JP4332891B2 - 位置検出装置、位置検出方法、及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

位置検出装置、位置検出方法、及び露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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本発明は、位置検出装置、位置検出方法、及び露光方法、並びにデバイス製造方法に係り、さらに詳細には、物体の位置情報を検出する位置検出装置、及び該位置検出装置を用いた位置検出方法、該位置検出方法を用いた露光方法、並びに該露光方法を用いたデバイス製造方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写する露光装置、例えばステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の逐次移動型の投影露光装置(以下、「露光装置」と略述する)が主として用いられている。
半導体素子等を製造する場合には、異なる回路パターンをウエハ上に幾層にも積み重ねて形成するが、各層間での重ね合わせ精度が悪いと、回路上の特性に不都合が生じることがある。このような場合、チップが所期の特性を満足せず、最悪の場合にはそのチップが不良品となり、歩留りを低下させてしまう。したがって、露光工程では、回路パターンが形成されたレチクルと、ウエハ上の各ショット領域に既に形成されたパターンとを正確に重ね合わせて転写することが重要となる。
このため、露光工程では、回路パターンが形成されたウエハ上の複数のショット領域の各々に予めアライメントマークを付設しておき、再度露光工程を行う場合には、ウエハ上のアライメントマークを、何らかの観察装置で観察し、そのアライメントマークの位置(ウエハが載置されるウエハステージのステージ座標系(該ウエハステージの移動を規定する座標系、通常はレーザ干渉計の測長軸によって規定される座標系)上の座標値)を、その観察結果に基づいて検出する。しかる後、このマーク位置情報と既知のレチクルパターンの投影位置の位置情報(これは事前測定される)とに基づいて、ステージ座標系と、ウエハ上の複数のショット領域によって規定される配列座標系とのずれが求められ、そのずれを考慮して、各ショット領域とレチクルパターンの投影位置との位置関係を求める、いわゆるウエハアライメント(ファインアライメント)が行われる。
なお、このようなアライメントマーク(以下、「ファインアライメントマーク」と呼称する)は、検出精度を高度化する観点から、高倍率で観察される。したがって、ファインアライメントマークを観察する際の観察装置の観察視野は、必然的に狭いものとなる。そこで、狭い観察視野でそのマークを確実に捉えるために、アライメントマークの観察に先立って、ステージ座標系と、配列座標系とのずれを以下のように検出している。
まず、少なくともノッチ(又はオリエンテーション)を含むウエハの外縁部を検出することにより、ウエハステージ上におけるウエハの向きや中心位置のずれをラフに検出し、そのずれに応じてウエハ位置を調整する。この検出動作を、一般にラフアライメントという。
さらに、ウエハ上の少なくとも2箇所には、観察装置によって低倍率で観察可能なマーク、いわゆるサーチアライメントマークが設けられており、ラフアライメント実行後、観察装置によって、各サーチアライメントマークを観察し、その観察結果に基づいて、各サーチアライメントマークの位置を検出し、各サーチアライメントマークの位置に基づいて、ウエハの回転成分、オフセットを算出する。この検出動作を、一般にサーチアライメントという。
このように、従来より、露光装置では、高精度な重ね合わせ露光を実現するために、露光前に、ラフアライメント、サーチアライメント、及びファインアライメントという一連のアライメント処理が行われているが、露光装置は、半導体素子等の大量生産に用いられるものであるから、高スループットが要求されており、高スループットを実現するためには、非露光時間であるアライメントに要する時間は、できるだけ短い方が望ましい。
しかるに、アライメント処理においては、ショット領域とともにウエハ上に形成された、設計上の位置が既知で、互いに所定距離以上離れている複数のマークを、何らかの観察装置を用いて観察し、その観察結果に基づいて、アライメントを行っている。
この場合、それぞれのマークを観察するためには、観察装置の観察視野をそのマークを含む領域に順次移動させ、その撮像視野と物体との相対位置を一定に保った状態で、そのマークを含む領域の撮像を行う必要があった。すなわち、アライメント処理において、複数のマークを撮像するには、観察装置の観察視野を、各マークの位置に順次移動させ、静止させる動作を行う必要があり、この動作が、アライメントに要する時間の短縮に関するボトルネックとなっていた。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、短時間に物体の位置情報を検出することができる位置検出装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、短時間に物体の位置情報を検出することができる位置検出方法を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、高スループットを実現することができる露光方法を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、マイクロデバイスの生産性を向上させることができるデバイス製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、物体の位置情報を検出する位置検出装置であって、蓄積型撮像デバイスと;前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に相対走査させながら、前記物体上に形成された前記物体の向きを規定する基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像することにより、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を取得する撮像機構と;前記基準線を含む領域の撮像結果に基づいて、前記基準線に関する情報を検出する検出装置と;前記検出された前記基準線に関する情報と、前記相対走査の速度とに基づいて、前記物体の向きに関する情報を算出する算出装置と;を備える位置検出装置である。
これによれば、蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に物体に対して相対走査させながら、物体の向きを規定する基準線(例えばウエハ上におけるショット領域間のスクライブライン)を含む領域を少なくとも1回撮像する。こうすることにより、所定方向(走査方向)に圧縮されたその領域の撮像結果が得られるようになる。そして、検出装置において、この撮像結果から、基準線に関する情報を検出すれば、算出装置において、その検出された情報と、相対走査の速度とに基づいて物体の向きに関する情報を算出することができる。したがって、本発明によれば、従来のように、観察装置の観察視野の複数の箇所への移動及び静止動作を繰り返すことなく、所定方向への相対走査中の撮像により、物体の向きに関する情報を、短時間に検出することができる。
この場合、請求項2に記載の位置検出装置のごとく、前記撮像機構は、前記相対走査の開始時又は終了時に、前記蓄積型撮像デバイスを用いて、前記物体上に形成された設計上の位置情報が既知であるマークを含む領域をさらに撮像し、前記検出装置は、前記マークを含む領域の撮像結果に基づいて、前記マークの位置情報をさらに検出し、前記算出装置は、前記検出された前記マークの位置情報及び前記物体の向きに関する情報並びに前記検出されたマークの設計上の位置情報に基づいて、前記物体の位置情報をさらに算出することとすることができる。
請求項3に記載の発明は、物体の位置情報を検出する位置検出装置であって、蓄積型撮像デバイスと;前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に相対走査させながら、前記物体上に形成された前記物体の向きを規定する基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像することにより、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を取得し、前記相対走査の開始時又は終了時に、前記蓄積型撮像デバイスを用いて、前記物体上に形成された設計上の位置情報が既知であるマークを含む領域をさらに撮像する撮像機構と;前記基準線を含む領域の撮像結果に基づいて、前記基準線に関する情報を検出し、前記マークを含む領域の撮像結果に基づいて、前記マークの位置情報をさらに検出する検出装置と;前記検出された前記基準線に関する情報に基づいて、前記物体の向きに関する情報を算出し、前記検出されたマークの位置情報及び前記物体の向きに関する情報、並びに前記検出されたマークの設計上の位置情報に基づいて、前記物体の位置情報をさらに算出する算出装置と;を備える位置検出装置である。上記請求項2又は3に記載の位置検出装置において、請求項に記載の位置検出装置のごとく、前記撮像機構は、前記物体の移動を規定する2次元座標系の各座標軸の方向を、それぞれ前記所定方向として、前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を相対走査させながら、互いに直交する2つの前記基準線のうちの前記各座標軸方向に略平行に延びる前記基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像し、前記検出装置は、前記各基準線を含む撮像結果に基づいて、その基準線に関する情報をそれぞれ検出し、前記算出装置は、前記検出された前記各基準線に関する情報に基づいて、前記2次元座標系の各座標軸の直交度をさらに算出し、前記直交度を考慮しつつ、前記物体の位置ずれに関する情報を算出することとすることができる。
上記請求項1〜のいずれか一項に記載の位置検出装置において、請求項に記載の位置検出装置のごとく、前記蓄積型撮像デバイスは、複数の光電変換素子が撮像面に2次元に配置された撮像デバイスであり、前記検出装置は、前記撮像結果として得られる2次元画像における複数の領域内で、それぞれ前記所定方向に対応する方向の画素列毎の輝度データの累積値を求め、前記対応する方向の直交方向に関する前記累積値のデータ列を前記領域毎に作成し、作成された前記各領域の累積値のデータ列について前記基準線に関する情報を検出することとすることができる。
