JP4336116B2 - 旅費システム及び手配・精算サービス提供方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、旅費システム及び手配・精算サービス提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
国内、あるいは海外出張における旅費(出張)の申請、あるいは精算を電子的に処理する企業内システムが従来から多数提案されている。
ある企業内システムによれば、出張者である従業員が構内接続された端末装置を操作することによって生成される出張旅費の申請、精算のための電子伝票が電子メールによって出張者の上長(上司)の端末装置に送信され、上長承認を得たその電子伝票は更に経理部門に送信され、経理担当による点検の後、対応する出張旅費の仮払い、あるいは精算処理が行われる(特許文献1参照)。また、出張者、該出張者の管理者及び経理担当者が、それぞれの端末装置を操作することによって、出張旅費の精算が行われる出張旅費精算システムが提案されている(特許文献2、参照)。
【0003】
また、従業員は、出張に際して航空チケットや宿泊チケットの予約、特に海外出張にあたっては保険への加入が必要となるが、従来、旅行会社や保険会社が、特定の企業向けにカスタマイズしたサービスを企業内のイントラネット上に展開して企業の従業員に対して優遇サービスを行う仕組みがあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−73492号公報(段落番号15等)
【特許文献2】
特開2001−282968号公報(段落番号30等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したサービスは、旅行会社や保険会社が顧客囲い込みを目的に行うものであるため、選択肢が限られる等、利用者の観点からすれば必ずしも使い勝手の良いシステムにはなっていない。
また、利用者が出張する場合、出張前の仮払い、チケットの手配、保険加入、出張後の精算に至る各種業務が発生するが、これら業務をシームレスに繋げてシステム化したものは無く、特に、企業内の会計システムに繋げるためには伝票の交換等一部にペーパによる処理が残り、非常に効率が悪かった。
また、旅費の精算は総務・経理業務の中で従業員個人に対するサービスのうち、最も作業量が多い。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、従来の企業内システムの旅費処理システムが提供していた機能を旅費精算関連業務と共にシームレスにつなげて企業向けサービスとして実現する旅費システム、および手配・精算サービス提供方法を提供することを目的とする。
また、チケットの手配、保険加入等、出張に関連したサービスを外部会社と連携して付加サービスとして実現する旅費システム、および手配・精算サービス提供方法を提供することも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために本発明は、従来の企業内システムの旅費システムが提供していた手配、精算の機能を、企業向けサービスとして提供する。そのために、それらサービスをBSP(Business Service Provider)形式で提供し、Webサービスによる統一規格を使用して旅費精算関連業務をサービスする。
更に、チケット手配、保険加入等、出張に関連したサービスを、旅行会社、保険会社等のサービス提供会社と連携して付加サービスとして企業の従業員へ提供する。
【0008】
このことにより、サービス提供会社は企業の従業員をビジネスターゲットとすることができ、また、企業の従業員は、これらサービス提供会社を選択して利用することができ、融通性の高いサービスを享受できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の旅費システム(旅費処理システム、手配・精算サービス提供方法)を実現するビジネスモデルならびにその利用主体を説明するために引用した図である。
図1において、符号1は、本発明の実施形態のシステムを実際に利用し、旅費精算関連のサービスを享受するサービス利用企業、符号3は、本実施形態システムを通し、サービス利用企業に旅費精算関連の付加サービスを提供するサービス提供企業であり、旅行会社(代理店)、クレジットカード会社(適宜カード会社、クレジット会社という)、保険会社(代理店)等が属する。符号2は、本実施形態システムの維持、運用を行うシステム運用者であり、ここでは、BSP(Business Service Provider)形式でサービスを提供するため、以降では単にBSP2と称して説明を行う。なお、ここで、「旅費システム」とは、出張に際し企業内で行われる、出発前のチケット等の手配を含む費用の仮払い申請から、帰着時に行う精算、戻入までの全体的な旅費の処理システムのことをいう。また、「手配・精算サービス提供方法」とは、出張に際し、企業内で行われる、出発前のチケット等の手配を含む費用の仮払い申請から、帰着時に行う精算、戻入までの全体的な処理を行う方法のことをいう。
【0010】
サービス利用企業1には、一般利用者(適宜利用者という)と管理者と制度管理者と会計担当者が属しており、一般利用者は、サービス利用企業1において本実施形態システムを利用し、旅費精算関連業務を行う。また、管理者は、一般利用者の上長であり、主に、一般利用者の手配申請、精算申請の承認を行う。制度管理者は、サービス利用企業1におけるシステム利用管理者であり、後記する旅費制度の設定等を行う。会計担当者は、精算実績から仕訳したデータを受け取り、会計処理を行う。
また、サービス提供企業3には、サービス担当者と、サービス管理者が属する。サービス担当者は、旅費精算関連業務の付加サービスを提供する担当者であり、サービス管理者は、サービス担当者の上長である。なお、ここで、「上長」とは、出張者の管理者、権限のある人、承認者等の意味である。また、後記する「部下」とは、一般利用者、出張者等である。また、「サービス利用企業」は、会社ばかりではなく、学校、役所、その他団体等を含むものである。
【0011】
一方、BSP2には、システム管理者とコーディネータとコールセンタが属する。システム管理者は、本実施形態システムの維持、運用を行い、コーディネータは、本実施形態システムで提供するサービス本体の設定、運用を行う。具体的には、サービス利用者の管理、サービス提供者が提供するサービスの登録等である。
