JP4342803B2 - 固体高分子形燃料電池付改質装置システム及びその運転方法 - Google Patents

固体高分子形燃料電池付改質装置システム及びその運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子形燃料電池付改質装置システムすなわち固体高分子形燃料電池を組み合わせてなる改質装置システム及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素は固体高分子形燃料電池(PEFC)の燃料としても用いられる。水素の工業的製造法の一つである水蒸気改質法では、水蒸気改質器での接触反応(=触媒反応)により炭化水素が水素リッチな改質ガスへ変えられる。図1は水蒸気改質器を模式的に示す図である。水蒸気改質器は、概略、バーナーあるいは燃焼触媒を配置した加熱部と改質触媒を配置した改質部とにより構成される。
【0003】
改質部では炭化水素が水蒸気と反応して水素リッチな改質ガスが生成される。改質部での改質反応は吸熱反応であるので、反応の進行のために熱を供給することが必要である。このため加熱部における燃料ガスの空気による燃焼により発生した燃焼熱(ΔH)が改質部に供給される。改質部への燃焼熱の供給は、加熱部及び改質部間の伝熱面を介して間接的に行われる。本明細書においては、改質部へ供給する炭化水素を原料ガスまたは改質用炭化水素系燃料と指称し、加熱部に供給する炭化水素を燃料ガスまたは加熱用炭化水素系燃料と指称している。
【0004】
図2は、上記のような水蒸気改質器(以下適宜改質器と言う)を用い、原料ガスからPEFCに至るまでの態様例を示す図である。上流側から順次、脱硫器、改質器、CO変成器、CO除去器すなわちCO選択酸化器、PEFCが配置され、脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器で改質装置が構成される。CO除去器を経た改質ガスはPEFCの燃料極に供給される。本明細書においては、このように改質装置にPEFCを連結したシステムを適宜固体高分子形燃料電池付改質装置システム、あるいはPEFC付改質装置システムと指称している。
【0005】
都市ガスやLPG(液化石油ガス)にはメルカプタン類、サルファイド類、あるいはチオフェンなどの付臭剤が数ppm程度添加されており、また天然ガスにも産地如何により差はあるが硫黄化合物が含まれている。改質触媒は、硫黄化合物により被毒して性能劣化を来たすので、硫黄化合物による被毒を回避するため、原料ガスは硫黄化合物を除去するため脱硫器へ導入される。
【0006】
次いで、別途設けられた水蒸気発生器からの水蒸気を添加、混合して改質器の改質部へ導入し、改質部中での原料ガスの水蒸気による改質反応により水素リッチな改質ガスが生成される。原料ガスがメタンである場合の改質反応は「CH4+2H2O→CO2+4H2」で示される。他の炭化水素の場合もほぼ同様である。
【0007】
改質部で生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、生成二酸化炭素(CO2)のほか、一酸化炭素(CO)が副生して8〜15%(%=容量%、以下同じ)程度含まれている。このため改質ガスは、副生COをCO2とH2に変えて除去するためにCO変成器にかけられる。CO変成器中での反応、すなわちシフト反応「CO+H2O→CO2+H2」で必要な水蒸気としては改質部において未反応の残留水蒸気が利用される。
【0008】
CO変成器から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気を除けば、水素と二酸化炭素からなっている。このうち水素が目的とする成分であるが、CO変成器を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、1%程度以下ではあるが、尚COが含まれている。
【0009】
PEFCに供給する燃料水素中のCOの許容濃度は100ppm(ppm=容量ppm、以下同じ)程度、その燃料極等の構成材料の如何によっては10ppm程度であり、これを超えると電池性能が著しく劣化する。このため、改質ガスはCO変成器によりCO濃度を1%程度以下まで低下させた後、CO除去器にかけられる。CO除去器では空気等の酸化剤が添加され、COの酸化反応によりCOをCO2に変えることでCOを除去し、CO濃度を100ppm以下、10ppm以下、あるいは5ppm以下というように低減させる。
【0010】
ところで、PEFC付改質装置システムにおいては、(1)PEFCでの水素利用率(PEFCで消費される水素流量/改質ガス中の全水素流量×100)は、PEFCの性能如何により異なるが、例えば85%以下というように一定値以下であり、(2)そのような条件下で、PEFCの運転負荷率を100%以下、つまり最大負荷率(最大発電電力量)を100%とし、その範囲内で電力の需要量に応じてPEFCでの発電電力量を調整するという運転条件で運転される。
【0011】
