伸縮性を付与する素材として混用され、衣料用等の広汎な用途で用いられている。例えば、不織布と不織布との間にポリウレタン系弾性繊維を挟んで伸縮性不織布を製造し、使い捨ての衣類やおむつ等を製造する用途がある。
この伸縮性不織布の製造においては、ポリウレタン系弾性繊維を不織布に固着させることが必要であり、そのために接着剤が使用されている。接着剤で固着させる代わりに、ポリウレタン系弾性繊維の融点以上の温度で熱処理することによりポリウレタン系弾性繊維を不織布に固着させることも考えられるが、ポリウレタン系弾性繊維が熱固着するほどの熱をかけると、その弾性機能が大きく損なわれ、伸縮性の劣る伸縮性不織布になるという問題があり、ポリウレタン系弾性繊維自体の特性を利用して熱固着させることは困難と考えられていた。
また、ポリウレタン弾性糸を混用して製編織された交編織布帛の場合、ポリウレタン弾性糸と他の繊維糸とは編織組織中で相互に位置規制されているだけであるので、その交編織布帛を裁断して縫製する際に、裁断端が解れ易い。さらに、裁断端が解れて編織組織中での相互位置規制が弱くなると、伸長状態で交編職されている弾性糸は収縮し易くなり、収縮して編織組織から抜け落ちるという現象(いわゆる、スリップ・インといわれる現象)が生じてくる。
このスリップ・インが生じると、弾性糸は裁断端部分から抜け落ちて布帛内部に潜り、しかも非伸長状態に近くなるので、伸縮性の劣る伸縮性布帛になって使用できなくなる。布帛内部に潜ってしまった弾性糸端を見出して引っ張りだして伸長状態にすれば、布帛の伸縮性を復活させることができるが、その糸端引っ張り出し作業は相当に手間のかかる作業であって、現実的な対処方法とは言い難い。
一方、熱処理によって固着させることが可能な熱接着性繊維として、鞘層に低融点ポリマを用いた芯鞘型複合繊維が知られており(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、例えば、反物のカット面の解れ防止のための混用繊維として、また、各種不織布中の接合成分として、多用されている。しかし、この熱接着性芯鞘型複合繊維には、ポリエステル系樹脂やポリオレフィン系樹脂等の容易に溶融紡糸できる非弾性ポリマが使用され、いずれの熱接着性芯鞘型複合繊維も非伸縮性繊維である。
また、熱接着性の糸として、通常の合成繊維と低融点熱接着繊維とを混繊加工した熱接着性混繊糸が知られている(特許文献3参照)。しかし、この混繊糸で用いられている熱接着性繊維も、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、或いはポリオレフィン系重合体という熱可塑性重合体からなる非伸縮性の熱接着性繊維であり、この場合も、伸縮性を有さない熱接着性混繊糸である。
このように、従来の熱接着性用の繊維や糸条は、いずれも弾性を有さないものであった。
特開2003−342836公報 特開2000−54251公報 特開2003−96633公報
ポリウレタン系弾性繊維を固定した伸縮性不織布の製造時において、ポリウレタン系弾性繊維と不織布とを固着させるために接着剤等の別素材を併用しなくすむ製造技術が求められている。
また、ポリウレタン弾性糸を交編織させた伸縮性布帛の場合、縫製等の布帛加工工程において、裁断端の解れを防止することや、弾性糸のスリップ・インを防止することが求められて、そのために、接着機能を兼備したポリウレタン弾性糸が望まれている。
しかし、前記したような従来の熱接着性芯鞘型複合繊維や熱接着性複合糸はいずれも非弾性熱可塑性樹脂を用いた非伸縮性繊維糸であるので、この非伸縮性繊維糸を用いる方法では、伸縮性繊維構造物の伸縮性を維持したままで弾性繊維を熱固着させることが困難である。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、伸縮性繊維構造物において、その伸縮性を維持したままで弾性繊維を熱固着させることができ、裁断端の解れや弾性糸のスリップ・インが生じ難い伸縮性繊維構造物を製造することを目的とする。また、接着剤を付着させなくても弾性繊維を伸縮性繊維構造物中で固着させることができる方法の提供を目的とする。
本発明は、前記目的を達成し、抗スリップイン性に優れた伸縮性繊維構造物を得るために、伸縮性糸として下記(イ)のポリウレタン系弾性繊維及び/又は下記(ロ)のポリウレタン系複合弾性繊維を用いて繊維構造物を製造した後、該繊維構造体を、弾性繊維を構成する高温側の融点が低いポリウレタン成分の熱変形温度以上で熱処理することにより伸縮性繊維構造物を製造することを特徴とするものである。
(イ)高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン成分を含有する紡糸液から紡糸されたポリウレタン系弾性繊維。