コールセンタは、本実施形態システムで提供するサービスの全般的な問い合わせに対応する組織である。
【0012】
以下、図1を参照して利用主体間のデータの流れについて概略説明を行う。ここでは、一般利用者(従業員)が海外出張を行う場合を想定して説明する。まず、サービス利用企業1に属する一般利用者は、出張に際し、管理者である上長に承認申請を行うと共に、BSP2のサイトに接続してチケットの手配を含む仮払いの申請を行う(手配申請(1))。なお、図面中の丸囲み数字の1は(1)、2は(2)、…、nは(n)と表現する。
BSP2は、これを受けて旅行会社や保険会社等、サービス提供企業3の例えばサービス提供サーバに接続してチケットの手配、保険加入の手続きを行う(チケット他手配(2))。ここでは、後記するように、サービス利用企業1の一般利用者とサービス提供企業3のサービス担当者との間にチャットによるメッセージの送受信環境が提供され、手配内容にトラブルがないような措置がなされる。
【0013】
サービス提供企業3では、申請に基づくチケット等の手配を行い、申請のあったサービス利用企業1の一般利用者に引き渡す(チケット他引渡し(3))。ここで、出張者である一般利用者は、このチケットの引き渡しを受け取る前に管理者である上長から出張の承認を得てあるものとし、企業内の会計担当者から仮払いを得て出張の運びとなる。そして、出張スケジュールを消化して帰着後、精算申請のための精算入力を行う((4))。
【0014】
一方、BSP2は、出張した一般利用者から帰着後の精算入力を受信すると共に、サービス提供企業3であるカード会社から本出張に関し一般利用者により使用されたカードの利用明細が送信されている((5))。そこで、BSP2は、サービス利用会社1の一般利用者からカード利用明細のそれぞれの使途に関する公費、私費の公私分離情報を得てカード決済を行う((6))。
次に、サービス提供企業3である旅行会社、カード会社、保険会社のそれぞれからサービス利用企業1に対して本件出張に関する請求書が発行され(請求処理(7))、サービス利用企業1は、この請求書に基づき出金手続き、および支払いを行う(出金手続き支払い(8))。
なお、BSP2は、サービス利用企業1に対してバッチで仕訳データを送信しており((9))、サービス利用企業1は、この仕訳データに基づき請求の確認を行い、出金手続きを行う。
【0015】
図2は、本実施形態の旅費システムが接続される通信インフラストラクチャを説明するために引用したシステム構成図である。
サービス利用企業1、BSP2、サービス提供企業3には、企業内基幹システム10、BSPサーバ20、サービス提供サーバ(旅行会社用30、クレジットカード会社用31、保険会社用32)のそれぞれが設置されており、いずれもIP(Internet Protocol)網40を介して接続されている。
【0016】
ここでは、企業内基幹システム10として、企業サーバ100を核に、利用者端末101、管理者端末102がLAN(Local Area Network)103回線に共通接続されている。
一方、本実施形態の旅費システムが実装されるBSPサーバ20は、後記するようにサービス利用企業1毎に設定される会社コンセプトに従ってカスタマイズされた内容に従って動作し、利用者端末101のブラウザを介して処理が行われ、ログイン時にサービス提供企業3毎、切り替わった画面が提供される構成になっている。
また、本実施形態の旅費システムは、サービス利用企業1の基幹システム10における会計システム、およびサービス提供企業3の各サービス提供サーバ30、31、32と連携して動作する。更に、各サービス提供サーバ30、31、32とは、Webサービスによる統一接続規格を用いてデータ交換を行う。ここでは、その統一規格として、Webサービス同士の連携をはかるためのメッセージ交換やリモートプロシージャの呼手順、つまりRPC(Remote Procedure Call)をXML(eXtended Markup Language)ベースで行うSOAC(Simple Object Access Control)が用いられる。なお、サーバとの語は、請求項の例えばサービス提供装置等に相当する。また、Webとの語は、請求項のネットワークに相当する。
【0017】
図3は、図2に示すBSPサーバ20(旅費システム)の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
本実施形態の旅費システムは、通信インタフェース部21と、ポータル管理部22と、メタ情報格納部23と、動作状態切替え制御部24と、業務処理部25と、メタ情報登録部26と、メタ情報更新部27と、旅行会社連携部28と、カード会社連携部29と、保険会社連携部50と、基幹システム連携部51で、主として構成される。
【0018】
通信インタフェース部21は、IP網40を介して接続されるサービス利用企業1の基幹システム10と、サービス提供企業3の各サービス提供サーバ30、31、32とのインタフェースを司るものであり、ここではIP網40を介して接続されるため、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)の制御手段が実装されることとする。
ポータル管理部22は、ログイン時の利用者認証を行い、ログインした利用者の権限属性に従って利用可能な業務メニューの表示を行う機能を持つ。
ポータル管理部22は、更に、自分宛てのメッセージにより、上長による承認過程の出張案件の管理を行うメッセージテーブル(Inbox221)と、自身の出張案件に関するトランザクションを、少なくとも手配中や精算中の各申請状態を含むステイタスにより管理し、手配や精算にかかわる申請処理や上長承認を行うことによって更新されるステイタス管理を行うメッセージテーブル(Outbox222)とを管理する。
【0019】
一方、メタ情報格納部23には、少なくとも利用者の個人属性、権限属性、利用者が属するサービス利用企業1の出張旅費制度からなるメタ情報が格納される。
メタ情報格納部23に格納されるメタ情報は、システム運用者であるコーディネータによってメタ情報登録部26を介してシステム構築時に設定登録され、システム運用時、メタ情報更新部27によって更新される。メタ情報格納部23のディレクトリ構造を図4に示す。
【0020】
メタ情報格納部23に格納されるディレクトリを機能別に大別すれば、利用者系ディレクトリ231と、実行権限系ディレクトリ232と、サービス系ディレクトリ233と、システム系ディレクトリ234に区分される。
