以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.全体構成:
A−2.遊技盤の表面構造:
A−3.裏面構造:
A−4.パチンコ機の制御回路の構成:
B.賞球動作の概要:
C.パチンコ機の制御の概要:
C−1.電源投入直後の動作:
C−2.制御開始準備動作:
C−3.遊技制御の概要:
C−3−1.ウォッチドッグタイマリセット処理:
C−3−2.普通図柄遊技開始判断処理:
C−3−3.普通図柄遊技処理:
C−3−4.普通電動役物遊技処理:
C−3−5.特別図柄遊技開始判断処理:
C−3−6.特別図柄遊技処理:
C−3−7.特別電動役物遊技処理:
C−4.電源断発生時処理:
D.遊技球誘導機構の構成:
E.遊技球の搬送動作:
A.パチンコ機の装置構成 :
本発明は、いわゆるパチンコ機、アレンジボール遊技機、あるいは雀球遊技機などの弾球遊技機一般に適用することができるが、以下では、いわゆるデジパチと呼ばれるタイプのパチンコ機(弾球遊技機)を例にとって、具体的に説明する。
A−1.全体構成 :
先ず初めに、図1および図2を参照しながら本実施例のパチンコ機1の大まかな構造について説明する。図1は、パチンコ機1の前面側(すなわち、遊技者の側)から見たときのパチンコ機1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1を斜め上方から見たときの斜視図である。図示されているように、パチンコ機1は主に、木製の板状体を略長方形の額縁状に組み立てて固着した外枠(本体枠とも言う)2と、外枠2の前面に開閉可能に軸支されたプラスチック製の中枠3と、中枠3の左端部で開閉可能に軸支されたプラスチック製の前面枠4と、前面枠4の下方に設けられた上皿部5および下皿部6と、中枠3の右側に設けられて前面枠4の施錠を行う施錠装置7と、中枠3の前面側に取り付けられた図示しない遊技盤などから構成されている。上皿部5は、前面枠4を施錠したときに前面枠4のちょうど下側に来る位置に、中枠3に対して開閉可能に軸着されている。また、下皿部6は、上皿部5の下方の位置で中枠3に取り付けられている。
図1に示されているように、前面枠4はパチンコ機1の前面の略2/3を占めており、そのほぼ中央部には略円形の開口部4aが形成されている。後述する遊技領域は、この開口部4aの内側に形成される。開口部4aの左方には略円弧状の左LED表示部4bが、更にその外側上方には左上LED表示部4dが設けられ、一方、開口部4aの右方には略円弧状の右LED表示部4cが、その外側上方には右上LED表示部4eが設けられている。また、開口部4aの上方で且つ、左LED表示部4bおよび右LED表示部4cの間には、略円形状の中上LED表示部4fが2つ並べて配置されている。これら2つの中上LED表示部4fの間には、2つの賞球LED表示部4gが設けられている。これらのLED表示部4d〜4gは、遊技効果を高めることなどを目的として、遊技の進行に応じて点灯および消灯あるいは点滅する。また、賞球LED表示部4gの上方には、略扇形状のエラーLED表示部4hが設けられている。更に、前面枠4の裏面側にはガラス枠41sが取り付けられており、ガラス枠41sには二枚のガラス板41rが装着されている(図2参照のこと)。パチンコ機1の遊技者は、このガラス板41rを介して遊技領域を目視することが可能となっている。遊技領域については、後ほど詳しく説明する。
前面枠4の下方に設けられた上皿部5には、複数の長孔を有する第1音声出力部5cと、皿外縁部5aと、パチンコ機1の内部の遊技球を上皿部5に排出するための排出口5bなどが設けられている。第1音声出力部5cには、遊技状態に応じて効果音あるいは音声などを発生するためのスピーカー400aと、後述する音量スイッチ基板12とが接続されている。尚、本実施例のスピーカー400aは、中高音用ユニット(ツィータ)および低音用ユニット(ウーハ)を含んだマルチウェイ方式とされており、第1音声出力部5cには、中高音用ユニット(ツィータ)が図示しないダクトを介して接続されている。また、低音用ユニット(ウーハ)は、後述する第2音声出力部6dに、図示しないダクトを介して接続されている。皿外縁部5aには玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタンなどが設けられている。また、本実施例の上皿部5には、前面左端側の部位に、2つの操作スイッチSW1およびSW2が設けられている。更に、上皿部5には、貯留されている遊技球を発射装置に供給するための図示しない供給装置や、遊技球を発射するための図示しない発射装置ユニットなどが設けられている。
上皿部5の下方に設けられた下皿部6には、略中央部に排出口6aが設けられており、下皿部6の左端には灰皿6bが、右端には発射ハンドル9が設けられている。排出口6aからは、パチンコ機1の内部から下皿部6に遊技球が排出されてくる。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き孔が設けられている。球抜き孔は通常時には閉鎖されているが、下皿部6の略中央手前側に設けられた排出ノブ6cを操作して球抜き孔を開放状態とすれば、下皿部6に貯留された遊技球をパチンコ機1から排出することができる。排出ノブ6cは、プルロック式のノブであり、通常は直立状態となっている。そして、排出ノブ6cの上端を手前側に倒すと、ノブの動きに連動して球抜き孔が開放状態となり、下皿部6から遊技球が排出される。また、遊技者が排出ノブ6cを押すとノブのロックが解除され、排出ノブ6cを直立状態に戻して、球抜き孔を閉鎖状態に戻すことができる。この排出ノブ6cの右側下面および左側下面には、前述した第2音声出力部6dが設けられている。
発射ハンドル9は、遊技領域に向かって遊技球を射出する図示しない発射装置ユニットに接続されており、パチンコ機1の遊技者は発射ハンドル9を操作することによって遊技球の発射動作を制御することができる。発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
次に、図2を参照しながら、中枠3の構成について説明する。中枠3は、枠体部3aと下板部3bとを備えている。このうち枠体部3aは、前述した前面枠4を施錠すると前面枠4がちょうど覆い被さるような位置に、すなわち中枠3の上端から下方に向かって略2/3の大きさを占める位置に設けられている。また、下板部3bは、上皿部5および下皿部6に対応する位置、すなわち中枠3の下端から上方に向かって略1/3の大きさを占める位置に設けられている。
枠体部3aの上部には、前面枠4の枠飾りランプ用レンズ4bに対応する位置に、図示しない複数個の遊技効果ランプと、前面枠4の枠飾りLED用レンズ4cに対応する位置に、図示しない賞球表示LEDと、同じく枠飾りLED用レンズ4eに対応する位置に、図示しないストップ表示LEDなどが設けられている。更に枠体部3aには、遊技効果ランプの点滅を制御するための枠飾りランプ基板4gと、賞球表示LEDの点滅を制御するための賞球表示LED基板4dと、ストップ表示LEDの点滅を制御するストップ表示LED基板4fなどの各種基板も取り付けられている。これら基板の詳細については後述する。
ここで、図1に示した各種のLED表示部4b〜4hを駆動する各種LED基板の位置関係について説明する。図3は、各種LED基板4i〜4oの位置関係を示す説明図である。図示されている各種LED基板4i〜4oは、中枠3の枠体部において、上述の各種LED表示部4b〜4hに対応する位置に設けられている。具体的には、左LED基板4iは左LED表示部4bに対応し、右LED基板4jは右LED表示部4cに対応し、左上LED基板4kは左上LED表示部4dに対応し、右上LED基板4lは右上LED表示部4eに対応している。また、中上LED基板4mは中上LED表示部4fに対応し、賞球LED基板4nは賞球LED表示部4gに対応し、エラーLED基板4oはエラーLED表示部4hに対応している。
A−2.遊技盤の表面構造 :
次に、遊技盤10の構成について説明する。図4は、遊技盤10の表面の構造を示した説明図である。図示するように遊技盤10は、木製で略長方形の板状体であって、中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられているとともに、その背面側は後述する裏機構盤102(図5参照)によって覆われている。遊技盤10の表面には外レール14と内レール15とが設けられており、これらレールに囲まれた部分に、略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、領域の下方部分には変動入賞装置18が設けられている。そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口(普通電動役物)17が設けられている。また、遊技領域11の左端には普通図柄作動左ゲート36が、遊技領域11の右端には普通図柄作動右ゲート37が設けられている。更に、普通図柄作動左ゲート36と中央装置26との間には、左側のランプ風車24が設けられ、普通図柄作動右ゲート37と中央装置26との間には、右側のランプ風車25が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
中央装置26には、中央に図柄表示装置27が設けられており、図柄表示装置27の下方には、後述する遊技球誘導機構28が設けられている。図柄表示装置27は、液晶画面を搭載しており、液晶画面中央の大部分の領域は主表示領域に割り付けられ、そして画面下端の横長の領域は副表示領域に割り付けられている。本実施例の図柄表示装置27は、主表示領域に、特別図柄を構成する疑似図柄や背景図柄、更にはキャラクタ図柄などの演出用図柄を表示することが可能となっている。特別図柄(疑似図柄)を表示する場合には、主表示領域のほぼ中央部分が左表示部、中表示部、右表示部の3つの表示部に割り付けられて、それぞれ左図柄・中図柄・右図柄の3つの特別図柄(疑似図柄)が変動表示される。また特別図柄(疑似図柄)の表示部の背景部分に、背景図柄やキャラクタ図柄を表示することが可能となっている。一方、副表示領域には、特別図柄を構成する本図柄(本実施例では左本図柄と右本図柄の2つの図柄)や保留数を示す保留図柄や普通図柄などの演出用図柄を表示することが可能となっている。図柄表示装置27は、後述する図柄制御基板360の制御の基で、遊技の進行に合わせて、これら各種の演出用図柄を、主表示領域および副表示領域に表示する。
また、詳細には後述するが、中央装置26の上部には、装置内部に遊技球を取り入れるための取り入れ口が設けられている。そして、中央装置26内部に取り入れられた遊技球は、遊技球誘導機構28によって誘導されて、中央装置26の下方に設けられた始動口(普通電動役物)17へと導かれるようになっている。
遊技者が発射ハンドル9を操作することによって発射された遊技球が、前述した普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、図柄表示装置27は普通図柄の変動表示を開始する。本実施例の普通図柄は1〜9までの数字を表す図柄となっている。普通図柄は所定時間だけ変動表示された後、任意の図柄で停止表示される。このとき、停止した図柄が奇数を表す図柄であった場合には、始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば0.5秒)開放するようになっている。
始動口(普通電動役物)17は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の始動口である。始動口17の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図6参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図6参照)とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
翼片部の開閉は次のようにして行われる。始動口17の左右に設けられた普通図柄作動左ゲート36、普通図柄作動右ゲート37のいずれかを遊技球が通過すると、普通図柄作動左ゲート36および普通図柄作動右ゲート37の内部にそれぞれ設けられた左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図6参照)で検出され、図柄表示装置27が普通図柄の変動表示を開始する。そして、所定時間経過後に、普通図柄が所定の図柄で停止表示すると、所定時間(例えば、0.5秒間)だけ始動口17の翼片部が開放される。
一方、始動口(普通電動役物)17に遊技球が入球すると、図柄表示装置27では、特別図柄の変動表示が開始され、所定時間変動表示した後、任意の図柄で停止表示される。このとき所定の図柄で停止表示された場合には、変動入賞装置18に設けられた大入賞装置31が作動することになる。