そして、上記のようなPEFC付改質装置システムの運転に際しては、通常、(a)改質用炭化水素系燃料の流量、(b)改質用水すなわち水蒸気の流量、(c)改質温度(改質器出口温度)及び(d)CO除去器におけるCO選択酸化用空気の流量の運転パラメータを運転負荷率に応じて予め設定し、それら設定値は変更せずに、その後も継続して運転される。ここで、上記(c)改質温度を所定値に制御する方法は、改質用炭化水素系燃料又は加熱用炭化水素系燃料の流量を操作することによる方式が一般的である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図3〜4は従来におけるその運転例を示す図である。図3(a)は初期運転状態、図3(b)は経時変化状態すなわち運転を継続した後の運転状態を示し、各箇所における運転条件を例示している。図4は、改質器における平衡改質温度、メタン転化率、初期運転状態のアプローチ温度、劣化状態すなわち経時変化状態のアプローチ温度等の関係を示す図である。
【0013】
図3(a)のとおり、初期運転状態における製造水素流量は1.0Nm3/h(Nm3/h=Normal cubic meter per hour)であり、PEFCスタックでの水素利用率は、PEFCスタックにとって許容される範囲、例えば75%程度で運転される。運転を継続すると、図3(b)のとおり、製造水素流量が例えば0.80Nm3/hに減少し、この状態におけるPEFCでの水素利用率は93.4%に上昇してしまう。当該製造水素量の減少は、改質触媒の経時劣化に起因している。
【0014】
特開平5−3041号公報には、燃料改質系の触媒劣化に対応して、燃料改質系への主燃料(原料ガス)流量と水蒸気流量を増加することで安定した電気出力を得る燃料電池装置の制御方法が記載されている。ここでは、燃料改質系出口の水素濃度の初期値と現在値との偏差から主燃料流量及び水蒸気流量のそれぞれを演算する機能を加えた制御系により、主燃料流量と水蒸気流量を制御している。また、特開2000−188121号公報では、原燃料ガス改質装置入口温度、燃料ガス脱硫装置入口温度、あるいは改質用水蒸気エジェクタ入口温度から改質装置等の劣化を診断し、改質触媒の取替時期の判定を行うことを可能とするとしている。
【0015】
【特許文献1】
特開平5−3041号公報
【特許文献2】
特開2000−188121号公報
【0016】
ところで、PEFC付改質装置システムにおいて、改質部の改質触媒へ供給する原料ガス中の硫黄化合物をppbレベルまで低減しても、硫黄分は改質触媒に蓄積する。すなわち、原料ガス中の硫黄化合物を例えば10ppbまで低減しても、その運転を数万時間というように継続すると改質触媒に硫黄分が蓄積し、触媒性能が低下する。以下、この原因による改質触媒の経時劣化を「蓄積硫黄による劣化」と指称する。
【0017】
加えて、改質触媒は、起動−停止の繰り返しによる熱履歴によるシンタリングによっても性能劣化を来たす。例えば、家庭用コージェネレーションシステムに適用したPEFC付改質装置システムでは、起動−停止を頻繁に繰り返すのに加え、窒素などの不活性ガスによるパージができないため、システム内に空気が入り、改質触媒が酸化する。システムを起動し運転状態になるとシステム内は還元状態となるが、改質触媒は酸化−還元の繰り返し、また温度の昇降によるシンタリングによっても性能劣化を来たす。以下、このような原因による改質触媒の経時劣化を「サイクル回数による劣化」と指称する。
【0018】
これら要因による改質触媒の経時劣化に伴い平衡改質温度が低下してくると、すなわちアプローチ温度が増大してくると、製造水素流量が減少し、結果的にPEFCでの水素利用率が初期運転状態よりも上昇する(図4)。こうして改質触媒の活性劣化の度合が進み、PEFCでの水素利用率がその上限、一例として水素利用率75%程度で運転されるPEFCで、その性能劣化の下限が85%程度である場合、これを超えると、PEFCは電圧低下を来たして作動不能となり、システム全体の運転停止に至る。
【0019】
そこで、本発明は、PEFC付改質装置システムにおいて、以上の要因により生じる改質触媒の経時劣化の度合を推定し、改質触媒をそのまま使用して長期間にわたり継続して運転できるようにしてなるPEFC付改質装置システム及びその運転方法を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は(A)脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムであって、累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用水流量を増加させる制御を行う制御装置を備えてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム及びその運転方法を提供する。
【0021】
また、本発明は(B)脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムであって、累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させる制御を行う制御装置を備えてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム及びその運転方法を提供する。
【0022】