上記請求項1〜のいずれ一項に記載の位置検出装置において、請求項に記載の位置検出装置のごとく、前記蓄積型撮像デバイスは、複数の光電変換素子が撮像面に2次元に配置された撮像デバイスであり、前記検出装置は、前記撮像結果として得られる2次元画像から、前記所定方向に対応する方向の直交方向の画素列を複数抽出し、抽出された各画素列の輝度データのデータ列に基づいて前記基準線に関する情報を検出することとすることができる。
上記請求項1〜のいずれか一項に記載の位置検出装置において、請求項に記載の位置検出装置のごとく、前記撮像機構は、前記所定方向の相対走査時に、複数回の連続的な撮像を行うことにより、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を複数取得することとすることができる。
この場合、請求項に記載の位置検出装置のごとく、前記蓄積型撮像デバイスは、複数の光電変換素子が、撮像面に前記所定方向の直交方向に対応する方向に、1列に配置された撮像デバイスであることとすることができる。
上記請求項に記載の位置検出装置において、請求項に記載の位置検出装置のごとく、前記蓄積型撮像デバイスは、複数の光電変換素子が、撮像面に2次元に配置された撮像デバイスであり、前記検出装置は、前記撮像結果として得られる2次元画像における所定の領域内で、前記所定方向に対応する方向の画素列毎の輝度データの累積値を求め、前記対応する方向の直交方向に関する前記累積値のデータ列を作成し、作成されたデータ列に基づいて前記基準線に関する情報を検出することとすることができる。
上記請求項に記載の位置検出装置において、請求項10に記載の位置検出装置のごとく、前記蓄積型撮像デバイスは、複数の光電変換素子が撮像面に2次元に配置された撮像デバイスであり、前記検出装置は、前記撮像結果として得られる2次元画像から、前記所定方向に対応する方向に直交する方向の画素列を抽出し、抽出された画素列の輝度データのデータ列に基づいて前記基準線に関する情報を検出することとすることができる。
上記請求項7〜10のいずれか一項に記載の位置検出装置において、請求項11に記載の位置検出装置のごとく、前記基準線は、前記物体上にマトリクス状に配置された複数の区画領域の間の境界線であり、前記撮像機構は、各回の撮像結果に対応する前記区画領域の配置状態がほぼ同一となるような間隔で各回の撮像を行うこととすることができる。
上記請求項7〜11のいずれか一項に記載の位置検出装置において、請求項12に記載の位置検出装置のごとく、前記撮像機構が、前記所定方向の相対走査時の撮像を3回以上行う場合には、前記検出装置は、前記各撮像結果に基づいて、最尤推定により、前記基準線に関する情報を検出することとすることができる。
上記請求項1〜12のいずれか一項に記載の位置検出装置において、請求項13に記載の位置検出装置のごとく、前記検出装置は、データ列の折り返し相関性に基づいて、前記基準線に関する情報を検出することとすることができる。
上記請求項1〜12のいずれか一項に記載の位置検出装置において、請求項14に記載の位置検出装置のごとく、前記検出装置は、異なるデータ列同士の相関性に基づいて、前記基準線に関する情報を検出することとすることができる。
請求項15に記載の発明は、物体の位置情報を検出する位置検出装置であって、蓄積型撮像デバイスと;前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に相対走査させながら、前記物体上に形成された前記物体の向きを規定する基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像することにより、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を取得する撮像機構と;前記基準線を含む領域の撮像結果に基づいて、前記基準線に関する情報を検出する検出装置と;前記検出された前記基準線に関する情報と、前記基準線に関する情報の設計値とに基づいて、前記物体の向きに関する情報を算出する算出装置と;を備える位置検出装置である。
請求項18に記載の発明は、物体の位置情報を検出する位置検出装置であって、蓄積型撮像デバイスと;前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に相対走査させながら、前記物体上に形成された前記物体の向きを規定する基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像して、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を取得し、前記相対走査の開始時又は終了時に、前記蓄積型撮像デバイスを用いて、前記物体上に形成された設計上の位置情報が既知であるマークを含む領域をさらに撮像し、前記マークを含む領域の撮像結果を取得する撮像機構と;前記基準線を含む領域の撮像結果に基づいて、前記基準線の向きに関する情報を検出し、前記マークを含む領域の撮像結果に基づいて、前記マークの位置情報をさらに検出する検出装置と;前記検出された前記基準線の向きに関する情報及び前記マークの位置情報並びに前記検出されたマークの設計上の位置情報に基づいて、前記物体の位置情報を算出する算出装置と;を備える位置検出装置である。
これによれば、撮像機構により、蓄積型撮像デバイスの撮像視野を、所定方向に物体に対し相対走査させながら、物体の向きを規定する基準線(例えばウエハ上におけるショット領域間のスクライブライン)を含む領域を撮像し、その相対走査の前後において、マークを含む領域の撮像結果を取得する。このようにすれば、検出装置において、基準線を含む領域の圧縮撮像結果から基準線の向きに関する情報を検出するとともに、マークを含む領域の撮像結果に基づいて、マークの位置情報を検出することができ、さらに、算出装置において、検出された基準線の向きに関する情報及びマークの位置情報並びに検出されたマークの設計上の位置情報に基づいて、物体の位置情報を算出することができる。したがって、本発明によれば、従来のように、撮像デバイスの観察視野の複数箇所への移動及び静止を複数回繰り返すことなく、所定方向への相対走査中及びその前後の1回の停止動作中の撮像だけで、短時間に物体の位置情報を検出することができる。
請求項19に記載の発明は、物体の位置情報を検出する位置検出方法であって、請求項1〜18のいずれか一項に記載の位置検出装置を用いて、物体の位置情報を検出する工程を含む位置検出方法である。かかる場合には、請求項1〜18のいずれか一項に記載の位置検出装置を用いて物体の位置情報を検出するので、短時間に物体の位置情報を検出することができる。
請求項20に記載の発明は、パターンを、移動体に保持された物体に転写する露光方法であって、請求項19に記載の位置検出方法を用いて、前記移動体上の物体の位置情報を検出する工程と;前記検出された前記物体の位置情報に基づいて、前記移動体に保持された物体の位置制御を行いつつ、前記パターンを前記物体に転写する工程と;を含む露光方法である。
これによれば、請求項19に記載の位置検出方法を用いて、移動体上の物体の位置情報が短時間に検出され、その検出結果に基づいて、その物体の位置制御が行われた状態で、転写が行われるので、高スループットを実現することができる。
請求項21に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、前記リソグラフィ工程では、請求項20に記載の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。かかる場合には、請求項20に記載の露光方法を用いて露光を行なうため、高スループットを実現することができるので、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8(C)に基づいて説明する。
図1には、本発明の位置検出方法及び露光方法が適用される一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルRが載置されるレチクルステージRST、投影光学系PL、物体としてのウエハWが搭載される移動体としてのウエハステージWST、ウエハWの外縁形状を観察するラフアライメント検出系RAS、アライメント検出系AS、及び装置全体を統括制御する主制御装置20等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開平6−349701号公報等に開示されるように、光源、オプティカル・インテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、可変視野絞り(レチクルブラインド又はマスキング・ブレードとも呼ばれる)、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。オプティカル・インテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、あるいは回折光学素子などが用いられる。
この照明系10では、主制御装置20の制御により、回路パターン等が描かれたレチクルR上で、レチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域(X軸方向に細長い長方形状の照明領域)部分を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする不図示のレチクルステージ駆動部によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTには、レーザ光を反射するX軸方向及びY軸方向に面した移動鏡等から成る反射面が形成されており、レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置は、その反射面にレーザを照射するレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルX干渉計とレチクルY干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的にレチクル干渉計16として示されている。そして、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の少なくとも一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのY位置に加え、θz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量)も計測できるようになっている。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(ヨーイング量などの回転情報を含む)はステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19は、主制御装置20からの指示に応じて、レチクルステージRSTの位置情報に基づいて不図示のレチクルステージ駆動部を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
