JP4334920B2 - 電磁波遮蔽用シート及び前面板、並びに表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CRT、プラズマディスプレイパネル(PDPという)などの表示装置(ディスプレイ)の前面に配置して、ディスプレイから発生する電磁波の遮蔽(シールドともいう)用のシートに関し、さらに詳しくは、保存性がよく、組立時には他の部材との位置合わせ性に優れる電磁波遮蔽用シート及び前面板、並びに表示装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
(技術の背景)近年、電気電子機器の機能高度化と増加利用に伴い、電磁気的なノイズ妨害(Electro Magnetic Interference;EMI)が増えている。電磁波ノイズは大きく分けて伝導ノイズと放射ノイズがある。伝導ノイズはノイズフィルタなどを用いる方法がある。一方、放射ノイズは電磁気的に空間を絶縁するため、筐体を金属にしたり、回路基板間に金属板を挿入したり、ケーブルを金属箔で巻きなどの方法がある。これらの方法は回路や電源ブロックの電磁波遮蔽の効果はあるが、CRT、プラズマディスプレイパネル(PDPという)などの、ディスプレイ前面より発生する電磁波遮蔽用には、不透明であるため適さない。
PDP表示装置本体は、データ電極と蛍光層を有するガラスと透明電極を有するガラスとの組合体であり、作動すると電磁波、近赤外線、及び熱が大量に発生する。ディスプレイ前面から発生する電磁波の遮蔽性は、30MHz〜1GHzにおける30dB以上の機能が必要である。
通常、電磁波を遮蔽するために、メッシュ状の金属層を有する電磁波遮蔽用シートを前面板として設ける。該前面板には、電磁波遮蔽用シートの他に、近赤外線フィルターなどを前面板に組み込んだ後に、PDP表示装置本体へ組み付ける。また、PDPは大型画面を特徴としており、電磁波遮蔽用シートの大きさ(外形寸法)は、例えば、37型では621×831mm、42型では983×583mmもあり、さらに大型サイズもある。このため、前面板に組み込み、PDP表示装置本体へ組み付け工程では、それぞれの位置合わせやハンドリング適性が極めて悪かった。
特に、PDP表示装置に組立てられたときに、電磁波遮蔽用シートの位置合わせが悪いと、メッシュの角度によってはモアレが発生しやすく、位置合わせの精度が要求される。このために、電磁波遮蔽用シートは、複数を面付けした連続ウェブ状(巻取りという)で製造するので、単一の電磁波遮蔽用シートに切断する場合に、切断する位置及び直角性(位置及び直角性を合わせて位置合わせ性という)を正確に合わする必要がある。このように、電磁波遮蔽用シートは、電磁波遮蔽性を有し、保管や保存時の保存性がよく、単一に切断する場合や、PDP装置の組立時には他の部材との位置合わせ性に優れることがが求められている。
【0003】
(先行技術)
従来、複数部材の位置合わせ法には、印刷による印刷レジスターマークを設け、該レジスターマークを照明し、その反射光又は透過光を検出して制御することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、レジスターマークのために印刷工程を設ける必要があり、コストが高く、納期に時間がかかるという問題点がある。
また、電磁波遮蔽用シートを単一に切断する場合や、PDP装置の組立時には他の部材との位置合わせする場合には、メッシュ部と相関する位置関係に、抜きポンチ型で空けた穴をレジスターマーク用とし、該穴をピンへ挿入することで位置を合わせることが知られている。しかしながら、穴を空けるだけのために抜きポンチ型を作製し、抜き工程が増加する、さらに位置合わせのピン装置が必要となるという欠点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−25864号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、位置を検知するレジスターマークを額縁部に設けた透光部とし、さらに、透光部の面積が大きくても、透光部をメッシュ状、ドット状、又はスリット状などの幾何学模様の金属層を残すことで、製造途上や、保管保存時でもブロッキングしにくく、位置精度よくシート切断することができる。PDP装置の組立時には、他の部材との位置合わせ性に優れる精度のよい電磁波遮蔽用シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、連続した帯状の透明基材の一方の面へ、接着剤層を介して、メッシュ部と該メッシュ部に外周する額縁部とを有する金属層から成る電磁波遮蔽シートが複数面付けして積層され、且つ前記額縁部に少なくとも1つの金属層非形成領域から成る透光部を上記電磁波遮蔽用シートの一方の面から照明し、上記透光部を透過又は反射した光を検出することで、上記透光部をメッシュ部の位置検知用レジスターマークとするように、上記透光部を上記メッシュ部と相関する位置関係に設けて成る、連続帯状の電磁波遮蔽用シートを用意し、上記連続帯状の電磁波遮蔽用シートの一方の面から照明光を照明し、上記透光部を透過又は反射した光を検出することで、上記メッシュ部の位置を検知して、上記連続帯状の複数面付けされた電磁波遮蔽用シートを、単一の電磁波遮蔽用シートに切斷、分離することによって製造されてなるようにしたものである。本発明によれば、連続ウェブ状(巻取)で製造し、巻取り状で保管保存しても、ブロッキング現象が極めて発生しにくく、複数が面付けされた巻取りから、切断して単一シートにする際に、正確に位置合わせして切断することができる電磁波遮蔽用シートが提供される。