さらに、本発明は(C)脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムであって、累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用炭化水素系燃料流量と燃料電池での最大発電電力量を減少させる制御を行う制御装置を備えてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム及びその運転方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明においては、PEFC付改質装置システムについて、累積改質用炭化水素系燃料量の運転情報及び起動−停止回数の運転情報のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の劣化度合を推定する。ここで、累積改質用炭化水素系燃料量とは、改質器の改質部に充填した改質触媒を取り替えることなく、当該改質触媒に対して本システムの最初の起動時以降、改質部に供給した改質用炭化水素系燃料の総量であり、起動−停止回数とは、改質器の改質部に充填した改質触媒を取り替えることなく、当該改質触媒を用い、本システムの最初の起動−停止時以降、起動−停止を繰り返したその回数である。
【0024】
そして、当該改質触媒の劣化度合に見合うように設定S/C比と改質用炭化水素系燃料流量の必要増加分(または減少分)を制御装置で演算処理し、改質用水流量、改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量、または改質用炭化水素系燃料流量とPEFCでの最大発電電力量を制御することにより、PEFCで必要な所要水素製造能力を長期にわたり維持するものである。なお、上記改質用炭化水素系燃料流量の必要減少分は本発明(C)で利用される。
【0025】
本PEFC付改質装置システムは各種使用態様で運転されるので、それら使用態様に対応して累積改質用炭化水素系燃料量の運転情報及び起動−停止回数の運転情報のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の劣化度合を推定して制御することができる。すなわち、例えば昼夜を問わず連続運転する場合には起動−停止を殆ど行わずに連続して運転する態様となるので、この場合には累積改質用炭化水素系燃料量の運転情報により改質触媒の劣化度合を推定して制御する。
【0026】
また、例えば昼間に運転し夜間に停止する、いわゆるデイリィスタート−ストップ運転をする場合には起動−停止を頻繁に行って運転する態様となるので、この場合には起動−停止回数の運転情報により改質触媒の劣化度合を推定して制御する。この運転態様では、累積改質用炭化水素系燃料量も改質触媒の劣化度合を推定する上で有用な運転情報となるので、起動−停止回数の運転情報に加え、累積改質用炭化水素系燃料量の運転情報から改質触媒の劣化度合を推定して制御することができる。
【0027】
本発明によれば、PEFCの負担を増加させることなく、改質触媒の経時劣化が許容できる長期自動運転ができるだけでなく、CO変成器中のシフト触媒やCO除去器中のCO除去触媒の経時劣化についても許容できる長期自動運転が可能となる。図5は本発明のPEFC付改質装置システムの態様を示す図、図6はそのうち制御装置が関連する部分を示す図である。図5では炭化水素系燃料として天然ガスを用いる場合を例にしているが、都市ガス、LPG等、他の炭化水素系燃料を用いる場合も同様である。
【0028】
図5中、矢印を付した実線は各流体用の流路(すなわち導管)及び流体の流れ方向を示し、V1〜V6は各導管に配置され、各導管を流れる流体の流量を制御する調整弁(=流量制御弁)すなわちバルブである。改質器における改質温度として改質出口温度を用いる。改質出口温度は改質器の改質部の出口の温度Tであり、T1はその計測器である。天然ガス及び空気はポンプ等の昇圧装置を介して供給され、また、改質器の加熱部用燃料としてはシステム起動後にはPEFCからの燃料極オフガスを利用することができる。
【0029】
図5のとおり、改質用天然ガスの供給側から、順次、脱硫器、改質器(改質部+加熱部)、CO変成器、CO除去器、PEFCスタックが配置され、これらのうち脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器で改質装置が構成される。改質装置においては、改質器の改質部に改質用天然ガスと改質用水を供給する導管、すなわちそれらの供給系が配置され、改質器の加熱部、PEFCの空気極に空気を供給する導管、すなわちそれらの供給系が配置される。
【0030】
PEFCにおいては、ポンプにより駆動循環される水を冷媒とする電池冷却用導管、すなわち電池冷却系が配置される。PEFCを冷却した循環水は改質用の水と間接熱交換して、改質用の水(本明細書及び図面中、改質用水と略記している)を加熱する。PEFCを冷却し熱回収した循環水は50〜80℃程度の温水であるため、該間接熱交換後の改質用水は必要に応じてボイラーなどで水蒸気としてから改質部に供給される。改質用水は改質器に供給され、水蒸気改質反応に使用される。各供給系、電池冷却系とは、それら各流体を流通させる導管、流量制御弁及びポンプ等の駆動手段を含む意味である。
【0031】
改質用天然ガスは、天然ガスタンク等の天然ガス源から、導管(昇圧装置を含む)を通して脱硫器、次いで改質器の改質部に供給される。天然ガス源からの天然ガスの一部は該導管から分岐して改質器の加熱部での燃料として用いられる。改質部には、改質用天然ガスと共に改質用水が供給される。上記のとおり、改質用水は、電池冷却系の循環冷却水との間接熱交換により加熱され、必要に応じてボイラーなどで水蒸気としてから改質部に供給される。改質部での生成改質ガスはCO変成器、CO除去器を経てPEFCの燃料極に供給される。
【0032】
図5〜6のとおり、本PEFC付改質装置システムにおいては、それら構成に加えて、記憶装置、劣化診断装置、温度計測器T1からの改質出口温度Tの情報及びPEFCからの負荷情報の伝達機構を付設した制御部(CPU)が配置されており、これらにより制御装置が構成されている。
