JP4336123B2 - Mems素子および光デバイス - Google Patents

Mems素子および光デバイス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微小電気機械システムとしてのMEMS素子およびMEMS素子を使用した光減衰器、光スイッチ、光スキャナ等の光デバイスに係わり、特にチルトミラー等のミラーを使用したMEMS素子およびMEMS素子を使用した光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信技術の発展に伴い、各種の光デバイスが開発されている。この中で、微細構造デバイスとしてのMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子が近年注目を集めている。MEMS素子は固体の弾性的あるいは機械的な性質を制御する技術を応用したもので、金属等の各種の材料で作られた従来の機械システムをシリコン加工により極小サイズで製造するデバイスである。部品が小型のため最終的な製品も小さくなるという利点があり、また金属疲労が無く、素子としての信頼性が高い。
【0003】
MEMS素子のうちで、その一部にミラーが備えられているものは、電圧を印加することでこのミラーの傾斜角やミラーの位置を変化させ、入射した光の反射方向等を変化させることができる(たとえば特許文献1)。この原理を用いることで、MEMS素子を使用した光減衰器や光スイッチあるいは光スキャナ等の各種の光デバイスを製造することができる。傾斜角を変化させるミラーを備えたMEMS素子では、ミラー自体が比較的大面積であっても、電圧印加に応じて傾斜角が変化したときに反りが少ないことが重要である。また、このような精度の高いMEMS素子が簡単なプロセスで製造できることが求められている。以下、単にMEMS素子と表現するときにはその一部にミラーを備えた素子をいうものとする。
【0004】
MEMS素子として、従来からSOI(Silicon-on-Insulator)プロセスによる片持ち梁の素子が知られている。
【0005】
図12(a)はこのSOIプロセスを使用したMEMS素子を上から見たもので、同図(b)はこれをK−K方向に切断したものである。このMEMS素子101は、電極を兼ねたシリコン基板102上に所定の厚さの酸化層からなる支持部103を配置し、更にこの上に単結晶シリコンの上部電極104を配置して、この上部電極104におけるこれらの図で右半分部分にミラー105を形成した構造となっている。上部電極104におけるミラー105が形成された領域の直下の酸化層は、除去されている。
【0006】
このようなMEMS素子101は上部電極104と、下部電極を兼ねたシリコン基板102との間に電圧を印加すると、両者の間に矢印106で示す静電引力が働く。これにより、ミラー105が形成され下方に空隙が生じている上部電極104が、矢印107方向に傾斜して、ミラー面の上方から入射する図示しない光の反射角度を変えることができる。
【0007】
図12に示したMEMS素子101は次のようにして製造される。まずシリコン基板102の上に支持部103となる酸化層および上部電極104となる単結晶シリコンの層を形成する。この後、上部電極104となる単結晶シリコンにおけるミラー105が形成される直下の部分を切削する。次に、シリコン基板102上の酸化層における図13で支持部103となっている部分以外をエッチングにより取り除く。この後、このエッチングにより除去した酸化層の上側の上部電極104の部分にミラー105を積層する。
【0008】
このように図12に示したMEMS素子101は、比較的簡単なSOIプロセスで製造できるという利点がある。また、上部電極104は単結晶のシリコン板であるため、膜厚を厚く構成することができ、その上に積層して形成するミラー105の反りが少ないという長所がある。しかしながら、ミラー105が片持ち梁の構造となっているので、ミラー面がシリコン基板102に吸引される方向にのみ傾斜することになる。このように、図12に示したバルクマイクロマシニングを使用して製造すると、MEMS素子のミラー105の傾斜の自由度が少ないという問題があった。
【0009】
そこで、表面マイクロマシニングを使用してMEMS素子の設計の自由度を高めることで、ミラーが跳ね上がる方向にも傾斜できるようにする提案が行われている。
【0010】
図13(a)は、表面マイクロマシニングの技術を使用して製造したMEMS素子を上から見たもので、同図(b)はこれをL−L方向に切断したものである。このMEMS素子121は、同図(b)に示すように非導電体の基板122上に酸化層からなる支持部123を配置し、その上にポリシリコン薄膜124を配置した構造となっている。ポリシリコン薄膜124は同図(a)における左半分の部分が上部電極125を構成しており、ここには、多数のエッチングホールと呼ばれる開口126が開けられている。ポリシリコン薄膜124の右側の部分にはその上部にミラー部127が形成されている。ポリシリコン薄膜124は同図(a)でほぼ中央部に図で上下に細く伸びたヒンジ部1281、1282を有しており、これらヒンジ部1281、1282の端部と一体となった矩形領域からなる固定部1291、1292は同図(b)に示した支持部123のちょうど上に積層されている。基板122とポリシリコン薄膜124の間は支持部123を除いて空隙となっており、上部電極125と対向する基板122上には下部電極131が形成されている。
【0011】
このような図13に示す構造のMEMS素子121では、上部電極125と下部電極131の間に電圧を印加することで、矢印130で示すように静電引力が働き、ヒンジ部1281、1282を回転中心としてミラー部127を矢印132、133方向にチルトさせることができる。すなわちミラー部127を上方向に蹴り上げるように傾斜させることができる。これにより、静電引力による駆動時に傾斜角度をより大きく変化させることができる。また図12と図13を比較すると分かるように、ミラー面をより大型のものとすることも可能である。
【0012】
なお、図13でポリシリコン薄膜124はヒンジ部1281、1282を結ぶ直線(回転軸)に対して図でわずかに左側が長くなった形状となっている。これは回転軸を中心に左右の重さのバランスをとることで最も効率的な駆動特性を得るようにするためである。図で回転軸の左側を構成するポリシリコン薄膜124の幅を右側よりも若干広くしても、同様に質量によるモーメントを左右対称として駆動特性を最も効率的なものとすることができる。
【0013】
