JP4333801B2 - 永久アンカーが施工された壁構造の構築方法、永久アンカーが施工された壁構造 - Google Patents

永久アンカーが施工された壁構造の構築方法、永久アンカーが施工された壁構造 Download PDF

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Description

本発明は、永久アンカーが施工された壁構造の構築方法および永久アンカーが施工された壁構造に関する。
例えば傾斜地に建物外壁や擁壁などの壁構造を構築する場合、斜め型の仮設アンカーを用いた山留め工事を行ってから壁の構築工事を行うのが一般的である(例えば特許文献1を参照)。この特許文献1に記載された仮設アンカーでは、山留め用鋼材を打ち込んだ後、鋼棒からなるアースアンカーを傾斜地の地盤へ斜めに埋め込み、このアースアンカーの端部を止体によって山留め用鋼材に定着している。
これに対して、特許文献2には、山留め杭に斜め型の永久アンカーを施工し、この永久アンカーに土圧を負担させることにより、仮設アンカーを用いることなく構築物を構築する工法が開示されている。この工法では、構築物を上部より一段ずつ構築し、各段の構築が終了する毎に永久アンカーを施工して土圧を負担させるようにしている。
特開昭62−63722号公報 特開平5−202527号公報
しかし、仮設アンカーを用いることなく工事を行うことは、斜め型永久アンカーの構築後にその下を根切りする際に、山留め杭のみに土圧を負担させることであり、根切り深さが大きくなると山留め杭の変形も増大してしまうため実用的でない。したがって、従来、傾斜地に壁構造を構築する場合、仮設アンカーを用いざるを得なかった。
上記特許文献1に開示されるような斜め型の仮設アンカーを用いて壁構造の構築工事を行う場合、仮設アンカーや山留め用鋼材を再利用するために、壁構造を構築しながら仮設アンカーを取り外していき、山留用鋼材も解体して除去するのが通常である。しかし、仮設アンカー等を撤去してしまうと、壁構造には大きな土圧が作用する。そこで、壁構造がそのような土圧に耐えられるよう、構築した壁に永久アンカーを施工することが考えられる。
図24は、仮設アンカーを用いた山留めを行ったうえで、永久アンカーを用いて壁構造を構築する構成を示す断面図であり、図25は、図24の左側から見た正面図である。これらの図面を参照して壁構造の施工手順を説明すると、先ず、山留め杭50を打設し、この山留め杭50の内側(図24における左側)の地盤を根切りする。根切り深さが最上段の仮設アンカー施工位置まで達すると、鋼製の腹起こし52を山留め杭50に取り付け、この腹起こし52に仮設アンカー定着固定用の台座54を固定する。そして、最上段の仮設アンカー56aを施工して、台座54に定着固定する。以後、最下段の仮設アンカー56cまで、このような根切りと仮設アンカー56の施工とを繰り返す。
仮設アンカー56の工事が終わると床付を行う。そして、床コンクリート58を打設し、この床コンクリート58から上方へ壁構造60を打設しながら、仮設アンカー56を下から順に撤去していく。すなわち、図24および図25の例では、最下段の仮設アンカー56c、腹起こし52、台座54を撤去してから床コンクリート58を打設し、次段の仮設アンカー56b等を撤去してから壁構造60の最下部を打設し、更に、最上段の仮設アンカー56a等を撤去してから、壁構造60の残りの部分を打設する。また、壁構造60の打設を行いながら、斜め型の永久アンカー62の施工も行う。こうして壁構造60の構築が完了する。
以上説明したように、図24および図25に示す工事では、仮設アンカー56等の施工や撤去の作業が必要となり、施工コストが増大すると共に工事が長期化してしまう。さらに、山留め杭50と壁構造60との間の空間が狭いため、仮設撤去作業は極めて行い難い。しかも、仮設アンカー56等の撤去作業または外壁型枠作業などは、壁構造60や永久アンカー62の施工と並行して行わねばならないため作業が輻輳し、作業効率が悪くなってしまう。
また、仮設アンカー56と永久アンカー62の両方を施工するためアンカー施工本数が増大し、この点でもコスト増および工事の長期化を招くと共に、効率的なアンカーの配置計画を行うのが難しいという問題もある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、仮設のアンカーや腹起こしを用いることなく地盤内に壁構造を構築できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、山留めを打設し、該山留めの内側の地盤を根切りして、アンカーを定着固定するためのアンカー定着部材を前記山留めに構築すると共に、斜め型のアンカーを打設し、当該アンカーを前記アンカー定着部材に定着固定した後、壁構造のコンクリートを前記アンカー定着部材と一体となるように打設する永久アンカーが施工された壁構造の構築方法であって、