請求項2の発明に係わる前面板は、請求項1に記載の電磁波遮蔽用シートを含むようにしたものである。本発明によれば、それぞれの部材と、容易かつ精度よく位置が合わせられ、その結果、位置精度のよい前面板が歩留りがよく、生産効率がよく、生産することができる前面板が提供される。
請求項3の発明に係わる表示装置は、請求項2に記載の前面板を表示素子の前面へセットしたものである。本発明によれば、前面板が精度よく組み付けられ、その表示画像は、モアレなどの発生もなく、良好な表示品質が得られる表示装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の電磁波遮蔽用シートの1実施例を示す平面図である。
図2は、図1のAA断面図である。
図3は、本発明の透光部の実施例を示す平面図である。
(全体の構成)本発明の平面図である図1、及び断面図である図2に示すように、本発明の電磁波遮蔽用シート1は、透明基材11の一方の面へ、接着剤13を介して、金属層15が積層されている。該金属層15は、図1に示すように、メッシュ部103と、該メッシュ部103に外周する額縁部101と、該額縁部101の外周部に少なくとも1つの金属層非形成領域から成る透光部105を有している。ディスプレイの前面へ設置した場合には、メッシュ部103は額縁部101を経てアースされ表示装置からの電磁波がシールドされ、表示画像はメッシュ部103を透過して観察者に観察される。表示装置では、通常透光部105は隠されて見えない。
【0008】
図2(A)及び図2(B)は、本発明の実施例を示す電磁波遮蔽用シートで、共に透明基材11/接着剤13/金属層15が積層され、層構成は同じであるが、透光部105が異なっている。
該透光部105の領域内は、全部が透光してもよく、領域内に幾何学模様の金属層が部分的に残されていてもよい。図2(A)及び図3(A)で示す透光部105Aでは、金属層15を全て除去して、領域内には接着剤層13/透明基材11のみが残っており透明となっている。図2(B)及び図3(B、C、D)で示す透光部105Bでは、領域内に幾何学模様の金属層を残している。
【0009】
(発明のポイント)そこで、本発明の電磁波遮蔽用シート1では、メッシュ部103と、該メッシュ部103に外周する額縁部101とからなる金属層15の、前記額縁部101の外周部、又は前記額縁部101を外周してなるように、透光部105を設けたものである。該透光部105は、後述するように電磁波遮蔽用シートの一方の面から照明し、透光部を透過又は反射した光量を検出し、額縁部101との光量の差から、透光部の位置を検知するレジスターマークの機能を発揮する。従って、本明細書では、透光部105を、機能的な説明ではレジスターマーク105と表わすこともある。
金属層15を全て除去した図2(A)の透光部105A(レジスターマーク105A)は、該透光部105Aの短辺距離が小さいことが望ましい。
【0010】
透光部105Aの短辺距離が大きいと、透光部105に露出している接着剤層13のために、露出した接着剤13が、製造途上や保管保存時に、毎葉状の電磁波遮蔽用シートを巻取り又は重ねたりすると、表裏面が密着し、所謂ブロッキング現象発生する。ブロッキングすると単一シートへ剥がし難く、激しい場合には破れたり、額縁部まで破れ、シワ、変形してしまう。このために、接着剤が露出したレジスターマークの部分へ、紙などの合紙を挿入するが、合紙のコスト、合紙の挿入及び除去工程が増加してしまう。
このために、該透光部をメッシュ状、ドット状、又はスリット状などの幾何学模様の金属層を残したのが、もう1つの本発明の電磁波遮蔽用シートの透光部105Bである。このようにすると、透光部の短辺距離が大きくても、透光部をメッシュ状、ドット状、又はスリット状などの幾何学模様の金属層を残すことで、小刻みで部分的な金属層15が残っているので、接着剤13が大きな距離で露出せず、露出した接着剤13も幾何学模様に残った金属層15が支えとなる。
また、製造途上や、保管保存時で巻取り又は毎葉状で重ねても、表裏面が密着しにくく、ブロッキング現象の発生を極めて低くできる。
【0011】
さらに、本発明の電磁波遮蔽用シート1の透光部105は、巻取り状に複数面付けで製造した後に、単一に切断する場合や、PDP装置の組立時には他の部材との位置合わせをする際にも、位置を検知するレジスターマーク105として使用できる。
このようにすると、電磁波遮蔽用シートの製造工程からディスプレイへの組立、組付まで全工程において、位置合わせ精度がよく、余分な工程を増すことなく、歩留りよく製造できる。また、透光部105の形成はメッシュ部103の形成と同時にできるので、工程が増えることもない。光本明細書では、本発明の電磁波遮蔽用シートをCRT、PDPなどのディスプレイ用を主体に記載しているが、ディスプレイ以外の電磁波遮蔽用に使用できることはいうまでもない。
