JP4333876B2 - 研削加工方法 - Google Patents

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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

本発明は、主として、軸対称で非球面形状の凹面を有する成形金型や光学レンズなどを研削加工により製作するための研削加工方法に関するものである。
近年、光学レンズは、レンズ成形金型を用いた成形加工により製作することが可能となり、それに伴って大量生産が可能になっている。上記レンズ成形金型は、一般に、超精密切削加工または研削加工の何れかの加工手段により製作されている。その中の研削加工は、特に、被加工物が超硬素材からなる場合に適しており、軸対称で非球面形状の所望の凹面を有する粗加工面を形成したのち、その粗加工面を研削加工により所望の形状精度と表面粗さに精密仕上げ加工する工程を経るものである。この研削加工としては2種の加工方法が存在し、この2種の加工方法について、図6を参照しながら説明する。
図6(a)は第1の研削加工方法による研削加工工程の切断平面図、同図(b)はその切断側面図をそれぞれ示す。この第1の研削加工方法では、円柱状の被研削加工物60の一端面である被加工面60aに、軸対称で非球面形状の凹面を有する粗加工面60cを形成したのち、その粗加工面60cを回転砥石62による研削加工を行って所望の形状精度と表面粗さに仕上げ加工する工程を経るものである。この研削加工方法では、被研削加工物60を図示矢印方向に回転させるとともに、この被研削加工物60の回転中心軸60bに対し自体の回転軸61が直交する配置とされた回転砥石62を、回転させながら、その周端面を被研削加工物60の粗加工面60cに対し図6(a)に矢印で示す軌跡に沿って移動させることにより、研削加工が実行される。
すなわち、第1の研削加工方法では、回転砥石62が粗加工面60cに当接する研削ポイントにおける被研削加工物60の回転方向に対し回転砥石62の回転方向が非平行となる状態を保持しながら、回転砥石62を、被研削加工物60の回転中心軸60bを通る水平面に沿って移動させるものであり、そこで、この第1の研削加工方法を、以後において、クロス研削加工方法と称するものとする。
このクロス研削加工方法では、被研削加工物60の粗加工面60cを研削することにより、図6(c)に示すように、回転中心軸60bを中心とした放射線状の研削目を有する研削加工面に仕上げ加工される。このクロス研削加工方法では、研削目の粗い研削加工面に研削されるが、被研削加工物60に目標加工形状を研削加工するための回転砥石62の移動制御を簡単に行える利点がある。
一方、図6(d)は第2の研削加工方法による研削加工工程の切断平面図、同図(e)はその切断側面図をそれぞれ示す。この第2の研削加工方法では、回転砥石62が、図6(e)に矢印で示す移動軌跡のように、自体の回転軸61に対し平行な方向に向けて移動される。すなわち、第2の研削加工方法では、回転砥石62が粗加工面60cに当接する研削ポイントにおける被研削加工物60の回転方向に対し回転砥石62の回転方向が平行となる状態を保持しながら、回転砥石62を、回転軸61に対し平行な鉛直方向に沿って移動させるものであり、そこで、この第2の研削加工方法を、以後において、パラレル研削加工方法と称するものとする。
上記パラレル研削加工方法では、被研削加工物60の粗加工面60cが、図6(f)に示すように、回転中心軸60bに対し多数の同心円の研削目を有する研削加工面に仕上げ加工される。このパラレル研削加工方法では、研削目の細かい良好な研削加工面に研削加
工できる利点があるが、回転砥石62の研削部分を正確な形状に形成し、且つその形状を維持するのが非常に難しい難点がある。