大入賞装置31は、変動入賞装置18のほぼ中央に設けられており、略長方形状に大きく開口する大入賞口311と、大入賞口311を開放あるいは閉鎖する開閉板312と、開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図6参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、図示しない連動杆と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図6参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)などから構成されている。
図柄表示装置27で所定の特別図柄が停止表示されると、大入賞装置31が作動して、大入賞口311が開放状態となる。大入賞口311が開放すると、発射した遊技球は高い確率で大入賞口311に入球するので、遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる。
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、内レール15の先端部には、図示しないファール球防止部材が取り付けられ、ファール球防止部材と略正反対側(遊技盤10の右半分側)には、図示しない返しゴムが外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
以上、パチンコ機1の表面構造について説明したが、最後に上皿部5の前面左端部に設けられた2つの操作スイッチSW1,SW2の働きについて説明しておく。操作スイッチSW1、SW2は、図柄表示装置27の液晶画面上で表示される演出の形態を選択する機能を有している。つまり、遊技者が、この操作スイッチSW1、SW2を操作すると、所定の条件の下、液晶画面上の主表示領域あるいは副表示領域で表示される演出の形態を変更することができる。このため、遊技者は、あたかも、図柄表示装置27で表示される演出に実際に参加しているような気分を味わうことができる。
本パチンコ機1では、2つの操作スイッチSW1、SW2を備えると共に、一方の操作スイッチ(以下、「第1の操作スイッチ」という。)SW1が「演出モードの選択用スイッチ」とされ、他方の操作スイッチ(以下、「第2の操作スイッチ」という。)SW2が「演出モードの確定用スイッチ」とされている。遊技者が第1の操作スイッチSW1を操作すると、図柄の背景を変更するための表示が点滅を開始し、点滅を介してから所定の時間(例えば、5秒)内に、第2の操作スイッチSW2を操作すると、複数種類(例えば、10種類)の背景図柄から所望の背景を選択することができる。
A−3.裏面構造 :
次に、パチンコ機1の裏面構造について説明する。図5は、本実施例のパチンコ機1の裏面構造を示した説明図である。本実施例では、パチンコ機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。図5では、ヒンジ103は、中枠3右側の上端付近および下端付近に示されている。
図5に示されているように、裏機構盤102には、パチンコ機1の上部付近から右端中央部付近にかけて、賞球タンク105、タンクレール106、賞球払出装置109が設けられている。賞球タンク105は、遊技球を蓄えるためのものである。タンクレール106は、賞球タンク105から賞球払出装置109に対して遊技球を供給するためのものである。そして、賞球払出装置109は、遊技球を遊技者に対して払い出すためのものである。賞球払出装置109による払出し動作は、払出制御基板によって制御される。この払出制御基板は、払出制御基板ケース118に収容されている。払出制御基板ケース118は、図5に示されているように、裏機構盤102の裏面側の右下部付近に設けられている。なお、払出制御基板の電気的構成については別図を参照しつつ後述する。
裏機構盤102の中央部付近においては、遊技盤10の裏面側に、音声・ランプ制御基板ケース114、ランプインターフェース基板ケース115、図柄制御基板ケース116などが設けられている。音声・ランプ制御基板ケース114には、音声・ランプ制御基板が収容されている。この音声・ランプ制御基板は、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行う。また、ランプインターフェース基板ケース115には、ランプインターフェース基板が収容されている。このランプインターフェース基板は、音声・ランプ制御基板からの命令を受けてランプ等に駆動信号を出力する。なお、音声・ランプ制御基板およびランプインターフェース基板の電気的構成等については、別図を参照しつつ後述する。図柄制御基板ケース116には、図柄制御基板が収容されている。図柄制御基板は、中央装置26の制御を行う。図柄制御基板の電気的構成等についても別図を参照しながら後述する。
裏機構盤102の下部付近には、発射基板ケース130、電源基板ケース132、主制御基板ケース112などが設けられている。発射基板ケース130には、発射基板が収容されている。発射基板は、遊技球の発射を司る制御基板であり、発射ハンドル9の操作に応じて発射動作を制御するように構成されている。電源基板ケース132には、電源基板が収容されている。電源基板は、パチンコ機1内の各装置に対する電源供給を司る基板である。主制御基板ケース112には、主制御基板が収容されている。主制御基板は、遊技の進行を司る制御基板である。主制御基板の電気的構成等については、別図を参照しつつ後述する。なお、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
A−4.パチンコ機の制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1の制御回路の構成について説明する。図6は、本実施例のパチンコ機1に搭載された電子制御装置における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように、電子制御装置は、その機能に着目すると、主制御部140と、複数の副制御部とから構成されている。また副制御部は、主制御部140に直接に接続された第1次副制御部と、第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部とから構成されている。主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続されている。尚、パチンコ機の機種によっては、第1次副制御部と第2次副制御部とを介して主制御部140に接続される第3次副制御部が設けられている場合もある。
図示されているように、本実施例の電子制御装置には、第1次副制御部として、払出制御部150と音声・ランプ制御部170とが設けられており、第2次制御部として、払出制御部150に接続された発射装置制御部193と、音声・ランプ制御部170に接続された図柄制御部160とが設けられている。
主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、本実施例では音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
また、図6に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、システムリセット信号が全制御基板に送信される。
詳細には後述するが、主制御部140は各種スイッチや検知器などからの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。以下では、主制御部140や、払出制御部150、音声・ランプ制御部170、図柄制御部160、各種基板などの構成について順番に説明する。
主制御部140は、主制御基板ケース112に格納された主制御基板340によって主に構成されており、主制御基板ケース112は、不正行為者が容易に開閉できないような構造に形成されている。図7は、主制御基板340の構成を概念的に示した説明図である。図示されているように、主制御基板340は、制御手段としてのCPU401を含む主回路部400と入出力回路部500とが、バスで接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。主回路部400には、CPU401(制御手段)と、発振部(周期信号出力手段)1410と、リセット回路部1450(リセット信号出力手段)と、CPU初期化回路部(制御初期化手段)1460と、I/Oデコード回路部1420と、データバス安定化部1411と、第1外部入力回路部1430などが設けられている。主回路部400に搭載されたCPU401の構成については後述する。
CPU初期化回路部(制御初期化手段)1460は、ウォッチドッグタイマと呼ばれる専用回路によって主に構成されている。このウォッチドッグタイマは、電源が供給されると自動的に動作を開始し、CPU401を強制的に初期化する初期化信号を、所定の周期(Twd)でCPU401に向かって出力する。詳細には後述するが、遊技の進行中は、CPU401はCPU初期化回路部(制御初期化手段)1460に内蔵されたウォッチドッグタイマに向かってリセット信号を出力しており、CPU401がリセット信号を出力する周期は、ウォッチドッグタイマがCPU401に向かって初期化信号を出力する周期よりも短い周期(Trset)に設定されている。このために、CPU401が正常に動作していれば、強制的に初期化される前にウォッチドッグタイマをリセットすることができるので、CPU401が初期化されることはない。しかし、CPU401の動作に異常が生じると、初期化信号が出力される前にウォッチドッグタイマをリセットすることができなくなる。このため、CPU初期化回路部(制御初期化手段)1460から初期化信号が出力され、CPU401が強制的に初期化されるので、正常な動作状態に復帰することが可能となる。
また、本実施例の主制御部401には、リセット回路部(リセット信号出力手段)1450も設けられている。リセット回路部1450は、CPU401が起動時にセキュリティチェックなどの所定の動作を行っている間に、CPU初期化回路部1460に内蔵されたウォッチドッグタイマをリセットするためのリセット信号を、CPU401に代わって出力する。詳細な構成については後述するが、リセット回路部1450は、発振部1410からクロック信号を受け取って、適当な周期の信号に変換した後、ウォッチドッグタイマに向かってリセット信号を出力する。このため、CPU401が起動時にセキュリティチェックなどの所定の動作を行っている間に、ウォッチドッグタイマによって強制的に初期化されることを回避することができる。また、CPU401が起動して動作を開始した後は、リセット回路部1450はCPU401からの起動開始信号を受け取って、リセット信号の生成を停止する。すなわち、CPU401の起動後はCPU401自身がリセット信号を出力しない限り、ウォッチドッグタイマによって強制的に初期化される。このため、CPU401の動作に異常が生じた場合でも、正常な動作状態に復帰させることが可能となっている。尚、起動開始信号が出力されていなければ、CPU401が起動のための準備を行っているものと考えることができるから、起動開始信号を反転させれば、CPUが準備中であることを示す信号(準備動作信号)を得ることができる。すなわち、CPUの起動開始信号は、同時に、CPUの準備動作中を示す信号(準備動作信号)と解釈することができる。起動開始信号をこのように解釈すれば、リセット回路部1450は、CPUが準備動作信号を出力している期間だけ、CPUに代わってリセット信号を出力していることになる。
また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続されており、この外部端子部145によってパチンコホールの「ホールコンピューター」に接続されている。主制御基板340はRAMクリア処理を実行するに際して、RAMクリア信号をONにした後、一定時間経過後に再びOFFとする動作を行うが、このRAMクリア信号は外部端子部145を介してパチンコホールのシステム等に報知されている。このため、不正行為者によってRAMクリア処理が実行された場合には、不正行為者に悟られることなく、パチンコホールの管理者側で不正行為を検知することが可能となっている。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部150および音声・ランプ制御部170が接続されている(図6参照)。入出力回路部500は、払出制御部150や音声・ランプ制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部150あるいは音声・ランプ制御部170に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部160に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部170に向けて出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。