(ロ)高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン成分から複合紡糸された複合繊維であって、高温側の融点が低いポリウレタン成分の層が繊維表面の少なくとも一部を占める複合繊維形態を有するポリウレタン系複合弾性繊維。
本発明法によれば、熱処理することによって弾性繊維を熱接着させることができ、しかも、この熱接着させた後でも繊維構造物は高い伸縮性と高い柔軟性とを発揮することができるので裁断端の解れや弾性糸のスリップ・インが生じ難く、伸縮性や柔軟性に優れた繊維構造物を製造することができる。
特に、本発明法により伸縮性編織物を製造する場合には、縫製工程で裁断端がほつれたり、弾性糸がスリップインしたりというトラブルが生じ難い伸縮性編織物を製造することができるので、縫製等の高次加工工程における取り扱い性が向上し、また、伸縮性繊維製品の欠点を減少させることができる。
以下、本発明の伸縮性繊維構造物の製法について、工程順に説明する。
本発明で製造する伸縮性繊維構造物は、伸縮性糸と他の繊維(他の合成繊維や天然繊維等)とを併用して製造される伸縮性布帛類(織物、編物、不織布など)や、不織布や紙のような非伸縮性素材に伸縮糸を貼り合わせた伸縮性積層シート類で代表されるものであるが、伸縮性糸により伸縮性を付与した繊維製品であれば他の繊維構造物であってもよいし、また、実質的に伸縮性糸のみから構成される繊維構造物であってもよい。
この伸縮性繊維構造物において伸縮性糸として使用するポリウレタン系繊維は、下記(イ)のポリウレタン系弾性繊維及び/又は下記(ロ)のポリウレタン系複合弾性繊維である。
(イ)高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン成分を含有する紡糸液から紡糸されたポリウレタン系弾性繊維。
(ロ)高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン成分から複合紡糸された複合繊維であって、高温側の融点が低いポリウレタン成分の層が繊維表面の少なくとも一部を占める複合繊維形態を有するポリウレタン系複合弾性繊維。
このように、本発明で使用するポリウレタン系繊維は、高温側の融点(以下、TMHと称する)が相違する少なくとも2種のポリウレタン成分から構成されるものであり、それらのTMHの差は10℃以上あることが必要である。即ち、TMHが高いポリウレタン成分は、TMHが低いポリウレタン成分よりも10℃以上高いTMHをもつことが必要である。
ここで、ポリウレタン成分のTMHは、そのポリウレタン成分の融点測定において150℃以上で生ずる融点であり、通常のセグメンテッドポリウレタンにおけるハードセグメントの融点がこれに該当する。このTMHは、通常、デファレンシャル・スキャニング・カロリメーター(以下、DSCと称する)により測定することが出来る。
なお、ポリウレタン成分の種類によっては幾つかの融点を示すものもあるが、かかる場合、本発明におけるTMHとは、そのうちの最も高い融点を指す。
一方、ポリウレタン成分における低温側の融点(以下、TMSと称する)は70℃以下で生ずる融点であり、通常のセグメンテッドポリウレタンにおけるソフトセグメントの融点がこれに該当する。このTMSも、通常、DSCにより測定することが出来る。
本発明で使用するポリウレタン系繊維は、TMHが高いポリウレタン成分(以下、HTM−PUと称する)と、それよりもTMHが10℃以上低いポリウレタン成分(LTM−PUと称する)から構成されるものである。なお、3種類以上のポリウレタン成分で構成される場合には、それらのうち、TMHが最も高いものをHTM−PUとし、TMHが最も低いものをLTM−PUとする。
HTM−PUのTMHとLTM−PUのTMHとの温度差が10℃未満である場合には、両成分間の耐熱性の温度差が小さ過ぎるので、熱処理工程によって融着させる時の強度低下が大きく、熱処理後におけるポリウレタン系繊維の強度保持率が低くなり過ぎ、本発明の目的を達成し難い。
HTM−PUとLTM−PUとは、そのTMHの温度差が20℃以上であることが好ましい。更に好ましくは温度差が30℃以上である。このような温度差があると、繊維構造物中における弾性糸の固着性も繊維構造物の伸縮特性もともに優れた水準とすることが容易になるので好ましい。
これらのHTM−PUやLTM−PUは、ポリウレタン系ポリマであればその分子構造組成は限定されるものではなく、任意のものが広く適用できる。例えば、双方ともに分子構造がポリウレタンからなるものでもよいし、また、双方ともにポリウレタンウレアからなるものでもよい。なかでも好ましい分子構造組成の組み合わせとしては、HTM−PUがポリウレタンウレアであり、LTM−PUがポリウレタンである場合があげられる。
ポリウレタンウレアからなる弾性繊維は、耐熱性が高く、伸度を高くし易いという特性をもつ。一方、ポリウレタンからなる弾性繊維は、耐光性などが高く、THMを低くしやすいという特性をもつ。そこで、これら両成分を組合せて用いることにより、高い伸度を有し、熱接着可能な熱接着性ポリウレタン弾性繊維を作ることができる。