利用者系ディレクトリ231は、「利用者」、「利用者コンセプト」、「組織」、「会社」、「会社コンセプト」、「人事(HR)組織」、「人事(HR)組織コンセプト」、「会計(AC)組織」、「会計(AC)組織コンセプト」からなる。会社コンセプト、人事組織コンセプト、会計組織コンセプトは、リンク条件で複数のコンセプトを持つことができ、事業所毎に異なる出張旅費制度を持つ企業のための配慮がなされている。
「利用者」は利用者情報が設定されるディレクトリであり、氏名、社員番号、所属組織、職位、職位名、職名コード、職名ならびに役割情報(ロール)を持つ。「利用者コンセプト」は利用者によって定義されるディレクトリであり、承認者、代理者、連絡先(電話番号、FAX番号、住所)、在勤場所(駅名等、手配時、精算時に参照される)、デフォルト画面内容、支払方法等が設定される。「組織」は、組織の基本情報であり、利用者と会社、人事組織、会計組織をリンクさせる。ここでは、組織名称、組織所在地、所属会社、所属人事組織、所属会計組織がディレクトリ情報として設定される。
【0021】
「会社」は、会社情報が設定されるディレクトリであり、会社名称、会社所在地、住所、電話番号が、「会社コンセプト」は、会社単位に定義されるディレクトリ情報であり、仕訳種別、選択サービス(サービス提供会社の取捨選択)、選択業務ロジック(定額、実費等)、承認ルート、支払方法等がディレクトリ情報として設定される。
「人事(HR)組織」は、人事上の組織が設定されるディレクトリであり、「人事(HR)組織コンセプト」は、人事組織毎に決定されるディレクトリ情報であり、代表利用者、事務処理担当利用者、旅費区分、手配送付場所(個人または組織)等がディレクトリ情報として設定される。また、「会計(AC)組織」は、原価上の組織が設定されるディレクトリ情報であり、「会計(AC)組織コンセプト」は、会計組織毎に決定される内容であり、負担部門、振替えコード等がディレクトリ情報として設定される。
【0022】
実行権限系ディレクトリ232は、ここでは「会社権限」と、「会社プログラム情報」からなる。「会社権限」は、会社の業務適用範囲や管理会社を示し、管理を行う会社の会社コード、系列会社コード、稼動可能業務一覧、データ受け渡しの方法等がディレクトリ情報として設定される。
「会社プログラム情報」は、会社毎にカスタマイズされるプログラム稼動方法についての情報が設定され、ここでは、実行権限、カスタマイズした業務メニュー、カスタマイズの内容、カスタマイズ後の画面がディレクトリ情報として設定される。
【0023】
サービス系ディレクトリ233は、ここでは「サービス会社」と「サービス会社コンセプト」からなる。「サービス会社」は、サービスを提供するサービス提供企業の一覧からなり、ここでは、サービス種別、サービス範囲、サービス適用範囲(利用者の会社、場所)、サービス適用除外範囲(適用除外の企業、場所を設定)がディレクトリ情報として設定される。
システム系ディレクトリ234は、ここでは「業務情報」と「プログラム情報」からなる。「業務情報」には、業務プログラムの稼動方法についての情報が設定され、「プログラム情報」には、プログラムステップ毎の実行情報が設定され、使用する基本ロジック、デフォルト画面、プログラム仕訳IDがディレクトリ情報として設定される。
【0024】
説明を図3に戻す。動作状態切替え制御部24は、ポータル管理部22で利用者認証が得られた後、メタ情報格納部23に格納されたメタ情報に基づき、サービス利用企業1毎に動作状態を切替え、必要なメタ情報を業務処理部25へ引き渡す機能を持つ。
また、業務処理部25は、業務メニューが利用者によって選択されたときに、Webサービス(ここでは前記したSOAP)を用い、サービス提供企業3と連携してその業務メニューに従う出張旅費精算サービスならびに関連するサービスを提供する機能を持つ。
【0025】
一方、旅行会社連携部28は、利用者が手配申請時に利用者端末101を操作することにより生成されるユニークな(固有の)手配申請番号と、出張に必要なチケット等の発注データを受信し、旅行会社のサービス提供サーバ30との間でチケット等の入手に必要な処理を行う機能を持つ。
旅行会社連携部28はまた、利用者端末101と旅行会社のサービス提供サーバ30との間に、チケットの手配に関してメッセージ交換を行わせるチャット環境を提供するチャット環境提供部281を備え、記録を残すことにより手配に関して生じる連絡ミス等によるトラブルを回避している。
【0026】
また、カード会社連携部29は、クレジット会社のサービス提供サーバ31から申請番号に基づくカード利用明細データを受信し、利用者もしくは利用者が属するサービス利用企業1の登録銀行口座からカード利用料金引き落としのための処理を行う機能を持つ(公費請求・私費引落し)。
カード会社連携部29はまた、クレジットカード会社のサービス提供サーバ31から送信されるカード利用明細のそれぞれについて、利用者端末101を介して利用者に対し公費、私費の別を示す公私分離情報の入力を促し、利用者端末101を介して入力され、取込まれた公私分離情報に基づき、公費請求、私費引き落としの処理を行う公私分離機能制御部291を備え、私用カード立替え分の精算を容易にならしめている。(BSPサーバは、公費は請求し、私費は引き落とし)
【0027】
保険会社連携部50は、利用者が手配申請時に利用者端末101を操作することにより生成される保険加入に基づく申請データをサービス提供サーバ32により受信して保険加入手続きのための処理を行うと共に、利用者に対して申請番号に基づく出張に対して保険料負担請求の通知を発行する機能を持つ。
基幹システム連携部51は、利用者端末101を介してサービス利用企業毎の勘定科目のマスタファイルを取込み、手配申請番号毎、出張に要した費用を取込んだ勘定科目毎に仕訳してそのデータを送信する機能を持つ。
【0028】
図5は、本実施形態における旅費システム(手配・精算サービス提供方法)の動作を説明するために引用した図であり、利用者端末101、BSPサーバ(旅費システム)20、旅行会社/カード会社/保険会社の各サービス提供サーバ30、31、32、サービス利用企業内における企業内基幹システム10(会計システム)間の動作シーケンスが示されている。
以下、図5に示す動作シーケンス図を参照しながら本実施形態における旅費システムの概略動作について説明する。
【0029】
サービス利用企業に在籍する出張者となるシステムの利用者は、利用者端末101を操作することにより、まずBSPサーバ20にログインして出張のための申請入力を行う(S51)。