レチクルRの上方には、X軸方向に所定距離隔てて一対のレチクルアライメント検出系22(但し、図1においては紙面奥側のレチクルアライメント検出系22は不図示)が配置されている。各レチクルアライメント検出系22は、ここでは図示が省略されているが、それぞれ露光光ILと同じ波長の照明光にて検出対象のマークを照明するための落射照明系と、その検出対象のマークの像を撮像するための検出系とを含んで構成されている。検出系は結像光学系と撮像素子とを含んでおり、この検出系による撮像結果(すなわちレチクルアライメント検出系22によるマークの検出結果)は主制御装置20に供給されている。この場合、レチクルRからの検出光をレチクルアライメント検出系22に導くための不図示の偏向ミラーが移動自在に配置されており、露光シーケンスが開始されると、主制御装置20からの指令に基づいて不図示の駆動装置により偏向ミラーはそれぞれレチクルアライメント検出系22と一体的に露光光ILの光路外に退避される。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/5、又は1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、レチクルRの回路パターンの照明領域部分の縮小像(部分倒立像)が投影光学系PLを介してウエハW上の前記照明領域に共役な投影光学系の視野内の投影領域に投影され、ウエハW表面のレジスト層に転写される。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、不図示のベース上に配置されている。このウエハステージWST上にウエハホルダ25が載置されている。このウエハホルダ25上にウエハWが例えば真空吸着等によって固定されている。
ウエハステージWSTは、図1のウエハステージ駆動部24により、X、Y、Z、θz(Z軸回りの回転方向)、θx(X軸回りの回転方向)、及びθy(Y軸回りの回転方向)の5自由度方向に駆動可能な単一のステージである。なお、残りのθz方向については、ウエハステージWST(具体的には、ウエハホルダ25)を回転可能に構成しても良いし、このウエハステージWSTのヨーイング誤差をレチクルステージRST側の回転により補正することとしても良い。
ウエハステージWSTには、レーザ光を反射するX軸方向及びY軸方向に面した移動鏡等から成る反射面が形成されており、前記ウエハステージWSTの位置は、その反射面にレーザを照射する、外部に配置されたウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)18により、例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、X軸方向に測長軸を有する干渉計及びY軸方向に測長軸を有する干渉計が設けられているが、図1ではこれらが代表的にウエハ干渉計18として示されている。それらの干渉計は、測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。
また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面は、ウエハWの表面とほぼ同じ高さに設定され、この表面には少なくとも一対のレチクルアライメント用基準マーク、及びアライメント検出系ASのベースライン計測用の基準マーク等が形成されている。
前記ラフアライメント検出系RASは、不図示のベース上方の投影光学系PLと離間した位置に、不図示の保持部材によって保持されている。このラフアライメント検出系RASは、ウエハホルダ25に保持されたウエハWの外縁部3箇所の位置を検出する3つのラフアライメントセンサ40a,40b,40cを備えている(図1では、ラフアライメントセンサ40cは、ラフアライメントセンサ40bの紙面奥側にあり、その図示が省略されている)。これらの3つのラフアライメントセンサ40a,40b,40cは、所定半径(ウエハWの半径とほぼ同一)の円周上の中心角120度間隔の位置にそれぞれ配置され、その内の1つ、ここではラフアライメントセンサ40aが、ウエハホルダ25に保持されたウエハWのノッチN(V字状の切り欠き)を検出可能な位置に配置されている。これらのラフアライメントセンサとしては、撮像素子と画像処理回路とから成る画像処理方式のセンサが用いられている。ラフアライメント検出系は、主制御装置20の指示により、ラフアライメントセンサ40a〜40cによるウエハの外縁位置の検出結果を、主制御装置20に供給するようになっている。
前記アライメント検出系ASは、投影光学系PLの側面に配置された、オフアクシス方式のアライメントセンサである。このアライメント検出系ASとしては、例えばウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを、光電変換素子(例えばフォトダイオード)及び電荷結合デバイス素子(例えばCCD)から成る蓄積型固体撮像デバイス等を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられている。すなわち、このアライメント検出系ASでは、その撮像面に、複数の光電変換素子がX軸方向に対応する方向に1列に配置されたXラインセンサ(1次元CCD)と、複数の光電変換素子がY軸方向に対応する方向に1列に配置されたYラインセンサ(1次元CCD)とが設けられており、両ラインセンサにより撮像が行われる。
この両ラインセンサでは、主制御装置20からの指示により、各光電変換素子における1/60sの間の受光量に応じて蓄積された信号電荷を、各光電変換素子に接続された電荷転送回路を介して出力回路に転送し、その出力回路において、転送された信号電荷量に応じた電気信号をサンプルし、そのサンプルされた信号を、各ラインセンサの撮像信号として主制御装置20に出力する。すなわち、主制御装置20は、Xラインセンサによって撮像された信号を、X軸方向に沿った1次元撮像データに対応する撮像信号として取得し、Yラインセンサによって撮像された信号を、Y軸方向に沿った1次元撮像データに対応する撮像信号として取得することができるようになっている。
なお、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出する、あるいはその対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出するアライメントセンサを適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。
制御系は、図1中、主制御装置20及びこの配下にあるステージ制御装置19などによって主に構成される。主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、メインメモリ等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、装置全体を統括して制御する。
主制御装置20には、例えばハードディスクから成る記憶装置、キーボード,マウス等のポインティングデバイス等を含んで構成される入力装置、及びCRTディスプレイ(又は液晶ディスプレイ)等の表示装置(いずれも図示省略)、並びにCD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc),MO(Magneto-Optical Disc)あるいはFD(Flexible Disc)等の情報記録媒体のドライブ装置46が、外付けで接続されている。ドライブ装置46にセットされた情報記録媒体(以下では、CDであるものとする)には、後述するフローチャートで示されるウエハアライメント及び露光動作時の処理アルゴリズムに対応するプログラム(以下、便宜上、「特定プログラム」と呼ぶ)、その他のプログラム、並びにこれらのプログラムに付属するデータベースなどが記録されている。
主制御装置20は、例えば露光動作が的確に行われるように、前述の特定プログラムに従った処理を実行し、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステップ移動(ステッピング)等を制御する。
具体的には、前記主制御装置20は、例えば走査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して+Y方向(又は−Y方向)に速度VR=Vで走査されるのに同期して、ウエハステージWSTを介してウエハWが前述の照明領域に共役な投影領域に対して−Y方向(又は+Y方向)に速度VW=β・V(βはレチクルRからウエハWに対する投影倍率)で走査されるように、ステージ制御装置19を介して得られるレチクル干渉計16、ウエハ干渉計18の計測値に基づいて、ステージ制御装置19を介し、不図示のレチクルステージ駆動部、ウエハステージ駆動部24をそれぞれ介してレチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置及び速度をそれぞれ制御する。また、ステッピングの際には、主制御装置20では、ウエハ干渉計18の計測値に基づいてステージ制御装置19を介し、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTの位置を制御する。
さらに、本実施形態の露光装置100は、投影光学系PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成するための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する不図示の照射系と、その結像光束のウエハWの表面での各反射光束を、それぞれスリットを介して受光する不図示の受光系とから成る斜入射方式の多点フォーカス検出系を備えている。この多点フォーカス検出系としては、例えば特開平6−283403号公報などに開示されるものと同様の構成のものが用いられ、この多点フォーカス検出系の出力が主制御装置20に供給されている。主制御装置20では、この多点フォーカス検出系からのウエハの位置情報に基づいてステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTをZ方向及び傾斜方向に駆動する。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の露光装置100により、ウエハWに対して第2層目(セカンドレイヤ)以降の層の露光処理を行う際の動作について、ウエハW上のショット領域などの配置を示す図2(A)、図2(B)及び上記特定プログラムに従って実行される、主制御装置20内のCPUの処理アルゴリズムを示す図3〜図5のフローチャートに沿って、適宜他の図面を参照しつつ、説明する。