このように、HTM−PUとしては、例えばポリウレタンウレアが好ましく、そのTHMは、250℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは265℃以上、特に好ましくは270℃以上である。かかる特性を有するHTM−PUを用いた場合には、得られるポリウレタン系繊維の耐熱性が高くなり、高い温度で熱接着処理しても柔軟性に富み、伸縮性の高い布帛などの繊維構造物を容易に作ることができる。
ポリウレタンウレアやポリウレタンとしては、そのTMHが前記した条件範囲内となるものであれば、任意のものが使用でき、特に限定されるものではない。ここで、ポリウレタンウレアは、ポリオール、ジイソシアネート、及びジアミン系鎖伸長剤から重合されたポリマであり、ポリウレタンは、ポリオール、ジイソシアネート、及びジオール系鎖伸長剤から重合されたポリマである。
これらポリウレタンウレアやポリウレタンに使用されるポリオールとしては、ポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオールなどが好ましい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)が挙げられ、また、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)と環状エーテルやジオールとを共重合させた共重合ポリテトラメチレンエーテルグライコール(以下、共重合PTMGと略す)が挙げられる。この共重合PTMGとしては、例えば、THFと3−メチルTHFとの共重合体(以下、3M−PTMGと略す)、THFと2,3−ジメチルTHFとの共重合体、THFとエチレンオキシドとの共重合体がある。さらに、特許第2615131号公報などに開示される側鎖を両側に有するポリオールなども用いることが出来る。またさらにこれらのポリエーテル系グリコールの1種または2種以上を混合もしくは共重合させて使用するのも好ましい。
ポリエステル系ポリオールとしては、エチレンアジペート、ブチレンアジぺート、エチレン・ブチレンアジぺート、ポリカプロラクトンジオール、特公平5−8728号公報 などに開示されている側鎖を有するポリエステルポリオールなどのポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオールなどが代表的なものであり、ポリオールとして好ましい。
これらポリオールのうち、特に、PTMG、および/または共重合PTMGが好ましい。
また、こうしたポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上を混合もしくは共重合させて用いてもよい。伸度、強度、弾性回復力、耐熱性に優れたポリウレタン系繊維を得る観点から、このポリオールの数平均分子量は1000以上8000以下の範囲にあるのが好ましく、1800以上6000以下の範囲にあるのがより好ましい。
本発明におけるHTM−PUやLTM−PUに用いられるジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性体(カーボジイミド変性体、ウレタン変性体、ウレトジオン変性体など)及びこれらの2種以上の混合物などが好ましい。
前記芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。
前記脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが好ましい。
前記脂環族ジイソシアネートの具体例としては、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと称する。)、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが好ましい。
これらのうち、各種用途において、最終製品の強度を向上させ、優れた耐熱性や強度を得る観点からは、芳香族ジイソシアネートが好ましく、特に好ましいものはMDIである。また、ポリウレタン系繊維の黄変を抑制する観点からは脂肪族ジイソシアネートが好ましい。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明におけるポリウレタンウレアに用いられる鎖伸長剤のジアミンとしては、低分子量ジアミン等が好ましい。低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどが好ましい。これらの低分子量ジアミンから1種または2種以上を選択して使用すればよい。なかでも、伸度及び弾性回復性、さらに耐熱性に優れた弾性繊維を得る観点からして、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンが好ましい。
