JP4335045B2 - 無機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び無機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

無機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び無機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、平型ディスプレイ装置や面光源等において用いられる無機エレクトロルミネセンス素子、及び、その製造方法に関する。
蛍光体に電圧を印加することにより該蛍光体が発光する現象、所謂、エレクトロルミネセンス(electroluminescence:EL)が1936年に発見されて以来、そのような蛍光体を面光源や画像表示装置(ディスプレイ装置)に応用するために多くの研究開発が行われており、これまでにも様々なEL素子の構成が提案及び検討されてきた。例えば、特許文献1には、交流で駆動する分散型EL素子(図1)及び薄膜型EL素子(図2)が記載されている。
分散型EL素子とは、基板上に、電極、蛍光体粒子が誘電体材料によって分散支持されている発光層、絶縁層等を積層させたものである。例えば、ZnS:Cu等の蛍光体粒子を含む発光層と絶縁体厚膜とが積層された交流駆動型の分散型EL素子は、液晶ディスプレイのバックライト光源や看板等に用いられている。また、特許文献1には、従来よりも高い発光取り出し率等を実現するために、発光層として多層構造粒子を用いた分散型EL素子が開示されている(図3−6)。
一方、薄膜型EL素子とは、基板上に、電極、蛍光体薄膜から成る発光層、絶縁層を積層させたものである。現在では、輝度特性や安定性の観点から、絶縁体薄膜を挿入した交流駆動型の薄膜EL素子が、各種のディスプレイ装置に適用され、実用に供されている。
図5は、二重絶縁層構造薄膜EL素子の基本構造を示す断面図である。このEL素子は、多層薄膜構造を有しており、透明ガラス基板21と、該基板21上に形成されたITO(indium tin oxide)等の第1の透明電極22と、第1の薄膜絶縁層23と、ZnS:Mn等のエレクトロルミネセンスを呈する蛍光体薄膜からなる薄膜発光層24と、第2の薄膜絶縁層25と、Al薄膜等の第2の電極26とを含んでいる。第1及び第2の絶縁層は、Yや、Taや、Alや、Siや、BaTiOや、SrTiO等を含む透明誘電体薄膜であり、スパッタリングや蒸着等の方法によって形成されている。このような絶縁層は、発光層内を流れる電流を制限し、EL素子の動作の安定性や発光特性の改善に寄与すると共に、湿気や有害なイオン等の汚染から発光層を保護し、EL素子の信頼性を改善するためのものである。なお、絶縁層の役割は、基本的には分散型EL素子においても同様である。
このようなEL素子においては、実用上、いくつかの問題点がある。第1に、素子の絶縁破壊を広い面積に渡って皆無にすることは困難であるので、歩留まりが低くなってしまう。第2に、絶縁層に電圧が分割印加されるので、発光に必要な素子に印加される駆動電圧が高くなってしまう。
これらの問題点の内、素子の絶縁破壊については、絶縁耐圧特性の良好な材料を採用することが望まれる。また、発光するための駆動電圧については、絶縁層への印加電圧の分割を少なくするために、なるべく絶縁層の容量を大きくすることが望まれる。特に、交流駆動型の無機EL素子においては、発光層内を流れる電流の内の発光に寄与する分は、絶縁層の容量にほぼ比例する。そのため、絶縁層の容量を大きくすることにより、駆動電圧を低下させると共に、発光輝度を高くすることができる。従って、絶縁層としては、絶縁耐圧が高く、容量の大きいものが求められる。
ところで、絶縁層材料の良好さを示す指標として、誘電率εと絶縁破壊電界Ebdの積によって求められる性能指数ε・Ebd値が広く採用されている。実用的なEL素子においては、絶縁層の性能指数ε・Ebd値は、少なくとも、ZnS発光層の性能指数ε・Ebd値の約3倍の値が要求されている(非特許文献1参照)。ここで、絶縁破壊電界Ebd値が非常に大きい絶縁体物質であれば、仮に、誘電率εが小さくても、非常に薄い膜厚にして使用することにより、絶縁層の容量を大きくすることは可能である。しかしながら、実際には、ディスプレイ装置や面光源としては広い面積が要求されるため、そのような面積に渡って微小な汚れや微粒子の付着等の欠陥を皆無にすることは、極めて困難である。そのため、例えば、数100Å以下の膜厚を有する絶縁層を採用することはできない。
このような観点から、高い誘電率を有する薄膜を採用することが検討されている。例えば、スパッタ法によって形成されたPbTiOを絶縁層として採用することにより、低電圧駆動することが試みられている(非特許文献2参照)。PbTiOスパッタ膜は、最高で190の比誘電率を有し、0.5MV/cmの絶縁耐圧を示す。しかしながら、PbTiO膜を成膜する際に、基板温度は600℃もの高温に至るので、基板として使用できる材料が限定されてしまい、実用的ではない。