また、前提として、ドライブ装置46にセットされたCD−ROM内の特定プログラム及びその他のプログラムは、主記憶装置20内部の記憶装置にインストールされているものとし、さらに、そのうちのレチクルアライメント及びベースライン計測処理等のプログラムが、主制御装置20内部のCPUによって記憶装置からメインメモリにロードされているものとする。
第2層目以降の層の露光対象であるウエハW上には、図2(A)に示されるように、前層までの処理工程により、複数のショット領域S(i,j)(i=1〜m,j=1〜n)が、隣接するショット領域とある程度離間して、マトリクス状に配置されている。このショット領域により、配列座標系αβが規定される。
隣接するショット領域の間には、α軸方向に延びる基準線としてのスクライブラインLαi(i=1〜m−1)と、β軸方向に延びる基準線としてのスクライブラインLβj(j=1〜n−1)とが形成されている。ショット領域S(p,q)(p=2〜m−2,q=2〜n−2)は、スクライブラインLαp-1,Lαp,Lβq-1,Lβqで取り囲まれているとみなすことができる。なお、図2(A)においては、四隅のショット領域S(1,1)、S(1,n)、S(m,1)、S(m,n)にのみ符号を付し、他のショット領域S(i,j)については符号を省略している。なお、スクライブラインLαi、Lβj上の方が、ショット領域上よりも表面状態が均一であるため、上記FIA系のセンサでスクライブライン及びショット領域を撮像した場合には、スクライブラインの撮像結果の方が、ショット領域の撮像結果よりも輝度が高くなる。
さらに、図2(B)に示されるように、このショット領域S(i,j)とともに、隣接するショット領域間の所定幅、例えば100μm幅程度のスクライブラインLαi上に、ウエハアライメントXマーク(ウエハXマーク)MX(i,j)が形成され、スクライブラインLβj上に、ウエハアライメントYマーク(ウエハYマーク)MY(i,j)がそれぞれ形成されている。このうち、ウエハXマークMX(i,j)のX位置は、ショット領域S(i,j)(の中心C(i,j))のX座標に設計上一致し、ウエハYマークMY(i,j)のY位置は、ショット領域S(i,j)(の中心C(i,j))のY座標に設計上一致するようになっている。すなわち、設計上は、ウエハXマークMX(i,j)のX位置とウエハYマークMY(i,j)のY位置とにより、ショット領域S(i,j)(の中心C(i,j))の位置座標が求められるようになっている。
この場合、ウエハXマークMX(i,j)としては、例えばX軸方向を周期方向とするラインアンドスペースマークが用いられ、ウエハYマークMY(i,j)としては、例えばY軸方向を周期方向とするラインアンドスペースマークが用いられている。
なお、上述したようなウエハW上のショット領域S(i,j)などに関する情報(すなわちウエハXマークMX(i,j)及びウエハYマークMY(i,j)の位置情報)、例えば配列座標系における設計上の位置などは、記憶装置に記憶されているものとする。
主制御装置20内のCPUの処理アルゴリズムについて説明する。
図3に示されるように、まず、ステップ301において、不図示のレチクルローダにより、レチクルステージRST上にレチクルRがロードされる。このレチクルロードが終了すると、ステップ303→ステップ305→ステップ307において、主制御装置20(より正確には、CPU)は、レチクルアライメント、ベースライン計測及びウエハロードを、前述のレチクルアライメント、ベースライン計測、及びウエハロード処理のプログラムに従って以下のようにして実行する。
すなわち、ステップ303において、主制御装置20では、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWST上の基準マーク板FMを投影光学系PLの直下の所定位置(以下、便宜上「基準位置」と呼ぶ)に位置決めし、基準マーク板FM上の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとの相対位置を前述の一対のレチクルアライメント検出系22を用いて検出する。そして、主制御装置20では、レチクルアライメント検出系22の検出結果と、ステージ制御装置19を介して得られるその検出時の干渉計16、18の計測値とをメインメモリに記憶する。次いで、主制御装置20では、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTを、それぞれ所定距離だけY軸方向に沿って相互に逆向きに移動して、基準マーク板FM上の別の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルR上の別の一対のレチクルアライメントマークとの相対位置を前述の一対のレチクルアライメント検出系22を用いて検出する。そして、主制御装置20では、レチクルアライメント検出系22の検出結果と、ステージ制御装置19を介して得られるその検出時の干渉計16、18の計測値とをメインメモリに記憶する。次いで、上記と同様にして、基準マーク板FM上の更に別の一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応するレチクルアライメントマークとの相対位置関係を更に計測しても良い。
そして、主制御装置20では、このようにして得られた少なくとも2対の第1基準マークと対応するレチクルアライメントマークとの相対位置関係の情報と、それぞれの計測時の干渉計16,18の計測値とを用いて、干渉計16の測長軸で規定されるレチクルステージ座標系と干渉計18の測長軸で規定されるウエハステージ座標系との相対位置関係を求める。これにより、レチクルアライメントが終了する。
次いで、ステップ305において、主制御装置20は、ベースライン計測を行う。具体的には、ウエハステージWSTを前述の基準位置に戻し、その基準位置から所定量、例えばベースラインの設計値だけXY面内で移動させて、アライメント検出系ASを用いて基準マーク板FM上の第2基準マークを検出する(ステージ制御装置19を介してウエハ干渉計18の計測値をメインメモリに記憶する)。主制御装置20では、このとき得られるアライメント検出系ASの検出中心と第2基準マークの相対位置関係の情報及び先にウエハステージWSTが基準位置に位置決めされた際に計測した一対の第1基準マークと、その第1基準マークに対応する一対のレチクルアライメントマークとの相対位置関係の情報と、それぞれの計測時のウエハ干渉計18の計測値と、既知である第1基準マーク及び第2基準マークとの位置関係に基づいて、アライメント検出系ASのベースライン、すなわちレチクルパターンの投影中心とアライメント検出系ASの検出中心(指標中心)との距離(位置関係)を算出する。
次いで、ステップ307において、主制御装置20では、不図示のウエハローダの制御系にウエハWのロードを指示する。これにより、ウエハローダによって、ウエハWがウエハステージWST上のウエハホルダ25上にロードされる。
このような一連の準備作業が終了すると、主制御装置20では、前述のレチクルアライメント及びベースライン計測処理等のプログラムをメインメモリからアンロードするとともに、アライメント動作及び露光動作を実行するための特定プログラムをメインメモリにロードする。以後、この特定プログラムに従って、本実施形態の位置検出方法、すなわちラフアライメント、サーチアライメント、及びEGA方式のウエハアライメント、及びウエハW上の各ショット領域に対する露光が行われる。
まず、ステップ309において、ロードされたウエハWについて、ラフアライメントを行う。このラフアライメント動作では、まず、主制御装置20がステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTを移動させ、ウエハWのノッチNがラフアライメントセンサ40aの真下に、またウエハWの外縁がラフアライメントセンサ40b,40cの真下にくるように、ウエハWの位置を大まかに合わせる。そして、この状態で、ラフアライメントセンサ40aは、ウエハWのノッチNの位置を検出し、また、ラフアライメントセンサ40b,40cはウエハWの外縁位置を検出する。これらの検出結果は、主制御装置20に供給される。主制御装置20は、ラフアライメントセンサ40a,40b,40cから供給された検出結果に基づいて、ウエハW上の配列座標系(α,β)とラフアライメント精度内で一致する近似配列座標系(α',β')を導出する。なお、ここで、主制御装置20が、ウエハホルダ25を回転させて、X軸方向及びY軸方向と、α'軸方向及びβ'軸方向とをそれぞれ一致させるようにしても良い。このときは、ステージ座標系が、近似配列座標系と一致することとなる。以下、このラフアライメントによりステージ座標系と近似配列座標系とが一致するものとして説明する。
次に、サブルーチン311において、サーチアライメントを行う。図4には、サブルーチン311の処理を示すフローチャートが示されている。図4に示されるように、ステップ401において、検出対象となる位置検出用マーク(サーチマーク)を決定する。具体的には、主制御装置20は、図2(B)に示される各ショット領域S(i,j)に付設されたウエハXマークMX(i,j)又はウエハYマークMY(i,j)の中から、サーチアライメントマークを選び出す。例えば、前述したウエハYマークMY(i,j)の中から、いずれか1つのマークを、サーチアライメントマークとして決定し、そのマークの設計上の位置座標を、記憶装置から読み込む。
なお、ここでは、説明を簡単にするために、サーチアライメントマークをウエハXマークMX(i,j)、ウエハYマークMY(i,j)としているのであって、実際には、サーチアライメントマーク用としてスクライブラインLβj上に配設されている別のマークを用いても良い。また、ここでは、後述する工程において、アライメント検出系ASの撮像視野を、スクライブラインLβj上に走査させることを考慮して、そのスクライブラインLβjの走査区間が十分に確保されるような、ウエハYマークMY(i,j)を決定するのが望ましい。
そして、ステップ403において、サーチマークとして決定されたウエハYマークMY(i,j)が、アライメント検出系ASの撮像視野内に入るように、ウエハステージWSTを移動させる。そして、ステップ405において、そのサーチアライメントマークを含む領域の撮像をアライメント検出系ASに対して指示し、その撮像結果を取得するとともに、ウエハ干渉計18から送られるウエハステージWSTの位置を取得する。そして、取得した撮像結果(すなわちX軸方向及びY軸方向の両ラインセンサによる撮像データ)及びウエハステージWSTの位置情報を、記憶装置に保存する。
さらに、ステップ407において、アライメント検出系ASによる撮像条件を設定する。このような撮像条件としては、1回の相対走査時における撮像回数及び撮像間隔などがある。ここでは、その撮像回数をKcとし、撮像間隔をIcとし、そのKc及びIcを設定する。同時に、後述する割り込み処理で用いるカウンタKの値を0、カウンタIの値をIcに初期化する(ここでは、撮像回数Kcとして2を設定し、撮像間隔Icとして3を設定するものとする)。なお、後述するように、撮像間隔Icを3に設定すると、アライメント検出系ASにおける撮像間隔は、1/60×3=1/20sとなる。