なお、ジアミン系鎖伸長剤として、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものを使用してもよい。これらの鎖伸長剤に、架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミンなどが効果が失われない程度に使用されてもよい。
本発明におけるポリウレタンに用いられる鎖伸長剤のジオールとしては、低分子量ジオールが好ましい。低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1、3プロパンジオール、1、4ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートなどが挙げられる。なかでも、エチレングリコール、1、3プロパンジオール、1、4ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。これらの低分子ジオールから1種または2種以上が選ばれて用いられる。
上記した重合成分を適宜選定して重合しポリウレタンやポリウレタンウレアを製造する。そして、これらポリマを適宜、組合せてブレンド紡糸して、又は複合紡糸して、本発明で用いるポリウレタン系の弾性繊維を製造する。
このポリウレタン系繊維には、必要に応じ、各種の添加剤、安定剤などを含んでいてもよい。例えば、ハイドロタルサイト類化合物、フンタイト及びハイドロマグネサイト、トルマリンなどに代表される各種の鉱物、Ca、Mg、Zn、Al、Ba、Tiに代表される金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物などが、本発明の効果を損なわない範囲内で含まれていてもよい。
また、これら無機系添加剤の糸中への分散性を向上させ、紡糸を安定化させる等の目的で、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール系有機物等の有機物、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤またはこれらの混合物で表面処理された無機薬品を用いることも好ましい。
さらに、これら弾性繊維には、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。例えば、耐光剤、酸化防止剤などとして、いわゆるBHTや住友化学工業(株)製の“スミライザー”GA−80などをはじめとする両ヒンダードフェノール系薬剤、チバガイギー社製“チヌビン”等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業(株)製の“スミライザー”P−16等のリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、フッ素系樹脂粉体またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などを添加してもよいし、またポリマと反応して存在させてもよい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるためには、酸化窒素捕捉剤、例えば日本ヒドラジン(株)製のHN−150、熱酸化安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミライザー”GA−80等、光安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミソーブ”300#622などの光安定剤などを含有させることが好ましい。
本発明で使用するポリウレタン系繊維は、前記した物性を有する少なくとも2種のポリウレタン成分を含有するポリウレタン系弾性繊維、及び/又は、ポリウレタン系複合弾性繊維であり、それぞれ、前記(イ)、(ロ)で特定されるものである。
かかるポリウレタン系繊維の製法は特に限定されるものではなく、任意の方法により作られたものが使用できる。
前記(イ)のポリウレタン系弾性繊維は、高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン成分を含有する紡糸液から紡糸された弾性繊維であるが、この繊維は、例えば特開2002−339166号公報などに記載されているように、ポリウレタンウレアとポリウレタンとを溶質として含有する紡糸液を口金から吐出させ、乾燥(溶媒除去)させる方法によって製造することができる。