さらに、比較的高い誘電率を有する絶縁層を採用した薄膜無機EL素子においては、絶縁破壊が生じた場合に、微小な破壊孔を残して破壊が完了する自己回復型の破壊とはならず、伝搬型の破壊となる傾向がある。このような傾向は、特に、ディスプレイ装置等の用途においては致命的である。
このように、性能指数ε・Ebd値の大きな薄膜絶縁層を採用しても、低電圧化、高輝度化、そして、絶縁破壊の全てに対して安定性を実現することは困難である。また、透明電極として用いられるITO膜においては、比抵抗が十分に小さくないので、ITO膜を厚くして用いる場合には、エッジ部において絶縁破壊が発生し易くなる。それを避けるためには、ITO膜を、例えば、2ミクロン以下の厚さにする必要があるが、そうすると、電気抵抗を十分に小さくすることができなくなる。そのため、大面積又は大表示画面のディスプレイ装置を実現することは困難であった。
このように、従来の薄膜EL素子においては、構成材料自体が高価であると共に、歩留まりが低く、さらに、高耐電圧の高価な駆動回路が必要とされていたので、ディスプレイ装置として価格を高価にせざるを得なかった。
このような問題点を解決するために、特許文献2には、第1の絶縁層として高誘電体厚膜を用いたEL素子を、耐熱性に優れたセラミックス基板上に形成することが開示されている。図6に示すように、このEL素子は、セラミックス基板31上と、該基板31上に形成されたPt等の貴金属からなる第1電極32と、高誘電体厚膜からなる第1絶縁層33と、ZnS:Mn等の蛍光体薄膜からなる薄膜発光層34と、薄膜第2絶縁層35と、ITO等の透明第2電極36とを含んでいる。第1絶縁層33としては、グリーンシート法によって形成されてたPb系複合ペロブスカイト等の高誘電体厚膜が用いられている。特許文献2においては、EL素子にこのような構成を用いることにより、従来のガラス基板を用いた2重絶縁層構造と比較して、安定性が増し、高輝度化、定電圧化を図っている。
しかしながら、このような素子においても、いくつかの実用上の問題がある。即ち、特許文献2におけるEL素子の製造方法においては、高誘電体厚膜を形成する際に、グリーンシート法を用いている。グリーンシート法においては、厚膜原料の粒子をバインダと混練して基板に塗布するので、乾燥後に、バインダを飛散させる必要がある。その際にポアが発生してしまい、それを抑制するには限界がある。そのため、グリーンシート法によって緻密な厚膜を形成するのは困難である。従って、耐圧という観点から、このような厚膜を絶縁層として用いることは適当でない。また、厚膜を緻密にするためには、900℃〜1000℃程度の高温で焼結する必要があるが、その際に、厚膜とセラミックス基板が反応してしまったり、厚膜とセラミックス基板との熱膨張係数の違いによって厚膜にクラックが発生するという問題もある。さらに、グリーンシート法によると、厚膜の表面に凹凸ができてしまう。これを解消するために表面を研磨したとしても、研磨面にポアが露出してしまうので、やはり、凹凸を解消することはできない。しかしながら、高誘電体厚膜からなる第1絶縁層に凹凸が存在すると、蛍光体薄膜からなる発光層が均一に形成されない。従って、発光層が絶縁破壊を起こし易くなり、無機EL素子を構成することが困難になる。
ところで、特許文献3には、セラミックス誘電体厚膜コンデンサの誘電体層を、ガスデポジション法によって形成することが開示されている。ガスデポジション法とは、材料の超微粒子をガス中に浮遊させてエアロゾル化し、噴射ノズルを介して高速で基板に噴射して堆積させる成膜方法である。また、ガスデポジション法については、非特許文献4にも詳しく記載されている。
国際公開WO02/080626(図1−6) 特公平7−44072号公報 特許第3084286号公報 ホワード(HOWARD)、「薄膜エレクトロルミネセント素子における絶縁性能の重要性(The Importance of Insulator Properties in a Thin-Film Electroluminescent Device)」、アイイーイーイートランザクションス オン エレクトロンデバイス(IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES)、1977年7月、 第ED−24巻、第7号、p.903−908 岡本(OKAMOTO)、他2名、「低閾値電圧薄膜エレクトロルミネセント素子(Low-Threshold-Voltage Thin-Film Electroluminescent Devices)」、アイイーイーイートランザクションス オン エレクトロンデバイス(IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES)、1981年6月、 第ED−28巻、第6号、p.698−702 ジャパン・ディスプレイ−'83, P.76(1983) 賀集誠一郎、他 名、「超微粒子のガス・デポジション」(真空、1992年、第35巻、第7号、P.649-653)