ところで、近年の光ディスク装置では、大容量化および高性能化に伴って、NA(開口率)の高い非球面の光学レンズが用いられる傾向にあり、このような光学レンズを形成加工するためのレンズ成形金型は、深さの大きな凹面を有する形状に形成する必要がある。さらに、光ディスク装置の小型化に伴って、この光ディスク装置に用いる光学レンズも小さくなってきている。したがって、近年では、小径で小曲率の非球面形状の凹面を有するレンズ形成金型が要望されている。
上述のように小径で小曲率の非球面形状の凹面を有するレンズ成形金型を研削加工するためには、回転砥石62の径を加工形状の近似曲率半径よりも小さくする必要がある。このような径の小さい回転砥石62では、これの回転軸61も、被研削加工物60の被加工面60aに接触しないように径を小さくする必要があるが、そのような径の小さい回転軸61は剛性が低下して歪みが発生し易いから、研削加工中に振動が生じて被研削加工物60の研削加工後の加工面の形状精度および表面粗さが悪化する。
そこで、従来では、小径の円柱状被研削加工物の被加工面に、小径で小曲率の非球面形状の凹面を高精度に研削加工できるように図った研削加工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この研削加工装置は、図5(a)に示すように、台板40上に設けられたワークスピンドル41により被研削加工物42を保持して回転駆動させ、台板40上に設置されて互いに直交するX方向およびY方向に移動されるXYテーブル43上に、ワークスピンドル41つまり被研削加工物42の回転中心軸42aに対して所定角度に傾斜する傾斜面44aを有する傾斜台44が、ワークスピンドル41に相対向する配置で設けられている。この傾斜台44には、移動台47が傾斜面44aに沿って移動可能に設けられ、その移動台47に、回転砥石48を保持して回転駆動させる研削スピンドル49が固定されている。回転砥石48は、円柱状であって、鋭いエッジ形状またはアール形状に形成された先端の周端部により被研削加工物42を研削加工するようになっている。
この研削加工装置では、円柱状の回転砥石48を、これの回転中心軸48aが被研削加工物42の回転中心軸42aに対して所定角度に傾斜する配置で設けたことにより、回転軸50を太く設定することができるから、剛性が向上し、被研削加工物42の被加工面に、小径で小曲率の非球面形状の研削粗加工面を形成することが可能になっている。
図5(b)は上記研削加工装置における粗加工面42bに対する研削加工開始時時の切断平面図、(c),(d)は研削加工完了時の切断平面図および切断側面図をそれぞれ示す。この研削加工装置では、先ず、移動台47を傾斜台44の傾斜面44aに沿って移動させることにより、研削スピンドル49に保持された回転砥石48の先端の周端部が被研削加工物42の回転中心軸42aに合致するように研削スピンドル49を位置決めして固定する。
つぎに、XYテーブル43をX方向に移動させて、被研削加工物42の回転中心軸42aを通る水平線と回転砥石48の回転中心軸48aとがX軸上で一致するように調整するとともに、XYテーブル43をY方向に移動させて、図(a)に示すように、回転砥石48の先端の周端部が被研削加工物42の被加工面に形成された粗加工面42bの一端部に当接した時点から研削工程を開始する。
そののち、予め作成されたNCプログラムに基づきXYテーブル43がX方向およびY方向に移動制御されることにより、研削スピンドル49により回転される回転砥石48が、被研削加工物42の被加工面の粗加工面42bに沿って移動するように制御される。すなわち、回転砥石48は、図5(b)の位置から同図(c)の位置まで粗加工面42bに沿って水平方向に移動され、この回転砥石48によるクロス研削加工方法により、被研削加工物42の被加工面に目標加工形状の研削面が研削加工される。
この研削加工装置では、径が小さく、且つ回転中心軸48a方向に長い円柱状の回転砥石48を用いることにより、小径の円柱状被研削加工物42の被加工面に予め形成された、小径で小曲率の非球面形状の凹面を有する加工面を容易に研削加工することができるとともに、回転砥石48の回転中心軸48aを被研削加工物42の回転中心軸42aに対して所定角度に傾斜させて研削加工するので、回転砥石48の回転軸50が被研削加工物42の被加工面と位置的に干渉することがないため、回転軸50の径を太くすることができるから、回転砥石48の回転軸50が歪んで研削加工中に振動が生じると言ったことがない。