【0012】
(レジスターマークの模様及び寸法)本発明の電磁波遮蔽用シート1の透光部105は、光が透過又は反射して、額縁部101とで光量の差違が出ればよいので、透光部105の領域内には金属層15(模様)無しか、又は幾何学模様状にに金属層15が残されていればよい。
図3(A)は金属層15がない場合では、透光部105Aの短辺距離は、透光性が得られる0より大きく、3mm以下程度、好ましくは2mm以下であればよい。長辺距離は短辺に支えられるので、透光性が得られる0より大きければよく、限度はなく任意でよい。
幾何学模様がある場合では、該幾何学模様は特に限定されないが、例えば、図3(B)のメッシュ状、図3(C)のストライプ状、図3(D)のドット状などが適用できる。露出した接着剤13は幾何学模様に残った金属層15が支えとなって、接着剤13が大きな面積で露出しないので、透光部105Bの面積としては制限はなく任意の面積及び辺の長さでよい。また、幾何学模様の模様線同志の間隔は、露出した接着剤13を幾何学模様に残った金属層15が支えられればよく、透光性が得られるように0より大きく、1mm以下、好ましくは0.5mm以下でよい。長辺距離は短辺に支えられるので、透光性が得られるように0より大きければよく、上限度はなく任意でよい。
【0013】
図4は、本発明の透光部の位置と形状の実施例を示す平面図である。
(マークの位置と形状)本発明の電磁波遮蔽用シート1の透光部105(レジスターマーク105)は少なくとも1つあればよく、金属層15中の所望の位置に所望の形状で金属層非形成領域(開口部でもある)が形成されている。又、該金属層非形成領域内には幾何学模様状に金属層15が残されていれいても良い。幾何学模様としては、特に限定されないが、例えば、図4(A)の額縁部101の走行する方向にメッシュ部103がない部分、図4(B)のような額縁部101のメッシュ部103に挟まれた部分、図4(C)、図4(D)及び図4(E)のように複数設けてもよい。また、図4(F)のように走行する方向に直角方向及び図4(G)のように走行する方向のストライプ、図4(H)のように額縁部101を外周して設けてもよい。レジスターマーク105の位置は巻取りをほぐして走行する方向に対して、直角方向に直線部を持てばよい。又、透光部の(輪郭)形状としては、例えば、3角形、4角形(矩形)、5角形、及び6角形(龜甲形)等の多角形、L字形、口字形、十字形などが適用できる。
【0014】
図5は、透光部を検出して巻取りから単一シートへ切断を説明する平面図及び断面図である。
(マークの検出)図5(A)は、複数を面付け電磁波遮蔽用シート1の巻取りの一部で、メッシュ部103の外周に額縁部101があり、該額縁部101の巻取の走行方向に対して、メッシュ部103のない部分に、透光部(レジスターマーク105)が設けられている。
レジスターマーク105の位置の検知は公知の方法でよく、汎用で安価な一般的なものでよい。図5(B)は、図5(A)の一部の断面図であり、照明光源から照明光201を連続的に電磁波遮蔽用シート1へ照射し、その透過光を受光部203で受光すればよい。照明光201はレジスターマーク105部分で透過し、受光部203で検出される。レジスターマーク105と額縁部101の透過光の強度が信号量となり、そのS/N比としては、2.0以上程度、好ましくは3.0以上である。この位置の検知情報にもとずいて、巻取から単一面の電磁波遮蔽用シート1を切断することで、精度よく切断できる。
【0015】
また、図4(B)のようにメッシュ部103とメッシュ部103にの間に、レジスターマーク105がある場合には、メッシュ部103とレジスターマーク105の透過光の強度が異なるようにしておけばよい。即ち、メッシュ部103、レジスターマーク105、及び額縁部101の信号量が異なり、スライスレベルを設定することで、各々の位置を検知できる。ここでは、透過光で説明したが、受光部203を照明光201の反射位置に設けて、一般的に行われている反射光を検出してもよいのはもちろんである。
【0016】
さらに、図4(C)、図4(D)及び図4(E)のように、複数のレジスターマーク105を設けておくと、巻取りの走行方向によらず検知すことができる。
さらにまた、切断後の単一シート(枚葉)となった電磁波遮蔽用シート1に対しても、少なくとも2つのレジスターマーク105を設けておくと、2つの位置情報から、メッシュ部103の位置及び方向を精密に特定することができる。このために、他の部材と共にPDP装置を組立てる場合に、本発明の電磁波遮蔽用シート1を、他の部材と、容易かつ精度よく位置が合わせられ、その結果、位置精度のよいPDP表示装置が歩留りがよく、生産効率がよく、生産することができる。
【0017】
図6は、本発明の電磁波遮蔽用シートの断面図である。