【0033】
記憶装置においては、本システムでの使用改質触媒について、加速試験あるいは実機改質器による基礎実験により計測したデータ、具体的には、以下で述べるような〈運転時間による改質触媒の活性低下〉傾向及び〈サイクル回数による改質触媒の活性低下〉傾向を記憶させるとともに、PEFC付改質装置システムの運転時間に対応する累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のうちのいずれか一方または両方を記憶させる。
【0034】
〈運転時間による改質触媒の活性低下〉
図8は、蓄積硫黄による改質触媒の活性の低下(=メタン転化率の低下)を示したグラフ図である。横軸は運転時間、縦軸はメタン転化率である。試験条件は、改質触媒:アルミナにRuを担持した触媒(Ru担持量=2wt%、SCJ社製、製品名=RUA)、触媒量:20cc、改質触媒入口温度:450℃、改質触媒出口温度:680℃、GHSV:1360h-1、S/C比:2.0である。本試験は加速試験であり、より多くの改質触媒を充填した実機改質器による場合より過酷な条件で実施している。
【0035】
図8のとおり、メタン転化率は、運転開始時に初期劣化はあるが、以降、2000時間経過時まではほぼ79%である。それ以降、硫黄被毒によって触媒活性が劣化し、4000時間の運転経過時のメタン転化率は70%程度である。本試験は加速試験であるので、より多くの改質触媒を充填した実機改質器による場合にはその低下が現れる時間はさらに長時間となる。このメタン転化率の低下は改質触媒の「蓄積硫黄による劣化」に起因している。
【0036】
〈サイクル回数による改質触媒の活性低下〉
図9は、起動−停止に伴う温度の昇降に起因する改質触媒の活性の低下(=メタン転化率の低下)を示したグラフ図である。横軸はサイクル回数、縦軸はメタン転化率である。試験条件は以下のとおりである。改質触媒は上記試験の場合と同じで、触媒量:20cc、原料ガス流量:0.45NL/min(NL/min=Normal Liter per minute)、改質触媒による反応温度:500℃、GHSV:2000h-1、S/C比:2.5である。本試験は加速試験であり、より多くの改質触媒を充填した実機改質器による場合より過酷な条件で実施している。
【0037】
図9のとおり、メタン転化率は、ある時点での停止−起動時とその次の停止−起動時との間で上下し、少ないサイクル回数間では殆ど変化はないが、試験開始時以降、数百回というように数多くの起動−停止を繰り返した時点でみると、メタン転化率が僅かではあるが低下している。本試験は加速試験であるので、より多くの改質触媒を充填した実機改質器による場合にはその低下が現れるサイクル回数はさらに多くなる。
【0038】
劣化診断装置においては、記憶装置に記憶させた〈運転時間による改質触媒の活性低下〉傾向及び〈サイクル回数による改質触媒の活性低下〉傾向の一方又は両方のデータに基づき、本システムにおける累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のうちの一方または両方による改質触媒の劣化度合を推定する。つまり、ここで「蓄積硫黄による劣化」すなわち累積改質用炭化水素系燃料量による硫黄被毒による劣化と「サイクル回数による劣化」すなわち起動−停止回数による劣化の一方または両方を推定するものである。
【0039】
以下、図5〜7を参照して、本発明のPEFC付改質装置システム及びその運転方法の態様をさらに詳しく説明する。図7は本発明における制御フローの態様を示す図である。以下では、累積改質用炭化水素系燃料量の運転情報及び起動−停止回数の運転情報の両方の運転情報から改質触媒の劣化度合を推定して制御する場合を説明しているが、いずれか一方の運転情報により改質触媒の劣化度合を推定して制御する場合についても同様に行われる。
【0040】
▲1▼記憶装置に本システムの運転時間及び起動−停止回数を計測して記憶させる。制御部(CPU)では、記憶装置に記憶させた運転時間と起動−停止回数を読み取る。運転時間は累積改質用炭化水素系燃料量に対応している。
▲2▼、▲1▼で読み取った運転時間と起動−停止回数のデータを制御部から劣化診断装置に送信する。
▲3▼劣化診断装置では、送信されたデータから、改質触媒の劣化度合を推定、診断し、診断結果を制御部に送信する。
▲4▼制御部は、推定された改質触媒の劣化度合に対応する運転条件、つまりS/C比と炭化水素系燃料流量の必要増加分(あるいは必要減少分)を記憶装置から読み取り、運転条件変更の必要の有無を判断する。ここで、炭化水素系燃料流量の必要減少分は、後述(C)の制御で利用するものである。
【0041】
▲5▼運転条件の変更が必要と判断された場合には、下記(A)〜(C)のいずれかの制御を行う。ここで(A)は前記発明(A)の固体高分子形燃料電池付改質装置システム及びその運転方法の態様に相当し、(B)は前記発明(B)の固体高分子形燃料電池付改質装置システム及びその運転方法の態様に相当し、(C)は前記発明(C)の固体高分子形燃料電池付改質装置システム及びその運転方法の態様に相当している。
【0042】
〈(A)水蒸気流量を増加させる制御〉