加えて入出力回路部500には、始動口(普通電動役物)入賞検知器(入賞検知スイッチ)17sや、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知器(右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検知器(左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ)36sなどが接続されている。
図8は、主回路部400に搭載されたCPU401の詳細な構造を示した説明図である。図8に示すようにCPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482と、メモリ制御回路483と、クロック発生器484と、アドレスデコーダ485と、カウンタ/タイマ487と、パラレル入出力ポート488と、リセット/割り込みコントローラ489と、外部バスインターフェース490と、出力制御回路491などから構成されている。CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、パチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判断制御を行う。
次に、払出制御部150の構成について説明する。払出制御部150は、払出制御基板ケース118に格納された払出制御基板350によって主に構成されている。図9は、払出制御基板350の構成を概念的に示した説明図である。前述した主制御基板340と同様に払出制御基板350も、主回路部152と入出力回路部153とがバスで相互にデータをやりとり可能に接続されて構成されている。入出力回路部153には信号伝送経路500aが接続されており、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して入出力回路部153に入力される。また、入出力回路部153には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
尚、払出制御部150の主回路部152にも、図7に示した主回路部400と同様に、CPU(制御手段)を初めとして、発振部(周期信号出力手段)や、リセット回路部(リセット信号出力手段)、CPU初期化回路部(制御初期化手段)などが搭載されている。そして、CPU(制御手段)の動作に異常が生じた場合には、CPU初期化回路部に内蔵されたウォッチドッグタイマからの初期化信号によってCPUが強制的に初期化され、その結果、正常な動作に復帰するように構成されている。かかる構成は、図7に示した構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
音声・ランプ制御部170は、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための音声・ランプ制御基板370と、音声・ランプ制御基板370からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板380の、主に2つの基板から構成されている。図10は、音声・ランプ制御部170の構成を概念的に示した説明図である。音声・ランプ制御基板370には、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174と、サウンドジェネレータ176と、コネクタCN1が設けられており、これらがバス175で相互にデータをやりとり可能に接続されている。サウンドジェネレータ176は、予め記憶された音声データをゲームの進行に合わせて再生することで、スピーカー400aから各種の音声を出力する。尚、スピーカー400aから出力される音量は、音量スイッチ基板12によって調整可能となっている。
また、入出力ポート174には信号伝送経路500aが接続されている。前述した主制御部140が、特別図柄の変動・停止、リーチ発生、リーチ表示の態様、特別遊技態様、確率変動や時短などの遊技モードを指示する制御命令を出力すると、出力された各種の制御命令は信号伝送経路500aを介して入出力ポート174に入力される。音声・ランプ制御基板370では、こうして制御命令を受け取ると、ROM173に予め記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、駆動基板380に向かって各種の命令を出力する。音声・ランプ制御基板370と駆動基板380とは、コネクタCN1とコネクタCN2とで互いに接続されている。
駆動基板380には、各種LEDやランプなどを駆動するための駆動信号を発生させる駆動回路部382と、発生した駆動信号を、各種LED基板4d,4f,19f〜22fや、各種ランプ基板216f,262f、枠飾り基板4gなどに出力するためのコネクタ出力部384とが設けられている。これら各基板にランプあるいはLED等が1個または複数個接続されており、コネクタ出力部384から供給される駆動信号により、ゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。尚、コネクタ出力部384を、駆動回路部382とは別基板に設ける構成としても良い。こうすることで、各種LEDなどのランプの数や色が変更されても駆動回路部382の変更を要しない場合には、コネクタ出力部384のみを変更して対応することが可能となる。
また、パチンコ機1に、モータなどによって駆動される可動式役物が設けられている場合には、モータを駆動するための駆動回路を、駆動回路部382あるいはコネクタ出力部384に搭載することとしても良い。こうすれば、可動式役物の有無もしくは個数が変更された場合でも、容易に対応することが可能となる。
尚、音声・ランプ制御部170にも、CPU(制御手段)を初めとして、発振部(図示は省略)や、リセット回路部(図示は省略)、CPU初期化回路部(図示は省略)などが搭載されており、CPU(制御手段)の動作に異常が生じた場合には、CPU初期化回路部に内蔵されたウォッチドッグタイマからの初期化信号によってCPUが強制的に初期化され、その結果、正常な動作に復帰するように構成されている。かかる構成は、図7に示した構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
図柄制御部160は、図柄制御基板360によって主に構成されている。図11は、図柄制御部160の構成を概念的に示した説明図である。図示されているように図柄制御部160は、演算回路構成要素としてCPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路166とを備えており、これら演算回路構成要素がバス165により接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。入出力ポート164には、信号伝送経路500bや図柄表示装置27が接続されている。CPU161は、RAM162をワークエリアとして使用しながら、ROM163に格納された制御プログラムを実行することにより、中央装置26の制御を行っている。
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続されており、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図9に示す払出制御部150の入出力回路部153に接続されている。
以上のような構成の本実施例の電子制御装置においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入賞検知スイッチ17sによって検知されて、主制御部140に入力される。遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動ゲート通過検知器36s,37sにより検知されて、主制御部140に入力される。また、入賞球検知スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検知されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。主制御部140は、これらの情報を受け取って、変動コマンド、停止図柄コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部170、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。図柄制御部160では、変動パターン指定コマンドを受信すると、複数の変動態様から乱数等による抽選を行って変動態様を決定する。また、主制御部140は、図柄制御部160に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部170にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
B.賞球動作の概要 :
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口311に入球すると、大入賞口311の内部に設けられた入賞球検知スイッチ318がこれを検知して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口(普通電動役物)17に入球した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検知スイッチ17sがこれを検知して、信号ケーブルを介して主制御部140に信号を出力する。主制御部140は、この信号を受けて、後述する処理を行った後、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検知して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。主制御部140は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検知した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部150は、こうして主制御部140から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置109を作動させて指示された個数分の賞球払い出し動作を行う。
また、主制御部140は、上述した各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。また主制御部140は、始動入賞を検知すると乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否判定(特別図柄の当否判定)を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部170に出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝送経路500bを介して図柄制御部160に送信される。
C.パチンコ機の制御の概要 :
以下では、上述した構成を有するパチンコ機1を用いて遊技を行う際に電子制御装置が行っている制御の概要について説明する。
C−1.電源投入直後の動作 :
以下では、パチンコ機1に電源が投入されたときに、電子制御装置内のCPUが起動して、パチンコ機1の制御を開始する様子について説明する。
図12は、パチンコ機1に電源を投入後、電子制御装置によって遊技の制御が開始されるまでの大きな流れを示した説明図である。パチンコ機1に電源が投入されても、直ちに電子制御装置のCPUが起動するのではなく、電源回路からCPUに向かって出力される初期化信号によって、先ずCPUが初期化される。かかる動作は、システム初期化動作(あるいはシステムリセット)と呼ばれ、システム初期化時に出力される初期化信号はシステム初期化信号と呼ばれることがある。CPUの初期化を行った後、今度はセキュリティチェックが行われる。セキュリティチェックとは、CPUがパチンコ機1の制御を開始するに当たって、プログラムや各種制御パラメータの格納された領域を含むメモリの内容をチェックして、プログラムや制御パラメータなどが不正に改変されていないかどうかを確認する作業である。パチンコ機では、メーカーからの出荷後に不正に改造されるようなことがあってはならないため、遊技の制御を開始する前にセキュリティチェックを行うのである。尚、セキュリティチェックは、広いメモリ領域をチェックするため、チェック完了までにはある程度の時間が必要となる。
セキュリティチェックが終了すると、電子制御装置に搭載されたCPUが起動する。上述したように、電子制御装置には、主制御基板340を初めとして、音声・ランプ制御基板370や、図柄制御基板360などの多くの制御基板が搭載されており、これら制御基板の各々にCPU(制御手段)が搭載されている。これら全ての制御基板およびCPUについて説明するのでは、煩雑となってしまうため、ここでは主制御基板340に搭載されたCPU401を例に用いて説明するが、以下の説明は、他の制御基板についてもほぼ同様に適用することが可能である。