特開平8−229792号公報
しかしながら、上記研削加工装置による研削加工方法では、回転砥石48が被研削加工物42に当接する研削ポイントが、被研削加工物42の被加工面の外周付近を加工する研削加工開始時に、図5(b)に示すように、上方から見て回転砥石48の側方のA点にあるが、被研削加工物42の中心を加工する研削加工完了時に、図5(c)に示すように、上方から見て回転砥石48の回転中心軸48aに対応するB点に移動している。また、上記研削ポイントは、図5(d)に太線矢印で示す研削ポイントの移動軌跡Cのように、側方から見た場合に回転砥石48の回転中心軸48aに対応する位置から上端エッジ部に移動している。さらに、被研削加工物42では、図5(e)に太線矢印で示す研削ポイントの移動軌跡Dのように、回転砥石48が回転しながら水平方向に移動されるにも拘わらず、回転砥石48が当接する接触ポイントが水平方向に向け直線的に変位していない。
このように回転砥石48による被研削加工物42の研削ポイントが研削加工開始時から研削加工完了時までの間に回転砥石48において移動するため、回転砥石48に加わる研削抵抗の位置と方向は、被研削加工物42の被加工面の外周付近を加工する研削加工開始時と被研削加工物42の中心を加工する研削加工完了時とで大きく異なるから、回転砥石48に不安定な撓みなどが発生し易く、被研削加工物42の被加工面に、所望の目標加工形状を所定の形状精度を得られるように高精度に形成することが困難となる。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、回転砥石のような回転研削工具による被研削加工物の研削ポイントを一点に固定して、回転研削工具に加わる研削抵抗の位置と方向とを一定に保てるように制御することができる研削加工方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の研削加工方法は、円柱状または円盤状の回転研削工具を、その回転中心軸が軸対称な形状の被研削加工物の回転中心軸に対し所定の傾斜角度配置、前記回転研削工具の先端角部が前記被研削加工物の端面被加工面に当接した状態で目標加工形状に倣うように前記被研削加工物および前記回転研削工具を相対移動させることにより、前記被加工面に非球面形状の凹面を形成する研削加工方法において、前記所定の傾斜角度を維持した状態で、前記回転研削工具の回転中心軸を、前記先端角部が前記被加工面と当接する研削ポイントに対する法線に、相対移動の移動平面に対し直交方向から見て常に合致させるように、前記被研削加工物または前記回転研削工具の少なくとも一方を研削加工の進行に対応して回動制御することを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1の発明の研削加工方法において、回転研削工具の先端角部が被加工面に当接する研削ポイントにおける被研削加工物の回転方向に対し回転研削工具の回転方向が非平行となる状態を保持しながら、前記被研削加工物および前記回転研削工具を相対移動させるように移動制御するようにした。
請求項3に係る発明は、請求項1または2の発明の研削加工方法において、回転研削工具の先端角部が被加工面に当接する研削ポイントの移動軌跡が直線となるように被研削加工物および前記回転研削工具を相対移動させるように制御するようにした。
