JP4342706B2 - ポリクロロプレンラテックス組成物およびその製造方法、それを用いた接着剤組成物 - Google Patents

ポリクロロプレンラテックス組成物およびその製造方法、それを用いた接着剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤として有効なポリクロロプレンラテックス組成物およびその製造方法、それを用いた接着剤組成物に関する。さらに詳しくは初期接着力や常態接着力、接着耐水性等の接着性能に優れ、なおかつラテックスの貯蔵安定性の良好である水系コンタクト型接着剤として好適なポリクロロプレンラテックス組成物およびその製造方法、それを用いた接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリクロロプレンをベースとした接着剤は溶剤型が主流であった。しかし、近年溶剤型接着剤は製造や使用の際の有機溶剤による衛生性、火気危険性、環境汚染などの問題から、脱溶剤化の要求が高まっている。
【0003】
脱溶剤化の手法としては、溶剤型接着剤をラテックス接着剤に代替する方法が有効と考えられ、各種ポリマーを使用したラテックス接着剤の検討が盛んに行われている。
【0004】
なかでもポリクロロプレンラテックス接着剤は、接合する被着体の双方に塗布し、これらの接着剤層を乾燥した後に貼り合わせることにより、貼り合わせ直後から高い接着力を発現する。こうした特徴から、水系コンタクト型接着性としての利用を期待されている反面、溶剤系接着剤と比較して初期接着強度、耐水性等の接着性能が劣り、この改良が課題とされてきた。
【0005】
例えば特開昭50−22084号公報や特開平06−287360号公報には、クロロプレンを不飽和カルボン酸、ポリビニルアルコール、連鎖移動剤の存在下で重合するポリクロロプレンラテックス接着剤の製造方法が示されているが、このようなポリクロロプレンラテックスでは貯蔵安定性や接着耐水性が不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、初期接着力や常態接着力、耐水性に優れ、かつ貯蔵安定性の良好な水系接着剤用のポリクロロプレンラテックス組成物とその製造方法、それを用いた接着剤組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリビニルアルコールの存在化、クロロプレンと特定量のエチレン性不飽和カルボン酸とを重合し、これにPH調整剤とラジカル捕捉剤を加えることで、貯蔵安定性と接着耐水性に優れるポリクロロプレンラテックス組成物が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、クロロプレン100質量部とエチレン性不飽和カルボン酸0質量部を越え2質量部未満を、ポリビニルアルコール0.5〜10質量部の存在下に重合した後に、PH調整剤とラジカル捕捉剤を添加して得られ、かつ得られたクロロプレン重合体のゲル含有率が10〜70質量%であることを特徴とするポリクロロプレンラッテクス組成物およびその製造方法、それを用いた接着剤組成物である。
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。本発明におけるクロロプレン重合体は、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと記す)とエチレン性不飽和カルボン酸単独重合体との共重合体であり、またはクロロプレンと共重合可能な単量体の1種以上とを更に共重合して得られる共重合体である。
【0010】
本発明におけるクロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸のエステル類、メタクリル酸のエステル類等が挙げられ、必要に応じて2種以上用いてもかまわない。
【0011】
本発明におけるエチレン性不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、グルタコン酸などを挙げることが出来、これらを単独もしくは2種類以上併用して使用することもできる。なお本発明においてはアクリル酸、メタクリル酸を使用することが好ましく、特にメタクリル酸を使用することが好ましい。
【0012】
また本発明におけるエチレン性不飽和カルボン酸の添加量は、クロロプレン100質量部あたり0質量部を越え2質量部未満である。より好ましくは0.7〜1.5質量部である。エチレン性不飽和カルボン酸の添加量が0質量部の場合にはラテックスの安定性に劣るため製造が困難であり、また接着物性、特に耐熱性に劣る。エチレン性不飽和カルボン酸の添加量が2質量部以上の場合には、耐水性の低下が大きい。
【0013】
本発明におけるポリビニルアルコールは特に制限されるものではないが、けん化度60〜98モル%の範囲のものが好ましい。より好ましくは、けん化度75〜95モル%であり、更に好ましくは、けん化度75〜85モル%である。
また、ポリビニルアルコールの重合度が200〜3000の範囲のものが好ましい。より好ましくは重合度が200〜700であり、更に好ましくは重合度が200〜700である。
ポリビニルアルコールがこの範囲であれば、重合操作が安定に行え、得られたラテックスの安定性が優れ、高濃度で安定なラテックスを得ることが出来る。
【0014】
本発明におけるポリビニルアルコールの添加量としては、クロロプレン100質量部に対し、0.5〜10質量部の添加が好ましい。より好ましくは2〜5質量部であり、更に好ましく2.5〜4.5質量部である。ポリビニルアルコールの添加量が0.5質量部未満の場合には、乳化力が充分でなく、重合反応中に凝集物の発生が頻発し易い。また10質量部を越えると重合反応中に増粘が起こり、撹拌を阻害し、異常発熱するなど製造が困難となる場合がある。