起動後のCPUは、大きくは遊技制御を開始するための動作と、パチンコ機1の遊技を制御する動作とを行う。遊技制御の実行中に割込が発生すると、タイマ割込処理や電源断処理なども行われる。また遊技制御中には、主制御基板340のCPU401から音声・ランプ制御基板370のCPUや、図柄制御基板360のCPUに向かって割込を発生させて、これらサブ基板(副制御部)に向かって各種の動作を指示する動作も行う。制御開始のための準備には、タイマ割込を発生させるために準備動作や、音声・ランプ制御基板や図柄制御基板などのサブ基板を初期化する動作も含まれる。以下では、主制御基板340のCPU401が起動した後に実施する制御開始準備動作や、遊技制御動作などについて、詳しく説明する。
C−2.制御開始準備動作 :
図13は、主制御基板340に搭載されたCPU401が起動直後に実施する制御開始準備処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って、説明する。制御準備処理を開始すると、先ず初めにCPU401は、割込を受け付けない状態に設定する(S10)。これは、以下に行う制御準備処理は、適切な制御を行うための準備として実施するものであり、準備動作が完了する前は、例え割込が発生しても制御を適切な実行することができないので、準備動作が完了するまでは割込を受け付けない設定にしておくのである。
次いで、スタックポインタを設定する(S12)。スタックポインタとは、簡単に言えば、現在の処理を中断して別の処理を実施するときに、処理中のデータを一時的に退避するためのメモリ領域を指示する変数である。遊技制御が開始されると、割込が発生して処理が中断されることがあるので、そのときに中断した処理を再開するための各種データを退避しておくメモリ領域を設定しておくのである。
次いで、CPU401は、周辺ディバイスの初期設定を行う(S14)。ここでは、CTC(カウンター・タイマー・サーキット)やPIO(周辺機器インターフェース)などの各種ディバイスの初期設定を行う。遊技制御が実施されると、CTCを用いて定期的に(代表的には2msec毎)にタイマ割込を発生させ、各種スイッチの状態を検出したり、各種の乱数値を更新している。従って、CTCに、こうしたタイマ割込を発生させるための設定も、制御開始準備処理のS14において行う。
CPU401は、周辺ディバイスの設定に続いて、RAMクリアスイッチがONになっているか否かを検出する(S16)。電源投入時にRAMクリアスイッチがONになっていれば、遊技店の開店時に、店員がRAMクリアスイッチをONにしながら電源を投入したものと推測される。しかし、RAMクリアスイッチがONでない場合は(S16:no)、停電などの理由で電源が切断された可能性もあるので、バックアップフラグがONになっているか否かを検出する(S18)。そして、バックアップフラグがONになっている場合は(S18:yes)、停電などの理由で電源が切断されたため遊技が正常に終了されておらず、切断前の遊技状態を復旧する必要があると考えられる。そこで、以下のような、復旧動作を行う。
復旧動作を開始すると、初めにチェックサムを算出する(S20)。チェックサムは、大まかには次のようにして算出される。予め、所定のチェックサムデータを設定しておく。そして、メモリ上の対象領域に記憶されているデータについて、順次データを読み出してチェックサムデータとの排他的論理和を算出し、得られた値をチェックサムデータエリアに順次書き込んでいく。こうして対象領域に記憶されている全データについての排他的論理和を書き込んだら、書き込んだ領域の各ビットの値を反転させ、得られたデータをチェックサムとする。停電などの電源切断時に行われる電源断処理では、バックアップRAM領域のデータについてチェックサムが算出されて保存されている。従って、バックアップRAM領域に記憶されているデータが変更されていなければ、復旧動作時に算出したチェックサムは、電源断時に算出したチェックサムと同じ値になるはずである。
そこで、S20で算出したチェックサムと電源断時に保存しておいたチェックサムとが一致するか否かを判断する(S22)。両者が一致していれば(S22:yes)、バックアップRAM領域のデータは正しく保存されていると考えられる。この場合は、保存されているデータを読み出して電源断時の遊技状態を取得した後(S24)、バックアップフラグをOFFに設定する(S26)。そして、音声・ランプ制御基板370や、図柄制御基板360、払出制御基板350など(以下では、これら基板をサブ基板と呼ぶことがあるものとする)を電源断前の遊技状態に復旧させるべく、これら各種制御基板に対して電源断復旧時のコマンドを送信する(S28)。コマンドを送信する方法については別図を用いて後述する。その結果、電源断前の遊技状態が復元され、以降、遊技が継続される。
一方、S16においてRAMクリアスイッチがONであることが検出された場合は、通常の電源投入動作であると考えられるので、以下に示す通常の初期化動作を行う。また、RAMクリアスイッチはONになっていないが、バックアップフラグがONになっていない場合(S18:no)は、バックアップデータが存在しないと思われる。従って、この場合は、通常の電源投入動作ではないと考えられるが、やはり通常の初期化動作を行う。更に、バックアップフラグがONであり、バックアップデータが存在する場合でも、チェックサムが一致していない場合は(S22:no)、もはや、そのバックアップデータを使用することはできないでの、やはりこの場合も通常の初期化動作を行うことになる。
通常の初期化動作では、先ず初めにRAMの初期化を行う(S30)。すなわち、RAMの全領域に一旦「0」を書き込んだ後、RAM上の所定のアドレスに初期データを設定する処理を行う。
次いで、音声・ランプ制御基板370や図柄制御基板360などのサブ基板に向かって、初期コマンドを送信する(S32)。すなわち、主制御基板340で新たな遊技制御が開始されることに合わせて、音声・ランプ制御基板370や図柄制御基板360などにおいても新たな制御を開始するべく、サブ基板の制御状態を初期化するコマンドを送信するのである。
前述したように、制御開始準備処理では初めに割込が禁止状態に設定されているので、以上に説明した一連の動作を、確実に実施することができる。そして、全ての準備動作が終了したら、割込を許可状態に設定して(S34)、制御開始準備処理を終了し、遊技制御を開始する。尚、上述したように、本実施例の制御開始準備処理では、CPU401からCPU初期化回路部1460(図7参照)に向かってリセット信号を出力しておらず、後述する遊技制御処理中でリセット信号を出力している。従って、本実施例では、CPU401が上述の制御開始準備処理を行っている間も、リセット回路部1450からCPU初期化回路部1460に向かってリセット信号が出力されることになる。もっとも、制御開始準備処理を開始した段階で、一旦、CPU401からCPU初期化回路部1460にリセット信号を出力することとしても良い。この場合は、制御開始準備処理が開始されるまで(すなわち、セキュリティチェック中)の期間だけ、リセット回路部1450からCPU初期化回路部1460に向かってリセット信号が出力されることになる。
ここで、主制御基板340からサブ基板に向かってコマンドを送信する様子について説明しておく。図14は、主制御部140から音声・ランプ制御基板370に向かって、各種のコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部140に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。こうしてストローブ信号とともに供給されたコマンドは、必要に応じて直ちに音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に転送される。前述した電源断復旧動作において出力される電源断復旧時のコマンドや、通常の初期化動作において出力される初期コマンドは、このようにして音声・ランプ制御基板370に送信され、更に音声・ランプ制御基板370から図柄制御基板360に転送される。その結果、遊技盤面上に設けられた中央装置26では適切な図柄が表示され、各種ランプ類やスピーカーは適切な状態に制御されることになる。
C−3.遊技制御の概要 :
主制御部基板340に搭載されたCPU401は、図13に示した制御準備開始処理を終了すると、パチンコ機1の遊技制御を開始する。図15は、主制御基板340に搭載されたCPU401が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。図示されるように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理、普通電動役物遊技処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。
また、前述したように、CTCは約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出スイッチなどの状態を検出する処理などが行われる。図15に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理、普通電動役物遊技処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理を実施する。そして、これら各処理中で、サブ基板に向けて各種コマンドを送信する。こうすることにより、パチンコ機1全体の遊技が進行することになる。以下、図15のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
C−3−1.ウォッチドッグタイマリセット処理 :
主制御基板340の主回路部400内に搭載されたCPU401(制御手段)は、遊技制御処理を開始すると、先ず初めにCPU初期化回路部1460に内蔵されたウォッチドッグタイマ(図7参照のこと)に向かってリセット信号を出力する(S90)。前述したように、CPU初期化回路部1460(制御初期化手段)に内蔵されたウォッチドッグタイマは、電源が供給されると自動的に動作を開始し、CPU401を強制的に初期化する初期化信号を、所定の周期(Twd)で出力する。CPU401が初期化されてしまうと、再びセキュリティチェックから初めて、図13に示した制御開始準備処理をやり直さなければならず、遊技を進行させることができない。そこで、CPU401はS90において、CPU初期化回路部1460から初期化信号が出力される前にリセット信号を供給して、ウォッチドッグタイマ483の動作をリセットしておくのである。
C−3−2.普通図柄遊技開始判断処理 :
CPU初期化回路部1460に内蔵されたウォッチドッグタイマをリセットすると、主制御基板340のCPU401は、普通図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S100)。図16は、CPU401が普通図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理を示したフローチャートである。普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっては、先ず初めに、普通図柄の保留数に関わる処理を行う。具体的には、普通図柄左作動ゲート36または普通図柄右作動ゲート37のいずれかを通過したか否かを判断する(S102)。
遊技球が、左右いずれかの普通図柄作動ゲートを通過すると、ゲートに組み込まれた検出スイッチによって、通過を検知することができる。遊技球が通過していれば(S102:yes)、普通図柄の保留数が4以上か否かを判断する(S104)。そして、保留数が4に達していなければ(S104:no)、普通図柄の当否判定用乱数を記憶して保留数を1つ加算する(S106)。後述するように、普通図柄についての当否の判定は、こうして記憶された当否判定用乱数に基づいて行われる。一方、保留数が4に達している場合は、普通図柄の当否判定用乱数の取得は行わない。すなわち、普通図柄の当否判定用乱数は、最大4つまで記憶することが可能となっている。保留に関わる処理とは、このように、遊技球が普通図柄左作動ゲート36または普通図柄右作動ゲート37のいずれかを通過したことを検出して、普通図柄の当否判定用乱数を最大4つまで記憶しておく処理である。
以上のようにして普通図柄の保留に関わる処理を終了したら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S108)。普通電動役物は、普通図柄遊技を行った結果として作動する役物である。従って、普通電動役物が作動中であれば(S108:yes)、重ねて普通図柄遊技を開始する必要はないので、普通図柄遊技は開始しないと判断する(すなわち、S100:no)。一方、普通電動役物が作動中でない場合は(S108:no)、とりあえず普通図柄遊技を開始すると判断する(S108:yes)。