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、信頼性の高い無機エレクトロルミネセンス素子を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、安価なガラス基板、プラスチック基板、フィルム等にも適用することができる無機EL素子の製造方法を提供することを第2の目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明に係る無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法は、基板に、所定のパターンを有する第1の電極層を形成する工程(a)と、第1の電極層が形成された基板に向けて、平均粒径が0.1μm〜5μmであり誘電性を有する材料の粉体を、エアロゾルデポジション法を用いてノズルから噴射して、速度50m/s〜450m/sで第1の電極層に衝突させて堆積させることにより、平均結晶粒径が100nm以下であり、膜密度が90%以上である第1の絶縁層を形成する工程(b)と、第1の絶縁層の上に、エレクトロルミネセンスを呈する粒子又はその前駆体を用いて発光層を形成する工程(c)と、該発光層の上層に第2の電極層を形成する工程(d)とを具備する。
また、本発明に係る無機エレクトロルミネセンス素子は、基板と、該基板上に形成されている第1の電極層と、誘電性を有する厚膜であって、第1の電極層が形成された基板に、誘電性を有する材料の粉体を、エアロゾルデポジション法を用いて噴射して堆積させることにより形成され、平均結晶粒径が100nm以下であり、膜密度が90%以上である第1の絶縁層と、該第1の絶縁層の上に形成されたエレクトロルミネセンスを呈する発光層と、該発光層の上層に形成されている第2の電極層とを具備する。
本発明によれば、誘電性を有する材料の粉体を第1の電極層が形成された基板に向けて噴射して堆積することにより、緻密で絶縁耐圧の高い第1の絶縁層を形成することができる。従って、信頼性の高い無機エレクトロルミネセンス素子を製造することが可能になる。また、絶縁層の形成に際して、高温プロセスを用いないことも可能になるので、採用される他の構成要素の製造プロセスに対応して、安価なガラス、プラスチック、フィルム等を基板材料として用いることができる。従って、無機EL素子の製造コストを低減することが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、本願において、薄膜とは、1μm未満の厚さ、通常では、数百nm程度の厚さを有する膜のことをいう。また、厚膜とは、1μm以上の厚さ、通常では、数μm〜数十μm程度の厚さを有する膜のことをいう。
図1は、本発明の一実施形態に係る無機EL素子の構造を示す一部断面斜視図である。この無機EL素子は、基板1と、第1電極2及び第2電極6と、これらの電極の間に順に積層されている第1絶縁層3と、発光層4と、第2絶縁層5とを含んでいる。
本実施形態において、基板1はアルミナによって形成されている。この他に、基板1の材料としては、フォルステライト(2MgO・SiO)、ステアタイト(MgO・SiO)、ムライト(3Al・2SiO)、ベリリア(BeO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(Si)、炭化シリコン(SiC+BeO)、ジルコニア(ZrO)、マコール(登録商標)、ホトベール(登録商標)、マセライト(登録商標)を含むセラミックスを用いることができる。或いは、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリサイクリックオレフィン(PCO、ポリノルボルネン)、ポリイミド(PI)等のプラスチック基板又はフィルムや、ガラス等を用いても良い。
これらの基板材料は、製造プロセスや用途に応じて使い分けることが望ましい。例えば、後述する発光層4を蒸着によって形成する場合には、熱処理が必要になるので、ガラス基板等の耐熱性材料が用いられる。或いは、発光層4として、蛍光体粒子を分散させたバインダの塗布膜や、水熱法によって形成された蛍光膜を用いる場合には、高温プロセスが不要になるので、プラスチック基板やフィルム等を用いることもできる。なお、基板としてプラスチックを用いること、及び、水熱法については、ベンダー(J. P. Bender)、ワグナー(J. F. Wagner)、パーク(S. Park)、クラーク(B. L. Clark)、ケスラー(D. A. Keszler)、「無機蛍光体、及び、フレキシブル・プラスチック基板におけるACTFEL装置(Inorganic Phosphor and ACTFEL Devices on Flexible Plastic Substrates)」、2002年 発光ディスプレイ及び照明の科学技術に関するゲント(ベルギー)国際会議(International Conference on the Science and Technology of Emissive Displays and Lighting)に詳しく記載されている。