また、前記(ロ)のポリウレタン系複合弾性繊維は、高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン成分から複合紡糸されたものであって、LTM−PUの層が繊維表面の少なくとも一部を占める複合繊維形態、好ましくは繊維表面の半分以上をLTM−PUが占める複合繊維形態、をとるものであるが、この複合繊維は、例えば、ポリウレタンウレアとポリウレタンとをサイドバイサイド型に複合紡糸することによって、また、ポリウレタンウレアが芯にポリウレタンが鞘となるように芯鞘複合紡糸することによって製造することができる。
その紡糸方法は、乾式紡糸であることが好ましい。乾式紡糸による場合、HTM−PUやLTM−PUに共通の溶媒さえあればブレンド紡糸することも複合紡糸することも容易である。このため、耐熱性に富み、良好な伸縮性を有する良好な弾性繊維を製造し易いので、乾式紡糸によるポリウレタン繊維は、ムラが少なく均一性良好な弾性繊維が製造し易い。
また、そのポリウレタン系繊維の繊度、断面形状などは特に限定されるものではない。例えば、断面形状は円形であってよく、また扁平であってもよい。複合弾性繊維の場合の複合形態は、前記したサイドバイサイド型や芯鞘型で代表されるが、LTM−PUの層が繊維表面の少なくとも一部を占める複合繊維形態であれば他の複合形態をとってもよい。この複合弾性繊維は、それぞれの層を形成する紡糸液を複合紡糸口金によって所望の複合形態とした後に口金から吐出させ、乾燥(溶媒除去)させる方法によって製造することができる。
本発明に使用されるポリウレタン系繊維中において、HTM−PUとLTM−PUとの比率は特に限定されるものではないが、重量比率で、HTM−PUが40〜98%、LTM−PUが60〜2%であることが好ましい。さらに好ましい重量比率は、HTM−PUが60〜90重量%、LTM−PUが40〜10%を占めることである。このような重量比率でもってHTM−PUとLTM−PUとが含まれることにより、十分な熱接着性を有するとともに、熱接着後も十分な弾性機能を発揮する糸とすることができる。
本発明で用いるポリウレタン系繊維はモノフィラメント糸であってもよいし、マルチフィラメント糸であってもよい。また、2本以上の繊維が合着されたものであってもよい。このように合着された繊維で構成されていると、熱接着処理時においても、ポリウレタン糸が熱により切断しにくくなり、また、熱接着後も柔軟性を発揮しやすい。
このような合着されたポリウレタン系繊維としては、例えば、100dtexの繊維の場合、10dtexの10本が互いに合着して1本の繊維のような状態を形成しているものが挙げられる。この合着された繊維を形成する各繊維の単糸繊度は15dtexより細いことが好ましい。
かかる合着糸は、口金から吐出した糸を高温の不活性ガス中で乾燥し冷却した後に巻き取る乾式紡糸工程において、適度に乾燥された複数の繊維を合接着させることによって製造することができる。その合接着の手段としては、例えば特許第2724214号公報に記載されているエアージェット撚糸器による方法があげられる。この方法は、口金から吐出された糸を乾燥する紡糸室の出口近傍に、適度な量の気体エアーにより撚りを与える撚糸器(エアージェット撚糸器)を設け、この撚糸器に複数本の糸を通して撚り合わせ、この撚りを上流側に伝播させて、紡糸室内の乾燥途中の糸を合接着させるものである。
また、特開平10−46432号公報に開示されている非仮撚り方式で引き揃えて熱融着させることにより合接着させる方法もある。この方法の場合は、適度に乾燥された状態の複数本の糸を、狭いスリットや溝付きローラーなどの細巾スリットに通すことにより、複数本の糸を強制的に接触せしめて合接着させるものである。この方法によれば、糸に撚りを加える必要はないので、糸むらが生じにくい利点がある。
本発明においては、かかるポリウレタン系繊維を弾性糸として用い、伸縮性繊維構造物を作る。ここで、繊維構造物は、前述したように、織物、編物、不織布などのように、繊維を主構成成分として構成されるものであり、任意の形態の繊維構造物を含むものである。 本発明の伸縮性繊維構造物は、本発明で特定したポリウレタン系繊維のみから構成される繊維構造物であってもよいし、また、他の繊維が併用された繊維構造物でもよい。その代表的なものとしては、弾性繊維が混用されて伸縮性を有する織物、編物、不織布などの布帛があり、また、非伸縮性布帛と弾性繊維とを組合わせて積層させた構造の物も含まれる。積層構造の物としては、不織布の間に弾性繊維を挟み込んで固定した伸縮性積層不織布が挙げられる。
これら伸縮性繊維構造物の製法は特に限定されない。例えば、本発明で特定したポリウレタン系繊維の製造と直結して繊維構造物としてもよいし、糸として巻き取った後に、他の繊維と織ったり、編成したり、またニードルパンチやウオータージェットで処理したり、ステッチボンデングなどにより繊維構造物としてもよい。
次に、このようにして作製された繊維構造物を、LTM−PUの熱変形温度以上の温度で熱処理する。このLTM−PUの熱変形温度は、下記の方法により測定出来る。