図13に示したMEMS素子121は次のようにして製造する。まず、非導電体の基板122の同図(b)に示す上部電極125と対向する領域に下部電極131を積層して形成する。支持部123は下部電極131を有する基板122上の全面に酸化層を積層した後、基板122の両端にある必要部分をマスクしてエッチングすることによって形成する。このMEMS素子では、このエッチングの前の工程で酸化層の上面に、下部電極に対向する面を上部電極とするポリシリコン薄膜124を形成する。このポリシリコン薄膜124は、支持部123に相当する領域と、そこから伸びる細いヒンジ部1281、1282と、上部電極125およびミラー部127から構成される。上部電極125に開けられたエッチングホールと呼ばれる開口126は、エッチング液の染み込みを促進させるだけでなく、上部電極125の動作時にスクイーズダンピングと呼ばれる空気の粘性抵抗を低減して高速動作を可能とさせる機能もある(たとえば特許文献2)。ポリシリコン薄膜124を形成した後、エッチングによって支持部123以外の領域で酸化層を除去し、その上のポリシリコン薄膜124をヒンジ部1281、1282のみで支持するようにしている。
【0014】
図14および図15は、この表面マイクロマシニングの技術を使用したMEMS素子の製造プロセスを更に具体的に表わしたものである。ここで、図14は図13に示したMEMS素子121をL−L方向に、すなわち上部電極125を縦断するように切断した面で示したものであり、図15はM−M方向に、すなわち図13に示した固定部1291を縦断するように切断した面で示したものである。
【0015】
まず、図14(a)および図15の(a)に示すように基板122としてのシリコンウエハを用意する。次に、これらの図(b)に示すように基板122の上に下部電極131の元となる電極層131Aを堆積する。次にこれらの図(c)に示すようにフォトリソグラフィ(photolithography)とエッチングを行って下部電極131を作成する。このとき、図15に示す固定部1291については電極層131Aが全部除去される。図14では図13(a)の上部電極125に対向する部位が下部電極131として残ることになる。
【0016】
図16はフォトリソグラフィとエッチングの一般的な工程を具体的に示したものである。ここでは図14に対応する部分を示している。まず同図(i)に示すように電極層131Aがあったものとすると、同図(ii)に示すようにこの上に感光性保護材としてのレジスト141を塗布する。そして、同図(iii)に示すように図13(b)の下部電極131に対応させたマスクパターン142を用意して矢印143で示すように上部から光を照射して、レジスト露光を行う。次に図16(iv)に示すように露光部分を現像して、光の照射されたレジスト141を除去する。次に同図(v)に示すようにエッチングによってレジスト141の残っている領域以外の電極層131Aを除去する。これにより、基板122の上に下部電極131が形成され、その上にレジスト141が残ったことになる。そこで、同図(vi)に示すように下部電極131の上のレジスト141を除去してフォトリソグラフィとエッチングの処理が終了する。
【0017】
以上のようにして図14(c)に示すように基板122上に下部電極131が形成されたら図14(d)および図15(d)に示すようにその上に犠牲層145を堆積する。ここで犠牲層145とは最終工程で除去する層のことをいう。次にこれらの図(e)に示すようにフォトリソグラフィとエッチングで犠牲層パターンを作成して、図13の固定部1291の箇所の犠牲層145のみを除去する。そして、これらの図(f)に示すように構造体146の層を堆積して、研磨によってその表面を平坦化する。
【0018】
次に、この構造体146に対してこれらの図(g)に示すようにフォトリソグラフィとエッチングの処理を行って、図13および図14に示したように上部電極125の層とする。このとき、図15に示した部位では固定部1291以外の構造体146が除去されることになる。最後にこれらの図(h)に示すように犠牲層145が除去されることになる。
【0019】
【特許文献1】
特開2001−174724号公報(第0017段落、図5)
【特許文献2】
特開2001−264650号公報(第0027段落、図3)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
表面マイクロマシニングによってMEMS素子を製造すれば、以上説明したようにウエハ上に次々と層を形成しながら加工を行うことができる。したがって、図12に示した予め層構造を持った基板を加工するバルクマイクロマシニングと比較すると、非常に自由度の高い構造のMEMS素子を製造することができる。しかしながら、表面マイクロマシニングでは、図14および図16で説明したように、製造工程が複雑化しコストダウンを図りにくいという問題があった。また、ミラーについて考察すると、図12に示した単結晶シリコンの層の方が膜厚を厚く構成することができるので、表面マイクロマシニングの方が品質が低下するという問題があった。
【0021】
そこで本発明の目的は、たとえばSOIを用いたバルクマイクロマシニングの技術を使用して、ミラーの品質およびミラーの駆動についての設計の自由度を高めることのできるMEMS素子およびMEMS素子を使用した光減衰器、光スイッチ、光スキャナ等の光デバイスを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)導電性を有する第1の厚さの平板を所定の回転軸に軸対称にその表面と垂直に切り抜いた形状とされ、表面が光の反射面となったミラー部と、前記した平板の一部として前記したミラー部と連続して切り抜いた形状とされ、このミラー部の少なくとも一方の端部から前記した回転軸に沿って軸対称な形状で所定長だけ帯状に伸び出した部位としてのアクチュエータと、前記した平板の一部として前記したミラー部ならびに前記したアクチュエータと連続して切り抜いた形状とされ、前記したアクチュエータの端部から前記した回転軸に沿って細幅な形状で伸び出し外力により回動自在となった部位としてのトーションスプリングとから構成される第1の電極部材と、(ロ)この第1の電極部材を形成する前記した平板と所定の間隔を置いて対向配置され、全体として前記した第1の厚さよりも厚い第2の厚さの導電性の基板であって、前記したトーションスプリングが前記した外力によって回動する角度範囲で前記したミラー部の移動空間を確保すべくこのミラー部と対向する領域が前記した基板表面と垂直に少なくとも所定の深さだけ切除された形状に形成されていると共に、前記したアクチュエータと対向する面が前記した回転軸を境として2つの領域に分断されており、その一方の領域は、前記したトーションスプリングが前記した外力によって回動していない状態で前記した平板と前記した基板表面とが前記した所定の間隔を置いて対向配置される第1の電気特性領域を構成し、他方の領域では前記した基板表面の少なくとも一部が基板面と垂直方向に切除された第2の電気特性領域を構成している第2の電極部材とをMEMS素子に具備させ、(ハ)前記した第1の電極部材と前記した第2の電極部材の間に電圧が印加されたときに前記した第1の電気特性領域と前記した第2の電気特性領域による前記したアクチュエータに対する位置的に不均一な静電引力が前記したトーションスプリングに接続された前記したミラー部に前記した電圧の印加の程度に応じて回転する外力を与えるようにする