この申請入力の中には少なくとも航空チケットや宿泊チケットの手配・発注に関する依頼が含まれており((1))、これを受信した旅費システム20は、チケットやT/C(トラベラーズチェック)等の手配データを作成して旅行会社サーバ30に手続きのための依頼を行う((2))。
【0030】
ここで特徴的なことは、旅費システム(BSPサーバ)20は、利用者端末101と旅行会社のサービス提供サーバ30との間にブラウザを使ったチャットによるメッセージ送受信環境を提供することである((3))。ここでは、チャットの実現形態として、伝言板とリアルタイムチャットが提供される。前者は、相手側がチヤット画面を開いていないときに書き込んだメッセージは、未読メッセージとして表示されるものであるのに対し、後者は、利用者とサービス提供者が同時刻にシステムにログイン済みであり、旅行会社のサービス提供者が利用者と同じ手配データのチャット画面を表示している場合に行うリアルタイムメッセージ交換である。
このことにより、チャット上の会話によって手配が行われ、その間の両者の会話が通信記録として残る。これにより、利用者と旅行会社間の意志の疎通がはかれ、手配に関するトラブルの解消をはかっている。
【0031】
ここで、旅行会社は申請に基づくチケット等の手配を行い、また、T/C等を準備して申請のあったサービス利用企業1の利用者に引き渡す((4))。併せて、企業内基幹システム10に対して手配データの送信を行い((7))、サービス利用企業の基幹システム10(会計システム)に対して、出金手続き等の会計処理、および支払の手続きを促す。
なお、前記した申請入力の中には保険加入申請も含まれ((5))、旅費システム20は、利用者の保険加入申請入力に基づき保険加入のための保険データを作成して保険会社のサービス提供サーバ32へ送信する((6))。
【0032】
なお、利用者は、チケットの引き渡しを受け取る前に管理者である上長から出張の承認を得てあるものとし、企業内の会計担当者から仮払いを得て出張の運びとなる。仮払いの手続きについては従来の企業内での手続きと同様であるため説明を省略する。
そして、利用者は、出張のスケジュールを消化して帰着後、精算申請のための精算入力を行う(S52)。このとき、BSPサーバ20は、利用者が帰着後の精算入力を受信すると共に、カード会社のサービス提供サーバ31から本出張に関し当該利用者により使用されたカードの利用明細データが送信されている((9))。そこで、BSPサーバ20は、利用者端末101を介して利用者からカード利用明細のそれぞれの使途に関する公費、私費の公私分離情報の入力((10))を得てカード決済を行う。
【0033】
このことにより、カード会社のサービス提供サーバ31は、基幹システム10を介してサービス利用企業1に対し公費請求のための手続きを行い((11))、また、利用者端末101を介して利用者に対し私費に対する口座引き落とし通知を発行する((12))。
一方、保険会社のサービス提供サーバ32に対し精算入力の中に含まれる帰着データが提供されており((13))、その消化スケジュールに従って本件出張に関する保険料請求が行われる((14))。保険料請求について、会社負担分については基幹システム10へ、個人負担分については、利用者端末101を介して一般利用者に対して給与天引きのための控除通知がなされる((15))。基幹システム10は、この請求に基づき会計処理を行い、出金手続き、および支払い手続きを行う((16))。
【0034】
なお、BSPサーバ20は、基幹システム10に対してバッチで仕訳データを送信しており((17))、サービス利用企業1は、この仕訳データに基づき請求の確認を行い、出金手続きを行う。
仕訳は、ディレクトリ情報として登録された会社コード、仕訳種別、プログラム仕訳IDにより、経理データベースに登録されている仕訳項目をバッチによりトランザクションに出力する。
仕訳データの作成手順を図10の表に簡略化して示している。ここでは、前記した精算の結果、実費1000円、固定費1500円を要したものとし、この内、100円が個人的費用(自費)であり、300円仮払いしてあった場合を例示している。このときの仕訳データを(a)に、トランザクションを(b)に示す。このとき(c)に示す仕訳を生成し、結果として、基幹システム10に送信される仕訳は(d)に示すようになる。
【0035】
図6〜図8は、本実施形態の旅費システムの動作を説明するために引用したフローチャートであり、図3に示すポータル管理部22、業務処理部25、動作状態切替え制御部24のそれぞれの動作が示されている。すなわち、図6〜図8は、本実施形態における手配・精算プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
また、図11〜図23は、利用者端末のブラウザを介して表示される画面構成の一例を示す図であり、ポータル画面(図11)、受信案件(Inbox)画面(図12)、送信案件(Outbox)画面(図13)、申請情報入力画面(図14)、精算内容登録画面1〜5(図15〜図19)、手配・精算一覧画面(図20)、承認待ち一覧画面(図21)、部下状況一覧画面(図22)、受付手配一覧画面(図23)のそれぞれを示す。
以下、図6〜図23を参照しながら本実施形態の旅費システムの動作について詳細に説明する。
【0036】
まず、図6に示すフローチャートを参照しながらポータル管理部22によるポータル画面制御から説明する。
BSPサーバ20は、利用者端末101からログイン要求を受信し(S601)、ポータル管理部22で利用者認証を行う(S602)。ポータル管理部22では、単なる利用者認証の他に、利用者の権限認証も行い、ログインした利用者の権限属性により使用可能なメニューを表示する(S603)。
図11に示されるポータル画面は、Inbox、Outbox、出張申請手配等の業務メニューからなる。ここで、Inboxは、各個人当てに発信されるメッセージを管理するテーブル221(図3参照のInbox)であり、ここで、承認過程の管理を行うものとする。Inboxに登録されたメッセージの一覧画面は、図12に一例として示されている。
【0037】
図11のOutboxは、自分(個人)に関する案件の手配、精算の基本的ステイタスの管理を行うテーブル222(図3参照のOutbox)であり、個人の出張に関するトランザクションを図9に示すステイタスによって管理する。ここでは、ステイタスとして、「手配保留」、「手配申請」、「精算保留」、「手配戻入」、「精算申請」、「処理済」の6つが存在し、手配や精算の申請処理を行うことによってこのステイタスが遷移して更新されるものとする。Outboxには、入力した手配と精算の各案件についてのメッセージが格納され、また、一覧表示され、図13にその一例が示されている。