LTM−PUを、乾式紡糸、湿式紡糸、溶融紡糸のような通常の紡糸方法で20〜150dtex程度の繊維とする。つまり、溶媒に溶解するものであれば乾式紡糸や湿式紡糸が適用でき、また、溶融紡糸が可能であれば溶融紡糸によることができる。こうして得られた繊維に(1g/30dtex)の荷重をかけた状態で所定温度で3分間、乾熱処理する。その熱処理時間中に糸が切断する温度のうちの最低温度の値を熱変形温度とする。
繊維構造物を熱処理する際の処理温度は、LTM−PUの熱変形温度以上であり、弾性繊維の熱固定のためには温度が高い方が好ましいが、高くなり過ぎると、弾性繊維としての弾性機能等が損なわれ易くなるので、HTM−PUのTMHよりも40℃低い温度(TMH−40℃)以下であることが好ましい。
また、その熱処理温度は、繊維中におけるHTM−PUとLTM−PUの構成比率や、両成分の構造(ブレンドか、また複合繊維か、など)により、最適の温度が変わる。例えば、HTM−PUの比率が高い方が、より高温での熱処理が可能になる。
繊維構造物の熱処理は、加圧することなく温度を高めた条件下で行ってもよいが、特に好ましいのはプレスも同時にかけた条件下で行うことである。例えば、繊維構造物をローラーなどで線上を移動させつつ熱処理する場合には、加熱と同時に50g/cm以上の荷重をかけることが好ましく、さらに好ましくは80g/cm以上の荷重を同時にかけることである。また、熱処理とともに、平面プレスなどで面状に荷重をかける場合には、150g/cm2以上、さらに好ましくは300g/cm2以上の荷重をかけることが好ましい。
この熱処理をかける直前において繊維構造物に含まれるポリウレタン系繊維は、シリコーン成分の付着含有量が2重量%以下の繊維であることが好ましい。1重量%以下であることがさらに好ましい。
これらポリウレタン系繊維に付着含有されるシリコーン成分は、紡糸工程での製糸性を高めるために、紡糸液中に含有させたシリコーン成分や、紡糸油剤として付着させたシリコーン成分に由来する。繊維構造物の作製に供給したポリウレタン系繊維におけるシリコーン成分の付着含有量が上記した水準であるならば、作製された繊維構造物をそのまま熱処理しても、上記した好ましい条件を満足させることができる。しかし、供給したポリウレタン系繊維のシリコーン成分の付着含有量が上記した水準よりも多い場合には、上記した好ましい条件を満足させるために、作製した繊維構造物からシリコーン成分を除去するための処理を行う。
この除去処理としては、任意の方法が適用でき特に限定されるものではないが、例えば、活性剤を使用した水での精錬処理、溶剤での精錬処理、またその後の乾燥処理などが、特に好ましい処理方法としてあげられる。かかる除去処理により、シリコーン成分を上記水準まで低減させることにより、熱処理による熱接着作用が高まるので好ましい。
なお、ポリウレタン系弾性繊維における、シリコーン成分の付着含有量は、試料繊維をノルマルヘキサン等の、シリコーン成分のみを溶解可能な溶媒に浸漬し、この浸漬前後の試料繊維の重量を測定し、浸漬により減少した重量を、浸漬前重量でもって除することにより求めることができる。
本発明法によって製造される伸縮性繊維構造物は、伸縮性や柔軟性という本来の特性とともに、伸縮性素材の弾性糸がスリップインし難く、また、裁断端が解れにくいという優れた特性を有するものである。そして、この伸縮性繊維構造物は、所定の形状に裁断され、縫製や接着などによって所定形状の製品(例えば、各種の衣服や紙おむつなど)に加工される。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
分子量1800のポリテトラメチレンエーテルグライコールとMDIとを付加比率が1.58になるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させた。次に、エチレンジアミン及びジエチレンアミンを含むDMAc溶液を、前記反応物が溶解した溶液に添加して、ポリマ中の固体分が35重量%であるポリウレタンウレア溶液(溶液A1)を調製した。このポリウレタンウレアのTMH(DSC測定による)は、約275℃であった。
また、別に、分子量2900のポリテトラメチレンエーテルグライコールとMDIとを付加比率が3.5となるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をDMAcに溶解させた。次に、エチレングリコール、ブタノールを含むDMAc溶液を前記反応物が溶解した溶液に添加して、ポリマ中の固体分が35重量%であるポリウレタン溶液(溶液B1)を調製した。このポリウレタンは、TMH(DSC測定による)が約230℃であり、熱変形温度が約140℃であった。
次に、1800gの溶液A1に、970gの溶液B1を加え、2時間攪拌し、混合溶液C1とした。