【0023】
すなわち請求項1記載の発明では、MEMS素子に第1の電極部材と第2の電極部材の2つを少なくとも具備させる。ここで第1の電極部材は、平板状の導電性部材からなる。そして、2種類の領域の電極特性の違いによる第1の電極部材と第2の電極部材の間に電圧を印加したときの静電引力の違いによってアクチュエータは印加電圧に応じた回転力を受け、これによって電圧の印加の程度に応じてミラー部を回転させるようにしている。
【0024】
このように請求項1記載の発明では、所定の間隔あるいは他の層を介して存在する第1の電極部材と第2の電極部材を用いて、印加電圧に応じてミラー部を回転させるMEMS素子を構成するので、バルクマイクロマシニングの技術を使用してミラー部を比較的厚く形成することができ、歪み等が少ない高品質のMEMS素子を作製することができる。しかもMEMS素子を表面マイクロマシニングで作製する必要が必ずしもないのでミラー部の駆動についての設計の自由度を高めることが可能である。
【0025】
請求項2記載の発明では、(イ)導電性を有する第1の厚さの平板を所定の回転軸に軸対称にその表面と垂直に切り抜いた形状とされ、表面が光の反射面となったミラー部と、前記した平板の一部として前記したミラー部と連続して切り抜いた形状とされ、このミラー部の少なくとも一方の端部から前記した回転軸に沿って軸対称な形状で所定長だけ帯状に伸び出した部位としてのアクチュエータと、前記した平板の一部として前記したミラー部ならびに前記したアクチュエータと連続して切り抜いた形状とされ、前記したアクチュエータの端部から前記した回転軸に沿って細幅な形状で伸び出し外力により回動自在となった部位としてのトーションスプリングとから構成される第1の電極部材と、(ロ)この第1の電極部材を形成する前記した平板と所定の間隔を置いて対向配置され、全体として前記した第1の厚さよりも厚い第2の厚さの導電性の基板であって、前記したトーションスプリングが前記した外力によって回動する角度範囲で前記したミラー部の移動空間を確保すべくこのミラー部と対向する領域が前記した基板表面と垂直に少なくとも所定の深さだけ切除された形状に形成されていると共に、前記したアクチュエータと対向する面が前記した回転軸を境として2つの領域に分断されており、その一方の領域は、前記したトーションスプリングが前記した外力によって回動していない状態で前記した平板と前記した基板表面とが前記した所定の間隔を置いて対向配置される第1の電気特性領域を構成し、他方の領域では前記した基板表面が基板面と垂直方向に切除された第3の電気特性領域を構成している第2の電極部材とをMEMS素子に具備させ、前記した第1の電極部材と前記した第2の電極部材の間に電圧が印加されたときに前記した第1の電気特性領域と前記した第3の電気特性領域による前記したアクチュエータに対する位置的に不均一な静電引力が前記したトーションスプリングに接続された前記したミラー部に前記した電圧の印加の程度に応じて回転する外力を与えるようにする。
【0026】
すなわち請求項2記載の発明では、MEMS素子に第1の電極部材と第2の電極部材の2つを少なくとも具備させる。ここで第1の電極部材は、平板状の導電性部材からなる。そして、2種類の領域の電極特性の違いによる第1の電極部材と第2の電極部材の間に電圧を印加したときの静電引力の違いによってアクチュエータは印加電圧に応じた回転力を受け、これによって電圧の印加の程度に応じてミラー部を回転させるようにしている。
【0027】
このように請求項2記載の発明では、所定の間隔あるいは他の層を介して存在する第1の電極部材と第2の電極部材を用いて、印加電圧に応じてミラー部を回転させるMEMS素子を構成するので、バルクマイクロマシニングの技術を使用してミラー部を比較的厚く形成することができ、歪み等が少ない高品質のMEMS素子を作製することができる。しかもMEMS素子を表面マイクロマシニングで作製する必要が必ずしもないのでミラー部の駆動についての設計の自由度を高めることが可能である。
【0031】
請求項3記載の発明では、(イ)導電性を有する第1の厚さの平板を所定の回転軸に軸対称にその表面と垂直に切り抜いた形状とされ、表面が光の反射面となったミラー部と、前記した平板の一部として前記したミラー部と連続して切り抜いた形状とされ、このミラー部の少なくとも一方の端部から前記した回転軸に沿って軸対称な形状で所定長だけ帯状に伸び出した部位としてのアクチュエータと、前記した平板の一部として前記したミラー部ならびに前記したアクチュエータと連続して切り抜いた形状とされ、前記したアクチュエータの端部から前記した回転軸に沿って細幅な形状で伸び出し外力により回動自在となった部位としてのトーションスプリングとから構成される第1の電極部材と、この第1の電極部材を形成する前記した平板と所定の間隔を置いて対向配置され、全体として前記した第1の厚さよりも厚い第2の厚さの導電性の基板であって、前記したトーションスプリングが前記した外力によって回動する角度範囲で前記したミラー部の移動空間を確保すべくこのミラー部と対向する領域が前記した基板表面と垂直に少なくとも所定の深さだけ切除された形状に形成されていると共に、前記したアクチュエータと対向する面が前記した回転軸を境として2つの領域に分断されており、その一方の領域は、前記したトーションスプリングが前記した外力によって回動していない状態で前記した平板と前記した基板表面とが前記した所定の間隔を置いて対向配置される第1の電気特性領域を構成し、他方の領域では前記した基板表面の少なくとも一部が基板面と垂直方向に切除された第2の電気特性領域を構成している第2の電極部材とを備え、前記した第1の電極部材と前記した第2の電極部材の間に電圧が印加されたときに前記した第1の電気特性領域と前記した第2の電気特性領域による前記したアクチュエータに対する位置的に不均一な静電引力が前記したトーションスプリングに接続された前記したミラー部に前記した電圧の印加の程度に応じて回転する外力を与えるMEMS素子と、(ロ)このMEMS素子の第1の電極部材と第2の電極部材との間に電圧を印加する電源と、(ハ)この電源の電圧印加に応じて回転するミラー部を用いて光線の入出力を行う入出力手段とを光デバイスに具備させる。