【0038】
図11の業務メニューとして、ここでは「出張申請手配」、「国内外旅費精算(海外旅費精算)」、「経費精算」、「戻入」が用意されている。
なお、Inbox、Outboxを除き、提供される業務メニューは、一般利用者以外のユーザ(管理者、制度管理者、会計担当者、サービス提供担当者、サービス提供管理者、コーディネータ、システム管理者)の役割毎に異なるものとし、ここでは、一般利用者のポータル画面が例示されている。従って、ポータル管理部22は、一般利用者以外のユーザからのログイン要求も受付け、その権限認証を行うこととする。
【0039】
説明を図6のフローチャートに戻す。ステップS603において、一般利用者は、図11に示されるポータル画面に表示される業務メニューの中から海外出張に際し、「出張申請手配」メニューを選択クリックする(S604において業務メニューを選択、かつS605において申請を選択)。このことにより、図15〜図18に示される申請手配画面が表示され、利用者はその画面に従い、順次必要項目の入力を行う。
ここで、本実施形態では、出張前の申請手配画面(S606において表示される画面)は、出張後(帰着後)の精算画面(S607において表示される画面)と共通に用いられることとし、(1)図15の基本情報、(2)図15の同伴者情報、(3)図15の仕訳情報、(4)図15の手配内容、(5)図16のカード使用情報、(6)図17の日程、(7)図18の手当てに関する情報、(8)図18の実費情報の各入力テンプレートからなる。そのうち、一般利用者は、出張申請手配時、利用者端末101を操作することによって(1)、(2)、(4)および(6)のテンプレートについての入力を行う。また、帰着後に「海外旅費精算」メニューを選択クリックした場合(S605において精算を選択した場合)は、図14に示す海外旅費精算画面が表示され、その後、申請時に入力した項目(図15〜図19)が同じように表示される。そこで、出張申請手配時に入力済みの項目に、更に、前記した(3)、(5)、(7)および(8)のテンプレートに関する情報を入力し、また、既入力の(1)、(2)、(4)および(6)に関するテンプレートの中でも申請時に入力できなかった項目について補足入力を行う。
【0040】
ここで入力された項目は、ポータル管理部22を介して業務処理部25によって取込まれ(S608)、後記する申請、精算のための処理が行われる(S609)。
一方、Inboxには、サービス提供者との交渉内容(手配データの受け渡し)、上長である管理者からの承認差し戻し、部下からの承認要求(管理者のみ)、新規サービス提供者の追加等コーディネヘタからのメッセージ(制度管理者のみ)、新規代理店追加、出張管理制度変更等制度管理者からのメッセージ、メンテナンスによる運用停止等のシステム管理者からのメッセージが格納され、表示される。
Outboxには、入力した手配と精算の各案件が格納され、表示される。図11に示されるように、Inbox、Outbox共に、ポータル画面では件数表示のみとし、新着情報がある場合はその旨表示することとする。
【0041】
ここで、一般利用者が図11に示されるポータル画面から受信案件(Inbox)を選択した場合(S604においてメール送受信を選択、かつS610においてInboxを選択した場合)、図12に示される受信案件画面が表示され、ここでは着信メッセージの一覧表示がなされる(S611)。
一般利用者は、着信メッセージ中のサービス提供者からの手配情報、部下からの承認待ち案件、上長からの差し戻し案件についてメッセージを選択して画面に貼付けられた詳細ボタンをクリックすることで(S613においてYes)その詳細を見ることができ、各関連業務を実行することができる(S615)。ここでは業務処理部25による承認処理を起動することができる。
一方、送信案件(Outbox)を選択した場合(S604においてメール送受信を選択、かつS610においてOutboxを選択した場合)、図13に示される送信案件画面が表示され、ここでは、申請、精算のために入力した案件毎のステイタス(手配中、精算保留、処理済み等)の一覧表示がなされる(S612)。そして、案件を選択して各案件毎右端に割付けられてあるボタン(手配、精算、戻入他)の選択操作を行う(S614においてYes)ことにより、業務処理部25による申請、精算処理を起動することができる(S609)。
【0042】
なお、図示しないが、サービス提供者のためのポータル画面も存在し、この場合、Inboxにはサービス利用企業1の一般利用者からの手配情報が表示され、この手配情報を選択することで手配内容の修正を行うことができる。また、Outboxでは、一般利用者に対して送信した手配情報の詳細を表示することができる。
【0043】
次に、図7に示すフローチャートを参照して業務処理部25により実行される手配、精算に関する業務処理ルーチンについて詳細に説明する。
業務処理部25は、ポータル管理部22を介し、一般利用者によって図15〜図19に示される画面を使って入力される手配や精算に関するデータを取込む(S701)。そして、これらデータがチケット等の手配に関するものであれば(S702)、旅行会社連携部28による制御の下、サービス提供サーバ30と連携してWebサービスによる旅程情報の共有を行う(S703)。
そして、チャット環境提供部281により一般利用者とサービス提供者との間にチャットによるメッセージ送受信環境が提供されることにより対話の内容が記録され(S704)、その手配状況はその一般利用者のInbox221/Outbox222に反映される(S705)。チャットによる手配記録とInbox221/Outbox222への反映の各ステップは、手配回答がなされ両者の意志統一がはかれた後、手配を終了するまで繰り返される(S706)。チャットによる手配記録は、手配キャンセル、承認キャンセル、あるいは精算済みとなったときに削除される。
【0044】
一方、S702の判断処理でカード決済であった場合、カード会社連携部29による制御の下、業務処理部25は、クレジットカード会社のサービス提供サーバ31と連携してWebサービスによるカード明細データの受信を行う(S707)。ここで受信されるカード明細データは、一般利用者が出張に際しカード決済した全ての項目が含まれるものである。