改質触媒が劣化し、改質用炭化水素系燃料の水素への転化率が低下して水素製造量が減少しても、改質用水流量を増加させるとメタン転化率は低下せず、PEFCでの発電に必要な製造水素量を維持することができる。そこで、本制御態様では改質用水流量を増加させるよう制御する。ここで、改質用炭化水素系燃料の水素への転化率は、改質用炭化水素系燃料がメタンの場合にはメタンの水素への転化率、すなわちメタン転化率である。
【0043】
図10は、(A)の制御態様に対応するプロセス流量変化、つまり改質用炭化水素系燃料流量すなわち原料ガス流量は変化させず、改質触媒の劣化に対応して改質用水流量を制御する態様を示す図である。改質触媒の劣化に伴いメタン転化率の低下分が例えば10%となったとき、改質用水を18.5Ncc/min(Ncc/min=Normal cubic centimeter per minute)に増加させる。これによりPEFCで必要な所要水素量を維持することができる。
【0044】
〈(B)改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させる制御〉
改質触媒が劣化して、改質用炭化水素系燃料の水素への転化率が低下しても、改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させるとメタン転化率は低下せず、PEFCでの発電に必要な所要製造水素量を維持することができる。そこで、本制御態様では改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させる制御を行う。
【0045】
図11は、(B)の制御態様に対応するプロセス流量変化、すなわち改質触媒の劣化に対応して改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させるよう制御する態様を示す図である。改質触媒の劣化に伴いメタン転化率の低下分が例えば10%となったとき、改質用水流量を14.1Ncc/minに増加させ、改質用炭化水素系燃料量を4.4NL/minに増加させる。これによりPEFCでの発電に必要な所要水素量を維持することができる。本態様では、前記〈(A)水蒸気流量を増加させる制御〉よりも少ない改質用水流量でPEFCでの発電に必要な所要水素量を維持できるので、より効率的な運転ができる。
【0046】
〈(C)改質用炭化水素系燃料流量を減少させ、且つ、PEFCでの最大発電電力量を減少させる制御〉
前記(A)及び(B)は、改質触媒の劣化に対応して、改質用水流量を増加させる制御、または改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させる制御であり、PEFCでの最大発電電力量は一定である。(A)及び(B)の制御態様においては、改質用水流量や改質用炭化水素系燃料流量を増加させるとポンプなどへの負荷を増大させる。そこで、本(C)の制御では、改質触媒の劣化に対応して、改質用炭化水素系燃料流量を減少させ、且つ、PEFCでの最大発電電力量を減少させる。これにより、ポンプやPEFCへの負担を軽減させることができるので、より実用的な運転方法となる。
【0047】
図12は、(C)の制御態様に対応するプロセス流量変化、すなわち改質触媒の劣化に対応して、改質用炭化水素系燃料流量を減少させ、且つ、PEFCでの最大発電電力量を減少させる態様を示す図である。改質触媒の劣化に伴いメタン転化率の低下分が例えば10%となったとき、改質用炭化水素系燃料流量を3.6NL/minに減少させ、且つ、PEFCでの最大発電電力量を82%に減少させる。これによりポンプやPEFCへの負担を軽減させることができるので、これら機器類を長時間にわたり安定して運転することができる。
【0048】
ここで、PEFCスタックの具体例として、定格での最大発電電力量を1kWとし、出力0.3〜1.0kWの範囲で発電するよう設計される。このように予め設定した最大発電電力量を1kWとした場合、本制御では当該最大発電電力量を82%、つまり0.82kWに減少させる。これにより、PEFCの最大発電電力量は少なくなるが、PEFCスタック内での消費水素量が減少するので、改質触媒が劣化しても水素利用率を一定に保つことができる。
【0049】
すなわち、PEFCスタックにおける水素利用率は、ある一定範囲、スタックの設計条件の如何にもよるが、通常、80%以下に設定されており、このため、当該一定範囲を超えた水素利用率で運転された場合、セル中の一部に水素が欠乏するなどの現象が生じ、電圧低下などによりPEFCスタックは動作不能となってしまう。本(C)の制御によれば、改質触媒の劣化に伴い、最大発電電力量を絞る制御を行うことで、PEFCスタックの水素利用率を一定に保つことにより、PEFCスタックの動作不能を回避し、安定して発電を続けることができる。
【0050】
▲6▼記憶装置に、現在の、すなわち▲5▼運転条件の変更が必要と判断された場合に変更した上記(A)〜(C)のいずれかの制御による運転条件を記憶させる。以降、この運転条件を標準として運転を続ける。一方、前記▲4▼の運転条件変更の必要の有無の判断で、▲7▼運転条件の変更が必要でないと判断された場合には、運転条件一定のまま運転を継続する。
【0051】
こうして、同一改質出口温度に対する所要の水素製造能力を長期にわたり維持することができる。なお、前記▲4▼の運転条件変更の必要の有無の判断で、▲9▼改質触媒の劣化度合が設定値を超えたと推定された場合(ここでは、メタン転化率の増加分約10%以上)には、本PEFC付改質装置システムの運転を停止する。
【0052】