(層の構成)図6に示すように、透明基材11の一方の面へ、接着剤層13を介して、金属層15が設けられている。該金属層15は前述のように、メッシュ部103と、該メッシュ部103に外周する額縁部101と、該額縁部101の外周部に少なくとも1つの透光部105を有している。
上記金属層15の少なくとも観察面には黒化処理23A又は23Bを設けてもよい。さらに、黒化処理23A及び/又は23Bを覆うように、防錆層25A及び/又は25Bを設けてもよい。防錆層は少なくとも黒化処理側に設ければよい。
【0018】
該防錆層25A、25Bは金属箔15及び黒化処理23A、23Bの防錆機能を持つと共に、黒化処理の黒化度をより強調し、且つ、黒化処理23A、23Bの脱落も防止する。また、該防錆層25A及び25Bは、透明基材11と接着剤層13を介して積層した後は、該接着剤層13をも保護するのである。さらに、必要に応じて、金属層15の他方の面へも、黒化処理23B及び防錆層25Bを設けてもよく、両面へ黒化処理23A、23B及び防錆層25A、25Bを設けてもよい。
【0019】
(製造方法)金属層15へ、必要に応じて少なくとも観察面には黒化処理23A及び/又は23B、さらに必要に応じて防錆層25A及び/又は25Bを設けて導電材部とする。該導電材部を接着剤を介して透明基材11と積層した後に、導電材層面へレジスト層をメッシュ部103及び透光部105(レジスターマーク105)のメッシュパターンを設け、レジスト層で覆われていない部分の導電材層をエッチングにより除去した後に、レジスト層を除去する所謂フォトリソグラフイ法で製造すればよい。さらに、既存の設備を使用でき、これらの製造工程の多くを連続的に行うことで、品質及び歩留まりが高く、生産効率が高く生産できる。また、透光部105(レジスターマーク105)の形成は、メッシュ部103の形成と同方法で同時にできるので、工程や副資材が増加することもない。
【0020】
また、必要に応じて、金属箔側を平坦化し、さらに必要に応じて特定波長の可視及び/又は近赤外線を吸収する光線吸収剤層を設ける。このような電磁波遮蔽用シートをディスプレイの前面に配置すると、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽し、メッシュの濃淡ムラがなく、黒又は白の点状線状の欠点が極めて少なく、かつ、適度の透明性を有し、ディスプレイに表示された画像を良好に視認することができる。
【0021】
本発明の電磁波遮蔽用シート1の、各層の材料及び形成について説明する。
(金属層)電磁波を遮蔽する金属層15としては、例えば金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロムなど充分に電磁波をシールドできる程度の導電性を持つ金属層15が適用できる。金属層15は単体でなくても、合金あるいは多層であってもよい。、金属層15としては、鉄の場合には低炭素リムド鋼や低炭素アルミキルド鋼などの低炭素鋼、Ni−Fe合金、インバー合金が好ましく、また、カソーディック電着を行う場合には、電着のし易さから銅又は銅合金箔が好ましい。
【0022】
銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔が使用できるが、厚さの均一性、黒化処理及び/又はクロメート(処理)層との密着性、及び10μm以下の薄膜化ができる点から、電解銅箔が好ましい。該金属層15の厚さは1〜100μm程度、好ましくは5〜20μmである。これ以下の厚さでは、フォトリソグラフイ法によるメッシュ加工は容易になるが、金属の電気抵抗値が増え電磁波遮蔽効果が損なわれ、これ以上では、所望する高精細なメッシュの形状が得られず、その結果、実質的な開口率が低くなり、光線透過率が低下し、さらに視角も低下して、画像の視認性が低下する。
【0023】
金属層15の表面粗さとしては、Rz値で0.5〜10μmが好ましい。これ以下では、黒化処理しても外光が鏡面反射して、画像の視認性が劣化する。これ以上では、接着剤やレジストなどを塗布する際に、表面全体へ行き渡らなかったり、気泡が発生したりしてする。表面粗さRzは、JIS−B0601に準拠して測定した10点の平均値である。
【0024】
(黒化処理)電磁波遮蔽用シート1への外光を吸収させて、ディスプレイの画像の視認性を向上するために、メッシュ状の導電材部109の観察側に黒化処理を行うことが好ましく、コントラスト感を出すことができる。該黒化処理は金属箔面を粗化及び/又は黒化すればよく、金属酸化物、金属硫化物の形成や種々の手法が適用できる。
【0025】
(防錆層)金属層15及び/又は黒化処理への、防錆機能と黒化処理の脱落や変形を防止するために、少なくとも黒化処理を有する金属箔面へ、防錆層25A及び/又は25Bを設けることが好ましい。該防錆層25A、25Bとしては、ニッケル及び/又は亜鉛及び/又は銅の酸化物、又はクロメート処理層が適用できる。ニッケル及び/又は亜鉛及び/又は銅の酸化物の形成は、公知のメッキ法でよく、厚さとしては、0.001〜1μm程度、好ましくは0.001〜0.1μmである。