前記アンカー定着部材を複数段に構築して、各段のアンカー定着部材に、緊張したアンカーを定着し、
前記壁構造のコンクリートを、最下段の前記アンカー定着部材の、前記アンカーの定着位置よりも低い位置まで打設した後、当該最下段のアンカー定着部材に定着されたアンカーを再緊張し、
前記アンカー定着部材の最下段から最上段へ向けて段毎に、前記壁構造のコンクリートを、当該段のアンカー定着部材が内部に埋設されるように、一段上の前記アンカー定着部材の、前記アンカーの定着位置よりも低い位置まで打設する第1の工程と、当該一段上のアンカー定着部材に定着されたアンカーを再緊張する第2の工程と、を行った後、前記壁構造の最上部のコンクリートを、最上段のアンカー定着部材が内部に埋設されるように打設することを特徴とする。
本発明によれば、アンカー定着部材を山留めに構築し、このアンカー定着部材にアンカーを定着固定するので、根切り時の土圧をこのアンカーで確実に負担できる。また、壁構造のコンクリートをアンカー定着部材と一体となるように打設するので、上記アンカーを永久アンカーとして用いることができる。したがって、本発明によれば、仮設アンカーを用いることなく、永久アンカーのみで土圧を負担しながら、壁構造を構築できる。また、アンカー定着部材は腹起こしとして機能するので、仮設の腹起こしを用いることも不要となる。なお、本発明における壁構造として、例えば、建物外壁、建物ドライエリアの外壁、傾斜地盤に設けられる擁壁等がある。
また、請求項2に記載された発明は、請求項1記載の方法において、前記アンカー定着部材の段毎に、前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に前記アンカーの張力を緩める工程を行い、前記第2の工程で前記アンカーを再緊張する
また、請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載の構築方法により構築された、永久アンカーが施工された壁構造である
本発明によれば、仮設のアンカーや腹起こしを用いることなく地盤内に永久アンカーが施工された壁構造を構築することができる。
図1は、本発明の一実施形態である壁構造の構築工事により構築された鉄筋コンクリート造の壁構造を示す断面図であり、図2は、図1の壁構造を同図中左側からみた正面図である。また、図3は、図2おける永久アンカー施工部分を示す(図2のIII部)拡大正面図であり、図4は図1のIV−IV断面図であり、図5は図1のV−V断面図である。
これらの図面に示すように、本実施形態における構築物は、概略、山留め杭10と、山留め杭10に取り付けられたアンカー定着部材12と、アンカー定着部材12に定着固定された斜め型の永久アンカー14と、アンカー定着部材12と一体に打設された壁構造16と、この壁構造16と一体の床部18とにより構成される。壁構造16は、例えば、建物外壁、ドライエリア部の外壁、あるいは、擁壁などである。なお、図1では、3段の永久アンカー14(上から順に、永久アンカー14a,14b,14c)を設けた場合を示しているが、永久アンカー14の段数はこれに限らない。
山留め杭10は例えばH型鋼からなり、壁構造16の外壁面に沿って複数本が地盤に打設されている。また、アンカー定着部材12は鉄筋コンクリート製部材であり、上記複数本の山留め杭10に跨って水平方向に梁状に延びている。したがって、アンカー定着部材12は、永久アンカー14の張力を山留め杭10へ伝達する腹起こしとしての役割も有している。
また、本実施形態では、山留め杭10と壁構造16との間の空間に砕石22を充填すると共に、壁構造16に水抜き管24を埋設し、さらに、アンカー定着部材12に水抜き管26を埋設することにより、地盤から壁構造16の内側へ地盤の水抜きを行えるようにしている。ただし、地盤の水抜きを行う必要がない場合はこれらの構成は不要であり、壁構造16が山留め杭10に密着するようにコンクリートを打設すればよい。