次に、ステップ409において、アライメント検出系ASの撮像視野のスクライブラインLβj上の相対走査を開始させる。具体的には、ウエハステージWSTを所定の移動速度(例えばV')で、−Y方向に移動させる。これにより、アライメント検出系ASの撮像視野が、ウエハW上を+Y方向に移動速度V'で移動するようになる。このようにしても、スクライブラインLβjがY軸方向にほぼ沿うように、ウエハWが置かれているので、アライメント検出系ASの撮像視野が、スクライブラインLβj上からはずれることはない。なお、アライメント検出系ASの撮像倍率は、スクライブラインLβjが、その撮像視野に十分含まれるような倍率を設定しておく必要がある。
図6には、上記相対走査により、アライメント検出系ASの撮像視野が、ウエハW上を+Y方向に移動する様子が示されている。上述したように、アライメント検出系ASの1回の撮像に要する時間は、1/60sであるため、アライメント検出系ASの撮像視野が、移動速度V'で+Y方向に移動すると、アライメント検出系ASのXラインセンサの撮像範囲(図6では点線で示される)は、Y軸方向に拡張され、その長さは、L(=1/60×V')となる。この相対走査中の連続的な撮像により、Y軸方向に圧縮された状態の撮像データが、アライメント検出系ASのXラインセンサによって得られるようになる。すなわち、もし仮に、アライメント検出系ASが、1/60s間隔で連続して撮像を行ったとすると、図6中の区間Aの撮像範囲の圧縮された撮像データ、区間Bの撮像範囲の圧縮された撮像データ、区間Cの撮像範囲の圧縮された撮像データ、区間Dの撮像範囲の圧縮された撮像データがXラインセンサによって得られることとなる。
本実施形態では、撮像間隔Icが3に設定されているため、1/60×3=1/20s間隔で撮像が行われるようになる。また、撮像回数Kcを2と設定しているので、上述の相対走査中に、アライメント検出系ASによる撮像が2回行われることとなる。したがって、相対走査中のアライメント検出ASのXラインセンサの撮像範囲が、図6のようであり、1回目の撮像では、区間Aの撮像範囲の撮像が行われたとすると、2回目の撮像では、区間Dの撮像範囲の撮像が、行われるようになる。なお、このような撮像間隔を設定可能としたのは、各撮像範囲内のショット領域の配置状態をほぼ同一にするためである(区間A及び区間Dは、その撮像範囲内のショット領域の配置がほぼ同一となっている)。実際に撮像結果を取得する撮像範囲で、ショット領域の配置状態を同一とすれば、その撮像範囲での撮像結果を比較して、ウエハWの回転成分を求める際に、撮像範囲内のショット領域の配置状態の違いが、ウエハWの回転成分の算出値に与える影響を低減することができる。しかし、このような影響を軽微なものとみなせる場合には、区間Aの撮像範囲、区間Bの撮像範囲を連続して撮像するようにしても構わない。
なお、上述した相対走査中の撮像は、ウエハステージWSTの移動速度が所定速度(V')に達した状態で(すなわち一定速度で)行われる必要がある。したがって、次のステップ411では、その走査速度が、所定の速度に到達したか否かをウエハ干渉計18の計測値に基づいて判断し、その判断が肯定されるまでステップ411の処理を繰り返す。そして、ウエハステージWSTの移動速度がV'に達すると、ステップ411における判断が肯定され、ステップ413に進む。ステップ413では、撮像データ取り込み許可フラグをセットし、ステップ415では、その撮像データ取り込み許可フラグがリセットされるまで待つ。この撮像データ取り込み許可フラグは、後述する割り込み処理において、すべての撮像が完了したときに、参照されリセットされるフラグである。
ところで、主制御装置20は、内部に設けられているクロックが発生するクロック信号に従って、1/60s間隔で、割り込み信号を発生させる割り込みコントローラを有している。この割り込み信号はCPUに供給されており、この割り込み信号が供給されると、CPUは、割り込み処理ルーチンを起動し、その処理を実行する。すなわち、CPUは、割り込み処理を1/60s間隔で実行している。
図5には、その割り込み処理ルーチンのフローチャートが示されている。図5に示されるように、ステップ501において、まず、撮像データ取り込み許可フラグがセットされているか否かを判断する。その判断が肯定されれば、ステップ503に進み、否定されれば、そのまま割り込み処理を抜け、割り込み処理を行う前に実行していた処理に戻る。すなわち、この割り込み処理では、前述のステップ413(図4)において撮像データ取り込み許可フラグがセットされるまでは、撮像処理などの実質的な処理を行うことなくそのまま終了する。ステップ413(図4)において、撮像データ取り込み許可フラグがセットされた後は、ステップ501における判断が肯定され、ステップ503以降の処理、すなわち撮像処理等を行うことになる。
ステップ413(図4)で、撮像データ取り込み許可フラグがセットされると、その後に起動される割り込み処理では、ステップ501における判断は肯定され、ステップ503に進む。ステップ503では、カウンタIの値がIcであるか否かを判断する。この判断が肯定されれば、ステップ505に進み、否定されれば、ステップ515に進む。ここでは、ステップ407(図4)においてカウンタIの値がIcに設定されているので、その判断は肯定され、ステップ505に進む。ステップ505では、アライメント検出系ASに撮像を指示する。この指示により、アライメント検出系ASは、撮像を開始し、その撮像結果としての撮像信号を主制御装置20に送る。
そして、次のステップ507において、ウエハ干渉計18の計測値を取得し、記憶装置に保存する。次のステップ509ではカウンタ値Kを1インクリメントし、カウンタ値Iを0に初期化する。そして、ステップ511では、カウンタ値KがKcであるか否かを判断する。ここで、判断が肯定されれば、ステップ513に進み、否定されれば割り込み処理を抜ける。ここでは、まだK=1なので、判断は否定され、そのまま割り込み処理を抜ける。
割り込み処理を抜けた後、CPUは、再び図4のステップ415の処理を繰り返す。ここでは、撮像データ取り込み許可フラグがセットされたままなので、判断は否定され、ステップ415の処理を繰り返し行うようになる。なお、主制御装置20では、アライメント検出系ASから送られた撮像信号の受信完了後に、その撮像信号のデータを、ステップ507で保存したウエハ干渉計18の計測値に対応づけて、記憶装置に保存する処理も行っているものとする。
割り込みコントローラが、再び割り込み信号をCPUに供給すると、CPUは、図5に示される割り込み処理を再び実行する。前述のように、撮像データ取り込み許可フラグはセットされたままなので、ステップ501の判断は肯定され、ステップ503に進む。ステップ503においては、カウンタ値Iの値が0となっているので、判断は否定され、ステップ515に進む。ステップ515では、カウンタ値Iが1だけインクリメントされ、その後、割り込み処理を抜ける。
以降、割り込み処理が1/60s毎に起動される度に、ステップ503でカウンタ値IがIcとなり、判断が肯定されるまで、ステップ515において、カウンタ値Iが1ずつインクリメントされていく。
カウンタ値IがIcとなると、ステップ503の判断が肯定され、ステップ505における撮像指示、ステップ507におけるウエハ干渉計18の計測値の取り込み、ステップ509におけるカウンタ値の更新が実行される。アライメント検出系ASから送られた撮像信号及びウエハ干渉計18の計測値は、2回目の撮像結果及び位置として、記憶装置に記憶される。図6では、この2回目の撮像におけるアライメント検出系ASの撮像範囲としての区間Dの撮像範囲が太い点線で示されている。
図5に戻り、次のステップ511において、カウンタ値KがKcであるか否かを判断する。ステップ513では、K=2となっているので、判断は肯定され、ステップ513に進む。
ステップ513では、撮像データ取り込み許可フラグをリセットし、その後、割り込み処理を抜ける。この後、図4に戻り、ステップ415で判断が肯定され、ステップ417に進む。ステップ417では、スクライブラインLβj上の相対走査を終了させる。
図7には、相対走査時のアライメント検出系ASのXラインセンサによって撮像された区間Aの撮像範囲と、その撮像範囲の撮像結果としての撮像信号に対応するデータ列関数P1(X)との関係が示されている。一般に、ショット領域を撮像した場合の輝度は低くなり、スクライブライン上を撮像した場合の輝度は高くなるため、相対走査によるXラインセンサの撮像範囲が、図7(A)に示されるようであった場合(斜線はショット領域を示す)、Xラインセンサによって取得された撮像信号は、図7(B)に示されるP1(X)のようになる。
図4に戻り、次のステップ419では、撮像結果から、スクライブラインLβjに関する情報の検出を行う。例えば、Xラインセンサによる1回目及び2回目の撮像結果から、それぞれ図8(A)、図8(B)に示される、データ列関数P1(X),P2(X)がそれぞれ得られているとする。この場合、まず、P1(X)及びP2(X)について、それぞれの折り返し相関性が最大となるX軸方向の位置(それぞれX1、X2とする)を求める。そして、X1とX2の差LX(=X2−X1)を算出する。この差LXが、スクライブラインLβjに関する情報となる。
そして、ステップ421において、1回目の撮像時と、2回目の撮像時との間のウエハステージWSTの移動距離LYを算出する。LYは、1回目の撮像データを取得したときに、その撮像結果に対応して記憶装置に記憶されたウエハ干渉計18のY軸方向の計測値と、2回目の撮像データを取得したときに、その撮像結果に対応して記憶装置に記憶されたウエハ干渉計18のY軸方向の計測値との差から導き出される。
そして、ステップ423において、次式を用いて、図8(C)に示されるウエハWの回転角Ry(ステージ座標系に対する配列座標系の回転成分であり、「物体(ウエハ)の位置情報」のうちの1つ)を求める。
Figure 0004332891

求められたウエハWの回転成分Ryは、記憶装置に保存される。
次のステップ425では、ウエハWのオフセット量(「物体(ウエハ)の位置情報」のうちの1つ)を算出する。具体的には、記憶装置に記憶された、アライメント検出系ASによるサーチアライメントマークとしてのウエハYマークMY(i,j)を含む領域の撮像結果及びそのマークMY(i,j)が撮像されたときに得られたウエハ干渉計18の計測値に基づいて、そのマークの位置を検出する。ここで、ウエハYマークMY(i,j)の位置座標の計測値を(x,y)とし、その設計値を(xid,yid)とすると、ウエハWのオフセット量(ofx,ofy)は、次式を用いて求められる。なお、次式においては、θ=Ryとする。
Figure 0004332891