業務処理部25は、カード明細データを受信後、精算入力時に一般利用者によって入力される公私分離情報(S708)に基づき、私用カードによる立替え分をカード会社のサービス提供サーバ31へ送信する(S709)。一般利用者によって入力される公私分離情報を含むカード使用情報の入力様式は図16に示されている。一般利用者により各項目毎、公費、私費の別が入力され、これら入力項目を取込んだ業務処理部25が公私分離情報を作成し、サービス提供サーバ31へ送信するものである。なお、使用カードが個人用カードでなく、コーポレートカードであった場合は、ここでの処理は省略される。
【0045】
また、S702の判断処理で保険加入に関するものであったことが確認されると、保険会社連携部50による制御の下、業務処理部25は、保険会社のサービス提供サーバ32と連携してWebサービスによる旅程情報の共有を行う(S710)。そして、保険加入手続きを行うべくInbox/Outboxによる交信を行う(S711)。そして、帰着時に詳細日程を再度、Inbox/Outboxを用いて通知することにより実際の保険料の算定が行われる(S712、S713)。
【0046】
なお、旅行会社、クレジットカード会社、保険会社共に(サービス提供企業3は)、一般利用者が出張に際して要した費用を費用請求通知としてBSPサーバ20へ送信する。業務処理部25は、その費用請求を受付け(S714)、サービス利用企業別に、更に、申請番号毎に仕訳データを作成し、企業別の基幹システム10へFTP(File Transfer Protocol)を用いて送信する(S715)。仕訳データの作成手順については図10を用いて説明した通りであり、ここで、サービス利用企業1は会社コードとして示され、更に、各項目には申請番号が付与され、出張に要した費用をあらかじめ取込んだ勘定科目毎に仕訳してそのデータが送信される。
このことにより、サービス利用企業1は、自身で持つ会計システムを変更することなく、その会計システムにリンクしたファイルフォーマットで出張経費を確認することができ、出金手続き、支払手続き等が可能となる。
【0047】
次に、図8に示すフローチャートを参照しながら動作状態切替え制御部24の処理手順について詳細に説明する。
動作状態切替え制御部24の処理に先立ち、システム構築時に、サービス利用企業1から各種マスタデータの取込みが行われる(S801)。個人情報マスタ、組織マスタ、取引先マスタ、銀行マスタ、口座マスタ、勘定科目マスタ等である。そして、コーディネータによるシステム定義がなされ、サービス利用企業別のメタ情報の設定、サービス提供企業の登録等がなされ、ディレクトリ情報としてメタ情報格納部23に格納されているものとする(S802)。以上は、図4に示すディレクトリの構造で説明したとおりである。
【0048】
ポータル管理部22による利用者認証の後(S803)、動作状態切替え制御部24は、本実施形態システムを認証の結果得られるサービス企業用にカスタマイズする。具体的には、図4に示されるA企業用のディレクトリをメタ情報格納部23から読み出し、BSPサーバ20の主記憶装置(図示せず)に常駐させる(S804)。このことにより、A企業用のサービスが可能になる。もし、利用者認証の結果、B企業からの要求であれば再度メタ情報の入替えを行い、システムをB企業用にカスタマイズすることになる。
【0049】
一方、システム運用中に認証されたサービス利用企業から、組織変更、出張旅費制度の改定、事業再編等に伴うディレクリの更新要求があった場合(S805)、動作状態切替え制御部24は、その内容に従ってディレクトリの設定を変更して(S806)メタ情報格納部23に格納されるディレクトリ情報の更新を行う(S807)。
なお、組織変更等、小規模な変更については動作状態切替え制御部24が動的にディレクトリ情報の設定変更を行うこととするが、事業再編に伴うディレクトリの更新要求等大掛かりなものについては、一旦システムを停止させ、システム保守サイドで対応することになる。
このことにより、サービス利用企業1の組織変更、出張旅費制度の改定、事業再編等に影響されない柔軟なシステム構築が可能となり、従来のように、変更の都度、ソフトウェアやハードウェアの交換等大掛かりな変更を要することなく、ディレクトリ情報の変更のみで対応でき、システム利用者はもとよりシステム提供サイドの負担軽減にも貢献できる。
【0050】
ここで、説明を画面に戻し、前記したポータル画面(図11参照)から遷移する業務画面の一例について簡単に説明する。図20に、手配・精算一覧画面が例示されている。
ここでは、一般利用者が利用者端末101,…を介して入力した手配、精算についての状況一覧が表示される。この画面を介して一般利用者が案件を選択することで、各案件に対する申請入力画面を表示して修正ができるようになっている。各案件には、次に処理可能なボタンが用意され、内容を引き継いで入力ができるようになっている。
具体的に、状況欄が手配済みになっている案件については手配に対する精算入力用の「精算」ボタンと、手配が中止できるように「中止」ボタンが割付けられ表示される。また、案件欄が手配および精算の案件については類似案件の入力ができるように、「同一手配」、「同一精算」ボタンが割付けられ表示される。また画面上部には、案件、国内/海外、状況についてのチェックボックスが用意され、出力する案件の絞込みができるようになっており、更に、この画面からも手配および精算に関する新規申請入力ができるようになっている。このことにより、使い勝っての向上をはかっている。
【0051】
図21、図22に管理者用の画面が示されている。図21は、承認待ち一覧画面である。この画面には、部下からの手配および精算についての承認待ちの一覧が表示される。ここで、案件を選択することで詳細画面を表示し、承認処理を行うことができる。また、氏名欄の各社員を選択することで、選択した社員の部下状況一覧画面(図22)を表示することもできる。また、画面上部には、案件、国内/海外、状況についてのチェックボックスと社員選択のコンボボックスを用意し、出力する案件の絞込みができるようになっている。
図22は、部下状況一覧画面である。ここでは、指定した部下の手配および精算における各案件状況の一覧が表示される案件を選択することで各案件の詳細画面を表示して参照ができるようになっている。また、画面上部には、案件、国内/海外、状況についてのチェックボックスを用意し、一覧表示する案件の絞込ができるようになっている。
【0052】