【0032】
すなわち請求項3記載の発明では、請求項1記載のMEMS素子を、光減衰器、光スイッチ、光スキャナ等のミラー部の傾斜角を用いて光の減衰率の調整や光のオン・オフあるいは光の走査等に利用する光デバイスに応用し、光デバイス自体の設計の自由度を高めたり、高品質化を達成している。
【0033】
請求項4記載の発明では、(イ)導電性を有する第1の厚さの平板を所定の回転軸に軸対称にその表面と垂直に切り抜いた形状とされ、表面が光の反射面となったミラー部と、前記した平板の一部として前記したミラー部と連続して切り抜いた形状とされ、このミラー部の少なくとも一方の端部から前記した回転軸に沿って軸対称な形状で所定長だけ帯状に伸び出した部位としてのアクチュエータと、前記した平板の一部として前記したミラー部ならびに前記したアクチュエータと連続して切り抜いた形状とされ、前記したアクチュエータの端部から前記した回転軸に沿って細幅な形状で伸び出し外力により回動自在となった部位としてのトーションスプリングとから構成される第1の電極部材と、この第1の電極部材を形成する前記した平板と所定の間隔を置いて対向配置され、全体として前記した第1の厚さよりも厚い第2の厚さの導電性の基板であって、前記したトーションスプリングが前記した外力によって回動する角度範囲で前記したミラー部の移動空間を確保すべくこのミラー部と対向する領域が前記した基板表面と垂直に少なくとも所定の深さだけ切除された形状に形成されていると共に、前記したアクチュエータと対向する面が前記した回転軸を境として2つの領域に分断されており、その一方の領域は、前記したトーションスプリングが前記した外力によって回動していない状態で前記した平板と前記した基板表面とが前記した所定の間隔を置いて対向配置される第1の電気特性領域を構成し、他方の領域では前記した基板表面が基板面と垂直方向に切除された第3の電気特性領域を構成している第2の電極部材とを備え、前記した第1の電極部材と前記した第2の電極部材の間に電圧が印加されたときに前記した第1の電気特性領域と前記した第3の電気特性領域による前記したアクチュエータに対する位置的に不均一な静電引力が前記したトーションスプリングに接続された前記したミラー部に前記した電圧の印加の程度に応じて回転する外力を与えるMEMS素子と、(ロ)このMEMS素子の第1の電極部材と第2の電極部材との間に電圧を印加する電源と、(ハ)この電源の電圧印加に応じて回転するミラー部を用いて光線の入出力を行う入出力手段とを光デバイスに具備させる。
【0034】
すなわち請求項4記載の発明では、請求項2記載のMEMS素子を、光減衰器、光スイッチ、光スキャナ等のミラー部の傾斜角を用いて光の減衰率の調整や光のオン・オフあるいは光の走査等に利用する光デバイスに応用し、光デバイス自体の設計の自由度を高めたり、高品質化を達成している。
【0037】
【発明の実施の形態】
【0038】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0039】
<第1の実施例>
【0040】
図1は本発明の第1の実施例におけるMEMS素子の要部を斜め上方から見たものである。このMEMS素子201は、円盤状のミラー部202を備えている。このミラー部202は、円盤の中心部を上面と平行な方向に貫通する1本の回転軸203を中心として傾斜角度θで矢印204方向に回転するようになっている。ミラー部202は、この回転軸203の貫通した2方向に突出した第1および第2のアクチュエータ205、206を備えている。これら第1および第2のアクチュエータ205、206の延長上には、回転軸203が同じく中心部分を貫通した形で細い棒状の第1および第2のトーションスプリング207、208のそれぞれ一端が配置されており、これらの他端は第1および第2の固定部209、210に接続された構造となっている。ただし、ミラー部202、第1および第2のアクチュエータ205、206、第1および第2のトーションスプリング207、208ならびに第1および第2の固定部209、210は別々の部品が組み合わされているのではなく、上部電極層と呼ばれる1つの層を所定の処理によって加工したものである。第1および第2のアクチュエータ205、206にはエッチングホールと呼ばれる開口212が複数配置されている。また、ミラー部202には図示しないが必要に応じて金等の金属によって反射面が形成されている。
【0041】
この図1で第1および第2のアクチュエータ205、206の右半分部分の下側には所定の間隔dをおいて、下部電極を兼ねたシリコン基板215が配置されている。ミラー部202の下側では、このミラー部202の円形形状よりもやや大きなサイズでシリコン基板215がその面とほぼ垂直方向にくり抜かれるように切除されており、円形開口部216を形成している。これは、回転軸203を中心としてミラー部202が矢印204方向に回転するとき、シリコン基板215の上面と接触するのを防止するためと、上部電極層と下部電極を兼ねたシリコン基板215の間に電源217によって電圧を印加したときミラー部202に静電的な力が直接及ぼされないようにするためである。
【0042】
また、円形開口部216に連なって第1および第2のアクチュエータ205、206の図で左側の領域でもシリコン基板215がその面とほぼ垂直方向にくり抜かれるように切除されており、矩形開口部218を構成している。これに対して第1および第2のアクチュエータ205、206の図で右側の領域ではシリコン基板215は切除されていない。このように回転軸203を中心としてシリコン基板215が左右不均衡に存在することによって、電源217による電圧印加の大きさに応じて第1および第2のアクチュエータ205、206が左右異なった静電引力を受ける。この結果、印加電圧に応じてミラー部202は矢印204方向に回転する力を第1および第2のアクチュエータ205、206から伝達され、第1および第2のトーションスプリング207、208のこれに逆らう力と均衡する傾斜角にミラー面が設定されることになる。
【0043】
すなわち、電圧が印加されていない状態におけるミラー部202のミラー面と直交する垂線221に対して入射角αで光ビーム222が入射したとすると、電源217の印加電圧が大きくなるに応じて傾斜角度θが角度αから次第に大きな値に変化することになる。このようにミラー部202の傾斜角度θを電源217による印加電圧によって任意に変化させることで、後に説明するようにMEMS素子を光減衰器、光スイッチあるいは光スキャナ等の各種の光学部品あるいは光学装置に応用することができる。
【0044】
なお、この図1では層構造を分りやすくするために、第1のアクチュエータ205の手前側(電源217を示している側)のシリコン基板215を適宜切除して図解している。
【0045】