【0015】
また本発明におけるポリクロロプレンラテックス組成物は、トルエン不溶のゲル分含有率が10〜70質量%の範囲にあることが必要であり、好ましくは15〜60質量%の範囲である。ゲル分含有率が10質量%未満の場合には、接着強度、耐熱性やせん断強度が低下する。またゲル分含有率が70質量%を越えると、初期接着性が低下するほか、耐水性が著しく低下する。
【0016】
ポリクロロプレンラテックス組成物のゲル分含有率を制御は、▲1▼連鎖移動剤の使用とその使用量、▲2▼重合温度とさらに▲3▼重合率の制御によって可能となる。
【0017】
まず連鎖移動剤としては、クロロプレン重合体の製造に一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
【0018】
次に重合温度については、0〜55℃の範囲であることが重合制御上好ましい。なお重合反応をより円滑にかつ安全に行うには、重合温度を30〜50℃とすることが好ましい。
【0019】
また最終重合率については、80質量%以上とすることが好ましいく、90質量%以上とすることがより好ましい。
【0020】
本発明において、ポリクロロプレンラテックス組成物の固形分濃度は40〜65質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは45〜60質量%の範囲である。より高い固形分濃度とすることにより、乾燥速度が速く、初期接着性により優れたラテックスとなる。なお固形分濃度については、重合時のモノマーと水の比率によっても調整できるが、重合後に濃縮を行い調整することが出来る。
【0021】
本発明におけるクロロプレン重合体は重合直後は酸性であり、不安定な常態であるためPHを6〜9に調整することが必要となる。好ましくはPHが6.5〜8.5である。PHが6未満では長期貯蔵をすると凝固や分離等変質し易い。またPHが9を越えるアルカリ性溶液は取り扱い上好ましくない。
【0022】
本発明におけるPH調整剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、りん酸3ナトリウム、りん酸水素2ナトリウム、りん酸3カリウム、りん酸水素2カリウム、クエン酸3カリウム、クエン酸水素2カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、4硼酸ナトリウム等の弱酸塩類をクロロプレン100質量部に対し、0.1質量部含むことが好ましく、更に0.3質量部以上含むことが好ましい。弱酸塩類はポリクロロプレンラテックス組成物の緩衝能力を高くする上で必要であり、0.1質量部未満では貯蔵時のPH低下を抑制できない。該弱酸塩類だけではポリクロロプレンラテックスのPHが6に満たない場合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムやジエタノールアミン等の塩基性物質を任意に併用することができる。
【0023】
本発明におけるPH調整剤の添加方法は特に制限を受けるものではなく、PH調整剤粉末を直接添加または水で任意の割合に希釈して添加することができる。
【0024】
本発明のラジカル捕捉剤としては、チオジフェニルアミン、ジエチルハイドロキシルアミン、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ハイドロキノンメチルエーテル等の重合禁止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス(6−t−4−メチルフェノール)、4,4−ブチレンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等の酸化防止剤を挙げることができる。
【0025】
本発明のラジカル捕捉剤としては、前記の重合禁止剤を0〜0.5質量部、前記の酸化防止剤を0.1〜1.5質量部使用することが好ましい。酸化防止剤が0.1質量部未満では、ポリクロロプレンラテックス組成物の貯蔵時中のゲル化を抑制できない。
【0026】
本発明のラジカル捕捉剤の添加方法は特に制限されないが、クロロプレンモノマーにラジカル捕捉剤を溶解したものをクロロプレン重合体に添加し、モノマーを脱気除去する方法やラジカル捕捉剤を海面活性剤等の添加によりエマルジョン化したものをクロロプレン重合体に添加する方法が、ポリクロロプレンラテックス組成物中へのラジカル捕捉剤の分散状態を考えると好ましい
【0027】
本発明のポリクロロプレンラテックスの重合に使用される触媒としては加硫酸カリウム等の無機酸化物、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類等の有機過酸化物等を挙げることができる。触媒としては加硫酸カリウムの使用が安定した重合を行う上で好ましい。また、加硫酸カリウムは0.1〜5質量%の水溶液で使用することが好ましい。
【0028】
本発明のポリクロロプレンラテックスの重合に使用される触媒の活性を高める上で、亜硫酸ソーダ、酸化鉄(II)、アントラキノンβスルフォン酸ソーダ、フォルムアミジンスルフォン酸、L−アスコルビン酸等を添加することができる。
【0029】
本発明の粘着付与樹脂としては、ロジン酸エステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族樹脂等を挙げることができる。粘着付与樹脂としてはテルペンフェノール樹脂やロジン酸エステル樹脂のエマルジョンが接着剤組成物の初期接着力や耐水性を発現させる上で好ましい。
【0030】