また、基板材料は、透明であっても良いし、そうでなくても良く、白色反射フィルムや黒色フィルム等であっても用途に応じて用いることができる。例えば、基板側から発光光を取り出す場合には、透明基板及び透明電極を用いれば良いし、基板の反対側から発光光を取り出す場合には、反射率の高い基板を用いることにより、発光光の取り出し効率を高くすることができる。
第1電極2と第2電極6とは、共にマトリクス回路を構成するための所定のパターンを有している。第1電極2は、白金(Pt)によって形成されており、例えば、200nmの厚さを有している。また、第2電極6は、酸化インジウム錫(indium tin oxide:ITO)によって形成されている透明電極であり、例えば、200nmの厚さを有している。
第1電極2を形成する材料としては、上記の白金の他に、金(Au)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)を含む金属や、これらの合金が用いられる。また、第2電極6を形成する透明電極としては、上記のITOの他に、酸化インジウム亜鉛(IZO)やルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)等を用いても良い。さらに、金属メッシュ電極や、金属メッシュ電極と透明導電膜との組み合わせを用いても良い。
なお、基板1として透明基板を用いる場合には、第1電極2を透明電極とすることが望ましい。その場合には、第2電極6に金属や合金の電極を用いても良い。
第1絶縁層3及び第2絶縁層5は、誘電性を有する材料(誘電性材料)によって形成されている。第1絶縁層3は、例えば、40μmの厚さを有する厚膜である。本実施形態において、第1絶縁層3は、PZT(Pb(lead) zirconate titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)によって作製されている。また、第2絶縁層5は、例えば、200nmの厚さを有する薄膜である。本実施形態において、第2絶縁層5は、窒化シリコン(SiNx)によって形成されている。なお、この第2絶縁層5は、無機EL素子が使用される際に印加される電圧に応じて、省略することも可能であり、反対に、厚膜にしても良い。
PZT系材料は、(Pb1−X)(Zr1−YTi)Oなる組成を有する物質に、MeOなる組成を有する不純物を添加したものである。ここで、Mには、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)が含まれ、0≦X≦1.0、0≦Y≦1.0である。また、Meには、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、サマリウム(Sm)、ネオジム(Nd)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)が含まれる。
或いは、第1絶縁層3を形成する誘電性材料として、チタン酸バリウム系材料を用いても良い。チタン酸バリウム系材料は、(Ba1−X)(Ti1−YMe)Oなる組成を有する物質に、MeOなる組成を有する不純物を添加したものである。ここで、Mには、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、鉛(Pb)が含まれ、0≦X≦1.0、0≦Y≦1.0である。また、Meには、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、イットリウム(Y)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、タンタル(Ta)、サマリウム(Sm)、ネオジム(Nd)、シリコン(Si)、リチウム(Li)、ホルミウム(Ho)、ホウ素(B)が含まれる。
さらに、第1絶縁層3を、アルミナ(Al)、酸化タンタル(Ta)、酸化イットリウム(Y)、酸窒化アルミニウム−チタニウム(AlON−TiON)、窒化ケイ素系の化合物(Si、SiN:Ta、SiN:Ta,Zr)等を用いて形成しても良い。これらのPZT系材料や、チタン酸バリウム系材料や、アルミナ等の材料は、第1絶縁層3だけでなく、第2絶縁層5の材料として用いても良い。
発光層4は、エレクトロルミネセンスを呈する材料によって形成されている。発光層4は、マンガン付活硫化亜鉛(ZnS:Mn)蛍光体薄膜であり、例えば、600nmの厚さを有している。発光層4の材料としては、この他にも、ツリウム付活硫化亜鉛(ZnS:Tm)、テルビウム付活硫化亜鉛(ZnS:Tb)、セリウム付活硫化ストロンチウム(SrS:Ce)、ユウロビウム付活硫化カルシウム(CaS:Eu)、セリウム付活硫化カルシウム(CaS:Ce)、ユウロビウム付活バリウムチオアルミネート(BaAl:Eu)、ユウロビウム付活バリウムマグネシウムチオアルミネート((Ba,Mg)Al:Eu)、ユウロビウム付活ストロンチウムチオガレート(SrGa:Eu)、ユウロビウム付活カルシウムチオアルミネート(CaAl:Eu)、銅付活硫化ストロンチウム(SrS:Cu)を含む硫化物蛍光体や、ユウロビウム付活マグネシウムガレート(MgGa:Eu)、マンガン付活酸化イットリウム(Y:Mn)、マンガン付活酸化イットリウム−ガドリニウム(Y−Gd:Mn)等の蛍光体を用いることができる。