図2は、第1の実施例のMEMS素子の平面構造を表わしたものである。また、図3は図2でA−A方向にMEMS素子を切断した場合の端面の構造を表わしたものである。図3に示すように第1の実施例ではミラー部202の上部に金(Au)やクロム(Cr)等の薄膜からなる反射層231が形成されている。また、ミラー部202の直下のシリコン基板215は図で下方からくり抜かれ、円形開口部216を形成している。なお、反射層231はミラー部202に限定せず、製造上のプロセス等によっては、たとえば第1および第2のアクチュエータ205、206の全部または一部にまで形成するようにしてもよい。
【0046】
図4は、図2でB−B方向にMEMS素子を切断した場合の端面の構造を表わしたものである。この図では図2における第2のアクチュエータ206を横断する形で切断している。第2のアクチュエータ206には、エッチングホールとしての開口212が上下に貫通している。この開口212は、第1のアクチュエータ205を構成する上部電極層とシリコン基板215の間にMEMS素子のパターン作成処理前にこの部分に存在していた図示しない中間層活性層をエッチングによって除去する際のエッチング液の染み込みを促進させる役割を果たしている。また、上部電極層を構成する第1および第2のアクチュエータ205、206(図1および図2)が印加電圧に応じて傾斜する際に、スクイーズダンピングと呼ばれる空気の粘性抵抗を低減して高速動作を可能とする。
【0047】
図5は、この第1の実施例のMEMS素子をバルクマイクロマシニングによって製造するプロセスを示したものである。まず、同図(a)に示すようにシリコン基板215と中間層241および上部電極層242がそれぞれ所望の厚さとなった3層構造のウエハ243を用意する。ここでシリコン基板215と上部電極層242は共にシリコン(Si)にボロン(B)やリン(P)等の不純物をドープして導体としたものである。中間層241はシリコン酸化膜(SiO2)である。このうち、上部電極層242は、図1等で説明したミラー部202、第1および第2のアクチュエータ205、206、第1および第2のトーションスプリング207、208ならびに第1および第2の固定部209、210が形成される層である。中間層241は、図1に示した間隔dに対応する厚さとなっている。本実施例ではシリコン基板215の厚さは300〜800μm、中間層241の厚さは0.5〜5μm、上部電極層242の厚さは10〜50μmのものを使用する。
【0048】
次に、同図(b)に示すようにフォトリソグラフィとエッチングによって上部電極層242のパターンを作成する。フォトリソグラフィとエッチングによるパターンの作成については、すでに図16で説明したので、図示を省略する。この処理で図1等で説明したミラー部202、第1および第2のアクチュエータ205、206、第1および第2のトーションスプリング207、208、第1および第2の固定部209、210ならびに開口212が形成される。
【0049】
次に、同図(c)に示すようにシリコン基板215側からフォトリソグラフィとエッチングを行い、図1に示したミラー部202に対応する円形開口部216や、この図5には示していない矩形開口部218を作成する。このときには、必要に応じてウエハ243の表裏を反転させて処理を行うことになる。
【0050】
最後に、同図(d)に示すように中間層241を除去する。ただし、図1および図2に示した第1および第2の固定部209、210は中間層241と上部電極層242で構成されているので、エッチングの時間を調整することでこの部分の中間層241は残存する。
【0051】
以上説明した第1の実施例ではSOIを用いたバルクマイクロマシニングを使用してMEMS素子201を製造したので、表面マイクロマシニングと比べて簡単な工程となり、コストダウンを図ることができる。しかもSOIを用いた場合、構造体が結晶シリコンとなるため、ミラー等の光学部品を高い品質で製造することができる。
【0052】
また、第1および第2のアクチュエータ205、206は第1および第2のトーションスプリング207、208に対して対称形となり、回転軸203の両側に開口212を均等に配置している。このため、回転軸203に対して質量のモーメントが対称形となり、第1および第2のトーションスプリング207、208が特定方向に余計に回転してねじ切れるのを効果的に防止することができる。更に第1および第2のアクチュエータ205、206のほぼ全面に開口212が配置されているので、エッチング液の染み込みを均一に行えると共に空気の粘性抵抗の低減も回転軸203を中心にバランスよく行うことができる。
【0053】
<第1の実施例の変形例>
【0054】
図6は以上説明した第1の実施例の変形例におけるMEMS素子の平面構造を表わしたものであり、第1の実施例の図2に対応するものである。図2に示した第1の実施例では、ミラー部202の直下のシリコン基板215が円筒状に完全に切除されて円形開口部216を構成している。これに対して図6に示した変形例のMEMS素子201Aでは、ミラー部202の直下のシリコン基板215が2つの半月状開口部251、252となっており、これらの間にはシリコン基板215がそのまま残っていて両者を仕切る仕切板253を構成している。
【0055】
図7は、第1の実施例の図3に対応するものであり、図6のC−C方向の切断面を表わしたものである。この変形例のMEMS素子201Aでは、B−B方向の切断面の構造は第1の実施例における図4と全く同一であるので、この部分の図示は省略する。図3における円形開口部216の代わりに仕切板253を境として2つの半月状開口部251、252が形成されている。
【0056】
この変形例のMEMS素子201Aでは、仕切板253がミラー部202の中心よりも図で右側にずれている。したがって、ミラー部202を構成する上部電極層と仕切板253を構成する下部電極の上面との静電引力によってミラー部202は矢印261方向に回転する力を受けることになる。これは、第1および第2のアクチュエータ205、206とシリコン基板215の間における非対称な静電引力と同様である。すなわち、この変形例ではミラー部202でも静電引力による回転力を受けることになる。
【0057】
この第1の実施例の変形例で示したように、ミラー部202を構成する上部電極層とシリコン基板215からなる下部電極の上下方向の重なりは、一部でもあればこれによる両者の吸引力でミラーの駆動力を発生させることができる。
【0058】
<第2の実施例>
【0059】