粘着付与樹脂の添加量(固形分換算)は、ポリクロロプレンラテックスを固形分で100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、20〜70質量部が特に好ましい。10質量部未満では初期接着力が劣る場合があり、100質量部を越えると接着剤皮膜の形成が阻害され易い。
【0031】
本発明における金属酸化物としては酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化鉄等を挙げることができる。酸化亜鉛、酸化チタンが接着剤組成物の耐水性を良くする上で好ましく、特に酸化亜鉛の使用が好ましい。
【0032】
金属酸化物の添加量は0.2〜5.0質量部が好ましく、特に0.5〜3.0質量部が好ましい。0.2質量部未満では接着剤組成物の耐水性が不十分となる場合があり、5.0質量部を越えると初期接着力が悪くなり易い。
【0033】
本発明の接着剤組成物は炭酸カルシウム、シリカ、タルクやクレー等の無機充填剤、ジブチルフタレートやプロセスオイルなどの可塑剤・軟化剤、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性ポリウレタン、メチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、1:2モル型脂肪族アルカノールアミド、1:1モル型ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアレート等の界面活性剤、各種老化防止剤、紫外線吸収剤や酸化防止剤等を必要に応じて任意に配合することができる。
【0034】
本発明の接着剤組成物はポリクロロプレンラテックス、粘着付与樹脂及び金属酸化物等を混合して作られるが、混合装置は特に限定されるものではなく、スリーワンモーター、ホモジナイザーメディアミル、コロイドミル等の公知の装置を使用できる。
【0035】
本発明により得られたポリクロロプレンラテックス接着剤は、紙、木材、布、皮革、レザー、ゴム、プラスチック、フォーム、陶器、ガラス、セラミック、金属などの同種、あるいは異種の接合接着用として好適である。接着時の施工方法に関しても、刷毛塗り、コテ塗り、スプレー塗布、ロールコーター塗布などが可能である。
【0036】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。なお、下記の実施例において部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
【0037】
実施例1
内容積3リットルの反応器を用い、窒素気流下で、水94部およびポリビニルアルコール(ユニチカ・UMR−20H、けん化度79モル%、重合度380)3.5部を入れ加温(60℃)溶解した。この水溶液を室温近くまで冷却した後、この中にクロロプレン単量体99部、メタクリル酸0.5部、及びオクチルメルカプタン0.3部を加えた。これを45℃に保持しながら亜硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムを開始剤として用い重合した。最終重合率は98%であった。
【0038】
次に、このポリクロロプレンラテックスに、10%りん酸3ナトリウム水溶液を(固形分換算で0.5部添加してpH調整した後、1:2モル型脂肪酸アルカノールアミド(ダイヤモンドシムヤロックケミカル社製)の20%水溶液を3部及び2,6ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールのエマルジョン(セロゾールH633、中京油脂社製)を固形分換算で0.5部添加して、ポリクロロプレンラテックス組成物を得た。
【0039】
次に、このポリクロロプレンラテックス組成物について、以下の測定を行った。
〔ゲル分測定〕
ラテックス試料を凍結乾燥し精秤Aとした。トルエンで溶解(0.6%に調製)し、遠心分離機を使用し、更に200メッシュの金網を用いてゲルを分離した。ゲル分を風乾後110℃雰囲気下で、1時間乾燥し、精秤してBとした。
ゲル分は下式に従がって算出した。
ゲル分=B/A×100 (%)
結果を表1に示した。
[PH測定]
ラテックス試料を恒温水槽で20℃に調整後PHメータでPHを測定した。
[貯蔵安定性試験]
40℃に設定した環境試験機中でラテックス試料を40℃で2ヶ月放置した後にPHとゲル分を測定し、変化がないか調べた。
【0040】
〔初期剥離強度〕
表1に示した処方で接着剤組成物を調整した。
次に帆布(25×150mm)2枚各々に、300g(固形分)/m2の接着剤組成物を刷毛で塗布し、80℃雰囲気下9分間乾燥し、室温で1分放置後に塗布面を張り合わせハンドローラーで圧締した。
圧締10分間後、引張り試験機を用い、引張り速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
〔常態剥離強度〕
表1に示した処方で接着剤組成物を調整した。
次に帆布(25×150mm)2枚各々に、300g(固形分)/m2の接着剤組成物を刷毛で塗布し、80℃雰囲気下9分間乾燥し、室温で1分放置後に塗布面を張り合わせハンドローラーで圧締した。
圧締7日後、引張り試験機を用い、引張り速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
【0041】
〔耐水強度〕
表1に示した処方で接着剤組成物を調整した。
次に帆布(25×150mm)2枚各々に、300g(固形分)/m2の接着剤組成物を刷毛で塗布し、80℃雰囲気下9分間乾燥し、室温で1分放置後に塗布面を張り合わせハンドローラーで圧締した。
圧締7日後、水中に2日間浸漬し、引張り試験機を用い、引張り速度200mm/minで180°剥離強度を測定した。
【0042】