本発明においては、一定のメタン転化率(一定の水素製造量)を維持するために、改質出口温度を一定に保つよう制御することが望ましく、この制御は改質器の加熱用炭化水素系燃料流量を制御することにより行うことができる。以上の態様において、例えば改質用水を増加させると、その蒸発に必要な熱量が増加し、改質出口温度が低下する。この温度低下は計測器T1で計測される。計測器T1で計測される改質出口温度の情報は制御部(CPU)に送信され、ここで設定改質出口温度と比較し、計測改質出口温度が設定改質出口温度より低ければ、その程度に対応して調整弁V2の開度を大きくし、計測改質出口温度が設定改質出口温度より高ければ、その程度に対応して調整弁V2の開度を小さくするよう制御する。
【0053】
また、メタン転化率の変化は、改質用水流量、改質用炭化水素系燃料流量、累積改質用炭化水素系燃料量、あるいは起動−停止回数の情報から推定することができる。そこで、それらの情報を基にメタン転化率の変化を推定し、そのメタン転化率の変化に対応して改質器の加熱用炭化水素系燃料流量を制御することにより、改質出口温度を上げるように制御すれば、メタン転化率を一定に保つことができる。該推定の前提となる情報としては、特に累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数の情報が有用である。
【0054】
また、改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量との運転条件と、メタン転化率(改質触媒の劣化情報から推定できる)の情報から、CO変成器を経た改質ガス中のCO濃度を推測することができる。そこで、そのCO濃度に対応したCO除去用すなわちCO選択酸化用の空気を、ある程度安全度を見積った条件で、減少させることにより、「CO除去用空気による余分な水素の消費を抑制すること」及び「確実にCOを除去すること」を両立させることができる。当該CO除去用空気の供給量の減少は調整弁V3(図5)を絞ることにより行われる。
【0055】
本発明における改質器は、基本的にバーナーあるいは燃焼触媒を配置した加熱部と改質触媒を配置した改質部とにより構成される。改質触媒としては炭化水素系燃料を改質し水素リッチなガスを生成する機能を有する触媒であればいずれも使用されるが、例えばNi系触媒(例えばアルミナにNiを担持した触媒)やRu系触媒(例えばアルミナにRuを担持した触媒)を挙げることができる。加熱部に燃焼触媒を配置する場合には、例えば白金等の貴金属触媒やアルミナヘキサネート等の燃焼触媒が用いられる。
【0056】
改質器には、水蒸気発生器を別個に配置した形式のほか、水蒸気発生器を一体に構成した形式のもの、つまり改質器に水蒸気発生部が含まれるものもあるが、本発明はそれらいずれの改質器についても適用される。改質用炭化水素系燃料としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、都市ガス、LPG、天然ガス、その他の炭化水素ガス(2種以上の炭化水素の混合ガスを含む)を挙げることができる。
【0057】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明が実施例に限定されないことはもちろんである。
【0058】
〈実施例1〉
本実施例では図13に示すように構成したPEFC付改質装置システムを使用した。本システムは、図5〜6のように、PEFC付改質装置システムに劣化診断装置、記憶装置を含む制御装置をセットしたものである。改質装置は、順次、脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器が連結されて構成されているが、図13中脱硫器、制御装置の記載は省略している。
【0059】
制御装置の制御部(CPU)には、本実施例での使用改質触媒について、その経時劣化に対応して改質用水流量を増加させる制御を行うよう仕組んだ。改質触媒の劣化に伴いメタン転化率は低下するが、本実施例での使用改質触媒について予め実測したデータに基づき前述図10のような関係を設定し、メタン転化率の低下分に対応して改質用水を増加させるように仕組んだものである。
【0060】
改質器の加熱部ではバーナーを用い、改質部ではアルミナにRuを担持した触媒(Ru担持量=2wt%、SCJ社製、製品名=RUA)を用い、CO変成器では銅−亜鉛系触媒(Cu/Zn系触媒)を用い、CO除去器ではアルミナにPtを担持した触媒を用いた。運転条件については、初期運転条件として、改質部でのS/C比を3.0、設定改質温度を680℃として実施した。PEFCでの設定水素消費量は0.75Nm3/hのものを使用した。改質用炭化水素系燃料として天然ガスを用い、CO除去器へ供給する酸化剤として空気を用いた。これら条件は、他の箇所の運転条件を含めて図13(a)に示している。
【0061】
上記運転条件で本システムの運転を開始し、以降、運転−停止−運転を繰り返しながら長期間にわたり運転した。この結果、PEFCが作動不能となることなく、運転を続けることができた。図13(b)は、運転時間5800時間、起動−停止回数330回の時点における運転状態である。初期運転状態での改質用水流量は11.5cc/minであるのに対して、本発明の制御により、改質用水流量が18.5cc/minに増加し、改質器の改質部へ供給される水蒸気流量が増加している。
【0062】
〈実施例2〉