図15に示した遊技制御処理のステップS100では、普通図柄遊技を開始するか否かを、以上のようにして判断する。そして、普通図柄遊技を開始すると判断した場合は(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を開始する(S150)。一方、普通図柄遊技を開始しないと判断した場合は(S100:no)、普通図柄遊技処理はスキップする。
C−3−3.普通図柄遊技処理 :
図17は、普通図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。普通図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、普通図柄が変動中か否かを判断する(S152)。図4を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では中央装置26に組み込まれた液晶画面(図柄表示装置27)に普通図柄を表示することが可能となっている。普通図柄遊技処理を開始したら、先ず初めに、この液晶画面が普通図柄を変動表示しているか否かを判断するのである。
普通図柄が変動中でない場合は(S152:no)、普通図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかのいずれかであると考えられる。そこで、普通図柄の停止図柄を表示している時間中であるか否かを判断する(S154)。後述するように、普通図柄の変動表示開始や変動表示の停止は、主制御基板340に搭載されたCPU401が出力するコマンドによって制御されている。このためCPU401は、現在の状態が普通停止図柄の停止表示中か否かを、内部の制御状態に基づいて容易に判断することができる。
そして、普通図柄の停止図柄を表示している時間中では無いと判断された場合(S154:no)、すなわち、普通図柄が変動表示されておらず且つ普通図柄の停止図柄を表示中でもない場合は、普通図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S156)。保留数が「0」でない場合、すなわち普通図柄の保留が残っている場合は(S156:no)、普通図柄の当否判定を行う(S158)。普通図柄の当否判定は、普通図柄の保留時に記憶しておいた当否判定用乱数値が、予め定めておいた当たり値と一致するか否かを判断することによって行う。すなわち、保留時に記憶した乱数値が当たり値と一致していれば、普通図柄の当たりと判断し、一致していなければ普通図柄の外れと判断する。
こうして普通図柄の当否判定を行ったら、主制御基板340のCPU401は、当否判定の結果に応じて、音声・ランプ制御基板370および図柄制御基板360に向かって普通図柄関連コマンドを出力する(S160)。普通図柄関連コマンドは、普通図柄遊技の進行に合わせて、各種ランプの点滅や効果音の出力などの各種演出を行うために、主制御基板340からサブ基板に向かって出力される各種コマンドである。
図18は、普通図柄関連コマンドとして設定されている各種コマンドを例示した説明図である。図示されているように、普通図柄の変動パターンには複数種類のパターンが用意されており、これら変動パターンに応じて、コマンドChp1,コマンドChp2,コマンドChp3,コマンドChp4などの各種の普通図柄変動パターン指定コマンドが設定されている。また、図柄の変動表示後は、種々の図柄で停止表示させることが可能であり、停止表示させる普通図柄に応じて、複数の普通図柄指定コマンドChs1,コマンドChs2,コマンドChs3,コマンドChs4などが設定されている。更に、普通図柄の変動表示を停止させるコマンド(普通図柄停止コマンドChstp )も設定されている。図17に示したS160では、先に実施した普通図柄の当否判定の結果に応じて、先ず、普通図柄変動パターン指定コマンドを送信し、次いで、普通図柄指定コマンドを送信する。こうして、主制御基板340から音声・ランプ制御基板370に向かって普通図柄関連コマンドを送信すると、音声・ランプ制御基板370は必要に応じて図柄制御基板360にコマンドを転送する。その結果、主制御基板340で普通図柄遊技が行われることに合わせて、音声・ランプ制御基板370および図柄制御基板360では、適切な演出が実施されることになる。以上のようにして、普通図柄関連コマンドを送信したら、図17に示した普通図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、図17のS156において「yes」と判断された場合、すなわち、普通図柄が変動中ではなく且つ普通図柄の停止図柄を表示時間中でもないが、普通図柄の保留数が「0」である場合は、S158の普通図柄当否判定も、S160の普通図柄関連コマンドの送信も行うことなく、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。
また、S152において、普通図柄が変動中であると判断された場合は(S152:yes)、既に送信済みの普通図柄関連コマンドに従って図柄が変動している最中であると考えられる。そこで、普通図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S162)。すなわち、図18に示したように、普通図柄の変動パターンには複数種類のパターンが設定されており、図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め決まっている。そこで、主制御基板340のCPU401は、普通図柄変動パターン指定コマンドを送信すると同時に、変動パターンに応じた図柄の変動時間を内部のタイマをセットしておく。S162では、こうしてセットされたタイマを参照することにより、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。
そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S162:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S162:yes)、図18を用いて前述した普通図柄停止コマンドを送信する(S164)。更に、停止表示された普通図柄を遊技者が確認することができるように、停止図柄の表示時間を設定する(S166)。
次いで、普通図柄を停止表示させるべく設定された表示時間が経過したか否かを判断し(S168)、表示時間が経過していない場合は(S168:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止図柄の表示時間が経過したと判断された場合は(S168:yes)、停止表示された普通図柄が普通電動役物を作動させることとなる図柄であるか否かを判断する(S170)。
普通図柄の当否判定が当たり判定であった場合は、普通電動役物を作動させる図柄が停止表示されるような普通図柄関連コマンドが送信されており、普通図柄はかかるコマンドに従って停止表示される。逆に、当否判定が外れであった場合は、普通電動役物を作動させない図柄が停止表示されるような普通図柄関連コマンドが送信されており、かかるコマンドに従って普通図柄が停止表示される。このことから、普通電動役物が作動する図柄で停止するか否かは、普通図柄関連コマンドを送信する段階で既に定まっている。
そして、普通電動役物が作動することとなる図柄で停止表示されなかった場合は(S170:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、普通電動役物が作動することとなる図柄で停止表示された場合は(S170:yes)、普通電動役物の作動を開始した後(S172)、普通図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。本実施例のパチンコ機1では、普通電動役物が作動すると、始動口17が開放状態となる。
図15に示すように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理から復帰すると普通電動役物が作動中か否かを判断する(S190)。CPU401は、普通電動役物が作動中であれば、内部の制御状態に基づいてこれを容易に検出することができる。普通電動役物が作動中でなければ(S190:no)、普通電動役物遊技処理(S200)はスキップするが、普通電動役物が作動中であれば(S190:yes)、以下に説明する普通電動役物遊技処理を開始する(S200)。
C−3−4.普通電動役物遊技処理 :
図19は、普通電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。普通電動役物遊技処理では、先ず初めに、普通電動役物が所定の作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。前述したように、普通電動役物が作動すると、始動口17に設けられた一対の翼片部が外側に向かって回動し、始動口が開放状態となるが、所定時間が経過すると、再び一対の翼片部が直立した通常の状態に復帰する。そこで、S202では、普通電動役物が予め設定しておいた作動時間に達したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は(S202:yes)、普通電動役物の作動を停止した後、普通電動役物遊技処理を終了して図15に示した遊技制御処理に復帰する。
一方、始動口17は開放中に規定数の遊技球が入球すると、開放時間が設定時間に達していない場合でも、通常状態に復帰してしまう。このことと対応して、普通電動役物の作動時間が所定時間に達していない場合は(S202:no)、普通電動役物の規定数の入賞があったか否かを判断し(S204)、規定数の入賞があったと判断された場合は(S204:yes)、普通電動役物の作動を停止して、図19に示した普通電動役物遊技処理を終了する。逆に、規定数の入賞がないと判断された場合は(S204:no)、普通電動役物を作動させたまま、図19に示した普通電動役物遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。
C−3−5.特別図柄遊技開始判断処理 :
図15に示したように、遊技制御処理では、普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を行うか否かを判断する(S300)。図20は、特別図柄遊技を行うか否かを判断する処理の流れを示したフローチャートである。図16を用いて前述した普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断時と同様に、特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっても、先ず初めに、特別図柄の保留数に関わる処理を行う。具体的には、始動口17に遊技球が入球したか否かを判断する(S302)。前述したように、始動口17の内部には遊技球の通過を検出する検出スイッチが組み込まれており、かかるスイッチによって始動口17に遊技球が入球したことを検出することができる。
始動口17に遊技球が入球している場合は(S302:yes)、特別図柄の保留数が4以上か否かを判断する(S304)。そして、保留数が4に達していなければ(S304:no)、特別図柄の当否判定用乱数を記憶して保留数を1つ加算する(S306)。特別図柄についての当否判定も、前述した普通図柄の当否判定と同様に、こうして記憶された当否判定用乱数に基づいて行われる。一方、特別図柄の保留数が4に達している場合は、新たな当否判定用乱数の取得は行わない。すなわち、特別図柄の当否判定用乱数についても、普通図柄の当否判定用乱数と同様に、最大4つまで記憶することが可能となっている。
以上のようにして特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、条件装置が作動中か否かを判断する(S308)。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別図柄が大当たり図柄で停止表示されると作動を開始する装置である。条件装置は役物連続作動装置を作動させ、これによって、大入賞口311が連続して開放する遊技状態(いわゆる特別遊技状態)が開始される。S308において、条件装置が作動中と判断されれば(S308:yes)、重ねて特別遊技状態を開始することを避けるため、特別図柄遊技は開始しないと判断する(すなわち、S300:no)。一方、条件装置が作動中でない場合は(S308:no)、特別図柄遊技を開始すると判断する(S308:yes)。
図15に示した遊技制御処理のステップS300では、以上のようにして、特別図柄遊技を開始するか否かを判断する。そして、特別図柄遊技を開始すると判断した場合は(S300:yes)、以下に説明する特別図柄遊技処理を開始する(S350)。
C−3−6.特別図柄遊技処理 :
図21は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S352)。図4を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では中央装置26の中央に図柄表示装置27が設けられており、図柄表示装置27の液晶画面上に所定の特別図柄(本図柄および疑似図柄)を変動表示可能となっている。