得られた混合溶液C1を紡糸口金から吐出し、シリコーン系油剤を2.5重量%付与し、ゴテローラと巻取機の速度比を1.05とし、540m/分の巻き取りスピードで乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性繊維(44dtex、4フィラメント)を製造した。
次に、得られたポリウレタン弾性繊維と、カチオン可染性ポリエステル繊維(55.6dtex/17フィラメント)とを通常の方法で交編して丸編地とした。
この交編丸編地を、非イオン性の界面活性剤を3g/L、ソーダ灰を1g/L、さらにEDTA系金属封鎖剤を1g/L含有する精錬浴で、95℃、40分、精錬処理した。精練後の丸編地からポリウレタン弾性繊維を取りだしてシリコーンの残留量を調べたところ、約0.4重量%であった。
次に、丸編地の幅を1.05倍にした状態で、常圧下、190℃で1分間熱処理した。
熱処理して得られた丸編地をはさみでカットし、ポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維との接着状況を調べたところ、良好に接着されており、カット面においてポリウレタン弾性繊維のスリップインは生じなかった。この丸編地は柔軟で扱いやすい反物であった。
[実施例2]
実施例1において精錬処理した後の丸編地を乾燥し、次に、180℃の加熱ロールを、丸編地の幅を1.05倍、線荷重を630g/cmとした状態で、120m/分の速度で通過させて熱処理した。熱処理して得られた丸編地をはさみでカットし、ポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維との接着状況を調べたところ、良好に接着されており、カット面においてポリウレタン弾性繊維のスリップインは生じなかった。この丸編地は柔軟で扱いやすい反物であった。
[実施例3]
THFと3−メチルTHFとを共重合させてなる共重合PTMG(THFの共重合割合12.5モル%、分子量3500)とMDIとを付加比率が3.5となるように容器に仕込み、90℃で反応せしめ、得られた反応生成物をDMAcに溶解させた。次に、鎖伸長剤である1,4ブタンジオールを含むDMAc溶液を、前記反応物が溶解した溶液に添加して、ポリマ中の固体分が35重量%であるポリウレタン溶液(溶液B2)を調製した。
このポリウレタンは、TMH(DSC測定による)が約180℃であり、また、熱変形温度が約110℃であった。
次に、実施例1において調製したポリウレタンウレア溶液(溶液A1)と上記ポリウレタン溶液B2とを、前者が70%、後者が30%の割合で混合し、混合ポリマ溶液C2とした。該溶液C2に、酸化チタンをポリマ成分に対して1.0%となるように添加した。
得られた溶液を紡糸口金から吐出し、シリコーン系油剤を1.0重量%付与し、ゴテローラと巻取機の速度比を1.05とし、540m/分の巻き取りスピードで乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性繊維(310dtex、24フィラメント)を製造した。
次に、得られたポリウレタン弾性繊維を、2枚のポリプロピレン製不織布の間にドラフト2.5で供給して挟み込み、次いで、この積層不織布を170℃の熱ローラーを通して熱処理して、ポリウレタン弾性繊維を熱融着させ、伸縮性不織布を製造した。
得られた伸縮性不織布は、弾性糸の固定に接着剤を使用なかったが、不織布と弾性糸との固着により綺麗なギャザーが形成されており、伸縮性に富むものであった。
得られた伸縮性不織布のギャザー形成部分を1cm幅にカットし、弾性糸をピンセットで引き抜こうとしたが、引き抜けなかった。また、不織布のカット面において、弾性糸のスリップ・インは生じなかった。
[比較例1]
実施例1において調製したポリウレタンウレア溶液(溶液A1)を実施例1と同様に乾式紡糸して、シリコーン系油剤が2.5重量%付着した、44dtex、4フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を製造した。
次に、得られたポリウレタンウレア弾性繊維を、カチオン可染性ポリエステル繊維(55.6dtex、17フィラメント)とを用いて、実施例1と同様に交編して丸編地とした。この交編丸編地を実施例1と同様に精錬処理した。精練後の丸編地からポリウレタン弾性繊維を取りだしてシリコーンの残留量を調べたところ、約0.4重量%であった。
次に、実施例1と同様に190℃で1分間熱処理した。
熱処理して得られた丸編地をはさみでカットし、ポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維との接着状況を調べたところ、繊維間の接着は殆ど生じておらず、カット面においてポリウレタン弾性繊維のスリップインが生じた。
[比較例2]
実施例1において調製したポリウレタンウレア溶液(溶液A1)に酸化チタンをポリマ成分に対して1.0%となるように添加した。