クロメート処理は、被処理材へクロメート処理液を塗布し処理する。該塗布方法としては、ロールコート、カーテンコート、スクイズコート、静電霧化法、浸漬法などが適用でき、塗布後は水洗せずに乾燥すればよい。具体的には、アルサーフ1000(日本ペイント社製、クロメート処理剤商品名)、PM−284(日本パ−カライジング社製、クロメート処理液商品名)などが例示できる。また、クロメート処理を黒化処理上に施すことにより黒化処理の効果をより高められる。
【0026】
黒化処理及び防錆層層は、少なくとも観察側に設けることが好ましく、コントラストが向上してディスプレイの画像の視認性が良くなる。また、他方の面、即ちディスプレイ面側に設けてもよく、ディスプレイから発生する迷光を抑えられるので、さらに、画像の視認性が向上する。
【0027】
次に、導電材部と透明基材11とを接着剤13で積層する。導電材部は、金属層15へ、必要に応じて少なくとも観察面には黒化処理23A及び/又は23B、さらに必要に応じて防錆層25A及び/又は25Bを設けたものから、適宜、選択すればよい。
(透明基材)透明基材11の材料としては、使用条件や製造に耐える透明性、絶縁性、耐熱性、機械的強度などがあれば、種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト・ポリブチレンテレフタレ−ト・ポリエチレンナフタレ−ト・ポリエチレンテレフタレート‐イソフタレート共重合体・テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体・ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6・ナイロン66・ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート・ポリメタアクリレート・ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト・ポリスルホン・ポリエーテルスルホン・ポリフェニレンエ−テル・ポリフェニレンスルフィド(PPS)・ポリアラミド・ポリエーテルケトン・ポリエーテルニトリル・ポリエーテルエーテルケトン・ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂などがある。
【0028】
該透明基材は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。該透明基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該透明基材の厚さは、通常、12〜1000μm程度が適用できるが、50〜700μmが好適で、100〜500μmが最適である。これ以下の厚さでは、機械的強度が不足して反りやたるみなどが発生し、これ以上では、過剰な性能となってコスト的にも無駄である。
該透明基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用するが、これら形状を本明細書ではフィルムと総称する。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが透明性、耐熱性がよくコストも安いので好適に使用され、ポリエチレンテレフタレートが最適である。また、透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光線透過率で80%以上である。
【0029】
該透明基材フィルムは、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。該樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
【0030】
(積層法)積層(ラミネートともいう)法としては、透明基材11又は導電材層の一方に、接着剤又は粘着剤を塗布し必要に応じて乾燥して、加熱又は加熱しないで加圧し、その後必要に応じて30〜80℃の温度下で、エージング(養生)してもよい。好ましくは、当業者がドライラミネーション法(ドライラミともいう)と呼ぶ方法である。さらに、紫外線(UV)などの電離放射線で硬化(反応)するUV硬化型樹脂も好ましい。
【0031】
(接着剤)ドライラミネーション法、またはノンソルベントラミネーション法で用いる接着層の接着剤として、熱、または紫外線・電子線などの電離放射線で硬化する接着剤が適用できる。熱硬化接着剤としては、具体的には、2液硬化型の、ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エボキシ系接着剤、ゴム系接着剤などが適用できるが、2液硬化型ウレタン系接着剤が好適である。
【0032】
(粘着剤)粘着剤としては、公知の感圧で接着する粘着剤が適用できる。粘着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系、ブチルゴム・ポリイソプレン・ポリイソブチレン・ポリクロロプレン・スチレン−ブタジエン共重合樹脂などの合成ゴム系樹脂、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニール・エチレン‐酢酸ビニール共重合体などの酢酸ビニール系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン・ロジントリグリセリド・水素化ロジンなどのロジン系樹脂が適用できる。
