JP4341411B2 - 膜状材除去方法及び膜状材除去装置 - Google Patents
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また、リムーバーが強酸性であるため、リムーバーを散布した際に、下地の表面を損傷するおそれがあり、また、作業者の健康に対し悪影響を及ぼすおそれがあった。
さらに、高圧水による洗浄の際には、洗浄水が外部へ流出するのを防止するための対策や排水処理が必要となり、作業が非常に煩雑であった。
ここで、下地としては、例えば、壁や床が考えられ、その材質としてコンクリート等を採用できる。また、膜状材としては、ウレタン製等の弾性塗膜を含む塗膜や、防水シート等が考えられ、下地に付着したものであればよい。
さらに、ドライアイス粒は、接合部分に衝突した後に常温で昇華するため、例えば、高圧水を衝突させて膜状材を除去する場合に比べて、洗浄剤が残留しないから、より一層簡単に膜状材を除去できる。
また、ドライアイス粒は、比重が1.56で比較的質量が小さいので、接合部分への衝突力が比較的小さいから下地の損傷を抑えることができる。
さらに、膜状材と下地との接合部分を打突するので、直接下地を打突しないから、下地の損傷を抑えることができる。
また、ドライアイス粒は、弱酸性なので、人体への影響がほとんどなく、強酸性のリムーバー等の薬剤を用いる場合に比べて、作業者の健康に対する影響を確実に防止できる。
さらに、ドライアイス粒は、接合部分に衝突した後に常温で昇華するため、例えば、高圧水を衝突させて膜状材を除去する場合に比べて、研磨材が残留しないから、より一層簡単に膜状材を除去できる。
また、ドライアイス粒は、比重が1.56で比較的質量が小さいので、接合部分への衝突力が比較的小さいから、下地の損傷を抑えることができる。さらに、突出部材で膜状材と下地との接合部分を打突するので、突出部材を直接下地に当接させないから、下地の損傷を抑えることができる。
また、ドライアイス粒は、弱酸性なので人体への影響がほとんどなく、強酸性のリムーバー等の薬剤を用いる場合に比べて、作業者の健康に対する影響を確実に防止できる。
このような構成によれば、先端側が薄く形成された突出部材で接合部分を容易に打突でき、膜状材除去作業の効率化を図ることができる。
このような構成によれば、予め、噴射ノズルに突出部材が一体的に形成されているので、膜状材除去装置を使用する前に、わざわざ突出部材を噴射ノズルに取りつける必要がないから、膜状材の除去作業にかかる手間を軽減できる。
このような構成では、噴射ノズルに対して突出部材が着脱自在なので、形状や寸法等の異なる複数種類の突出部材を用意することにより、膜状材の特性に応じてより適切な突出部材を選択できるため、膜状材除去作業を効率よく行うことができる。
図1は、本実施形態に係る膜状材除去装置を模式的に示す図である。
膜状材除去装置1は、図1に示すように、壁や床等の例えばコンクリート製の下地Aに付着した膜状材としての例えば厚みが1mm程度の弾性塗膜Bを除去するための装置である。この膜状材除去装置1は、図1に示すように、液化炭酸ガスを貯蔵した液化炭酸ガスタンク10と、液化炭酸ガスからドライアイス粒22を製造するドライアイス製造装置(ペレタイザー)12と、製造されたドライアイス粒22を蓄積するホッパ14と、圧縮空気を生成するコンプレッサ16と、ドライアイス粒22を弾性塗膜Bおよび下地Aの接合部分Cに向けて噴射する噴射ガン50とを備えている。
ドライアイス製造装置12は、液化炭酸ガスタンク10から供給された液化炭酸ガスを用いてドライアイス粒22を製造する。ここで製造されるドライアイス粒22は、例えば、比重が1.56程度であって、直径3mm程度、長さ10mm程度のサイズを有する、例えば円筒状等の所定の形状に成形されたドライアイスのペレットであり、製造されたドライアイス粒22はドライアイス粒送給系13を通じてホッパ14に送給されてそこに蓄積される。
ノズル本体55は、平面視しゃもじ形に形成され、その基端55Aの断面が円形状であり、その先端55Bの断面が横方向に延びる矩形状であって、先端55Bに向かうに従って薄くなっている。このノズル本体55の断面矩形状の先端55Bには、横方向に延びる噴射口55Xが形成されている。これにより、噴射ガン本体51側から供給されたドライアイス粒22(図1)は、横方向に広がりをもって噴射される。
まず、ドライアイス製造装置12で製造されたドライアイス粒22をドライアイス粒送給系13を通じてホッパ14に送給しておく。これにより、噴射ガン本体51の引き金を引くと、圧縮空気供給系17を通じて供給された圧縮空気によって、ホッパ14に蓄積されたドライアイス粒22がドライアイス粒供給系15を通じて噴射ガン50に高速に供給され、圧縮空気とともにドライアイス粒22が噴射される状態となる。