また、分散型EL素子においては、銅付活硫化亜鉛(ZnS:Cu)や、銅−マンガン付活硫化亜鉛(ZnS:Cu,Mn)等の蛍光体を用いることができる。さらに、特許文献1に開示されている多層構造粒子を用いた分散型EL素子においては、薄膜型EL素子に使用されるものと同様の蛍光体と絶縁体(誘電体)とを内部に層状に含んだ粒子を用いることができる。
次に、本発明の一実施形態に係る無機EL素子の製造方法について説明する。本実施形態においては、薄膜型無機EL素子を製造する場合について説明する。
本実施形態に係る無機EL素子において、第1及び第2絶縁層5は、無機EL素子における高い絶縁性能を維持するために、緻密な膜であることが望ましい。そのため、少なくとも第1絶縁層3を、望ましくは第2絶縁層5も、噴射堆積法によって形成している。
噴射堆積法とは、成膜を行う基板等に向けて材料の粉体を噴射し、高速で基板等に衝突させることにより、該粉体を堆積させる成膜方法である。噴射堆積法は、次のような特徴を有している。即ち、(1)多元素を混合した材料によって均一な膜が得られる。(2)マスクを使用しないで、パターンを形成できる。(3)高速に成膜できる。(4)低温膜形成が可能であり、形成された膜は、強度及び基板等への付着度が高く、緻密である。
なお、噴射堆積法は、ガスデポジション法又はエアロゾルデポジション法とも呼ばれており、詳細については、特許第3084286号公報、及び、賀集誠一郎らによる「超微粒子のガス・デポジション」(真空、1992年、第35巻、第7号、P.649-653)を参照されたい。
図2は、噴射堆積法を用いた成膜装置の一部を示す模式図である。この成膜装置は、容器10と、ガス導入管12と、搬送管13と、ノズル14と、可動ステージ15とを含んでいる。容器10は、材料の粉体11を配置するための容器である。噴射堆積法においては、材料の粉体11としては、サブミクロンオーダーの微粒子が用いられる。
ガス導入管12は、材料の粉体11を搬送するためのガス(キャリアガス)を供給する。ガス導入管12は、その先端が材料の粉体11に埋没するように配置されている。本実施形態においては、キャリアガスとして窒素(N)を用いているが、その他にも、アルゴンガス、ヘリウムガスを含む不活性ガスや、乾燥空気、酸素ガス、水素ガス等を用いることができる。
搬送管13は、材料の粉体をガスと共に吸引し、ノズル14に搬送する。
ノズル14は、搬送管13によって搬送された材料の粉体を、基板に向けて噴射する。ノズル14としては、基板への衝突時に、材料の粉体の速度が50m/s〜450m/s程度になるように、流体を加速できる高速ノズルを用いることが望ましい。また、ノズルの出射端形状は、成膜のパターンに応じて調製されている。これにより、所望のパターンが高精度で形成される。
可動ステージ15は、ノズル14と戴置された基板1との相対位置を制御するための3次元に移動可能なステージである。可動ステージ15を移動させながらノズル14から粉体を噴射させることにより、基板1に所望のパターン20が形成される。本実施形態においては、ノズル14を固定し、可動ステージ15を移動させているが、反対に、ステージを固定し、ノズル側を移動させても良い。或いは、ノズルとステージの両方を可動として、それらの相対位置を変更するようにしても良い。これらのノズル14及び可動ステージ15は、雰囲気が調節された成膜室に配置されて用いられる。
図2において、材料の粉体11が配置された容器10に、ガス導入管12からキャリアガスを導入すると、材料の粉体11が噴き上げられてキャリアガス内に浮遊する。この材料の粉体11が浮遊しているキャリアガスを、搬送管13を介してノズル14に供給し、ノズル14から基板1に向けて噴射させる。これにより、高速に加速された超微粒子は、基板に衝突し、その際の衝突エネルギにより、基板又は先に堆積された堆積物に付着する。
このような噴射堆積法によれば、1μm〜数十μm程度の厚膜を形成することが可能である。また、そのような厚膜においては、少なくとも、平均結晶粒径が1μm以下であり、膜密度が70%以上である。また、望ましくは、平均結晶粒径が100nm以下であり、膜密度が90%以上である誘電性の厚膜を、さらに望ましくは、平均結晶粒径が50nm以下であり、膜密度が95%以上である誘電性の厚膜を作製することができる。
また、ノズルから噴射された微粒子は、衝突エネルギによって基板等に堆積するので、基板等を加熱する必要はなく、常温雰囲気において成膜することも可能である。
図3は、本実施形態に係る無機EL素子の製造方法を示すフローチャートである。