特別図柄が変動中でない場合は(S352:no)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかのいずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる表示時間中であるか否かを判断する(S354)。そして、特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止図柄を表示している表示時間中でもない場合は(S354:no)、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S356)。保留数が「0」でない場合、すなわち特別図柄の保留が残っている場合は(S356:no)、特別図柄の当否判定を開始する。
本実施例のパチンコ機1では、特別図柄の当否判定に、当たり判定の生じ易い確変状態と、通常の確率で当たり判定が生じる非確変状態とが設けられている。そこで、特別図柄の当否判定を開始するにあたっては、初めに確変状態に設定されているか否かを判断し(S358)、確変状態であれば確変中の当否判定を行い(S360)、確変状態でなければ非確変中の当否判定を行う(S362)。特別図柄の当否判定は、普通図柄の当否判定とほぼ同様の方法を用いて行う。すなわち、特別図柄の保留時に記憶しておいた当否判定用乱数値が、予め定めておいた当たり値と一致するか否かを判断し、保留時に記憶した乱数値が当たり値と一致していれば、特別図柄の当たり(いわゆる大当たり)と判断し、一致していなければ特別図柄の外れと判断する。確変中は、予め設定されている当たり値の種類が増加しているため、大当たりが生じ易くなっている。
こうして特別図柄の当否判定を行ったら、主制御基板340のCPU401は、当否判定の結果に応じて、音声・ランプ制御基板370および図柄制御基板360に向かって特別図柄関連コマンドを出力する(S364)。特別図柄関連コマンドは、特別図柄遊技の進行に合わせて、各種ランプの点滅や効果音の出力などの各種演出を行うために、主制御基板340からサブ基板に向かって出力される各種コマンドである。
図22は、特別図柄関連コマンドとして設定されている各種コマンドを例示した説明図である。前述した普通図柄の変動パターンと同様に、特別図柄の変動パターンにも複数種類のパターンが用意されており、これら変動パターンに応じて、コマンドCtp1,コマンドCtp2,コマンドCtp3,コマンドCtp4などの各種の特別図柄変動パターン指定コマンドが設定されている。また、本実施例の図柄表示装置27では、特別図柄を構成し左本図柄と右本図柄とからなる本図柄を、副表示領域に変動表示していることに対応して、これらの停止図柄を指定するコマンド、すなわち左本図柄指定コマンドCtsL 、および右本図柄指定コマンドCtsR が設定されている。更に、特別図柄関連コマンドには、大当たり状態となったときに出力する効果音を指定するコマンド(大当たり効果音指定コマンドCLsF)や、いわゆる特別遊技状態のラウンド数を指定するコマンド(大当たりラウンド指定コマンドCLsR)や、特別図柄の変動表示を停止させるコマンド(特別図柄停止コマンドCtstp )なども設定されている。
図21に示したS364では、先に実施した特別図柄の当否判定の結果に応じて、先ず、特別図柄変動パターン指定コマンドを送信し、次いで、各種の本図柄指定コマンド、大当たりに伴う各種のコマンドを送信する。こうして、主制御基板340から音声・ランプ制御基板370に向かって特別図柄関連コマンドを送信すると、音声・ランプ制御基板370は必要に応じて図柄制御基板360にコマンドを転送する。その結果、主制御基板340で特別図柄遊技が行われることに合わせて、音声・ランプ制御基板370および図柄制御基板360では、適切な演出が実施されることになる。以上のようにして、特別図柄関連コマンドを送信したら、図21に示した特別図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。
尚、特別図柄を構成する疑似図柄の表示制御は、主制御基板340から出力される特別図柄関連コマンドと、音声・ランプ制御基板370から出力されるコマンド(疑似図柄関連コマンド)とに基づいて、図柄制御基板360のCPU161が行う。具体的には、先ず、疑似図柄の変動開始は、主制御基板340から出力された特別図柄変動パターン指定コマンドを、図柄制御基板360が音声・ランプ基板370を介して受信することにより、本図柄とともに行われる。そして、疑似図柄を用いた演出表示(リーチ演出、予告演出など)は、主制御基板340から出力された特別図柄変動パターン指定コマンドが示す変動パターン(変動時間)に基づいて、図柄制御基板360のCPU161によって決定され、実行される。また、停止表示する疑似図柄を指定するコマンド(疑似図柄指定コマンド)は、音声・ランプ制御基板370が図柄制御基板360に向かって出力する。この疑似図柄指定コマンドは、図柄表示装置27の主表示領域に表示される左図柄・中図柄・右図柄の3つの図柄についてそれぞれ出力されるもので、本図柄指定コマンドにより指定された本図柄が示す内容(通常当たり、確変当たり、若しくは外れ)と同じ内容を示すように、音声・ランプ制御基板370が選択して出力する。また、疑似図柄の変動表示の停止は、主制御基板340から出力された特別図柄変動パターン指定コマンドを、図柄制御基板360が音声・ランプ基板370を介して受信することにより行われる。尚、疑似図柄の変動停止は、本図柄と同時か、若しくは本図柄より若干(約0.5秒程度)早くすることが望ましい。
一方、図21のS356において「yes」と判断された場合、すなわち、特別図柄が変動中ではなく且つ特別図柄の停止図柄の表示時間中でも無いが、特別図柄の保留数が「0」である場合は、特別図柄の当否判定や特別図柄関連コマンドの送信を行うことなく、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。
また、S352において、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S352:yes)、既に送信済みの特別図柄関連コマンドに従って図柄が変動している最中であると考えられる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S366)。すなわち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、変動パターン指定コマンドを送信すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S366:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S366:yes)、図22を用いて前述した特別図柄停止コマンドを送信する(S367)。更に、図柄表示装置27上に停止表示された特別図柄を遊技者が確認することができるように、特別図柄の停止図柄を停止表示させる表示時間を設定する(S370)。
次いで、特別図柄の停止図柄の表示時間が経過したか否かを判断し(S372)、表示時間が経過していない場合は(S372:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止図柄を停止表示させる表示時間が経過したと判断された場合は(S372:yes)、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させることとなる図柄であるか否かを判断する(S374)。停止表示される特別図柄は、図22を用いて説明した左特別図柄指定コマンドCtsL、中特別図柄指定コマンドCtsM、右特別図柄指定コマンドCtsRによって決定されるから、停止表示される特別図柄が条件装置を作動させる図柄の組合せとなるか否かは、S364で特別図柄関連コマンドを送信する段階で既に決まっていることになる。
条件装置が作動することとなる図柄の組合せで停止表示されなかった場合は(S374:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、条件装置が作動することとなる図柄の組み合わせで特別図柄が停止表示された場合は(S374:yes)、条件装置の作動を開始した後(S376)、確変中か否かを判断する(S378)。そして、確変中でなければ(S378:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、確変中であると判断された場合は(S378:yes)、確変状態を停止した後(S380)、特別図柄遊技を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。
図15に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、条件装置が作動中か否かを判断する(S390)。前述したように条件装置は、役物連続作動装置を作動させることにより、いわゆる特別遊技状態を開始させる装置である。そこで、CPU401は、条件装置が作動中であれば、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S400)。一方、条件装置が作動中でなければ(S390:no)、特別電動役物遊技処理(S400)はスキップする。
C−3−7.特別電動役物遊技処理 :
図23は、特別電動役物遊技処理における前半部分の処理の流れを示すフローチャートである。また、図24は、特別電動役物遊技処理における後半部分の処理の流れを示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理が実行されることによって、いわゆる特別遊技状態が発生する。以下、図23および図24のフローチャートを参照しながら特別電動役物遊技処理について説明するが、その準備として、いわゆる特別遊技状態と呼ばれる遊技の内容について簡単に説明しておく。
図4を用いて前述したように、遊技盤の下方には大入賞口311が設けられており、この大入賞口311は通常の遊技状態では閉鎖されている。しかし、特別遊技状態が開始されると、大入賞口311が開放される。本明細書中で言う特別電動役物とは、大入賞口311を開放させる装置である。大入賞口311は他の入賞口に比べて大きく開口するため、大入賞口311が開放されると、遊技球が高い確率で入球することになる。大入賞口311は、一定期間だけ開放した後、あるいは所定数の遊技球が入球すると閉鎖されるが、開放中に、大入賞口311の内部に設けられた特定領域(いわゆるV入賞口)を遊技球が通過していると、再び開放状態となる。本明細書中で言う役物連続作動装置とは、大入賞口311を再び開放状態とする装置である。
こうして、大入賞口311の開放中に遊技球が特定領域を通過している限り、大入賞口311は、所定回数までは開放と閉鎖とを繰り返すことになる。大入賞口311が開放してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド」と呼ばれる。そして、大入賞口311が所定回数(例えば、15回)まで開放するか(すなわち、所定回数のラウンドを消化するか)、あるいは遊技球が特定領域を通過することなく大入賞口311が閉鎖されたら、特別遊技状態が終了する。このような特別遊技状態は、図15に示した遊技制御処理において、図23および図24に示した特別電動役物遊技処理が繰り返し実行されることによって実現されている。以下、図23を参照することによって特別電動役物遊技処理の前半部分を説明し、図24を参照することにより、特別電動役物遊技処理の後半部分の処理について説明する。
図23に示されるように、特別電動役物遊技処理を開始すると、先ず初めに、大入賞口311が開放中か否かを判断する(S402)。大入賞口311は、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って、特別電動役物遊技の開始直後も、大入賞口311は閉鎖状態となっている。そこで、大入賞口は開放中ではないと判断して(S402:no)、特定領域有効時間が終了したか否かを判断する(S416)。特定領域有効時間とは、大入賞口311内部に設けられた特定領域を、遊技球が通過したか否かを確認するための時間である。特別電動役物遊技処理が初めて開始されたときには、特定領域有効時間は終了していないから、S416では「no」と判断し、続いて、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断する(S418)。特別電動役物遊技が開始された直後は、大入賞口311が閉鎖されており、従って遊技球が特定領域を通過することもないから、S418では「no」と判断して、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、図15に示す遊技制御処理に復帰する。