実施例1と同様にして組み立てたPEFC付改質装置システムを使用した。制御装置の制御部に、改質触媒の経時劣化に対応して改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させる制御を行うよう仕組んだ以外は実施例1と同じである。すなわち、改質触媒の劣化に伴いメタン転化率が低下するが、本実施例では、制御部に、本実施例での使用改質触媒について予め実測したデータに基づき前述図11のような関係を設定し、メタン転化率の低下分に対応して改質用水及び改質用炭化水素系燃料を増加させるように仕組んだものである。
【0063】
図14は本システムの構成を示し、初期運転状態での各箇所での条件は図14(a)に示している。この運転条件で本システムの運転を開始し、以降、運転−停止−起動を繰り返しながら長期間にわたり運転した。この結果、PEFCが作動不能となることなく、運転を続けることができた。図14(b)は、運転時間5800時間、起動−停止回数330回の時点における運転状態である。初期運転状態での改質用水流量、改質用天然ガス流量は、それぞれ11.5cc/min、4.0NL/minであるのに対して、図14(b)のとおり、本発明の制御により、改質用水流量が14.1cc/minに増加し、改質用天然ガス流量が4.32NL/minに増加している。
【0064】
〈実施例3〉
本実施例では図14(a)に示すように配置したPEFC付改質装置システムを使用したが、改質器の改質部は高温ガスにより間接的に加熱した。改質部に加速試験により劣化させた改質触媒を充填した改質器を用い、前記(C)炭化水素系燃料流量を減少させ、且つ、PEFCでの最大発電電力量を減少させる制御を行う運転を実施した。
【0065】
運転条件は、改質用炭化水素系燃料として脱硫済み都市ガス13Aを使用し、改質器の改質部は高温ガスにより間接的に加熱した点以外は実施例1と同じくし、この運転条件で本システムを運転した。また、改質部に改質触媒、すなわち加速試験による劣化前の改質触媒を充填した改質器を用い、上記と同じ運転条件で本システムを運転した。表1はその結果である。
【0066】
表1中、初期状態とは、加速試験による劣化前の改質触媒を用いた場合を示し、触媒劣化後とは、加速試験による劣化後の改質触媒を用いた場合を示している。表1のとおり、改質部に供給する改質用炭化水素系燃料を4.8NL/mから4.0へ減少させたことで、製造水素流量は0.68Nm3/hまで減少したが、PEFCで発電する最大発電電力量を下げているためPEFCでの水素利用率は74%に維持することができた。また、改質用炭化水素系燃料の供給量を減少させる操作を行っているため、ポンプ等の補機類への負担も最小に抑えることができた。
【0067】
【表1】
Figure 0004342803
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、固体高分子形燃料電池付改質装置システムにおいて、改質器の改質部に充填した改質触媒を取り替えることなく、当該改質装置システムを長期間にわたり継続して運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水蒸気改質器を模式的に示す図
【図2】水蒸気改質装置を用い、原料ガスからPEFCに至るまでの態様例を示す図
【図3】従来におけるPEFC付改質装置システムの運転例を示す図
【図4】図3に示すシステムの改質器における平衡改質温度、メタン転化率、アプローチ温度等の関係を示す図
【図5】本発明のPEFC付改質装置システムの態様を示す図
【図6】図5のシステムのうち制御装置が関連する部分を示す図
【図7】本発明のPEFC付改質装置システムの運転態様を示す図
【図8】硫黄による改質触媒の活性低下を示したグラフ図
【図9】起動−停止に伴う温度の昇降による改質触媒の活性低下を示したグラフ図
【図10】改質触媒の劣化に対応するプロセス流量の増加量を示す図
【図11】改質触媒の劣化に対応するプロセス流量の増加量を示す図
【図12】改質触媒の劣化に対応するプロセス流量の減少量を示す図
【図13】実施例1で使用したPEFC付改質装置システムを示す図
【図14】実施例2で使用したPEFC付改質装置システムを示す図

Claims (12)

  1. 脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムであって、
    累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用水流量を増加させる制御を行う制御装置を備えるとともに、改質出口温度を改質器の加熱用炭化水素系燃料流量により制御することにより一定に保つようにしてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム。
  2. 脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムであって、
    累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させる制御を行う制御装置を備えるとともに、改質出口温度を改質器の加熱用炭化水素系燃料流量により制御することにより一定に保つようにしてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム。
  3. 脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムであって、