【0033】
(接着剤又は粘着剤層の形成)上記の接着剤又は粘着剤の樹脂、またはこれらの混合物を、ラテックス、水分散液、または有機溶媒液として、スクリーン印刷またはコンマコートなどの、公知の印刷またはコーティング法で、印刷または塗布し必要に応じて乾燥した後に、一方の材料と重ねて加圧すれば良い。
【0034】
該接着層の膜厚としては、0.1〜20μm(乾燥状態)程度、好ましくは1〜10μmである。該接着層を形成したら直ちに、貼り合せ基材を積層したり、さらに30〜120℃で数時間〜数日間エージングしたり、接着剤を硬化させたり、することで接着する。該接着剤の塗布面は、透明基材側、導電材部側のいずれでもよい。好ましくは、粗化してある銅箔側で、粗面の全体に行き渡って、積層体へ気泡の発生が抑えられる。
【0035】
このように形成された接着剤又は粘着剤層は、金属層15の一部を除去して、メッシュ部103及び透光部105とすると、接着剤層13又は粘着剤層が露出する。露出した接着剤13は、製造途上や保管保存時に強い圧力を受けると、接着剤13面へ接触しているもう1枚の電磁波遮蔽用シート1の面が密着し、所謂ブロッキング現象発生する。メッシュ部103は本来からメッシュ状であるのでブロッキングしないが、従来の透光部105Bはブロッキングしてしまうので、本発明の透光部105では前述のようにメッシュ状とする。
【0036】
(メッシュ)メッシュ部103は、ラインで囲まれた複数で開口部からなっている。開口部の形状は特に限定されず、例えば、3角形、正方形、長方形、菱形、台形などの4角形、、5角形、6角形(亀甲形)n角形(n>6)、円形、楕円形などが適用できる。これらの開口部の複数を、組み合わせてメッシュとする。
【0037】
(平坦化)メッシュが形成されると、メッシュのライン部は金属の厚みがあるが、開口部は金属箔が除去されて空洞となり、導電材部は凹凸状態となる。該凹凸は次工程で接着剤又は粘着剤が塗布される場合には、該接着剤などで埋まる。しかし、メッシュ形成後、直ちにディスプレイへ貼り込む場合には、凹凸が露出したままで、作業性が悪いので、凹部を埋めて平坦化することが好ましい。
【0038】
平坦化層29は透明性が高く、メッシュ剤との接着性が良く、次工程の接着剤との接着性がよいものであればよい。但し、平坦化層29の表面が、突起、凹み、ムラがあると、ディスプレイ前面へ設置した際に、モワレ、干渉ムラ、ニュートンリングが発生したりするので好ましくない。好ましい方法としては、樹脂として熱又は紫外線硬化樹脂を塗布した後に、平面性に優れ剥離性のある透明基材で積層し、塗布樹脂を熱又は紫外線で硬化させて、剥離性基材を剥離し除去する。平坦化層29の表面は、平面性基材の表面が転写されて、平滑な面が形成される。
該平坦化層29に用いる樹脂としては、特に限定されず各種の天然又は合成樹脂、熱又は電離放射線硬化樹脂などが適用できるが、樹脂の耐久性、塗布性、平坦化しやすさ、平面性などから、アクリル系の紫外線硬化樹脂が好適である。
【0039】
(NIR層)さらに、平坦化層29に用いる樹脂へ、可視及び/又は近赤外線の特定波長を吸収する光線吸収剤を添加してもよい。可視及び/又は近赤外線の特定波長を吸収することで、不快感が抑えられ、画像の視認性が向上する。可視及び/又は近赤外線の特定波長とは、780〜1100nm程度である。該780〜1000nmの波長領域の80%以上を吸収することが望ましい。該近赤外線吸収剤(NIR剤という)としては、特に限定されないが、近赤外線領域に急峻な吸収があり、可視光領域の光透過性が高く、かつ、可視光領域には特定の波長の大きな吸収がない色素などが適用できる。PDPディスプレイから発光する可視光領域としては、通常、ネオン原子の発光スペクトルに起因する光であるオレンジ色が多いので、590nm付近、及び780〜900nm付近をある程度吸収ものが好ましい。該色素としては、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系錯体などがあり、これらを適宜1種単独、或いは2種以上混合して添加する。
【0040】
平坦化層29へNIR剤を添加したが、添加しない場合には、NIR剤を有する市販フィルム(例えば、東洋紡績社製、商品名No2832)を接着剤で積層したり、先のNIR剤をポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂や、熱又は紫外線などで硬化するエポキシ、アクリレート、メタアクリレート、イソシアネート基などの反応を利用した硬化タイプなどのバインダへ含有させて、塗布してもよい。
【0041】
(AR層)さらに、図示していないが、電磁波遮蔽用シートの観察側へ、反射防止層(AR層という)を設けてもよい。反射防止層は、可視光線をの反射を防止するためのもので、その構成としては、単層、多層の多くが市販されている。多層のものは、高屈折率層と低屈折率層を交互に積層したもので、高屈折率層としては、酸化ニオブ、チタン酸化物、酸化ジルコニウム、ITOなどがあり、低屈折率層としては、珪素酸化物がある。また、外光を乱反射する微細な凹凸表面を有する層を有するものもある。