図6〜図15は、上記図1〜図5に示す壁構造の構築工程を示す図である。図6に示すように、先ず、山留め杭10を打設し、所定深さ(最上段の永久アンカー14aの打設位置底部)まで根切りを行う。そして、山留め杭10の側面に例えばアングル材等を用いて砕石保持板28を取り付け、さらに、砕石保持板28の先端から上方に延びる砕石止めとなる波型鋼板30を取り付けて、この波型鋼板30と根切りした地盤側面との間の空間に砕石22を充填する。砕石保持板28は例えば網目状に構成されるなどして、各段の砕石22の水は、直下のアンカー定着部材12の水抜き管26を通って下段の砕石22へ抜けることができるようになっている。なお、波型鋼管30の、壁構造16に設けられた水抜き管24の端部に対向する位置には穴が開けられており、この穴を通って砕石22内の水が水抜き管24へ流れ出せるようになっている。
次に、図7に示すように、根切り部底面のアンカー定着部材12の構築位置に捨てコンクリート31を打設すると共に、山留め杭10のフランジ面に、突出部材としてのスタッド32を溶接する。また、アンカー定着部材12を打設するための型枠を配置して、永久アンカー14の施工用のガイド管34および上記水抜き管26を設置する。そして、ガイド管34の周囲にらせん鉄筋35を配筋すると共にアンカー定着部材12の鉄筋を配筋し、型枠内にコンクリートを打設する。その際、アンカー定着部材12の鉄筋をその上面から突出させ、さらに、その下面からも鉄筋が捨てコンクリート31を貫通して突出し先端が地盤へ埋め込まれるように配筋する。このようにアンカー定着部材12から上下に突出する鉄筋の端部には、好ましくは、後述する壁構造16の鉄筋との接合を簡単に行なえるようにねじ鉄筋接合が施されている。
次に、図8に示すように、永久アンカー14を打設する。永久アンカー14の打設は、ガイド管34の内側から支持盤に達するまで斜め方向に削孔して、この孔の底までシース管に挿通されたアンカー鋼材36を挿入し、グラウト材を注入することによりアンカー鋼材36を地盤に固定するという周知の工法で行うことができる。そして、グラウト材の養生後、図9に示すように、アンカー鋼材36を緊張し、定着金具38でアンカー定着部材12に定着固定する。
なお、以上の説明では、アンカー定着部材12の構築後に永久アンカー14を打設するものとしたが、永久アンカー14を打設した後、アンカー定着部材12を構築し、これに永久アンカー14を定着固定するようにしてもよい。
次に、図10に示すように、次段の永久アンカー14bの深さまで根切りを行い、上記図6〜図9と同様の工程により施工を行う。このような工程を最下段の永久アンカー14cまで繰り返す(図11)。
最下段の永久アンカー14cまで施工した後、更に、床部18の打設深さまで根切りを継続し、根切り完了後、壁構造16および床部18の配筋を行う。その際、壁構造16の鉄筋を、上述のようにアンカー定着部材12の上下から突出して配筋された鉄筋へ例えばねじ込み式に接合することで、壁構造16とアンカー定着部材12との強固な一体性を確保できるようにしている。
壁構造16および床部18の配筋後、図12に示すように、床部18のコンクリートを打設し、さらに、最下段のアンカー定着部材12の高さまで壁構造16のコンクリートを打設する。その際、予め型枠内に水抜き管24を設置しておく。コンクリートの打設後、最下段の永久アンカー14のアンカー鋼材36を再度緊張する。そして、一つ上段のアンカー定着部材12まで、上記と同様にして壁構造16のコンクリートを打設し、当該アンカー定着部材12に定着固定すべき永久アンカー14bのアンカー鋼材36を再緊張する。このような壁構造16の打設作業を最上段のアンカー定着部材12まで繰り返し(図13〜図14を参照)、さらに、壁の最上部のコンクリート16aを打設することで(図15を参照)、図1に示す壁構造の構築が完了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、山留め杭10に構築したアンカー定着部材12に永久アンカー14を定着固定するので、根切り時に地盤の土圧を永久アンカー14で確実に負担することができる。また、永久アンカー14を施工しながら、壁構造16のコンクリートを、永久アンカー14が定着固定されたアンカー定着部材12と一体となるように打設することにより、仮設アンカーや仮設腹起こしを用いることなく壁構造16を構築することができる。さらに、アンカー定着部材12が山留め杭10の腹起こしとしても機能するので、別途仮設の腹起こしを用いることも不要である。そして、このアンカー定着部材12が壁構造16の一部として一体化されるため、仮設アンカーを用いた場合のように、仮設アンカーや腹起こしの撤去作業が全く不要となり、工期短縮および工事コストの低減を図ることができる。
また、仮設アンカーの施工が不要となることで、アンカー本数の総数も少なくなり、この点でも、工期短縮およびコスト低減を図ることができる。さらに、アンカー本数が少なくなることで効果的なアンカーの配置計画も行い易くなるため、構築した壁構造16の品質向上を図ることもできる。