得られた溶液を紡糸口金から吐出し、シリコーン系油剤を1.0重量%付与し、ゴテローラと巻取機の速度比を1.05とし、540m/分の巻き取りスピードで乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性繊維(310dtex、24フィラメント)を製造した。
次に、得られたポリウレタン弾性繊維を、2枚のポリプロピレン製不織布の間にドラフト2.5で供給し、接着剤を使わないで挟み込み、次いで、この積層不織布を170℃の熱ローラーに通して熱処理して、伸縮性不織布を製造した。
得られた伸縮性不織布は、弾性糸固定用の接着剤を使用しなかったので、弾性繊維と不織布との接着は弱いものであった。
そのギャザー形成部分を1cm幅にカット端から弾性糸をピンセットでつまんで引っ張ったところ、不織布間から容易に引き抜けた。また、不織布のカット面において、弾性糸のスリップ・インが生じていた。
本発明法により製造される伸縮性布帛や伸縮性不織布等の伸縮性繊維構造物は、弾性糸のスリップインが生じにくく、かつ、伸縮性や柔軟性に優れたものである。従って、本発明法は、弾性糸と他の繊維とを交編織して伸縮性布帛を製造する場合や、弾性糸を不織布間に挟み込んで伸縮性不織布を製造する場合などに適用することができる。

Claims (8)

  1. 伸縮性糸として下記(イ)のポリウレタン系弾性繊維及び/又は下記(ロ)のポリウレタン系複合弾性繊維を用いて繊維構造物を製造した後、該繊維構造体を、弾性繊維を構成する高温側の融点が低いポリウレタン成分の熱変形温度以上で熱処理することにより伸縮性繊維構造物を製造することを特徴とする伸縮性繊維構造物の製法。
    (イ)高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン成分を含有する紡糸液から紡糸されたポリウレタン系弾性繊維。
    (ロ)高温側の融点が10℃以上相違する少なくとも2種のポリウレタン成分から複合紡糸された複合繊維であって、高温側の融点が低いポリウレタン成分の層が繊維表面の少なくとも一部を占める複合繊維形態を有するポリウレタン系複合弾性繊維。
  2. 熱処理の直前において繊維構造物に含まれるポリウレタン系弾性繊維及び/又はポリウレタン系複合弾性繊維が、シリコーン成分の付着含有量が2重量%以下の繊維であることを特徴とする請求項1に記載の伸縮性繊維構造物の製法。
  3. ポリウレタン系複合弾性繊維における複合形態が、バイメタル型複合、又は、芯層と高温側の融点が低いポリウレタン成分からなる鞘層とからなる芯鞘型複合であることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮性繊維構造物の製法。
  4. ポリウレタン系弾性繊維及び/又はポリウレタン系複合弾性繊維中において、高温側の融点が高いポリウレタン成分の重量比率が40〜98%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の伸縮性繊維構造物の製法。
  5. 高温側の融点が高いポリウレタン成分における高温側の融点が250℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の伸縮性繊維構造物の製法。
  6. 高温側の融点が高いポリウレタン成分がポリウレタンウレアであり、かつ、高温側の融点が低いポリウレタン成分がポリウレタンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の伸縮性繊維構造物の製法。
  7. ポリウレタンウレアが、下記(1)のポリオール、ジフェニルメタンジイソシアネート、及び下記(2)の鎖伸長剤から重合されたポリウレタンウレアであり、かつ、ポリウレタンが、下記(1)のポリオール、ジフェニルメタンジイソシアネート、及び下記(3)の鎖伸長剤から重合されたポリウレタンであることを特徴とする請求項6に記載の伸縮性繊維構造物の製法。
    (1): ポリテトラメチレンエーテルグライコール、および/または共重合ポリテトラメチレンエーテルグライコール、
    (2): エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンのうちの1種以上、
    (3): エチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3プロパンジオール、1,6ヘキサンジオールのうちの1種以上
  8. ポリウレタン系弾性繊維及び/又はポリウレタン系複合弾性繊維が、乾式紡糸により製造された弾性繊維であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の伸縮性繊維構造物の製法。
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