この状態で、噴射ノズル52に一体的に形成された板状体の爪部材53を接合部分Cにあてがい、この爪部材53の先端53Aで接合部分Cを打突して傷をつけつつ、噴射ガン本体51の引き金を引いて、噴射ノズル52の噴射口55Xから接合部分Cに形成された傷付部分に向かってドライアイス粒22を噴射する。これにより、接合部分Cの傷付部分に固体のドライアイス粒22が衝突して接合部分Cが剥がれ、下地Aから弾性塗膜Bが除去される。
(1)弾性塗膜Bおよび下地Aの接合部分Cを爪部材53で打突して、この接合部分Cに傷をつけつつ、この傷をつけた接合部分Cに向けて、ホッパ14から供給されたドライアイス粒22を、噴射ノズル52を構成するノズル本体55の先端55Bに形成された噴射口55Xから噴射して、爪部材53による打突力とドライアイス粒22の衝突力とを併用することにより、下地Aに付着した弾性塗膜Bを簡単に除去できる。
例えば、前記実施形態において、爪部材53を噴射ノズル52に一体的に形成したが、これに限らず、爪部材53を噴射ノズル52に対して着脱自在の構成としてもよい。この場合には、噴射ノズル52に対して爪部材53が着脱自在なので、形状や寸法等の異なる複数種類の突出部材を用意することにより、弾性塗膜Bの特性等に応じてより適切な爪部材53を選択でき、弾性塗膜Bの除去作業の効率化を図ることができる利点がある。
また、噴射ノズル52を平面視しゃもじ形で、その先端が断面矩形状として形成したが、これには限定されず、例えば、全体が円筒状の断面円形状として形成してもよく、その形状や寸法は特に限定されない。要するに、ドライアイス粒22が噴射口から噴射されればよい。なお、噴射口55Xの断面形状も特に限定されない。
また、前記実施形態において、膜状材除去装置1を液化炭酸ガスタンク10とドライアイス製造装置12とを備えて構成したが、これに限らず、例えば、工場等の別の場所においてドライアイス粒22を製造し、これを現場まで運搬して使用してもよい。
また、下地Aから除去する膜状材としては、弾性塗膜Bに限らず、例えば、防水シートその他の膜状材を採用してもよい。
10 液化炭酸ガスタンク
11 液化炭酸ガス供給系
12 ドライアイス製造装置
13 ドライアイス粒送給系(ドライアイス粒供給装置)
14 ホッパ(ドライアイス粒供給装置)
15 ドライアイス粒供給系(ドライアイス粒供給装置)
16 コンプレッサ
17 圧縮空気供給系
22 ドライアイス粒
50 噴射ガン
51 噴射ガン本体
52 噴射ノズル
53 爪部材(突出部材)
53A 先端
54 接続部
54A 前面
55 ノズル本体
55A 基端
55B 先端
55B1 一辺(一辺部)
55X 噴射口
A 下地
B 弾性塗膜(膜状材)
C 接合部分
Claims (6)
- 下地に付着した膜状材を除去するための膜状材除去方法であって、
除去対象となる膜状材と前記下地との接合部分を、噴射ノズルの噴射口の周囲部分に設けた突出部材によって打突しながら、該打突した前記接合部分に向けて前記噴射口からドライアイス粒を噴射し、前記膜状材を前記下地から除去することを特徴とする膜状材除去方法。 - 下地に付着した膜状材を除去するための膜状材除去装置であって、
ドライアイス粒を供給するドライアイス粒供給装置と、
圧縮空気を生成するコンプレッサと、
このコンプレッサで生成された圧縮空気により、前記ドライアイス粒供給装置から供給されたドライアイス粒を、先端部分の噴射口から除去対象となる膜状材および前記下地の接合部分に向けて噴射する噴射ノズルと、
この噴射ノズルにおける前記噴射口の周囲部分に設けられ、前記接合部分を打突するための突出部材とを備えることを特徴とする膜状材除去装置。 - 請求項2に記載の膜状材除去装置において、
前記噴射ノズルは、前記噴射口の周囲部分が断面矩形状に形成され、
前記突出部材は、断面矩形状の周囲部分の一辺部から突出する板状体として形成されていることを特徴とする膜状材除去装置。 - 請求項3に記載の膜状材除去装置において、
前記板状体の突出部材は、先端に向かって薄くなるように形成されていることを特徴とする膜状材除去装置。 - 請求項2〜請求項4の何れかに記載の膜状材除去装置において、
前記突出部材は、前記噴射ノズルにおける前記噴射口の周囲部分に一体的に形成されていることを特徴とする膜状材除去装置。 - 請求項2〜請求項4の何れかに記載の膜状材除去装置において、
前記突出部材は、前記噴射ノズルにおける前記噴射口の周囲部分に着脱自在に取りつけられていることを特徴とする膜状材除去装置。
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