また、本実施形態では、アンカー定着部材12を鉄筋コンクリートで構成し、その鉄筋コンクリートを壁構造16の鉄筋と接合することで、アンカー定着部材12と壁構造16との強固な一体性を確保することができる。このため、設計上、アンカー定着部材12を壁構造16の一部とみなせるようになり、壁構造16を一体のコンクリートで構築した場合と同様の高い強度を得ることができる。
さらに、本実施形態では、山留め杭10と壁構造16との間に砕石22を設置すると共に、アンカー定着部材12および壁構造16に水抜き管24,26を設けることで、地盤からの水抜きを行うことができる。すなわち、地盤内の水は砕石22を通過して壁構造16の水抜き管24から壁の内側へ排出され、また、アンカー定着部材12で上下に分断された各段の砕石22の水は、アンカー定着部材12の水抜き管26通って下段の砕石22へ移動できるので、砕石22による水抜きはより効果的に行われる。したがって、本実施形態によれば、壁構造16の外壁面にかかる水圧を緩和することができる。
なお、上記実施形態では、山留めとしてH型鋼からなる山留め杭10を用い、この山留め杭10に構築したアンカー定着部材12を腹起こしとしても機能させる構成としたが、本発明における山留めはこれに限らず、例えば鋼管矢板壁、柱列山留壁、連続地中壁などの山留め工法に用いることもできる。
また、上記実施形態では、壁構造16が鉄筋コンクリート造であるものとして、これに対応してアンカー定着部材12も鉄筋コンクリートにより構築し、両者の鉄筋を接合することにより一体性を高めるものとした。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば、壁構造16が鉄骨コンクリート造である場合はアンカー定着部材12も鉄骨コンクリートで構成し、壁構造16が鉄骨鉄筋コンクリートである場合はアンカー定着部材12も鉄骨鉄筋コンクリートで構成することにより、アンカー定着部材12と壁構造16との一体化を図る構成とすることも可能である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図16は、本実施形態において構築される鉄筋コンクリート造の壁構造を示す断面図である。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図16に示す如く、本実施形態では、上記第1実施形態のアンカー定着部材12に代えて、鉄骨部材からなるアンカー定着部材100を設けている。図17は、本実施形態のアンカー定着部材100およびその周辺部を拡大して示す断面図であり、また、図18は、図17における左側からみた正面図である。
図17および図18に示す如く、アンカー定着部材100は、概略、補強リブ材102、斜め支持材104、腹起こし材106等により構成されている。補強リブ材102は、例えばH型鋼等の鋼材であり、その上下フランジ102a、102bおよびウエブ102cが山留め杭10に対して垂直となるように、山留め杭10に溶接されている。補強リブ材102の下フランジ102bの下面には補強材103が溶接されている。
補強リブ材102の上フランジ102aの上側には、斜め支持材104が設けられている。斜め支持材104は、下側の端面104aが斜めに切断されたH型鋼等の鋼材により構成されており、この端面104aが補強リブ材102の上フランジ102aの上面に溶接されている。また、斜め支持材104の斜め下側のフランジ104cには、水平方向に延びる補強材105が溶接されている。この補強材105は例えば断面がC型の鋼材により構成されている。
斜め支持材104の上側の端面104cには、保持プレート107が溶接されており、この保持プレート107により腹起こし材106が保持されている。腹起こし材106は、例えば、H型鋼を縦2段に重ねてボルト結合してなる鉄骨材106aを2本平行に並べて構成されており、複数本の山留め杭10に跨って水平方向に延びている。これら鉄骨材106aは水平方向に所定間隔で設けられた接続プレート108により互い接続されている。そして、腹起こし材106の、隣接する山留め杭10の中間部に永久アンカー14が定着されている。なお、後述するように、本実施形態では、永久アンカー14を、コンクリート打設前に腹起こし材106の上部フランジ106aに定着し、コンクリート打設後に再緊張して腹起こし材106の下部フランジ106bに定着するようにしており、図17では、コンクリート打設前の定着位置を実線で、コンクリート打設後の定着位置を破線で夫々示している。