図8は、本発明の第2の実施例のMEMS素子を表わしたものである。同図(a)はMEMS素子の要部を上から見たものであり、同図(b)はそのD−D方向の切断面を表わしたものである。このMEMS素子301は、シリコン基板からなる支持基板としての下部電極302と、図示しない中間層と、上部電極303およびその上に蒸着等によって形成されたミラー層304から構成されている。ミラー層304を形成した上部電極303の部分は全体として細長い矩形となっており、その長手方向の中間点よりも図で左側に寄った位置に、上部電極303を回動させる回転軸306が配置されている。
【0060】
この回転軸306に沿って、ミラー層304を形成した上部電極303の端面から第1および第2のトーションスプリング307、308が伸び出しており、これら第1および第2のトーションスプリング307、308は同じく上部電極303の一部を構成する第1および第2の固定部309、310に固定されている。
【0061】
このように第2の実施例のMEMS素子301は回転軸306を中心としてミラー層304を形成した上部電極303の部分が左右非対称な長さで配置されている。下部電極302と上部電極303の間に図示しない電源によって直流電圧を印加すると、図8(b)に示すように矢印312で示す静電引力が働く。このとき、ミラー層304を形成した上部電極303の部分が左右非対称な長さとなっているために、この図では回転軸306の右側の部分の引力の総和が左側の部分の引力の総和よりも大きくなる。これにより、ミラー層304を形成した上部電極303の部分は矢印313で示すように時計回りに回転する力を与えられ、第1および第2のトーションスプリング307、308の剛性と印加電圧による静電引力の大きさとの釣り合いで決定される角度だけ回転することになる。
【0062】
この第2の実施例のMEMS素子301も第1の実施例のMEMS素子201と同様にバルクマイクロマシニングで製造することができる。このため、その製造プロセスの説明は省略する。図12では従来のバルクマイクロマシニングで製造したMEMS素子101について説明した。この従来のMEMS素子101と第2の実施例のMEMS素子301を比較する。従来のMEMS素子101の場合には、図12に示したように、埋め込みの酸化膜からなる支持部103上に単結晶シリコンの上部電極104を配置し、支持部103の除去された片持梁構造で静電引力による上部電極104の撓みを利用してミラー105を傾斜させている。これに対して第2の実施例のMEMS素子301は、回転軸306を中心としてミラー層304を形成した上部電極303の部分を静電引力によって回転させている。したがって、回転軸306の両側のミラー層304をミラーとして使用することができ、ミラーの相対的な面積を増大させることができる。また、第1および第2のトーションスプリング307、308によってミラー層304を形成した上部電極303の部分を回転させるので、ミラー面の平面性をより高精度に保つことができる。
【0063】
<第3の実施例>
【0064】
図9は、本発明の第3の実施例のMEMS素子を表わしたものである。同図(a)はMEMS素子の要部を上から見たものであり、同図(b)はそのE−E方向の切断面を表わしたものである。このMEMS素子401は、ダイヤフラム型をしており、シリコン基板からなる支持基板としての下部電極402と、図示しない中間層と、上部電極403およびその上に蒸着等によって形成されたミラー層404から構成されている。ミラー層304を形成した上部電極403の部分は全体として細長い矩形となっており、その長手方向の両端部から長手方向と直交する方向に上部電極403の一部を構成する細長い第1〜第4の支持棒405〜408が伸び出している。これら第1〜第4の支持棒405〜408は、それぞれ下部電極402上に図示しない中間層を介して配置された上部電極403の一部を構成する第1〜第4の固定部411〜414のうちの対応するものに固定されている。ミラー層404は同図(a)に示すように細長い矩形をした上部電極403の中央部分に配置されており、これとほぼ相似形でこれよりも大きなサイズの貫通孔415が下部電極402の中央部に設けられている。
【0065】
第3の実施例のMEMS素子401はこのような構造となっているので、上部電極403と下部電極402の間に図示しない電源によって所定の電圧を印加すると、図9(b)に示すように矢印412で示す静電引力が働く。上部電極403はミラー層404をその中央部に配置しており、貫通孔415がその直下の中央部に配置されているので、この静電引力によって上部電極403は貫通孔415の方向に変位することになる。印加電圧によってこの変位量は変化する。したがって、この電圧印加によるミラー層404の微小な変位を、たとえば干渉現象における反射光の変化として検出することで、このMEMS素子401を変位検出センサ等の各種デバイスとして使用することができる。
【0066】
また、このミラー層404を水平方向に配置して、これに対して45度の入射角で光ビームを入射させると、ミラー層404の上下方向の変位に応じて反射後の光ビームの進路が水平方向にシフトする。したがって、反射後の光ビームを光学レンズに入射して屈性させると、屈性後の光ビームが光軸に対してなす角度がミラー層404の変位に応じて変動することになり、これにより光ビームをスキャンさせることができる。
【0067】
なお、この第3の実施例のMEMS素子401も第1の実施例のMEMS素子201と同様にバルクマイクロマシニングで製造できる。このため、その製造プロセスの説明は省略する。
【0068】
<第4の実施例>
【0069】
図10は、本発明の第4の実施例として第1の実施例のMEMS素子を光減衰器に応用した例を示したものである。この光減衰器501は、減衰を行う光を入射する第1の光ファイバ502と減衰後の光を射出する第2の光ファイバ503のそれぞれ端部近傍を収容するキャピラリ504を備えている。このキャピラリ504における第1および第2の光ファイバ502、503の端部側にはレンズホルダ505が接続されている。第1の光ファイバ502から射出された光は、このレンズホルダ505内を進行して非球面レンズ506に入射し、前方に配置されたMEMS素子201のミラー部202に入射する。
【0070】
このミラー部202と下部電極を兼ねたシリコン基板215の間には電圧制御部508から出力電圧が印加されるようになっている。この出力電圧は所定範囲で連続的にその値を変化させることができるようになっており、この電圧変化によってミラー部202の傾斜角が0度(水平)から所定の角度まで変化するようになっている。
【0071】
電圧制御部508による印加電圧を連続的に変化させ、ミラー部202の傾斜角をこれに応じて変化させると、レンズホルダ505の非球面レンズ506から出射しミラー部202で反射された光は、非球面レンズ506に入射する量および入射角を連続的に変化させる。この結果、非球面レンズ506に戻った光のうちで第2の光ファイバ503に結合する光の量が連続的に変化することになる。したがって、光減衰器501は電圧制御部508の出力電圧に応じて光の減衰量を変化させることができる。