【0042】
(ハードコート層、防汚層、防眩層)さらに、反射防止(AR)層には、ハードコート層、防汚層、防眩層を設けてもよい。ハードコート層は、JIS−K5400の鉛筆硬度試験でH以上の硬度を有する層で、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどの多官能アクリレートを、熱又は電離放射線で硬化させる。防汚層は、撥水性、撥油性のコートで、シロキサン系、フッ素化アルキルシリル化合物などが適用できる。防眩層は外光を乱反射する微細な凹凸表面を有する層である。
【0043】
(シート化)以上のように、連続した帯状の巻取りロール状態で製造してきた部材を切断して、1枚毎の電磁波遮蔽用シート1を得る。
該切断は、本発明の透光部105(レジスターマーク105)を検知してもよく、切断のみではメッシュ部103をレジスターマークとして用いることもできる。
【0044】
該電磁波遮蔽用シート1を、ガラスなどの透明な基板へ貼り付けられ、また必要に応じて、NIR層、AR層、ハードコート層、防汚層、防眩層と組み合されてディスプレイ前面板とすることができる。基板は、大型のディスプレイには厚さが1〜10mmの剛性を持つものが、また、キャラクタ表示管などの小型のディスプレイには厚さが0.01〜0.5mmのプラスチックフィルムが用いられ、ディスプレイの大きさや用途に応じて、適宜選択すればよい。ここでは、電磁波遮蔽用シート1を一旦ディスプレイ前面板としてから、ディスプレイの前面へ設置したので、透明基材11側が観察側となっているが、スプレイの前面へ直接貼着してもよい。
【0045】
PDP本体へ組合わせてのセット、ガラスなどの透明な基板へ貼り付け、また必要に応じて、NIR層、AR層、ハードコート層、防汚層、防眩層などとの組み合わせてのセットなどの際には、それぞれの部材と位置合わせする必要がある。この位置合わせは、レジスターマーク105付きの本発明の電磁波遮蔽用シート1を用いれば、容易に、精度よく、セットすることができ、かつ、セットされたディスプレイ(表示装置)は、モアレなどの発生しにくく、表示品質に優れている。
【0046】
【実施例】
(実施例1)導電材として、厚さ10μmの銅箔を用い、厚さが100μmのPETフィルムA4300(東洋紡績社製、ポリエチレンテレフタレート商品名)とを、ポリウレタン系接着剤でラミネートした後に、56℃で4日間エージングした。接着剤としては主剤タケラックA−310と硬化剤A−10(いずれも武田薬品工業社製、商品名)を用い、塗布量は乾燥後の厚さで7μmとした。
フォトリソグラフイ法によるメッシュの形成は、連続した帯状でマスキングからエッチングまでを行う、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを流用した。まず、導電材層面の全体へ、カゼインレジストを掛け流し法で塗布した。次のステーションへ搬送し、下記の形状を有するパターン版を用いて、密着露光した。次々とステーションを搬送しながら、水現像し、硬膜処理し、さらに、100℃でベーキングした。
上記パターン版の形状は、図5(A)のように大きさ幅600mm×長さ800mmのメッシュ部103が900mm間隔で並び、該メッシュ部103は開口部が正方形でライン幅22μm、ライン間隔(ピッチ)300μm、バイアス角度49度で、メッシュ部103の両外側に各々50mm幅とメッシュ部103とメッシュ部103との間の100mm長さの額縁部101とを有する。該額縁部101中で、メッシュ部103の幅方向端部から10mmの位置に、幅10mm×長さ5mmの長方形で、ライン幅8μm、ライン間隔(ピッチ)500μm、バイアス角度45度の透光部105(レジスターマーク105となる)を図5(A)のように3個設けた。
さらに次のステーションへ搬送し、エッチング液として30℃、42゜ボーメの塩化第二鉄溶液を用いて、スプレイ法で吹きかけてエッチングし、開口部を形成した。次々とステーションを搬送しながら、水洗し、レジストを剥離し、洗浄し、さらに、100℃で乾燥して実施例1の電磁波遮蔽用シートを得た。
【0047】
(実施例2)導電材として、平均粒子径0.3μmの銅‐コバルト合金粒子、クロメート(処理)層が付加された厚さ10μmの電解銅箔を用いる以外は、実施例1と同様にして電磁波遮蔽用シートを得た。
【0048】
(実施例3)透光部105(レジスターマーク105となる)のパターンを、印刷網点133線で40%に相当するドット状にする以外は、実施例1と同様にして電磁波遮蔽用シートを得た。
【0049】
(実施例4)パターン版の形状のうち、透光部105(レジスターマーク105となる)に金属層が残らず、全体が開口部となるようにし、該透光部105を幅10mm×長さ2mmの長方形とする以外は、実施例1と同様にして電磁波遮蔽用シートを得た。
【0050】
(実施例5)透光部105を幅10mm×長さ3mmの長方形とする以外は、実施例1と同様にして電磁波遮蔽用シートを得た。
【0051】