ステップS1において、基板1上に第1電極2を形成する。即ち、まず、アルミナ等の基板1に、厚さ200nmのPt電極層をスパッタ法によって形成し、次に、Pt電極層をフォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いることにより、パターンを形成する。
次に、ステップS2において、第1電極2が形成された基板1に第1絶縁層3を形成する。即ち、図2に示すように、PZTの粉体が配置された容器10に、ガス導入管12からN等のキャリアガスを導入し、これによって浮遊した材料の粉体を、搬送管13を介してノズル14から基板1に向けて噴出させる。このような成膜は、常温の成膜室内で行われる。
ここで、材料の粉体11としては、予め準備しておいたものを用いても良いし、容器10に超微粒子生成室を接続し、そこで生成された粉体を容器10に直接供給するようにしても良い。材料の粉体11は、例えば、公知のアルコキシド法によって有機金属の水和物を生成し、これを熱分解することにより作製することができる。ここで、材料の粉体11の平均粒径は、0.1μm〜5μm程度であることが望ましく、例えば、上記のアルコキシド法を用いることにより、そのような粉体を作製することができる。
さらに、噴射堆積法によってPZTの厚膜が形成された基板1を、焼成する。焼成温度は、基板1の融点又は軟化点より低温であることが望ましく、本実施形態においては、酸素雰囲気中において600℃で約10分間行っている。これにより、PZTの厚膜の結晶性が向上すると共に、電極層及び厚膜層の材料の充填率が向上するので、それぞれの層における物理特性が安定する。
次に、ステップS3において、第1絶縁層3の上に、発光層4となるZnS:Mn薄膜を、電子ビーム(electron beam:EB)蒸着法によって形成する。
次に、ステップS4において、発光層4の上に、第2絶縁層となるSiNx薄膜を、スパッタ法によって形成する。
次に、ステップS5において、第2電極6を形成する。第2電極6は、まず、第2絶縁層の上に、ITO透明電極層をスパッタ法により形成し、次に、ITO電極層をフォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いてエッチングすることにより、所定のパターンを形成する。
このようにして形成された無機EL素子について性能を評価した。
第1絶縁層3(PZTの厚膜)については、次のような値が得られた。
比誘電率:1000〜1500
絶縁耐圧:0.7MV/cm
性能指数(ε・Ebd値):60〜90μC/cm
この性能指数ε・Ebd値は、グリーンシート法によって形成されたPZTの厚膜における値(10〜30μC/cm)を大きく上回っており、大変良好な絶縁性能を有していると言える。
また、この無機EL素子の第1電極2及び第2電極6から配線を引き出し、これらの電極の間に、周波数1KHz、パルス幅50μsの電界を印加したところ、約600cd/mの発光輝度が再現良く得られた。その際に、300Vまでの電圧を印加しても、絶縁破壊はなく、高い安定性を得ることができた。
以上説明した本実施形態においては、第1絶縁層として用いるPZTの厚膜のみを噴射堆積法により形成した。しかしながら、その他の層についても、噴射堆積法によって形成しても良い。
例えば、第1電極2を噴射堆積法によって形成する場合には、抵抗加熱法によって金属を加熱して蒸発させ、これをキャリアガスの原子と衝突させることにより、金属の微粒子を生成する。この金属の微粒子を、図2に示すように、キャリアガスと共に搬送管13を介してノズル14に供給し、基板に向けて噴射する。その際に、可動ステージ15を制御して、基板1とノズル14との位置を相対的に変更させることにより、所望の電極パターンを形成すれば良い。このように、噴射堆積法によれば、ノズル14を用いて基板1に直接描画することができるので、マスクを用いたパターン形成等の複雑な工程を省き、製造工程を簡略化することができる。
なお、金属の微粒子を生成する際には、誘導加熱法や、アーク加熱法や、誘導プラズマ加熱法や、レーザ加熱法等を用いて金属材料を加熱しても良い。
同様に、発光層4、第2絶縁層5、第2電極6についても、噴射堆積法によって形成することができる。噴射堆積法は、材料の粉体を高温にしたり、化学変化を生じさせるような工程を含まないので、材料の粉体として、金属、ガラス、セラミックス、プラスチックのいずれをも用いることができるからである。
図4は、本実施形態に係る無機EL素子の製造方法の変形例を示している。この変形例は、無機EL素子に含まれる複数の層を噴射堆積法によって形成するものである。
図4において、第1電極2の材料であるPtを噴出するノズル14aと、第1絶縁層3の材料であるPZTを噴出するノズル14bと、発光層4の材料であるZnS:Mnを噴出するノズル14cとは、積層順に所定の間隔で配置されている。図4に示すように、基板1をノズル14a〜14cの配置方向に移動させながら、これらのノズル14a〜14cから所定の時間間隔で材料の粉体を噴出させることにより、順次積層を行う。これにより、基板1に、第1電極2と、第1絶縁層3と、発光層4とが順次形成される。成膜パターンや、膜厚については、ノズルの出射端の形状や、ノズル又は基板の移動速度や、ノズルに供給される材料の粉末の搬送条件等を制御することにより、調節することができる。