【0072】
このような連続的な光の減衰制御の代わりに、電圧制御部508から電圧が2値のいずれかとなったオン・オフ制御信号を出力することで、たとえば第2の光ファイバ503に入射する光を第1の光ファイバ502から出射された光のほぼ100パーセントの状態とほぼ0パーセントの状態に切り換えることができる。これにより、図10に示したデバイスを光スイッチとして動作させることができる。
【0073】
<第5の実施例>
【0074】
図11は、本発明の第5の実施例として第1の実施例のMEMS素子を光スキャナに応用した例を示したものである。この光スキャナ551の一部を構成する光ファイバ552から射出された光は、コリメータレンズ553によって平行光にされて、図1あるいは図2に示したMEMS素子201のミラー部202に入射する。このミラー部202と下部電極を兼ねたシリコン基板215の間には電圧制御部554から出力電圧が印加されるようになっている。この出力電圧はその値がサイン波状あるいは鋸歯状等種々の波形で周期的に変化するようになっており、これによるミラー部202の傾斜角の周期的な変化で反射光555が矢印556に示すように方向を周期的に変える。したがって、この反射光555を用いた光学的なスキャンが可能になる。
【0075】
なお、第3の実施例のダイヤフラム型をしたMEMS素子を用いてスキャナを構成することができることについては、すでに説明した。
【0076】
以上、各実施例ではMEMS素子をSOIを用いたバルクマイクロマシニングで実現する例を説明したが、最終的に同一の構造のMEMS素子を他の周知のプロセスで作成した物に対しても本発明を適用することができることは当然である。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1または請求項2記載の発明によれば、所定の間隔を介して存在する第1の電極部材と第2の電極部材を用いて、印加電圧に応じてミラー部を回転させるMEMS素子を構成するので、バルクマイクロマシニングの技術を使用してミラー部を比較的厚く形成することができ、歪み等が少ない高品質のMEMS素子を安価に作成することができる。しかもMEMS素子を表面マイクロマシニングで作成する必要が必ずしもないのでミラー部の駆動についての設計の自由度を高めることが可能である。
【0079】
更に請求項3または請求項4記載の発明によれば、MEMS素子を、光減衰器、光スイッチ、光スキャナ等のミラー部の傾斜角を用いて光の減衰率の調整や光のオン・オフあるいは光の走査等に利用する光デバイスに応用し、光デバイス自体の設計の自由度を高めたり、高品質化を達成することができるだけでなくコストダウンも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるMEMS素子の要部斜視図である。
【図2】第1の実施例のMEMS素子の要部を上から見た平面図である。
【図3】図2でMEMS素子の要部をA−A方向に切断した端面図である。
【図4】図2でMEMS素子の要部をB−B方向に切断した端面図である。
【図5】第1の実施例のMEMS素子をバルクマイクロマシニングによって製造する一連のプロセスを示した説明図である。
【図6】第1の実施例の変形例におけるMEMS素子の要部を上から見た平面図である。
【図7】図6でMEMS素子の要部をC−C方向に切断した端面図である。
【図8】本発明の第2の実施例のMEMS素子の平面および断面を示した図である。
【図9】本発明の第3の実施例のMEMS素子の平面および断面を示した図である。
【図10】本発明の第4の実施例として第1の実施例のMEMS素子を光減衰器に応用した例を示した概略構成図である。
【図11】本発明の第5の実施例として第1の実施例のMEMS素子を光スキャナに応用した例を示した概略構成図である。
【図12】従来SOIプロセスを使用して製造されたMEMS素子の平面および断面を示した図である。
【図13】表面マイクロマシニングにより従来製造されたMEMS素子の平面および断面を示した図である。
【図14】表面マイクロマシニングの技術を使用したMEMS素子の製造プロセスをL−L方向の切断面について表わした説明図である。
【図15】表面マイクロマシニングの技術を使用したMEMS素子の製造プロセスをM−M方向の切断面について表わした説明図である。
【図16】フォトリソグラフィとエッチングの一般的な工程を示した説明図である。
【符号の説明】
201、201A、301、401 MEMS素子
202 ミラー部(上部電極)
205、206 アクチュエータ(上部電極)
207、208、307、308 トーションスプリング
209、210、309、310 固定部
215 シリコン基板(下部電極)
216 円形開口部
217 電源
218 矩形開口部
253 仕切板(下部電極)
304、404 ミラー層
403 上部電極
405〜408 支持棒
415 貫通孔
501 光減衰器(光スイッチ)
508、554 電圧制御部
551 光スキャナ

Claims (4)

  1. 導電性を有する第1の厚さの平板を所定の回転軸に軸対称にその表面と垂直に切り抜いた形状とされ、表面が光の反射面となったミラー部と、前記平板の一部として前記ミラー部と連続して切り抜いた形状とされ、このミラー部の少なくとも一方の端部から前記回転軸に沿って軸対称な形状で所定長だけ帯状に伸び出した部位としてのアクチュエータと、前記平板の一部として前記ミラー部ならびに前記アクチュエータと連続して切り抜いた形状とされ、前記アクチュエータの端部から前記回転軸に沿って細幅な形状で伸び出し外力により回動自在となった部位としてのトーションスプリングとから構成される第1の電極部材と、
    この第1の電極部材を形成する前記平板と所定の間隔を置いて対向配置され、全体として前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さの導電性の基板であって、前記トーションスプリングが前記外力によって回動する角度範囲で前記ミラー部の移動空間を確保すべくこのミラー部と対向する領域が前記基板表面と垂直に少なくとも所定の深さだけ切除された形状に形成されていると共に、前記アクチュエータと対向する面が前記回転軸を境として2つの領域に分断されており、その一方の領域は、前記トーションスプリングが前記外力によって回動していない状態で前記平板と前記基板表面とが前記所定の間隔を置いて対向配置される第1の電気特性領域を構成し、他方の領域では前記基板表面の少なくとも一部が基板面と垂直方向に切除された第2の電気特性領域を構成している第2の電極部材