図19〜図23は、本実施形態における壁構造の構築工程を示す図である。先ず、図19に示すように、山留め杭10を打設して最上段の永久アンカー14の位置まで根切りを行った後、山留め杭10に補強リブ材102を溶接し、さらに、補強リブ材102に斜め支持材104を溶接して、腹起こし材106を取り付けること等によりアンカー定着部材100を構築する。次に、永久アンカー14を斜め方向に打設した後、アンカー鋼材36を緊張し、台座110により腹起こし材106の上部フランジ106aに定着固定する。また、波型鋼板30を設置して、補強リブ材102の上側の波型鋼板30と根切りした地盤側面との間の空間に砕石22を充填する。
次に、図20に示すように、次段の永久アンカー14bの深さまで根切りを行い、上記図19の場合と同様にして、アンカー定着部材100の構築および永久アンカー14の施工を行う。このような工程を最下段の永久アンカー14cまで繰り返す(図21)。
最下段の永久アンカー14cまで施工した後、更に、床部18の打設深さまで根切りを継続し、根切り完了後、壁構造16および床部18の鉄筋を配筋して、図22に示すように、最下段のアンカー定着部材100の高さ(腹起こし材106がコンクリートから露出する程度の高さ)まで壁構造16のコンクリートを打設する。なお、壁構造16の鉄筋は、一段上のコンクリートの鉄筋と重ね継手を行える長さ分だけ、コンクリートの打設高さより上方の位置まで配筋しておく。コンクリートの打設後、最下段の永久アンカー14のアンカー鋼材36の張力をいったん開放した後、再緊張して、台座112により腹起こし材106の下部フランジ106bに定着する。このようにアンカー鋼材36の張力をいったん開放することにより、打設した壁構造16のコンクリートが地盤の土圧の一部を負担することとなる。これにより、壁構造16とアンカー定着部材100との一体性が強化されると共に、土圧を壁構造16とアンカー定着部材100とでほぼ同様に受けることとなり、壁構造16の設計が行い易くなる。なお、上記の説明では、永久アンカー14の2度目の緊張時(本設時)には、最初の緊張時(仮設時)から定着位置を腹起こし材106の下部フランジ106bへ下げることで、仮設時にアンカー鋼材36の定着位置に生じた凹みが本設後のアンカー鋼材36に残らないようにしている。ただし、そのような凹みがアンカー鋼材36の強度に影響を与えることはないので、仮設時と本設時とで同じ位置にて永久アンカー14を定着するようにしてもよい。
次に、図23に示すように、一段上のアンカー定着部材100まで壁構造16のコンクリートを打設し、その際、永久アンカー14の再緊張が済んだ下段のアンカー定着部材100はコンクリートに埋め殺す。そして、上記と同様にして、アンカー鋼材36の張力をいったん開放した後、再緊張して定着固定する。このような壁構造16の打設および永久アンカーの再緊張の作業を最上段のアンカー定着部材12まで繰り返し、さらに、壁の最上部のコンクリートを打設することで、図16に示す壁構造の構築が完了する。
以上説明したように、本実施形態では、アンカー定着部材100を鋼材で構成し、この鋼材を壁構造16のコンクリートに埋め殺すことで、アンカー定着部材100と壁構造16のコンクリートとを一体化するようにしている。このため、上記第1実施形態のようにアンカー定着部材12の鉄筋と壁構造16の鉄筋とを接合するための作業が不要となるので、その分、工数を減らすことができる。また、壁構造16のコンクリートを打設した後、永久アンカー14の張力をいったん解放して再緊張することで、アンカー定着部材100と壁構造16との一体性をより強化なものとすることができる。
なお、上記の説明では、壁構造16のコンクリートを各段のアンカー定着部材100の高さまで打設した後、永久アンカー14の張力を解放して再緊張するものとしたが、これに限らず、先に永久アンカー14の張力を解放した後、壁構造16のコンクリートを打設し、コンクリート打設後に再緊張するようにしてもよい。
また、本実施形態のように永久アンカー14を再緊張する工法は、上記第1実施形態の場合に適用することもできる。すなわち、上記第1実施形態においても、アンカー定着部材12と一体に壁構造16のコンクリートを打設した状態(例えば図12に示す状態)で、当該アンカー定着部材12に定着した永久アンカー14の張力をいったん開放した後、再緊張させるのである。このようにすれば、張力を開放した時点で、土圧がアンカー定着部材12と共に壁構造16のコンクリートでも負担されるようになり、その後、永久アンカー14を再緊張することで、壁構造16とアンカー定着部材12との一体性をより強固にすることができる。