図15に示されているように、遊技制御処理に復帰すると、CPU初期化回路部に内蔵されているウォッチドッグタイマをリセットした後(S90)、普通図柄遊技処理を開始するか否か(S100)、普通電動役物の作動の有無(S190)、特別図柄遊技処理を開始するか否か(S300)を順次判断し、その結果、普通図柄遊技処理(S150)や普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S350)などの処理をスキップして、再び、特別電動役物遊技処理(S400)に復帰する。
前述したように、特別電動役物遊技処理が開始された直後は、大入賞口311は閉鎖されているが、こうして図15の遊技制御処理を繰り返し行う間に、やがて大入賞口311が開放状態となる。その結果、特別電動役物遊技処理(S400)において、大入賞口が開放中と判断されるので(S402:yes)、続いて、特定領域を遊技球が通過したか否かを判断する(S404)。そして、遊技球が特定領域を通過している場合は(S404:yes)、役物連続作動装置が作動中か否かを判断する(S406)。前述したように、本実施例における役物連続作動装置とは、一旦閉鎖された大入賞口311を再び開放させる装置である。役物連続作動装置が作動中でなければ(S406:no)、役物連続作動装置の作動を開始する(S408)。役物連続作動装置が既に作動している場合は(S406:yes)、役物連続作動装置を重ねてさせることの無いように、S408の処理はスキップする。
次いで、大入賞口311の開放時間が所定時間に達したか否かを判断する(S410)。前述したように、特別遊技では、大入賞口311が開放状態となるが、所定時間開放されるか、または大入賞口311に所定数の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、S410では先ず大入賞口311の開放時間が所定時間に達したか否かを判断するのである。そして、開放時間が所定時間に達していれば(S410:yes)、大入賞口を閉鎖する(S414)。一方、開放時間が所定時間に達していない場合は(S410:no)、大入賞口311に入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S412)。そして、遊技球が規定数に達した場合は(S412:yes)、大入賞口311を閉鎖する(S414)。しかし、規定数に達していない場合は、大入賞口311の開放時間が未だ所定時間に達しておらず、しかも大入賞口311に入球した遊技球も規定数に達していないと考えられるので、大入賞口311を開放させたまま、図23および図24に示す特別電動役物遊技処理を終了して、図15の遊技制御処理に復帰する。
遊技制御処理に復帰すると、先ず初めにCPU初期化回路部のウォッチドッグタイマをリセットした後(S90)、続く一連の判断を行って、再び特別電動役物遊技処理(S400)を開始する。こうした処理を繰り返している間に、大入賞口311は閉鎖され、S402において「no」と判断される。S402で「no」と判断されると、続いて特定領域有効時間が経過したか否かを判断する(S416)。前述したように、本実施例のパチンコ機1では、特定領域有効時間の間に遊技球が特定領域を通過した場合には、役物連続作動装置が作動するように構成されている。そして、特定領域有効時間が経過していない場合は(S416:no)、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断し(S418)、通過していない場合は(S418:no)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。一方、遊技球が特定領域を通過している場合は(S418:yes)、役物連続作動装置が作動しているか否かを判断し(S420)、既に役物連続作動装置が作動している場合は(S420:yes)、そのまま特別電動役物遊技処理を終了し、未だ役物連続作動装置が作動していない場合は(S420:no)、役物連続作動装置を作動させた後(S422)、特別電動役物遊技処理を終了して図15に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、S416で「yes」と判断された場合、すなわち、大入賞口311が閉鎖されており、特定領域有効時間も既に経過している場合は、いわゆる特別遊技状態におけるラウンドが終了したものと考えられる。そこで、大入賞口311の開放中および特定領域有効時間中に、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断する(S424)。そして、遊技球が特定領域を通過していない場合は(S424:no)、いわゆるパンク状態となって、役物連続作動装置を停止させる(S426)。
一方、遊技球が特定領域を通過している場合は(S424:yes)、大入賞口の閉鎖時間が終了したことを確認した後(S428:yes)、役物連続作動装置が作動中か否かを判断する(図24のS430)。役物連続作動装置が作動中であれば(S430:yes)、大入賞口311を開放させた後(S432)、特別電動役物遊技処理を終了して、図15に示した遊技制御処理に復帰する。一方、いわゆるパンク状態となって、役物連続作動装置が停止されているか、所定ラウンド(例えば、15ラウンド)を消化していれば、役物連続作動装置は作動していないから(S430:no)、この場合は、条件装置の作動が、大当たり図柄のうち、予め定められた確率変動図柄によるものか否かを判断する(S434)。ここで、条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。そして、条件装置の作動が確率変動図柄によるものである場合は(S434:yes)、確率変動機能の作動を開始した後(S436)、条件装置の作動を停止する(S438)。一方、条件装置の作動が確率変動図柄によるものでない場合(通常図柄によるものである場合)は(S434:no)、直ちに条件装置の作動を停止した後(S446)、条件装置の作動が確率変動機能の作動時か否かを判断する(S448)。そして、条件装置の作動が確率変動機能の作動時ではないと判断された場合は(S48:no)、特別電動役物遊技処理を終了して、図15に示した遊技制御処理に復帰する。
以上のようにして条件装置の作動を停止した後(S438)、あるいは条件装置の作動が確率変動機能の作動中であると判断された場合は(S448:yes)、特別図柄の変動時間短縮機能を作動させ(S440)、続いて、普通図柄の変動時間短縮機能を作動させ(S442)、そして、普通電動役物開放延長機能を作動させた後(S444)、特別電動役物遊技処理を終了して、図15に示した遊技制御処理に復帰する。本実施例のパチンコ機1は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技を進行させることが可能となっている。
C−4.電源断発生時処理 :
次に、パチンコ機1の遊技中に、停電などが発生して電源が予期せずに切断された場合に、遊技中の状態をバックアップデータとして記憶するための処理、すなわち電源断発生時処理について説明する。
図25は、電源断発生時処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、電源から供給されている電圧が所定値以下に低下したことが検出されると、主制御基板340のCPU401に向かって割込が発生することによって開始される。かかる処理は、緊急を要する処理であるため、マスク不能の割込に設定されており、割込が発生した場合には直ちに実施される。
電源断発生処理が開始されると、先ず初めに、CPU401の全レジスタの内容が、RAM上のバックアップ領域に記憶される(S900)。次いで、スタックポインタの設定値もバックアップ領域に保存される(S902)。スタックポインタには、プログラムの開始アドレスが設定されている。従って、全レジスタの内容と、スタックポインタの内容とを保存しておけば、再びプログラムを開始する場合にも、同じ条件で、同じ箇所から開始させることができる。
次いで、賞球の払出装置109内に残存している賞球を確認するために、所定期間だけ賞球計数スイッチの出力を監視する処理を行う(S904)。尚、払出装置109内に残存している賞球があれば、この期間に通過した遊技球の数を検出して、記憶しておく。
その後、バックアップ領域に記憶されたバックアップデータについてチェックサムを算出し、得られた結果を記憶した後(S906)、バックアップフラグをONに設定する(S908)。そして最後に、RAMをアクセス禁止状態に設定して(S910)、電源断発生時処理を終了する。図13を用いて前述した制御開始準備処理において、バックアップフラグがONになっていると判断された場合は(図13のS18:yes)、このようにして保存されたバックアップデータを読み出すことにより、電源断前の遊技状態を復旧することが可能となる。
D.遊技球誘導機構の構成 :
上述した本実施例のパチンコ機1は、遊技者の興趣を高めるべく、中央装置26の下部に遊技球誘導機構28(図4参照)が搭載されている。遊技球誘導機構28には遊技球を搬送する回転体が設けられており、誘導機構内に導かれた遊技球を回転体の動きによって搬送することで、遊技球の動きに変化を与えることが可能となっている。加えて、遊技者の興趣を効果的に高めることが可能なように、遊技球の搬送方法としては、回転体の内周面で搬送する方式が採用されている。以下では、本実施例のパチンコ機1に搭載されている遊技球誘導機構28について説明し、次いで、かかる遊技球誘導機構28を用いることで、遊技者の興趣を効果的に高めることが可能な理由について説明する。
先ず初めに、パチンコ機1に搭載されている遊技球誘導機構28の構成について説明する。図26は、中央装置26に搭載された遊技球誘導機構28の構成を示す説明図である。本実施例の遊技球誘導機構28は、大まかには、遊技球を中央装置26内部に取り込むための取り入れ口260と、取り込んだ遊技球を取り入れ口260から遊技球誘導機構28に導くためのワープ通路262と、3つのステージ(上段ステージ280、中段ステージ283、下段ステージ287)と、ステージ間で遊技球を搬送する回転体(281、285)と、遊技球誘導口289と、遊技球排出口264などから構成されている。詳細には後述するが、遊技球はワープ通路262を通って下段ステージ287に導かれ、回転体285および回転体281によって中段ステージ283、更には上段ステージ280へと搬送された後、遊技球誘導口289を通って、遊技球排出口264から中央装置26の外部に排出される。図4に示したように、中央装置26の真下には始動口17が設けられているので、遊技球排出口264から排出された遊技球は、そのまま始動口17に入球することになる。
このように、ワープ通路262を通って遊技球誘導機構28に導かれた遊技球を、下段ステージ287、中段ステージ283、上段ステージ280へと搬送して遊技球誘導口289まで導くことができれば、ほぼ確実に始動口17に入球させることができる。このため遊技者は、遊技球が搬送される様子を、大きな期待感を持って観察することになり、興趣を大きく高めることができる。加えて、後述するように、遊技球を下段ステージ287から中段ステージ283へと搬送する回転体285は、遊技球を内周面で捕捉した状態で搬送する方式を採用しているために、遊技球の動きを効果的に演出することができ、遊技者の興趣を効果的に高めることが可能となっている。
E.遊技球の搬送動作 :
以下では、本実施例の遊技球誘導機構28において遊技球が搬送される様子について詳しく説明する。図27は、中央装置26の外部から遊技球誘導機構28に遊技球が導かれる様子を示した説明図である。図26を用いて前述したように、中央装置26の左側には取り入れ口260が設けられており、取り入れ口260は中央装置26の内部でワープ通路262に接続されている。遊技球が取り入れ口260に入球すると、遊技球はワープ通路262を通って、遊技球誘導機構28の下段ステージ287に供給される。図27では、取り入れ口260に入球した遊技球が、ワープ通路262を通って下段ステージ287に導かれる様子を破線の矢印で表している。
ワープ通路262から下段ステージ287に供給された遊技球は、球の勢いで下段ステージ287上を転がりながら、ステージの他端に設けられた回転体285の内部へと導かれる。図28は、遊技球が下段ステージ287上を転がって回転体285の内部に導かれる様子を概念的に示した説明図である。後述するように、回転体285の内部には遊技球を捕捉する機構が設けられており、下段ステージ287を転がってきた遊技球を捕捉して、中段ステージ283へ搬送することが可能となっている。
図29は、回転体285の形状を示した斜視図である。図示されているように回転体285は略円筒形状に形成されている。そして、下段ステージ287および中段ステージ283に対しては、これらステージの端部を円筒内部の空間に内包する様な位置関係に取り付けられている。また、回転体285の側面の一部には、磁石285mが設けられている。更に、回転体285には歯車が設けられており、図示しないモータによって駆動されることにより、一定方向に回転している。この回転体285は、本発明の請求項における回転体の一態様を構成している。尚、本実施例では、磁石285mにはネオジウム系の磁石が用いられている。ネオジウム系磁石は、小型で強い磁界を形成することから、回転体285に好適に組み込むことができる。