請求項1の発明では、円柱状または円盤状の回転研削工具および被研削加工物を相対移動させる2軸の直線移動制御に加えて、上記相対移動の移動平面に対し直交方向から見て、例えば上方から見て、回転研削工具の回転中心軸が、回転研削工具と被研削加工物との研削ポイントに対する法線に常に合致するように、回転研削工具または被研削加工物の少なくとも一方を回動制御する1軸の回動制御を行っていることにより、例えば、上方から見た被研削加工物に対する回転砥石の研削ポイントが、研削加工開始時から研削加工完了時までの間において常に回転研削工具の回転中心軸上の一点に存在するよう維持される。したがって、回転研削工具に加わる研削抵抗の位置および方向は、研削加工開始時から研削加工完了時まで常に一定に保たれるので、回転研削工具に不安定な撓みなどが発生するおそれがない。しかも、研削抵抗の位置および方向は回転研削工具における最も安定な回転中心軸に合致しているため、回転研削工具を一層安定に回転駆動することができる。これにより、この研削加工方法では、小径の円柱状被研削加工物の被加工面に目標加工形状の研削加工面を高精度な形状および面精度に確実に研削加工することが可能となる。
請求項2の発明では、回転研削工具の先端角部が被加工面に当接する研削ポイントにおける被研削加工物の回転方向に対し回転研削工具の回転方向が非平行となる状態を保持しながら、被研削加工物および回転研削工具を相対移動させるクロス研削加工方法を採用しているので、被研削加工物の被加工面には、研削目が比較的粗い研削面が研削されるが、
被研削加工物に目標加工形状を研削加工するための回転研削工具の制御を容易に行える利点がある。特に、この研削加工方法では、回転研削工具と被研削加工物との相対位置を2軸の直線移動制御により制御するのに加えて、回転研削工具または被研削加工物を回動させる1軸の回動制御を行うことから、制御が簡単なクロス研削加工方法を採用するメリットが大きい。
請求項3の発明では、被研削加工物の被加工面における回転研削工具による研削ポイントの移動軌跡を、例えば、被研削加工物の中心を通る水平線に沿った直線となるように設定することができ、回転研削工具に不安定な撓みなどが発生するのを一層確実に防止することができ、例えば、小径の円柱状被研削加工物の被加工面に、小径で小曲率の非球面形状を研削加工する場合であっても、目標加工形状の研削加工面を極めて高精度な形状および面精度に確実に研削加工することができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る研削加工方法を具現化した研削加工装置を示す側面図、図2はその平面図である。この研削加工装置は、台板1上に設置されたX方向移動テーブル2およびY方向移動テーブル3と、Y方向移動テーブル3上に設置されて円柱状の被研削加工物7を水平の回転中心軸4a回りに回転駆動するワークスピンドル4と、X方向移動テーブル2上に設置されて鉛直な回転中心軸8a回りに回転される回転テーブル8と、この回転テーブル8上の外周近傍箇所に鉛直な配置で立設されたスピンドルホルダ9と、このスピンドルホルダ9に鉛直上下方向に移動可能に取り付けられた昇降テーブル10と、被研削加工物7に向けて下り勾配に傾斜する配置で前記昇降テーブル10に保持された研削スピンドル11と、この研削スピンドル11に保持されて回転中心軸11a回りに回転駆動される回転砥石12とを備えて構成されている。
上記研削スピンドル11は、これの回転中心軸11aが水平のワークスピンドル4の回転中心軸4aに対し任意の傾斜角度θ、例えば45°の傾斜角度θで傾斜する配置で昇降テーブル10に固定されており、昇降テーブル10の上下動に伴い上記傾斜角度θを保持しながら鉛直上下方向に上下動される。また、研削スピンドル11は、自体に保持している回転砥石12における被研削加工物7に当接する突出先端部が回転テーブル8の回転中心軸8aの上方延長線上に一致するようにセッティングされている。一方、被研削加工物7は、自体の回転中心軸がワークスピンドル4の回転中心軸4aと一致する配置でワークスピンドル4に取り付けられている。さらに、回転砥石12の突出先端部は、上述のように回転テーブル8の回転中心軸8aの上方延長線に一致するとともに、ワークスピンドル4の回転中心軸4aを通る水平面に一致するように、昇降テーブル10の上下動により高さ位置が調整されている。
つぎに、上記研削加工装置により被研削加工物7を研削加工する工程について説明する