図23に、受付手配一覧画面が示されている。ここでは、サービス提供者が受付けた手配から、手配中のものを一覧表示する。案件を選択することで各案件の詳細画面を表示して参照ができるようになっている。
初期表示では、サービス担当者の受付け手配分のみ表示するが、検索範囲を指定することで支店内、地域グループ内、会社全体と表示の変更ができるようになっている。また、一覧表示する案件は、表示案件の絞り込みを可能とし、例えば、国内/海外、期間、社員あるいは会社、使用交通機関、使用キャリア、使用カード会社、店舗(会社全体、同一地域、支店、担当者)、状況等による絞込みを可能とする。
【0053】
以上説明のように本実施形態は、従来の企業内システムの旅費システム(旅費処理システム)が提供していた機能を旅費精算関連業務と共にシームレスに企業向けサービスとして実現するものであり、また、チケットの手配、保険加入等、出張に関連したサービスを旅行会社やクレジットカード会社、あるいは保険会社等外部と連携して付加サービスとして実現するものである。
なお、本実施形態においては、海外出張のみ例示したが、国内出張においても同様に適用可能である。また、本実施形態によれば、ポータル画面として利用者サイドの画面(図11参照)のみ示したが、サービス提供サイドにおいても類似の画面を用い、Inbox、Outboxを用いて意志疎通をはかりサービス提供を行うものであり、それぞれで利用する業務メニューが異なるのみである。
【0054】
また、図3に示される通信インタフェース部21と、ポータル管理部22と、動作状態切替え制御部24と、業務処理部25と、メタ情報登録部26と、メタ情報更新部27と、旅行会社連携部28と、カード会社連携部29と、保険会社連携部50と、基幹システム連携部51と、チャット環境提供部281と、公私分離機能制御部291のそれぞれで実行される手順をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読込ませ、実行することにより、本実施形態の旅費システムを実現するものとする。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0055】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、サービス提供企業はサービス利用企業の従業員をビジネスターゲットとすることができ、また、サービス利用企業の従業員は、これらサービス提供企業を選択して利用することができ、融通性の高いサービスを享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の旅費システムを実現するビジネスモデルならびにその利用主体を説明するために引用した図である。
【図2】 本発明の実施形態の旅費システムが接続される通信インフラストラクチャを説明するために引用したシステム構成図である。
【図3】 図2に示すBSPサーバ(旅費システム)の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
【図4】 図2に示すメタ情報格納部に格納されるメタ情報のディレクトリ構造を示す図である。
【図5】 本発明の実施形態の旅費システムの概略動作を示す動作シーケンス図である。
【図6】 本発明の実施形態の旅費システムの動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図7】 本発明の実施形態の旅費システムの動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図8】 本発明の実施形態の旅費システムの動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図9】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられるステイタスの遷移を説明するために引用した図である。
【図10】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる仕訳データの作成手順を説明するために引用した図である。
【図11】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成(ポータル画面)の一例を示す図である。
【図12】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例を示す図である。
【図13】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例を示す図である。
【図14】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例を示す図である。
【図15】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例を示す図である。
【図16】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例を示す図である。
【図17】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例を示す図である。
【図18】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例を示す図である。
【図19】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例を示す図である。
【図20】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例(手配・精算一覧画面)を示す図である。
【図21】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例(承認待ち一覧画面)を示す図である。
【図22】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例(部下状況一覧画面)を示す図である。
【図23】 本発明の実施形態の旅費システムにおいて用いられる画面構成の一例(受付手配一覧画面)を示す図である。
【符号の説明】