そして、ステップ425を終了後、サブルーチン311の処理を終了し、図3のステップ319に戻る。
ステップ319では、カウンタの値hを1に初期化し、ステップ321で、h番目のアライメントマークがアライメント検出系ASの検出視野内に入るように、ウエハステージWSTを駆動し、アライメント検出系ASを用いてh番目のEGA計測ショット領域のアライメントマークをそれぞれ撮像する。ここでは、h=1なので、1番目の計測ショットのアライメントマークが、アライメント検出系ASの検出視野に収まるようになる。
なお、このときのウエハステージWSTの移動については、予め記憶装置に記憶されているh番目のアライメントマークの設計上の位置座標に加え、ステップ423で求められたウエハWの回転成分Ryと、ウエハWのオフセット成分(ofx,ofy)の値が考慮されている。
アライメント検出系ASからそのアライメントマークの撮像信号を受信すると、その撮像信号に基づいて1番目のアライメントマークの位置情報を検出する。そして、その位置情報と、1番目のアライメントマークが撮像されたときのウエハ干渉計18から送られたウエハステージWSTの位置情報とから、1番目のアライメントマークの位置情報を算出し、メインメモリに記憶する。
次のステップ323では、カウンタ値hが、EGA計測ショット数を越えたか否かを判断する。判断が肯定されれば、ステップ327に進み、否定されれば、ステップ325に進む。ここでは、まだh=1なので、判断は否定され、ステップ325に進む。
ステップ325では、カウンタ値hを1だけインクリメントし(h←h+1)、ステップ321に戻る。
以降、ステップ323において、判断が肯定されるまで、ステップ321→ステップ323→ステップ325の処理が繰り返し実行されたショット数分のアライメントマークの位置が最適化された移動シーケンスに従って検出される。
ステップ327では、アライメントマークの検出結果に基づいて、前述したEGA方式で行われている統計処理方法により全てのショット領域の配列座標を算出する、いわゆるEGA演算を行う。これにより、ウエハW上の全てのショット領域のステージ座標系(静止座標系)上における配列座標が算出される。この処理については、例えば特開昭61−44429号公報などに開示されているので、詳細な説明を省略する。
次のステップ329では、ショット領域の配列番号を示すカウンタgに1をセットし、最初のショット領域を露光対象領域とする。
そして、ステップ331では、EGA演算にて算出された露光対象領域の配列座標に基づいて、ウエハWの位置がウエハW上の露光対象領域を露光するための加速開始位置となるようにウエハステージWSTを移動させるとともに、レチクルRの位置が加速開始位置となるようにステージ制御装置19、レチクルステージ駆動部(不図示)を介して、レチクルステージRSTを移動する。
ステップ333では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTの相対走査を開始する。そして両ステージがそれぞれの目標走査速度に達し、等速同期状態に達すると、照明系10からの照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介してウエハW上の露光対象領域に縮小転写される。
ステップ335では、カウンタ値gを参照し、全てのショット領域に露光が行われたか否かを判断する。ここでは、g=1、すなわち、最初のショット領域に対して露光が行なわれたのみであるので、ステップ335での判断は否定され、ステップ337に移行する。
ステップ337では、カウンタgの値をインクリメント(+1)して、次のショット領域を露光対象領域とし、ステップ331に戻る。
以下、ステップ335での判断が肯定されるまで、ステップ331→ステップ333→ステップ335→ステップ337の処理、判断が繰り返される。
ウエハW上の全てのショット領域へのパターンの転写が終了すると、ステップ335での判断が肯定され、ステップ339に移行する。
ステップ339では、不図示のウエハローダにウエハWのアンロードを指示する。すると、ウエハWは、不図示のウエハローダにより、ウエハホルダ25上からアンロードされた後、不図示のウエハ搬送系により、露光装置100にインラインにて接続されている不図示のコータ・デベロッパに搬送される。これにより、露光処理動作が終了する。
なお、本実施形態では、撮像中に取得されたウエハ干渉計18の計測値に基づいてウエハステージWSTの移動距離LYを求めたが、これには限られず、ウエハステージWSTの移動速度V'に、前述の撮像間隔1/60×Kc(ここでは、Kc=3)を掛けて得られる計算上の移動距離をLYとして用いても良い。
また、本実施形態では、求めたデータ列関数P1(X)、P2(X)の鏡映対称位置X1、X2の差LXを、P1(X)、P2(X)の折り返し相関演算を用いて求め、ウエハWの回転成分Ryを求めたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、データ列関数P1(X)を+X方向に1画素ずつずらしながら、データ列関数P1(X)とデータ列関数P2(X)との相関性を順次求めていき、その相関性が最大になるまでにデータ列関数P1(X)をずらした長さをLXとして求め、求められたLXを用いて上記式(1)を演算してウエハWの回転成分Ryを求めるようにしても良い。
また、本実施形態では、スクライブラインLβjの撮像の前に、サーチマークMY(i,j)の撮像を行ったが、スクライブラインLβjの撮像を行ってから、サーチマークMY(i,j)の撮像を行っても良い。すなわち、サーチマークの撮像は、Y軸方向への相対走査の前後どちらで行っても構わない。
また、本実施形態では、1回の相対走査における撮像回数を2回としたが、3回以上としても良い。この場合、データ列関数は3つ以上(撮像結果毎に)求められることになるため、それらのデータ列関数から上述した相関性によって、求められたX位置に基づいて、最尤推定法(例えば最小二乗法)を用いて、ウエハWの回転成分Ryを求めるようにしても良い。
また、本実施形態では、撮像対象となる基準線としてのスクライブラインをスクライブラインLβjとし、相対走査時のウエハステージWSTの移動方向(所定方向)をY軸方向としたが、これに限定されるものではなく、ウエハステージWSTをX軸方向に移動させ、スクライブラインLαiを、撮像対象とするようにしても良い。なお、この場合には、ウエハWの回転成分の算出などには、Xラインセンサの撮像結果ではなく、Yラインセンサの撮像結果を用いることとなる。
また、本実施形態では、スクライブラインLαi、Lβjを両方検出することにより、ウエハステージWSTのステージ座標系のX、Yの各座標軸の直交度を求めるようにしても良い。
すなわち、ウエハステージWSTをそれぞれX軸方向、Y軸方向に相対走査させて撮像を行い、それぞれの撮像結果についてそれぞれ得られたスクライブラインLαi,Lβj各々に関する情報に基づいて求められたウエハWの回転成分をそれぞれRx、Ryとし、その差ω=Rx−Ryをステージ座標系の各座標軸の直交度として求めても良い。なお、このようにして求めた直交度ωを考慮すると、ウエハWのオフセット成分(ofx,ofy)は、上記式(2)の代わりに、次式を用いて求めることができる。
Figure 0004332891
また、上記実施形態では、撮像回数を2回としたが、撮像回数を1回として、ウエハWの回転成分Ryを求めることも可能である。すなわち、図9(A)、図9(B)に示されるように、データ列関数P1(X)から、スクライブラインLβjの幅Wobsを計測する。そして、計測されたスクライブラインLβjの幅WobsとスクライブラインLβjの幅の設計値Widとの差をLXとし、撮像開始時にウエハ干渉計18によって計測されたY位置と、撮像終了時にウエハ干渉計18によって計測されたY位置との差、又は、1/60×移動速度V'をLYとして上記式(1)を計算し、ウエハWの回転成分Ryを求めるようにしても良い。
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、主制御装置20、ステージ制御装置19、アライメント検出系AS、ウエハステージ駆動部24、ウエハステージWSTが撮像機構に対応しており、主制御装置20が、検出装置及び算出装置に対応している。すなわち、主制御装置20のCPUが行う、ステップ409〜ステップ417(図4)、ステップ501〜ステップ513(図5)の処理によって、撮像機構の一部の機能が実現され、ステップ419(図4)の処理によって検出装置の機能が実現され、ステップ421〜ステップ425(図4)の処理によって、算出装置の機能が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。
以上詳細に述べたように、本実施形態の位置検出方法によれば、アライメント検出系ASの撮像視野を、ウエハWに対して相対走査させながら、ウエハWの向きを規定するスクライブラインLβjを含む領域を少なくとも1回、連続的に撮像する。このようにすれば、従来のように、アライメント検出系ASの撮像視野の移動及び静止の動作(すなわちウエハステージWSTのステッピング動作)を複数回繰り返すことなく、スクライブラインLβj(の向き)に関する情報を検出することができ、その情報に基づいてウエハWの回転成分を検出することができるので、結果的に、ウエハWの回転成分を短時間に検出することができる。
なお、上記実施形態では、露光装置100のアライメント検出系ASを、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ配列された1次元CCD等より成るラインセンサ(Xラインセンサ及びYラインセンサ)を備える検出系であるものとしたが、これには限らず、2次元CCDより成るセンサを備える検出系をアライメント検出系として用いることもできる。
このような2次元CCDは、例えばNTSC(National TV Standards Committee)方式等の標準テレビジョンフォーマット方式(画素数494×768)に対応したものとなっており、1/60s間隔で1枚の2次元画像が得られるようになっている。したがって、2次元CCDを採用した場合でも、上述した本実施形態の動作、すなわち1/60s毎の割り込み処理による撮像処理を変更する必要はないが、得られる画像が1次元CCDとは若干異なったものとなるので、得られた撮像結果に対する処理内容が異なったものとなる。以下、2次元CCDのアライメント検出系ASを用いた場合の撮像結果に対する処理内容について説明する。
図10(A),図10(B),図10(C)には、2次元CCDのアライメント検出系ASの撮像範囲及び撮像結果等の一例が示されている。2次元CCDの場合、アライメント検出系ASの撮像視野は、点線で示す領域A1から領域A2へ移動することとなる。その結果、アライメント検出系ASの撮像範囲は、図10(A)に示されるようになり、アライメント検出系ASの2次元CCDで撮像される画像は、図10(B)に示されるように、図10(A)に示される撮像範囲が、走査方向であるY軸方向に対応する方向に圧縮されたような2次元画像となる。さらに、図10(B)に示される圧縮された2次元画像の輝度を、Y軸方向に累積していくと、図10(C)に示されるような累積輝度値のデータ列関数P(X)を作成することができる。