。図3(a)は上記研削加工装置における研削加工開始時の要部の切断平面図、(b),(c)は研削加工完了時の要部の切断平面図および要部の切断側面図をそれぞれ示す。被研削加工物7の被加工面7aには、この研削加工装置による被研削加工物7の研削加工に先立って、所定の非球面形状の凹面を有する粗加工面7bが予め形成されており、上記研削加工装置では、その粗加工面7bに対し回転砥石12により研削加工を行って、目標加工形状になるように高精度に仕上げ加工する。
まず、上記研削加工装置では、上述した研削加工の開始に先立って、傾斜した配置の回転砥石12における被研削加工物7に当接される突出先端部が、回転テーブル8の回転中心軸8aの上方延長線上に一致するようにセッティングされ、さらに昇降テーブル10の上下動により研削スピンドル11の高さの位置調整が行われて、回転砥石12の突出先端部は、ワークスピンドル4の回転中心軸4aを通る水平面つまり被研削加工物7の回転中心軸を通る水平面に一致するように位置決めされることになる。
そののち、研削加工装置では、図3(a)に示すように、X方向移動テーブル2がX方向における図2の手前側に向け移動されるとともに、Y方向移動テーブル3がY方向における図2の右方に向け移動されて、回転砥石12の突出先端部が、被研削加工物7の被加工面7aに形成された粗加工面7bの一端部に向けて移動されていく。
さらに、回転テーブル8が図2のL矢印方向に回転されることにより、この回転テーブル8上のスピンドルホルダ9に研削スピンドル11および昇降テーブル10を介して保持されている回転砥石12は、研削スピンドル11の回転中心軸11aつまり回転砥石12の回転中心軸が、回転砥石12の突出先端部と被研削加工物7の一端部とが接触する研削ポイントEを通る接線Gに対し上方から見て直角となる配置に、つまり上方から見て回転砥石12の回転中心軸が研削ポイントEの法線と合致する配置になるように回転制御される。
このようにして回転砥石12の突出先端部が被研削加工物7の被加工面7aにおける粗加工面7bの一端に当接された時点から、ワークスピンドル4により回転駆動されている被研削加工物7の粗加工面7bを、研削スピンドル11により回転駆動されている回転砥石12により研削する研削加工が開始される。そののち、研削加工装置では、予め作成されたNGプログラムに基づいて、X方向移動テーブル2およびY方向移動テーブル3が移動制御され、且つ回転テーブル8が図2のR矢印方向に向け徐々に回転制御される。
すなわち、X方向移動テーブル2は、回転砥石12の突出先端部が被研削加工物7の粗加工面7bに当接しながら、この粗加工面7bの一端部から中心まで水平方向に変位するようにX方向に移動制御される。また、Y方向移動テーブル3は、X方向に向け水平移動する回転砥石12における突出先端部が被研削加工物7の粗加工面7bの一端部から中心までの凹面形状に沿って倣いながら常時接触するようにY方向に移動制御される。さらに、回転テーブル8は、研削スピンドル11の回転中心軸11aつまり回転砥石12の回転中心軸が上方から見て回転砥石12と被研削加工物7との研削ポイントの法線に常に合致するように、回転砥石12を上記研削ポイントE,Fの変位に対応して図3(a)の向きから同図(b)の向きとなる範囲で徐々に回転される。
このようにして、回転砥石48を、予め作成されたNGプログラムに基づき被研削加工物7の粗加工面7bに沿って移動制御および回動制御することにより、回転砥石12を図3(a)の位置から同図(b)の位置まで水平方向に移動させ、且つ図2のR矢印方向に回動させて、回転砥石12によるクロス研削加工方法によって被研削加工物7の被加工面7aの粗加工面7bが目標加工形状の研削粗加工面に研削加工される。
この研削加工方法では、回転砥石12をX方向に移動制御し、且つ被研削加工物7をY方向に移動制御する2軸の直線移動制御に加えて、上方から見て研削スピンドル11の回転中心軸11aつまり回転砥石12の回転中心軸が、回転砥石12と被研削加工物7との研削ポイントE,Fの接線G,Hに対し常に直角になるように、つまり研削ポイントE,Fに対する法線に常に合致するように回転砥石12を回動制御する1軸の回動制御を行っていることにより、図3(a)および同図(b)に示すように、上方から見た被研削加工物7に対する回転砥石12の研削ポイントE,Fは、研削加工開始時から研削加工完了時までの間において常に研削スピンドル11の回転中心軸11aつまり回転砥石12の回転中心軸上の一点に存在するよう維持される。