この変形例においては、第1電極2と、第1絶縁層3と、発光層4とを噴射堆積法によって形成しているが、さらにノズルを設けることにより、全ての層を噴射堆積法によって形成しても良い。このように、無機EL素子に含まれる複数の層を噴射堆積法によって形成することにより、製造工程を簡略化できると共に、大がかりな設備も不要になる。
以上説明したように、噴射堆積法によって成膜を行う場合には、1μm〜数十μm程度の厚膜を高速に形成することが可能になる。そのため、無機EL素子の製造工程を簡略化することができる。また、膜を緻密にするための高温(例えば、900℃)における処理も不要である。そのため、ポアの発生や、各層間における熱反応や熱応力によるクラックが抑制された、緻密で滑らかな膜を形成できる。また、電極と絶縁層との界面や、絶縁層と発光層との界面における相互拡散等が少なくなる。
この噴射堆積法によって形成された厚膜は、望ましくは膜密度95%以上を有する緻密な膜であるため、研磨等の平坦化処理が容易になる。
さらに、このような厚膜は、絶縁耐圧が高いので、無機EL素子の信頼性を向上させることができる。また、噴射堆積法によって形成された厚膜は、従来のスクリーン印刷等によって形成された膜と比較して、より小さい膜厚で同等の耐圧を達成できる。即ち、駆動電圧を同じにした場合に、発光層に印加される電圧が大きくなるので、無機EL素子の輝度が上昇する。
また、常温でも成膜できることから、基板材料として、耐熱性の比較的低い材料を用いることができるようになり、材料選択の幅を広げることができる。例えば、本実施形態において用いられたアルミナの他にも、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック等を用いることができる。特に、ガラスやプラスチック等の透明基板を用いることにより、透明なカラーディスプレイを実現することも可能になる。
以上の本実施形態においては、薄膜型無機EL素子を製造する場合について説明したが、分散型EL素子を製造する場合には、蛍光体が分散されたバインダを塗布したり、印刷する等、既知の方法を用いて発光層を形成することができる。その場合においても、絶縁層を噴射堆積法によって形成することにより、絶縁層の絶縁耐圧を高くすることができる。従って、上記の薄膜型無機EL素子と同様の効果を得ることができ、分散型無機EL素子の信頼性を向上させることが可能になる。
本発明は、本発明は、平型ディスプレイ装置や面光源等において用いられる無機エレクトロルミネセンス素子において利用可能である。
本発明の一実施形態に係る無機エレクトロルミネセンス素子の構造を示す一部断面斜視図である。 噴射堆積法による成膜装置の一部を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法の変形例を説明するための図である。 従来の無機エレクトロルミネセンス素子の構造を示す断面図である。 従来の無機エレクトロルミネセンス素子を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2、22、32 第1電極
3、23、33 第1絶縁層
4、24、34 発光層
5、25、35 第2絶縁層
6、26、36 第2電極
10 容器
11 原料の粉体
12 ガス導入管
13 搬送管
14 ノズル
15 可動ステージ
20 パターン
21 ガラス基板
22 透明第1電極
23 薄膜第1絶縁層

Claims (15)

  1. 基板に、所定のパターンを有する第1の電極層を形成する工程(a)と、
    前記第1の電極層が形成された基板に向けて、平均粒径が0.1μm〜5μmであり誘電性を有する材料の粉体を、エアロゾルデポジション法を用いてノズルから噴射して、速度50m/s〜450m/sで前記第1の電極層に衝突させて堆積させることにより、平均結晶粒径が100nm以下であり、膜密度が90%以上である第1の絶縁層を形成する工程(b)と、
    前記第1の絶縁層の上に、エレクトロルミネセンスを呈する粒子又はその前駆体を用いて発光層を形成する工程(c)と、
    前記発光層の上層に第2の電極層を形成する工程(d)と、
    を具備する無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  2. 工程(a)が、前記基板に向けて、導電性を有する材料の粉体を、エアロゾルデポジション法を用いてノズルから噴射して堆積させることにより、所定のパターンを形成することを含む、請求項1記載の無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  3. 工程(c)が、前記第1の絶縁層に向けて、エレクトロルミネセンスを呈する材料の粉体を、エアロゾルデポジション法を用いてノズルから噴射して堆積させることを含む、請求項1又は2記載の無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  4. 工程(c)が、エレクトロルミネセンスを呈する材料の粉体が中に分散されたバインダを用いて前記発光層を形成することを含む、請求項1又は2記載のエレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  5. 工程(c)の後で、前記発光層の上に第2の絶縁層を形成する工程(c')をさらに具備し、