このような2次元CCDの撮像結果から、ウエハWの回転成分Ryを求める方法には、幾つかの方法が考えられる。
例えば、1次元CCDのアライメント検出系ASと同様に、相対走査中に2回の撮像を行って、その各回の撮像結果から、ウエハWの回転成分Ryを求めることができる。これには、図11(A)、図11(C)に示されるような、2次元CCDにより撮像された相対走査中の撮像結果としての各画像における各画素の輝度を、走査方向であるY軸方向に積算していき、それぞれ、図11(B)に示される累積輝度値のデータ列関数P1(X)、図11(D)に示される累積輝度値のデータ列関数P2(X)をそれぞれ作成する。そして、データ列関数P1(X)、P2(X)の鏡映対称位置X1、X2、それらの差LXを求め、撮像間隔におけるウエハステージWSTの移動距離LYを本実施形態と同様に求め、求められたLX及びLYを用いて上記式(1)を計算すれば、ウエハWの回転成分Ryを求めることができる。
また、相対走査中の撮像が1回のみであっても、ウエハWの回転成分Ryを求めることができる。例えば、図11(E)に示されるように、1回の撮像により得られた2次元画像について、Y軸方向に関する2つの領域(点線で示される)内で、Y軸方向に対応する方向の画素列毎の輝度の累積値をそれぞれ求める。そして、図10(C)に示されるデータ列関数P(X)と同様の方法で、X軸方向に対応する方向に関するその累積輝度値のデータ列関数P1'(X)、P2'(X)を作成し(図11(F)、図11(G)にそれぞれ示されている)、データ列関数P1'(X)、P2'(X)の鏡映対称位置X1、X2に基づいてそれらの差LXを求め、上記2つの領域のY軸方向に対応する方向の距離LY(図11(E)に示されている)を求め、これらLX及びLYを用いて上記式(1)を計算すれば、ウエハWの回転成分Ryを求めることができる。なお、図11(E)では、2次元画像内の一部の領域を抽出して、抽出された各領域における各画素の輝度を累積したが、2次元画像を、2つ又はそれ以上の数の領域に分割し、それぞれの領域について各画素の輝度を累積するようにしても良い。分割数が3以上である場合には、前述のように、最尤推定法(例えば、最小二乗法)を用いることとなる。
また、上記実施形態におけるアライメント検出系ASにおいては、CCDを備える撮像デバイスをセンサとして用いたが、これに限らず、本発明は、受光素子が、所定の時間内に受光した光量に応じた電荷等を蓄積し、蓄積された電荷等の大きさに対応した撮像信号を出力することができる蓄積型撮像デバイスならば、適用可能である。
また、上記実施形態では、本発明がステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないのは勿論である。すなわち、ステップ・アンド・リピート方式、ステップ・アンド・スティッチ方式、ミラープロジェクション・アライナー、及びフォトリピータなどにも好適に適用することができる。さらに、投影光学系PLは、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよいし、縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでも良い。
さらに、本発明が適用される露光装置の光源は、KrFエキシマレーザやArFエキシマレーザ、F2レーザとしたが、他の真空紫外域のパルスレーザ光源であっても良い。この他、露光用照明光として、例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系、並びにアライメント検出系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシン及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用することができる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、ホタル石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
また、本発明に係る位置検出方法は、露光装置に限らず、その向きを規定する基準線が形成されている物体を処理対象とし、その物体の向きを検出する必要がある装置であれば、適用が可能である。
《デバイス製造方法》
次に、上述した露光装置100をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図12には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図12に示されるように、まず、ステップ801(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ802(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ803(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ804(ウエハ処理ステップ)において、ステップ801〜ステップ803で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ805(デバイス組立てステップ)において、ステップ804で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ805には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ806(検査ステップ)において、ステップ805で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図13には、半導体デバイスにおける、上記ステップ804の詳細なフロー例が示されている。図13において、ステップ811(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ812(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ813(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ814(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ811〜ステップ814それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ815(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ816(露光ステップ)において、上記実施形態の露光装置100を用いてマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ817(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ818(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ819(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ816)において上記実施形態の露光装置100が用いられるので、スループットの向上を実現することができる。この結果、より高集積度のデバイスの生産することが可能になる。
以上詳細に説明したように、本発明の位置検出装置及び位置検出方法は、物体の位置情報を検出するのに適している。また、本発明の露光方法は、パターンを、移動体に保持された物体に転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
本発明の一実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 図2(A)は、ウエハ上のショット領域の配置を示す図であり、図2(B)は、ウエハ上のマークの配置を示す図である。 本発明の一実施形態に係る露光装置における、露光処理の際の主制御装置のCPUの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 サーチアライメントのサブルーチンの処理を示すフローチャートである。 割り込み処理を示すフローチャートである。 アライメント検出系の撮像視野が、ウエハ上を相対走査する様子を示す図である。 相対走査時のアライメント検出系の撮像範囲と、撮像結果の一例を示す図である。 撮像データのデータ列関数の一例を示す図である。 1回の撮像によりウエハの回転成分を算出する方法を説明するための図である。 2次元CCDによる撮像範囲と、撮像結果と、累積輝度値のデータ列関数との関係を示す図である。 2次元CCDの画像からウエハの回転成分の算出を説明するための図である。 本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。 図12のステップ804における処理のフローチャートである。
符号の説明
20…主制御装置、100…露光装置、AS…アライメント検出系、MX(i,j),MY(i,j)…アライメントマーク、Lαi,Lβj…スクライブライン、S…ショット領域、W…ウエハ、WST…ウエハステージ。

Claims (21)

  1. 物体の位置情報を検出する位置検出装置であって、
    蓄積型撮像デバイスと;
    前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に相対走査させながら、前記物体上に形成された前記物体の向きを規定する基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像することにより、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を取得する撮像機構と;
    前記基準線を含む領域の撮像結果に基づいて、前記基準線に関する情報を検出する検出装置と;
    前記検出された前記基準線に関する情報と、前記相対走査の速度とに基づいて、前記物体の向きに関する情報を算出する算出装置と;を備える位置検出装置。
  2. 前記撮像機構は、
    前記相対走査の開始時又は終了時に、前記蓄積型撮像デバイスを用いて、前記物体上に形成された設計上の位置情報が既知であるマークを含む領域をさらに撮像し、
    前記検出装置は、
    前記マークを含む領域の撮像結果に基づいて、前記マークの位置情報をさらに検出し、
    前記算出装置は、