また、回転砥石12は回動されながら水平方向に移動されるから、図3(c)に示すように、側方から見たときの回転砥石12における研削ポイントの移動規制は、回転砥石12における回転中心軸の真上の突出先端部の一点に存在するように維持される。したがって、図3(d)に太線矢印で示すように、被研削加工物7の被加工面7aにおける回転砥石12による研削ポイントの移動軌跡Iは、被研削加工物7の中心を通る水平線に沿った直線となる。
上述のように、回転砥石12を、被研削加工物7に対する研削ポイントE,Fが自体の回転中心軸上の一点に固定し、且つ直線の移動軌跡となるように制御することから、回転砥石12に加わる研削抵抗の位置および方向は、研削加工開始時から研削加工完了時まで常に一定に保たれるので、回転砥石12に不安定な撓みなどが発生するおそれがない。しかも、研削抵抗の位置および方向は回転砥石12における最も安定な回転中心軸に合致しているため、回転砥石12を一層安定に回転駆動することができる。これにより、この研削加工装置では、小径の円柱状被研削加工物7の被加工面7aに目標加工形状の研削加工面を高精度な形状および面精度に確実に研削加工することが可能となる。
また、上記研削加工装置では、回転砥石12の回転中心軸11aを被研削加工物7の回転中心軸4aに対して任意の角度に傾斜させて研削加工するので、小径の円柱状被研削加工物7の被加工面7aに、小径で小曲率の非球面形状を研削加工する場合であっても、径が小さく、且つ回転中心軸方向に長い円柱状の回転砥石12を用いることにより、回転砥石12が被研削加工物7の被加工面7aと位置的に干渉することがないので、回転砥石12が歪んで研削加工中に振動が生じると言ったことがない。これにより、被研削加工物7の被加工面7aに所要の研削加工面を一層高精度に研削加工することができる。
さらに、上記研削加工装置では、回転砥石12を、粗加工面7bに当接する研削ポイントにおける被研削加工物7の回転方向に対し回転砥石12の回転方向が非平行となる状態を保持しながら、被研削加工物7および回転砥石12を相対移動させるクロス研削加工方法を採用しているので、被研削加工物7の被加工面7aには、研削目が比較的粗い研削面が研削されるが、被研削加工物7に目標加工形状を研削加工するための回転砥石12の制御を容易に行える利点がある。特に、上記研削加工方法では、回転砥石12をX軸方向に移動制御し、且つ被研削加工物7をY軸方向に移動制御する2軸の直線移動制御に加えて、回転砥石12を回動させる1軸の回動制御を行うことから、回転砥石12の制御が簡単なクロス研削加工方法を採用するメリットが大きい。
なお、上記実施の形態では、回転砥石12を回転テーブル8の回転により回動させる構成を例示して説明したが、Y方向移動テーブル3上に回転テーブル8を設置して、その回転テーブル8上にワークスピンドル4を設けることにより、上方から見て研削スピンドル11の回転中心軸11aが回転砥石12と被研削加工物7との研削ポイントに対する法線に合致するように被研削加工物7を回動制御する構成としても、上述したと同様の効果を得ることができる。その場合、研削スピンドル11はX方向移動テーブル2上に設けて、
回転砥石12をX方向のみに移動制御することになる。但し、制御上からは、上記実施の形態のように、回転砥石12を回転テーブル8によって回動させる方が有利である。
図4は、本発明の他の実施の形態に係る研削加工方法を具現化した研削加工装置を示し、同図(a)は研削加工開始時時の要部の切断平面図、同図(b)は切削加工時の切断側面図であり、図3と同一若しくは実質的に同等のものに同一の符号を付してある。この実施の形態では、一実施の形態の円柱状の回転砥石12に代えて、そろばん玉形状のような形状を有する円盤状の回転砥石13を回転軸14の先端に固着して用いている。この回転砥石13は、一実施の形態と同様に移動制御および回動制御される。したがって、この実施の形態においても、一実施の形態で説明したと同様の効果を得ることができる。