本発明の一実施形態である壁構造の構築工事により構築された鉄筋コンクリート造の壁構造を示す断面図である。 図1の壁構造を同図中左側からみた側面図である。 図2おける永久アンカー施工部分を示す拡大側面図である。 図1のIV−IV断面図である。 図1のV−V断面図である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その1)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その2)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その3)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その4)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その5)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その6)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その7)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その8)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その9)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その10)である。 本発明の第2の実施形態において構築される鉄筋コンクリート造の壁構造を示す断面図ある。 本実施形態のアンカー定着部材およびその周辺部を拡大して示す断面図である。 図17における左側からみた正面図である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その1)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その2)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その3)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その4)である。 本実施形態における壁構造の構築工程を示す図(その5)である。 仮設アンカーを用いた山留を行ったうえで、永久アンカーを用いて壁構造を構築した構成を示す断面図である。 図24の左側から見た正面図である。
符号の説明
10 山留め杭
12 アンカー定着部材
14(14a,14b,14c) 永久アンカー
16 壁構造
22 砕石
24,26 水抜き管
28 砕石保持板
32 スタッド
100 アンカー定着部材
102 補強リブ材
104 斜め支持材
106 腹起こし材

Claims (3)

  1. 山留めを打設し、該山留めの内側の地盤を根切りして、アンカーを定着固定するためのアンカー定着部材を前記山留めに構築すると共に、斜め型のアンカーを打設し、当該アンカーを前記アンカー定着部材に定着固定した後、壁構造のコンクリートを前記アンカー定着部材と一体となるように打設する永久アンカーが施工された壁構造の構築方法であって、
    前記アンカー定着部材を複数段に構築して、各段のアンカー定着部材に、緊張したアンカーを定着し、
    前記壁構造のコンクリートを、最下段の前記アンカー定着部材の、前記アンカーの定着位置よりも低い位置まで打設した後、当該最下段のアンカー定着部材に定着されたアンカーを再緊張し、
    前記アンカー定着部材の最下段から最上段へ向けて段毎に、前記壁構造のコンクリートを、当該段のアンカー定着部材が内部に埋設されるように、一段上の前記アンカー定着部材の、前記アンカーの定着位置よりも低い位置まで打設する第1の工程と、当該一段上のアンカー定着部材に定着されたアンカーを再緊張する第2の工程と、を行った後、前記壁構造の最上部のコンクリートを、最上段のアンカー定着部材が内部に埋設されるように打設することを特徴とする方法。
  2. 前記アンカー定着部材の段毎に、前記第1の工程の後、前記第2の工程の前に前記アンカーの張力を緩める工程を行い、前記第2の工程で前記アンカーを再緊張することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により構築された、永久アンカーが施工された壁構造。
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