    前記検出された前記マークの位置情報及び前記物体の向きに関する情報並びに前記検出されたマークの設計上の位置情報に基づいて、前記物体の位置情報をさらに算出することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 物体の位置情報を検出する位置検出装置であって、
    蓄積型撮像デバイスと;
    前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に相対走査させながら、前記物体上に形成された前記物体の向きを規定する基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像することにより、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を取得し、前記相対走査の開始時又は終了時に、前記蓄積型撮像デバイスを用いて、前記物体上に形成された設計上の位置情報が既知であるマークを含む領域をさらに撮像する撮像機構と;
    前記基準線を含む領域の撮像結果に基づいて、前記基準線に関する情報を検出し、前記マークを含む領域の撮像結果に基づいて、前記マークの位置情報をさらに検出する検出装置と;
    前記検出された前記基準線に関する情報に基づいて、前記物体の向きに関する情報を算出し、前記検出されたマークの位置情報及び前記物体の向きに関する情報、並びに前記検出されたマークの設計上の位置情報に基づいて、前記物体の位置情報をさらに算出する算出装置と;を備える位置検出装置。
  4. 前記撮像機構は、
    前記物体の移動を規定する2次元座標系の各座標軸の方向を、それぞれ前記所定方向として、前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を相対走査させながら、互いに直交する2つの前記基準線のうちの前記各座標軸方向に略平行に延びる前記基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像し、
    前記検出装置は、
    前記各基準線を含む撮像結果に基づいて、その基準線に関する情報をそれぞれ検出し、
    前記算出装置は、
    前記検出された前記各基準線に関する情報に基づいて、前記2次元座標系の各座標軸の直交度をさらに算出し、前記直交度を考慮しつつ、前記物体の位置ずれに関する情報を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の位置検出装置。
  5. 前記蓄積型撮像デバイスは、
    複数の光電変換素子が撮像面に2次元に配置された撮像デバイスであり、
    前記検出装置は、
    前記撮像結果として得られる2次元画像における複数の領域内で、それぞれ前記所定方向に対応する方向の画素列毎の輝度データの累積値を求め、前記対応する方向の直交方向に関する前記累積値のデータ列を前記領域毎に作成し、作成された前記各領域の累積値のデータ列について前記基準線に関する情報を検出することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  6. 前記蓄積型撮像デバイスは、
    複数の光電変換素子が撮像面に2次元に配置された撮像デバイスであり、
    前記検出装置は、
    前記撮像結果として得られる2次元画像から、前記所定方向に対応する方向の直交方向の画素列を複数抽出し、抽出された各画素列の輝度データのデータ列に基づいて前記基準線に関する情報を検出することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  7. 前記撮像機構は、
    前記所定方向の相対走査時に、複数回の連続的な撮像を行うことにより、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を複数取得することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  8. 前記蓄積型撮像デバイスは、
    複数の光電変換素子が、撮像面に前記所定方向の直交方向に対応する方向に、1列に配置された撮像デバイスであることを特徴とする請求項に記載の位置検出装置。
  9. 前記蓄積型撮像デバイスは、
    複数の光電変換素子が、撮像面に2次元に配置された撮像デバイスであり、
    前記検出装置は、
    前記撮像結果として得られる2次元画像における所定の領域内で、前記所定方向に対応する方向の画素列毎の輝度データの累積値を求め、前記対応する方向の直交方向に関する前記累積値のデータ列を作成し、作成されたデータ列に基づいて前記基準線に関する情報を検出することを特徴とする請求項に記載の位置検出装置。
  10. 前記蓄積型撮像デバイスは、
    複数の光電変換素子が撮像面に2次元に配置された撮像デバイスであり、
    前記検出装置は、
    前記撮像結果として得られる2次元画像から、前記所定方向に対応する方向に直交する方向の画素列を抽出し、抽出された画素列の輝度データのデータ列に基づいて前記基準線に関する情報を検出することを特徴とする請求項に記載の位置検出装置。
  11. 前記基準線は、前記物体上にマトリクス状に配置された複数の区画領域の間の境界線であり、
    前記撮像機構は、各回の撮像結果に対応する前記区画領域の配置状態がほぼ同一となるような間隔で各回の撮像を行うことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  12. 前記撮像機構が、前記所定方向の相対走査時の撮像を3回以上行う場合には、
    前記検出装置は、
    前記各撮像結果に基づいて、最尤推定により、前記基準線に関する情報を検出することを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  13. 前記検出装置は、
    データ列の折り返し相関性に基づいて、前記基準線に関する情報を検出することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  14. 前記検出装置は、
    異なるデータ列同士の相関性に基づいて、前記基準線に関する情報を検出することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  15. 物体の位置情報を検出する位置検出装置であって、
    蓄積型撮像デバイスと;
    前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に相対走査させながら、前記物体上に形成された前記物体の向きを規定する基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像することにより、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を取得する撮像機構と;
    前記基準線を含む領域の撮像結果に基づいて、前記基準線に関する情報を検出する検出装置と;
    前記検出された前記基準線に関する情報と、前記基準線に関する情報の設計値とに基づいて、前記物体の向きに関する情報を算出する算出装置と;を備える位置検出装置。
  16. 前記撮像機構は、
    前記相対走査の開始時又は終了時に、前記蓄積型撮像デバイスを用いて、前記物体上に形成された設計上の位置情報が既知であるマークを含む領域をさらに撮像し、
    前記検出装置は、
    前記マークを含む領域の撮像結果に基づいて、前記マークの位置情報をさらに検出し、
    前記算出装置は、
    前記検出された前記マークの位置情報及び前記物体の向きに関する情報並びに前記検出されたマークの設計上の位置情報に基づいて、前記物体の位置情報をさらに算出することを特徴とする請求項15に記載の位置検出装置。
  17. 前記撮像機構は、
    前記物体の移動を規定する2次元座標系の各座標軸の方向を、それぞれ前記所定方向として、前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を相対走査させながら、互いに直交する2つの前記基準線のうちの前記各座標軸方向に略平行に延びる前記基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像し、
    前記検出装置は、
    前記各基準線を含む撮像結果に基づいて、その基準線に関する情報をそれぞれ検出し、
    前記算出装置は、
    前記検出された前記各基準線に関する情報に基づいて、前記2次元座標系の各座標軸の直交度をさらに算出し、前記直交度を考慮しつつ、前記物体の位置ずれに関する情報を算出することを特徴とする請求項16に記載の位置検出装置。
  18. 物体の位置情報を検出する位置検出装置であって、
    蓄積型撮像デバイスと;
    前記物体に対し、前記蓄積型撮像デバイスの撮像視野を所定方向に相対走査させながら、前記物体上に形成された前記物体の向きを規定する基準線を含む領域を、前記蓄積型撮像デバイスを用いて少なくとも1回連続的に撮像して、前記所定方向に圧縮された前記基準線を含む領域の撮像結果を取得し、前記相対走査の開始時又は終了時に、前記蓄積型撮像デバイスを用いて、前記物体上に形成された設計上の位置情報が既知であるマークを含む領域をさらに撮像し、前記マークを含む領域の撮像結果を取得する撮像機構と;
    前記基準線を含む領域の撮像結果に基づいて、前記基準線の向きに関する情報を検出し、前記マークを含む領域の撮像結果に基づいて、前記マークの位置情報をさらに検出する検出装置と;
    前記検出された前記基準線の向きに関する情報及び前記マークの位置情報並びに前記検出されたマークの設計上の位置情報に基づいて、前記物体の位置情報を算出する算出装置と;を備える位置検出装置。
  19. 物体の位置情報を検出する位置検出方法であって、
    請求項1〜18のいずれか一項に記載の位置検出装置を用いて、物体の位置情報を検出する工程を含む位置検出方法。
  20. パターンを、移動体に保持された物体に転写する露光方法であって、
    請求項19に記載の位置検出方法を用いて、前記移動体上の物体の位置情報を検出する工程と;
    前記検出された前記物体の位置情報に基づいて、前記移動体に保持された物体の位置制御を行いつつ、前記パターンを前記物体に転写する工程と;を含む露光方法。
  21. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、
    前記リソグラフィ工程では、請求項20に記載の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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