この発明は、被研削加工物の端面の被粗加工面に凹状の研削粗加工面を形成するに際して、回転砥石による被研削加工物の研削ポイントを、研削加工開始時から研削加工完了時まで所定の一点になるように制御することにより、研削加工時に回転砥石に加わる研削抵抗の位置および方向を一定に保って、極めて安定した研削加工を行うことができるので、近い将来において、小径で、小曲率の非球面形状の凹面を有するレンズ成形金型の製作が要望された場合にも、そのようなレンズ成形金型を高精度な形状および面精度に研削加工できるように対応できる。
本発明の一実施の形態に係る研削加工方法を具現化した研削加工装置を示す側面図。 同上の研削加工装置の平面図。 (a)は同上の研削加工装置の研削加工開始時時の要部の切断平面図、(b),(c)は研削加工完了時の要部の切断平面図および切断側面図、(d)は被研削加工物における回転砥石による研削ポイントの移動軌跡を示す説明図。 本発明の他の実施の形態に係る研削加工方法を具現化した研削加工装置を示し、(a)は研削加工開始時時の要部の切断平面図、(b)は切削加工時の切断側面図。 従来の研削加工装置を示す斜視図、(b)は研削加工開始時時の切断平面図、(c),(d)は研削加工完了時の切断平面図および切断側面図、(e)は被研削加工物における回転砥石による研削ポイントの移動軌跡を示す説明図。 (a),(b)はクロス研削加工方法による研削工程の切断平面図および切断側面図、(c)はクロス研削加工方法により研削加工された被研削加工物の粗加工面を示す図、(d),(e)はパラレル研削加工方法による研削工程の切断平面図および切断側面図、(f)はパラレル研削加工方法により研削加工された被研削加工物の粗加工面を示す図。
符号の説明
2 X方向移動テーブル(移動テーブル)
3 Y方向移動テーブル(移動テーブル)
4 ワークスピンドル
4a ワークスピンドルの回転中心軸(被研削加工物の回転中心軸)
7 被研削加工物
7a 被粗加工面
8 回転テーブル
8a 回転テーブルの回転中心軸
9 スピンドルホルダ
10 昇降テーブル
11 研削スピンドル
11a 研削スピンドルの回転中心軸(回転研削工具の回転中心軸)
12,13 回転砥石(回転研削工具)
θ 傾斜角度
E,F 研削ポイント
I 研削ポイントの移動軌跡

Claims (3)

  1. 円柱状または円盤状の回転研削工具を、その回転中心軸が軸対称な形状の被研削加工物の回転中心軸に対し所定の傾斜角度配置、前記回転研削工具の先端角部が前記被研削加工物の端面被加工面に当接した状態で目標加工形状に倣うように前記被研削加工物および前記回転研削工具を相対移動させることにより、前記被加工面に非球面形状の凹面を形成する研削加工方法において、
    前記所定の傾斜角度を維持した状態で、前記回転研削工具の回転中心軸を、前記先端角部が前記被加工面と当接する研削ポイントに対する法線に、相対移動の移動平面に対し直交方向から見て常に合致させるように、前記被研削加工物または前記回転研削工具の少なくとも一方を研削加工の進行に対応して回動制御することを特徴とする研削加工方法。
  2. 回転研削工具の先端角部が被加工面に当接する研削ポイントにおける被研削加工物の回転方向に対し回転研削工具の回転方向が非平行となる状態を保持しながら、前記被研削加工物および前記回転研削工具を相対移動させるように移動制御するようにした請求項1に記載の研削加工方法。
  3. 回転研削工具の先端角部が被加工面に当接する研削ポイントの移動軌跡が直線となるように被研削加工物および前記回転研削工具を相対移動させるように制御する請求項1または2に記載の研削加工方法。
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