遊技球が下段ステージ287を転がって回転体285の内部に到達したときに、磁石285mが図29に示すような位置にあった場合には、遊技球は磁石285mに吸い付けられる。そして、遊技球は回転体285の回転とともに移動して、中段ステージ283へと搬送されることになる。このように、下段ステージ287は、回転体285の内部に遊技球を導く機能を有していることから、本発明の請求項における第1の遊技球通路の一態様を構成している。また、回転体285に設けられた磁石285mは、遊技球を捕捉する機能を有していることから、請求項における遊技球捕捉部の一態様を構成している。更に、中段ステージ283は、請求項における第2の遊技球通路の一態様を構成している。
図29に示されているように回転体285の外周面には、磁石285mが設けられている位置に目印(本実施例では星形)が付けられている。このため遊技者は、回転体285に遊技球が到達したときに、下段ステージ287の近くに磁石285mが存在するか否かを容易に知ることが可能となっている。図30には、下段ステージ287を転がってきた遊技球が、回転体285に内蔵された磁石285mに吸い付けられて、中段ステージ283へと搬送されている様子が示されている。
これに対して、遊技球が回転体285の内部に到達したときに、下段ステージ287の近傍に磁石285mが存在しなかった場合には、遊技球は磁石285mに吸い付けられることはなく、下段ステージ287を今度は逆方向に転がっていく。図31は、下段ステージ287を逆方向に転がる様子を表した説明図である。こうして下段ステージ287を戻ってきた遊技球は、ステージの他端側で反射した後、再び回転体285に向かって転がって行く。遊技球が回転体285の内部に到達したときに、回転体285とともに回転している磁石285mが下段ステージ287の近くに存在していれば、遊技球は磁石285mに吸い付けられて、図30に示したように中段ステージ283へと運ばれる。しかし、磁石285mが下段ステージ287の近傍に存在しない場合は、遊技球は再び下段ステージ287を逆方向に転がっていくことになる。こうしたことを何回か繰り返していると、遊技球の転がる速度が次第に低下して、最終的には下段ステージ287から落下してしまう。図32は、遊技球の速度が低下して、下段ステージ287から落下する様子を表した説明図である。
一方、磁石285mに吸い付けられた遊技球は、図30に示した様に回転体285の回転とともに移動して、中段ステージ283へと搬送される。図33は、遊技球が下段ステージ287から中段ステージ283に搬送された様子を示す説明図である。遊技球が中段ステージ283に到達した後も、回転体285はそのまま回転し続けるので、磁石285mが設けられた部分は中段ステージ283の裏面側に回り込んで行く。その結果、遊技球は磁石285mから引き剥がされて、その後は、中段ステージ283の上をステージの中央に向かって転がっていく。
図34は、回転体285によって搬送された遊技球が、中段ステージ283の上を転がる様子を概念的に示した説明図である。図示されているように、中段ステージ283と上段ステージ280との間には、2箇所に回転体281が設けられており、それぞれの回転体281は中段ステージ283から上段ステージ280に向かって回転している。また、回転体281の外周面の一部には磁石が内蔵されており、この部分で遊技球を吸い付けて中段ステージ283から上段ステージ280へと遊技球を搬送することが可能となっている。尚、以下では、前述した回転体285(すなわち、内周面で遊技球を捕捉して、下段ステージ287から中段ステージ283へと遊技球を搬送する回転体285)を第1の回転体と呼び、また、回転体281(外周面で遊技球を捕捉して、中段ステージ283から上段ステージ280へと遊技球を搬送する回転体281)を第2の回転体と呼んで区別することがあるものとする。
図35は、中段ステージ283と上段ステージ280との間に第2の回転体281が組み込まれている部分を、拡大して示した説明図である。前述したように第2の回転体281には磁石が内蔵されており、外周面の一部が遊技球を吸い付けるようになっている。本実施例では、第2の回転体281の遊技球を吸い付ける部分には、星形の目印が表示されている。また、図中に示した白抜きの矢印は、第2の回転体281の回転方向を示している。更に、破線の矢印は、遊技球が転がる方向を示している。
中段ステージ283を転がる遊技球が回転体281の前を通過したときに、磁石が内蔵された部分(すなわち、星形の目印が表示された部分)が、ちょうど中段ステージ283の側(図上では手前側)を向いていれば、遊技球は回転体281の外周面に吸い付けられる。そして、吸い付けられた遊技球は、回転体281の回転とともに移動して上段ステージ280に搬送されることになる。図36は、遊技球が回転体281の外周面に吸い付けられて、上段ステージ280に搬送される様子を示した説明図である。
一方、遊技球が回転体281の前を通過したときに、星形の目印が中段ステージ283の側(図上では手前側)を向いていない場合は、遊技球は回転体281に吸い付けられることなく、そのまま中段ステージ283の上を転がっていく。図37は、遊技球が回転体281に吸い付けられることなく、中段ステージ283を転がる様子を示した説明図である。
前述したように本実施例のパチンコ機1では、中段ステージ283に2つの回転体281が設けられているから、遊技球は一方の回転体281の前を通過しても、もう一方の回転体281に到達する。そして、このときに、もう一方の回転体281に付された星形の目印が中段ステージ283の側(図上では手前側)を向いていれば、遊技球は回転体281の外周面に吸い付けられて、図36に示したように上段ステージ280へと搬送される。
これに対して、遊技球がもう一方の回転体281にも吸い付けられなかった場合は、そのまま中段ステージ283の他端に到達し、ここで反射して、今度は逆方向に中段ステー283を転がっていく。こうして遊技球は、中段ステージ283上を転がりながら往復して、どちらかの回転体281の外周面に吸い付けられると、回転体281の回転によって上段ステージ280に搬送される。ところが、回転体281の磁石に吸い付けられないまま中段ステージ283を何度も往復すると、遊技球の速度が次第に低下していき、最終的には中段ステージ283から落下してしまう。図38は、遊技球の速度が低下して、中段ステージ283から落下する様子を表した説明図である。
遊技球は、以上のようにして上段ステージ280に搬送されると、今度は、上段ステージ280の中央に向かって転がっていく。図26に示したように、上段ステージ280の中央には遊技球誘導口289が設けられており、遊技球誘導口289は、始動口17の真上に設けられた遊技球排出口264と接続されている。このため、上段ステージ280に搬送された遊技球は、上段ステージ280の中央の遊技球誘導口289を通って、遊技球排出口264から排出され、始動口17に入球することになる。図39は、上段ステージ280に搬送された遊技球が、遊技球誘導口289を通って、遊技球排出口264から排出される様子を概念的に表している。
以上、本実施例のパチンコ機1に搭載された遊技球誘導機構28が、下段ステージ287、中段ステージ283、上段ステージ280と遊技球を搬送しながら、始動口17へと誘導する様子について説明した。この遊技球誘導機構28には、内周面で遊技球を搬送する方式の回転体が採用されているので、遊技球の動きに変化を与えるとともに遊技者の興趣を効果的に高めることが可能となっている。以下、この理由について説明する。
図29を用いて前述したように、本実施例の第1の回転体285は、下段ステージ287および中段ステージ283を内包するような形状に形成されている。そして、図29ないし図33を用いて説明したように、回転体285の内周面で遊技球を吸着することによって、遊技球を下段ステージ287から中段ステージ283へと搬送することが可能となっている。これに対して、第2の回転体281は、図35に示したように、中段ステージ283と上段ステージ280との間に埋め込まれている。そして回転体281は、図36に示したように、外周面で遊技球を吸着することにより、中段ステージ283から上段ステージ280へと遊技球を搬送することが可能となっている。
このように、第1の回転体285も第2の回転体281も、遊技球を異なるステージに搬送する点では同じ機能を有している。しかし、第1の回転体285は回転体の内周面で遊技球を搬送するのに対し、第2の回転体281は外周面で遊技球を搬送しており、この点で搬送方法が大きく異なっている。そして、このような搬送方法の違いに対応して、第1の回転体285は、下段ステージ287および中段ステージ283に対して、これら2つのステージを内包するような形態で設けられている。これに対して、第2の回転体281は2つのステージ(中段ステージ283および上段ステージ280)の間に埋め込まれるような形態で設けられている。
このように形態が異なる結果、第1の回転体285は第2の回転体281よりも大きなものとなり、それだけ遊技者の目に付き易くなる。実際、図26に示されているように、第1の回転体285は第2の回転体281よりも大きく、このため回転体が回転しながら遊技球を搬送する動作も、第1の回転体281より目立ち易くなっている。更に、回転体の外周面に目印や各種の装飾を施す場合にも、第1の回転体285の方が第2の回転体281よりも、外周面が大きい分だけ大きな目印や装飾を施すことができるので、より高い演出効果を得ることが可能である。
また、第1の回転体285を透明材料で形成しておけば、第1の回転体285の内部で、下段ステージ287から中段ステージ283へと遊技球が搬送される様子を確認することができる。もちろん第2の回転体281においても外周面で遊技球を搬送していることから、遊技球が搬送される様子を目視することは可能である。しかし、第1の回転体285では、回転体の内周面で搬送する関係上、下段ステージ287の遊技球を吸着すると、この遊技球を中段ステージ283よりも高い位置まで一旦持ち上げた後に、上方から中段ステージ283に向かって搬送することになる。換言すれば、遊技球は大回りをしながら、下段ステージ287から中段ステージ283へと搬送される。このため、第1の回転体285によれば、外周面で搬送する第2の回転体281に比べて遊技球の動きが大きくなり、回転体そのものが目立ち易いこととも相まって、遊技球のダイナミックな動きを効果的に演出することが可能となり、延いては遊技者の興趣をより効果的に高めることが可能となるのである。
以上に説明した実施例では、磁石を用いて遊技球を吸着するものとしたが、遊技球を捕捉することができるのであれば、磁石を用いて吸い付ける方法に限られるものではない。例えば、第1の回転体285の内周面にポケット状の凹部を設けておき、この凹部に遊技球を取り込んだ状態で回転体を回転させることによって、下段ステージ287から中段ステージ283へと遊技球を搬送するものとしても良い。
あるいは、上述した実施例では、下段ステージ287から、より高い位置に設けられた中段ステージ283へと遊技球が搬送されるものとして説明した。しかし、必ずしも低い位置に設けられたステージから高い位置にあるステージへと搬送する必要はない。例えば、中段ステージ283から下段ステージ2876へと搬送する場合のように、高い位置に設けられたステージから低い位置のステージへと遊技球を搬送してもよい。更には、高低差のない第1のステージから第2のステージへと、遊技球を搬送するものであっても構わない。
また、上述した実施例では、第1の回転体285は、ステージの一端側にのみ設けられているものとして説明したが、もちろん、ステージの両端側に、あるいはステージの複数の箇所に第1の回転体285を設けるものとしても良い。
更に、第1の回転体285の内部にある遊技球を目視可能とする方法としては、回転体を透明材料で形成することに限られるものではない。例えば、回転体の側面に多数のスリット状の小孔を設けるなどにより、内部の遊技球を目視可能とすることも可能である。また、上述した実施例では、第1の回転体285には一体の磁石285mが設けられていた。しかし、磁石285mの代わりに、小さな複数の磁石を互いに隙間を空けた状態で取り付けておき、磁石に吸い付けられた遊技球を、この隙間から目視可能としても良い。
以上、本発明についての各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例では、図柄表示装置27の液晶画面で表示される全ての演出用図柄の表示制御を、図柄制御部160で行うものとして説明した。しかし、これら演出用図柄の表示制御を、図柄制御部160と主制御部140とで分担して行うこととしても良い。一例としては、液晶画面に表示される普通図柄や、本図柄、保留の表示制御については主制御部140で行い、疑似図柄や背景画像、更にはキャラクタ図柄などの表示制御については図柄制御部160で行うこととしても良い。