    とを備え、
    前記第1の電極部材と前記第2の電極部材の間に電圧が印加されたときに前記第1の電気特性領域と前記第2の電気特性領域による前記アクチュエータに対する位置的に不均一な静電引力が前記トーションスプリングに接続された前記ミラー部に前記電圧の印加の程度に応じて回転する外力を与える
    ことを特徴とするMEMS素子。
  2. 導電性を有する第1の厚さの平板を所定の回転軸に軸対称にその表面と垂直に切り抜いた形状とされ、表面が光の反射面となったミラー部と、前記平板の一部として前記ミラー部と連続して切り抜いた形状とされ、このミラー部の少なくとも一方の端部から前記回転軸に沿って軸対称な形状で所定長だけ帯状に伸び出した部位としてのアクチュエータと、前記平板の一部として前記ミラー部ならびに前記アクチュエータと連続して切り抜いた形状とされ、前記アクチュエータの端部から前記回転軸に沿って細幅な形状で伸び出し外力により回動自在となった部位としてのトーションスプリングとから構成される第1の電極部材と、
    この第1の電極部材を形成する前記平板と所定の間隔を置いて対向配置され、全体として前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さの導電性の基板であって、前記トーションスプリングが前記外力によって回動する角度範囲で前記ミラー部の移動空間を確保すべくこのミラー部と対向する領域が前記基板表面と垂直に少なくとも所定の深さだけ切除された形状に形成されていると共に、前記アクチュエータと対向する面が前記回転軸を境として2つの領域に分断されており、その一方の領域は、前記トーションスプリングが前記外力によって回動していない状態で前記平板と前記基板表面とが前記所定の間隔を置いて対向配置される第1の電気特性領域を構成し、他方の領域では前記基板表面が基板面と垂直方向に切除された第3の電気特性領域を構成している第2の電極部材
    とを備え、
    前記第1の電極部材と前記第2の電極部材の間に電圧が印加されたときに前記第1の電気特性領域と前記第3の電気特性領域による前記アクチュエータに対する位置的に不均一な静電引力が前記トーションスプリングに接続された前記ミラー部に前記電圧の印加の程度に応じて回転する外力を与える
    ことを特徴とするMEMS素子。
  3. 導電性を有する第1の厚さの平板を所定の回転軸に軸対称にその表面と垂直に切り抜いた形状とされ、表面が光の反射面となったミラー部と、前記平板の一部として前記ミラー部と連続して切り抜いた形状とされ、このミラー部の少なくとも一方の端部から前記回転軸に沿って軸対称な形状で所定長だけ帯状に伸び出した部位としてのアクチュエータと、前記平板の一部として前記ミラー部ならびに前記アクチュエータと連続して切り抜いた形状とされ、前記アクチュエータの端部から前記回転軸に沿って細幅な形状で伸び出し外力により回動自在となった部位としてのトーションスプリングとから構成される第1の電極部材と、この第1の電極部材を形成する前記平板と所定の間隔を置いて対向配置され、全体として前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さの導電性の基板であって、前記トーションスプリングが前記外力によって回動する角度範囲で前記ミラー部の移動空間を確保すべくこのミラー部と対向する領域が前記基板表面と垂直に少なくとも所定の深さだけ切除された形状に形成されていると共に、前記アクチュエータと対向する面が前記回転軸を境として2つの領域に分断されており、その一方の領域は、前記トーションスプリングが前記外力によって回動していない状態で前記平板と前記基板表面とが前記所定の間隔を置いて対向配置される第1の電気特性領域を構成し、他方の領域では前記基板表面の少なくとも一部が基板面と垂直方向に切除された第2の電気特性領域を構成している第2の電極部材とを備え、前記第1の電極部材と前記第2の電極部材の間に電圧が印加されたときに前記第1の電気特性領域と前記第2の電気特性領域による前記アクチュエータに対する位置的に不均一な静電引力が前記トーションスプリングに接続された前記ミラー部に前記電圧の印加の程度に応じて回転する外力を与えるMEMS素子と、
    このMEMS素子の前記第1の電極部材と第2の電極部材との間に電圧を印加する電源と、
    この電源の電圧印加に応じて回転する前記ミラー部を用いて光線の入出力を行う入出力手段
    とを具備することを特徴とする光デバイス。
  4. 導電性を有する第1の厚さの平板を所定の回転軸に軸対称にその表面と垂直に切り抜いた形状とされ、表面が光の反射面となったミラー部と、前記平板の一部として前記ミラー部と連続して切り抜いた形状とされ、このミラー部の少なくとも一方の端部から前記回転軸に沿って軸対称な形状で所定長だけ帯状に伸び出した部位としてのアクチュエータと、前記平板の一部として前記ミラー部ならびに前記アクチュエータと連続して切り抜いた形状とされ、前記アクチュエータの端部から前記回転軸に沿って細幅な形状で伸び出し外力により回動自在となった部位としてのトーションスプリングとから構成される第1の電極部材と、この第1の電極部材を形成する前記平板と所定の間隔を置いて対向配置され、全体として前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さの導電性の基板であって、前記トーションスプリングが前記外力によって回動する角度範囲で前記ミラー部の移動空間を確保すべくこのミラー部と対向する領域が前記基板表面と垂直に少なくとも所定の深さだけ切除された形状に形成されていると共に、前記アクチュエータと対向する面が前記回転軸を境として2つの領域に分断されており、その一方の領域は、前記トーションスプリングが前記外力によって回動していない状態で前記平板と前記基板表面とが前記所定の間隔を置いて対向配置される第1の電気特性領域を構成し、他方の領域では前記基板表面が基板面と垂直方向に切除された第3の電気特性領域を構成している第2の電極部材とを備え、前記第1の電極部材と前記第2の電極部材の間に電圧が印加されたときに前記第1の電気特性領域と前記第3の電気特性領域による前記アクチュエータに対する位置的に不均一な静電引力が前記トーションスプリングに接続された前記ミラー部に前記電圧の印加の程度に応じて回転する外力を与えるMEMS素子と、
    このMEMS素子の前記第1の電極部材と第2の電極部材との間に電圧を印加する電源と、
    この電源の電圧印加に応じて回転する前記ミラー部を用いて光線の入出力を行う入出力手段
    とを具備することを特徴とする光デバイス。
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