〔実施例2〕
実施例1において、メタクリル酸を1.0部、10%炭酸ナトリウム水溶液を固形分換算で0.6部として実施例1同様にポリクロロプレンラテックスを作成した。ゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し、結果を表1に示した。
【0043】
〔実施例3〕
実施例1において、メタクリル酸を1.5部、10%炭酸ナトリウム水溶液を固形分換算で0.8部として実施例1同様にポリクロロプレンラテックスを作成した。ゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し、結果を表1に示した。
【0044】
〔実施例4〕
実施例2において、オクチルメルカプタンを0.38部として実施例2同様にポリクロロプレンラテックスを作成した。ゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し、結果を表1に示した。
【0045】
〔実施例5〕
実施例2において、ポリビニルアルコールを3.0部として実施例2同様にポリクロロプレンラテックスを作成した。ゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し、結果を表1に示した。
【0046】
〔実施例6〕
実施例4において、ポリビニルアルコールとしてデンカポバール・B−05を3.5部、10%クエン酸3ナトリウム水溶液を固形分換算で0.3部、20%ジエタノールアミンを0.3部、ジエチルハイドロキシルアミンを0.02部、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノールのエマルジョンを固形分換算で0.3部として実施例4同様にポリクロロプレンラテックスを作成した。更に減圧下で水分を蒸発させ濃縮を行い、固形分濃度が55%となるように調整した。ゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し、結果を表1に示した。
【0047】
〔比較例1〕
実施例1において、メタクリル酸を3.0部、10%炭酸ナトリウム水溶液を固形分換算で0.6部、20%ジエタノールアミンを0.6部として実施例1同様にポリクロロプレンラテックスを作成した。ゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し、結果を表2に示した。
【0048】
〔比較例2〕
実施例2において、オクチルメルカプタンを0.05部として実施例2同様にポリクロロプレンラテックスを作成し。ゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し、結果を表2に示した。
【0049】
〔比較例3〕
実施例2において、ジエタノールアミンを固形分換算で0.6部として実施例2同様にポリクロロプレンラテックスを作成した後、上記の貯蔵安定性試験の条件下に貯蔵した。この結果、PHが5.4まで低下した。貯蔵前のラテックスについてゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し結果を表2に示したが、貯蔵後のラテックスはPHが本発明の範囲より低いのでラテックスが不安定であり、凝固し易いことは自明である。
【0050】
[比較例4]
実施例2において、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノールのエマルジョンを添加しないで実験例2同様にポリクロロプレンラテックスを作成した。ゲル分、PHおよび接着物性を実施例1同様に測定し、結果を表2に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0004342706
【0052】
注1)PVA;UMR−20H、けん化度79mol%、重合度380(ユニチカ社製)
注2)PVA;B−05、けん化度88mol%、重合度550(電気化学工業社製)
注3)セロゾールH633:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールエマルジョン(中京油脂社製)、添加数量は固形分換算
注4)テルペン変性フェノール樹脂エマルジョン;タマノールE−100(荒川化学工業社製)
注5)酸化亜鉛エマルジョン(大崎工業社製)、添加数量は固形分換算
【0053】
【表2】
Figure 0004342706
【0054】
【発明の効果】
以上の実施例と比較例の比較より、本発明のポリクロロプレンラテックスは貯蔵安定性、初期接着強度や耐水性に優れていることが明かであり、合板など木材接着、紙材、合成樹脂、鋼板などの接着に特に好適なポリクロロプレンラテックス組成物とその製造方法を提供することが出来る。

Claims (4)

  1. クロロプレン100質量部とエチレン性不飽和カルボン酸0質量部を越え2質量部未満をポリビニルアルコール0.5〜10質量部の存在下に重合した後に、PH調整剤としての弱酸塩とラジカル捕捉剤を添加して得られ、かつ得られたクロロプレン重合体のゲル含有率が10〜70質量%であり、PHが6〜9であることを特徴とするポリクロロプレンラテックス組成物。
  2. ポリビニルアルコールのけん化度が75〜85モル%であることを特徴とする請求項1記載のポリクロロプレンラテックス組成物。
  3. 請求項1または2記載のポリクロロプレンラッテクス組成物に粘着付与樹脂と金属酸化物を添加して得られることを特徴とする接着剤組成物。
  4. 金属酸化物が酸化亜鉛であることを特徴とする請求項記載の接着剤組成物。
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