(比較例1)パターン版の形状のうち、透光部105(レジスターマーク105となる)を設けない以外は、実施例1と同様にして電磁波遮蔽用シートを得た。
【0052】
(評価)評価はブロッキングテスト、及びレジスターマークの検知テストで行った。
レジスターマークの検知テストは、通常のシート切断機で使用している公知のフォトセンサー式の検出機を用いて、レジスターマークの位置が検出し、検出できるものを合格とし、検出できないものを不合格とした。
ブロッキングテストは、各サンプルから透光部を含む50mm×50mmの大きさに切り取り、該切片を同じ向きに10枚重ねて、20N/cm2の圧力をかけたまま、60℃で2日間した後に取り出して、剥離し容易に剥離するものを合格とし、著しく密着しているものや剥離できないものを不合格とした。
【0053】
(結果)レジスターマークの検知テストでは、実施例1〜5の、いずれも合格であった。しかしながら、ブロッキングテストでは、実施例1〜4は合格であったが、実施例5では、若干の密着が見られたが剥離でき、品質に影響のない程度であり、合格とした。比較例1では、レジスターマークは設けていない、但し、ブロッキングテストでは合格であった。
【0054】
(実施例6〜10)実施例1〜5の電磁波遮蔽用シートをそれぞれ、粘着剤で3mmガラス板の一方の面へ貼着し、さらに粘着剤で東洋紡績社製の近赤外線吸収フィルム(商品名No2832)を貼着した。他方の面へ粘着剤で大日本印刷社製の反射防止フィルム(商品名TAC−AR1)を貼着して、前面板とした。
単一シートに切断した実施例1〜5の電磁波遮蔽用シートを各100枚を用いて、PDPパネル前面板へ組立てたところ、100枚とも異常なく組立てられ、該前面板の貼着した部材の位置精度は良好であった。また、比較例1の電磁波遮蔽用シートを用いたところ、単一シートへの切断は、額縁部とメッシュ部との透過光を検知して切断したので問題なかったが、前面板としての位置合わせの精度の悪いものが2枚発生し、歩留まりが低下した。
【0055】
(実施例11〜15)この実施例6〜10の前面板のそれぞれを、PDP(日立製作所製、WOOO)の前面へセットし表示装置とし、画像を表示させたところ、いずれの表示画像もモアレの発生、ギラツキ、外光の映り込みもなく、良好な色調、視認性が得られた。また、いずれも電磁波シールド性は良好であった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の電磁波遮蔽用シートによれば、連続ウェブ状(巻取)で製造し、巻取り状で保管保存しても、ブロッキング現象が極めて発生しにくく、複数が面付けされた巻取りから、切断して単一シートにする際に、正確に位置合わせして切断することができる。
また、本発明の前面板によれば、それぞれの部材と、容易かつ精度よく位置が合わせられ、その結果、位置精度のよい前面板が歩留りがよく、生産効率がよく、生産することができる。
さらに、本発明の表示装置によれば、前面板が精度よく組み付けられ、その表示画像は、モアレなどの発生もなく、良好な表示品質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電磁波遮蔽用シートの1実施例を示す平面図である。
【図2】 ト図2のAA断面図である。
【図3】 本発明の透光部の実施例を示す平面図である。
【図4】 本発明の透光部の位置と形状の実施例を示す平面図である。
【図5】 透光部を検出して巻取りから単一シートへ切断を説明する平面図及び断面図である。
【図6】 本発明の電磁波遮蔽用シートの断面図である。
【符号の説明】
1 電磁波遮蔽用シート
11 透明基材
13 接着剤層
15 金属層
23A、23B 銅‐コバルト粒子
25A、25B 防錆層
29 平坦化層
31A、31B NIR層
101 額縁部
103 メッシュ部
105、105B レジスターマーク
201 照明光
203 受光部
Claims (3)
- 連続した帯状の透明基材の一方の面へ、接着剤層を介して、メッシュ部と該メッシュ部に外周する額縁部とを有する金属層から成る電磁波遮蔽シートが複数面付けして積層され、且つ前記額縁部に少なくとも1つの金属層非形成領域から成る透光部を上記電磁波遮蔽用シートの一方の面から照明し、上記透光部を透過又は反射した光を検出することで、上記透光部をメッシュ部の位置検知用レジスターマークとするように、上記透光部を上記メッシュ部と相関する位置関係に設けて成る、連続帯状の電磁波遮蔽用シートを用意し、上記連続帯状の電磁波遮蔽用シートの一方の面から照明光を照明し、上記透光部を透過又は反射した光を検出することで、上記メッシュ部の位置を検知して、上記連続帯状の複数面付けされた電磁波遮蔽用シートを、単一の電磁波遮蔽用シートに切斷、分離することによって製造されてなることを特徴とする電磁波遮蔽用シート。
- 請求項1に記載の電磁波遮蔽用シートを含むことを特徴とする表示装置用の前面板。
- 請求項2に記載の前面板を表示素子の前面へセットしたことを特徴とする表示装置。
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