    累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用炭化水素系燃料流量と燃料電池での最大発電電力量を減少させる制御を行う制御装置を備えてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム。
  4. 請求項3に記載の固体高分子形燃料電池付改質装置システムにおいて、改質出口温度を改質器の加熱用炭化水素系燃料流量により制御することにより一定に保つようにしてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池付改質装置システムにおいて、
    積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報を基にメタン転化率の変化を推定し、そのメタン転化率の変化に対応して改質出口温度を上げるように改質器の加熱用炭化水素系燃料流量を制御することにより、メタン転化率を一定に保つようにしてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池付改質装置システムにおいて、
    改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量との運転条件と、メタン転化率の情報から得られるCO変成器を経た改質ガス中のCO濃度の低下に対応して、改質装置におけるCO除去器へのCO除去用空気の供給量を減少させるようにしてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システム。
  7. 脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系と、それらを制御する制御装置を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法であって、
    累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用水流量を増加させる制御を行うとともに、改質出口温度を改質器の加熱用炭化水素系燃料流量で制御することにより一定に保つことを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法。
  8. 脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系と、それらを制御する制御装置を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法であって、
    累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量を増加させる制御を行うとともに、改質出口温度を改質器の加熱用炭化水素系燃料流量で制御することにより一定に保つことを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法。
  9. 脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に改質用炭化水素系燃料と改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系と、それらを制御する制御装置を備え、且つ、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を有する固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法であって、
    累積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように改質用炭化水素系燃料流量と燃料電池での最大発電電力量を減少させる制御を行うことを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法。
  10. 請求項に記載の固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法において、改質出口温度を改質器の加熱用炭化水素系燃料流量で制御することにより一定に保つことを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法。
  11. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法において、
    積改質用炭化水素系燃料量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報を基にメタン転化率の変化を推定し、そのメタン転化率の変化に対応して改質出口温度を上げるように改質器の加熱用炭化水素系燃料流量を制御することにより、メタン転化率を一定に保つことを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法。
  12. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法において、
    改質用水流量と改質用炭化水素系燃料流量との運転条件と、メタン転化率の情報から得られるCO変成器を経た改質ガス中のCO濃度の低下に対応して、改質装置におけるCO除去器へのCO除去用空気の供給量を減少させることを特徴とする固体高分子形燃料電池付改質装置システムの運転方法。
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