1…サービス利用企業、2…システム運用者(BSP)、3…サービス提供企業、10…企業内基幹システム、20…BSPサーバ(旅費システム)、30、31、32…サービス提供サーバ、101…利用者端末、21…通信インタフェース部、22…ポータル管理部、23…メタ情報格納部、24…動作状態切替え制御部、25…業務処理部、26…メタ情報登録部、27…メタ情報更新部、28…旅行会社連携部、29…カード会社連携部、50…保険会社連携部、51…基幹システム連携部、281…チャット環境提供部、291…公私分離機能制御部
Claims (2)
- 旅行に関するサービスの利用者が操作する利用者端末及び前記利用者が属するサービス利用企業の情報処理を行う利用者サーバ装置を含んでなるサービス利用側システムと、
前記利用者の旅行に関するサービスを提供するサービス提供サーバ装置を含んでなるサービス提供側システムと、に対しネットワークを介して接続され、
前記サービス利用側システムにおける旅行に関する処理及び前記サービス提供側システムにおける前記旅行に関する処理を支援する旅費システムであって、
前記旅費システムの記憶部は、
利用者情報が設定される利用者ディレクトリと、
前記利用者が属する前記サービス利用企業の会社情報が設定される会社ディレクトリと、
前記サービス利用企業の出張旅費制度に関する旅費処理の会社コンセプトの情報が設定される会社コンセプトディレクトリとを、
前記利用者ディレクトリから前記会社ディレクトリを経由して前記会社コンセプトディレクトリに繋がるディレクトリのツリー構造として格納するメタ情報格納部を備え、
前記旅費システムの制御部は、
前記利用者端末を介して、前記利用者のログインを受信すると、
前記利用者の認証を行い、
あわせて、認証の際の利用者の認証情報を起点に、前記メタ情報格納部における前記ディレクトリのツリー構造をたどることで特定される、前記利用者ディレクトリ、前記会社ディレクトリ、及び前記会社コンセプトディレクトリから、それぞれ、前記利用者情報、前記会社情報、及び前記旅費処理の会社コンセプトの情報を取得し、
前記取得した情報に基づいてシステムの動作状態を、認証された利用者が属するサービス利用企業に応じたものに切り替え、
前記切り替えた動作状態に従って、前記サービス利用企業の出張旅費制度に対するリンク情報を含むメニュー画面を前記利用者端末に表示させ、
前記切り替えた動作状態に従って、
前記表示させたメニュー画面を介して前記利用者端末から旅費の精算入力の要求があると、前記サービス提供サーバ装置に記憶されている、前記利用者が行った出張に関して前記利用者により使用されたカードの利用明細を取得し、
前記取得したカードの利用明細に関して、当該カードの利用明細のそれぞれの使途に関する公費・私費の公私分離情報を前記利用者に入力させる入力画面を前記利用者端末に送信して表示させ、
前記表示させた入力画面を介して前記利用者が入力した前記公私分離情報を前記利用者端末から取得し、
前記取得した公私分離情報に基づいて、前記カードの利用明細データのうち、公費の部分は公費請求処理が可能なように、私費の部分は私費引き落とし処理が可能なように、公私分離した明細の情報を前記サービス提供サーバ装置に送信する処理を行い、
前記公費分については、前記利用者端末に表示させた入力画面を介して勘定科目を入力させ、
前記表示させた入力画面を介して入力された公費分の勘定科目を受信すると、
公費分の金額が、勘定科目が同一である複数の金額に分かれている場合は、その金額を勘定科目毎に集計した仕訳データを作成し、前記利用者サーバ装置に送信する、
ことを特徴とする旅費システム。 - 旅行に関するサービスの利用者が操作する利用者端末及び前記利用者が属するサービス利用企業の情報処理を行う利用者サーバ装置を含んでなるサービス利用側システムと、
前記利用者の旅行に関するサービスを提供するサービス提供サーバ装置を含んでなるサービス提供側システムと、に対しネットワークを介して接続され、
前記サービス利用側システムにおける旅行に関する処理及び前記サービス提供側システムにおける前記旅行に関する処理を支援する旅費システムを用いた手配・精算サービス提供方法であって、
前記旅費システムの記憶部は、
利用者情報が設定される利用者ディレクトリと、
前記利用者が属する前記サービス利用企業の会社情報が設定される会社ディレクトリと、
前記サービス利用企業の出張旅費制度に関する旅費処理の会社コンセプトの情報が設定される会社コンセプトディレクトリとを、
前記利用者ディレクトリから前記会社ディレクトリを経由して前記会社コンセプトディレクトリに繋がるディレクトリのツリー構造として格納するメタ情報格納部を備え、
前記旅費システムの制御部は、
前記利用者端末を介して、前記利用者のログインを受信すると、
前記利用者の認証を行い、
あわせて、認証の際の利用者の認証情報を起点に、前記メタ情報格納部における前記ディレクトリのツリー構造をたどることで特定される、前記利用者ディレクトリ、前記会社ディレクトリ、及び前記会社コンセプトディレクトリから、それぞれ、前記利用者情報、前記会社情報、及び前記旅費処理の会社コンセプトの情報を取得し、
前記取得した情報に基づいてシステムの動作状態を、認証された利用者が属するサービス利用企業に応じたものに切り替え、
前記切り替えた動作状態に従って、前記サービス利用企業の出張旅費制度に対するリンク情報を含むメニュー画面を前記利用者端末に表示させ、
前記切り替えた動作状態に従って、
前記表示させたメニュー画面を介して前記利用者端末から旅費の精算入力の要求があると、前記サービス提供サーバ装置に記憶されている、前記利用者が行った出張に関して前記利用者により使用されたカードの利用明細を取得し、
前記取得したカードの利用明細に関して、当該カードの利用明細のそれぞれの使途に関する公費・私費の公私分離情報を前記利用者に入力させる入力画面を前記利用者端末に送信して表示させ、
前記表示させた入力画面を介して前記利用者が入力した前記公私分離情報を前記利用者端末から取得し、
前記取得した公私分離情報に基づいて、前記カードの利用明細データのうち、公費の部分は公費請求処理が可能なように、私費の部分は私費引き落とし処理が可能なように、公私分離した明細の情報を前記サービス提供サーバ装置に送信する処理を行い、
前記公費分については、前記利用者端末に表示させた入力画面を介して勘定科目を入力させ、
前記表示させた入力画面を介して入力された公費分の勘定科目を受信すると、
公費分の金額が、勘定科目が同一である複数の金額に分かれている場合は、その金額を勘定科目毎に集計した仕訳データを作成し、前記利用者サーバ装置に送信する、
ことを特徴とする手配・清算サービス提供方法。
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