    工程(d)が、前記第2絶縁層の上に前記第2の電極層を形成することを含む
    請求項1〜4のいずれか1項記載の無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  6. 工程(c')が、前記発光層に向けて、誘電性を有する材料の粉体を、エアロゾルデポジション法を用いてノズルから噴射して堆積させることを含む、請求項5記載の無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  7. 工程(d)が、前記発光層又は前記第2の絶縁層に向けて、導電性を有する材料の粉体を、エアロゾルデポジション法を用いてノズルから噴射して堆積させることにより、所定のパターンを形成することを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  8. 前記積層構造体に含まれる複数の層の積層順に、該複数の層を構成する材料の粉体をそれぞれ噴射する複数のノズルを配設し、前記複数のノズルと前記基板との位置を相対的に変更させながら、エアロゾルデポジション法を用いて前記複数のノズルから前記基板に向けて材料の粉体を順次噴射させることにより、前記基板に積層構造体を形成する、請求項1〜7のいずれか1項記載の無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  9. 前記ノズルから噴射される材料の粉体の平均粒径が0.1μm〜5μmであり、前記ノズルから噴射された材料の粉体が、前記基板又は前記基板上に形成された層に衝突する際の該粉体の速度が50m/s〜450m/sである、請求項2、3、6〜8のいずれか1項記載の無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  10. 基板に、所定のパターンを有する第1の電極層を形成する工程(a)と、
    前記第1の電極層が形成された基板に向けて、誘電性を有する材料の粉体をノズルから噴射して堆積させることにより、第1の絶縁層を形成する工程(b)と、
    前記第1の絶縁層の上に、エレクトロルミネセンスを呈する粒子又はその前駆体を用いて発光層を形成する工程(c)と、
    前記発光層の上層に第2の電極層を形成する工程(d)と、
    を具備し、前記基板上に形成された第1の電極層に、材料の粉体をノズルから噴射して堆積させる工程が、常温で行われる、無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  11. 前記基板又は前記基板上に形成された層に、材料の粉体をノズルから噴射して堆積させ工程後に、堆積された材料の結晶性を制御するための焼成を行う工程をさらに具備する、請求項1〜10のいずれか1項記載の無機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  12. 前記焼成を行う際の焼成温度が、前記基板の融点又は軟化点以下である、請求項11記載の無機ルミネセンス素子の製造方法。
  13. 基板と、
    前記基板上に形成されている第1の電極層と、
    誘電性を有する厚膜であって、前記第1の電極層が形成された基板に、誘電性を有する材料の粉体を、エアロゾルデポジション法を用いて噴射して堆積させることにより形成され、平均結晶粒径が100nm以下であり、膜密度が90%以上である第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層の上に形成されたエレクトロルミネセンスを呈する発光層と、
    前記発光層の上層に形成されている第2の電極層と、
    を具備する無機エレクトロルミネセンス素子。
  14. 前記発光層と前記第2の電極層との間に形成された誘電性を有する厚膜であって、誘電性を有する材料の粉体を前記発光層に向けて、エアロゾルデポジション法を用いて噴射して堆積させることによって形成され、平均結晶粒径が100nm以下であり、膜密度が90%以上である第2の絶縁層をさらに具備する、請求項13記載の無機エレクトロルミネセンス素子。
  15. 前記第1又は第2の絶縁層の平均結晶粒径が50nm以下であり、膜密度が95%以上である、請求項13又は14記載の無機エレクトロルミネセンス素子。
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